JP3343041B2 - ダイカストマシンにおけるスクイズピンの制御システム - Google Patents

ダイカストマシンにおけるスクイズピンの制御システム

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JP3343041B2 JP30489896A JP30489896A JP3343041B2 JP 3343041 B2 JP3343041 B2 JP 3343041B2 JP 30489896 A JP30489896 A JP 30489896A JP 30489896 A JP30489896 A JP 30489896A JP 3343041 B2 JP3343041 B2 JP 3343041B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイカストマシン
の金型キャビティ内に充填された溶湯をスクイズピンで
局部的に加圧する、ダイカストマシンにおけるスクイズ
ピンの制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般にダイカスト鋳造では、金型内のキ
ャビティに充填されてから溶湯が冷却されて凝固する際
に、体積の収縮により鋳造品の組織に内引けが発生しや
すい傾向がある。また、キャビティには、溶湯を高速で
射出するため、溶湯に空気が巻き込まれ、鋳物の内部に
鋳巣を生じることになる。このような内引け、鋳巣など
の欠陥をなくすため、キャビティ内の溶湯が凝固する直
前にスクイズピンを溶湯に押し込んで局部的に加圧する
ことによって引け巣の発生を防止することが行なわれて
いる。
【0003】このスクイズピンによる局部加圧方法の実
施に際しては、鋳造条件に応じた適切な加圧力と、加圧
をするときのタイミングを適切に決定することが重要と
なる。従来のこの種のスクイズピンの制御に関する公知
技術としては、例えば、特公昭59−156560号公
報、特開昭58−9758号公報、特開平4−1181
67号公報に開示されている。
【0004】特公昭59−156560号公報によるス
クイズピン制御は、スクイズピンの加圧タイミングをタ
イマーを用いて一定に制御するものである。また特開昭
58−9758号公報による方法によれば、金型温度を
センサで検出し、この検出温度に基づいてスクイズピン
の動作を制御するものである。特開平4−118167
号公報に記載の方法では、スクイズピンのストロークを
検出し、検出値が所定のストロークになるように、スク
イズピンをキャビティ内に前進させるタイミングを制御
し、これによって、適正な条件の下で溶湯を加圧するよ
うにした加圧ピンの制御方法が提案されている。
【0005】しかしながら、前記の特公昭59−156
560号公報の技術においては、鋳込み開始の金型温度
と、型安定時の凝固温度が異なるため、タイマーでスク
イズピンの動作のタイミングを制御しても鋳物の品質に
バラツキを生じることがあった。特開昭58−9758
号公報の技術によれば、金型温度または溶湯温度と加圧
タイミングのタイミングの関係が明確でないとスクイズ
ピンの動作を制御しにくいという問題があり、さらに、
金型温度も、溶湯温度と射出圧力の関係を一定にするこ
とが困難であった。
【0006】さらに、特開平4−118167号公報に
よるスクイズピン制御方法では、スクイズピンの位置を
直接計測できるというメリットがある反面、金型ごとに
センサを取り付け、あらかじめスクイズピンの最適なス
トロークを金型、鋳造条件に対応させてスクイズピンご
とに設定する必要がある。そのため、スクイズピンのス
トロークが誤って設定されてしまった場合には、その設
定値のままスクイズピンが制御されてしまう問題があっ
た。
【0007】そこで、本件出願人は先に出願した特願平
6−262787号において、これらの問題を解決する
ための技術を提案した。すなわち前記提案した技術で
は、スクイズピンを移動するスクイズピンシリンダに供
給する圧油の圧力、流量および溶湯の充填完了からスク
イズピン発進までの待機時間をパラメータとして、スク
イズピンのストロークが目標値になるよう制御される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記提案した技
術には以下に述べる技術的課題があった。
