JP2020033831A - 衛生洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度センサの異常を検知することができる技術を提供すること。【解決手段】本開示の一態様に係る衛生洗浄装置は、ヒータと、ノズルと、温度センサと、制御部とを備える。ヒータは、水を加熱する。ノズルは、ヒータによって加熱された水を吐出する。温度センサは、ヒータよりも下流側かつノズルよりも上流側に配置され、ヒータによって加熱された水の温度を測定する。制御部は、ヒータによって加熱された水を冷却する冷却工程における予め決められた区間において温度センサの出力値が変化するときの出力値の勾配に基づいて温度センサの異常を判定する。【選択図】図2
Description
本開示は、衛生洗浄装置に関する。
従来、人体の局部に温水を吐出する衛生洗浄装置が知られている。この種の衛生洗浄装置は、水を加熱するヒータと、ヒータによって加熱された水の温度を測定するための温度センサとを備える。
たとえば、特許文献1には、ヒータよりも上流側に設けられた入水サーミスタと、熱交換器よりも下流側に設けられた温水サーミスタと、温水サーミスタの下流側に設けられたリミッタサーミスタとを備えた衛生洗浄装置が開示されている。入水サーミスタおよび温水サーミスタは、熱交換器のフィードバック制御に用いられ、リミッタサーミスタは、熱交換器から流出した水の温度が人体にとって安全な温度であることを確認するために用いられる。
しかしながら、上述した従来技術には、たとえば衛生洗浄装置の長期使用(たとえば、5〜10年)により、温度センサが経年劣化するおそれがある。温度センサが経年劣化すると、人体に吐出する水の温度を適切に制御することが困難となるおそれがある。
本開示は、温度センサの異常を検知することができる技術を提供する。
本開示の一態様に係る衛生洗浄装置は、水を加熱するヒータと、前記ヒータによって加熱された水を吐出するノズルと、前記ヒータよりも下流側かつ前記ノズルよりも上流側に配置され、前記ヒータによって加熱された水の温度を測定する温度センサと、前記ヒータによって加熱された水を冷却する冷却工程における予め決められた区間において前記温度センサの出力値が変化するときの前記出力値の勾配に基づいて前記温度センサの異常を判定する制御部とを備える。
本開示の一態様に係る衛生洗浄装置によれば、「冷却時の温度変化は時間に比例しない」というニュートンの冷却法則に従った現象を利用することで、温度センサの異常、たとえば、経年劣化等による温度ドリフトの発生を検知することができる。
また、前記制御部は、前記冷却工程において、前記温度センサの出力値が第1出力値から第2出力値に変化するまでの所要時間を計測し、前記第1出力値および前記第2出力値の組合せに対して予め関連付けられた前記所要時間の正常値と、計測された前記所要時間との差が閾値を超えた場合に、前記温度センサの異常を判定する。
温度センサが正常である場合と、温度ドリフトが生じている場合とでは、温度センサの出力値がある値から別の値に変化するときの出力値の勾配に差が生じることとなる。このため、冷却工程において温度センサの出力値が第1出力値から第2出力値に変化するまでの所要時間を監視することで、温度センサの異常を判定することができる。
また、前記制御部は、前記ヒータを制御することにより、水を加熱する加熱工程と前記冷却工程とを繰り返しながら水の温度を設定温度に到達させる温度制御処理を行うものであって、前記温度制御処理において、前記温度センサの出力値の単位時間における平均値を算出し、且つ、前記温度センサの出力値の前記単位時間あたりの上下変化回数を計測し、算出された前記平均値に対して予め関連付けられた前記上下変化回数の正常値と、計測された前記上下変化回数との差が閾値を超えた場合に、前記温度センサの異常を判定する。
温度センサが正常である場合と、温度ドリフトが生じている場合とでは、温度センサの出力値がある値から別の値に変化するときの出力値の勾配に差が生じる。この結果、温度センサが正常である場合と、温度ドリフトが生じている場合とで、温度センサの出力値の単位時間あたりの上下変化回数に差が生じることとなる。このため、温度センサの出力値の単位時間あたりの上下変化回数を監視することで、温度センサの異常を判定することができる。
また、前記制御部は、前記ヒータを制御することにより、水を加熱する加熱工程と前記冷却工程とを繰り返しながら水の温度を設定温度に到達させる温度制御処理を行うものであって、前記温度制御処理において、前記温度センサの出力値の単位時間における平均値を算出し、且つ、前記温度センサの出力値の前記単位時間あたりの上下変化面積を算出し、算出された前記平均値に対して予め関連付けられた前記上下変化面積の正常値と、算出された前記上下変化面積との差が閾値を超えた場合に、前記温度センサの異常を判定する。
温度センサが正常である場合と、温度ドリフトが生じている場合とで、温度センサの出力値の単位時間あたりの上下変化面積に差が生じることとなる。このため、温度センサの出力値の単位時間あたりの上下変化面積を監視することで、温度センサの異常を判定することができる。
また、前記制御部は、前記ヒータを制御することにより、水を加熱する加熱工程と前記冷却工程とを繰り返しながら水の温度を設定温度に到達させる温度制御処理を行うものであって、前記加熱工程において前記ヒータへの通電を行うことによって水を加熱した後、前記冷却工程において前記ヒータへの通電を行いつつ通電量を低下させることによって水を冷却する第1制御処理と、前記加熱工程において前記ヒータへの通電を行うことによって水を加熱した後、前記冷却工程において前記ヒータへの通電を停止することによって水を冷却する第2制御処理とを前記温度制御処理において実行し、前記第2制御処理の前記冷却工程において前記温度センサの異常を判定する。
