JPH0833969A - 加圧鋳造方法 - Google Patents

加圧鋳造方法

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JPH0833969A
JPH0833969A JP6170994A JP17099494A JPH0833969A JP H0833969 A JPH0833969 A JP H0833969A JP 6170994 A JP6170994 A JP 6170994A JP 17099494 A JP17099494 A JP 17099494A JP H0833969 A JPH0833969 A JP H0833969A
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JP
Japan
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time
pressure
pressurizing
pin
molten metal
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Application number
JP6170994A
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English (en)
Inventor
Mikinari Nozaki
美紀也 野崎
Mitsuhiro Karaki
満尋 唐木
Mitsuru Inui
満 乾
Taketo Futamura
健人 二村
Akira Saito
明 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Gifu Seiki Kogyo KK
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Gifu Seiki Kogyo KK
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Publication date
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加圧ピンを微速前進させて溶湯の凝固状態を
検出して加圧する方式ににおいて、充分な加圧ストロー
クを確保できる加圧鋳造方法を提供する。 【構成】 ステップS10でn回目の溶湯の充填が行わ
れ、充填が完了してから設定時間T1(n) が経過したか
判定され(S12)、経過後に加圧ピンが微速前進して
凝固状態の検出が開始される(S14)。続いて加圧ピ
ンの受ける圧力が設定圧力Paに達したかが判定され
(S18)、達した時点で加圧ピンが高速で前進して溶
湯の加圧が開始され(S20)、一定時間後に停止され
る(S24)。ステップS16,S22でタイマーで測
定され記憶された経過時間T2(n) から油圧系の立上り
時間T3及び最小検出時間T6を減じた値が、無駄時間
T5(n) として算出され(S26)、この値にT1(n)
を加えて次回の待機時間T1(n+1) が算出されて(S2
8)、(n+1)回目の加圧鋳造が実施される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、キャビティ内に充填
された溶湯が凝固する段階において加圧ピンで溶湯を加
圧する加圧鋳造方法に関し、さらに詳しくは、加圧ピン
を微速で前進させるときに受ける反発力から溶湯の凝固
状態を検出して加圧を行う時期を決定する加圧鋳造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイカスト法等の鋳造技術においては、
溶湯の凝固収縮に伴って発生する引け,巣等の欠陥の発
生を防止するために、キャビティ内に充填された溶湯が
凝固する段階において溶湯を加圧する加圧鋳造が行われ
る。かかる加圧鋳造において効果的な加圧を行うために
は、加圧ピン等の加圧手段を作動させるタイミングを適
切に設定することが極めて重要でなる。そこで、加圧ピ
ンによる加圧のタイミングを適切に設定するための方法
が開発されており、その一例が特開平4−182053
号公報に開示されている。この公報に記載された技術に
おいては、溶湯の充填後に加圧ピン駆動用油圧シリンダ
によって、まず加圧ピンを微速前進させる。そして、加
圧ピンの受ける反発力が所定の圧力を越えたときに溶湯
が所定の凝固状態になったものと判定して、加圧ピンを
高速で前進させて加圧を行う。このように、微速前進す