【0009】まず、スクイズピンシリンダに供給した圧
油の流量により、スクイズピンの位置を検出する流量検
出器を、スクイズピンシリンダの入口側の油圧回路に設
けていたため、油圧回路の切換バルブとスクイズピンシ
リンダの間に空気が混入している場合、圧油による空気
圧縮、またはゴムホースの膨張により、流量計測に誤差
を生じ、その誤差がスクイズピンのストローク算出結果
に反映されるため、正しい加圧力をスクイズピンに付与
することが困難であった。
【0010】また、従来のスクイズピンシリンダの位置
制御方法では、前記スクイズピンシリンダから圧油がリ
ークすることがあるという点が考慮されておらず、リー
ク量も流量計測で検出されてしまい、スクイズピンが実
際に移動した距離より大きいストロークが算出され、ス
クイズピンの位置決め誤差が生じていた。
【0011】さらに、スクイズピンシリンダに供給する
圧油の圧力、流量および溶湯の充填完了からスクイズピ
ン発進までの待機時間をパラメターとして制御する場
合、スクイズピンシリンダに供給する圧力、流量および
溶湯の充填完了からスクイズピン発進までの待機時間を
それぞれ単独でパラメターとして補正すると、例えば圧
力を上限値まで昇圧してもまだ目標値にならないなど補
正不能となる場合があった。
【0012】本発明は前記技術的課題に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、スクイズピンのスト
ロークを間接的に計測しながら、油圧回路中のエア等に
よる位置決め誤差を生じないようにスクイズピンのスト
ロークを検出し、スクイズピンのストロークを正確に制
御することのできるシステムを提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、スクイズピンシリンダでの圧
油のリーク量による誤差をなくして正確にスクイズピン
のストロークを制御する制御方法を提供することにあ
る。
【0013】さらに、本発明の他の目的は、スクイズピ
ンのストロークを目標値に制御するために制御のパラメ
ータを適切に補正するようにした制御方法を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のスクイズピンの制御装置は、スクイズピン
を駆動するスクイズピンシリンダと、スクイズピンシリ
ンダに接続され、スクイズピンシリンダに供給する圧油
の圧力、流量を制御するスクイズピン油圧制御回路と、
スクイズピンシリンダの背圧側に接続され、スクイズピ
ンシリンダに供給される圧油の流量を検出する流量検出
器と、を具備したことを特徴とする。
【0015】本発明によれば、流量検出器がスクイズピ
ンシリンダの背圧側にあるので、圧力のないタンクへの
戻り側での流量計測となり、ホースの膨張、管路に混入
するエアの収縮などによる流量検出誤差をなくすことが
できる。
【0016】また上記課題を解決するため、本発明のス
クイズピンの制御方法は、スクイズピンを駆動するスク
イズピンシリンダの背圧側の圧油の流量を検出し、検出
された流量に基づいてスクイズピンのストロークを算出
し、検出流量をパラメータとして前記スクイズピンのス
トロークを目標値に制御する、ことを特徴とする。
【0017】本発明によれば、正確に検出された流量に
基づいてスクイズピンのストロークを精度良く算出する
ことができ、スクイズピンのストロークを目標値に確実
に制御することができる。
【0018】また、上記課題を解決するために、本発明
のスクイズピンの制御方法は、スクイズピンシリンダに
おける圧油のリーク量を検出し、リーク量を前記検出流
量から差引き、リーク量を差引いた後の流量に基づいて
スクイズピンのストロークを算出する、ことを特徴とす
る。
【0019】本発明によれば、スクイズピンシリンダの
加圧動作時に現実に生じる内部リーク量を検出値に算入
することで、より厳密にスクイズピンのストロークを検
出できる。
【0020】さらに上記課題を解決するために、本発明
のスクイズピンの制御方法は、スクイズピンのストロー
クを目標値に制御するパラメータとして、さらにスクイ
ズピンシリンダに供給する圧油の圧力および溶湯の充填
完了からスクイズピン発進までの待機時間を各パラメー
タとして追加し、流量、圧力および待機時間の各パラメ
ータの優先順位を設定し、スクイズピンのストロークが
目標値になるまで優先順位に従って各パラメータを順次