水が自然冷却される冷却工程において温度センサの異常判定を行うことにより、ヒータによる温度制御が行われることによって温度センサの温度変化がニュートンの冷却法則から外れてしまうことを防止することができる。
また、前記制御部は、前記ヒータによって加熱された水を前記ノズルから人体の局部へ向けて吐出させる局部洗浄処理を開始する前に、前記ヒータによって加熱された水を前記ノズルの表面に供給することによって前記ノズルを洗浄するノズル洗浄処理を実行するものであって、前記ノズル洗浄処理の実行中に前記温度センサの異常を判定する。
これにより、仮に温度センサに異常が発生していた場合に、たとえば設定温度を超える温度の水が人体に吐出されることを未然に防ぐことができる。
本開示によれば、温度センサの異常を検知することができる。
以下に、本開示に係る衛生洗浄装置を実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示に係る衛生洗浄装置が限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を模式的に示す斜視図である。なお、図1には、説明を分かり易くするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする3次元の直交座標系を図示している。また、本明細書において、「水」なる表現は、必ずしも冷水の意味ではなく、温水を含む意味で使用される場合がある。
図1は、第1実施形態に係る衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を模式的に示す斜視図である。なお、図1には、説明を分かり易くするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする3次元の直交座標系を図示している。また、本明細書において、「水」なる表現は、必ずしも冷水の意味ではなく、温水を含む意味で使用される場合がある。
図1に示すように、トイレ装置1は、洋式大便器(以下「便器」と記載する)10と、衛生洗浄装置20とを備え、トイレ室TR内に設置される。便器10は、貯水タンク11に貯留された水で洗浄を行うロータンク式であるが、これに限定されるものではなく、たとえばフラッシュバルブ式であってもよい。また、図1に示す例では、床置き式の便器10を示したが、これに限られず、壁掛け式などであってもよい。
衛生洗浄装置20は、便器10の上部に設けられる。衛生洗浄装置20は、本体部21と、便蓋22と、図示しない便座とを備える。便蓋22および便座はともに、開閉可能なように本体部21に取り付けられる。本体部21は、ケース23を備える。ケース23は、ノズルなどを収納する。
図2は、第1実施形態に係る衛生洗浄装置の構成の一例を示す図である。衛生洗浄装置20は、給水路30と、バルブユニット40と、熱交換器50と、電解槽ユニット60と、バキュームブレーカ70と、切替弁80と、ノズル90とを備える。また、衛生洗浄装置20は、入水サーミスタ101と、温水サーミスタ102と、リミッタサーミスタ103とを備える。また、衛生洗浄装置20は、制御部200と、記憶部250とを備える。
これら給水路30、バルブユニット40、熱交換器50、電解槽ユニット60、バキュームブレーカ70、切替弁80、ノズル90、入水サーミスタ101、温水サーミスタ102、リミッタサーミスタ103、制御部200および記憶部250は、衛生洗浄装置20のケース23内に収容される。
給水路30は、給水源の一例である水道管Aとノズル90とを接続し、水道管Aからの水をノズル90へ供給する。
給水路30には、上流側(すなわち水道管A側)から順に、バルブユニット40、入水サーミスタ101、熱交換器50、温水サーミスタ102、電解槽ユニット60、バキュームブレーカ70、リミッタサーミスタ103および切替弁80が設けられる。
バルブユニット40は、制御部200からの制御信号に応じて給水路30を開閉する。熱交換器50は、たとえば、瞬間式熱交換器である。熱交換器50は、発熱体を備え、給水路30を流れる水をその流速を保ったまま、設定温度に加熱する。
電解槽ユニット60は、その内部に陽極板および陰極板を有し、制御部200からの制御信号に応じて駆動して内部を流れる水を電気分解することによって次亜塩素酸を含む水を機能水として生成する。
バキュームブレーカ70は、給水路30に負圧が生じた場合に、逆流する水を図示しない大気開放経路へ流すことで、ノズル90から熱交換器50等への水の逆流を防止する。
切替弁80は、制御部200からの制御信号に応じて駆動し、給水路30を流れる水の流出先を切り替える。たとえば、給水路30を流れる水は、切替弁80によって、その流出先をノズル90が備える複数の吐出口のいずれかに切り替えられる。また、給水路30を流れる機能水は、切替弁80によって、その流出先をノズル洗浄用流路85に切り替えられる。ノズル洗浄用流路85を流れる機能水は、ノズル90の表面に供給される。これにより、ノズル90が洗浄される。
ノズル90は、給水路30を流れる水を便座に着座した使用者の局部に向けて吐出する。ノズル90は、ケース23(図1参照)に対して進退可能に構成される。具体的には、ノズル90には、図示しないモータなどの駆動源が接続されており、ノズル90は、かかる駆動源により、便器10のボウル内へ進出した位置と、ケース23内に後退して格納される位置との間で進退させられる。ノズル90は、進出した位置で水を使用者の局部へ吐出させて局部を洗浄する。
