JPH0836379A - 鍵盤楽器 - Google Patents

鍵盤楽器

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Publication number
JPH0836379A
JPH0836379A JP6169527A JP16952794A JPH0836379A JP H0836379 A JPH0836379 A JP H0836379A JP 6169527 A JP6169527 A JP 6169527A JP 16952794 A JP16952794 A JP 16952794A JP H0836379 A JPH0836379 A JP H0836379A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
string
hammer
stopper
striking
keyboard
Prior art date
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Pending
Application number
JP6169527A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeaki Sato
重明 佐藤
Kiyoshi Kawamura
潔 河村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP6169527A priority Critical patent/JPH0836379A/ja
Publication of JPH0836379A publication Critical patent/JPH0836379A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 消音装置をアクションのハンマー並びのセク
ション割りおよび個々の並びのピッチが異なるピアノに
も共通に使用することが可能で、経済性を高める。 【構成】 ハンマーシャンク19に緩衝部材52を配設
し、これに対向してストッパ51を上下動自在に配設す
る。ストッパ51は、ストッパガイド57によって上下
動自在に保持され、切替手段53の操作によって下方の
通常演奏位置と上方の非打弦演奏位置とに選択的に移動
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アクション機構によ
って弦を打撃するアップライトピアノ、自動ピアノ等の
鍵盤楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】鍵盤の押鍵操作に連動して動作するアク
ション機構によって弦を打撃するアップライトピアノ、
グランドピアノ、自動ピアノ等の鍵盤楽器においては、
演奏音量が大きいことから、演奏音量を選択的に小さく
する弱音機構を備えている。この弱音機構は、弦とハン
マーとの間にマフラーと呼ばれるクッション材を介挿す
ることによりハンマーが弦を直接打撃することを防ぐと
共に弦の振動をマフラーによって抑制することで弱音化
を図っている。
【0003】また、最近では例えば米国特許第2,25
0,065号(以下先行発明1という)、特開平6−5
9667号公報(以下先行発明2という)等に記載され
ているように打弦音を発生させないようにする消音装置
を備えた鍵盤楽器が提案されている。先行発明1による
消音装置は、打弦音を発生させない非打弦演奏時にハン
マーアッセンブリを予め持ち上げておき、押鍵操作時に
ジャックがハンマーアッセンブリを突き上げないように
することにより、ハンマーが弦を打撃せず、演奏音を発
生させない演奏(消音演奏)を実現できるようにしたも
のである。一方、先行発明2に開示された鍵盤楽器は、
ハンマーシャンクと弦との間にその軸線回りに回動自在
なストッパを配設し、通常演奏時においてはハンマーシ
ャンクが当接しない位置にストッパを退避させておき、
非打弦演奏時に回動させてハンマーが弦を打撃する直前
にハンマーシャンクの回動を停止させる位置に移動させ
るようにしたものである。そして、このような消音装置
を、自動演奏ピアノに用いられるキーセンサと共に鍵盤
楽器に組み込んでおくと、消音しない通常演奏時(弱音
演奏時も含む)においては自然ピアノの演奏を楽しむこ
