JPH08339881A - 熱交換器とその故障検出方法 - Google Patents

熱交換器とその故障検出方法

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JPH08339881A
JPH08339881A JP7143761A JP14376195A JPH08339881A JP H08339881 A JPH08339881 A JP H08339881A JP 7143761 A JP7143761 A JP 7143761A JP 14376195 A JP14376195 A JP 14376195A JP H08339881 A JPH08339881 A JP H08339881A
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heat exchanger
detecting
failure
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JP7143761A
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Hiroyuki Tokunaga
博之 徳永
Yasushi Inma
康 因間
Noboru Ito
昇 伊藤
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 故障を検出できる熱交換器とその故障検出方
法を提供する。 【構成】 温度センサの出力の変動を検出する温度差検
出手段の出力状態、ヒータのON/OFF状態を検出す
るON検出手段の出力状態、及び、温度センサの出力に
基づいてヒータのON/OFFを制御するON指令出力
手段の出力状態、の組合わせに基づいて、熱交換器の故
障を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱交換器とその故障検
出方法に係り、特に、温度センサの出力の所定時間内の
変動を検出する温度差検出手段の出力状態、ヒータのO
N/OFF状態を検出するON検出手段の出力状態、及
び、温度センサの出力に基づいて前記ヒータのON/O
FFを制御するON指令出力手段の出力状態、の組合わ
せに基づいて、熱交換器の故障を検出できる熱交換器と
その故障検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の衛生洗浄便器の熱交換器におい
て、ヒータのON状態が所定時間継続する場合に、加熱
対象の温度差(温度センサの出力の所定時間内の変動)
によって故障を検出するものは無かった。すなわち、従
来の技術ではその時その時の温度を検出するものに過ぎ
ず、加熱対象の所定時間の温度差を見るものは無かっ
た。ましてや、温度差とON状態等に基づいて熱交換器
の故障を検出するものは無かった。
【0003】一方、従来の衛生洗浄便器の熱交換器にお
いて、その温度制御用サーミスタの断線または短絡によ
る衛生洗浄便器の誤動作を防止する方法には、例えば、
特公平7−911号公報等に開示されているように、以
下に示すものがあった。
【0004】通常は、温水タンク内に設置された温度セ
ンサ(例えば、サーミスタ)により、温水タンク内の温
水の温度情報を検出し、その温度情報に基づいてマイク
ロコンピュータ(マイコン)がヒータを適宜ON/OF
Fして、温水の温度を設定値に保つ。サーミスタの検出
温度が異常に高くなった場合、すなわち、サーミスタの
抵抗値が異常に小さくなった場合は、温水の温度が異常
に高くなった、または、サーミスタがショート(短絡)
故障したと判断して、温水の吐水を禁止し、ヒータをO
FFして安全動作を行う。サーミスタの検出温度が異常
に低くなった(例えば、−50℃よりも低くなった)場
合、すなわち、サーミスタの抵抗値が異常に大きくなっ
た場合は、温水の温度が異常に低くなった、または、サ
ーミスタがオープン(断線)故障したと判断して、温水
の吐水を禁止し、ヒータをOFFして安全動作を行う。
これは、上記の特公平7−911号公報に開示されてい
るように、サーミスタの抵抗値を所定のしきい値と比較
して、サーミスタの正常と異常を検出するものである。
【0005】また、従来の衛生洗浄便器の熱交換器にお
いて、そのヒータのON/OFFを制御するスイッチン
グ素子(例えば、サイリスタ)の断線または短絡による
衛生洗浄便器の誤動作を防止する方法には、例えば、特
公平5−13213号公報等に開示されているように、
以下に示すものがあった。
【0006】すなわち、ヒータのON/OFF状態を検
出するON検出手段と、温度センサの出力に基づいてヒ
ータのON/OFFを制御するON指令出力手段とを備
えた熱交換器において、ON検出手段の出力の状態と、
ON指令出力手段の出力の状態とに基づいてサイリスタ
の故障を検出し、安全動作を行うものである。図4に、
上記特公平5−13213号公報に開示されている一実
施例の回路図を示す。図4の中で、4はON指令出力手
段、6はON検出手段、10は洗浄スイッチ、11は温
度設定手段、12はサーミスタ(温度センサ)、13は
ヒータ、14は電磁弁(ノズル開閉制御装置)、15は
交流電源、18と19はサイリスタ、21は状態判別手
段、23は直流定電圧供給回路を表す。なお、ON検出
手段6において、ツェナーダイオード40とアース地点
との間にトランジスタ39のベースとの接点があるが、
その接点と前記アース地点との間に適切な抵抗値を持つ
抵抗を挿入してもよい。また、抵抗35とツェナーダイ
オード40との間にダイオードを挿入し、そのダイオー
ドのアノードを抵抗35の側にして、そのカソードをツ
ェナーダイオード40の側にして、接続してもよい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の特公平7−91
1号公報等の従来技術では、サーミスタの検出温度が異
常に高くなった場合や異常に低くなった場合に、安全動
作を行っていた。すなわち、サーミスタの抵抗値がある
一定の範囲内に入っているかどうかで、正常と異常を判
断して故障を検出し、衛生洗浄便器の安全動作を行って
いた。上述の特公平5−13213号公報等の従来技術
では、サイリスタが断線または短絡した場合に、正常と
異常を判断して故障を検出し、衛生洗浄便器の安全動作
を行っていた。従って、これらの方法では、サーミスタ
が故障していても、サーミスタが通常使用される雰囲気
程度の正常な範囲内の抵抗値を示し続けている場合で
は、実際の温水タンク内の温水の温度が高くなっていた