入水サーミスタ101、温水サーミスタ102およびリミッタサーミスタ103は、給水路30を流れる水の温度を測定する温度センサである。
入水サーミスタ101は、バルブユニット40よりも下流側かつ熱交換器50よりも上流側に配置されており、熱交換器50に流入する前の水、言い換えれば、熱交換器50によって加熱される前の水の温度を測定する。温水サーミスタ102は、熱交換器50よりも下流側かつ電解槽ユニット60よりも上流側に配置されており、熱交換器50から流出した水、言い換えれば、熱交換器50によって加熱された水の温度を測定する。
リミッタサーミスタ103は、温水サーミスタ102のさらに下流側に配置される。具体的には、リミッタサーミスタ103は、バキュームブレーカ70よりも下流側かつ切替弁80よりも上流側に配置され、ノズル90から吐出される水の温度が人体にとって安全な温度であることを確認するために用いられる。
入水サーミスタ101、温水サーミスタ102およびリミッタサーミスタ103の出力値は、制御部200に入力される。入水サーミスタ101、温水サーミスタ102およびリミッタサーミスタ103の出力値は、たとえば、0〜255のデジタル値(以下、「AD値」と記載する)で表現される。制御部200は、入水サーミスタ101等から入力されるAD値を記憶部250に予め記憶されている変換テーブルを用いて温度に変換する。
制御部200は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部250に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部200は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現され得る。かかる制御部200は、入力される各種の信号に基づいてバルブユニット40、熱交換器50、電解槽ユニット60、切替弁80等の制御を行う。記憶部250は、たとえばRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子等によって実現される。記憶部250は、後述する冷却情報を記憶する。
制御部200は、入水サーミスタ101および温水サーミスタ102の出力値に基づき、熱交換器50から流出する水の温度が設定温度に対して所定範囲内となるように熱交換器50をフィードバック制御する。具体的には、制御部200は、熱交換器50を制御することにより、水を加熱する加熱工程と水を冷却する冷却工程とを繰り返しながら水の温度を設定温度に到達させる温度制御処理を行う。
また、制御部200は、リミッタサーミスタ103の出力値が閾値以上である場合に、熱交換器50から流出した水の温度が人体にとって安全な温度を超えていると判定する。この場合、制御部200は、上述した温度制御処理を中止することで、水を加熱しないようにする。また、これに限らず、制御部200は、リミッタサーミスタ103の出力値が閾値以上である場合に、バルブユニット40を制御して水の吐出を強制停止してもよい。
入水サーミスタ101、温水サーミスタ102およびリミッタサーミスタ103は、たとえば衛生洗浄装置20の長期使用によって経年劣化することで、温度ドリフトと呼ばれる現象が生じることがある。この点について、図3を参照して説明する。図3は、温度ドリフトの説明図である。
上述したように、制御部200は、入水サーミスタ101等の温度センサから入力されるAD値を予め記憶された変換テーブルを用いて温度に変換することで、給水路30の各地点における水の温度を認識している。たとえば、図3に例示するように、ある時間「t0」において温度センサ(たとえばリミッタサーミスタ103)から入力されたAD値が「80」であった場合、制御部200は、記憶部250に記憶された変換テーブルに従って、リミッタサーミスタ103が配置される場所における水の温度が「45℃」であると認識する。
ところが、リミッタサーミスタ103に温度ドリフトが発生すると、リミッタサーミスタ103は、実際の水温がたとえば50℃であるにも関わらず、AD値「80」を制御部200に出力するようになる。この場合、制御部200は、実際の水温が50℃であるにも関わらず、リミッタサーミスタ103が配置される場所における水の温度を「45℃」であると誤認識する。この結果、設定温度である45℃よりも高い50℃の水がノズル90から人体に吐出されることとなる。なお、ここでは、リミッタサーミスタ103のAD値が高温側にシフトする場合の温度ドリフトについて説明したが、リミッタサーミスタ103のAD値は、温度ドリフトによって低温側にシフトする場合もある。
このように、温度ドリフトとは、温度センサから出力されるAD値に予め対応付けられた温度と実際の温度とが乖離する現象、具体的には、全体的に上昇方向または下降方向へシフトする現象であり、温度ドリフトが生じることで、人体に吐出する水の温度を適切に制御することが困難となるおそれがある。
そこで、第1実施形態に係る衛生洗浄装置20では、ニュートンの冷却法則を利用して、温度センサの異常を検知することとした。ニュートンの冷却法則とは、液体中に置かれた固体が液体によって冷却される様子を表した法則である。
図4は、ニュートンの冷却法則の説明図である。図4に示すグラフの縦軸は、温度センサの温度を示しており、横軸は、時間(分)を示している。図4に示すように、ニュートンの冷却法則は、液体中に置かれた固体(ここでは、温度センサ)の冷却時の温度変化は時間に比例しないことを示している。