補正していく、ことを特徴とする。
【0021】本発明によれば、例えば、圧力を最大限に
してもスクイズピンのストロークが目標値に到達しない
といった補正限界や、パラメータを補正した結果が安定
しないなどの状況に有効に対処してこれらの状況を解決
し、確実にストロークを目標値に制御できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の実
施の形態について説明する。
【0023】図1は本発明に適用した油圧回路を示し、
図1において、1は油圧供給源で、図示を省略した油圧
ポンプ、モータ、フイルタ、タンク、その他からなる。
油圧供給源1から供給される圧油はアキュムレータ13
でさらに加圧される。また、スクイズピン10を作動さ
せる油圧回路は、油圧供給源1からの作動油の圧力を調
整する圧力調整弁2、圧力補償弁3、比例電磁式リリー
フ弁4、作動油の流量を調整する比例電磁式方向流量制
御弁5、比例電磁式リリーフ弁4の信号により作動する
シャトル弁6、比例電磁式方向流量制御弁5を通過した
作動油の流量を所定の単位でカウントする流量カウンタ
7、比例電磁式方向流量制御弁5に接続されスクイズピ
ン10の進退動作を行うスクイズピンシリンダ9、スク
イズピン10の位置を制御し、スクイズピンシリンダ9
の発進および動作時間を制御する制御装置11とによっ
て構成されている。
【0024】制御装置11は、溶湯をキャビティに充填
する前に実施されるスクイズピン10の移動動作(潤滑
動作)では、無負荷の状態でスクイズピン10のストロ
ークSを計測し、計測したスクイズピン10のストロー
クSからわずかに手前位置の所定の微小量αを減じた
(S−α)をその鋳造サイクルでのスクイズピン10の
最適なストロークとして設定する。
【0025】また、制御装置11は、すでに提案した特
願平6−262787号に係る明細書で詳細に説明した
ように、このスクイズピン10のストローク検出値と、
設定ストローク(S−α)の値とを比較し、スクイズピ
ン10のストロークが設定ストローク(S−α)になる
ようにスクイズピンシリンダへ供給する圧油の圧力、流
量または、溶湯の充填完了からスクイズピン10を前進
させるまでの待機時間といった実際のスクイズピンのス
トロークを決定するパラメータの値を補正し、この補正
値に基づいてスクイズピン10の位置を制御する。
【0026】次に、ダイカストマシンのスクイズピン1
0を作動させる手順について説明する。
【0027】まず、溶湯を射出スリーブ(図示省略)に
入れて射出すると、溶湯がキャビティに充填される。そ
の時、射出シリンダー(図示省略)の圧力が上昇し、こ
れを圧力補償弁2で検知し、その検出信号を制御装置1
1へ送る。制御装置11は予め設定された待機時間T、
流量Q、圧力Pに基づいて、比例電磁式方向流量制御弁
5、比例電磁式リリーフ弁4を制御する。
【0028】この流量Q、圧力Pは個々に独立してまた
は、相互に制御することにより、スクイズピン10のス
トローク(位置)を制御することができる。スクイズピ
ン10の圧力が適正値を越えた場合には流量Q、圧力
P、待機時間Tを予め作成したプログラムデータに基づ
いて制御する。
【0029】ここで、流量Q、圧力P、待機時間Tを制
御パラメータとして選択する際の技術的効果は次に述べ
る通りである。
【0030】流量Qはスクイズピン10で押圧する位置
よりも離れた位置にある鋳巣の減少または解消に大きな
効果を与える。圧力Pは製品の割れに影響を与える。ス
クイズピン10によって溶湯を押す動作タイミングすな
わち、待機時間Tは鋳物全体の密度に影響を与える。な
お、スクイズピン10の位置決め制御では、比例電磁式
方向流量制御弁5を通過した作動油の流量を、所定の単
位でカウントする流量カウンタ7によって位置を間接的
に計測する。この流量カウンタ7は、スクイズピンシリ
ンダ9のロッド側(背圧側)のシリンダ室の油がタンク
に戻る油圧ラインに組み込まれているものである。従っ
て、この流量カウンタ7の設けられる油圧ラインには圧
力がかからないので、エアの混入、ゴムホースの膨張等
による流量の計測誤差をなくすことができる。
【0031】図示しない射出シリンダのプランジャーチ
ップが高速射出のリミットスイッチを踏むと、圧力調整
弁2、圧力補償弁3が設定圧力に達した時点でタイマー
時間T1後に、スクイズピン10が作動する。タイマー