としても安全動作が行われず、洗浄スイッチを押すと高
温吐水する危険性があった。
【0008】具体的には、マイコンはサーミスタから得
られる温水の温度情報が設定温度よりも低いことを示す
場合にヒータをONして、設定温度よりも高いことを示
す場合はヒータをOFFする。もし、サーミスタが故障
して設定温度よりも低いことを示し続けると、マイコン
はヒータをONし続けるので、温水タンク内の温水の温
度は上昇し、高温になることがある。従って、サーミス
タから得られる温度情報の示す温度が設定温度よりも低
いことを示し続けると、安全動作が行われず、洗浄スイ
ッチを押すと高温吐水する危険性があった。
【0009】そこで、サーミスタ等の温度センサが通常
使用される雰囲気程度の正常な抵抗値を示しながら故障
している場合等についても、その故障を検出して、高温
吐水をすることのないように安全動作を行わせる必要が
ある。
【0010】特に、衛生洗浄便器の温水タンク内の温水
等のように、人体の皮膚または粘膜に直接接触させられ
る有体物からなる加熱対象の温度は室温ないし体温程度
に温度制御する必要があり、また、その温度センサが室
温ないし体温程度の温度情報を示す機会が多いことか
ら、たとえ室温ないし体温程度の温度情報を温度センサ
が示していても、その熱交換器が故障しているかどうか
を検査することは、人体の安全上きわめて重要な意義を
有するものである。
【0011】本発明の熱交換器の故障検出方法は、上記
した従来技術の課題を解決するためになされたものであ
って、第1の目的は、温度センサの出力の所定時間内の
変動を検出する温度差検出手段の出力状態、ヒータのO
N/OFF状態を検出するON検出手段の出力状態、及
び、温度センサの出力に基づいて前記ヒータのON/O
FFを制御するON指令出力手段の出力状態、の組合わ
せに基づいて、熱交換器の故障を検出することにある。
更に、熱交換器が故障かどうか検査して、人体に対する
熱交換器の安全性を高める、または、安全性を確認する
ことにある。
【0012】また、第2の目的は、温度差検出手段とO
N検出手段とを熱交換器に設けて、温度差検出手段の出
力の状態と、ON検出手段の出力の状態とに基づいて熱
交換器の故障を検出することにある。
【0013】また、第3の目的は、温度差検出手段の出
力と、ON検出手段の出力の状態に基づいて、熱交換器
の故障を検出することにより、故障の部位を温度センサ
(もしくは、温度差検出手段とON検出手段)に特定す
ることにある。
【0014】また、第4の目的は、温度差検出手段とO
N指令出力手段とを熱交換器に設けて、温度差検出手段
の出力の状態と、ON指令出力手段の出力の状態とに基
づいて熱交換器の故障を検出することにある。
【0015】また、第5の目的は、温度差検出手段の出
力の状態と、ON指令出力手段の出力の状態とに基づい
て熱交換器の故障を検出することにより、故障の部位を
温度センサとスイッチング素子(もしくは、温度差検出
手段とON指令出力手段)に特定することにある。
【0016】また、第6の目的は、温度差検出手段とO
N指令出力手段とON検出手段とを熱交換器に設けて、
温度差検出手段の出力の状態と、ON指令出力手段の出
力の状態と、ON検出手段の出力の状態とに基づいて熱
交換器の故障を検出することにある。
【0017】また、第7の目的は、温度差検出手段の出
力の状態と、ON指令出力手段の出力の状態と、ON検
出手段の出力の状態とに基づいて熱交換器の故障を検出
することにより、故障の部位を温度センサとスイッチン
グ素子(もしくは、温度差検出手段とON指令出力手段
とON検出手段)とに区別して特定することにある。
【0018】また、第8の目的は、衛生洗浄便器に請求
項1ないし請求項5記載の熱交換器またはその故障検出
方法を適用することにより、衛生洗浄便器の熱交換器の
故障を検出することにある。すなわち、衛生洗浄便器
は、温水タンク内の温水、温風または暖房便座等のよう
に、人体の皮膚または粘膜に直接接触させられる有体物
からなる加熱対象を備えており、また、ヒータと人体と
の距離が極めて近く、股間付近は人体にとって敏感な部
位ゆえ、その熱交換器の故障を検出することで、人体に
対する衛生洗浄便器の安全性を高める、または、安全性
を確認することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る熱交換器
では、温度差検出手段の出力の状態と、ON検出手段の
出力の状態とに基づいて熱交換器の故障を検出する故障
検出手段を設けたことを特徴とする。
【0020】請求項2に係る熱交換器の故障検出方法で
は、ON検出手段のいずれかの出力の状態が所定時間継
続した場合に、その所定時間内における、温度センサの
出力の差を検出し、この差に基づいて熱交換器の故障を
検出することを特徴とする。この温度センサの出力の差
は、温度差検出手段により検出できる。
【0021】請求項3に係る熱交換器では、温度差検出
手段の出力の状態と、ON指令出力手段の出力の状態と
に基づいて熱交換器の故障を検出する故障検出手段を設
けたことを特徴とする。
【0022】請求項4に係る熱交換器の故障検出方法で
は、ON指令出力手段のいずれかの出力の状態が所定時
間継続した場合に、その所定時間内における、温度セン
サの出力の差を検出し、この差に基づいて熱交換器の故
障を検出することを特徴とする。この温度センサの出力
の差は、温度差検出手段により検出できる。
【0023】請求項5に係る熱交換器では、温度差検出
手段の出力の状態と、ON指令出力手段の出力の状態
と、ON検出手段の出力の状態とに基づいて熱交換器の
故障を検出する故障検出手段を設けたことを特徴とす
る。
【0024】
【作用】本発明は、ON指令出力手段によりヒータのス
イッチング素子がONになれば、ヒータがON状態にな
ってON検出手段によりそのON状態が検出されるはず
であり、また、ヒータがON状態になれば、通常使用さ
れる雰囲気中の加熱対象は温度上昇して温度差検出手段
によりその温度上昇が検出されるはずであるから、これ
らの論理の組合わせにより熱交換器の故障を検出するも
のである。
【0025】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
説明する。図1は、本発明に係る熱交換器について、そ
の一実施例の構成図である。
【0026】図1の熱交換器1は、ON指令出力手段4
と、温度差検出手段5と、ON検出手段6と、温度設定
手段11と、温度センサ12と、ヒータ13と、交流電