る加圧ピンの受ける反発力によって加圧のタイミングを
決定して、加圧鋳造が行われる。
【0003】上記技術によって得られる加圧鋳造の結果
の一例について、図4を参照しつつ説明する。図4は、
従来の加圧鋳造方法において加圧ピンに加わる圧力の経
時変化を示す図である。縦軸は加圧ピンに加わる圧力p
を示しており、圧力paは所定の溶湯の凝固状態に対応
する圧力である。図4に示されるように、上記技術にお
いては溶湯が充填されてから一定時間t1が経過した後
に、時間t2だけ加圧ピンの微速前進が行われる。ここ
で、加圧ピンを微速前進させるための油圧系の制御が行
われてから実際にシリンダが加圧ピンを前進させるまで
に、立上り時間t3を要する。この立上り時間t3は、
油圧回路内及び油圧シリンダ内に存在する弾性によって
生ずる遅れである。立上り時間t3の後に加圧ピンが微
速前進を開始し、時間t4後に加圧ピンに加わる圧力p
が所定圧力paに達すると、油圧シリンダに高い油圧が
供給されて加圧ピンが高速で前進して加圧が行われる
(期間t7)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記技術
では、加圧ピンを微速前進させることによって溶湯内部
の凝固状態を検出している。しかしながら、溶湯が所定
の凝固状態になる以前の加圧ピンが微速前進している状
態においては加圧の効果が得られないため、実際に加圧
を行うための加圧ピンの前進ストロークがその分減少し
てしまう。具体的には図4に示されるように、加圧ピン
の受ける圧力から溶湯の凝固状態を検出するために最小
限必要な時間t6に比べて、実際の検出時間t2は著し
く長くなっており、無駄時間t5が生じている。この理
由は、充填された溶湯の凝固状態が所定圧力paに対応
する状態に達する時間が溶湯温度・金型温度等の鋳造条
件の変動によって変化するので、待機時間t1を余り大
きくとることができないためである。このように、時間
t5の間の前進ストロークが無駄に消費されることによ
って、溶湯の凝固収縮を補うだけの加圧ストロークが確
保できなくなり、充分な加圧が行えなくなるという問題
点があった。
【0005】そこで、本出願の請求項1及び請求項2に
係る発明においては、前回の加圧鋳造時における無駄時
間を考慮して凝固状態の検出を開始することによって、
充分な加圧ストロークを確保できる加圧鋳造方法を提供
することを目的とする。また、請求項2に係る発明にお
いては、この無駄時間の算出を容易かつ的確に行うこと
によって、確実に最大限の加圧ストロークを確保できる
加圧鋳造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで上記の課題を解決
するために、請求項1に係る発明においては、キャビテ
ィ内に充填された溶湯が凝固する段階で加圧ピンを微速
で前進させて前記加圧ピンの受ける反発力から前記充填
された溶湯の凝固状態を検出して加圧を行う時期を決定
する加圧時期決定工程と、該決定された加圧時期に加圧
ピンを高速で前進させて加圧を行う加圧工程とを有する
加圧鋳造方法において、前記加圧時期決定工程におい
て、前回の加圧鋳造における前記加圧ピンの微速前進時
間中の無駄時間だけ前記加圧ピンの微速前進の開始時期
を遅らせることを特徴とする加圧鋳造方法を創出した。
ここで、「無駄時間」とは、加圧ピンが実際に微速前進
する時間のうち溶湯の凝固状態を検出するのに必要のな
い時間をいう。また、加圧ピンを前進させる手段として
は、エアシリンダ,油圧シリンダ等の流体シリンダ機構
や、油圧モータ等、あるいは電動モータ等の電気的な駆
動機構等が含まれる。さらに、加圧ピンの受ける反発力
を測定する手段としては、上記のエアシリンダ,油圧シ
リンダ等やその配管系に取り付けられた圧力センサ,温
度センサ,超音波センサ等、上記の油圧モータ,電動モ
ータ等の回転駆動機構に設けられたトルク計や、電気回
路に取り付けられた電力計,電流計等が含まれる。ま
た、加圧鋳造において溶湯をキャビティ内に充填する方
式としては、重力鋳造,減圧鋳造,差圧鋳造,ダイカス
ト鋳造等の種々の鋳造法が含まれる。
【0007】また、請求項2に係る発明においては、請
求項1に記載された加圧鋳造方法において、前記無駄時
間として、前回の加圧鋳造における前記加圧ピンの微速
前進状態時間から前記加圧ピンの微速前進の立上りに要
する時間と前記加圧ピンの微速前進によって前記溶湯の
凝固状態を検出するのに最小限必要な時間とを減ずるこ
とによって算出した値を用いることを特徴とする加圧鋳
造方法を創出した。ここで、「微速前進状態時間」と
