JPH0834634A - 耐薬品性に優れたガラス基板 - Google Patents
耐薬品性に優れたガラス基板Info
- Publication number
- JPH0834634A JPH0834634A JP19493994A JP19493994A JPH0834634A JP H0834634 A JPH0834634 A JP H0834634A JP 19493994 A JP19493994 A JP 19493994A JP 19493994 A JP19493994 A JP 19493994A JP H0834634 A JPH0834634 A JP H0834634A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass
- glass substrate
- resistance
- hydrofluoric acid
- alkali metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/04—Glass compositions containing silica
- C03C3/076—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
- C03C3/089—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron
- C03C3/091—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron containing aluminium
- C03C3/093—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron containing aluminium containing zinc or zirconium
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Geochemistry & Mineralogy (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Glass Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず、ま
た耐薬品性、特に耐バッファード弗酸性に優れ、しかも
溶融時に気泡、異物、脈理等の生じないガラス基板を提
供することを目的とする。 【構成】 重量百分率で、SiO2 50〜65%、A
l2 O3 7〜19%、B2 O3 3〜15%、CaO
2〜18%、BaO 10.5〜25%、SrO 0
〜10%、ZnO 0〜10%、ZrO2 0.1〜4
%からなり、実質的にアルカリ金属酸化物、MgO、P
bOを含有しないことを特徴とする。
た耐薬品性、特に耐バッファード弗酸性に優れ、しかも
溶融時に気泡、異物、脈理等の生じないガラス基板を提
供することを目的とする。 【構成】 重量百分率で、SiO2 50〜65%、A
l2 O3 7〜19%、B2 O3 3〜15%、CaO
2〜18%、BaO 10.5〜25%、SrO 0
〜10%、ZnO 0〜10%、ZrO2 0.1〜4
%からなり、実質的にアルカリ金属酸化物、MgO、P
bOを含有しないことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融性、耐熱性および
耐薬品性、特に耐バッファード弗酸性に優れ、液晶ディ
スプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の
ディスプレイ基板、フィルター、イメージセンサーある
いはアモルファス太陽電池基板として適したガラス基板
に関するものである。
耐薬品性、特に耐バッファード弗酸性に優れ、液晶ディ
スプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の
ディスプレイ基板、フィルター、イメージセンサーある
いはアモルファス太陽電池基板として適したガラス基板
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子工業の分野では、液晶ディスプレ
イ、イメージセンサー、太陽電池等の透明基板としてガ
ラス基板が使用される。これらのガラス基板には、透明
導電膜や絶縁膜、各種半導体膜が成膜され、さらにフォ
トリソグラフの技術により電気回路としての種々のパタ
ーンニングがガラス基板上になされる。これらの成膜、