源15と、故障検出手段16と、トリガ回路17と、サ
イリスタ18とを備えている。
【0027】ヒータ13は、加熱対象を加熱する手段で
ある。加熱対象とは、気体、液体または固体からなる有
体物をいい、例えば、室内の空気、衛生洗浄便器の股間
乾燥用の空気、股間洗浄用の温水、暖房便座、温水タン
クの水などがある。
【0028】温度設定手段11は、加熱対象の温度の目
標値を設定するための手段である。例えば、ツマミをま
わして抵抗回路の抵抗値を変化させて、設定するもので
ある。
【0029】温度センサ12は、加熱対象の温度を検知
するセンサである。例えば、サーミスタや温度センサI
C等がある。
【0030】ON指令出力手段4は、温度センサ12の
出力に基づいてヒータ13のON/OFFを制御する手
段である。ON指令出力手段4は、故障検出手段16と
トリガ回路17とにON指令を出力して、ヒータ13の
ON/OFFを制御する。本実施例では、温度センサ1
2の出力と温度設定手段11の出力に基づいて、ON指
令としてHレベルの電圧を出力している。なお、温度セ
ンサ12の出力電圧と温度設定手段11の出力電圧の差
が、あるしきい値を超える場合にON指令を出力させる
とよい。雑音程度の余りに小さな差に対してもON指令
を出力させるのは、適切でないからである。アナログの
入力電圧があるしきい値(スレショルドレベル)を境に
して、それ以上ならHレベル、それ以下ならLレベルに
2値化するコンパレータ回路を使用してもよい。
【0031】温度差検出手段5は、温度センサ12の出
力の所定時間内の変動を検出する手段である。ある時間
経過後に温度センサ12の出力があるしきい値Wを超え
て変化し、加熱対象の温度が所定のしきい値を超えて上
昇した場合に、Hレベルの電圧を故障検出手段16に出
力するものである。このしきい値を設けたのは、雑音程
度の余りに小さな差に対してもON指令を出力させるの
は、適切でないからである。有体物からなる加熱対象の
温度は、外乱等により常に微妙に変化するからである。
従って、この外乱等による温度変化を検出せず、かつ、
ヒータによる加熱対象の温度上昇を検出する、適切な大
きさのしきい値を設定するとよい。マイクロコンピュー
タ(マイコン)を利用して、その中のレジスタAにある
時点での温度センサ12の出力値を保持し、ある時間経
過後にレジスタBにその時点での温度センサ12の出力
値を保持し、レジスタBの値とレジスタAの値との差を
求めて、温度センサ12の出力の所定時間内の変動を検
出してもよい。
【0032】ON検出手段6は、ヒータ13のON/O
FF状態を検出する手段である。ヒータ13に直列に接
続されたサイリスタ18(スイッチング素子)がON状
態のとき、ヒータ13とサイリスタ18の順方向とに電
流が流れて、サイリスタ18のアノードとカソード間の
電位差がほぼ零になる。サイリスタ18がOFF状態の
とき、サイリスタ18に電流が流れず、サイリスタ18
のアノードとカソード間の電位差がほぼ交流電源15の
供給電圧の値になる。このことを利用して、抵抗とトラ
ンジスタにより、サイリスタ18がON状態のときHレ
ベルを、サイリスタ18がOFF状態のときLレベル
を、ON検出手段6は出力する。交流電源15の代りに
直流電源を用いる場合は、サイリスタ18がON状態の
とき、ヒータ13とサイリスタ18とを結ぶ導体に沿っ
て導体の周りに渦状の磁界が発生することを利用して、
サイリスタ18がON状態のときHレベルを、サイリス
タ18がOFF状態のときLレベルを、ON検出手段6
に出力させてもよい。
【0033】故障検出手段16は、温度差検出手段5と
ON検出手段6、温度差検出手段5とON指令出力手段
4、または、温度差検出手段5とON検出手段6とON
指令出力手段4の出力の状態に基づいて熱交換器1の故
障を検出する手段である。故障検出手段16は、熱交換
器1の故障を検出すると、(サイリスタ18をONさせ
る)トリガ回路17の出力を抑止させる出力を、トリガ
回路17に対し行う。故障検出手段16は、マイコンの
中のソフトウエア(例えば、プログラム等)や、ハード
ウエア(例えば、論理回路、IC等)により構成しても
よい。温度差検出手段5の出力の状態と、ON検出手段
6の出力の状態とに基づいて熱交換器1の故障を検出す
る場合を、図5と図11と図12に示す。温度差検出手
段5の出力の状態と、ON指令出力手段4の出力の状態
とに基づいて熱交換器1の故障を検出する場合を、図6
と図8と図10に示す。温度差検出手段5の出力の状態
と、ON指令出力手段4の出力の状態と、ON検出手段
6の出力の状態とに基づいて熱交換器1の故障を検出す
る場合を、図7と図8と図9に示す。
【0034】トリガ回路17は、サイリスタ18のゲー
トに対して正のトリガパルスを出力し、サイリスタ18
は、順バイアスされているとターンオンしてOFF状態
からON状態に移行する。トリガ回路17は、サイリス
タ18をターンオンさせるのに充分で、かつ、ゲートの
定格を超えない出力を発生する。なお、トリガ回路17
の出力波形としては、立ち上がりの急峻なパルス波形ま
たは方形波波形が望ましい。それゆえ、トリガ回路17
としてはUJT、PUT、DIAC、トランジスタ、ト
ンネルダイオード、ネオンランプ等を用いたパルス発生
回路を適用してもよい。
【0035】サイリスタ18がターンオンしてON状態
に移行すると、ヒータ13に電流が流れてヒータ13は
ON状態となり、加熱対象である温水タンクの温水を加
熱することとなる。
【0036】図2は、本発明に係る熱交換器1を備えた
衛生洗浄便器2について、その一実施例の構成図を表す
ものである。
【0037】衛生洗浄便器2は、熱交換器1と、洗浄ス
イッチ10と、トリガ回路22と、サイリスタ19と、
電磁弁14(ノズル開閉制御装置)とを備える。
【0038】熱交換器1のヒータ13の加熱対象は、温
水タンク内の股間洗浄用の温水(図示せず)である。
【0039】洗浄スイッチ10は、手動のスイッチであ
り、洗浄スイッチ10がONされると、トリガ回路22
にパルスを発生させるための出力を、トリガ回路22に
対して行う。洗浄スイッチ10は、衛生洗浄便器2の使
用者が、衛生洗浄便器2のノズルから股間洗浄用の温水
を噴出させるために操作するスイッチである。
【0040】なお、洗浄スイッチ10を電磁弁14と交
流電源15の間に設けて、電磁弁14を直接に制御して
もよい。
【0041】トリガ回路22は、サイリスタ19のゲー
トに対して正のトリガパルスを出力し、サイリスタ19
は、順バイアスされているとターンオンしてOFF状態
からON状態に移行する。トリガ回路22は、サイリス