は、加圧ピンの前進手段が微速前進状態となっている時
間をいう。従って、加圧ピンが実際に微速前進している
時間のみならず、加圧ピンの前進手段に起因する遅れ等
によって加圧ピンが実際には前進していない時間も含ま
れる。また、「加圧ピンの微速前進の立上りに要する時
間」とは、上記の加圧ピンを前進させる手段において、
エアシリンダ,油圧シリンダ等の圧力系内に存在する弾
性に起因する遅れや、油圧モータ,電動モータ等の回転
開始時の静止摩擦、電気回路内の容量因子による遅れ等
が含まれる。
【0008】
【作用】さて、請求項1の発明に係る加圧鋳造方法にお
いては、キャビティ内に充填された溶湯が凝固する段階
で加圧ピンを微速で前進させて、加圧ピンの受ける反発
力から充填された溶湯の凝固状態を検出して加圧を行う
時期が決定される。この加圧時期決定工程において、前
回の加圧鋳造における加圧ピンの微速前進時間中の無駄
時間の分だけ、加圧ピンが微速前進を開始する時期が遅
らせる制御がなされる。この無駄時間とは、前回の加圧
鋳造時に加圧ピンが微速前進した時間のうち溶湯の凝固
状態検出に必要のなかった時間であり、この時間分だけ
加圧ピンの微速前進の開始時期を遅らせても溶湯の凝固
状態は検出できる。これによって、無駄時間に相当する
加圧ピンの前進ストロークを節約することができる。従
って、溶湯の凝固状態検出に支障をきたすことなく、加
圧ストロークを最大限にすることができる。このように
して、前回の加圧鋳造時における無駄時間を考慮して凝
固状態の検出を開始することによって、充分な加圧スト
ロークを確保できる加圧鋳造方法となる。
【0009】また、請求項2の発明に係る加圧鋳造方法
においては、無駄時間として、前回の加圧鋳造における
加圧ピンの微速前進状態時間から、加圧ピンの微速前進
の立上りに要する時間(以下「立上り時間」ともい
う。)、及び加圧ピンの微速前進によって溶湯の凝固状
態を検出するのに最小限必要な時間(以下「最小検出時
間」ともいう。)を減ずることによって算出した値を用
いている。これらの立上り時間及び最小検出時間は、加
圧ピンの微速前進による凝固状態の検出に必須の時間で
あり、逆に言えば微速前進状態時間のうちこれら以外の
時間は不要な時間となる。従って、微速前進状態時間か
ら立上り時間及び最小検出時間を減ずることによって、
簡単にしかも適切な無駄時間の値が算出できる。このよ
うにして、無駄時間の算出を容易かつ的確に行うことに
よって、確実に最大限の加圧ストロークを確保すること
ができる加圧鋳造方法となる。
【0010】
【実施例】次に、本発明を具現化した一実施例につい
て、図1〜図3を参照して説明する。まず、本実施例の
加圧鋳造方法において用いられる加圧鋳造装置の全体構
成について、図1を参照して説明する。図1に示される
ように、本実施例の加圧鋳造方法に用いられる加圧鋳造
装置2は加圧ピン10を有し、加圧ピン10の先端は図
示しないキャビティに臨んでいる。この加圧ピン10の
後端は加圧用油圧シリンダ4の油圧ピストン8に固定さ
れており、油圧系の作動によって油圧ピストン8と一体
に前後進する。加圧鋳造装置2の油圧系は、油圧発生源
20,電磁方向弁30,電磁開閉弁40,流量調整弁5
0及びこれらを接続する油圧配管等から構成されてい
る。油圧発生源20の圧力油は、油圧配管22A,電磁
方向弁30,油圧配管22B,22C,電磁開閉弁40
または流量調整弁50,油圧配管22Eを介して、加圧
用油圧シリンダ4の後室6Aに導かれる。
【0011】油圧配管22Bからは油圧配管22Cが分
岐しており、油圧配管22Bは電磁開閉弁40に、油圧
配管22Cは流量調整弁50にそれぞれ接続されてい
る。さらに、油圧配管22Cは逆流防止弁52を有する
バイパス配管22Dを有している。これらの油圧配管2
2C,22Dは、電磁開閉弁40と油圧シリンダ4の後
室6Aとを結ぶ油圧配管22Eに合流している。一方、
加圧用油圧シリンダ4の前室6Bには油圧配管24が接
続されており、前記電磁方向弁30,油圧配管26を介
して、油タンク28に戻る油圧経路が構成されている。
電磁方向弁30及び電磁開閉弁40は、各々制御信号線
64,66を通じて制御コンピュータ60から送られる
制御信号によって作動する。
【0012】電磁方向弁30は三つの弁室34A,34
B,34Cを有し、電磁ソレノイド32の非作動時に
は、スプリング36の付勢力によって弁室34Cが各配
管に接続される。すなわち配管22Aと24、配管22
Bと26が連通した状態となり、配管22A,24を経
て加圧用油圧シリンダ4の前室6Bに油圧が供給され
る。この結果、油圧ピストン8が後退し、後室6A内の