半導体形成およびフォトリソグラフ等の工程においてガ
ラス基板は、さまざまな熱履歴や薬品処理を受ける。例
えばアクティブマトリックス方式の液晶ディスプレイで
は、ガラス基板上に透明導電膜や絶縁膜が形成され、そ
の上にアモルファスシリコン、多結晶シリコン、金属等
の半導体素子が多数配列され、アニール等によってトラ
ンジスタやダイオード等の半導体が形成される。
イ、イメージセンサー、太陽電池等の透明基板としてガ
ラス基板が使用される。これらのガラス基板には、透明
導電膜や絶縁膜、各種半導体膜が成膜され、さらにフォ
トリソグラフの技術により電気回路としての種々のパタ
ーンニングがガラス基板上になされる。これらの成膜、
半導体形成およびフォトリソグラフ等の工程においてガ
ラス基板は、さまざまな熱履歴や薬品処理を受ける。例
えばアクティブマトリックス方式の液晶ディスプレイで
は、ガラス基板上に透明導電膜や絶縁膜が形成され、そ
の上にアモルファスシリコン、多結晶シリコン、金属等
の半導体素子が多数配列され、アニール等によってトラ
ンジスタやダイオード等の半導体が形成される。
【0003】これらの工程でガラス基板は、数百度の熱
処理や硫酸、塩酸、バッファード弗酸などの酸あるいは
アルカリ溶液等による種々の薬品処理を受ける。従って
ガラス基板、特に液晶ディスプレイに用いられるガラス
基板には、一般に次の要件を満足することが要求され
る。
処理や硫酸、塩酸、バッファード弗酸などの酸あるいは
アルカリ溶液等による種々の薬品処理を受ける。従って
ガラス基板、特に液晶ディスプレイに用いられるガラス
基板には、一般に次の要件を満足することが要求され
る。
【0004】シリコンや金属等の半導体素子は、Na
等のアルカリ金属の影響を受けると、暗比抵抗が増大す
るなどの特性劣化を生じる。ガラス中にアルカリ金属酸
化物が含有されていると、熱処理中にアルカリイオンが
形成された半導体膜に拡散し、膜特性の劣化を招くた
め、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないこと。
等のアルカリ金属の影響を受けると、暗比抵抗が増大す
るなどの特性劣化を生じる。ガラス中にアルカリ金属酸
化物が含有されていると、熱処理中にアルカリイオンが
形成された半導体膜に拡散し、膜特性の劣化を招くた
め、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないこと。
【0005】基板上に成膜された各種膜のパターニン
グを行うフォトリソグラフ工程では、洗浄、レジスト剥
離あるいはエッチングの際に、硫酸、塩酸、バッファー
ド弗酸等の酸あるいはアルカリ溶液等の薬品が使用され
るため、耐薬品性に優れていること。
グを行うフォトリソグラフ工程では、洗浄、レジスト剥
離あるいはエッチングの際に、硫酸、塩酸、バッファー
ド弗酸等の酸あるいはアルカリ溶液等の薬品が使用され
るため、耐薬品性に優れていること。
【0006】成膜、アニール等の工程では、ガラス基
板は、数百度に加熱される。熱処理前後のパターンニン
グずれをなくすため、熱収縮が小さいこと。すなわち歪
点が高いこと。
板は、数百度に加熱される。熱処理前後のパターンニン
グずれをなくすため、熱収縮が小さいこと。すなわち歪
点が高いこと。
【0007】ガラス中に気泡、異物、脈理等が含まれ
ていると、ディスプレイの欠陥となるため、溶融性、成
形性が良いこと。
ていると、ディスプレイの欠陥となるため、溶融性、成
形性が良いこと。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来より基板用ガラス
としては、ソーダ石灰ガラス、硬質硼珪酸ガラスおよび
石英ガラスからなるものが知られている。しかしながら
ソーダ石灰ガラスや硬質硼珪酸ガラスは、アルカリ金属
酸化物を多量に含有するため、上記したの要件を満た
さない。また石英ガラスは、アルカリ金属酸化物を含有
せず、しかも上記したの要件を満足するが、コスト
が高いという難点がある。
としては、ソーダ石灰ガラス、硬質硼珪酸ガラスおよび
石英ガラスからなるものが知られている。しかしながら
ソーダ石灰ガラスや硬質硼珪酸ガラスは、アルカリ金属
酸化物を多量に含有するため、上記したの要件を満た
さない。また石英ガラスは、アルカリ金属酸化物を含有
せず、しかも上記したの要件を満足するが、コスト
が高いという難点がある。
【0009】このような事情からアルカリ金属酸化物を
含有せず、コストの低い材料として、SiO2 −Al2
O3 −RO系(Rは、アルカリ土類金属酸化物を示す)