タ19をターンオンさせるのに充分で、かつ、ゲートの
定格を超えない出力を発生する。なお、トリガ回路22
の出力波形としては、立ち上がりの急峻なパルス波形ま
たは方形波波形が望ましい。それゆえ、トリガ回路22
としてはUJT、PUT、DIAC、トランジスタ、ト
ンネルダイオード、ネオンランプ等を用いたパルス発生
回路を適用してもよい。
【0042】サイリスタ19がターンオンしてON状態
に移行すると、電磁弁14が開状態となって温水タンク
の温水が衛生洗浄便器2のノズル(図示せず)に供給さ
れ、このノズルは股間洗浄用の温水を噴出することとな
る。但し、故障検出手段16は、熱交換器1の故障を検
出すると、(サイリスタ19をONさせる)トリガ回路
22の出力を抑止させる出力を、トリガ回路22に対し
て行う。なお、熱交換器1については、図1にて説明し
たので、その説明を省略した。
【0043】図3は、本発明に係る熱交換器1を備えた
衛生洗浄便器2について、マイコン30を使用した一実
施例の回路図を表すものである。
【0044】マイコン30の中に、故障検出手段16を
備えたものである。なお、バッファ回路41は、サイリ
スタ18、19のゲートに適切なトリガパルスを供給す
るための回路である。発振器20は、所定の周波数の電
圧を出力する機器であり、例えば水晶発振器で構成す
る。直流定電圧供給回路23は、直流定電圧を供給する
回路である。図3の中の各符号は、11は可変抵抗、1
2はサーミスタ、31、32、36、37、38は抵
抗、39はトランジスタ、40はツェナーダイオードを
表すものである。図3の中の各素子または各手段につい
ては、図1または図2で記載された各素子または各手段
についてはそれと同様ゆえ、その説明の記載を省略し
た。
【0045】図5は、本発明に係る熱交換器の故障検出
方法について、その一実施例の説明図である。温度差検
出手段の出力の状態と、ON検出手段の出力の状態とに
基づいて熱交換器の故障を検出する方法の説明図を示し
たものである。
【0046】図中で、温度差検出手段の「上昇」の項目
は、温度センサの出力の所定時間内の変動にもとづいて
温度差検出手段が加熱対象の温度上昇を検出したことを
示す。「その他」の項目は、加熱対象の温度上昇を検出
しなかったことを示す。ON検出手段の「ON検出」の
項目は、ON検出手段がヒータのON状態を検出してい
ることを示す。「OFF検出」の項目は、ON検出手段
がヒータのOFF状態を検出していることを示す。
【0047】また、図中の「○」は、熱交換器が正常で
あることを示す。「×」は、熱交換器が故障しているこ
とを示す。
【0048】ここで、温度差検出手段が加熱対象の温度
上昇を検出した場合に、温度差検出手段にHレベルの電
圧を出力させ、温度上昇を検出しなかった場合に、Lレ
ベルの電圧を出力させる。また、ON検出手段がヒータ
のON状態を検出している場合に、ON検出手段にHレ
ベルの電圧を出力させ、ON検出手段がヒータのOFF
状態を検出している場合に、Lレベルの電圧を出力させ
る。すると、温度差検出手段の出力の状態と、ON検出
手段の出力の状態をEOR(排他的論理和)論理回路の
入力とすることで、そのEOR論理回路の出力から熱交
換器の故障を検出することができる。熱交換器が故障し
ている場合は、そのEOR論理回路の出力はHレベルを
示し、熱交換器が正常である場合は、そのEOR論理回
路の出力はLレベルを示すからである。尚、ON検出手
段のH/Lレベルのいずれか一方が所定時間継続した場
合に、そのEOR論理回路の出力を見ることとしてもよ
い。
【0049】図6は、本発明に係る熱交換器の故障検出
方法について、その一実施例の説明図である。温度差検
出手段の出力の状態と、ON指令出力手段の出力の状態
とに基づいて熱交換器の故障を検出する方法の説明図を
示したものである。
【0050】ON指令出力手段の「ON指令あり」の項
目は、ON指令出力手段がヒータをONさせるためのO
N指令を出力していることを示す。「ON指令なし」の
項目は、ON指令出力手段がON指令を出力していない
ことを示す。
【0051】ここで、温度差検出手段には図5の場合と
同様にしてHレベル/Lレベルの電圧を出力させる。O
N指令出力手段がON指令を出力している場合に、ON
指令出力手段にHレベルの電圧を出力させ、ON指令出
力手段がON指令を出力していない場合に、ON指令出
力手段にLレベルの電圧を出力させる。すると、温度差
検出手段の出力の状態と、ON指令出力手段の出力の状
態をEOR論理回路の入力とすることで、そのEOR論
理回路の出力から熱交換器の故障を検出することができ
る。熱交換器が故障している場合は、そのEOR論理回
路の出力はHレベルを示し、熱交換器が正常である場合
は、そのEOR論理回路の出力はLレベルを示すからで
ある。尚、ON指令出力手段のH/Lレベルのいずれか
一方が所定時間継続した場合に、そのEOR論理回路の
出力を見ることとしてもよい。
【0052】図7は、本発明に係る熱交換器の故障検出
方法について、その一実施例の説明図である。温度差検
出手段の出力の状態と、ON指令出力手段の出力の状態
と、ON検出手段の出力の状態とに基づいて熱交換器の
故障を検出する方法の説明図を示したものである。
【0053】図5、図6と同様に、温度差検出手段と、
ON指令出力手段と、ON検出手段とにHレベル/Lレ
ベルの電圧を出力させる。すると、温度差検出手段の出
力の状態と、ON指令出力手段の出力の状態と、ON検
出手段の出力の状態とをAND論理回路の入力とし、ま
た、これらの各手段の出力の否定の状態をAND論理回
路の入力として、この2つのAND論理回路の出力の状
態をOR論理回路の入力とすることで、このOR論理回
路の出力から熱交換器の故障を検出することができる。
熱交換器が故障している場合は、そのOR論理回路の出
力はLレベルを示し、熱交換器が正常である場合は、そ
のOR論理回路の出力はHレベルを示すからである。
尚、ON検出手段またはON指令出力手段のH/Lレベ
ルのいずれか一方が所定時間継続した場合に、そのOR
論理回路の出力を見ることとしてもよい。
【0054】図8と図9は、本発明に係る熱交換器の故
障検出方法について、その一実施例のフローチャートで
ある。ON指令出力手段の出力の状態と、ON検出手段
の出力の状態と、温度差検出手段の出力の状態とに基づ
いて、熱交換器の故障を検出する方法に関する。
【0055】本フローは、一定時間毎に起動され、メイ
ンルーチンで割込処理されるサブルーチンである。変数
Tにより、このサブルーチンの起動回数、すなわち時間