とができ、非打弦演奏時にはキーセンサによって楽音制
御回路を制御しスピーカから電子音を発生させる電子ピ
アノの演奏を楽しむことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の鍵盤楽器においてはいずれも以下に述べるよう
な不都合があった。先行発明1による消音装置は非打弦
演奏時に予めハンマーアッセンブリを持ち上げておくの
で、押鍵操作してもジャックがハンマーアッセンブリを
突き上げず、そのため通常演奏時の鍵タッチ感が得られ
ない。
【0005】先行発明2においてはハンマーが打弦する
直前にハンマーシャンクの回動を停止させているので、
上記したような問題を解消することができ、良好な鍵タ
ッチ感を得ることができるという利点を有する。一般に
鍵盤の演奏者が触れる部分は全世界殆ど同じ寸法である
が、アクションのハンマー並びのセクション割りおよび
個々の並びのピッチは全世界の各メーカーともその品番
毎に異なり、多種多様である。このため、先行発明2に
おいては部品点数が増加するという問題があった。すな
わち、先行発明2の図2には、回動自在なシャフトの周
面に複数個のクッション材を各セクション毎に配設した
構成が開示されている。つまり、アクションの各セクシ
ョン毎に設けられるアクションブラケットを避けるた
め、およびシャフトを各セクションの間において軸支す
る必要があるため、クッション材を各セクション毎に設
ける必要がある。したがって、消音装置を後付けする際
に、アクションのハンマー並びのセクション割りおよび
個々の並びのピッチが異なる場合には、それに応じたク
ッション材をそれぞれ用意する必要がある。このため、
部品点数が増え、製作が面倒で不経済であった。
【0006】また、先行発明2の図3には、ストッパを
長板で構成し、このストッパに複数個のクッション材を
各セクション毎に配設し、ペダル操作によってストッパ
を上下動させ、通常演奏位置と非打弦演奏位置とに選択
的に移動させるように構成した消音装置が開示されてい
る。しかしながら、このような構成においても、上記し
たと同様に、各セクション毎にクッション材を設けてい
るので、消音装置を後付けする際に、アクションのハン
マー並びのセクション割りおよび個々の並びのピッチが
異なる場合には、それに応じたクッション材をそれぞれ
用意する必要がある。したがって、製作が面倒で、不経
済であった。加えて、先行発明2の図3の構成では、通
常演奏時においてストッパがシャンクに確実に当接しな
いようにし、かつ非打弦演奏時においてストッパがシャ
ンクに確実に当接するようにするためには、通常演奏と
非打弦演奏とを切り換える際にストッパを大きく動かさ
なければならないと言う問題があった。
【0007】この発明は上記したような従来の問題点に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、アク
ションのハンマー並びのセクション割りおよび個々の並
びのピッチが異なるピアノにも共通に使用することが可
能で、経済性に富んだ鍵盤楽器を提供することにある。
また、この発明の他の目的は、ハンマーシャンクと弦と
の間隔が狭いピアノでも消音装置の実装を可能にした鍵
盤楽器を提供することにある。また、この発明のさらに
他の目的は、ストッパを小さな摩擦力にて動作させるこ
とができ、通常演奏状態と非打弦演奏状態の切替操作を
容易に行い得るようにした鍵盤楽器を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するためになされたもので、請求項1に記載の発明
は、鍵盤の押鍵操作に連動して動作し弦を打撃するハン
マーアッセンブリと、通常演奏時においては前記ハンマ
ーによる打弦動作を阻止せず、非打弦演奏時に前記ハン
マーによる打弦動作を阻止する消音装置を備えた鍵盤楽
器において、前記消音装置は、各アクション機構のハン
マーシャンクに取り付けられた緩衝部材と、通常演奏時
においては前記ハンマーシャンクの回動を阻止せず、非
打弦演奏時に前記緩衝部材が当接することにより前記ハ
ンマーが打弦する直前に前記ハンマーシャンクの回動を
停止させる移動自在なストッパとを具備することを特徴
とする。請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発
明において、ストッパはハンマーシャンクと弦との間に
