JPH0834612A - 高均質イットリウム含有ジルコニア粉末の製造法 - Google Patents

高均質イットリウム含有ジルコニア粉末の製造法

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JPH0834612A
JPH0834612A JP9312894A JP9312894A JPH0834612A JP H0834612 A JPH0834612 A JP H0834612A JP 9312894 A JP9312894 A JP 9312894A JP 9312894 A JP9312894 A JP 9312894A JP H0834612 A JPH0834612 A JP H0834612A
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zirconium
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Yoshiyuki Yajima
祥行 矢島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 組成変動がなく、均質度が高く、しかも粒径
が小さく、更に焼結性の良いY−ZrO2粉末を経済的に
製造し得る方法を提供する。 【構成】 ジルコニウムとイットリウムの混合溶液中に
尿素を添加した後、均質沈殿法によって水酸化物を共沈
させ、それを熱分解及び仮焼することによってイットリ
ウム含有ジルコニア粉末とする方法において、前記ジル
コニウム溶液に過酸化水素水を加えた後、イットリウム
溶液を混合することを特徴としている。高靭性で再現性
の高いPSZ焼結体の原料粉末として、構造材料用原料
粉末として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は組成変動のない易焼結性
高純度イットリウム含有ジルコニア粉末の製造法に関す
る。高靭性で再現性の高いPSZ焼結体の原料粉末とし
て、構造材料用原料粉末として好適である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ZrO2
セラミックスは高温において耐酸性及び導電性に優れ、
熱膨張係数及び熱伝導が比較的大きく、しかも高温での
靭性に優れ、更には高温において赤外線及び可視光線の
透過性が比較的良い特性を有する。そのため、耐熱材料
は、高温照明材料等として利用されている。
【0003】ジルコニア焼結体の最も大きな用途は耐火
物であり、PZT等の電子材料、耐アルカリガラス、自
動車排気ガス用センサー、ZTC等、ファインセラミッ
クスとしての用途は全体の20%程度である。それらの
中で、強靱性ジルコニア(PZT)の用途は全体の2%程
度である。
【0004】一方、イットリウム含有ジルコニア〔Y−
ZrO2〕焼結体は、高強度・強靱性・耐熱性・化学的安
定性等の機能を有するため、強靱性構造材料として広範
囲に利用されている。強靱性ジルコニア(ZTC)や部分
安定化ジルコニア(PSZ)の利用は最近かなり進展して
きたが、それに伴い材料に対し益々厳しい要求がなされ
てきた。
【0005】Y−ZrO2焼結体は、従来、PSZ型ZT
Cの応用用途として、粉砕用ボール、刃物類(包丁、
鉄、電気バリカンの刃)、スポーツ用品(ゴルフクラブ・
ヘッドのフェース、ゴルフ靴のスパイク・ピン)等にシ
ェアを占めてきた。今後、光ファイバー用フェルール、
家庭電気部品(磁気ヘッド・ローラー、ガイド、軸受
等)、機械部品(ノズル、ダイス、ポンプ等)としての伸
びが期待されている。
【0006】PSZ焼結体の破壊強度や破壊靭性はイッ
トリアの含有量に依存するが、イットリア含有量が同じ
場合でも、焼結体の微構造によってその性能は大きく影
響されている。最近では、組成変動が小さく、また粒径
の小さい高密度焼結体が必要とされている。
【0007】従来、Y−ZrO2用の原料粉末は、工業的
に中和共沈法、加水分解法、アルコキシド法の3つの方
法によって製造されている。勿論、ジルコニア原料粉末
の調製法には上記3方法以外のものもあるが、現在それ
ほど一般的な方法とはなっていない。
【0008】中和共沈法及び加水分解法においては、高
純度のジルコニウム塩(特に、ZrOCl2)と安定化剤(イ
ットリウム塩)の混合溶液から水酸化物を沈殿させ、こ
れを水洗・乾燥・仮焼・粉砕してY−ZrO2粉末を得て
いる。また、アルコキシド法においては、ジルコニウム
と安定化剤のアルコキシドを有機溶媒中で混合し、これ
を加水分解してゾル化に引続きゲル化した後、乾燥・粉
砕・仮焼・再粉砕している。