をカウントする。ON指令あり/なしのいずれか一方の
状態が所定時間T1より長く維持されると、ON指令あ
り/なしの状態と、所定時間T1内のサーミスタの表示
温度の変化値と、ヒータのON/OFF検出の状態とに
基づいて、衛生洗浄便器の熱交換器の故障を検出する。
なお、変数S1、S2の値を各々マイコンのレジスタ
A、レジスタBに保持してもよい。
【0056】本サブルーチンが起動されると、先ずステ
ップF1に進み、温水タンク内に設置されたサーミスタ
の表示温度が摂氏0℃付近かどうかを判定する。
【0057】サーミスタの表示温度が0℃付近の場合
は、ステップF2に進み、温水タンクの水が凍結してい
ると判断してステップF7に進み、メインルーチンにリ
ターンする。サーミスタの表示温度が0℃付近でない場
合は、ステップF3に進み、その表示温度が異常低温か
どうかを判定する。
【0058】サーミスタの表示温度が異常低温である場
合は、ステップF4に進み、このサーミスタの断線と判
断してステップF7に進み、メインルーチンにリターン
する。サーミスタの表示温度が異常低温でない場合は、
ステップF5に進み、その表示温度が異常高温かどうか
を判定する。
【0059】サーミスタの表示温度が異常高温である場
合は、ステップF6に進み、このサーミスタの短絡と判
断してステップF7に進み、メインルーチンにリターン
する。サーミスタの表示温度が異常高温でない場合は、
ステップF8に進み、変数Tの値を1だけ増加させる。
【0060】次に、ステップF9に進み、変数Tの値が
1かどうかを判定する。変数Tの値が1でない場合は、
ステップF11に進む。変数Tの値が1である場合は、
ステップF10に進み、変数S1に当該時のサーミスタ
の表示温度を代入し、また、当該時のON指令あり/な
しの状態をメモリに書き込んで記憶し、ステップF11
に進む。
【0061】ステップF11では、当該時のON指令あ
り/なしの状態と、変数Tの値が1であるときにメモリ
に書き込んだON指令あり/なしの状態とを比較する。
ON指令あり/なしの状態に変化が無い場合は、ステッ
プF14に進む。ON指令あり/なしの状態に変化が有
る場合は、ステップF12に進み、変数Tの値を0にリ
セットしてステップF13に進み、メインルーチンにリ
ターンする。
【0062】ステップF14では、変数Tと所定時間T
1とを比較する。変数Tが所定時間T1以下の短い場合
は、ステップF15に進み、メインルーチンにリターン
する。変数Tが所定時間T1より長い場合は、ステップ
F16に進み、変数S2に当該時のサーミスタの表示温
度を代入する。
【0063】次に、ステップF17に進み、ON指令あ
り/なしを判定する。ON指令なしの場合は、ステップ
F23に進む。ON指令ありの場合は、ステップF18
に進み、ヒータのON/OFF検出を判定する。
【0064】ヒータのOFF検出の場合は、ステップF
19に進み、スイッチング素子のオープン故障と判断し
てステップF20に進み、メインルーチンにリターンす
る。ヒータのON検出の場合は、ステップF21に進
み、変数S2と変数S1の値を比較する。
【0065】変数S2と変数S1との差がしきい値Wよ
りも大きい場合は、ステップF28に進み、メインルー
チンにリターンする。変数S2と変数S1との差がしき
い値W以下の場合は、ステップF22に進み、サーミス
タの故障と判断してステップF28に進み、メインルー
チンにリターンする。
【0066】ステップF17にて、ON指令なしと判定
した場合は、ステップF23に進み、ヒータのON/O
FF検出を判定する。
【0067】ヒータのON検出の場合は、ステップF2
4に進み、スイッチング素子のショート故障と判断して
ステップF25に進み、メインルーチンにリターンす
る。ヒータのOFF検出の場合は、ステップF26に進
み、変数S2と変数S1の値を比較する。
【0068】変数S2と変数S1との差がしきい値W以
下の場合は、ステップF28に進み、メインルーチンに
リターンする。変数S2と変数S1との差がしきい値W
より大きい場合は、ステップF27に進み、サーミスタ
の故障と判断してステップF28に進み、メインルーチ
ンにリターンする。
【0069】図10と図8は、本発明に係る熱交換器の
故障検出方法について、その一実施例のフローチャート
である。ON指令出力手段の出力の状態と、温度差検出
手段の出力の状態とに基づいて、熱交換器の故障を検出
する方法に関する。
【0070】本フローは、一定時間毎に起動され、メイ
ンルーチンで割込処理されるサブルーチンである。変数
Tにより、このサブルーチンの起動回数、すなわち時間
をカウントする。ON指令あり/なしのいずれか一方の
状態が所定時間T1より長く維持されると、ON指令あ
り/なしの状態と、所定時間T1内のサーミスタの表示
温度の変化値とに基づいて、衛生洗浄便器の熱交換器の
故障を検出する。なお、変数S1、S2の値を各々マイ
コンのレジスタA、レジスタBに保持してもよい。
【0071】ステップF1からステップF16までは、
図8の記載と同じであるので、その説明を省略する。
【0072】ステップF16の次は、ステップF41に
進み、ON指令あり/なしの状態を判定する。ON指令
なしの場合は、ステップF44に進む。ON指令ありの
場合は、ステップF42に進み、変数S2と変数S1の
値を比較する。
【0073】変数S2と変数S1との差がしきい値Wよ
りも大きい場合は、ステップF46に進み、メインルー
チンにリターンする。変数S2と変数S1との差がしき
い値W以下の場合は、ステップF43に進み、サーミス
タの故障かスイッチング素子のオープン故障と判断して
ステップF46に進み、メインルーチンにリターンす
る。
【0074】ステップF44では、変数S2と変数S1
の値を比較する。変数S2と変数S1との差がしきい値
W以下の場合は、ステップF46に進み、メインルーチ
ンにリターンする。変数S2と変数S1との差がしきい
値Wより大きい場合は、ステップF45に進み、サーミ
スタの故障かスイッチング素子のショート故障と判断し
てステップF46に進み、メインルーチンにリターンす
る。
【0075】図11と図12は、本発明に係る熱交換器
の故障検出方法について、その一実施例のフローチャー
トである。ON検出手段の出力の状態と、温度差検出手
段の出力の状態とに基づいて、熱交換器の故障を検出す
る方法に関する。
【0076】本フローは、一定時間毎に起動され、メイ
ンルーチンで割込処理されるサブルーチンである。変数
Uにより、このサブルーチンの起動回数、すなわち時間