上下動自在に配設され、緩衝部材が当接しない通常演奏
位置と当接する非打弦演奏位置とに選択的に移動される
ことを特徴とする。請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載の発明において、ストッパはその一部を摺動面と
してガイド部材により摺動自在に保持され、切替手段に
よって通常演奏位置と非打弦演奏位置とに選択的に移動
されることを特徴とする。
【0009】
【作用】この発明において、緩衝部材は各ハンマーシャ
ンクに取り付けられているので、組付けに際しては、ア
クション機構を組み込んだ後ストッパを緩衝部材に対し
て位置調整して取り付けるだけでよく、アクションのハ
ンマー並びのセクション割りおよび個々の並びのピッチ
が異なるピアノであっても共通に使用することが可能で
ある。また、ストッパは上下動自在で緩衝部材が当接し
ない通常演奏位置と当接する非打弦演奏位置とに選択的
に移動されるので、ハンマーシャンクと弦との間隔が狭
い場合でも、ストッパの実装を可能にする。また、スト
ッパはその一部がガイド部材と接触しているので、切替
操作時の摩擦力が小さく、小さな操作力で円滑に摺動
し、通常演奏位置または非打弦演奏位置に移動される。
【0010】
【実施例】以下、この発明を図面に示す実施例に基づい
て詳細に説明する。図1はこの発明をアップライトピア
ノに適用した場合の一実施例を示すアクション機構部の
通常演奏時の側断面図、図2は非打弦演奏時の側断面図
である。これらの図において、各音高の弦1は上下端が
不図示のフレームにチューニングピンとフレームピンを
介して係止されることにより所定の張力をもって略垂直
に張設されている。弦1の前方には全ての弦1に対して
共通に延在するセンターレール2が鍵3の後端部3aの
上方に位置して配設されており、このセンターレール2
に鍵盤3に連動して動作し対応する弦1を打撃するアク
ション機構4と、ダンパー機構5が配設されている。
【0011】前記アクション機構4は、前記センターレ
ール2の下端に固定されたウイペンフレンジ6に後端が
ピン7を介して上下方向に回動自在に軸支された前後方
向に長いウイペン8を備えている。ウイペン8は、遊端
(前端)側下面に一体的に設けられたウイペンヒール8
Aが鍵盤3の後端部3a寄り上面に植設されたキャプス
タン9上に載置されることによる通常略水平に保持され
ている。また、ウイペン8の上方にはジャック10が配
設されている。ジャック10は側面視L字状に形成され
て、その下端屈曲部が前記ウイペン8の上面に突設され
たジャックフレンジ11にピン12を介して前後方向に
回動自在に軸支されると共に、ジャックスプリング13
によって図1時計方向の回動習性を付与されており、上
方に伸びる一腕がジャック大10Aを形成してその上面
がハンマーアッセンブリ14を構成するバット15の下
面前端部に当接し、水平方向に伸びる他腕がジャック小
10Bを形成している。
【0012】前記ハンマーアッセンブリ14は、前記セ
ンターレール2の肩部に固設されたバットフレンジ16
にセンターピン17を介して前後方向に回動自在に配設
された前記バット15と、このバット15の上面にハン
マーシャンク19を介して配設されたハンマー18と、
バット15の前面にキャッチャシャンク20を介して配
設されたキャッチャ21と、バット15を復帰方向(図
1反時計方向)に付勢するバットスプリング22等から
なり、通常ハンマーシャンク19がハンマーレール23
にフェルト24を介して当接することで初期位置に係止
されている。ハンマー18は、ハンマーシャンク19に
固定されたハンマーウッド18Aと、ハンマーウッド1
8Aの先端部に配設されたハンマーフェルト18Bとで
構成されている。鍵盤3の押鍵操作によってウイペン8
がキャプスタン9により突き上げられ、ピン7を中心と
して時計方向に上昇回動すると、ジャック10のジャッ
ク大10Aがバット15を下から突き上げてハンマーア
ッセンブリ14を時計方向に回動させ、これによってハ
ンマー18が押鍵操作された鍵盤3に対応する弦1を打
撃する。打弦動作時において、ジャック10はその上昇
途中において、ジャック小10Bがセンターレール2に
配設された脱進機構を構成するレギュレチングアッセン
ブリ25によりその上昇運動を阻止されることにより、
ジャックスプリング13に抗して反時計方向に回動さ