油は配管22E,22D,逆流防止弁52,配管22
C,22B,26を経て油タンク28に戻される。制御
コンピュータ60によって電磁ソレノイド32が低い励
磁力の状態に制御されると、各弁室がスプリング36の
付勢力に抗して移動し、中央の弁室34Bが各配管に接
続された図1の状態となる。すなわち、各配管22A,
22B,24,26はいずれも閉状態のポートに接続さ
れて、加圧用油圧シリンダ4が油圧発生源20から遮断
されるため、油圧ピストン8は停止する。さらに、高い
励磁力が制御されると弁室34Aが各配管に接続され、
油圧配管22A,22Bから電磁開閉弁40あるいは流
量調整弁50を経て、加圧用油圧シリンダ4の後室6A
に油圧が供給される。これによって、油圧ピストン8が
前進し、前室6B内の油は配管24,26を経て油タン
ク28に戻される。
【0013】一方、電磁開閉弁40は二つの弁室44
A,44Bを有しており、電磁ソレノイド42の非作動
時においては、スプリング46の反発力によって閉状態
の弁室44Bが配管22Bに接続されている(図1に示
される状態)。この状態で電磁方向弁30の弁室34A
が各配管に接続されると、圧力油は流量調整弁50を経
て加圧用油圧シリンダ4の後室6Aに供給される。流量
調整弁50の流量は予め微少量に調節されており、これ
によって油圧ピストン8とともに加圧ピン10が微速で
前進する。制御コンピュータ60からの制御信号によっ
て電磁ソレノイド42が励磁されると、弁室44A,4
4Bがスプリング46の反発力に抗して移動して、開状
態の弁室44Aが配管22B,22Eに接続される。こ
れによって、配管22Bからの圧力油は弁室44Aを通
って加圧用油圧シリンダ4の後室6Aに大量に供給さ
れ、油圧ピストン8とともに加圧ピン10が高速で前進
する。このようにして、電磁開閉弁40の開閉によっ
て、加圧ピン10の前進速度が制御される。
【0014】さらに、油圧配管22Eには圧力センサ5
4が取り付けられており、この圧力センサ54によって
加圧用油圧シリンダ4の後室6Aに加わる油圧の大き
さ、すなわち加圧ピン10の受ける圧力が測定される。
圧力センサ54による測定データは、測定信号線68に
よって制御コンピュータ60に入力される。また、制御
コンピュータ60はメモリ62を有しており、このメモ
リ62には設定圧力Pa及び設定時間T1が記憶されて
いる。設定圧力Paは、充填された溶湯の凝固状態が加
圧開始に適した状態になったときに加圧ピンの受ける反
発力に相当する圧力である。この設定圧力Paのデータ
と、信号線68によって入力される圧力センサ22によ
る測定圧力とが制御コンピュータ60で比較されて、設
定圧力Paに達したか否かが判定される。設定時間T1
は、溶湯の充填が完了してから加圧ピンの微速前進によ
る凝固状態検出を開始するまでの待機時間である。設定
時間T1が経過したことの判定は、制御コンピュータ6
0内のカウンタによって行われる。この設定時間T1
は、以下に述べるように、加圧鋳造が実行される度に新
しい値に更新される。
【0015】さて、以上のような構造を有する加圧鋳造
装置2を用いた加圧鋳造方法の手順について、図1を参
照しつつ、図2のフローチャートに従って説明する。図
2においては、連続して複数回の加圧鋳造が行われる場
合における、n回目の鋳造手順が示されている。(n−
1)回目の加圧鋳造が終了した時点においては、加圧用
油圧シリンダ4の油圧ピストン8は後退位置にある。ま
た、電磁方向弁30は弁室34Bが各配管に接続された
全閉状態になっており、電磁開閉弁40も閉じられてい
る(図1に示される状態)。図2のステップS10にお
いて、まずn回目の溶湯の充填が行われる。すなわち、
図示しない射出プランジャが前進して、鋳造金型の湯
口,ランナ,ゲートを通じてキャビティ内に溶湯が充填
される。充填完了と同時に制御コンピュータ60内のカ
ウンタによるカウントが開始され、設定時間T1が経過
したか否かの判定が行われる(ステップS12)。ここ
で、判定に用いられる設定時間は、(n−1)回目の加
圧鋳造の過程で演算され更新された値T1(n) である。
【0016】設定時間T1(n) が経過するまでステップ
S12の判定が繰り返され、設定時間T1(n) が経過し
たときには、溶湯の凝固状態の検出動作が開始される
(ステップS14)。すなわち、電磁方向弁30の弁室
34Aが各配管に接続され、圧力油が流量調整弁50を
経て加圧用油圧シリンダ4の後室6Aに供給されて、油
圧ピストン8とともに加圧ピン10が微速前進を開始す
る。これと同時に、最適加圧タイミングを決定するため