第1実施形態に係る衛生洗浄装置20では、この「冷却時の温度変化は時間に比例しない」現象を利用し、温度センサの温度が下がる工程において、AD値がある値(前AD値)から別の値(後AD値)に変化するまでに要する時間を監視することによって温度センサの異常を判定することとした。以下、かかる異常判定処理の内容について具体的に説明する。
まず、制御部200が行う温度制御処理の内容について図5を参照して説明する。図5は、温度制御処理の説明図である。
図5に示すように、制御部200は、熱交換器50を制御することにより、水を加熱する加熱工程と水を冷却する冷却工程とを繰り返しながら水の温度を設定温度THcに到達させる温度制御処理を行う。
具体的には、制御部200は、まず、加熱工程および冷却工程を繰り返すことで水の温度を設定温度THcに近付ける第1制御処理を行った後、加熱工程および冷却工程を繰り返すことで水の温度を設定温度THcを中心とする設定温度範囲R内で安定させる第2制御処理を行う。
第1制御処理は、加熱工程および冷却工程の両方において熱交換器50による温度制御を行う処理である。すなわち、第1制御処理において、制御部200は、熱交換器50への通電を行うことによって水を加熱した後、熱交換器50への通電を行いつつ通電量を低下させることによって水を冷却する。
これに対し、第2制御処理は、加熱工程および冷却工程のうち、加熱工程においてのみ熱交換器50による温度制御を行う処理である。すなわち、第2制御処理において、制御部200は、熱交換器50への通電を行うことによって水を加熱した後、熱交換器50への通電を停止することによって水を自然冷却する。
温度センサの異常判定処理は、水が自然冷却される工程、たとえば、上述した第1制御処理および第2制御処理のうち第2制御処理の冷却工程において行われる。このように、水が自然冷却される冷却工程において異常判定処理を行うことで、熱交換器50による温度制御が行われることによって温度センサの温度変化がニュートンの冷却法則から外れてしまうことを防止することができる。なお、温度センサの異常判定処理を行う冷却工程は第2制御処理に限らない。例えば、使用者がノズルからの水の吐出を停止した後、水が自然冷却される工程において行われてもよい。
また、温度センサの異常判定処理は、温度制御処理が開始された後、熱交換器50によって加熱された水がノズル90から吐出される前に行われる。
具体的には、制御部200は、図示しない操作部への操作等によってノズル90から人体の局部への吐水(局部洗浄処理)が指示された場合に、バルブユニット40を開放し、上述した温度制御処理を開始する。また、制御部200は、温度制御処理を開始した後、局部洗浄処理を開始する前に、給水路30を流通する水をノズル洗浄用流路85からノズル90の表面に供給するノズル洗浄処理を行う。その後、制御部200は、切替弁80を制御して水の流出先をノズル90に切り替えることによって、ノズル90から人体の局部に向けて水を吐出する局部洗浄処理を行う。
制御部200は、ノズル洗浄処理中に、温度センサの異常判定処理を行う。このように、温度制御処理を開始した後、局部洗浄処理が開始される前に異常判定処理を行うことで、温度センサに異常が発生していた場合に、たとえば設定温度を超える温度の水が人体に吐出されることを未然に防ぐことができる。
制御部200は、記憶部250に記憶された冷却情報に基づいて温度センサの異常判定処理を行う。ここで、冷却情報の内容について図6を参照して説明する。図6は、第1実施形態に係る冷却情報の一例を示す図である。
図6に示すように、冷却情報は、「前AD値」と「後AD値」と「所要時間」とを関連付けた情報である。「前AD値」は、冷却工程において異常判定処理の対象となるAD値の区間の始点を示し、「後AD値」は、同区間の終点を示す。また、「所要時間」は、温度センサから出力されるAD値が「前AD値」から「後AD値」に変化するまでの所要時間を示す。
たとえば、図6に示す冷却情報には、前AD値「80」、後AD値「75」および所要時間「0.25」が関連付けられている。これは、温度センサが正常である場合、冷却工程において温度センサから入力されるAD値が「80」から「75」に変化するまでの所要時間が、「0.25」秒であることを示している。
つづいて、異常判定処理の手順について図7を参照して説明する。図7は、第1実施形態に係る異常判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。なお、上述したように、図7に示す異常判定処理は、温度制御処理の第2制御処理における冷却工程時、かつ、局部洗浄処理の開始前に実行される。また、ここでは、リミッタサーミスタ103の異常判定処理を行う場合を例に挙げて説明するが、温水サーミスタ102に対して同様の異常判定処理が実行されてもよい。
図7に示すように、制御部200は、まず、冷却情報を参照し、リミッタサーミスタ103から入力されるAD値が前AD値に達したか否かを判定し(ステップS101)、前AD値に達したと判定した場合に(ステップS101,Yes)、所要時間の計測を開始する(ステップS102)。制御部200は、リミッタサーミスタ103から入力されるAD値が前AD値に達するまで、ステップS101の処理を繰り返す(ステップS101,No)。
つづいて、制御部200は、冷却情報を参照し、リミッタサーミスタ103から入力されるAD値が後AD値に達したか否かを判定し(ステップS103)、後AD値に達したと判定した場合に(ステップS103,Yes)、所要時間の計測を終了する(ステップS104)。