れ、これによってジャック10の上面がバット15の下
部から一時的に脱進する。この脱進時期は、通常演奏時
において、ハンマー18が弦1に2〜3mm程度まで接
近したときとされる。そして、ジャック10は、ハンマ
ー18による打弦動作後鍵盤3の復帰動作に伴うウイペ
ン8の回動下降に連動して回動復帰することにより、そ
の上端が再びバット15の下部に入り込み、次の打弦動
作を可能にする。
【0013】なお、本実施例においては、レギュレチン
グアッセンブリ25をセンターレール2にブラケット2
6を介して配設されたレギュレーチングレール27と、
レギュレチングレール27にレギュレチングスクリュ2
8を介して配設されたレギュレチングボタン29とで構
成した場合を示したが、非打弦演奏時においてもジャッ
ク10を脱進させる必要があるために、例えば特願平4
−200581号に示した技術(レギュレチングアッセ
ンブリを上下動可能に配置し、非打弦演奏時にジャック
小とレギュレチングアッセンブリとの距離を短縮し、ジ
ャックの脱進時期を通常演奏時より早くする)等を用い
て脱進時期を可変とすれば、非打弦演奏時における接近
を10mm程度に拡大することが可能である。このよう
にすれば、非打弦演奏時において、ジャック10が脱進
する前に後述する緩衝部材52がストッパ51に当接す
ることにより、ジャック19がバット22とストッパ5
1に挟み込まれて止まってしまう、ということを防ぐこ
とができる。なお、特願平4−200581号に示した
技術を用いず脱進時期を固定とする場合には、接近を予
め普通のアップライトピアノよりも大きく(例えば10
mm程度)しておけばよい。
【0014】前記ウイペン8の遊端側上面にはさらにバ
ックチェックワイヤ31とブライドルワイヤ32が図に
示すように鍵盤3の前方側に所要角度傾斜して植設され
ている。バックチェックワイヤ31の上端には打弦動作
後弦1の反発力およびバットスプリング22のばね力に
よって回動復帰するハンマーアッセンブリ14の前記キ
ャッチャ21を弾性的に受け止めるバックチェック33
が配設されている。前記キャッチャ21とブライドルワ
イヤ32とはブライドルテープ34によって互いに連繋
されており、これによってハンマーアッセンブリ14の
回動復帰をウイペン8の回動復帰に追従させ、ハンマー
アッセンブリ14の跳ね返り、弦1の2度打ちを防止す
ると共に、ハンマーアッセンブリ14の初期位置への復
帰を早めるようにしている。
【0015】前記ハンマーレール23は弱音機構を構成
するもので、楽器本体下部に配設された不図示のソフト
ペダルの踏込操作に連動して時計方向に回動されること
により弦1側に移動してハンマー18を弦1に近づけ、
これによって弦1に対するハンマー18の打撃力を弱
め、弱音演奏を可能にしている。なお、ハンマーレール
23を支持するヒンジ35は、前記センターレール1が
固定されたアクションブラケット36(図2は省略)に
回動自在に軸支されている。アクションブラケット36
は、棚板37上に不図示のアクション台を介して鍵盤3
の配列方向に所要の間隔をおいて複数個、例えば4つ、
棚板37の両端および、低,中,高音域の境部にそれぞ
れ位置して立設されている。
【0016】前記ダンパー機構5は、中間部が前記セン
ターレール2の上面に配設されたダンパーレバーフレン
ジ40にピン41を介して前後方向に回動自在に軸支さ
れ、かつダンパーレバースプリング42によって時計方
向の回動習性が付与された上下方向に延在するダンパー
レバー43と、このダンパーレバー43の上端にダンパ
ーワイヤ44を介して配設されたダンパー45等で構成
されている。ダンパー45は通常前記ダンパーレバース
プリング42のばね力によって弦1に圧接されることに
より、弦1の自由な振動を阻止しており、鍵盤3の押鍵
操作時にウイペン8の基端部上面に植設されたダンパー
スプーン46がダンパーレバー43の下端部をダンパー
レバースプリング42に抗して押圧、回動させることに
より、弦1から離間するよう構成されている。そして、
このダンパー45の離間後、ハンマー18が弦1を打撃
することで、通常演奏を可能にしている。なお、上記し
たアクション機構4およびダンパー機構5は、従来のア
ップライトピアノのアクション機構、ダンパー機構と全
く同様である。
【0017】さて、この発明においては、上記した通常
演奏時の鍵タッチ感を阻害しないで打弦音を発生させな