【0009】ジルコニウムとイットリウムの分布が不均
質になると、焼結体の破壊強度や破壊靭性のバラツキが
大きくなり、材料としての再現性が悪くなる。この点、
中和共沈法又は加水分解法由来の原料粉末から作成され
た焼結体の場合、組成変動が比較的大きく、しかも破壊
靭性のバラツキが大きいので、構造材料としてあまり満
足できるものではない。また、アルコキシド法由来の焼
結体では、組成変動が比較的小さいものの、コスト的に
はかなり問題がある。
【0010】このように、構造材料用として用いられる
Y−ZrO2焼結体の原料粉末は、微粒・易焼結性・組成
の均一性等が要求される。然るに、現在使用されている
Y−ZrO2粉末は組成変動が大きいために、これから均
質な微構造を持った焼結体を作成することは極めて難し
い。
【0011】本発明は、かゝる事情のもとで、組成変動
がなく、均質度が高く、しかも粒径が小さく、更に焼結
性の良いY−ZrO2粉末を経済的に製造し得る方法を提
供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、ジルコニウム・
イオン〔Zr4+〕を過酸化水素〔H22〕水によってマ
スクし、ほぼ同じpH領域でイットリウム・イオン〔Y
3+〕と共沈させることによって、組成変動のない高均質
Y−ZrO2(t−相)を製造できることを見い出した。
【0013】すなわち、本発明は、ジルコニウムとイッ
トリウムの混合溶液中に尿素を添加した後、均質沈殿法
によって水酸化物を共沈させ、それを熱分解及び仮焼す
ることによってイットリウム含有ジルコニア粉末とする
方法において、前記ジルコニウム溶液に過酸化水素水を
加えた後、イットリウム溶液を混合することを特徴とす
る組成変動のない易焼結性高純度イットリウム含有ジル
コニア粉末の製造法を要旨としている。
【0014】
【作用】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0015】PSZ焼結体の作成において、その微構造
や物性を決める最も重要な要因は、原料粉末の特性であ
る。粉末特性の中で特に重要なものは、二次粒子の有無
と安定剤(Y3+)の分布である。二次粒子の存在は、成形
体の充填性を不均一にするのみならず焼結体の微構造も
不均一にし、結果としてその焼結を阻害する。また、安
定化剤の不均一分布は、複数の結晶相の出現や不均一な
微構造をもたらす。例えば、焼結体の中で安定化剤を多
量に含む領域は、粒径の大きな立方晶(c−相)からな
る。これに対し安定化剤の少ない領域は、粒径の小さい
不安定な正方晶(t−相)からなる。したがって、焼結体
の化学組成が同じであっても、安定化剤の不均一性の程
度によってその微構造が影響され、結果として破壊強度
や破壊靭性などの機械的性質が大きく変動する。
【0016】湿式法により複合酸化物を作成する場合、
一般に中和共沈法を利用することが多い。組成変動のな
い共沈物を中和共沈法によって調製するためには、一般
に両イオンの沈殿領域がpH>4以内であることが必要
と言われる。Zr4+及びY3+は、それぞれ酸性領域(pH
>1)及び弱アルカリ領域(pH>7)において水酸化物
を沈殿する。したがって、Zr4+及びY3+の沈殿領域の
間には、約ΔpH=6もの差がある。上記混合溶液中に
アンモニア水〔NH4OH〕を滴下すると、pH=1〜
2において先ず水酸化ジルコニウム〔Zr(OH)4〕が沈
殿し、次いでpH=7〜7.5において水酸化イットリ
ウム〔Y(OH)3〕が沈殿する。すなわち、通常の中和
沈殿法においては、水酸化物が2段階に分かれて沈殿し
てくる。したがて、中和共沈法の沈殿条件を如何に制御
しても、組成変動のない共沈物又は仮焼粉末を得ること
は原理的に不可能である。
【0017】一方、本発明の原理は以下のとおりであ
る。
【0018】Zr4+とY3+を均質に共沈させる方法とし
て、マスキング剤を利用してZr4+の溶解度積を小さく
する方法、つまり、Zr4+のpH−溶解度曲線をY3+の
値に接近させる方法である。上記マスキング法で得られ
る共沈物は、原理的に組成変動のないものになる。マス
キング剤の使用が可能になるには、以下の条件をクリア
ーする必要がある。
【0019】すなわち、 pH−溶解度曲線がシフトして、共存イオンの値に近
づくこと、 共存イオンに悪い影響を与えないこと、 共沈物及び仮焼粉末に残存しないこと、等である。
【0020】これらの条件を満たすマスキング剤の一つ
として、過酸化水素〔H22〕がある。H22の存在下
では、Zr4+のpH−溶解度曲線はpH=4近傍までシ
フトされる。したがって、H22の存在下におけるZr4
+とY3+のpH−溶解度曲線は、見掛上、約ΔpH=3.