T1のタイムアウト後、比例電磁式方向流量制御弁5は
圧力補償弁3を介して圧油をスクイズピンシリンダ9に
供給し、流量Qを微細に制御し、鋳物に対してスクイズ
ピン10によるスクイズを行う。この時の流量カウンタ
7の流量カウント値がスクイズピン10のストロークと
比例するため、予め、カウント値とスクイズピン10の
ストロークの関係を計測しておけば、このカウント値か
ら、凝固直前に押込んだスクイズピン10のストローク
を間接的に計測できる。
【0032】次に、スクイズピン10は、スクイズ鋳造
時のストローク値がフルストローク値Sより少ない位置
(S−α)で停止する。スクイズピンの保持時間のタイ
ムアウト後、比例電磁式方向流量制御弁5を非励磁とす
ると、スクイズピンシリンダ9は前進状態に復帰し、次
の射出開始を待つ。
【0033】この時、比例電磁式方向流量制御弁5は中
立状態にあるので、圧油は通過できずに、アキュムレー
タ13側に流れ、アキュムレータ13に圧力を蓄積す
る。余剰の圧油は、比例電磁式方向流量制御弁5を介し
てタンク12に回収される。
【0034】また、スクイズピン10について、流量カ
ウンタ7を用いて実際に検出されたストローク値Sfは
モニターされ、このストローク値Sfとスクイズピン1
0の設定ストローク値(S−α)とが比較される。検出
されたストローク値Sfが許容範囲から外れた場合に
は、後述するように待機時間T、流量Q、圧力Pのあら
かじめ設定された優先順位に基づいてパラメータの補正
を行ない、検出ストローク値Sfが許容値内に入るよう
に学習制御する。
【0035】次回の鋳造サイクルからは、この補正され
たパラメータに基づいてスクイズピン油圧制御回路が動
作し、スクイズピン10のストロークは、一定の設定値
になるように制御される。
【0036】スクイズピン10の動作は大別して、二通
りある。一つはスクイズピン10の潤滑動作であり、も
う一つは溶湯のスクイズ動作である。前者は無負荷運転
であり、後者は負荷運転となる。無負荷運転において
は、スクイズピンシリンダ9内で圧油のリークがないの
で、正確に位置決めできるが、負荷運転においては、ス
クイズピンシリンダ9内での圧油のリークが位置決め精
度に大きく影響する。
【0037】すなわち、金型内に供給された凝固中の溶
湯に対して、スクイズピン10を移動するスクイズピン
シリンダ9の位置制御を行う場合においては、スクイズ
ピンシリンダ9内で圧油がリークすると、リーク量もカ
ウントされ、スクイズピン10の実際の移動量以上の移
動量が算出されるが、この誤差は次のようにして補正す
る。
【0038】ここで、図2は、スクイズピン10の潤滑
動作時(無負荷動作時)におけるスクイズピンシリンダ
9のストロークに対応している流量カウンタ7からの入
力パルスと時間の関係を示す。スクイズピン10が潤滑
動作の時は、無負荷で移動するため、スクイズピンシリ
ンダ9内での圧油のリークはない。この場合、パルスカ
ウント数の単位時間あたりの増加は、ストロークエンド
の時間tまでは、傾きが角度θ1 で直線的に移行する。
【0039】一方、スクイズピン10がストロークエン
ドに到達すると、スクイズピン10はスクイズ動作にな
る。スクイズピンシリンダ9内には、圧油の内部リーク
が発生するために、そのリーク量に対応してパルスがカ
ウントされる。リーク量が一定とすれば、パルスカウン
トパターンは、角度θ2 (θ2 <θ1 )で直線的に移行
する。すなわち、本来はスクイズピン10の移動が停止
しているため、流量カウンタ7によるパルスのカウント
はないはずであるが、圧油のリークにより流量カウンタ
7ではパルスカウントが行われ、スクイズピン10がさ
らに移動しているように判断されてしまう。
【0040】図3は、潤滑動作後のスクイズピン10の
実動作である溶湯スクイズ動作における流量カウンタ7
からの入力パルスカウント数の時間変化を示す図であ
る。この溶湯スクイズ動作では、最初から負荷がかかる
ため、スクイズピンシリンダ9では圧油の内部リークが
発生する。流量カウンタ7により検出されるパルスカウ
ント数は、傾きが角度θ1 の直線でストロークエンドま
で推移する。これには内部リークが含まれており、内部
リーク分に相当するパルスカウント数と、実動作に要す
る分に相当するパルスカウント数の合計である。すなわ
ち、実際のスクイズピン10の動きに対応しているパル
スカウント数は、これから内部リーク分を差し引いたも