つづいて、制御部200は、計測された所要時間が正常範囲内であるか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、制御部200は、「前AD値」および「後AD値」の組合せに対応する「所要時間」を冷却情報から取得し、計測された所要時間と、冷却情報から取得した「所要時間」との差が閾値以内であるか否かを判定する。
たとえば、前AD値が「80」であり、後AD値が「75」である場合、制御部200は、冷却情報から所要時間「0.25」秒を取得する。そして、制御部200は、計測された所要時間と、冷却情報から取得した所要時間「0.25」秒との差が、閾値内(たとえば、0.02秒以内)であるか否かを判定する。
ステップS105において、計測された所要時間が正常範囲内であると判定した場合(ステップS105,Yes)、制御部200は、リミッタサーミスタ103が正常であると判定し(ステップS106)、異常判定処理を終了する。なお、制御部200は、処理をステップS101に戻し、前AD値「75」から後AD値「70」を判定区間とする異常判定処理を引き続き行ってもよい。
一方、ステップS105において、計測された所要時間が正常範囲を超えている場合(ステップS105,No)、制御部200は、リミッタサーミスタ103が異常であると判定し(ステップS107)、異常対応処理を行ったうえで(ステップS108)、処理を終了する。
たとえば、制御部200は、異常対応処理として、衛生洗浄装置20の本体部21あるいは図示しない操作部に設けられたLED(Light Emitting Diode)インジケータを点灯させることにより、リミッタサーミスタ103に異常が生じたことを使用者に報知してもよい。また、制御部200は、異常対応処理として、熱交換器50による温度制御処理を禁止することで、設定温度を超える温度の水が人体に吐出されないようにしてもよい。
このように、第1実施形態に係る衛生洗浄装置20では、冷却工程における予め決められた区間において温度センサの出力値が変化するときの出力値の勾配に基づいて温度センサの異常を判定することとした。具体的には、第1実施形態に係る衛生洗浄装置20では、冷却工程において、温度センサの出力値が「前AD値」から「後AD値」に変化するまでの所要時間を監視することによって、温度センサの異常を判定することとした。
このように、第1実施形態に係る衛生洗浄装置20によれば、ニュートンの冷却法則を利用することで、温度センサの異常、具体的には、経年劣化等によって温度センサに温度ドリフトが発生したことを検知することができる。
また、第1実施形態に係る衛生洗浄装置20では、第2制御処理における冷却工程、すなわち、水が自然冷却される工程において温度センサの異常判定処理を行うこととした。これにより、熱交換器50による温度制御が行われることによって温度センサの温度変化がニュートンの冷却法則から外れてしまうことを防止することができる。
また、第1実施形態に係る衛生洗浄装置20では、温度制御処理の開始後、局部洗浄処理前に実行されるノズル洗浄処理において温度センサの異常判定処理を行うこととした。これにより、温度センサに異常が発生していた場合に、たとえば設定温度を超える温度の水が人体に吐出されることを未然に防ぐことができる。
なお、特許第2769670号公報には、温度センサの出力値に基づいてヒータの故障を判定する技術が開示されている。しかしながら、特許第2769670号公報には、温度センサ自体の異常を判定することは記載されていない。また、特許第2769670号公報には、ニュートンの冷却法則を利用して、冷却工程における予め決められた区間において温度センサの出力値が変化するときの出力値の勾配に基づいて温度センサの異常を判定することも記載されていない。
(第2実施形態)
上述した第1実施形態では、温度制御処理における1つの冷却工程に着目して温度センサの異常判定処理を行うこととしたが、衛生洗浄装置20は、温度制御処理における複数の冷却工程を考慮して異常判定を行ってもよい。
上述した第1実施形態では、温度制御処理における1つの冷却工程に着目して温度センサの異常判定処理を行うこととしたが、衛生洗浄装置20は、温度制御処理における複数の冷却工程を考慮して異常判定を行ってもよい。
図8は、第2実施形態に係る冷却情報の一例を示す図である。図8に示すように、第2実施形態に係る冷却情報は、「中心AD値」と「単位時間あたりの上下変化回数」とを関連付けた情報である。「中心AD値」は、温度センサの出力値の単位時間における平均値を示す。また、「単位時間あたりの上下変化回数」とは、加熱工程および冷却工程の一方から他方へ転じる回数、言い換えれば、温度センサの出力値が単位時間において上昇から下降(または下降から上昇)に転じる回数を示す。
たとえば、図8に示す冷却情報には、中心AD値「80」に対して、単位時間あたりの上下変化回数「10」が関連付けられている。これは、温度センサが正常である場合、温度センサの出力値の単位時間における平均値が「80」であるときの温度センサの出力値の単位時間あたりの上下変化回数が「10」回であることを示している。
つづいて、第2実施形態に係る異常判定処理の手順について図9を参照して説明する。図9は、第2実施形態に係る異常判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図9に示すように、制御部200は、中心AD値を算出し(ステップS201)、つづいて、中心AD値を算出した単位時間あたりの温度センサの出力値の上下変化回数を計測する(ステップS202)。
つづいて、制御部200は、計測された上下変化回数が正常範囲内であるか否かを判定する(ステップS203)。具体的には、制御部200は、ステップS201において算出した「中心AD値」に対応する「単位時間あたりの上下変化回数」を冷却情報から取得し、計測された上下変化回数と、冷却情報から取得した上下変化回数との差が閾値以内であるか否かを判定する。