のアルミノ硼珪酸ガラスやSiO2 −B2 O3 −Al2
O3 −BaO系のバリウム硼珪酸ガラスが開発され、一
般に普及している。
含有せず、コストの低い材料として、SiO2 −Al2
O3 −RO系(Rは、アルカリ土類金属酸化物を示す)
のアルミノ硼珪酸ガラスやSiO2 −B2 O3 −Al2
O3 −BaO系のバリウム硼珪酸ガラスが開発され、一
般に普及している。
【0010】しかしながらアルミノ硼珪酸ガラスとして
市販されているガラスは、Al2 O3 を多量に含有した
り、MgOを含有するため、フォトリソグラフ工程での
バッファード弗酸処理によってガラス基板の表面に白濁
が生じやすい。つまり弗酸処理工程では、安定した処理
を行うため、緩衝剤として弗化アンモニウムを加えたバ
ッファード弗酸が使用されるが、このバッファード弗酸
にガラス基板が浸漬されると、ガラス中のAl2 O3 や
MgOと、溶液中のアンモニウムイオンや弗素イオンと
が反応し、ガラス基板の表面に白濁物質が形成される。
この白濁物質は、簡単な洗浄では除去できず、また強制
的に除去すると、基板表面に荒れが発生するため、液晶
ディスプレイ基板として使用することができなくなる。
市販されているガラスは、Al2 O3 を多量に含有した
り、MgOを含有するため、フォトリソグラフ工程での
バッファード弗酸処理によってガラス基板の表面に白濁
が生じやすい。つまり弗酸処理工程では、安定した処理
を行うため、緩衝剤として弗化アンモニウムを加えたバ
ッファード弗酸が使用されるが、このバッファード弗酸
にガラス基板が浸漬されると、ガラス中のAl2 O3 や
MgOと、溶液中のアンモニウムイオンや弗素イオンと
が反応し、ガラス基板の表面に白濁物質が形成される。
この白濁物質は、簡単な洗浄では除去できず、また強制
的に除去すると、基板表面に荒れが発生するため、液晶
ディスプレイ基板として使用することができなくなる。
【0011】さらに上記の問題に加え、この系のガラス
は溶融温度が高く、失透温度が高いために溶融、成形が
困難であり、気泡、異物、脈理等のない均質なガラスを
製造することが難しい。そのためガラス中に融剤として
PbOを含有させる場合があるが、PbOはガラス溶融
時に融液表面から蒸発し、環境を汚染する虞れがある。
は溶融温度が高く、失透温度が高いために溶融、成形が
困難であり、気泡、異物、脈理等のない均質なガラスを
製造することが難しい。そのためガラス中に融剤として
PbOを含有させる場合があるが、PbOはガラス溶融
時に融液表面から蒸発し、環境を汚染する虞れがある。
【0012】また無アルカリのバリウム硼珪酸ガラスし
ては、コーニング社製7059があり、液晶ディスプレ
イ基板として市販されている。このガラスは、Al2 O
3 の含有量が低く、MgOを含有しないため、バッファ
ード弗酸によって白濁を生じにくいが、SiO2 の含有
量が少ないため、耐硫酸性や耐塩酸性が悪く、フォトリ
ソグラフ工程中の酸化処理でガラス表面に白濁や荒れが
生じる。さらに歪点が低く、熱収縮性に劣るという欠点
もある。
ては、コーニング社製7059があり、液晶ディスプレ
イ基板として市販されている。このガラスは、Al2 O
3 の含有量が低く、MgOを含有しないため、バッファ
ード弗酸によって白濁を生じにくいが、SiO2 の含有
量が少ないため、耐硫酸性や耐塩酸性が悪く、フォトリ
ソグラフ工程中の酸化処理でガラス表面に白濁や荒れが
生じる。さらに歪点が低く、熱収縮性に劣るという欠点
もある。
【0013】このような見地から本出願人は、特開昭6
3−74935号公報において、無アルカリで、MgO
やPbOを含有しないSiO2 −B2 O3 −Al2 O3
−CaO−BaO系のガラスを提案した。このガラス
は、溶融性、耐熱性に優れ、耐薬品性についてもほぼ満
足するものであるが、近年、バッファード弗酸の種類が
多様化したり、処理時間が長くなりつつあり、耐バッフ
ァード弗酸性をより向上させることが要求されている。
3−74935号公報において、無アルカリで、MgO
やPbOを含有しないSiO2 −B2 O3 −Al2 O3
−CaO−BaO系のガラスを提案した。このガラス
は、溶融性、耐熱性に優れ、耐薬品性についてもほぼ満
足するものであるが、近年、バッファード弗酸の種類が
多様化したり、処理時間が長くなりつつあり、耐バッフ
ァード弗酸性をより向上させることが要求されている。
【0014】本発明は、上記の問題を解決し、〜の
要件を満足するガラス基板、すなわち実質的にアルカリ
金属酸化物を含有せず、また耐薬品性、特に耐バッファ