のである。負荷がかかっているときのリーク量を、図2
の場合と同じと考えれば、 θ=θ1 −θ2 の傾きで表わされる直線がスクイズピン10の加圧実動
作に相当するパルスカウントパターンである。
【0041】したがって、0≦θ2 <θ1 を条件とし
て、溶湯のスクイズ動作時の発進から停止するまでの検
出したパルスカウントパターンを、スクイズシリンダ9
の内部リーク量を考慮して角度θで表わされるパルスカ
ウントパターンに前記した方法で修正し、これに時間t
を掛けるとスクイズピン10の実動作ストロークと一致
する。
【0042】このようにして修正して得られたスクイズ
ピン10のストロークは、設定ストロークと比較され
る。この比較の結果、実際のストロークが許容設定値範
囲外にあれば、スクイズピン10のストロークを許容設
定値に近づけるため、圧油の流量Q、圧力P、溶湯充填
からスクイズピン10が発進するまでの待機時間Tのう
ち、少なくとも一つのパラメータについて、増減する補
正を行なう。例えば、スクイズピン10のストロークが
短く押し込みが不十分であったような場合、ストローク
を増大させる必要がある。その場合、圧力Pと流量Qに
ついては、その値を増加する補正をする。待機時間Tに
ついては、補正量ΔTだけ減算することによって、スク
イズピン10の発進を早めスクイズピン10のストロー
クを増大させるようにする。
【0043】こうして、次回の鋳造サイクルでは、設定
値に近付くようにスクイズピン10のストロークが修正
されるので、鋳造サイクルを重ねるにつれて、学習によ
り最適な値に向って修正されていく。
【0044】しかしながら、状況によっては、流量Q、
圧力P、待機時間Tといったパラメターを補正しても、
その補正入力値が限界値であったり、補正能力を越える
と補正不能となる場合がある。
【0045】そのような場合に対処するため、3つのパ
ラメータについては、前述したようなその技術的効果な
どを考慮して、製造を予定するダイカスト製品に最適と
なるように、あらかじめ優先順位を決めておくことによ
って、第1番目に優先されるパラメータでは不可能な場
合は、優先順位2位のパラメータを補正し、さらに不可
能な場合にはその次は優先順位3位のパラメータを補正
するというように、順次、補正の対象とするパラメータ
を自動的に切り換える。
【0046】たとえば、図4は、パラメータの優先順位
1番を流量Q、優先順位2番を待機時間T、3番を圧力
Pと設定した例を示す。この図4で、黒丸のプロット
は、各ショット毎に流量補正を行なった場合で、黒塗り
三角のプロットは待機時間補正、黒塗り四角のプロット
は圧力補正をした場合である。
【0047】この例の場合、検出されたスクイズピンの
ストロークが目標範囲に届かなかったため、ストローク
を目標範囲に入れるべく、まず最初に優先順位1番であ
る流量Qを増加させる補正を行なって流量を最大限とし
たが、まだ目標範囲に到達せず、流量Qの補正だけでは
補正不可能(補正限界)であったことを表わしている。
【0048】その場合には、優先順位2番の待機時間補
正の実行に切り換わる。図4では、この待機時間を補正
した結果、検出されたストロークに大きな振幅が繰り返
されて安定せず、補正頻度が管理回数を越えてしまった
ことを表わしている。
【0049】そこで、優先順位第3番目の圧力補正に自
動的に切り換わり、これによって、ストロークが目標範
囲に入り、かつ、安定したことを表わしている。
【0050】このようにして、補正限界を越えたり、あ
るいはストローク検出値のばらつきが大きく、補正頻度
回数が管理回数を越えたような場合に、流量Q、待機時
間T、圧力Pの各パラメターの優先順位を変えて、例え
ば圧力P、流量Q、待機時間Tの順に補正することによ
って、スクイズピン10の移動ストロークを確実に目標
範囲に入るように制御することができる。
【0051】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1または
請求項2に記載の発明によれば、スクイズピンのストロ
ークを検出する流量検出器がスクイズピンシリンダの背
圧側にある結果、圧力のないタンクへの戻り側での流量
計測となり、ホースの膨張、管路に混入するエアの収縮
等による流量検出誤差をなくして、正確なスクイズピン
のストローク検出が可能となり、スクイズピンのストロ