をカウントする。ヒータのON/OFF検出のいずれか
一方の状態が所定時間U1より長く維持されると、所定
時間U1内のサーミスタの表示温度の変化値と、ヒータ
のON/OFF検出の状態とに基づいて、衛生洗浄便器
の熱交換器の故障を検出する。なお、変数S3、S4の
値を各々マイコンのレジスタA、レジスタBに保持して
もよい。
【0077】本サブルーチンが起動されると、先ずステ
ップF51に進み、温水タンク内に設置されたサーミス
タの表示温度が摂氏0℃付近かどうかを判定する。
【0078】サーミスタの表示温度が0℃付近の場合
は、ステップF52に進み、温水タンクの水が凍結して
いると判断してステップF57に進み、メインルーチン
にリターンする。サーミスタの表示温度が0℃付近でな
い場合は、ステップF53に進み、その表示温度が異常
低温かどうかを判定する。
【0079】サーミスタの表示温度が異常低温である場
合は、ステップF54に進み、このサーミスタの断線と
判断してステップF57に進み、メインルーチンにリタ
ーンする。サーミスタの表示温度が異常低温でない場合
は、ステップF55に進み、その表示温度が異常高温か
どうかを判定する。
【0080】サーミスタの表示温度が異常高温である場
合は、ステップF56に進み、このサーミスタの短絡と
判断してステップF57に進み、メインルーチンにリタ
ーンする。サーミスタの表示温度が異常高温でない場合
は、ステップF58に進み、変数Uの値を1だけ増加さ
せる。
【0081】次に、ステップF59に進み、変数Uの値
が1かどうかを判定する。変数Uの値が1でない場合
は、ステップF61に進む。変数Uの値が1である場合
は、ステップF60に進み、変数S3に当該時のサーミ
スタの表示温度を代入し、また、当該時のヒータのON
/OFF検出の状態をメモリに書き込んで記憶し、ステ
ップF61に進む。
【0082】ステップF61では、当該時のヒータのO
N/OFF検出の状態と、変数Uの値が1であるときに
メモリに書き込んだON/OFF検出の状態とを比較す
る。ON/OFF検出の状態に変化が無い場合は、ステ
ップF64に進む。ON/OFF検出の状態に変化が有
る場合は、ステップF62に進み、変数Uの値を0にリ
セットしてステップF63に進み、メインルーチンにリ
ターンする。
【0083】ステップF64では、変数Uと所定時間U
1とを比較する。変数Uが所定時間U1以下の短い場合
は、ステップF65に進み、メインルーチンにリターン
する。変数Uが所定時間U1より長い場合は、ステップ
F66に進み、変数S4にサーミスタの表示温度を代入
する。
【0084】次に、ステップF67に進み、ヒータのO
N/OFF検出の状態を判定する。ヒータのOFF検出
の場合は、ステップF70に進む。ヒータのON検出の
場合は、ステップF68に進み、変数S4と変数S3の
値を比較する。
【0085】変数S4と変数S3との値の差がしきい値
Wより大きい場合は、ステップF72に進み、メインル
ーチンにリターンする。変数S4と変数S3との値の差
がしきい値W以下の場合は、ステップF69に進み、サ
ーミスタの故障と判断してステップF72に進み、メイ
ンルーチンにリターンする。
【0086】ステップ70では、変数S4と変数S3の
値を比較する。変数S4と変数S3との値の差がしきい
値W以下の場合は、ステップF72に進み、メインルー
チンにリターンする。変数S4と変数S3との値の差が
しきい値Wより大きい場合は、ステップF71に進み、
サーミスタの故障と判断してステップF72に進み、メ
インルーチンにリターンする。なお、図8〜図12のフ
ローチャートにおいて熱交換器の故障が検出されると、
メインルーチンにてON指令出力手段からの(図3など
に示された)サイリスタ18、19へのON指令は禁止
される。
【0087】なお、スイッチング素子がサイリスタ等か
らなり、ON指令出力手段のON指令出力が短時間のパ
ルス幅を有するパルス信号の場合は、もし必要であれば
ラッチ回路を設けて、そのパルス信号が出力されたとき
に所定時間だけHレベルを保持するようにしてもよい。
そのパルス信号が一定時間毎に出力されるのであれば、
Hレベルを保持する前記所定時間は当該一定時間より長
く当該一定時間の2倍の時間より短い時間としてもよ
い。
【0088】同様に、ON検出手段の出力が短時間のパ
ルス幅を有するパルス信号の場合は、もし必要であれば
ラッチ回路を設けて、そのパルス信号が出力されたとき
に所定時間だけHレベルを保持するようにしてもよい。
そのパルス信号が一定時間毎に出力されるのであれば、
Hレベルを保持する前記所定時間は当該一定時間より長
く当該一定時間の2倍の時間より短い時間としてもよ
い。ヒータに供給される電力または電力量に基づいて、
Hレベルを出力してもよい。
【0089】ON検出手段がヒータのON状態を検出す
るON検出時間が、故障のない熱交換器においてヒータ
がON状態の場合に通常使用される雰囲気での加熱対象
が温度センサの温度検出誤差の2倍の温度上昇をするの
にかかる時間U0、よりも長い場合にON検出手段の出
力がHレベルとなるようにしてもよい。これにより、加
熱対象の加熱時間が短すぎることのないようにすること
ができるという効果がある。また、加熱対象の温度上昇
が、温度センサの温度検出誤差に埋もれて検出できない
ことのないようにすることができるという効果がある。
例えば、温度センサの温度検出誤差が0.5℃であり、
加熱前に30℃の加熱対象が加熱後に31℃に上昇した
場合に、加熱前後の温度センサが共に30.5℃を表示
すると、この温度上昇を検出できないからである。この
時間U0を図11の中の所定時間U1としてもよい。
【0090】同様に、ON指令出力手段がON指令を出
力するON指令出力時間が、故障のない熱交換器におい
てON指令出力手段がON指令を出力した場合に通常使
用される雰囲気での加熱対象が温度センサの温度検出誤
差の2倍の温度上昇をするのにかかる時間T0を、図8
の中の所定時間T1としてもよい。
【0091】参考として、例えば、温水タンクの水の容
積を1600cc、ヒータの電力を800w、加熱時間
を30秒とすると、その加熱前後の水温の温度差は、
3.6℃(=0.24×800×30/1600)程度
となる。従って、この程度の温度差を生じなかった場合
に、熱交換器の故障と判断すればよい。なお、スイッチ
ング素子としては、サイリスタの他に、双方向性3端子
サイリスタ、リレー等を用いてもよい。
【0092】また、特願平5−306485号におい
て、その出願当初の明細書では、以下のように熱交換器
に関する発明が記載されている。その発明の目的は、タ