ステップS203において、計測された上下変化回数が正常範囲内であると判定した場合(ステップS203,Yes)、すなわち、計測された上下変化回数と、冷却情報から取得した上下変化回数との差が閾値以内である場合、制御部200は、温度センサが正常であると判定し(ステップS204)、異常判定処理を終了する。なお、制御部200は、処理をステップS201に戻し、異常判定処理を引き続き行ってもよい。
一方、ステップS203において、計測された上下変化回数が正常範囲を超えている場合(ステップS203,No)、制御部200は、温度センサが異常であると判定し(ステップS205)、異常対応処理を行ったうえで(ステップS206)、処理を終了する。
このように、第2実施形態に係る衛生洗浄装置20では、温度制御処理において、温度センサの出力値の単位時間における平均値である中心AD値を算出し、且つ、温度センサの出力値の上記単位時間あたりの上下変化回数を計測し、算出された中心AD値に対して予め関連付けられた上下変化回数の正常値と、計測された上下変化回数との差が閾値を超えた場合に、温度センサの異常を判定することとした。
上述したように、温度センサが正常である場合と、温度ドリフトが生じている場合とでは、温度センサから入力されるAD値がある値から別の値に変化するときのAD値の勾配に差が生じる。この結果、温度センサが正常である場合と、温度ドリフトが生じている場合とで、温度センサから入力されるAD値の単位時間あたりの上下変化回数に差が生じることとなる。具体的には、図3に示すように全体的に上方にシフトする温度ドリフトが生じた場合、AD値の勾配は、正常時と比べて急峻になるため、単位時間あたりの上下変化回数は、正常時と比べて多くなる。
したがって、第2実施形態に係る衛生洗浄装置20によれば、温度センサの出力値の単位時間あたりの上下変化回数を計測することによって、温度センサの異常を判定することができる。
(第3実施形態)
衛生洗浄装置20は、温度センサの出力値の単位時間あたりの上下変化面積を算出することによって温度センサの異常を判定することも可能である。
衛生洗浄装置20は、温度センサの出力値の単位時間あたりの上下変化面積を算出することによって温度センサの異常を判定することも可能である。
図10は、単位時間あたりの上下変化面積の説明図である。図10に示すように、単位時間あたりの上下変化面積とは、横軸に時間をとり、縦軸にAD値をとったグラフにおいて、冷却工程から加熱工程に転じる点P1、加熱工程から冷却工程に転じるP2、冷却工程から再び加熱工程に転じるP3の3点で囲まれる三角形Mの面積の単位時間あたりの総和である。
図11は、第3実施形態に係る冷却情報の一例を示す図である。図11に示すように、第3実施形態に係る冷却情報は、「中心AD値」と「単位時間あたりの上下変化面積」とを関連付けた情報である。
たとえば、図11に示す冷却情報には、中心AD値「80」に対して、単位時間あたりの上下変化面積「100」が関連付けられている。これは、温度センサが正常である場合、温度センサの出力値の単位時間における平均値が「80」であるときの温度センサの出力値の単位時間あたりの上下変化面積が「100」であることを示している。
つづいて、第3実施形態に係る異常判定処理の手順について図12を参照して説明する。図12は、第3実施形態に係る異常判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図12に示すように、制御部200は、中心AD値を算出し(ステップS301)、つづいて、中心AD値を算出した単位時間あたりの温度センサの出力値の上下変化面積を算出する(ステップS302)。
つづいて、制御部200は、算出された上下変化面積が正常範囲内であるか否かを判定する(ステップS303)。具体的には、制御部200は、ステップS301において算出した「中心AD値」に対応する「単位時間あたりの上下変化面積」を冷却情報から取得し、算出された上下変化面積と、冷却情報から取得した上下変化面積との差が閾値以内であるか否かを判定する。
ステップS303において、算出された上下変化面積が正常範囲内であると判定した場合(ステップS303,Yes)、すなわち、算出された上下変化面積と、冷却情報から取得した上下変化面積との差が閾値以内である場合、制御部200は、温度センサが正常であると判定し(ステップS304)、異常判定処理を終了する。なお、制御部200は、処理をステップS301に戻し、異常判定処理を引き続き行ってもよい。
一方、ステップS303において、算出された上下変化面積が正常範囲を超えている場合(ステップS303,No)、制御部200は、温度センサが異常であると判定し(ステップS305)、異常対応処理を行ったうえで(ステップS306)、処理を終了する。
このように、第3実施形態に係る衛生洗浄装置20では、温度制御処理において、温度センサの出力値の単位時間における平均値である中心AD値を算出し、且つ、温度センサの出力値の上記単位時間あたりの上下変化面積を算出し、算出された中心AD値に対して予め関連付けられた上下変化面積の正常値と、算出された上下変化面積との差が閾値を超えた場合に、温度センサの異常を判定することとした。
したがって、第3実施形態に係る衛生洗浄装置20によれば、温度センサの出力値の単位時間あたりの上下変化面積を算出することによって、温度センサの異常を判定することができる。
(変形例)