ーク制御の精度を高めることができる。
【0052】また、請求項3に記載の発明によれば、ス
クイズピンシリンダからリークするリーク量を検出し、
このリーク量に応じて、検出したスクイズピンのストロ
ークを補正するようにしているので、スクイズピンシリ
ンダのスクイズ動作時に現実に生じる内部リーク量を検
出値に算入して、より厳密にスクイズピンの実際の移動
ストロークを検出できる。
【0053】さらに、請求項4に記載の発明によれば、
スクイズピンシリンダに供給する圧湯の圧力、流量およ
び溶湯の充填完了からスクイズピン発進までの待機時間
からなる制御パラメータの優先順位を設定し、前記スク
イズピンのストロークが目標値になるまで、設定した優
先順位にしたがって各パラメータを順次自動的に補正し
ていくので、あるパラメータの入力値が限界値であった
り、補正能力を越えても、他のパラメータを補正するこ
とにより、確実に適正範囲内に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイカストマシンにおけるスクイズピンを作動
させて本発明を実施するための油圧回路を示す回路図。
【図2】スクイズピンが潤滑動作にあるときに流量カウ
ンタのパルスカウントパターンを示す図。
【図3】スクイズピンが溶湯スクイズ動作にあるときに
流量カウンタのパルスカウントパターンを示す図。
【図4】スクイズピンシリンダに供給する圧油の圧力、
流量および溶湯の充填完了からスクイズピン発進までの
待機時間の各パラメータを優先順位に従って補正する例
を示す説明図。
【符号の説明】
1 油圧供給源 2 圧力調製弁 3 圧力補償弁 4 比例電磁式リリーフ弁 5 比例電磁式方向流量制御弁 6 シャトル弁 7 流量カウンタ(流量検出器) 9 スクイズピンシリンダ 10 スクイズピン 11 制御装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 17/22 B22D 17/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型キャビティ内に充填された溶湯をスク
    イズピンで局部的に加圧するダイカストマシンにおける
    スクイズピンの制御装置であって、 スクイズピンを駆動するスクイズピンシリンダと、 前記スクイズピンシリンダに接続され、スクイズピンシ
    リンダに供給する圧油の圧力、流量を制御するスクイズ
    ピン油圧制御回路と、 前記スクイズピンシリンダの背圧側に接続され、スクイ
    ズピンシリンダに供給される圧油の流量を検出する流量
    検出器と、 を具備したことを特徴とするスクイズピンの制御装置。
  2. 【請求項2】金型キャビティ内に充填された溶湯をスク
    イズピンで局部的に加圧するダイカストマシンにおける
    スクイズピンの制御方法において、 スクイズピンを駆動するスクイズピンシリンダの背圧側
    の圧油の流量を検出し、 前記検出された流量に基づいてスクイズピンのストロー
    クを算出し、 前記検出流量をパラメータとして前記スクイズピンのス
    トロークを目標値に制御する、 ことを特徴とするスクイズピンの制御方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載したスクイズピンの制御方
    法において、スクイズピンシリンダにおける圧油のリー
    ク量を検出し、前記リーク量を前記検出流量から差引
    き、 前記リーク量を差引いた後の流量に基づいてスクイズピ
    ンのストロークを算出する、ことを特徴とするスクイズ
    ピンの制御方法。
  4. 【請求項4】請求項2に記載したスクイズピンの制御方
    法において、 前記スクイズピンのストロークを目標値に制御するパラ
    メータとして、さらにスクイズピンシリンダに供給する
    圧油の圧力および溶湯の充填完了からスクイズピン発進
    までの待機時間を各パラメータとして追加し、 前記流量、圧力および待機時間の各パラメータの優先順
    位を設定し、 前記スクイズピンのストロークが目標値になるまで前記
    優先順位に従って各パラメータを順次補正していく、こ
    とを特徴とするスクイズピンの制御方法。
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