ンク内の水の凍結を検出してヒータをOFFにして、温
度センサや樹脂製タンクの焼損を未然に防止することに
ある。その発明の構成は、請求項3の記載では、温度セ
ンサが検出する温度情報に基づいてタンク内の水の凍結
を判定してヒータのON/OFFを制御する制御手段
に、温度制御手段からの温度情報の変化率を演算する温
度変化率演算手段を備え、この温度変化率演算手段から
出力される温度変化率が所定値(例えば、数℃の水の場
合の温度変化率)以下の場合には凍結と判断して、ヒー
タをOFFにすることを特徴とする。その発明の効果
は、凍結時の加熱を禁止して、万一凍結によりタンクに
亀裂が生じてタンクから水が洩れても空焚きを防止で
き、空焚きによる温度センサや樹脂製タンクの焼損を未
然に防止する安全性の高い熱交換器を提供できることに
ある。従って、本発明とは目的、構成、効果が異なるも
のである。
【0093】衛生洗浄便器や室内暖房機器の熱交換器に
対して、本発明を使用してもよい。ヒータとしては、例
えば、洗浄水加熱ヒータ、温風加熱ヒータ、便座暖房ヒ
ータ、室内暖房ヒータ等が該当する。熱交換器の試験
用、試運転用、点検用、または、定期点検用に本発明を
使用してもよい。また、そのために、温度設定手段であ
る可変抵抗11を操作してもよい。
【0094】また、各請求項において、温度差検出手段
は、温度センサの出力の所定時間内の差を検出する、ま
たは、温度センサの出力につき所定時間を挟んでその差
を検出することとしてもよい。各請求項において、温度
差検出手段は、温度センサの出力の所定時間内の出力勾
配を検出する、または、温度センサの出力につき所定時
間を挟んでその出力勾配を検出することとしてもよい。
各請求項において、温度差検出手段は、温度センサの出
力の変動を検出することとしてもよい。
【0095】また、図8や図11のフローチャートにお
いて、ステップF11やステップF61の直前にステッ
プF16やステップF66を位置させてもよい。また、
ON指令やON/OFF検出の変化無しの状態が(T1
やU1より大きいある値より)長く続く場合は、本サブ
ルーチンの起動ごとに変数S1や変数S3の値を新しい
サーミスタ表示温度に書き換えてもよい。本サブルーチ
ンを起動した時と、それから一定時間前のサーミスタ表
示温度とを比較して、一定時間毎の温度変化を検出する
ためである。また、図8〜図12のフローチャートにお
いて、サーミスタ表示温度を、サーミスタの出力、また
はサーミスタの両端の出力電圧としてもよい。同様に、
サーミスタ表示温度を、温度センサIC表示温度として
もよい。
【0096】なお、本発明は上記実施例の他に種々の実
施例が考えられるが、それらはすべて本発明に含まれる
ものである。
【0097】
【発明の効果】請求項1に係る熱交換器では、温度差検
出手段の出力の状態と、ON検出手段の出力の状態とに
基づいて熱交換器の故障を検出する故障検出手段を設け
たことを特徴とする。請求項2に係る熱交換器の故障検
出方法では、温度差検出手段の出力の状態と、ON検出
手段の出力の状態とに基づいて熱交換器の故障を検出す
ることを特徴とする。
【0098】これにより、故障の部位を温度センサ(も
しくは、温度差検出手段とON検出手段)に特定するこ
とができる。従って、加熱対象の実際の温度と無関係に
温度センサが通常使用される雰囲気程度の温度(例え
ば、室温または体温程度)を示し続ける場合について、
温度差を見ることによりこの温度センサの故障を検出す
ることができる。
【0099】更に、人体の皮膚または粘膜に直接接触さ
せられる有体物からなる加熱対象の温度は室温または体
温程度に温度制御する必要があり、また、その温度セン
サが室温または体温程度の温度情報を示す機会が多いこ
とから、たとえ室温または体温程度の温度情報を温度セ
ンサが示していても、その熱交換器のヒータ、加熱制御
手段または温度センサが故障しているかどうかを検査す
ることにより、人体に対する熱交換器の安全性を高め
る、または、安全性を確認することができる。この安全
性に関する効果は、他の請求項に記載した発明について
もいえることである。
【0100】請求項3に係る熱交換器では、温度差検出
手段の出力の状態と、ON指令出力手段の出力の状態と
に基づいて熱交換器の故障を検出する故障検出手段を設
けたことを特徴とする。請求項4に係る熱交換器の故障
検出方法では、温度差検出手段の出力の状態と、ON指
令出力手段の出力の状態とに基づいて熱交換器の故障を
検出することを特徴とする。
【0101】これにより、故障の部位を温度センサとス
イッチング素子(もしくは、温度差検出手段とON指令
出力手段)に特定することができるという効果がある。
従って、加熱対象の実際の温度と無関係に温度センサが
通常使用される雰囲気程度の温度(例えば、室温または
体温程度)を示し続ける場合について、温度差を見るこ
とによりこの温度センサの故障を検出することができ
る。更に、スイッチング素子(例えば、サイリスタ)が
常時ONまたは常時OFFしている場合に、このスイッ
チング素子の故障を検出することができる。
【0102】請求項5に係る熱交換器では、温度差検出
手段の出力の状態と、ON指令出力手段の出力の状態
と、ON検出手段の出力の状態とに基づいて熱交換器の
故障を検出する故障検出手段を設けたことを特徴とす
る。
【0103】これにより、故障の部位を温度センサとス
イッチング素子(もしくは、温度差検出手段とON指令
出力手段とON検出手段)とに区別して特定することが
できる。従って、加熱対象の実際の温度と無関係に温度
センサが通常使用される雰囲気程度の温度(例えば、室
温または体温程度)を示し続ける場合について、温度差
を見ることによりこの温度センサの故障を検出すること
ができる。また、スイッチング素子(例えば、サイリス
タ)が常時ONまたは常時OFFしている場合に、この
スイッチング素子の故障を検出することができる。
【0104】更に、ON指令出力手段がON指令を出力
している場合であるのに、ON検出手段がヒータのOF
F状態を検出し、かつ、温度差検出手段が温度上昇を検
出しないときに、この熱交換器を正常とするような誤っ
た判断を防ぐことができる。更に、ON指令出力手段が
ON指令を出力していない場合であるのに、ON検出手
段がヒータのON状態を検出し、かつ、温度差検出手段
が温度上昇を検出したときに、この熱交換器を正常とす
るような誤った判断を防ぐことができる。
【0105】また、ON検出手段がヒータのON状態を
検出している場合であるのに、ON指令出力手段がON