上述してきた各実施形態では、貯湯タンクを有しない所謂瞬間式の衛生洗浄装置を例に挙げて説明したが、これに限定されず、貯湯タンクを有する所謂貯湯式の衛生洗浄装置であってもよい。ここで、貯湯式の衛生洗浄装置の構成例について図13を参照して説明する。図13は、変形例に係る衛生洗浄装置の構成の一例を示す図である。
上述してきた各実施形態では、貯湯タンクを有しない所謂瞬間式の衛生洗浄装置を例に挙げて説明したが、これに限定されず、貯湯タンクを有する所謂貯湯式の衛生洗浄装置であってもよい。ここで、貯湯式の衛生洗浄装置の構成例について図13を参照して説明する。図13は、変形例に係る衛生洗浄装置の構成の一例を示す図である。
図13に示すように、変形例に係る衛生洗浄装置20Aは、熱交換器50(図2参照)に代えて、給水路30を流れる水を貯留する貯湯タンク55を備える。貯湯タンク55は、入水サーミスタ101よりも下流側かつ電解槽ユニット60よりも上流側に配置される。貯湯タンク55の内部には、ヒータ56と、温水サーミスタ102とが配置される。ヒータ56は、制御部200の制御に従って貯湯タンク55に貯留された水を加熱する。
衛生洗浄装置20Aの制御部200は、上述した熱交換器50に対する温度制御処理と同様の処理をヒータ56に対して行う。たとえば、貯湯式の衛生洗浄装置20Aでは、たとえば夜間等において水の設定温度を下げる節電処理が行われる場合がある。制御部200は、かかる節電処理によって貯湯タンク55内の水の温度が低下する冷却工程において温度センサの異常判定処理を行ってもよい。
上述してきたように、実施形態に係る衛生洗浄装置20,20Aは、水を加熱するヒータ(一例として、熱交換器50、ヒータ56)と、ヒータによって加熱された水を吐出するノズル90と、ヒータよりも下流側かつノズル90よりも上流側に配置され、ヒータによって加熱された水の温度を測定する温度センサ(一例として、温水サーミスタ102、リミッタサーミスタ103)と、ヒータによって加熱された水を冷却する冷却工程における予め決められた区間において温度センサの出力値が変化するときの出力値の勾配に基づいて温度センサの異常を判定する制御部200とを備える。
実施形態に係る衛生洗浄装置20,20Aによれば、「冷却時の温度変化は時間に比例しない」というニュートンの冷却法則に従った現象を利用することで、温度センサの異常、たとえば、経年劣化等による温度ドリフトの発生を検知することができる。
また、制御部200は、冷却工程において、温度センサの出力値が第1出力値(一例として、前AD値)から第2出力値(一例として、後AD値)に変化するまでの所要時間を計測し、第1出力値および第2出力値の組合せに対して予め関連付けられた所要時間の正常値と、計測された所要時間との差が閾値を超えた場合に、温度センサの異常を判定する。
温度センサが正常である場合と、温度ドリフトが生じている場合とでは、温度センサの出力値がある値から別の値に変化するときの出力値の勾配に差が生じることとなる。このため、冷却工程において温度センサの出力値が第1出力値から第2出力値に変化するまでの所要時間を監視することで、温度センサの異常を判定することができる。
また、制御部200は、ヒータを制御することにより、水を加熱する加熱工程と冷却工程とを繰り返しながら水の温度を設定温度に到達させる温度制御処理を行うものであって、温度制御処理において、温度センサの出力値の単位時間における平均値を算出し、且つ、温度センサの出力値の単位時間あたりの上下変化回数を計測し、算出された平均値に対して予め関連付けられた上下変化回数の正常値と、計測された上下変化回数との差が閾値を超えた場合に、温度センサの異常を判定する。
温度センサが正常である場合と、温度ドリフトが生じている場合とでは、温度センサの出力値がある値から別の値に変化するときの出力値の勾配に差が生じる。この結果、温度センサが正常である場合と、温度ドリフトが生じている場合とで、温度センサの出力値の単位時間あたりの上下変化回数に差が生じることとなる。このため、温度センサの出力値の単位時間あたりの上下変化回数を監視することで、温度センサの異常を判定することができる。
また、制御部200は、ヒータを制御することにより、水を加熱する加熱工程と冷却工程とを繰り返しながら水の温度を設定温度に到達させる温度制御処理を行うものであって、温度制御処理において、温度センサの出力値の単位時間における平均値を算出し、且つ、温度センサの出力値の単位時間あたりの上下変化面積を算出し、算出された平均値に対して予め関連付けられた上下変化面積の正常値と、算出された上下変化面積との差が閾値を超えた場合に、温度センサの異常を判定する。
温度センサが正常である場合と、温度ドリフトが生じている場合とで、温度センサの出力値の単位時間あたりの上下変化面積に差が生じることとなる。このため、温度センサの出力値の単位時間あたりの上下変化面積を監視することで、温度センサの異常を判定することができる。
また、制御部200は、ヒータを制御することにより、水を加熱する加熱工程と冷却工程とを繰り返しながら水の温度を設定温度に到達させる温度制御処理を行うものであって、加熱工程においてヒータへの通電を行うことによって水を加熱した後、冷却工程においてヒータへの通電を行いつつ通電量を低下させることによって水を冷却する第1制御処理と、加熱工程においてヒータへの通電を行うことによって水を加熱した後、冷却工程においてヒータへの通電を停止することによって水を冷却する第2制御処理とを温度制御処理において実行し、第2制御処理の冷却工程において温度センサの異常を判定する。
水が自然冷却される冷却工程において温度センサの異常判定を行うことにより、ヒータによる温度制御が行われることによって温度センサの温度変化がニュートンの冷却法則から外れてしまうことを防止することができる。
