JPH08338452A - トルクリミッタ機能を備えた一方向転がり軸受クラッチ - Google Patents
トルクリミッタ機能を備えた一方向転がり軸受クラッチInfo
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- JPH08338452A JPH08338452A JP7169228A JP16922895A JPH08338452A JP H08338452 A JPH08338452 A JP H08338452A JP 7169228 A JP7169228 A JP 7169228A JP 16922895 A JP16922895 A JP 16922895A JP H08338452 A JPH08338452 A JP H08338452A
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- F16D41/06—Freewheels or freewheel clutches with intermediate wedging coupling members between an inner and an outer surface
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- F16D41/086—Freewheels or freewheel clutches with intermediate wedging coupling members between an inner and an outer surface with provision for altering the freewheeling action the intermediate members being of circular cross-section and wedging by rolling
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Abstract
をスリップさせて過剰トルクを吸収し得るトルクリミッ
タ機能を備えた一方向転がり軸受クラッチを提供する。 【構成】ローラ4の軸線方向から見たローラ4と外輪2
及び内輪3の軌道面5,6との少なくともいずれか一方
の接触部の転がり接触角θi,θoを、接触部の静止摩擦
係数μsi,μsoに対応する摩擦角よりも大きい値に設定
し、内輪2と外輪3を近づける方向に付勢してローラ4
に軸方向予圧を加える予圧付与手段9を設け、ローラ4
の食い込み方向の回転時にローラ4と外輪3及び内輪2
との接触部の最大静止摩擦トルクの範囲でトルクを伝達
可能とし、最大静止摩擦トルクを越える過剰トルクが作
用するとローラ4と外輪3及び内輪2との接触面をすべ
らせて過剰トルクを吸収する構成とした
Description
がりをロック状態にしてトルク伝達を可能とする転がり
軸受とクラッチの機能を合わせ持った一方向転がり軸受
クラッチに関し、特にロック方向にトルクリミッタ機能
を備えた一方向転がり軸受クラッチに関する。
チとしては、たとえば図9に示すような構成となってい
る。
内輪100外周と外輪101内周の間に介装される多数
のローラ104とを備えている。ローラ104は、図9
(b)に示すように、内,外輪100,101の中心軸x
に対して所定のねじれ角βでもって配置されている。内
輪100外周の軌道面102は先細となるような円錐台
形状のテーパ面で、外輪101内周の軌道面103も内
輪100の軌道面105に対応して円錐台形状に成形さ
れている。また、これらの軌道面102,103はロー
ラ104が線接触することが条件となるので、ローラ1
04を中心軸xを中心にして回転させた軌跡である単葉
双曲面となる。内,外輪100,101の軌道面10
2,103は中心軸xに対して所定のソケット角φでも
って傾斜している。
内,外輪100,101の軌道面102,103と接触
し、内外輪100,101の回転に伴ってローラ104
が軌道面102,103間で螺旋状に転がることにな
る。
して内輪100を外輪101内にねじり込む方向に回転
させると、ローラ104の転がりによって内輪100と
外輪101が軸方向に接近させるクラッチ分力F1が働
き、内輪100と外輪101間のローラ104がロック
状態となってトルク伝達が可能となる。
示すように、ローラ104の転がりによって内外輪10
0,101を互いに引き離す方向の転がり分力F2が発
生し、ローラ104がフリー状態で転がり回転する。
ルクを伝達し、他方向にはフリーに回転する一方向クラ
ッチとして利用されている。このローラ104を内外輪