い非打弦演奏を可能にする装置、すなわち消音装置50
を備えている。この消音装置50は、弦1とハンマーシ
ャンク19、厳密にはハンマーシャンク19とダンバー
機構5との間の狭い空間に上下動自在に配設されたスト
ッパ51と、各ハンマーシャンク19の長手方向中間部
に前記ストッパ51に対応して配設された緩衝部材52
と、ストッパ51を緩衝部材52が当接しない通常演奏
位置(図1)と当接する非打弦演奏位置(図2)とに選
択的に移動させ通常演奏状態と非打弦演奏状態を切り替
える切替手段53(図3)等で構成されている。
【0018】さらに消音装置50の構成等を図3〜図5
に基づいて詳述する。図3は消音装置の斜視図、図4は
ストッパとストッパガイドの拡大断面図、図5はストッ
パとストッパガイドの分解斜視図である。これらの図に
おいて、ストッパ51は、金属、プラスチック等によっ
て細長い板状体に形成されて、全てのアクション機構4
に対して共通に延在するよう弦1の前方に配設され、ス
トッパガイド57によって上下移動自在に保持されてい
る。また、ストッパ51は、左右一対の引張りコイルば
ね58によって懸吊り保持されている。このばね58は
演奏状態の切替時に下方の通常演奏位置から上方の非打
弦演奏位置への移動を容易にする。ばね58の上端は親
板の内側面に取り付けられたブロック60のフック部材
59に係止され、下端がストッパ51の上面に取り付け
られたフック61に係止されている。なお、ばね58の
ばね力は、ストッパ51の重量にストッパとストッパガ
イド57との摩擦力を加えた値と略バランスするよう設
定されることが望ましいが、それ以上であってもよい。
【0019】前記ストッパ51の両端面には連結金具6
3がそれぞれ固定されており、この連結金具63に操作
ボタン65と共に前記切替手段53を構成するワイヤ6
4の一端がそれぞれ連結されている。ワイヤ64は、両
端にワイヤケース66が取り付けられた可撓性を有する
チューブ67に摺動自在に挿通され、その両端が前記ワ
イヤケース66から突出し、一方端に設けた円板、ボー
ル等からなる係止部64a(図5)が前記連結金具63
の孔63aに挿入係止され、他方端が前記操作ボタン6
5に連結されている。ストッパ側のワイヤケース66
は、不図示の親板の内側面にブロック68を介して取り
付けられたブラケット69によって保持され、操作ボタ
ン側のワイヤケース66は棚板37の下面に設けられた
ブラケット(図示せず)によって保持されている。前記
操作ボタン65は、前記棚板37の前端部下面適宜箇所
にホルダ70を介して配設されており、このボタン65
を図3矢印A,B方向に操作すると、前記ストッパ51
が上下動し、これによって通常演奏状態と非打弦演奏状
態の切替が行われる。すなわち、操作ボタン65を例え
ば図3矢印A方向に押圧して移動させると、ワイヤ64
のストッパ側端が押し上げられるため、ストッパ51は
上昇して非打弦演奏位置に移動される。この状態におい
て、ストッパ51の下降を防止するため操作ボタン65
は適宜なロック機構(図示せず)によってロックされ
る。図3はこの状態を示す。反対に矢印B方向に操作す
ると、ワイヤ64のストッパ側端が引き下げられるた
め、ストッパ51はばね58に抗して下降し、通常演奏
位置に移動される。この状態において、ストッパ51の
上昇を防止するため操作ボタン65は上記したと同様、
ロック機構によってロックされる。
【0020】前記ストッパガイド57は、金属板等によ
って側面視J字状に形成されることにより、前記ストッ
パ51を上下方向に摺動自在に収納する収納溝72を有
し、複数個、例えば4つのステー73の上面に設置固定
されている。これらのステー73は、センターレール2
のアクション機構4が設けられていない位置(通常、ア
クションブラケット36の近傍)にそれぞれ取り付けら
れており、ステー73の孔が設けられた係止部73aお
よび73bをセンターレール2の上部2aおよび下部2
bに各々ねじ止めすることにより固定される。なお、セ
ンターレール2の上面2aは、傾斜しているので、必要
に応じて、ステー73の係止部73aとセンターレール
2の上面2aとの間に例えばスペーサ等を介して固定さ
れる。また、前記ストッパガイド57を形成前後一対の
側板57a,57bのうち前方側、すなわち高さが低く
ハンマーシャンク19と対向する側板57aの各ステー