5以内に接近したことになる。それ故、H22を使用す
ることによって、組成変動の極めて小さい共沈物を得る
ことが可能である。
【0021】塩基沈殿剤として、苛性ソーダ〔NaO
H〕や苛性カリ〔KOH〕等のアルカリを用いると、共
沈物のみならず仮焼粉末中にも少量のアルカリ金属が残
存し、それが焼結性や焼結体の微構造或いは焼結体の破
壊靭性などにも悪い影響を及ぼす。また、NH4OHを
用いると共沈物の純度は高くなるものの、沈殿の性状は
かなり悪くなる。沈殿の性状が悪くなると、洗浄や濾過
が困難になるばかりでなく、不純物の吸着や吸蔵が著し
く増加する。マスキング剤を含む混合溶液にNH4OH
を使用すると、通常の共沈法に比べ沈殿の性状は更に悪
くなる。
【0022】これに対し、塩基沈殿剤として直接アンモ
ニア水を使用する代わりに、尿素の加水分解から間接的
に生成したアンモニアを利用する、所謂均質沈殿法があ
る。混合溶液中にアンモニア水を直接滴下した場合、系
内において不均質に沈殿が生成する。不均質沈殿法で得
られる沈殿は、一般に沈殿の性状が悪いばかりでなく、
他種イオン又は分子の吸着や吸蔵が著しく、組成変動も
大きくなる。これに対し、塩基沈殿剤として尿素を添加
し、これを約70℃以上の温度で加熱すると、尿素は徐
々に加水分解してアンモニア「NH3」及び炭酸ガス
「CO2」を放出し、更にこのアンモニアは加水分解し
て水酸基「OH-」を遊離し、系全体のpHを徐々に上
昇させる。このかすい分解反応は極めて緩慢に、しかも
系全体に均質に起こる。均質沈殿法で得られる沈殿は一
般に微細であり、しかも極めて均質である。更に、沈殿
の性状が良く、他種イオン又は分子を吸着し難いという
特徴がある。塩基沈殿剤としてアンモニア水と尿素を同
時に使用しても、本発明の効果は失われるものではな
い。上記混合塩基沈殿剤を利用する場合には、pH=
3.0〜4.0(正確には沈殿が生成しない範囲)になるよ
うに予めアンモニア水でpHを調節し、引き続きこれに
尿素を添加する。但し、混合塩基沈殿剤を使用する場
合、アンモニア水の滴下量に比例して沈殿の性状は悪化
することは避けられない。
【0023】しかし、本発明では、沈殿の性状を良質化
する方法として、均質沈殿法を採用するものである。マ
スキング剤の添加と均質沈殿法を組合せることによっ
て、共沈物は性状の良い沈殿になると同時に、その仮焼
物は比較的組成変動の小さいものになる。
【0024】本発明は、以下の2段階のプロセスから構
成される。すなわち、第1段階は、Zr4+溶液中にH2
2を滴下し、Zr4+をマスクする過程である。先ず、Zr4
+溶液中に所定量のH22を添加し、次いで安定化剤で
あるY3+溶液を所定量添加して混合溶液を調製する。H
22の添加量は〔H22〕/〔Zr4+〕=2×10-3
1×10-2(mol ratio)の範囲が望ましい。添加量が2
×10-3(mol ratio)以下になると、Zr4+のマスク効果
は認められるものの、その効果は十分でない。一方、そ
の添加量が1×10-2(mol ratio)以上になると、マス