100,101に初期接触させるために、内輪100と
外輪101間に軽い予圧を加える予圧ばね105が設け
られている。
従来技術の場合には、ロック状態で過剰なトルクが加わ
ると、ローラ104が内,外輪100,101の軌道面
102,103間に転がり込み過ぎて外輪101が破損
に至るおそれがあった。
チとして利用する場合よりも大きな軸方向予圧を加える
予圧ばね106を設け、一方向転がり軸受クラッチのフ
リー回転方向に所定量の摩擦トルクを発生させ、トルク
リミッタ機能を持たせたトルクアブソーバも知られてい
る。
クリミッタ機能を持たせたものでは、逆回転方向はロッ
クすることになり、本来の一方向クラッチとして利用で
きないことになる。
するためになされたもので、その目的とするところは、
ロック状態で過剰トルクが作用した際にローラをスリッ
プさせて過剰トルクを吸収し得るトルクリミッタ機能を
備えた一方向転がり軸受クラッチを提供することにあ
る。
に、本発明にあっては、内輪と、外輪と、内輪外周と外
輪内周に形成されたテーパ状の軌道面間に介装される多
数のローラと、前記内輪と外輪を軸方向に押圧して内外
輪の軌道面を近づける方向に付勢する予圧付与手段と、
を備え、前記ローラは内外輪の中心軸に対して所定のね
じれ角でもって傾斜配置され、内輪及び外輪の軌道面を
前記ローラを中心軸に対して回転させた際の回転軌跡で
ある双曲面形状とし、内外輪を一方向に相対回転させる
場合にはロックして一方向にのみトルクを伝達する一方
向転がり軸受クラッチにおいて、前記内外輪のロック方
向の相対回転時に、ローラと外輪及び内輪の軌道面との
接触部の最大静止摩擦トルクの範囲でトルクを伝達可能
とし、最大静止摩擦トルクを越える過剰トルクが作用す
るとローラと外輪及び内輪との軌道面の接触部をすべら
せて過剰トルクを吸収可能としたことを特徴とする。
び内輪の軌道面との少なくともいずれか一方の接触部の
転がり接触角を、当該接触部の静止摩擦係数に対応する
摩擦角よりも大きい値に設定したことを特徴とする。
び内輪の軌道面との食い込み角を(ψ)、接触部の静止
摩擦係数を(μs)とした場合に、食い込み角(ψ)
を、式tan(ψ/2)>μsの関係となるように設定した
ことを特徴とする。
のなす角をソケット角とした場合に、ローラのねじれ角
をほぼ21°〜24°、ソケット角をほぼ8°〜10°
の範囲に設定したことを特徴とする。
10°に設定したことを特徴とする。
予圧調整機構を備えていることを特徴とする。
をロックする方向に回転させた場合には、ローラを内外
輪の軌道面に対して食い付かせて内外輪間がテーパねじ
状に締め込んでいくのに対して、本願発明の場合には、
ローラをすべらせて内外輪の軌道面間に転がって食い付
いていかないようにしたものである。
ーラと内外輪の軌道面との接触面圧を大きくし、ローラ
と外輪及び内輪の軌道面との接触部の最大静止摩擦トル
クの範囲でトルク伝達を可能とする。
ではローラは軌道面との接触部ですべらず入力トルクが
そのまま出力トルクとして伝達され、最大静止摩擦トル
クを越えるとローラが軸方向にすべりつつ転がる状態と
なり、過剰トルクが吸収されて伝達される出力トルクは
所定の値に制限される。
は、ローラは外輪と内輪を引き離す方向に転動すること
になり、ローラは軌道面上を軸方向にすべりつつ転がる
ことになる。
条件としては、たとえば、ローラの軸線方向から見たロ
ーラと外輪及び内輪の軌道面との少なくともいずれか一
方の接触部の転がり接触角を、接触部の静止摩擦係数に
対応する摩擦角よりも大きい値に設定しておけば、ロー
ラが内外輪の軌道面のいずれかですべるために転がり込
んでいかない。
ものとして、食い込み角(ψ)と最大静止摩擦係数(μ
s)の関係を、tan(ψ/2)>μsと設定してもよい。
食い込み角(ψ)は、ローラねじれ角(β)とソケット
角(φ)で幾何学的に定まるので、ローラが食い付いて
いかない条件を、ローラねじれ角(β)とソケット角
(φ)でもって定めることができる。
°、ソケット角φを8〜10°の範囲とすることが好ま
しい。
ロックしやすくなり、25°以上になると転がりにくく
なる。また、ソケット角φが8°以下になるとロックし
やすく、10°を越えるとスリップしやすく安定性が悪
くなってくる傾向があるからである。
角φをほぼ8°に設定することが好適である。
可能としておけば、制限されるトルクの大きさを任意の
値に制御することができる。
する。
リミッタ付き一方向転がり軸受クラッチを示している。
1は、内輪2と、外輪3と、内輪2外周と外輪3内周の
間に介装される多数のローラ4とを備えている。ローラ
4は、図1(c)に示すように、内,外輪2,3の中心軸
xに対して所定のねじれ角βでもって配置されている。
内輪2外周の軌道面5は先細となるような円錐台形状の
テーパ面で、外輪3内周の軌道面6も内輪2の軌道面5
に対応して円錐台形状に成形されている。
ローラ4が線接触してはじめて機能を満足するものであ
り、図3(a)及び(b)に示すように、ローラ4を中心軸
xの周りに公転させた場合のローラ4の外周及び内周の
軌跡であり双曲面形状となる。
に対して所定のソケット角φでもって傾斜している。ソ
ケット角φとは、図1(c)に示すように、内輪2及び外
輪3の中心軸線xを通る平面で切断した双曲線となる軌
道断面のローラ接点P(x0,y0)における接線aと中
心軸xとのなす角である。
持されている。ローラ4のねじれ角βは保持器7によっ
て保持されるのではなく、内,外輪2,3の軌道面5,
6の双曲面形状によって自動的に維持される。保持器7
は、内外輪2,3を分解した際にローラ4がバラバラに
ならないように保持するものである。
定され、外輪3に従動側の部材が連結される。本実施例
では外輪3外周にスプロケット歯8が一体成形されてい
る。
に軸方向予圧を付与する予圧付与手段としての予圧ばね
9が設けられている。この予圧ばね9は環状の板ばね構
造で、内輪2の大径部側に配置されている。予圧ばね9
の外径端部は固定リング10によって外輪3に固定さ
れ、内径端部がスラストベアリング11を介して内輪2
の大径部側端部に圧接されており、内輪2を外輪3内に
くさび状に打ち込むように付勢している。
のではなく、たとえばコイルスプリング等の他のばねを
用いることができる。また予圧付与手段としては、ばね
に限らず、軸方向予圧を加えることができる構成、たと
えば磁石や流体圧シリンダ等の種々の構成をとることが
できる。
輪2と外輪3間の隙間に介装されるシール部材である。
相対回転時に、ローラ4と内,外輪2,3の軌道面5,
6との接触部の最大静止摩擦トルクの範囲でトルクを伝
達可能とし、最大静止摩擦トルクを越える過剰トルクが
作用するとローラ4と内外輪2,3の軌道面5,6との
接触部をすべらせて過剰トルクを吸収可能としたもので
ある。
クが加えられた場合の内,外輪2,3とローラ4の挙動
を検討すると、ローラ4がねじれ角を有するために、ロ
ーラ4を介して内輪2が外輪3内に軸方向に深く食い込
む方向に案内される。このとき、ローラ4と軌道面5,
6間がすべらないで軌道面5,6に食い込んでいくと外
輪3に作用する内圧が増大する一方となって破損に至
る。このローラ4が軌道面5,6との接触部ですべれば
内輪2が外輪3内にそれ以上入り込まないことになる。
雑であるが、ローラ4の軸線方向から見たローラ4と内
外輪2,3の軌道面5,6との少なくともいずれか一方
の接触部の転がり接触角を、当該接触部の静止摩擦係数
に対応する摩擦角よりも大きい値に設定しておけば、ロ
ーラ4が軌道面ですべることになり、ローラがトルクに
よって軌道面に食い込むことが防止できると考えられ
る。
径、外輪3の軌道面6の内径のローラ4の転動方向に沿
った増加、縮小度合いを示す角度のことである。
明すると、テーパねじ13のねじ山14は仮想円筒面1
5に対して所定のリード角βでもって螺旋状に巻き付け
られると同時に、その外周は中心軸xに対して所定のソ
ケット角φでもって上方に向かって拡径する円錐台16
の外周上に位置する。したがって、ねじ山14外径は仮
想円筒面15に対して上方に向かうにつれて所定の角度
θで徐々に拡大するくさび形状となる。この角度θを転
がり接触角とする。
場合のおねじとめねじのねじりに伴うねじ径の増加また
は減少角を求めたものであるが、おねじをめねじにねじ
込むときは、この両者の転がり接触角の和が実際のくさ
び角となる。
内輪2と外輪3間に介在するローラ4がねじれ角βを有
しているので、ローラ4を介して内輪2と外輪3を相対
回転させると、ローラ4の転がり方向によって、あたか
もリード角βのねじが存在するように内輪2が外輪3内
にねじり込まれ、ローラ4が内輪2と外輪3の軌道面
5,6間に食い込むことになり、テーパねじ13と全く
同様の関係となる。
1の内,外輪2,3をローラ4の転がり方向に螺旋状に
切断した図を示している。図示するように、内輪2側の
軌道面5はローラ4の転動方向に転がり接触角θiでも
って徐々に大径となるように傾斜し、外輪3側の軌道面
6は上方に向かって転がり接触角θ0でもって徐々に小
径となるように傾斜している。
るローラ4を軸方向から見たみた模式図である。
方向に相対移動させるとローラ4が食い込むことにな
る。このローラ4の食い込み状態は、内輪2側と外輪3
側の転がり接触角θiとθoの両方が作用するので、両方
を合成して食い込み角ψと定義する。
5,6とローラ4をすべらせる条件として、ローラ4と
軌道面5,6との接触部の転がり接触角θi,θoの少な
くともいずれか一方が、接触部の静止摩擦係数μsi,μ
soに対応する摩擦角λi,λoよりも大きくなるように設
定すればよい。すなわち、θi>λiかθo>λoの一方、
あるいは、θi>λiかつθo>λoの条件であればよい。
をのせて徐々に傾けた場合にすべり始める角度のこと
で、tanλi=μsi、tanλo=μsoである。したがって、
摩擦角を最大摩擦係数との関係で書き換えれば、tanθi
>μsiとtanθo>μsoの2条件のうちの少なくともいず
れか一方の条件である。
角(θi+θo)として定義される食い込み角ψをモデル
的に表したものである。
4と両軌道面5,6との接触部の静止摩擦係数は等し
く、また、内輪2と外輪3の軌道面5,6との転がり接
触角θi,θoはほぼ等しいと考えられるので、食い込み
角を(ψ)が、式tan(ψ/2)>μsの関係を満足する
ように設定した。このように設定しても実用上問題はな
い。図中、Nは接触面からローラ4に作用する抗力、F
は摩擦力、Pはその合力である。以下(φ/2)をθと
して説明する。
して成形することは困難であり、実際はローラねじれ角
βとソケット角φとの関係でθが設定される。
ット角φは、幾何学的に一定の関係を有している。
すると、次式のような関係となる。
tanβ・tanφ。また、l1=l/COSβ、tanθ=Δ/l1
より、tanθ=cosβ・tanβ・tanφ=sinβ・tanφで証
明される。この関係式は一方向転がり軸受クラッチでも
全く同一の関係となる。
ト角φが、sinβ・tanφ>μsとなるように設定すれば
よい。
は、静止摩擦係数の大きさとの兼ね合いとなるが、ロー
ラねじれ角βをほぼ21°〜24°程度、ソケット角φ
はほぼ8°〜10°程度とすることが効果的である。特
に、ローラねじれ角βを約21°、ソケット角φを約1
0付近に設定することが好適である。
ーラ4がロックしやすくなり、25°以上になるとロー
ラ4が転がりにくくなる。また、ソケット角φが8°以
下になるとロックしやすくなり、10°を越えるとスリ
ップしやすく安定性が悪くなってくる。
〜18°、ソケット角φを4°〜4.5°の範囲で使用
していた。この条件では過剰なトルクが作用すると外輪
の破損に至った。これはローラ4が内外輪2,3の軌道
面5,6に食い付いて接触部で滑らないからである。
15°〜18°,φ;4°〜4.5°の場合には0.0
2程度、β;21°〜24°,φ;8°〜10°の場合
は約0.057、β;21°,φ;8°の場合は0.0
5〜0.06程度となり、μsを0.02〜0.05の
範囲とすれば、β;21°〜24°,φ;8°〜10°
の範囲でローラ4がすべるものと思量される。
φは相対的なもので、ローラねじれ角βを従来と同様に
ほぼ15°〜18°の範囲とし、それに合わせてtanθ
=sinβ・tanφがμsの値より大きくなるようにソケッ
ト角φを選べばよいし、逆にソケット角φを従来の4°
〜4.5°の範囲に設定し、それに合わせてtanθ=sin
β・tanφがμsの値より大きくなるように設定すればよ
い。
上記以外の15°以下の範囲、18〜21°間の範囲、
さらに24°以上の範囲についても適用可能である。
の4°以下の範囲、4.5〜8°の範囲、10°以上の
範囲も適用可能である。
も、上記した0.02〜0.05程度に限定されるもの
ではなく、0.1,0.15等種々の値をとり得る。す
なわち、ローラねじれ角βを15°〜18°、ソケット
角φを4°〜4.5°と、従来のままの角度設定とし、
最大静止摩擦係数μsを0.02より小さくすればすべ
る条件になる。あくまでも最大静止摩擦係数μsとロー
ラ4の転がり摩擦角θあるいは食い込み角φとの相対関
係である。
間にも、図3(c)に示すように、幾何学的に一定の関係
がある。
ーラ4の転がり接触角θi,θoの和であるから、次式で
示される。
ローラ4のねじれ角θによって軌道断面形状が決定す
る。ソケット角φは、決定された軌道断面のどの範囲を
実際に軌道として使うかで決まる。すなわち、ローラ接
点PのX座標(上式中のx0)と、予め定めたFの値で
決まることになる。ローラ接点はローラの軸方向中央位
置である。
動作説明図である。
れるものとする。
ローラ4は内輪2と外輪3間の軌道面5,6間にくさび
状に食い込んで接触面の法線方向の抗力を増大させ、静
止摩擦力を大きくしている。軸方向予圧については、従
来では2〜3[kg]程度のばね荷重であったものを、2
00〜300[kg]程度のばね荷重に設定している。
能動的な食い付き作用を利用していたので初期圧接力を
与えるだけで、ローラ4が転がり込むことによってロッ
クしていたが、本願発明ではローラの転がりによる食い
付き作用が発生しないようにしているので、すべらない
ように高い荷重を負荷している。
ルクの範囲で駆動軸から駆動トルクT1が入力する場合
には、図2(a),(d)に示すように同一の出力トルクT
1が伝達される。
ルクT2が入力されると、ローラ4は螺旋状に軌道面間
に螺旋状に食い込んでいかないで、軸方向にすべりなが
ら転がりトルクが吸収されて伝達されるトルクT3は所
定の大きさに制限される(図2(b),(e)参照)。
すような関係となる。
向に回転させると、ローラ4は抜け出す方向にすべりな
がら転がり、トルクは伝達されず内輪2のみがフリー回
転する。
ローラ4の回転による引き離し分力との兼ね合いで、引
き離し分力よりも予圧が大きいと、完全にフリー状態と
はならずに摺動摩擦分のトルクが伝達される。
ーにすることも可能である。
験例は、ローラねじれ角βが21°、ソケット角φが1
0°の場合である。これはロック側及びフリー側のそれ
ぞれに過大な静トルクを入力し、トルクリミット性能を
確認したものである。
が所定のトルク(18.5[kgf・m]程度)に制限され
ていることが分かる。この制限トルクは予圧ばね9のば
ね荷重によって任意の値に設定することができる。従来
は2〜3[kg]程度のばね荷重に設定していたが、本実
施例では200〜300[kg]程度のばね荷重を加えて
ローラ4の摩擦力を増大させ、制限トルクまではスリッ
プしないようにしている。また、図中、組幅変位量δと
は外輪と内輪の軸方向組み付け幅の変位量である。ロッ
ク方向に回転させた場合には内輪が外輪内に軸方向に食
い込む状態を示している。
ラ4の回転による引き離し方向の分力が作用するので、
制限された出力トルクがロック方向と比較して小さく
(7.0[kgf・m]程度)、組幅変位量δも小さい。 [他の実施例]次に、図5〜図8を参照して本発明の他
の実施例について説明する。
面間にローラが転がり食い込まないように、ローラと軌
道面の接触部がすべることが条件となっており、第1実
施例の場合と全く同様の構造なので、ローラと内外輪と
の転がり接触角の関係については説明を省略する。
る。
0の場合には、軸方向の外輪23移動が取付けに影響し
ないよう外環211を用いたものである。すなわち、内
輪22の延長部221外周にベアリング212を介して
外環28が軸方向には固定で回転方向に移動自在に支持
されている。
輪23を軸方向に移動自在に支持する環状壁213が突
出しており、この環状壁213内周に外輪23の端部が
ボールスプライン214を介して軸方向に相対移動自在
で、回転方向には一体的に移動するように支持されてい
る。そして、外輪22と外環28の対向端面間には予圧
ばね29が介装されており、内輪22に対して外輪23
を軸方向に押圧してローラ24に予圧を付与するように
構成されている。
る。
可能とした例である。
も、軸方向の外輪移動が取付けに影響しないよう外環3
11を用いたものである。この外環311は外輪33を
収納する収納凹部313を備えた筒状部材で、一端がベ
アリング312を介して内輪32の第1延長部321外
周に回転自在に支持されており、他端に収納凹部313
が開口し、ボールスプライン314を介して収納凹部3
13内周に外輪33が軸方向に移動自在に支持されてい
る。
2には外輪33を軸方向に押圧して軸方向予圧を付与す
る予圧付与手段としての予圧ばね39が設けられてお
り、この予圧ばね39の押圧力を調整するための予圧調
整ナット391がねじ込まれている。予圧ばね39は環
状の板ばねで、内輪32の第2延長部322外周に軸方
向に移動自在に挿入されている。この予圧ばね39の外
径端部はスラストベアリング315を介して外輪33端
面に圧接され、内径端部が第2延長部322にねじ込ま
れる予圧調整ナット391によって押圧されている。こ
の予圧調整ナット391のねじ込み量を調整することに
よって軸方向予圧を調整可能となっている。
大静止摩擦トルクが変化させることが可能となり、図6
(b)に示すように、制限トルクT3の大きさを調整する
ことができる。
いる。
複列に配置したもので、高速回転使用、高トルクを負荷
する場合に最適である。
軸方向中央を境にして左右に2箇所に両端に向けて徐々
に小径となるように傾斜する左右内輪軌道面451,4
52を設けている。
に対して、それぞれローラ441,442を介して左右
一対の外輪431,432を嵌合し、左右一対の外輪4
31,432を一つの筒状の外環411内周にボールス
プライン412,413を介して軸方向に移動自在に挿
入している。また、外環411の両端開口部と内輪42
間にはベアリングケース414,415を介してベアリ
ング416,417が介装され、このベアリング41
4,415を介して外環411と内輪42が相対回転自
在に組み付けられている。外環411と外輪43はボー
ルスプライン412,413を介して軸方向に移動自在
で、かつ回転方向には一体的に回転自在となっている。
ローラ441,442のねじれ角は当然のことながら逆
向きに傾斜している。
418が設けられ、左右どちら側からでも取付けられる
ように構成されている。
いる。
て、上記各実施例の一方向クラッチのロック方向だけで
なく、フリー回転方向にもトルク伝達を可能としたもの
である。
に影響しないよう51外環が用いられている。この外環
51の外輪53側端面には、外輪53を軸方向に移動自
在に支持する環状壁513が突出しており、この環状壁
513内周に外輪53の端部がボールスプライン514
を介して軸方向に相対移動自在で、回転方向には一体的
に移動するように支持されている。
与手段としての予圧ばね59が介装されており、内輪5
2に対して外輪53を軸方向に押圧してローラ54に予
圧を付与するように構成されている。
外周にねじ込まれたトルク調整ナット591と、外輪5
3の外周に装着されたスペーサ592の間に装着され、
トルク調整ナット591のねじ込み量を調整することに
よって、軸方向予圧が調整可能となっている。
比例したトルクでフリー回転し、所定の大きさのトルク
を伝達する。逆方向に回転させるとロックしてフリー回
転方向よりも大きなトルクを伝達できる。もちろん、ロ
ック方向の伝達トルクは限界があり、過剰なトルクが加
わるとローラ54がすべってトルクが一定に保たれる。
の転がりによる軸方向分力によってフリー回転方向より
もロック方向の方が大きい。この大きさの比率は、およ
そ3対1程度に設定されている。
は、ローラと外輪及び内輪の軌道面との接触部の最大静
止摩擦トルクの範囲でトルク伝達を可能とし、最大静止
摩擦トルクを越える過剰トルクが作用するとローラがす
べるように構成したので、従来のように過剰トルクが加
えられた場合に外輪が破損するおそれは無くなる。
び内輪の軌道面との少なくともいずれか一方の接触部の
転がり接触角を、接触部の静止摩擦係数に対応する摩擦
角よりも大きい値に設定、あるいは食い込み角ψと最大
静止摩擦係数μsの関係を、tan(ψ/2)>μsと設定
すれば、軌道面間でローラが滑って転がり込んでいかな
い。
可能としておけば、制限されるトルクの大きさを任意の
値に制御することができる。
クラッチを示す図である。
説明図である。
明図である。
さび角の説明図である。
クラッチを示す図である。
クラッチを示す図である。
クラッチを示す図である。
クラッチを示す図である。
図である。
示す図である。
チの実験結果を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】内輪と、外輪と、内輪外周と外輪内周に形
成されたテーパ状の軌道面間に介装される多数のローラ
と、前記内輪と外輪を軸方向に押圧して内外輪の軌道面
を近づける方向に付勢する予圧付与手段と、を備え、前
記ローラは内外輪の中心軸に対して所定のねじれ角でも
って傾斜配置され、内輪及び外輪の軌道面を前記ローラ
を中心軸に対して回転させた際の回転軌跡である双曲面
形状とし、内外輪を一方向に相対回転させる場合にはロ
ックして一方向にのみトルクを伝達する一方向転がり軸
受クラッチにおいて、 前記内外輪のロック方向の相対回転時に、ローラと外輪
及び内輪の軌道面との接触部の最大静止摩擦トルクの範
囲でトルクを伝達可能とし、最大静止摩擦トルクを越え
る過剰トルクが作用するとローラと外輪及び内輪との軌
道面の接触部をすべらせて過剰トルクを吸収可能とした
ことを特徴とするトルクリミッタ機能を備えた一方向転
がり軸受クラッチ。 - 【請求項2】ローラの軸線方向から見たローラと外輪及
び内輪の軌道面との少なくともいずれか一方の接触部の
転がり接触角を、当該接触部の静止摩擦係数に対応する
摩擦角よりも大きい値に設定したことを特徴とする請求
項1に記載のトルクリミッタ付き一方向転がり軸受クラ
ッチ。 - 【請求項3】ローラの軸線方向から見たローラと外輪及
び内輪の軌道面との食い込み角を(ψ)、接触部の静止
摩擦係数を(μs)とした場合に、食い込み角(ψ)
を、式tan(ψ/2)>μsの関係となるように設定した
ことを特徴とする請求項1に記載のトルクリミッタ付き
一方向転がり軸受クラッチ。 - 【請求項4】ローラと外輪の軌道面との接線と中心角と
のなす角をソケット角とした場合に、ローラのねじれ角
をほぼ21°〜24°、ソケット角をほぼ8°〜10°
の範囲に設定したことを特徴とする請求項1,2または
3に記載のトルクリミッタ付き一方向転がり軸受クラッ
チ。 - 【請求項5】ローラのねじれ角をほぼ21°、ソケット
角をほぼ10°に設定したことを特徴とする請求項4に
記載のトルクリミッタ付き一方向転がり軸受クラッチ。 - 【請求項6】予圧付与手段による予圧を調整可能とする
予圧調整機構を備えている請求項1,2,3,4または
5に記載のトルクリミッタ機能を備えた一方向転がり軸
受クラッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16922895A JP3664520B2 (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | トルクリミッタ機能を備えた一方向転がり軸受クラッチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16922895A JP3664520B2 (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | トルクリミッタ機能を備えた一方向転がり軸受クラッチ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08338452A true JPH08338452A (ja) | 1996-12-24 |
JP3664520B2 JP3664520B2 (ja) | 2005-06-29 |
Family
ID=15882605
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16922895A Expired - Lifetime JP3664520B2 (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | トルクリミッタ機能を備えた一方向転がり軸受クラッチ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3664520B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007162926A (ja) * | 2005-12-13 | 2007-06-28 | Shiro Sawa | 流体摩擦伝達力制限装置 |
JP2015522780A (ja) * | 2012-07-27 | 2015-08-06 | チョンチン ディンラン マシナリー シーオー エルティーディー | 円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ |
CN108035971A (zh) * | 2018-01-15 | 2018-05-15 | 海南冠星电机有限公司 | 单向轴承 |
WO2018216185A1 (ja) * | 2017-05-26 | 2018-11-29 | 株式会社ユニバンス | 動力伝達装置 |
-
1995
- 1995-06-12 JP JP16922895A patent/JP3664520B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007162926A (ja) * | 2005-12-13 | 2007-06-28 | Shiro Sawa | 流体摩擦伝達力制限装置 |
JP4614167B2 (ja) * | 2005-12-13 | 2011-01-19 | 司郎 澤 | 流体摩擦伝達力制限装置 |
JP2015522780A (ja) * | 2012-07-27 | 2015-08-06 | チョンチン ディンラン マシナリー シーオー エルティーディー | 円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ |
US10480595B2 (en) | 2012-07-27 | 2019-11-19 | Chongqing Dynrun Machinery Co., Ltd. | Conical surface friction type overrunning clutch |
WO2018216185A1 (ja) * | 2017-05-26 | 2018-11-29 | 株式会社ユニバンス | 動力伝達装置 |
CN108035971A (zh) * | 2018-01-15 | 2018-05-15 | 海南冠星电机有限公司 | 单向轴承 |
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JP3664520B2 (ja) | 2005-06-29 |
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