73と対応する部位には後方側の側板57bと共に前記
ストッパ51を案内支持する板状のガイド部材74の下
端部がねじ止め固定されている。ガイド部材74は、後
方側の側板57bと略同一の高さを有し、前記前方側の
側板57aより上方に延在する上端部後面が同側板57
aの内側面と略同一平面を形成している。一方、前記ス
トッパ51には摺動時の摩擦を少なくするため潤滑材7
5が貼着されている。潤滑材75は、人工皮革にシリコ
ングリスを加えたり、クロスにシリコングリスまたは黒
鉛を加えて帯状に形成されており、前記ストッパ51の
前記各ガイド部材74と対応する部位にその前後面およ
び底面を覆うよう貼り付けられている。このような潤滑
材75のみをストッパガイド57とガイド部材74に接
触させると、接触面積および摺動時の摩擦力が小さく、
ストッパ51を円滑に上下動させることができる。ま
た、図5に示すように側板57aには非打弦演奏時のハ
ンマーの回動距離、言い換えればハンマーの回動が阻止
された瞬間のハンマーと弦との距離を調整するためフェ
ルト等からなる複数個のスペーサ77が各ハンマーシャ
ンク19の緩衝部材52に対応して接着されている。そ
して、前記ストッパガイド57の背面上部には非打弦演
奏時におけるダンパー機構5のダンパーワイヤ44(図
1)がストッパガイド57に直接当接した際の雑音の発
生を防止するためフェルト、ニードルフェルト等からな
る緩衝材78が固着されている。
【0021】前記ストッパ51と共に消音装置50を構
成する前記緩衝部材52はフェルト等からなり、各アク
ション機構4のハンマーシャンク52に前記ストッパ5
1と対向するよう緩衝台80(図1)を介して固着され
ている。また、緩衝部材78のストッパ51との当接面
には皮革等の保護材91が固着されている。なお、緩衝
部材52のストッパ51との当接面は、非打弦演奏時に
ストッパ51と面で当接するような角度を有している。
これは緩衝部材52が当接した時の分力の発生によるハ
ンマーシャンク19のガタ付きを防止するためである。
【0022】次に、上記構成からなるアップライトピア
ノにおいて通常演奏時と非打弦演奏時の動作について説
明する。通常演奏時において、ストッパ51は図1に示
す通常演奏位置に保持されることにより、緩衝部材52
の運動領域外に退避されている。この状態において、鍵
盤3を押鍵操作すると、上記した通りキャプスタン9が
ウイペン8を時計方向に上昇回動させるため、ジャック
10もウイペン8と一体に上昇し、バット15を突き上
げることでハンマーアッセンブリ14を時計方向に回動
させる。ジャック10の上昇移動に伴いバット15が突
き上げられると、ハンマーアッセンブリ14はストッパ
51によりハンマーシャンク19の回動を阻止されるこ
となく時計方向に回動飛翔し続けてハンマー18が弦1
を打撃し、もって通常演奏を可能にする。打弦動作時に
おいて、ジャック10はその上昇途中において、ジャッ
ク小10Bがレギュレチングボタン29に当接してその
上昇運動を阻止されることにより、レギュレチングボタ
ン29との当接部を回動力点としてジャックスプリング
13に抗して反時計方向に回動され、これによってジャ
ック10の上端がバット15の下部から一時的に脱進す
る。そして、ジャック10は、ハンマー19による打弦
動作後、鍵盤3の復帰動作に伴うウイペン8の回動下降
に連動して回動復帰することにより、その上端が再びバ
ット15の下部に入り込み、次の打弦動作を可能にす
る。
【0023】通常演奏状態から非打弦演奏状態に切り替
えるには図3に示した操作ボタン65を矢印A方向に押
圧移動させればよい。すると、ワイヤ64のストッパ側
端が上昇してストッパ51を押上げ、通常演奏位置から
非打弦演奏位置に上昇移動させる。この非打弦演奏位置
は、前記緩衝部材52の運動領域内とされ、しかして消
音装置50が通常演奏状態から非打弦演奏状態に切り替
えられる。
【0024】図2および図3はこの状態を示す。次に、
この状態で鍵盤3を押鍵操作するとキャプスタン9がウ
イペン8を時計方向に上昇回動させるため、ジャック1
0もウイペン8と一体に上昇し、バット15を突き上げ
ることでハンマーアッセンブリ14を時計方向に回動さ
せる。この時、ジャック10の上昇移動に伴いバット1
5が突き上げられると、ハンマーアッセンブリ14は時
計方向に回動飛翔して弦1を打撃しようとする。しか