の時間測定用のタイマーがON状態になり、測定を開始
する(ステップS16)。なお、このタイマー機能も、
制御コンピュータ60内のカウンタが受け持っている。
続いて、加圧ピン10の受ける圧力(すなわち圧力セン
サ54による測定値)が設定圧力Paに達したか否かの
判定が行われる(ステップS18)。この判定がYES
になるまで加圧ピン10は微速前進を続け、設定圧力P
aに達した時点で溶湯の加圧が開始される(ステップS
20)。すなわち、電磁開閉弁40を開く制御信号が出
力され、加圧ピン10が高速で前進して溶湯の加圧が行
われる。これと同時に、時間測定用タイマーがOFFと
なって、この間の経過時間T2(n) が制御コンピュータ
60のメモリ62に記憶される(ステップS22)。
【0017】電磁開閉弁40が開かれてから一定時間後
に、電磁方向弁30の弁室34Bが各配管に接続されて
加圧ピン10が停止し、加圧が終了する(ステップS2
4)。その後、弁室34Cが接続されて、加圧ピン10
が原位置まで後退する。これと平行して、制御コンピュ
ータ60において、最適加圧タイミングを決定するため
の演算処理が実行される(ステップS26〜S28)。
まず、タイマーで測定された経過時間T2(n) から、油
圧系の立上り時間T3及び最小検出時間T6を減じた値
が、無駄時間T5(n) として算出される(ステップS2
6。これらの立上り時間T3,最小検出時間T6は、加
圧鋳造装置2に固有の値として予め求められ、メモリ6
2に記憶されている。そして、算出された無駄時間T5
(n) を今回の待機時間T1(n) に加えることによって、
次回の待機時間T1(n+1) が算出される(ステップS2
8)。この待機時間T1(n+1) を用いて、(n+1)回
目の加圧鋳造が実施される。このようにして、本実施例
の加圧鋳造方法では、前回の加圧鋳造時に立上り時間T
3及び最小検出時間T6を用いて無駄時間T5を算出し
ておき、この無駄時間T5分だけ加圧ピン10の微速前
進の開始時期を遅らせることによって、充分な加圧スト
ロークを確保することができる。これによって、充分に
溶湯を加圧することができ、引け,巣等のない高品質の
鋳造品が安定して得られる。
【0018】このようにして実施される加圧鋳造方法に
よって得られる結果について、図3及び図4を参照して
説明する。図3は、本実施例の加圧鋳造方法において加
圧ピンに加わる圧力の経時変化を示す図である。縦軸は
加圧ピンに加わる圧力Pを示し、圧力Paは加圧を開始
すべき溶湯の凝固状態に対応する圧力である。図3は
(n+1)回目の加圧鋳造について示しており、n回目
の加圧鋳造については従来例の図4と同様となる。すな
わち、図3におけるT1(n) ,T5(n)は、それぞれ図
4のt1,t5に対応している。図3に示されるよう
に、T1(n+1) =T1(n) +T5(n) として決定された
待機時間T1(n+1) に従って、(n+1)回目の加圧鋳
造が実施される。この待機時間T1(n+1) の値は、図4
に示されるような実際の加圧鋳造の結果に基づいて算出
されたものである。従って、溶湯温度,金型温度等の鋳
造条件が変動していなければ、実際の検出時間T2(n+
1) は必要最小限の時間、すなわち立上り時間T3+最
小検出時間T6と一致して、圧力Pの経時変化は曲線L
1となる。この場合には、加圧効果のない加圧ピンのス
トロークは極めて短い時間T6分のみとなり、加圧スト
ロークが最大となって充分な加圧効果を得ることができ
る。
【0019】これに対して、n回目の加圧鋳造が行われ
てから(n+1)回目の加圧鋳造までに鋳造条件の変動
が生ずると、圧力Pの経時変化は曲線L1からずれる。
溶湯温度が上昇する等の、溶湯の凝固が遅れる方向の変
動があった場合には、待機時間T1(n+1) +立上り時間
T3の後も溶湯が充分に凝固していないため、また無駄
時間T5(n+1) を生ずる(曲線L2)。この場合には、
図2の手順(ステップS28)によって待機時間T1(n
+2) がさらに延長され、充分な加圧ストロークが確保さ
れる。一方、溶湯の凝固が早まる方向の変動があった場
合には、待機時間T1(n+1)+立上り時間T3の後には
既に溶湯が加圧すべき状態以上に凝固しているため、検
出段階がなくなり、即座に加圧が行われる(曲線L
3)。この場合は、図2の手順では修正が効かないた
め、かかる事態が生じた場合には待機時間T1を短縮す
る工程を図2のフローチャートに追加することがより好
ましい。例えば、曲線L3となる場合には図2のステッ
プS22で測定される経過時間T2が立上り時間T3と