ード弗酸性に優れ、しかも溶融時に気泡、異物、脈理等
の生じないガラス基板を提供することを目的とする。
要件を満足するガラス基板、すなわち実質的にアルカリ
金属酸化物を含有せず、また耐薬品性、特に耐バッファ
ード弗酸性に優れ、しかも溶融時に気泡、異物、脈理等
の生じないガラス基板を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、SiO2 −
Al2 O3 −B2 O3 −RO系ガラスにZrO2 を所定
量含有させることによって耐バッファード弗酸性が向上
することを見いだし、本発明を提案するに至った。
Al2 O3 −B2 O3 −RO系ガラスにZrO2 を所定
量含有させることによって耐バッファード弗酸性が向上
することを見いだし、本発明を提案するに至った。
【0016】すなわち本発明の耐薬品性に優れたガラス
基板は、重量百分率で、SiO2 50〜65%、Al2
O3 7〜19%、B2 O3 3〜15%、CaO 2
〜18%、BaO 10.5〜25%、SrO 0〜1
0%、ZnO 0〜10%、ZrO2 0.1〜4%か
らなり、実質的にアルカリ金属酸化物、MgO、PbO
を含有しないことを特徴とする。
基板は、重量百分率で、SiO2 50〜65%、Al2
O3 7〜19%、B2 O3 3〜15%、CaO 2
〜18%、BaO 10.5〜25%、SrO 0〜1
0%、ZnO 0〜10%、ZrO2 0.1〜4%か
らなり、実質的にアルカリ金属酸化物、MgO、PbO
を含有しないことを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明のガラス基板の組成を上記のように限定
した理由は、次のとおりである。
した理由は、次のとおりである。
【0018】SiO2 は、ガラスの耐硫酸性や耐塩酸性
を向上させると共に、歪点を高くして耐熱性を向上させ
る成分であるが、その含有量が50%より少なくなる
と、このような効果が得られず、また65%より多くな
ると、高温粘性が大きくなって溶融性が悪くなると共
に、クリストバライトの失透が出やすくなり、ガラス中
に失透異物が発生しやすい。
を向上させると共に、歪点を高くして耐熱性を向上させ
る成分であるが、その含有量が50%より少なくなる
と、このような効果が得られず、また65%より多くな
ると、高温粘性が大きくなって溶融性が悪くなると共
に、クリストバライトの失透が出やすくなり、ガラス中
に失透異物が発生しやすい。
【0019】Al2 O3 は、ガラスの失透を抑える成分
であるが、その含有量が7%より少なくなると、このよ
うな効果が得られず、また19%より多くなると、高温
粘性が大きくなり、溶融性が悪くなる。また灰長石の失
透が出やすくなり、ガラス中に失透異物の欠陥が生じや
すくなると共に、バッファード弗酸に浸漬した時、ガラ
ス表面に白濁が発生しやすくなる。
であるが、その含有量が7%より少なくなると、このよ
うな効果が得られず、また19%より多くなると、高温
粘性が大きくなり、溶融性が悪くなる。また灰長石の失
透が出やすくなり、ガラス中に失透異物の欠陥が生じや
すくなると共に、バッファード弗酸に浸漬した時、ガラ
ス表面に白濁が発生しやすくなる。
【0020】B2 O3 は、融剤として作用し、ガラスの
溶融を容易にする成分であるが、その含有量が、3%よ
り少ないと、融剤としての効果が得られず、15%より
多いと、耐酸性が悪くなると共に、歪点が低下して耐熱
性、高歪点が得られなくなる。因に、本来、無アルカリ
ガラスは、融剤であるアルカリ金属酸化物を含まないた
め、溶融が非常に難しい。アルカリ金属酸化物に代わる
融剤としては、PbOが知られているが、先記したよう
にPbOは、ガラス溶融時に融液表面から蒸発し、環境
を汚染する虞れがあるため好ましくない。
溶融を容易にする成分であるが、その含有量が、3%よ
り少ないと、融剤としての効果が得られず、15%より
多いと、耐酸性が悪くなると共に、歪点が低下して耐熱
性、高歪点が得られなくなる。因に、本来、無アルカリ
ガラスは、融剤であるアルカリ金属酸化物を含まないた
め、溶融が非常に難しい。アルカリ金属酸化物に代わる
融剤としては、PbOが知られているが、先記したよう
にPbOは、ガラス溶融時に融液表面から蒸発し、環境
を汚染する虞れがあるため好ましくない。
【0021】CaOは、液相温度を下げると共に、高温
粘度を下げて溶融を容易にする成分であるが、その含有
量が、2%より少ないと、このような効果が得られな
い。また18%より多くなると、灰長石の失透が出やす
くなり、ガラス中に失透異物の欠陥が生じやすくなる。