し、ハンマー18が弦1を打撃する直前に緩衝部材52
がストッパ51に当接するため、ハンマーアッセンブリ
14はそれ以上の回動を阻止され、ハンマー18が弦1
を打撃することなく跳ね返され、初期位置へ回動復帰す
る。また、ジャック10も上記した通りウイペン8に連
動して下降し、その上面がバット15の下部に再び入り
込み、初期位置に復帰する。この結果、打弦音を発しな
い非打弦演奏を行うことができる。
【0025】かくして、このような構成からなるアップ
ライトピアノにおいては、消音装置50の切替操作によ
り、通常演奏と非打弦演奏を楽しむことができる。ま
た、この発明においては予め緩衝部材52がハンマーシ
ャンク19に取り付けられたアクション機構4を組込
み、しかる後ストッパ51を組み込んで緩衝部材52に
対して位置決めすればよいので、消音装置50の取り付
け、位置決め作業が簡単かつ容易で、セクション割り
(各セクションの寸法等)等が異なる各種ピアノに対し
て共通に取り付けることが可能である。したがって、機
種、寸法の異なる品番毎に寸法の異なる部品を用意する
必要がなく、経済的である。また、ストッパ51を潤滑
材75によって8点保持しているので、ストッパ51を
上下動させた際の摩擦力が小さく、僅かな操作力にて通
常演奏状態と非打弦演奏状態の切替操作を行うことがで
きる。さらに、ストッパ51の上下方向の移動によって
通常演奏状態と非打弦演奏状態を切り換えるようにして
いるので、回動による切替えに比べて、ハンマーシャン
ク19とダンパー機構5との隙間が小さいピアノにおい
ても適用することが可能である。加えて、先行発明2の
図3の構成では通常演奏と非打弦演奏とを切り換える際
にストッパを大きく動かさなければならないが、本発明
においてはハンマーシャンク19に緩衝部材52を設け
るようにしたので、通常演奏と非打弦演奏とを切り換え
る際にストッパ51を動かす距離を短くし、スペーサが
小さい箇所でも消音装置を配設することができる。
【0026】また、例えば特開昭59−24894号公
報等に開示されているように鍵盤3の下方にキーセンサ
を配設すると共に、ハンマーシャンク19の後方にハン
マーセンサ92(図3)を各アクション機構4のハンマ
ーシャンク19に対応して配設し、これらセンサによっ
て鍵盤3およびアクション機構4の動きを検出し、その
検出信号によって楽音制御回路を制御し、電子音源から
電子音を発生させるようにすると、アップライトピアノ
のタッチ感を損なうことなく電子ピアノの演奏を楽しむ
ことができ、また、この時の電子音をヘッドホンで聞い
たり、スピーカから小さな音量で発音させると、日中、
夜間を問わず近隣居住者への騒音公害となることがな
い。なお、このようなキーセンサおよびハンマーセンサ
については、その詳細な説明を省略する。
【0027】上記した実施例においては、ストッパガイ
ド57をJ字状に形成して弦1側の側板57bの高さを
ハンマー側の側板57aより高く設定したが、通常演奏
時においてハンマーシャンク19に設けられた緩衝部材
52が弦側の側板57bに当接する可能性がある場合に
は、図6に示すようにストッパガイド57をU字状に形
成して前後に対向する側板57a,57bの高さを略等
しくし、ストッパ51を案内保持するガイド部材74、
93を対向配置するようにすればよい。このような構成
においてもストッパ51を確実に上下動させ得る。この
場合、ガイド部材93はダンパーワイヤ用の緩衝部材7
8を介して側板57bに固定されるため、単純にガイド
部材93をねじ止め固定しただけでは、緩衝部材78が
弾性を有するため完全には固定することができない。そ
こで、側板57bとガイド部材93との間に金属板等か
らなるスペーサ94を介在させれば、ガイド部材93を
確実に固定することができる。
【0028】なお、上記実施例はストッパ51を上下方
向に移動させたが、これに限らず緩衝部材52が当接す
る位置と当接しない位置であれば、前後方向の移動であ
ってもよい。また、上記実施例においては、ストッパ5
1を上下動させ通常演奏状態と非打弦演奏状態とを切り
換える切替手段53として操作ボタン65と2本のワイ
ヤ64を用いた例を示したが、この発明はこれに特定さ
れるものではなく、駆動モータ、ソレノイド等によって
動作させるものであってもよいことは勿論である。駆動
モータを使用する場合は、モータの回転をラック等によ