指令を出力しておらず、かつ、温度差検出手段が温度上
昇を検出しないときに、この熱交換器を正常とするよう
な誤った判断を防ぐことができる。また、ON検出手段
がヒータのOFF状態を検出している場合であるのに、
ON指令出力手段がON指令を出力しており、かつ、温
度差検出手段が温度上昇を検出したときに、この熱交換
器を正常とするような誤った判断を防ぐことができる。
【0106】更に、温度差検出手段が温度上昇を検出し
ている場合であるのに、ON指令出力手段がON指令を
出力しておらず、ON検出手段がヒータのOFF状態を
検出したときに、この熱交換器を正常とするような誤っ
た判断を防ぐことができる。更に、温度差検出手段が温
度上昇を検出していない場合であるのに、ON指令出力
手段がON指令を出力しており、ON検出手段がヒータ
のON状態を検出したときに、この熱交換器を正常とす
るような誤った判断を防ぐことができる、という前記請
求項1ないし請求項4にはない効果が得られる。
【0107】また、衛生洗浄便器に請求項1ないし請求
項5記載の熱交換器またはその故障検出方法を適用する
ことにより、衛生洗浄便器の熱交換器の故障を検出する
ことができる。すなわち、衛生洗浄便器は、温水タンク
内の股間洗浄用の温水、股間乾燥用の温風、暖房便座等
のように、人体の皮膚または粘膜に直接接触させられる
有体物からなる加熱対象を備えており、また、ヒータと
人体との距離が極めて近く、股間付近は人体にとって敏
感な部位ゆえ、その熱交換器の故障を検出することで、
人体に対する衛生洗浄便器の安全性を高める、または、
安全性を確認することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱交換器の構成図
【図2】本発明に係る熱交換器を備えた衛生洗浄便器の
構成図
【図3】本発明に係る熱交換器を備えた衛生洗浄便器の
回路図
【図4】従来の熱交換器を備えた衛生洗浄便器の回路図
【図5】本発明に係る熱交換器の故障検出方法の説明図
【図6】本発明に係る熱交換器の故障検出方法の説明図
【図7】本発明に係る熱交換器の故障検出方法の説明図
【図8】本発明に係る熱交換器の故障検出方法のフロー
チャート
【図9】本発明に係る熱交換器の故障検出方法のフロー
チャート
【図10】本発明に係る熱交換器の故障検出方法のフロ
ーチャート
【図11】本発明に係る熱交換器の故障検出方法のフロ
ーチャート
【図12】本発明に係る熱交換器の故障検出方法のフロ
ーチャート
【符号の説明】
1…熱交換器、2…衛生洗浄便器、4…ON指令出力手
段、5…温度差検出手段、6…ON検出手段、10…洗
浄スイッチ、11…可変抵抗(温度設定手段)、12…
サーミスタ(温度センサ)、13…ヒータ、14…電磁
弁、15…交流電源、16…故障検出手段、17,22
…トリガ回路、18,19…サイリスタ(スイッチング
素子)、20…発振器、21…状態判別手段、23…直
流定電圧供給回路、24…EOR(排他的論理和)、2
5…NOT、30…マイコン、31,32,33,3
4,35,36,37,38…抵抗、39…トランジス
タ、40…ツェナーダイオード、41…バッファ回路。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒータと、このヒータのON/OFF状
    態を検出するON検出手段と、加熱対象の温度を検知す
    る温度センサと、この温度センサの出力に基づいて前記
    ヒータのON/OFFを制御するON指令出力手段と、
    前記温度センサの出力の所定時間内の変動を検出する温
    度差検出手段とを備えた熱交換器において、 前記温度差検出手段の出力の状態と、前記ON検出手段
    の出力の状態とに基づいて前記熱交換器の故障を検出す
    る故障検出手段を設けたことを特徴とする熱交換器。
  2. 【請求項2】 ヒータと、このヒータのON/OFF状
    態を検出するON検出手段と、加熱対象の温度を検知す
    る温度センサと、この温度センサの出力に基づいて前記
    ヒータのON/OFFを制御するON指令出力手段と、
    前記温度センサの出力の所定時間内の変動を検出する温
    度差検出手段とを備えた熱交換器において、以下のごと
    く構成された熱交換器の故障検出方法。 (イ) 前記ON検出手段のいずれかの出力の状態が所
    定時間継続したことを検出する。 (ロ) (イ)の所定時間内における、前記温度センサ
    の出力の差を検出する。 (ハ) (ロ)で検出した差に基づいて、前記熱交換器
    の故障を検出する。
  3. 【請求項3】 ヒータと、加熱対象の温度を検知する温
    度センサと、この温度センサの出力に基づいて前記ヒー
    タのON/OFFを制御するON指令出力手段と、前記
    温度センサの出力の所定時間内の変動を検出する温度差
    検出手段とを備えた熱交換器において、 前記温度差検出手段の出力の状態と、前記ON指令出力
    手段の出力の状態とに基づいて前記熱交換器の故障を検
    出する故障検出手段を設けたことを特徴とする熱交換
    器。
  4. 【請求項4】 ヒータと、加熱対象の温度を検知する温
    度センサと、この温度センサの出力に基づいて前記ヒー
    タのON/OFFを制御するON指令出力手段と、前記
    温度センサの出力の所定時間内の変動を検出する温度差
    検出手段とを備えた熱交換器において、以下のごとく構
    成された熱交換器の故障検出方法。 (イ) 前記ON指令出力手段のいずれかの出力の状態
    が所定時間継続したことを検出する。 (ロ) (イ)の所定時間内における、前記温度センサ
    の出力の差を検出する。 (ハ) (ロ)で検出した差に基づいて、前記熱交換器
    の故障を検出する。
  5. 【請求項5】 ヒータと、このヒータのON/OFF状
    態を検出するON検出手段と、加熱対象の温度を検知す
    る温度センサと、この温度センサの出力に基づいて前記
    ヒータのON/OFFを制御するON指令出力手段と、
    前記温度センサの出力の所定時間内の変動を検出する温
    度差検出手段とを備えた熱交換器において、 前記温度差検出手段の出力の状態と、前記ON指令出力
    手段の出力の状態と、前記ON検出手段の出力の状態と
    に基づいて前記熱交換器の故障を検出する故障検出手段
    を設けたことを特徴とする熱交換器。
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