またバッファード弗酸に浸漬した時にガラス表面に白濁
が発生しやすくなる。
粘度を下げて溶融を容易にする成分であるが、その含有
量が、2%より少ないと、このような効果が得られな
い。また18%より多くなると、灰長石の失透が出やす
くなり、ガラス中に失透異物の欠陥が生じやすくなる。
またバッファード弗酸に浸漬した時にガラス表面に白濁
が発生しやすくなる。
【0022】BaOは、ガラスの耐バッファード弗酸性
を損なうことなく、溶融性、成形性を高める成分である
が、その含有量が、10.5%より少ないと、このよう
な効果が得られない。また25%より多いと、歪点が低
下して耐熱性が悪くなる。
を損なうことなく、溶融性、成形性を高める成分である
が、その含有量が、10.5%より少ないと、このよう
な効果が得られない。また25%より多いと、歪点が低
下して耐熱性が悪くなる。
【0023】SrOも、BaOと同様の効果があるが、
その含有量が10%より多くなると、失透性が増すため
好ましくない。
その含有量が10%より多くなると、失透性が増すため
好ましくない。
【0024】ZnOは、耐酸性を向上させる成分である
が、その含有量が10%より多くなると、失透性が増す
と共に、歪点が低下して耐熱性が悪くなる。
が、その含有量が10%より多くなると、失透性が増す
と共に、歪点が低下して耐熱性が悪くなる。
【0025】ZrO2 は、耐バッファード弗酸性を向上
させる成分であるが、その含有量が0.1%より少ない
と、このような効果が得られず、4%より多いと、失透
性が増加するため好ましくない。
させる成分であるが、その含有量が0.1%より少ない
と、このような効果が得られず、4%より多いと、失透
性が増加するため好ましくない。
【0026】尚、本発明においては、上記成分以外に
も、As2 O3 、Sb2 O3 、F2 、Cl2 、SO3 等
の通常の清澄剤を含有させることが可能である。
も、As2 O3 、Sb2 O3 、F2 、Cl2 、SO3 等
の通常の清澄剤を含有させることが可能である。
【0027】また本発明では、上記のように各成分の含
有量を限定する以外に、アルカリ金属酸化物、MgO、
PbOを実質的に含有しないことを特徴としている。す
なわちアルカリ金属酸化物は、ガラス基板上に形成され
る各種の膜や半導体素子の特性を劣化させる。MgO
は、ガラスがバッファード弗酸に浸漬された時に白濁す
る原因となる。PbOは、ガラス溶融時に蒸発し、環境
を汚染する虞れがある。さらに本発明においては、これ
らの成分以外にも、P2 O5 を含有すると、ガラスに分
相を生じさせ、耐薬品性を低下させ、CuOを含有する
と、ガラスが着色してディスプレイ等のガラス基板とし
て使えなくなるため好ましくない。
有量を限定する以外に、アルカリ金属酸化物、MgO、
PbOを実質的に含有しないことを特徴としている。す
なわちアルカリ金属酸化物は、ガラス基板上に形成され
る各種の膜や半導体素子の特性を劣化させる。MgO
は、ガラスがバッファード弗酸に浸漬された時に白濁す
る原因となる。PbOは、ガラス溶融時に蒸発し、環境
を汚染する虞れがある。さらに本発明においては、これ
らの成分以外にも、P2 O5 を含有すると、ガラスに分
相を生じさせ、耐薬品性を低下させ、CuOを含有する
と、ガラスが着色してディスプレイ等のガラス基板とし
て使えなくなるため好ましくない。
【0028】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明のガラス基板
を詳細に説明する。
を詳細に説明する。
【0029】表1、2は、本発明のガラス基板の実施例
を比較例と共に示したものである。
を比較例と共に示したものである。
【0030】表中、No.1〜8の各試料は、本発明の
実施例、No.9、10の試料は、比較例である。
実施例、No.9、10の試料は、比較例である。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表の各試料は、次のようにして調製した。
【0034】まず表に示す組成となるように調合した原
料バッチを白金ルツボに入れて1550℃で16時間溶
融し、その後、溶融ガラスをカーボン板上に流し出して
板状に成形した。次いで、この板状ガラスの両面を光学
研磨することによってガラス基板を作製し、これを試料
として耐硫酸性、耐塩酸性および耐バッファード弗酸性
を評価した。
料バッチを白金ルツボに入れて1550℃で16時間溶
融し、その後、溶融ガラスをカーボン板上に流し出して
板状に成形した。次いで、この板状ガラスの両面を光学