また、制御部200は、ヒータによって加熱された水をノズルから人体の局部へ向けて吐出させる局部洗浄処理を開始する前に、ヒータによって加熱された水をノズルの表面に供給することによってノズルを洗浄するノズル洗浄処理を実行するものであって、ノズル洗浄処理の実行中に温度センサの異常を判定する。
これにより、仮に温度センサに異常が発生していた場合に、たとえば設定温度を超える温度の水が人体に吐出されることを未然に防ぐことができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
A 水道管
TR トイレ室
1 トイレ装置
10 便器
20 衛生洗浄装置
30 給水路
40 バルブユニット
50 熱交換器
60 電解槽ユニット
70 バキュームブレーカ
80 切替弁
85 ノズル洗浄用流路
90 ノズル
101 入水サーミスタ
102 温水サーミスタ
103 リミッタサーミスタ
200 制御部
250 記憶部
TR トイレ室
1 トイレ装置
10 便器
20 衛生洗浄装置
30 給水路
40 バルブユニット
50 熱交換器
60 電解槽ユニット
70 バキュームブレーカ
80 切替弁
85 ノズル洗浄用流路
90 ノズル
101 入水サーミスタ
102 温水サーミスタ
103 リミッタサーミスタ
200 制御部
250 記憶部
Claims (6)
- 水を加熱するヒータと、
前記ヒータによって加熱された水を吐出するノズルと、
前記ヒータよりも下流側かつ前記ノズルよりも上流側に配置され、前記ヒータによって加熱された水の温度を測定する温度センサと、
前記ヒータによって加熱された水を冷却する冷却工程における予め決められた区間において前記温度センサの出力値が変化するときの前記出力値の勾配に基づいて前記温度センサの異常を判定する制御部と
を備える、衛生洗浄装置。 - 前記制御部は、
前記冷却工程において、前記温度センサの出力値が第1出力値から第2出力値に変化するまでの所要時間を計測し、前記第1出力値および前記第2出力値の組合せに対して予め関連付けられた前記所要時間の正常値と、計測された前記所要時間との差が閾値を超えた場合に、前記温度センサの異常を判定する、請求項1に記載の衛生洗浄装置。 - 前記制御部は、
前記ヒータを制御することにより、水を加熱する加熱工程と前記冷却工程とを繰り返しながら水の温度を設定温度に到達させる温度制御処理を行うものであって、
前記温度制御処理において、前記温度センサの出力値の単位時間における平均値を算出し、且つ、前記温度センサの出力値の前記単位時間あたりの上下変化回数を計測し、算出された前記平均値に対して予め関連付けられた前記上下変化回数の正常値と、計測された前記上下変化回数との差が閾値を超えた場合に、前記温度センサの異常を判定する、請求項1に記載の衛生洗浄装置。 - 前記制御部は、
前記ヒータを制御することにより、水を加熱する加熱工程と前記冷却工程とを繰り返しながら水の温度を設定温度に到達させる温度制御処理を行うものであって、
前記温度制御処理において、前記温度センサの出力値の単位時間における平均値を算出し、且つ、前記温度センサの出力値の前記単位時間あたりの上下変化面積を算出し、算出された前記平均値に対して予め関連付けられた前記上下変化面積の正常値と、算出された前記上下変化面積との差が閾値を超えた場合に、前記温度センサの異常を判定する、請求項1に記載の衛生洗浄装置。 - 前記制御部は、
前記ヒータを制御することにより、水を加熱する加熱工程と前記冷却工程とを繰り返しながら水の温度を設定温度に到達させる温度制御処理を行うものであって、
前記加熱工程において前記ヒータへの通電を行うことによって水を加熱した後、前記冷却工程において前記ヒータへの通電を行いつつ通電量を低下させることによって水を冷却する第1制御処理と、前記加熱工程において前記ヒータへの通電を行うことによって水を加熱した後、前記冷却工程において前記ヒータへの通電を停止することによって水を冷却する第2制御処理とを前記温度制御処理において実行し、
前記第2制御処理の前記冷却工程において前記温度センサの異常を判定する、請求項1または2に記載の衛生洗浄装置。 - 前記制御部は、
前記ヒータによって加熱された水を前記ノズルから人体の局部へ向けて吐出させる局部洗浄処理を開始する前に、前記ヒータによって加熱された水を前記ノズルの表面に供給することによって前記ノズルを洗浄するノズル洗浄処理を実行するものであって、
前記ノズル洗浄処理の実行中に前記温度センサの異常を判定する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の衛生洗浄装置。
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH08339881A (ja) * | 1995-06-09 | 1996-12-24 | Toto Ltd | 熱交換器とその故障検出方法 |
JP2769670B2 (ja) * | 1993-10-01 | 1998-06-25 | 株式会社イナックス | 便 器 |
JP2012046969A (ja) * | 2010-08-27 | 2012-03-08 | Panasonic Corp | 衛生洗浄装置 |
-
2018
- 2018-08-31 JP JP2018163538A patent/JP7115154B2/ja active Active
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