等しくなるので、これを条件として待機時間T1を一定
幅だけ短縮する等が考えられる。
【0020】本実施例においては加圧ピン10の駆動手
段として加圧用油圧シリンダ4及び油圧ピストン8を使
用しているが、エアシリンダ,油圧モータ,電動モータ
等のその他の駆動手段を用いても良い。また、加圧ピン
10の受ける圧力を測定する手段として油圧配管22E
に圧力センサ54を取り付けているが、その他の方式の
圧力測定手段を用いることも可能である。加圧鋳造方法
のその他の工程の内容や、加圧鋳造装置のその他の部分
の構成,形状,大きさ,材料,数,接続関係等について
も、本実施例に限定されるものではない。
【0021】
【発明の効果】請求項1に係る発明においては、前回の
加圧鋳造時における無駄時間を考慮して凝固状態の検出
を開始する加圧鋳造方法を創出したために、充分な加圧
ストロークを確保することができる。これによって、充
分に溶湯を加圧することができ、引け,巣棟のない高品
質の鋳造品が安定して得られる実用的な加圧鋳造方法と
なる。
【0022】また、請求項2に係る発明においては、微
速前進状態時間から立上り時間及び最小検出時間を減ず
ることによって、簡単にしかも適切な無駄時間の値が算
出できる。これによって、無駄時間の算出を容易かつ的
確に行うことができ、確実に最大限の加圧ストロークを
確保できる極めて実用的な加圧鋳造方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加圧鋳造方法の一実施例における
加圧鋳造装置の全体構成を示す図である。
【図2】加圧鋳造方法の一実施例における加圧鋳造の手
順を示すフローチャートである。
【図3】加圧鋳造方法の一実施例において加圧ピンに加
わる圧力の経時変化を示す図である。
【図4】従来の加圧鋳造方法において加圧ピンに加わる
圧力の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
2 加圧鋳造装置 10 加圧ピン T2,t2 微速前進状態時間 T3,t3 立上り時間 T4,t4 微速前進時間 T5,t5 無駄時間 T6,t6 最小検出時間 T7,t7 加圧工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 乾 満 岐阜県岐阜市六条南1−9−6 岐阜精機 工業株式会社第1事業部内 (72)発明者 二村 健人 岐阜県岐阜市六条南1−9−6 岐阜精機 工業株式会社第1事業部内 (72)発明者 斎藤 明 岐阜県岐阜市六条南1−9−6 岐阜精機 工業株式会社第1事業部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティ内に充填された溶湯が凝固す
    る段階で加圧ピンを微速で前進させて前記加圧ピンの受
    ける反発力から前記充填された溶湯の凝固状態を検出し
    て加圧を行う時期を決定する加圧時期決定工程と、該決
    定された加圧時期に加圧ピンを高速で前進させて加圧を
    行う加圧工程とを有する加圧鋳造方法において、 前記加圧時期決定工程において、前回の加圧鋳造におけ
    る前記加圧ピンの微速前進時間中の無駄時間だけ前記加
    圧ピンの微速前進の開始時期を遅らせることを特徴とす
    る加圧鋳造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された加圧鋳造方法にお
    いて、 前記無駄時間として、前回の加圧鋳造における前記加圧
    ピンの微速前進状態時間から前記加圧ピンの微速前進の
    立上りに要する時間と前記加圧ピンの微速前進によって
    前記溶湯の凝固状態を検出するのに最小限必要な時間と
    を減ずることによって算出した値を用いることを特徴と
    する加圧鋳造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07300498A (ja) * 1987-01-16 1995-11-14 Inst Pasteur 免疫不全レトロウイルス(hiv)関連抗原性ペプチド及びこれをコードする核酸配列

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH07300498A (ja) * 1987-01-16 1995-11-14 Inst Pasteur 免疫不全レトロウイルス(hiv)関連抗原性ペプチド及びこれをコードする核酸配列

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