研磨することによってガラス基板を作製し、これを試料
として耐硫酸性、耐塩酸性および耐バッファード弗酸性
を評価した。
【0035】耐硫酸性および耐塩酸性は、試料を80℃
の10重量%硫酸および塩酸水溶液に24時間浸漬した
後、ガラス表面の状態を観察して評価した。白濁してい
るもの、あるいはクラック等が発生してガラス表面に荒
れが生じているものを×、変化がないものを○とした。
の10重量%硫酸および塩酸水溶液に24時間浸漬した
後、ガラス表面の状態を観察して評価した。白濁してい
るもの、あるいはクラック等が発生してガラス表面に荒
れが生じているものを×、変化がないものを○とした。
【0036】耐バッファード弗酸性は、試料を30重量
%弗化アンモニウム、6重量%弗酸からなるバッファー
ド弗酸に5分間浸漬した後、ガラス表面の状態を観察し
て評価した。明らかに白濁しているものを×、わずかに
白濁が認められるものを△、全く白濁していないものを
○とした。
%弗化アンモニウム、6重量%弗酸からなるバッファー
ド弗酸に5分間浸漬した後、ガラス表面の状態を観察し
て評価した。明らかに白濁しているものを×、わずかに
白濁が認められるものを△、全く白濁していないものを
○とした。
【0037】表から明らかなように、実施例の各試料
は、いずれも耐硫酸性、耐塩酸性および耐バッファード
弗酸性に優れていたが、比較例であるNo.9と10の
試料は、耐硫酸性と耐塩酸性は優れていたが、耐バッフ
ァード弗酸性に劣っていた。
は、いずれも耐硫酸性、耐塩酸性および耐バッファード
弗酸性に優れていたが、比較例であるNo.9と10の
試料は、耐硫酸性と耐塩酸性は優れていたが、耐バッフ
ァード弗酸性に劣っていた。
【0038】また各試料の歪点を測定したところ、実施
例の各試料は、いずれも650℃以上であり、耐熱性に
優れていた。さらに溶融性の目安となる高温粘性を調べ
るため、102.5 ポイズに相当する温度を測定したとこ
ろ、実施例の各試料は、いずれも1530℃以下と低
く、溶融性に優れていた。
例の各試料は、いずれも650℃以上であり、耐熱性に
優れていた。さらに溶融性の目安となる高温粘性を調べ
るため、102.5 ポイズに相当する温度を測定したとこ
ろ、実施例の各試料は、いずれも1530℃以下と低
く、溶融性に優れていた。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明のガラス基板は、実
質的にアルカリ金属酸化物を含有しないため、その上に
形成される透明導電膜、絶縁膜および薄膜半導体の特性
を損なうことがなく、また耐硫酸性、耐塩酸性および耐
バッファード弗酸性に優れ、しかも歪点が高く、耐熱性
に優れているため、成膜、半導体形成およびフォトリソ
グラフ等の工程において受ける熱処理や薬品処理によっ
ても変質することがない。さらに溶融が容易で、液相粘
度が低いため、気泡、失透異物、脈理等のない均質なガ
ラスが得やすいため、液晶ディスプレイ基板として好適
であり、それ以外にもエレクトロルミネッセンス等のデ
ィスプレイ基板、フィルター、イメージセンサーあるい
はアモルファス太陽電池基板等の各種用途に広く利用で
きる。
質的にアルカリ金属酸化物を含有しないため、その上に
形成される透明導電膜、絶縁膜および薄膜半導体の特性
を損なうことがなく、また耐硫酸性、耐塩酸性および耐
バッファード弗酸性に優れ、しかも歪点が高く、耐熱性
に優れているため、成膜、半導体形成およびフォトリソ
グラフ等の工程において受ける熱処理や薬品処理によっ
ても変質することがない。さらに溶融が容易で、液相粘
度が低いため、気泡、失透異物、脈理等のない均質なガ
ラスが得やすいため、液晶ディスプレイ基板として好適
であり、それ以外にもエレクトロルミネッセンス等のデ
ィスプレイ基板、フィルター、イメージセンサーあるい
はアモルファス太陽電池基板等の各種用途に広く利用で
きる。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量百分率で、SiO2 50〜65
%、Al2 O3 7〜19%、B2 O3 3〜15%、
CaO 2〜18%、BaO 10.5〜25%、Sr
O 0〜10%、ZnO 0〜10%、ZrO2 0.
1〜4%からなり、実質的にアルカリ金属酸化物、Mg
O、PbOを含有しないことを特徴とする耐薬品性に優