ってストッパ51に伝達すればよい。ソレノイドの場合
はリンクを用いればよい。さらに、本発明をグランドピ
アノ等の他の鍵盤楽器に適用することができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明に係る鍵盤
楽器は、鍵盤の押鍵操作に連動して動作し弦を打撃する
ハンマーアッセンブリと、通常演奏時においては前記ハ
ンマーによる打弦動作を阻止せず、非打弦演奏時に前記
ハンマーによる打弦動作を阻止する消音装置を備えた鍵
盤楽器において、各アクション機構のハンマーシャンク
に取り付けられた緩衝部材と、通常演奏時においては前
記ハンマーシャンクの回動を阻止せず、非打弦演奏時に
前記緩衝部材が当接することにより前記ハンマーが打弦
する直前に前記ハンマーシャンクの回動を停止させるス
トッパとで消音装置を構成したので、アクションのハン
マー並びのセクション割りおよび個々のピッチが異なる
場合であっても、ストッパを緩衝部材に対して位置決め
調整するだけでよく、そのためわざわざ寸法の異なる緩
衝部材もしくはストッパを用意する必要がなく、経済的
である。加えて、ハンマーシャンクに緩衝部材を設ける
ようにしたので、通常演奏と非打弦演奏とを切り換える
際にストッパを動かす距離を短くでき、スペーサが小さ
い箇所でも消音装置を配設することができる。また、こ
の発明はストッパを上下動させるように構成したので、
ハンマーシャンクと弦との隙間が小さい場合にも適用実
施し得る。さらにまた、ストッパと、このストッパを摺
動自在に保持するガイドとをその一部分でのみ接触させ
ているので、摺動時の摩擦力が小さく、ストッパを小さ
な力で移動させることができ、通常演奏状態と非打弦演
奏状態の切替操作が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明をアップライトピアノに適用した場
合の一実施例を示すアクション機構部の通常演奏時の側
断面図である。
【図2】 非打弦演奏時の側断面図である。
【図3】 消音装置の斜視図である。
【図4】 ストッパとストッパガイドの拡大断面図であ
る。
【図5】 ストッパとストッパガイドの分解斜視図であ
る。
【図6】 ストッパガイドの他の実施例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1…弦、2…センターレール、3…鍵盤、4…アクショ
ン機構、5…ダンパー機構、14…ハンマーアッセンブ
リ、15…バット、18…ハンマー、18A…ハンマー
ウッド、18B…ハンマーフェルト、19…ハンマーシ
ャンク、50…消音装置、51…ストッパ、52…緩衝
部材、53…切替手段、65…操作ボタン、57…スト
ッパガイド。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍵盤の押鍵操作に連動して動作し弦を打
    撃するハンマーアッセンブリと、通常演奏時においては
    前記ハンマーによる打弦動作を阻止せず、非打弦演奏時
    に前記ハンマーによる打弦動作を阻止する消音装置を備
    えた鍵盤楽器において、 前記消音装置は、各アクション機構のハンマーシャンク
    に取り付けられた緩衝部材と、通常演奏時においては前
    記ハンマーシャンクの回動を阻止せず、非打弦演奏時に
    前記緩衝部材が当接することにより前記ハンマーが打弦
    する直前に前記ハンマーシャンクの回動を停止させる移
    動可能なストッパとを具備することを特徴とする鍵盤楽
    器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鍵盤楽器において、 ストッパはハンマーシャンクと弦との間に上下動自在に
    配設され、緩衝部材が当接しない通常演奏位置と当接す
    る非打弦演奏位置とに選択的に移動されることを特徴と
    する鍵盤楽器。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の鍵盤楽器において、 ストッパはその一部を摺動面としてガイド部材により摺
    動自在に保持され、切替手段によって通常演奏位置と非
    打弦演奏位置とに選択的に移動されることを特徴とする
    鍵盤楽器。
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