キング効果は殆ど変わらなくなる。しかしながら、母液
中に存在する過剰のH22が急速に発泡するため、沈殿
の飛散が起こったり、生成した沈殿の性状が不均質にな
ったりする。Y3+の添加量は、必要に応じて任意に変化
させることが可能である。
【0025】ここで、Zr4+溶液、Y3+溶液は、それら
の塩化物や酸化物等の水溶液が用いられる。但し、上記
溶液として硫酸塩を用いると、尿素添加の際、過酸化水
素水によるZr4+のマスキングがデスマスキングされ、
直ちに水酸化ジルコニウムが沈殿してくる。その結果、
尿素による均質沈殿法が利用できない。また、弗化物を
用いると、Zr4+は弗素によって強力にマスキングされ
るため、尿素を使用した均質沈殿法では沈殿が生成しな
い。
【0026】次いで、この混合溶液に尿素「(NH2)2
O」を添加する。尿素の添加量は〔(NH2)2CO/Zr4
+〕=1〜20(mol ratio)の範囲が望ましい。但し、沈
殿生成後熟生時間を長くしたり、或いは反応容器が開放
系の場合、尿素の加水分解により生成したアンモニアが
容易に揮発するので、更に尿素を過剰に添加しても支障
がない。
【0027】第2段階は、均質沈殿法の過程である。塩
基沈殿剤としては(NH2)2COを用いるのが望ましい。
上記混合溶液中に塩基沈殿剤として(NH2)2COを添加
し、混合溶液を70℃以上に加熱することによって共沈
物を沈殿させる。(NH2)2COの添加量は、計算量より
10〜20%程度過剰にするのがよい。得られる共沈物
は洗浄性や濾過性がかなり良好である。しかしながら、
NH4OHの共存下において(NH2)2COによる均質沈
殿を行うと、共沈物の性状は悪くなるので望ましくな
い。共沈物の性状はNH4OHの使用量が多くなるほど
悪くなり、使用可能な最大量のNH4OHを使用した場
合、得られる共沈物はゲル状で、洗浄性や濾過性が著し
く悪くなる。
【0028】上記2過程を経て得られる共沈物は、通常
の洗浄・乾燥・熱分解・仮焼過程を経てY−ZrO2粉末
になる。本発明によって得られるY−ZrO2粉末は高純
度で、組成変動が小さく、しかも易焼結性である。しか
しながら、ゲル状の共沈物から得られる仮焼物には不純
物が多く、それが1次粒子(結晶子)及び2次粒子の成長
を促進させる。1次粒子が大きくなると、焼結温度が高
くなる。また、2次粒子が大きくなると、緻密な焼結体
が得られない。
【0029】本発明は、従来の均質沈殿法に“マスキン
グ法”を組合せた新しい共沈法である。この改良型共沈
法は、従来、中和共沈法の適用が困難であったpH−溶
解度曲線の著しく異なる複数イオンを含む混合溶液か
ら、組成変動のない均一な共沈物を製造する方法であ
る。この方法で得られる共沈物は性状が良く、その仮焼
物は高純度で、易焼結性であり、しかも組成変動が小さ
いという特徴がある。
【0030】次に本発明の実施例を示す。
【0031】
【実施例1】濃度0.1molのオキシ塩化ジルコニウム溶
液48.5ml中に過酸化水素水(30%)を2.5mlを加え
た後、これに濃度0.1molの塩化イットリウム溶液1.
5mlを添加する。この混合溶液に塩基沈澱剤として尿素
「(NH2)2CO」を30g添加した後、撹拌しながら5
℃/minで昇温し、98℃で2hrs熟成させた。得られた
共沈物を洗浄及び乾燥した後、酸素雰囲気中600℃で
熱分解し、引続き900℃にて2hrs仮焼した。
【0032】得られた仮焼物の化学組成はY23(3mol
%)−ZrO2で、結晶相は100%正方晶であり、組成
変動は2×10-3であった。静水圧下2ton/cm2で成形
した圧粉体を、酸素雰囲気中5℃/min定速昇温し、1
500℃まで加熱したところ、理論密度の約96%の嵩
密度を有した焼結体が得られた。
【0033】
【実施例2】実施例1において、Zr4+とY3+の混合量
を変え、化学組成を変化させて共沈物を調製したとこ
ろ、Y23=2〜15mol%の範囲においてはほぼ同様
の結果が得られた。但し、Y23=10mol%の範囲を
超えると、イットリウムの添加量と共に共沈物の性状は
次第に悪くなり、それに伴って組成変動も幾分大きくな
る傾向を示した。
【0034】
【比較例1】濃度0.1molのオキシ塩化ジルコニウム溶
液48.5mlと同濃度の塩化イットリウム溶液1.5mlの
混合溶液に尿素を30gを添加した後、撹拌しながら5
℃/minで昇温し、98℃で2hrs熟成させた。得られた
共沈物を洗浄及び乾燥した後、酸素雰囲気中600℃で
熱分解し、引続き900℃にて2hrs仮焼した。得られ
た仮焼物の化学組成はY23(3mol%)−ZrO2で、結
晶相は100%正方晶であり、組成変動は5×10-3
あった。静水圧下2ton/cm2で成形した圧粉体を、酸素
雰囲気中5℃/min定速昇温し、1500℃まで加熱し
たところ、理論密度の約94%の嵩密度を有した焼結体
であった。
【0035】
【比較例2】濃度0.1molのオキシ塩化ジルコニウムム
溶液48.5mlと同濃度の塩化イットリウム溶液1.5ml
の混合溶液中に、撹拌しながら濃度0.75Nのアンモ
ニア水を滴下した。得られた共沈物を洗浄及び乾燥した
後、酸素雰囲気中600℃で熱分解し、引続き900℃
にて2hrs仮焼した。得られた仮焼物の化学組成は約Y2
3(3mol%)−ZrO2で、結晶相は約92%の正方晶と
8%の斜方晶であり、組成変動は9×10-3であった。
静水圧下2ton/cm2で成形した圧粉体を、酸素雰囲気中
5℃/min定速昇温し、1500℃まで加熱したとこ
ろ、理論密度の約87%の嵩密度を有した焼結体であっ
た。
【0036】
【実施例3】実施例1においてオキシ塩化ジルコニウム
に代えて、塩化ジルコニウム又は硝酸ジルコニウムを使
用したところ、実施例1と同じ結果が得られた。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
得られるY−ZrO2粉末は組成変動が小さいのみなら
ず、コスト的にも極めて有利である。したがって、本発
明によって得られるY−ZrO2粉末は、高靭性で再現性
の高いPSZ焼結体の原料粉末として、構造材料用原料
粉末として広く利用される可能性が高い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコニウムとイットリウムの混合溶液
    中に尿素を添加した後、均質沈殿法によって水酸化物を
    共沈させ、それを熱分解及び仮焼することによってイッ
    トリウム含有ジルコニア粉末とする方法において、前記
    ジルコニウム溶液に過酸化水素水を加えた後、イットリ
    ウム溶液を混合することを特徴とする組成変動のない易
    焼結性高純度イットリウム含有ジルコニア粉末の製造
    法。
JP9312894A 1994-04-05 1994-04-05 高均質イットリウム含有ジルコニア粉末の製造法 Pending JPH0834612A (ja)

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Citations (3)

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JPS5935029A (ja) * 1982-08-20 1984-02-25 Etsuro Kato ジルコニア系微粉末の製造方法
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