れたガラス基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19493994A JPH0834634A (ja) | 1994-07-26 | 1994-07-26 | 耐薬品性に優れたガラス基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19493994A JPH0834634A (ja) | 1994-07-26 | 1994-07-26 | 耐薬品性に優れたガラス基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0834634A true JPH0834634A (ja) | 1996-02-06 |
Family
ID=16332856
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19493994A Pending JPH0834634A (ja) | 1994-07-26 | 1994-07-26 | 耐薬品性に優れたガラス基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0834634A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001220173A (ja) * | 2000-01-12 | 2001-08-14 | Carl Zeiss:Fa | アルカリ金属不含のアルミノホウケイ酸塩ガラスおよびその使用 |
JP2001220172A (ja) * | 2000-01-12 | 2001-08-14 | Carl Zeiss:Fa | アルカリ金属不含のアルミノホウケイ酸塩ガラスおよびその使用 |
JP2001240427A (ja) * | 2000-01-12 | 2001-09-04 | Carl Zeiss:Fa | アルカリ金属不含のアルミノホウケイ酸塩ガラスおよびその使用 |
KR20020006822A (ko) * | 2000-07-13 | 2002-01-26 | 서두칠 | 무 알칼리 유리 |
JP2002201040A (ja) * | 2000-10-31 | 2002-07-16 | Asahi Glass Co Ltd | アルミノホウケイ酸ガラス |
US6831029B2 (en) | 1998-11-30 | 2004-12-14 | Corning Incorporated | Glasses for flat panel displays |
JP2007197321A (ja) * | 2000-01-12 | 2007-08-09 | Schott Ag | アルカリ金属不含のアルミノホウケイ酸塩ガラスおよびその使用 |
WO2013183681A1 (ja) * | 2012-06-07 | 2013-12-12 | 旭硝子株式会社 | 無アルカリガラスおよびこれを用いた無アルカリガラス板 |
-
1994
- 1994-07-26 JP JP19493994A patent/JPH0834634A/ja active Pending
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6831029B2 (en) | 1998-11-30 | 2004-12-14 | Corning Incorporated | Glasses for flat panel displays |
US7524784B2 (en) | 1998-11-30 | 2009-04-28 | Corning Incorporated | Glasses for flat panel displays |
US7365038B2 (en) | 1998-11-30 | 2008-04-29 | Corning Incorporated | Glasses for flat panel displays |
JP4597389B2 (ja) * | 2000-01-12 | 2010-12-15 | ショット アクチエンゲゼルシャフト | アルカリ金属不含のアルミノホウケイ酸塩ガラスおよびその使用 |
JP2007197321A (ja) * | 2000-01-12 | 2007-08-09 | Schott Ag | アルカリ金属不含のアルミノホウケイ酸塩ガラスおよびその使用 |
JP2001240427A (ja) * | 2000-01-12 | 2001-09-04 | Carl Zeiss:Fa | アルカリ金属不含のアルミノホウケイ酸塩ガラスおよびその使用 |
JP2001220172A (ja) * | 2000-01-12 | 2001-08-14 | Carl Zeiss:Fa | アルカリ金属不含のアルミノホウケイ酸塩ガラスおよびその使用 |
