JPH08340699A - 自家用発電設備における発電機の再起動回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 受電停電時に発電機が過負荷でトリップした
場合に、自動的に再起動できる自家用発電設備における
発電機の再起動回路を提供する。 【構成】 電力系統と連系する自家用発電設備におい
て、受電停電検出手段と逆電力検出手段を設け、両手段
の出力の論理積で系統故障を判定する。論理積出力の発
生後、一定時限以内に発電機過電流または発電機不足電
圧の検出があった場合には、発電機トリップが保護協調
の不調によるものと判定し、発電機重故障リセット信号
を発生させて発電機を自動的に再起動させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、商用の電力系統と連系
する自家用発電設備における発電機が受電不足電圧，逆
電力等により過負荷状態となってトリップした場合に、
発電機を自動的に再起動させる発電機の再起動回路に関
する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、電力系統（商用電源）と連系す
る熱電併給発電システムにおいては、系統連系保護リレ
ー（逆電力，方向短絡，不足電圧，周波数リレー等）を
設置することにより、電力系統側の故障時に遮断器を引
き外して系統と分離するようにしている。その構成例を
図２に示す。図中、２１は電力系統（商用電源）、２２
は受電遮断器、２３は母線連絡遮断器、２４は自家用発
電設備の発電機、２５は重要負荷、２６は一般負荷、２
７は計器用変圧器（ＰＴ）、２８は変流器（ＣＴ）、２
９は不足電圧継電器、３０は逆電力を検出する電力方向
継電器であり、系統側の故障時に保護継電器２９，３０
が働いて受電遮断器２２または母線連絡遮断器２３が引
き外される。つまり、発電機２４が解列され、系統分離
運転に入る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように系統側の停
電時には、系統連系保護リレーにより速やかに受電遮断
器２２または母線連絡遮断器２３を引き外して、発電機
２４の系統分離運転に入るが、系統側保護リレーと発電
機側保護リレーの保護協調がうまくいかないと、発電機
２４が過負荷状態となり、運転停止に至って、構内が全
停電となる。このような事態になった場合は、故障原因
調査後に手動でリセットし、再起動を行っているので、
停電時間も長くなる。

【０００４】そこで本発明は、上記課題を解決し、所定
条件下では自動的に再起動可能な自家用発電設備におけ
る発電機の再起動回路を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、商用の電力系
統と連系する自家用発電設備において、受電停電を検出
する手段と、逆電力を検出する手段と、発電機の過電流
を検出する過電流検出手段と、発電機出力電圧の低下を
検出する不足電圧検出手段と、停電検出出力と逆電力検
出出力の論理積をとる第一の論理積回路と、過電流検出
出力と不足電圧検出出力の論理和をとる論理和回路と、
第一の論理積回路の出力で作動し、一定時限出力を生じ
るタイマと、このタイマの出力と前記論理和回路の出力
の論理積をとり、その出力を発電機重故障リセット信号
として発電機を再起動させる第二の論理積回路とを備え
たことを特徴とする。

【０００６】

【作用】受電停電と逆電力の検出時に、発電機が過負荷
または不足電圧で運転停止となると、これらを条件に発
電機重故障リセット信号が自動的に生じ、再起動が行わ
れる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
説明する。

【０００８】本発明による自家用発電設備における発電
機の再起動回路の実施例を図１に示す。図中、１は受電
停電検出手段（不足電圧継電器）、２は逆電力検出手段
（電力方向継電器）、３は発電機過電流検出手段（過電
流継電器）、４は発電機不足電圧検出手段（不足電圧継
電器）、５は受電停電検出出力と逆電力検出出力の論理
積をとる第一の論理積回路、６は過電流検出出力と不足
電圧検出出力の論理和をとる論理和回路、７は前記第一
の論理積回路５の出力で作動し、一定時限（例えば、５
秒）出力を生じるタイマ、８はこのタイマ７の出力と前
記論理和回路６の出力の論理積をとり、発電機重故障リ
セット信号とする第二の論理積回路であって、自動的に
リセットさせた後、発電機を再起動させるようにしてい
る。

【０００９】次に、動作について述べる。系統側の故障
時には、系統連系保護リレーが働いて受電遮断器または
母線連絡遮断器が引き外される。つまり、発電機２４が
解列され、系統分離運転に入る。

【００１０】ところで、系統側保護リレーと発電機側保
護リレーの保護協調がうまくいかないと、受電遮断器ま
たは母線連絡遮断器の引外しが遅れて、発電機が過負荷
または不足電圧となり、トリップする。このような状態
では、発電機過電流検出手段３，発電機不足電圧検出手
段４のいずれかに検出出力が生じて論理和回路６に出力
が生じる。この時点では、既に第一の論理積回路５に出
力が生じており、その出力発生後の一定時限（例えば、
５秒）以内に論理和回路６に出力が生じれば、受電停電
時の所定条件が成立したことになる。この結果、第二の
論理積回路８に出力が生じ、発電機重故障リセット信号
となる。これにより、自動的にリセットされ、発電機の
再起動が行われる。

【００１１】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、受電停電
時に保護協調の不調で発電機がトリップした場合にも、
所定条件の成立を以て自動的に再起動できるようにな
り、停電時間を大幅に短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による自家用発電設備における発電機の
再起動回路の実施例を示すブロック図。

【図２】連系する電力系統と自家用発電設備の関係を説
明するための単線接続図。

【符号の説明】

１…受電停電検出手段 ２…逆電力検出手段 ３…発電機過電流検出手段 ４…発電機不足電圧検出手段 ５…第一の論理積回路 ６…論理和回路 ７…タイマ ８…第二の論理積回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 商用の電力系統と連系する自家用発電設
   備において、受電停電を検出する手段と、逆電力を検出
   する手段と、発電機の過電流を検出する過電流検出手段
   と、発電機出力電圧の低下を検出する不足電圧検出手段
   と、停電検出出力と逆電力検出出力の論理積をとる第一
   の論理積回路と、過電流検出出力と不足電圧検出出力の
   論理和をとる論理和回路と、第一の論理積回路の出力で
   作動し、一定時限出力を生じるタイマと、このタイマの
   出力と前記論理和回路の出力の論理積をとり、その出力
   を発電機重故障リセット信号として発電機を再起動させ
   る第二の論理積回路とを備えたことを特徴とする自家用
   発電設備における発電機の再起動回路。