JP2001220173A (ja) * | 2000-01-12 | 2001-08-14 | Carl Zeiss:Fa | アルカリ金属不含のアルミノホウケイ酸塩ガラスおよびその使用 |
JP4603702B2 (ja) * | 2000-01-12 | 2010-12-22 | ショット アクチエンゲゼルシャフト | アルカリ金属不含のアルミノホウケイ酸塩ガラスおよびその使用 |
JP2011132125A (ja) * | 2000-01-12 | 2011-07-07 | Schott Ag | アルカリ金属不含のアルミノホウケイ酸塩ガラスおよびその使用 |
KR20020006822A (ko) * | 2000-07-13 | 2002-01-26 | 서두칠 | 무 알칼리 유리 |
JP2002201040A (ja) * | 2000-10-31 | 2002-07-16 | Asahi Glass Co Ltd | アルミノホウケイ酸ガラス |
WO2013183681A1 (ja) * | 2012-06-07 | 2013-12-12 | 旭硝子株式会社 | 無アルカリガラスおよびこれを用いた無アルカリガラス板 |
JPWO2013183681A1 (ja) * | 2012-06-07 | 2016-02-01 | 旭硝子株式会社 | 無アルカリガラスおよびこれを用いた無アルカリガラス板 |
US9663395B2 (en) | 2012-06-07 | 2017-05-30 | Asahi Glass Company, Limited | Alkali-free glass and alkali-free glass plate using same |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0458421B2 (ja) | ||
JP2990379B2 (ja) | 無アルカリガラス基板 | |
JP3666610B2 (ja) | 無アルカリガラス基板 | |
US5811361A (en) | Alkali-free glass substrate | |
JP3666608B2 (ja) | 無アルカリガラス基板 | |
JP2686788B2 (ja) | 液晶表示装置の基体用ガラス | |
JP3083586B2 (ja) | 無アルカリガラス | |
JP2966207B2 (ja) | フラットパネルディスプレー装置 | |
EP0714862B1 (en) | Alkali-free glass and flat panel display | |
US6169047B1 (en) | Alkali-free glass and flat panel display | |
JP3858293B2 (ja) | 無アルカリガラス基板 | |
KR960000032B1 (ko) | 무알칼리 유리 | |
JP4739468B2 (ja) | 無アルカリガラスおよびその清澄方法 | |
JP3144823B2 (ja) | 無アルカリガラス | |
JP3988209B2 (ja) | 無アルカリガラスおよび液晶ディスプレイパネル | |
JP2871163B2 (ja) | 無アルカリガラス | |
JP3800440B2 (ja) | 無アルカリガラス及びその製造方法 | |
US4640900A (en) | Low expansion glass | |
JP2001151534A (ja) | 液晶ディスプレイ用ガラス基板 | |
JP3800443B2 (ja) | ディスプレイ用無アルカリガラス基板及びその製造方法 | |
JP3901757B2 (ja) | 無アルカリガラス、液晶ディスプレイパネルおよびガラス板 | |
JP4306044B2 (ja) | 無アルカリガラス及びその製造方法 | |
JPH0624998B2 (ja) | 無アルカリガラス | |
JPH0834634A (ja) | 耐薬品性に優れたガラス基板 | |
JP2707625B2 (ja) | ディスプレイ基板用無アルカリガラス |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040422 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20041129 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |