JP2015522780A - 円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ - Google Patents

円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ Download PDF

Info

Publication number
JP2015522780A
JP2015522780A JP2015523384A JP2015523384A JP2015522780A JP 2015522780 A JP2015522780 A JP 2015522780A JP 2015523384 A JP2015523384 A JP 2015523384A JP 2015523384 A JP2015523384 A JP 2015523384A JP 2015522780 A JP2015522780 A JP 2015522780A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
intermediate ring
friction
inner ring
force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015523384A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5960359B2 (ja
Inventor
ジュン リュオ
ジュン リュオ
ジュン リウ
ジュン リウ
Original Assignee
チョンチン ディンラン マシナリー シーオー エルティーディー
チョンチン ディンラン マシナリー シーオー エルティーディー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by チョンチン ディンラン マシナリー シーオー エルティーディー, チョンチン ディンラン マシナリー シーオー エルティーディー filed Critical チョンチン ディンラン マシナリー シーオー エルティーディー
Publication of JP2015522780A publication Critical patent/JP2015522780A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5960359B2 publication Critical patent/JP5960359B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D41/00Freewheels or freewheel clutches
    • F16D41/06Freewheels or freewheel clutches with intermediate wedging coupling members between an inner and an outer surface
    • F16D41/061Freewheels or freewheel clutches with intermediate wedging coupling members between an inner and an outer surface the intermediate members wedging by movement having an axial component
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D41/00Freewheels or freewheel clutches
    • F16D41/06Freewheels or freewheel clutches with intermediate wedging coupling members between an inner and an outer surface
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D41/00Freewheels or freewheel clutches
    • F16D41/22Freewheels or freewheel clutches with clutching ring or disc axially shifted as a result of lost motion between actuating members
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D13/00Friction clutches
    • F16D13/22Friction clutches with axially-movable clutching members
    • F16D13/24Friction clutches with axially-movable clutching members with conical friction surfaces cone clutches
    • F16D13/26Friction clutches with axially-movable clutching members with conical friction surfaces cone clutches in which the or each axially-movable member is pressed exclusively against an axially-located member
    • F16D13/28Friction clutches with axially-movable clutching members with conical friction surfaces cone clutches in which the or each axially-movable member is pressed exclusively against an axially-located member with means for increasing the effective force between the actuating sleeve or equivalent member and the pressure member

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)
  • Friction Gearing (AREA)

Abstract

円錐面摩擦タイプの過回転クラッチを開示するものであり、そのクラッチは基本的な機械的伝導構成要素と見なされる。第1の中間リング(3)および第2の中間リング(4)が、共通軸の周りに共に回転することができる内輪(1)と外輪(2)との間に設けられ、それによって、力増幅伝導機構が、対合方式の円錐面摩擦対偶体にそれぞれ連結される。力増幅伝導機構および円錐面摩擦対偶体の全てが、それら自体がロックしないパラメータ範囲内で作動し、力増幅伝導機構は一定の噛合い状態にあり、初期圧力が、弾性予締付部材(7)または磁気部材によって円錐面摩擦対偶体に掛けられる。内輪と外輪との間に異なる方向で接線方向外力成分が存在するとき、円錐面摩擦対偶体は、力増幅伝導機構の作用によって、摺動回転し、または定着状態に留まり、それによって、過回転クラッチにおける過回転機能およびセルフ・ロック機能が実現される。本発明はまた、設計パラメータを調節することによって、過回転クラッチの過負荷およびスリップを防止する機能を実現することができる。

Description

本願は、中国国家知識産権局へ2012年7月27日に出願された中国特許出願第201210263358.4号、表題「CONICAL SURFACE FRICTION TYPE OVERRUNNING CLUTCH」の優先権を主張するものであり、同願の開示全体を援用して本明細書に組み込むものとする。
本願は、機械的動力伝導の分野における過回転クラッチ装置に関し、詳細には、機械的伝導に広く使用される基本的機能構成要素である、円錐面摩擦タイプの過回転クラッチに関する。
過回転クラッチの従来の技法では、2種類の過回転クラッチが最も広く使われており、それらには、ローラ・タイプの過回転クラッチと楔タイプの過回転クラッチとが含まれ、それらは共に、楔結合のための傾斜面を使用する原理を採用している。上記の2種類の過回転クラッチは、主として以下の欠点を有する。1.全ての接触が、離隔した高次対偶体接触であり、楔合状態での接触応力が極めて高く、その結果、支承能力が極めて小さくなり、それゆえ、接触対偶体の摩耗が速く、耐用寿命が短くなる。2.離隔接触対偶体が使用されているので、離隔部材が同期して作動できない状態が生じがちであり、それによって、部分的損傷が極めて生じやすく、その損傷が更に、固着やセルフ・ロック不調という故障や作動不良を引き起こすことになる。3.自律的摩耗補償能力が殆どない。4.過回転状態において、抵抗が大きく、効率が高くない。5.楔合連結を解除するために、大きな解放力が必要とされる。6.滑り角が大きい。7.構造が複雑で多数の部品を擁し、それが、材料および製造工程に極めて高度な整合性の要件を課し、したがってコストが高くなる。8.多数の離隔部材ゆえに、高回転速度で、作動性能が劣り、特に高回転速度過回転状態で、騒音および摩耗が共に著しい。
従来技術の上記の欠点は、過回転クラッチの適用範囲に重大な影響を及ぼす。Zhang Jizheng他によって著わされた論文「The Status and Trend of Development of Overrunning Clutch」を参照されたい(同論文は2002年10月28日の第3回日中機械技術史に関する国際会議の論文集に公表されており、その刊行者は中国機械エンジニアリング学会である)。同論文の内容から、中国の学者および専門家が、多くの改良、研究、および発明を行い、良好な業績を成し遂げてきたが、理想的な性能、構造、信頼性、コスト、および耐用寿命など、過回転クラッチの要件を満たすには未だ大きな隔たりがあることが分かる。
中国登録実用新案第2l7532l号は、ねじ山対偶体および円錐面摩擦対偶体に基づく一方向クラッチを開示しているが、セルフ・ロックを実現する条件を開示しなかった。
中国登録実用新案第2479288号は、傾斜式スロット・シャフト・ピンおよび円錐面摩擦対偶体に基づく一方向過回転クラッチを開示するが、中国登録実用新案第第2l7532l号の短所と同様な短所に加えて、そのクラッチは、支承能力が低いという欠点を有する。
中国実開第201747821号公報および中国特開第101936346号公報は、空間的楔結合タイプの摩擦過回転クラッチを開示し、それら文書に記述されているところでは「そのクラッチは斬新な技術原理に基づいて設計されている」が、一面では「斬新な技術原理」がそれら文書内で明確にされておらず、別の面では、それら2つの文書によるクラッチは、セルフ・ロックを実現するために案内機構の摩擦対偶体を使用する構造を選択しており、それが、その過回転クラッチの構造設計、アンロック性能、および支承能力の向上を著しく制約している。
背景技術での欠陥を解決するために、本願の技術的解決策は、以下の目的を達成する新規な構造を有する円錐面摩擦タイプの過回転クラッチを提供する。
すなわち、(1)従来の設計の欠点を克服し、過回転クラッチの様々な性能指標を大幅に改善し、
(2)設計パラメータを調節することにより過負荷防止機能を有する過回転クラッチを達成し、
(3)過回転クラッチの構造をより簡単にし、コストをより低減させ、製造をより容易にすることである。
上記の目的を達成するために、本願により以下の技術的解決策が提供される。
力を伝達する第1の中間リングおよび第2の中間リング(または中間リングアセンブリ)と、弾性予締付部材(または弾性予締付アセンブリ)と、内輪と、外輪とを備え、
前記内輪と、前記外輪と、前記第1の中間リングと、前記第2の中間リングとが共通の回転軸を有し、
前記第1の中間リングおよび前記第2の中間リングが共に、前記内輪と前記外輪との間に配置され、前記第1の中間リングおよび前記第2の中間リングそれぞれが、円錐面を介して前記内輪および前記外輪の一方と協働して、少なくとも1つの第1の作動摩擦対偶体および少なくとも1つの第2の作動摩擦対偶体をそれぞれ形成し、前記作動摩擦対偶体の両者が共に軸方向に係合可能かつ係合解除可能であり、第1の力増幅伝導機構および第2の力増幅伝導機構が、前記第1の中間リングと前記内輪および前記外輪の他の一方との間、および前記第2の中間リングと前記内輪および前記外輪の他の一方との間にそれぞれ形成され、前記第1の中間リングおよび前記第2の中間リングが、前記第1の力増幅伝導機構および前記第2の力増幅伝導機構を介して前記内輪および前記外輪の他の一方にそれぞれ連結され、
前記弾性予締付部材が、前記第1の中間リングまたは前記第2の中間リングに配置された一方の端部を有し、それによって、前記作動摩擦対偶体が働いていないときに、前記作動摩擦対偶体の全てが、作動要件に適合する弾性押圧力を維持することができ、
前記第1の作動摩擦対偶体および前記第2の作動摩擦対偶体が共通の回転軸を有し、各作動摩擦対偶体の互いに協働する2つの円錐面が、等しい円錐頂角を有し、いずれの前記作動摩擦対偶体の前記円錐頂角についても、θと呼ばれる前記円錐頂角およびμと呼ばれる前記作動摩擦対偶体の摩擦係数が、条件2arctan(μ)<θ≦180°を満足しなければならず、式中のarctan()は逆正接関数を表し、この条件は、前記作動摩擦対偶体のセルフ・ロックが確実に生じないようにするためであり、
前記力増幅伝導機構の少なくとも1つが、前記それぞれの中間リングと前記力増幅伝導機構に連結されている前記内輪または前記外輪との相対回転角度を軸方向相対変位に変換するように構成されており、前記相対回転角度がΦであり、前記軸方向相対変位がλであり、前記力増幅伝導機構の摩擦係数がμである場合、条件arctan(dλ/dΦ)>arctan(μ)を満足しなければならず、式中のarctan()は逆正接関数を表し、dは微分を表し、この条件は、前記力増幅伝導機構のセルフ・ロックが確実に生じないようにするためであり、
前記第1の作動摩擦対偶体および前記第2の作動摩擦対偶体が、理論的に等価な作動摩擦対偶体に変換され、前記内輪と前記外輪との間に生じるセルフ・ロックの方向の接線方向外力成分がFであり、前記力増幅伝導機構の作用によって前記等価作動摩擦対偶体に発生する垂直圧力がFであり、前記等価作動摩擦対偶体の等価摩擦係数がμである場合、前記過回転クラッチが最大支承能力を実現する設計条件がdF/dF≦μであり、前記過回転クラッチが過負荷スリップ式防止を達成する設計条件がdF/dF>μであり、式中のdが微分を表す、円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ。
上記の条件は、本願の態様の1つを構成し、詳細には、過回転クラッチに必要とされる一方向セルフ・ロック機能が、それらのそれぞれ自体はロックしない様々な機械的構造の相互作用によって達成される。更に、本願によれば、支承能力の全範囲において、過回転クラッチは、従来技術では個々のセルフ・ロック機構によって必然的に生じる、ロック解除プロセスでの付加的ロック解除楔式力を発生せず、したがって、本願の過回転クラッチは、ロック解除プロセスを単純化するのみでなく、従来技術で生じるロック解除ができなくなる故障モードも排除する。
本願では、力増幅伝導機構は、相対回転を軸方向相対変位に変化することができる様々な通常の機械的伝導機構によって構成することができ、それには、それらに限定しないが、標準的または非標準的断面を有する様々なねじ山対偶体、螺旋対合面、傾斜楔合対合面、螺旋溝ピン機構、端部カム伝導機構、傾斜支持バー伝導機構などが含まれる。
本願では、力増幅伝導機構は、たとえばねじ山対偶体構造だが、異なる方向の相対回転運動を軸方向運動に変換することができる構成として最適に設計することができるだけではなく、たとえば端部カム伝導機構などだが、一方向のみの相対回転運動を軸方向運動に変換することができる構成として単純化することもできる。
本願では、力増幅伝導機構は、直接係合する面を全てが有するねじ山対偶体、螺旋面、傾斜楔式面、端部カム伝導機構などの構造を有し得、係合面は、力伝導中間リング・アセンブリの端面、内周面、および外周面の1つ、ならびに内輪および外輪の1つの軸方向面、内周面、外周面の1つにそれぞれ形成される。
本願では、過回転クラッチが、内輪と外輪との半径方向相対位置および軸方向相対位置を拘束するために、内輪および外輪に連結された位置拘束アセンブリを更に備え、その位置拘束アセンブリは、様々なころ軸受、滑り軸受、流体軸受などでもよい。少なくとも1つの位置拘束アセンブリが、内輪と外輪との半径方向相対位置および軸方向相対位置を拘束または制約するために、内輪および外輪に連結される。位置拘束アセンブリは、過回転クラッチの内輪と外輪との間に直接配置することができ、また、過回転クラッチの内輪に連結される外部機構部品と外輪に連結される外部機構部品との間に配置することもできる。
更に、同期機構を、2つの中間リングの端面、内周面、または外周面に設けられ、互いに係合する直線歯またはスプラインによって構成することができ、2つの中間リングの端面の穴に連結する円柱ピンによって構成することができ、または、内周面または外周面に直線歯またはスプラインを設けられた円形リングと係合する2つの中間リングの内周面または外周面に設けられた直線歯またはスプラインによって構成することができる。
作動摩擦対偶体のそれぞれは、互いに協働する2つだけの円錐面によって形成される2つの摩擦面によって構成される構造でもよく、また、従来の多板クラッチの構成に従って互い違いに重ねられた円錐面により形成される2つより多い摩擦面によって構成される構造でもよい。
弾性予締付部材は、金属やゴムなどの弾性材によって製作された少なくとも1つの弾性要素を備え、弾性要素の構造には、捩りばね、圧縮ばね、円盤ばね、ウェーブ・スプリング、および板ばねが含まれる。
更に、作動摩擦対偶体の摩擦面には、溝形状または網目パターン形状の潤滑油チャネルが設けられている。
本願では、適用環境、要求性能、容積寸法、製造プロセスなどの要因からの要件または制約により、過回転クラッチの様々なアセンブリを、そのアセンブリの機能を満たす単一の一体部品として実現してもよく、またはそのアセンブリの機能を満たすように、通常の機械原理に従って組み立てられ連結された複数の部品によって形成された構造として実現してもよい。本願による内輪は、内輪に連結され内輪と共に回転する別のアセンブリを更に備え、それによって内輪アセンブリを形成し、本願による外輪は、外輪に連結され外輪と共に回転する別のアセンブリを更に備え、それによって外輪アセンブリを形成する。
本願による別の種類の円錐面摩擦タイプの過回転クラッチは、内輪と、外輪と、第1の中間リングと、第2の中間リングとを備え、
前記内輪と、前記外輪と、前記第1の中間リングと、前記第2の中間リングとが共通の回転軸を有し、
前記第1の中間リングおよび前記第2の中間リングが共に、前記内輪と前記外輪との間に配置され、前記第1の中間リングおよび前記第2の中間リングそれぞれが、円錐面を介して前記内輪および前記外輪の一方と協働して、少なくとも1つの第1の作動摩擦対偶体および少なくとも1つの第2の作動摩擦対偶体をそれぞれ形成し、前記作動摩擦対偶体の両者が共に軸方向に係合可能かつ係合解除可能であり、第1の力増幅伝導機構および第2の力増幅伝導機構が、前記第1の中間リングと前記内輪および前記外輪の他の一方との間、および前記第2の中間リングと前記内輪および前記外輪の他の一方との間にそれぞれ形成され、前記第1の中間リングおよび前記第2の中間リングが、前記第1の力増幅伝導機構および前記第2の力増幅伝導機構を介して前記内輪および前記外輪の他の一方にそれぞれ連結され、
磁気部材を収容する収容スペースが、前記第1の中間リングと前記第2の中間リングとの間に配置され、それによって、前記作動摩擦対偶体が働いていないときに、前記作動摩擦対偶体の全てが、作動要件に適合する弾性押圧力を維持することができ、
前記第1の作動摩擦対偶体および前記第2の作動摩擦対偶体が共通の回転軸を有し、各作動摩擦対偶体の互いに協働する2つの円錐面が、等しい円錐頂角を有し、いずれの前記作動摩擦対偶体の前記円錐頂角についても、θと呼ばれる前記円錐頂角およびμと呼ばれる前記作動摩擦対偶体の摩擦係数が、条件2arctan(μ)<θ≦180°を満足しなければならず、式中のarctan()は逆正接関数を表し、この条件は、前記作動摩擦対偶体のセルフ・ロックが確実に生じないようにするためであり、
前記力増幅伝導機構の少なくとも1つが、前記それぞれの中間リングと前記力増幅伝導機構に連結されている前記内輪または前記外輪との相対回転角度を軸方向相対変位に変換するように構成されており、前記相対回転角度がΦであり、前記軸方向相対変位がλであり、前記力増幅伝導機構の摩擦係数がμである場合、条件arctan(dλ/dΦ)>arctan(μ)を満足しなければならず、式中のarctan()は逆正接関数を表し、dは微分を表し、この条件は、前記力増幅伝導機構のセルフ・ロックが確実に生じないようにするためであり、
前記第1の作動摩擦対偶体および前記第2の作動摩擦対偶体が、理論的に等価な作動摩擦対偶体に変換され、前記内輪と前記外輪との間に生じるセルフ・ロックの方向の接線方向外力成分がFであり、前記力増幅伝導機構の作用によって前記等価作動摩擦対偶体に発生する垂直圧力がFであり、前記等価作動摩擦対偶体の等価摩擦係数がμであれば、前記過回転クラッチが最大支承能力を実現する設計条件がdF/dF≦μであり、前記過回転クラッチが過負荷スリップ式防止を達成する設計条件がdF/dF>μであり、式中のdが微分を表す、円錐面摩擦タイプの過回転クラッチである。
更に、磁気部材は、全体が環形を有する永久磁石であり、または、磁気部材は、予め設定された軸方向相互間距離を有する2組の永久磁石を備え、永久磁石の各組は、円周方向に間隔を空けて配置された複数の永久磁石を備え、一方の組の永久磁石が第1の中間リングに固定され、他方の組の永久磁石が第2の中間リングに固定されている。
更に、突出肩部が、第1の中間リングの、外輪と協働する側に形成され、また突出肩部が、第2の中間リングの、外輪と協働する側に形成され、収容スペースが、2つの中間リングの突出肩部および内輪によって取り囲まれる。
更に、突出肩部が、第1の中間リングの、外輪と協働する側に形成され、また突出肩部が、第2の中間リングの、外輪と協働する側に形成され、収容スペースが、2つの中間リングの突出肩部および内輪によって取り囲まれる。
更に、永久磁石は、接着または挟着によって固定される。
本願による過回転クラッチは、過回転クラッチの様々な性能指標を大幅に改善し、また、設計パラメータを調節することによって簡単に過負荷防止を達成することもでき、それによって、過回転クラッチの構造をより簡単にし、コストをより低減し、製造をより容易にすることができる。
以下本願が、図面および実施形態に即して更に説明される。
本願による円錐面摩擦タイプの過回転クラッチの単純化した軸方向断面図である。 本願による第2の種類の構造の、円錐面摩擦タイプの過回転クラッチの単純化した軸方向断面図である。 本願による第3の種類の構造の、円錐面摩擦タイプの過回転クラッチの単純化した軸方向断面図である。 直線A−Aに沿い、軸Xを回転軸とした、図3の回転展開断面図である。 本願による中間リング同期回転機構の同期部材(部材6)の実施形態の構造図である。 本願による中間リング同期回転機構の同期部材(部材6)の第2の実施形態の構造図である。 本願による、同期部材(部材6)を用いない中間リング同期回転機構の実施形態の構造図である。 本願による、同期部材(部材6)を用いない中間リング同期回転機構の第2の実施形態の構造図である。 本願による力増幅伝導機構の実施形態の構造図である。 本願による力増幅伝導機構の第2の実施形態の構造図である。 本願による第4の種類の構造の、円錐面摩擦タイプの過回転クラッチの単純化した軸方向断面図である。 図11に示された環状永久磁石の概略図である。 本願による第5の種類の構造の、円錐面摩擦タイプの過回転クラッチの単純化した軸方向断面図である。 図13に示された円周方向に配置された永久磁石の概略図である。
本願の実施形態における技術的解決策が、以降、本願の実施形態の図面に則して明確かつ完全に説明される。明らかに、説明される実施形態は、本願の諸実施形態のほんの一部であり、全ての実施形態ではない。本願の実施形態に基づいて、創出に苦労することなく当業者によって創作される他の全ての実施形態は、本願の範囲に包含される。
実施形態1
図1に示された、本願による構造の1種類である円錐面摩擦タイプの過回転クラッチは、内輪1(または内輪アセンブリと呼ばれる)と、外輪2(または外輪アセンブリと呼ばれる)と、第1の中間リング3と、第2の中間リング4と、中間リング軸方向位置制約部材5と、弾性予締付部材7とを備える。
内輪1と、外輪2と、第1の中間リング3と、第2の中間リング4とは、共通の回転軸、すなわち図に示される軸Xを有する。内輪1は、一体型内輪であり、参照番号1−1は、内輪1の外周面に直接加工された第1の外側ねじ山を示し、参照番号1−2は、内輪1の外周面に直接加工された第2の外側ねじ山を示す。更に、環状位置制約溝1−3が、内輪の外周面に配置され、直線スプラインなどの連結構造が、内輪を回転シャフトなどと連結するために、内輪の内周面に直接配置されている。
外輪2もまた一体型外輪である。参照番号2−1および2−2は、外輪の内周面に直接配置された円錐面を示す。直線スプラインなどの連結構造が、外輪を他の構成要素と連結するために、外輪の外周面に直接配置されている。
第1の中間リング3および第2の中間リング4は共に、内輪1と外輪2との間に配置されている。参照番号3−1は、第1の中間リング3の内周面に直接配置された内側ねじ山を示し、参照番号3−2は、第1の中間リング3の外周面に直接配置された円錐面を示す。参照番号4−1は、第2の中間リング4の内周面に直接配置された内側ねじ山を示し、参照番号4−2は、第2の中間リング4の外周面に直接配置された円錐面を示す。第1の中間リング3は、外輪2と、それぞれの円錐面を介して協働し、第2の中間リング4は、外輪2と、それぞれの円錐面を介して協働し、軸方向に係合可能かつ係合解除可能な少なくとも1つの作動摩擦対偶体が、第1の中間リング3と外輪2との間および第2の中間リング4と外輪2との間それぞれに形成される。力増幅伝導機構が、中間リング3と内輪1との間および第2の中間リング4と内輪1との間それぞれに形成され、第1の中間リング3および第2の中間リング4が共に、それぞれの力増幅伝導機構を介して内輪1に連結される。
図に示される連結構造では、第1の中間リング3の内側ねじ山3−1が、内輪1の外周面の第1の外側ねじ山1−1と係合し、第2の中間リング4の内側ねじ山4−1が、内輪1の外周面の第2の外側ねじ山1−2と係合し、それによって、ねじ山対偶体伝導をそれぞれ構成する。ねじ山対偶体は、第1の中間リング3と内輪1との相対回転、ならびに第2の中間リング4と内輪1との相対回転を、軸方向相対変位に変換し、更に相対回転力を相対軸方向力に変換することができ、相対軸方向力を相対回転力より大きくすることができる。2つのねじ山対偶体は、本願の実施形態による力増幅伝導機構であり、それによって、ねじ山対偶体伝導タイプの力増幅伝導機構を形成する。
第1の中間リング3の外周面にある円錐面3−2は、外輪2の内周面にある円錐面2−1と協働し、第2の中間リング4の外周面にある円錐面4−2は、外輪2の内周面にある円錐面2−2と協働し、それによって、軸方向に係合可能であると共に係合解除可能である少なくとも1つの第1の作動摩擦対偶体および少なくとも1つの第2の作動摩擦対偶体をそれぞれ形成し、円錐面は摩擦対偶体の摩擦面である。
第1の中間リング3と第2の中間リング4とが相互に回転する(すなわち相対回転)のを防止し、それら2つの部材を同期して回転させるために、同期部材6が、第1の中間リング3と第2の中間リング4との間に設けられる。同期部材6は様々な構造を取ることができる。この実施形態では、同期部材6はピンであり、そのピンは、両端がそれぞれ第1の中間リング3および第2の中間リング4のピン穴に挿入されており、あるいは、同期部材6は、第1の中間リング3および第2の中間リング4のどちらか1つに連結(または配置)され、それに対応して中間リングの他方の1つに配置された挿入穴に挿入される挿入部材でもよい。同期部材6は、第1の中間リング3を第2の中間リング4と円周方向に連結し、それによって、確実に、第1の中間リング3と第2の中間リング4とが相互に回転せず、同期して回転するようにする。
第1の中間リング3の内側ねじ山3−1と第2の中間リング4の内側ねじ山4−1とは、巻き方向(すなわちねじ山の方向)が反対であり、それによって、内輪1および外輪2から作用力を受けたとき、第1の中間リング3と第2の中間リング4とが同時に回転して軸方向反対に移動し、すなわち、同時に互いに接近し、または同時に互いに離れて行く。
中間リング軸方向位置制約部材5が、内輪1または外輪2に配置され、それによって、第1の中間リング3および第2の中間リング4の軸方向変位範囲が制約される。中間リング軸方向位置制約部材5には、一般に、弾性スナップ・リングなどを用いる。図に示される搭載構造では、中間リング軸方向位置制約部材5は、内輪1に配置された環状位置制約溝1−3と協働し、環状位置制約溝内に配設される。
弾性予締付部材7(それは捩りばねでもよい)が、中間リング軸方向位置制約部材5と第1の中間リング3との間、または中間リング軸方向位置制約部材5と第2の中間リング4との間に配置される。弾性予締付部材7は、一方の端部で第1の中間リング3または第2の中間リング4に接触し(または連結され)、もう一方の端部で中間リング軸方向位置制約部材5に連結され、あるいは、弾性予締付部材7は、一方の端部で中間リングに連結され、もう一方の端部で、力増幅伝導機構に連結されている内輪または外輪に連結され、それによって、作動摩擦対偶体が働いていないときに、全ての作動摩擦対偶体が、作動要件に適合する弾性押圧力を維持することができるようにする。
この実施形態によれば、2つの中間リングが、内輪1と外輪2との間に配置され、作動摩擦対偶体が、等しい円錐頂角を有する円錐面によって形成される(円錐頂角は、円錐先端の2辺間に形成される角度である)。第1の作動摩擦対偶体が、等しい円錐頂角を有する円錐面3−2と円錐面2−1によって形成され、第2の作動摩擦対偶体が、等しい円錐頂角を有する円錐面4−2と円錐面2−2によって形成される。第1の作動摩擦対偶体の円錐頂角と第2の作動摩擦対偶体の円錐頂角とは、同じでも異なっていてもよい。全ての円錐面の円錐頂角は、特許請求の範囲に記載の条件を満たさなければならず、特許請求の範囲に記載の条件のパラメータを選択することにより、外力が消滅すると、それに応じて摩擦対偶体間の付加的圧力が消滅し、すなわち作動摩擦対偶体のセルフ・ロックが生じないという効果が達成されることになる。
この実施形態によれば、第1の力増幅伝導機構は、互いに係合する第1の中間リング3の内側ねじ山3−1と内輪1の外周面の第1の外側ねじ山1−1とによって形成されるねじ山対偶体によって構成され、第2の力増幅伝導機構は、互いに係合する第2の中間リング4の内側ねじ山4−1と内輪1の外周面の第2の外側ねじ山1−2とによって形成されるねじ山対偶体によって構成される。ねじ山対偶体もまた、特許請求の範囲に記載の条件を満たさなければならず、すなわち、確実にねじ山対偶体のセルフ・ロックが生じないようにしなければならない。ねじ山対偶体は、高い伝導効率および高い構造強度という目的を達成するために、台形ねじ山または矩形ねじ山として実現することが好ましい。明らかに、ねじ山対偶体は更に、要件や、状況によって制約される状態に従って、標準的または非標準的断面を有する任意のねじ山構造として実現することもできる。
弾性予締付部材7は、この実施形態によれば捩りばねとして実現されているが、この実施形態による力増幅伝導機構はそれ自体をロックしないので、作動摩擦対偶体の弾性予締付けは、たとえば、さらばね、ごむばねや他の弾性部材などの軸方向力を加える弾性予締付部材を使用することによって実現することができる。
工学設計では、第1の作動摩擦対偶体および第2の作動摩擦対偶体は全て、理論的に等価な作動摩擦対偶体に等価変換することができ、内輪と外輪との間に生じる、セルフ・ロック方向における接線方向外力成分をFとして示し、等価作動摩擦対偶体上に生成される垂直圧力をFとして示し、等価作動摩擦対偶体の等価摩擦係数をμとして示すと、条件dF/dF≦μを満足するとき、本願による過回転クラッチは、負荷支承範囲内で過回転クラッチの機能を維持することができ、条件dF/dF>μを満足するとき、本願による過回転クラッチは、過負荷スリップ式防止の機能を達成することができる。上記の式中のdは微分を表す。
本願による過回転クラッチが上記の条件dF/dF≦μを満足する場合、作動プロセスは以下のように説明される。共に円錐面によって構成されている第1の作動摩擦対偶体および第2の作動摩擦対偶体は、弾性予締付部材7(たとえば捩りばね)および軸方向位置制約スナップ・リング5によって、共に同時に接触状態になることができ、適切な初期弾性押圧力を有し得る。内輪1と外輪2とが相対的に回転し、または相対的に回転しようとする傾向にあるとき、その回転方向または傾向が、ねじ山3−1と係合するねじ山1−1により形成されるねじ山対偶体およびねじ山4−1と係合するねじ山1−2によって形成されるねじ山対偶体の相互作用によって、第1の中間リング3および第2の中間リング4に作動摩擦対偶体を増々きつく押圧させる場合には、作動摩擦対偶体は定着状態を維持し、すなわちセルフ・ロックが達成される。逆に、上記の相対回転または回転傾向が反対方向のとき、第1の中間リング3または第2の中間リング4は、上記のねじ山対偶体の相互作用によって、作動摩擦対偶体の初期圧力をそれ以下に減少させることができ、作動摩擦対偶体のスリップが生じ、それは、過回転状態である。例示の通り、過回転クラッチは、回転方向に一方向の力伝導を達成する。
本願による過回転クラッチを正常に作動させるために、適切な潤滑が必要であり、したがって、作動摩擦対偶体の摩擦面に、網目状パターンや8字形の油溝などの潤滑チャネルを設けることが好ましい。
本願による過回転クラッチは構造が簡単なので、作動時に、支持または位置決めのためのころ軸受または滑り軸受を、内輪1と外輪2の間または内輪1と外輪2とにそれぞれ連結された部品との間に設ける必要があり、すなわち、そのころ軸受または滑り軸受が位置拘束アセンブリとして働き、更に、潤滑剤を封止することができる。
この実施形態の使用条件が許容する場合には、軸方向位置制約弾性スナップ・リング5を取り除くこともでき、弾性予締付部材7(たとえば捩りばね)を内輪1の位置制約穴に入れて直接保持することができる。
この実施形態の使用条件が許容する場合には、また、内輪1および外輪2の直線スプラインをキー溝に変更してもよく、または取り除くこともでき、また、内輪1を中実の内輪として製作してもよく、その場合それを内側シャフトと呼ぶことができる。
力増幅伝導機構は、力増幅伝導機構に連結されている内輪または外輪に直接形成された構造形状と直接係合する、中間リングに直接形成された構造形状によって構成することができる。構造形状は、標準的断面または非標準的断面を有するねじ山、軸方向螺旋面、および軸方向の傾斜楔面を含む構造形状のいかなるものでもよい。力増幅伝導機構は、また、中間リングに直接形成された構造形状、力増幅伝導機構に連結されている内輪または外輪に直接形成された構造形状、およびそれら2つの構造形状間に配置される他の部品によって形成してもよく、軸方向螺旋溝ピン構造、軸方向傾斜支持バー構造、2つの鋼球を有する軸方向楔式構造、2つのローラを有する軸方向楔式構造、および転動式線条構造の1つでもよい。運動を変換する際に、力増幅伝導機構は、中間リングと内輪との間の接線方向力を分解して、中間リングと内輪との間の軸方向成分力を生成する。
この実施形態は、ねじ山タイプの力増幅伝導機構を用いており、リード角をΨとして示し、ねじ山対偶体のセルフ・ロック角をρとして示すと、本願の条件によれば、少なくとも1つのねじ山対偶体が確実に非セルフ・ロック範囲で作動するために、そのねじ山対偶体は条件Ψ>ρを満足しなければならない。
作動摩擦対偶体のそれぞれは、互いに協働する2つだけの円錐面によって形成される2つの摩擦面によって構成される構造でもよく、また、従来の多板クラッチの構成に従って互い違いに重ねられた円錐面により形成される2つより多い摩擦面によって構成される構造でもよい。
弾性予締付部材7は、金属やゴムなどの弾性材によって製作された少なくとも1つの弾性要素を備え、弾性要素の構造は、捩りばね、圧縮ばね、円盤ばね、ウェーブ・スプリング、または板ばねでもよい。
少なくとも1つの位置拘束アセンブリが、内輪と外輪との半径方向相対位置および軸方向相対位置を拘束するために、内輪および外輪に連結される。位置拘束アセンブリは、ころ軸受、滑り軸受、流体軸受など、通常の構造として実現することができる。位置拘束アセンブリは、過回転クラッチの内輪と外輪との間に直接配置することができ、また、過回転クラッチの内輪に連結される外部機構部品と外輪に連結される外部機構部品との間に配置することもできる。
一方向支承は、部品がより少なく、構造が簡単で、明らかに製造性が極めて良好であり、その小さな滑り角、強い支承能力、および加工精度を容易に確保することができることが指摘される。仮に加工精度が低くても、それは、滑り角および支承能力に僅かしか影響せず、一方向過回転機能には殆ど影響しない。
上記で説明した過回転は、その状態での上記の接線方向外力線分の方向が、セルフ・ロック状態での方向とは反対である状態である。この実施形態は、ねじ山対偶体構造の力増幅伝導機構を用いており、それにより、作動摩擦対偶体の摩擦面間の圧力を速効的に減少させることが可能になる。その方向の接線方向外力成分が摩擦対偶体間の摩擦力より大きいとき、内輪1と外輪2とは、共通の回転軸Xの周りに相対的に回転することができ、過回転クラッチは過回転状態になる。
過回転クラッチが過回転状態にあるとき、その方向の接線方向外力成分は、内輪1と外輪2の間で、摩擦対偶体間の最大摩擦力以下の力しか伝導することができない。過回転状態での摩擦対偶体間の最大摩擦力は、トルクに変換することができ、このトルクが、まさに過回転クラッチの、通称、過回転トルクである。
一般に、セルフ・ロック状態から過回転状態への過回転クラッチの移行プロセスは、アンロックと呼ばれ、本願による円錐面摩擦タイプの過回転クラッチは、個別のセルフ・ロック機構を有さず、すなわち、実効アンロックは、ねじ山対偶体タイプの2方向力増幅伝導機構を用いることによって達成することができ、それはまた、本願の態様の1つである。
更に、本願による円錐面摩擦タイプの過回転クラッチでは、全ての作動摩擦対偶体が面接触構造であり、したがって、過回転作動状態において、潤滑油膜を作動摩擦対偶体の摩擦面間に容易に形成することができ、それによって、作動摩擦対偶体の摩擦面間の摩耗をほぼ零にすることができる。それにより、本願による円錐面摩擦タイプの過回転クラッチは、高速過回転状態で長時間作動することができ、それがまた、本願の特徴の1つである。
力増幅伝導機構の上記の説明に基づけば、ねじ山対偶体タイプの力増幅伝導機構が使用された場合、本願による円錐面摩擦タイプの過回転クラッチは、広い範囲で作動摩擦対偶体の摩耗を自動的に相殺することができ、したがって、この構造の機能特性は、部品のパラメータ変化に、より鈍感であり、それがまた本願の特徴の1つである。
本願による円錐面摩擦タイプの過回転クラッチは、ほぼ完全に軸対称で完全に剛性の構造特性を達成することができ、それによって高速および超高速作動に適応し、最高回転速度は、材料の強度、伝導トルクの大きさ、および動的バランスの程度のみによって決まる。
本願の技術的背景の関連文書の記述によれば、最大滑り角は以下のように理解してよい。内輪1および外輪2が過回転状態から相対的定着状態に移行する時点での内輪1と外輪2との回転方向の相対位置の角度を0とした場合、内輪1および外輪2が支承能力状態に移行するとき、内輪1と外輪2とが相対的に回転する相対角度が、最大滑り角である。
本願による円錐面摩擦タイプの過回転クラッチの最大滑り角は、力増幅伝導機構の嵌め合い間隙および嵌め合い精度、角度0での全ての作動摩擦対偶体の摩擦面間の油膜の厚さ、セルフ・ロック後の構造的弾性変形量、セルフ・ロックに移行する時間などに主として依存する。対応する技術的手段によって、最大滑り角に影響する最初の3つの因子は、必要な範囲内に容易に制御することができる。
上記の概説ならびに全ての例示および説明に基づいて、当業者は、本願による円錐面摩擦タイプの過回転クラッチがセルフ・ロックおよび過回転を達成する技術原理を容易に理解することができ、本願の構造特性および技術指標の向上の度合い、ならびにこれによって生じる使用効果、莫大な社会的利益および経済的利益を知ることができ、その技術原理を容易かつ簡単に模倣することができる。
当然、過回転クラッチの機能を有する多くの他の構造形態を、上記の基本的形態から導出することができ、修正構造の一部を以下の実施形態において記述し説明する。
本願による円錐面摩擦タイプの過回転クラッチの第2の種類の構造が図2に示され、第2の種類の構造と図1の構造とで同じ部分はここでは説明しないが、それらの間の違いは、第2の種類の構造では、力増幅伝導機構が、外輪2と第1の中間リング3との間、および外輪2と第2の中間リング4との間にそれぞれ形成され、ねじ山対偶体タイプの力増幅伝導機構が、係合させた外輪2のねじ山と第1の中間リング3のねじ山、および係合させた外輪2のねじ山と第2の中間リング4のねじ山によって形成されることにある。内輪1と第1の中間リング3、ならびに内輪1と第2の中間リング4とは円錐面によって互いに協働し、それによって、第1の作動摩擦対偶体および第2の作動摩擦対偶体をそれぞれ形成する。中間リング軸方向位置制約部材5および弾性予締付部材7が、第1の中間リング3と外輪2との間、ならびに第2の中間リング4と外輪2との間に設けられ、それによって、円錐面によって形成された第1の作動摩擦対偶体および第2の作動摩擦対偶体を共に、同時に接触状態に維持し、適切な初期弾性押圧力にすることができる。図2では、第1の中間リング3と第2の中間リング4との間に同期部材6は設けられていない。
本願による円錐面摩擦タイプの過回転クラッチの第3の種類の構造が図3および4に示され、第3の種類の構造と最初の2つの構造とで同じ部分はここでは説明しないが、それらの間の違いは、第3の種類の構造では、突起11が内輪1の中央部分に設けられ、第1の中間リング3および第2の中間リング4が、突起11の両側にそれぞれ配置され、突起11の両側にほぼ対称に配置されていることにある。内輪1と第1の中間リング3の端面、ならびに内輪1と第2の中間リング4の端面とは、それぞれ、軸方向傾斜楔面を有する力増幅伝導構造を介して連結されている。内輪1が回転すると、第1の中間リング3および第2の中間リング4は、端面の傾斜楔面によって押されて軸方向に移動し、突起11の右側および左側に対称的に移動する。搭載を容易にするために、外輪2は、3つの部分によって構成される外輪アセンブリであり、図で左の部分は2aとして示され、右の部分は2bとして示され、参照番号2cは、左部分2aを右部分2bと連結して一体構造を形成し、それによって外輪アセンブリを形成する連結部品(またはキャップ)を示す。
図5〜8に示される本願による同期部材6は、第1の中間リング3と第2の中間リング4との間に配置され、それによって、第1の中間リング3と第2の中間リング4とが確実に同期して回転し、相対的に回転しないようにする。同期部材6は、円柱ピンと穴との協働を利用する図1および3に示された構成に加えて様々な構造を有する。図5は、直線キーが設けられた内径穴を有する円形リングが、中間リングの外周面に形成された直線溝と係合する構成を示す。図6は、直線キーが設けられた外周面を有する円形リングが、中間リングの内周面に形成された直線溝と係合する構成を示す。図7および8に示された同期部材6は、両中間リングに直接形成された幾何学的形状によって構成され、図7は、直線キーと直線溝とが2つの中間リングそれぞれに直接形成されている構成を示し、2つの中間リングの一方に形成された直線キーまたは直線溝が、2つの中間リングの他の一方にそれに対応して形成された直線溝または直線キーに挿入される。図8は、互いに対合する直線歯と歯溝とが、2つの中間リングの端面にそれぞれ形成されている構造を示す。
力増幅伝導機構の構造が図9および10に示されている。図9は、上記のねじ山対偶体タイプの力増幅伝導機構に代わる、第1の中間リング3と内輪1との間もしくは第1の中間リング3と外輪2との間、または第2の中間リング4と内輪1との間もしくは第2の中間リング4と外輪2との間に配置される軸方向傾斜支持バー構造の力増幅伝導機構を示し、この構造もまた、本願の目的を実現することができる。図10は、上記のねじ山対偶体タイプの力増幅伝導機構に代わる、第1の中間リング3と内輪1との間もしくは第1の中間リング3と外輪2との間、または第2の中間リング4と内輪1との間もしくは第2の中間リング4と外輪2との間に配置される、2重鋼球または2重転動体構造を有する軸方向楔式構造の力増幅伝導機構を示し、この構造もまた、本願の目的を実現することができる。
更に、弾性予締付部材に加えて、予締付要件を達成するために磁気部材を採用することもできる。
図11および12を参照する。図11は、本願による円錐面摩擦タイプの過回転クラッチの第4の種類の構造を示す単純化した軸方向断面図であり、図12は、図11に示された環状永久磁石の概略図である。
図11に示された本願の円錐面摩擦タイプの過回転クラッチの第4の種類の構造と図1に示された構造とで同じ部分はここでは説明しないが、それらの間の違いは、第4の種類の構造では、永久磁石20を収容する収容スペースが、第1の中間リング3と第2の中間リング4との間に配置されていることにある。永久磁石20は、全体が環形であり、接着または挟着によって外輪2に固定することができる。突出肩部3−3が、第1の中間リング3の、内輪1と協働する側に形成され、突出肩部4−3が、第2の中間リング4の、内輪1と協働する側に形成され、収容スペースが、2つの中間リングの突出肩部および外輪2によって取り囲まれて、高速回転に適応する。
図13および14を参照する。図13は、本願による円錐面摩擦タイプの過回転クラッチの第5の種類の構造を示す単純化した軸方向断面図であり、図14は、円周方向に配置された図13の永久磁石の概略図である。
同様に、図13に示された円錐面摩擦タイプの過回転クラッチの第5の構造は、予締付力を生じるために磁気部材を採用する。第5の構造の主要構成は、図2に示された構造と同じである。図2に示された構造とは異なって、第5の種類の構造では、予め設定された相互間軸方向距離を有する2組の永久磁石30を収容するために、収容スペースが、第1の中間リング3と第2の中間リング4との間に形成される。永久磁石30の各組は、円周方向に間隔を空けて配置された多数の永久磁石を備え、永久磁石30の一方の組は第1の中間リング3に固定され、永久磁石の他方の組は第2の中間リング4に固定され、各永久磁石は、接着または挟着によってそれぞれの中間リングに固定することができる。突出肩部3−4が、第1の中間リング3の、外輪2と協働する側に形成され、突出肩部4−4が、第2の中間リング4の、外輪2と協働する側に形成され、収容スペースが、2つの中間リングの突出肩部および内輪1によって取り囲まれて、高速回転に適応する。
明らかに、理論的に、永久磁石に加えて電磁石もまた、磁力によって予締付力を発生するという上記の使用要件に適合することができる。
円錐面摩擦タイプの過回転クラッチの上記の第4および第5の解決策において、永久磁石の構造は実際の要件に従って変えることができ、たとえば、図14に示された分割タイプの永久磁石およびその連結構造を、図11に示された第4の種類の円錐面摩擦タイプの過回転クラッチに適用することができ、図12に示された一体化タイプの永久磁石およびその連結構造を、図13に示された第5の種類の円錐面摩擦タイプの過回転クラッチに適用することができることを特に指摘したい。
上記の実施形態は、本願を限定するものではなく、単に、本願の技術的解決策を例示しようとするものであることを最後に指摘しておきたい。本願が、好ましい実施形態を参照して詳細に説明されているが、本願の技術的解決策の原理および範囲から逸脱することなく本願の技術的解決策にいくつかの変更および同等な代替を行うことができ、それら変更および同等な代替もまた、特許請求の範囲によって定義される本願の範囲に包含されると見なされることが、当業者によって理解されるべきである。

Claims (15)

  1. 内輪と、外輪と、第1の中間リングと、第2の中間リングと、弾性予締付部材とを備える円錐面摩擦タイプの過回転クラッチであって、
    前記内輪と、前記外輪と、前記第1の中間リングと、前記第2の中間リングとが共通の回転軸を有し、
    前記第1の中間リングおよび前記第2の中間リングが共に、前記内輪と前記外輪との間に配置され、前記第1の中間リングおよび前記第2の中間リングそれぞれが、円錐面を介して前記内輪および前記外輪の一方と協働して、少なくとも1つの第1の作動摩擦対偶体および少なくとも1つの第2の作動摩擦対偶体をそれぞれ形成し、前記作動摩擦対偶体の両者が共に軸方向に係合可能かつ係合解除可能であり、第1の力増幅伝導機構および第2の力増幅伝導機構が、前記第1の中間リングと前記内輪および前記外輪の他の一方との間、および前記第2の中間リングと前記内輪および前記外輪の他の一方との間にそれぞれ形成され、前記第1の中間リングおよび前記第2の中間リングが、前記第1の力増幅伝導機構および前記第2の力増幅伝導機構を介して前記内輪および前記外輪の他の一方にそれぞれ連結され、
    前記弾性予締付部材が、前記第1の中間リングまたは前記第2の中間リングに配置された一方の端部を有し、それによって、前記作動摩擦対偶体が働いていないときに、前記作動摩擦対偶体の全てが、作動要件に適合する弾性押圧力を維持することができ、
    前記第1の作動摩擦対偶体および前記第2の作動摩擦対偶体が共通の回転軸を有し、各作動摩擦対偶体の互いに協働する2つの円錐面が、等しい円錐頂角を有し、いずれの前記作動摩擦対偶体の前記円錐頂角についても、θと呼ばれる前記円錐頂角およびμと呼ばれる前記作動摩擦対偶体の摩擦係数が、条件2arctan(μ)<θ≦180°を満足しなければならず、式中のarctan()は逆正接関数を表し、この条件は、前記作動摩擦対偶体のセルフ・ロックが確実に生じないようにするためであり、
    前記力増幅伝導機構の少なくとも1つが、前記それぞれの中間リングと前記力増幅伝導機構に連結されている前記内輪または前記外輪との相対回転角度を軸方向相対変位に変換するように構成されており、前記相対回転角度がΦであり、前記軸方向相対変位がλであり、前記力増幅伝導機構の摩擦係数がμである場合、条件arctan(dλ/dΦ)>arctan(μ)を満足しなければならず、式中のarctan()は逆正接関数を表し、dは微分を表し、この条件は、前記力増幅伝導機構のセルフ・ロックが確実に生じないようにするためであり、
    前記第1の作動摩擦対偶体および前記第2の作動摩擦対偶体が、理論的に等価な作動摩擦対偶体に変換され、前記内輪と前記外輪との間に生じるセルフ・ロックの方向の接線方向外力成分がFであり、前記力増幅伝導機構の作用によって前記等価作動摩擦対偶体に発生する垂直圧力がFであり、前記等価作動摩擦対偶体の等価摩擦係数がμである場合、前記過回転クラッチが最大支承能力を実現する設計条件がdF/dF≦μであり、前記過回転クラッチが過負荷スリップ式防止を達成する設計条件がdF/dF>μであり、式中のdが微分を表す、円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ。
  2. それぞれの前記力増幅伝導機構が、前記力増幅伝導機構に連結されている前記内輪または前記外輪に直接形成された構造形状と直接係合する、前記それぞれの中間リングに直接形成された構造形状によって構成され、それぞれの前記構造形状が、標準的断面または非標準的断面を有するねじ山、軸方向螺旋面、および軸方向の傾斜楔面を含む構造形状のいずれの1つでもよく、それぞれの前記力増幅伝導機構が、前記それぞれの中間リングに直接形成された構造形状、前記力増幅伝導機構に連結されている前記内輪または前記外輪に直接形成された構造形状、および前記2つの構造形状の間に配置された関連部品によって形成され、軸方向螺旋溝ピン構造、軸方向傾斜支持バー構造、2つの鋼球を有する軸方向楔式構造、2つのローラを有する軸方向楔式構造、および転動線条構造の1つであり、運動を変換する際に、前記力増幅伝導機構が、前記中間リングと前記内輪または前記外輪との間の接線方向力を分解して、前記中間リングと前記内輪または前記外輪との間の軸方向力成分を生成する、請求項1に記載の円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ。
  3. 前記力増幅伝導機構において、前記中間リングが、前記力増幅伝導機構に連結されている前記内輪または前記外輪に対して回転すると、前記2つの中間リングが反対の軸方向に移動する、すなわち、同時に互いに接近し、または同時に離れて行く、請求項1または2に記載の円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ。
  4. 前記力増幅伝導機構が、前記内輪の外周面の第1の外側ねじ山と係合する前記第1の中間リングの内側ねじ山、および前記内輪の前記外周面の第2の外側ねじ山と係合する前記第2の中間リングの内側ねじ山によってそれぞれ形成されているねじ山対偶体タイプの力増幅伝導機構であり、前記第1の中間リングの前記内側ねじ山と前記第2の中間リングの前記内側ねじ山とが反対の巻き方向を有する、請求項1または2に記載の円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ。
  5. 前記中間リングの軸方向移動範囲を制約するために、中間リング軸方向位置制約部材が、前記力増幅伝導機構を介して前記中間リングに連結されている前記内輪または前記外輪に設けられ、前記中間リング軸方向位置制約部材が、環状溝を介して前記内輪または前記外輪に連結されている、請求項1に記載の円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ。
  6. 前記弾性予締付部材が、前記中間リング軸方向位置制約部材と前記第1の中間リングとの間に配置され、もしくは前記中間リング軸方向位置制約部材と前記第2の中間リングとの間に配置され、またはそれぞれの中間リングと、前記力増幅伝導機構に連結されている前記内輪または前記外輪とに連結され、それによって、前記作動摩擦対偶体が働いていないとき、全ての前記作動摩擦対偶体が、前記作動要件に適合する前記弾性押圧力を維持することができる、請求項1、2、および5のいずれか一項に記載の円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ。
  7. 前記弾性予締付部材が、金属やゴムなどの弾性材によって製作された少なくとも1つの弾性要素を備え、前記弾性要素の構造が、捩りばね、圧縮ばね、円盤ばね、ウェーブ・スプリング、および板ばねを含む、請求項1、2、および5のいずれか一項に記載の円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ。
  8. 同期機構が、前記第1の中間リングと前記第2の中間リングとの間に設けられ、それによって前記2つの部材が同期して回転することが可能になり、前記同期機構が、前記2つの中間リングの端面、内周面、または外周面に設けられ、互いに係合する直線歯またはスプラインによって構成され、前記2つの中間リングの前記端面の穴に連結する円柱ピンによって構成され、または、内周面または外周面に直線溝またはスプラインを設けられた円形リングと係合する前記2つの中間リングの内周面または外周面に設けられた直線歯またはスプラインによって構成される、請求項1に記載の円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ。
  9. 少なくとも1つの位置拘束アセンブリが、前記内輪と前記外輪との半径方向相対位置および軸方向相対位置を拘束または制約するために、前記内輪および前記外輪に連結される、請求項1、2、5、および8のいずれか一項に記載の円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ。
  10. 前記位置拘束アセンブリが、ころ軸受、滑り軸受、および流体軸受を含む通常の構造を有し、前記位置拘束アセンブリを、前記過回転クラッチの前記内輪と前記外輪との間に直接配置することができ、また、前記過回転クラッチの前記内輪に連結される外部機構部品と前記外輪に連結される外部機構部品との間に配置することもできる、請求項9に記載の円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ。
  11. 内輪と、外輪と、第1の中間リングと、第2の中間リングとを備える円錐面摩擦タイプの過回転クラッチであって、
    前記内輪と、前記外輪と、前記第1の中間リングと、前記第2の中間リングとが共通の回転軸を有し、
    前記第1の中間リングおよび前記第2の中間リングが共に、前記内輪と前記外輪との間に配置され、前記第1の中間リングおよび前記第2の中間リングそれぞれが、円錐面を介して前記内輪および前記外輪の一方と協働して、少なくとも1つの第1の作動摩擦対偶体および少なくとも1つの第2の作動摩擦対偶体をそれぞれ形成し、前記作動摩擦対偶体の両者が共に軸方向に係合可能かつ係合解除可能であり、第1の力増幅伝導機構および第2の力増幅伝導機構が、前記第1の中間リングと前記内輪および前記外輪の他の一方との間、および前記第2の中間リングと前記内輪および前記外輪の他の一方との間にそれぞれ形成され、前記第1の中間リングおよび前記第2の中間リングが、前記第1の力増幅伝導機構および前記第2の力増幅伝導機構を介して前記内輪および前記外輪の他の一方にそれぞれ連結され、
    磁気部材を収容する収容スペースが、前記第1の中間リングと前記第2の中間リングとの間に配置され、それによって、前記作動摩擦対偶体が働いていないときに、前記作動摩擦対偶体の全てが、作動要件に適合する弾性押圧力を維持することができ、
    前記第1の作動摩擦対偶体および前記第2の作動摩擦対偶体が共通の回転軸を有し、各作動摩擦対偶体の互いに協働する2つの円錐面が、等しい円錐頂角を有し、いずれの前記作動摩擦対偶体の前記円錐頂角についても、θと呼ばれる前記円錐頂角およびμと呼ばれる前記作動摩擦対偶体の摩擦係数が、条件2arctan(μ)<θ≦180°を満足しなければならず、式中のarctan()は逆正接関数を表し、この条件は、前記作動摩擦対偶体のセルフ・ロックが確実に生じないようにするためであり、
    前記力増幅伝導機構の少なくとも1つが、前記それぞれの中間リングと前記力増幅伝導機構に連結されている前記内輪または前記外輪との相対回転角度を軸方向相対変位に変換するように構成されており、前記相対回転角度がΦであり、前記軸方向相対変位がλであり、前記力増幅伝導機構の摩擦係数がμである場合、条件arctan(dλ/dΦ)>arctan(μ)を満足しなければならず、式中のarctan()は逆正接関数を表し、dは微分を表し、この条件は、前記力増幅伝導機構のセルフ・ロックが確実に生じないようにするためであり、
    前記第1の作動摩擦対偶体および前記第2の作動摩擦対偶体が、理論的に等価な作動摩擦対偶体に変換され、前記内輪と前記外輪との間に生じるセルフ・ロックの方向の接線方向外力成分がFであり、前記力増幅伝導機構の作用によって前記等価作動摩擦対偶体に発生する垂直圧力がFであり、前記等価作動摩擦対偶体の等価摩擦係数がμであれば、前記過回転クラッチが最大支承能力を実現する設計条件がdF/dF≦μであり、前記過回転クラッチが過負荷スリップ式防止を達成する設計条件がdF/dF>μであり、式中のdが微分を表す、円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ。
  12. 前記磁気部材が、全体が環形を有する永久磁石であり、または、前記磁気部材が、予め設定された軸方向相互間距離を有する2組の永久磁石を備え、永久磁石の各組が、円周方向に間隔を空けて配置された複数の永久磁石を備え、一方の組の永久磁石が前記第1の中間リングに固定され、他方の組の永久磁石が前記第2の中間リングに固定される、請求項11に記載の円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ。
  13. 突出肩部が、前記第1の中間リングの、前記外輪と協働する側に形成され、また突出肩部が、前記第2の中間リングの、前記外輪と協働する側に形成され、前記収容スペースが、前記2つの中間リングの前記突出肩部および前記内輪によって取り囲まれる、請求項12に記載の円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ。
  14. 突出肩部が、前記第1の中間リングの、前記外輪と協働する側に形成され、また突出肩部が、前記第2の中間リングの、前記外輪と協働する側に形成され、前記収容スペースが、前記2つの中間リングの前記突出肩部および前記内輪によって取り囲まれる、請求項12に記載の円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ。
  15. 前記永久磁石が接着または挟着によって固定される、請求項13または14に記載の円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ。
JP2015523384A 2012-07-27 2013-06-13 円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ Expired - Fee Related JP5960359B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201210263358.4 2012-07-27
CN201210263358.4A CN102758860B (zh) 2012-07-27 2012-07-27 锥形面摩擦式超越离合器
PCT/CN2013/077149 WO2014015719A1 (zh) 2012-07-27 2013-06-13 锥形面摩擦式超越离合器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015522780A true JP2015522780A (ja) 2015-08-06
JP5960359B2 JP5960359B2 (ja) 2016-08-02

Family

ID=47053448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015523384A Expired - Fee Related JP5960359B2 (ja) 2012-07-27 2013-06-13 円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ

Country Status (10)

Country Link
US (1) US10480595B2 (ja)
EP (1) EP2878843B1 (ja)
JP (1) JP5960359B2 (ja)
KR (1) KR101766100B1 (ja)
CN (2) CN102758860B (ja)
BR (1) BR112015001338A2 (ja)
CA (1) CA2878985C (ja)
IN (1) IN2015MN00028A (ja)
RU (1) RU2602848C2 (ja)
WO (1) WO2014015719A1 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102758860B (zh) 2012-07-27 2015-04-15 重庆大易用机械有限公司 锥形面摩擦式超越离合器
CN102927157B (zh) * 2012-11-14 2015-06-10 重庆大易用机械有限公司 一种具有缓冲功能的单向传动装置
US20140158489A1 (en) * 2012-12-06 2014-06-12 Tai-Her Yang Clutch actuated by inertia mass and friction damping
RU2569160C1 (ru) * 2014-06-16 2015-11-20 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Поволжский государственный технологический университет" Муфта предохранительная
CN104613147A (zh) * 2014-11-19 2015-05-13 韩树海 摩差传动方法
CN104595388A (zh) * 2014-11-19 2015-05-06 韩树海 摩差制动方法
CN105952811B (zh) * 2016-07-04 2018-07-10 吴钦发 一种刹车抱死式超越离合器
JP2020517506A (ja) * 2017-04-21 2020-06-18 サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス レンコール リミティド 調整可能なジョイントアセンブリ
US10514073B2 (en) * 2017-08-30 2019-12-24 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Bearing with integrated wedge locking assembly
US10578173B2 (en) * 2018-03-09 2020-03-03 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Switchable cylindrical wedge clutch
CN110063871B (zh) * 2018-10-24 2021-04-13 河北省体育科学研究所 一种用于膝盖损伤恢复的膝关节训练设备及训练方法
US10738842B2 (en) * 2018-12-07 2020-08-11 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Clutch assembly
CN112901728B (zh) * 2019-12-04 2022-04-12 西南大学 采用多排浮动超越离合的双超越自适应自动变速系统
CN110985627B (zh) * 2019-12-04 2022-03-04 西南大学 采用多排浮动超越离合的机械式双超越自适应自动变速器
CN111043256B (zh) * 2019-12-04 2022-03-04 西南大学 全机械式自适应自动变速系统
CN112901729B (zh) * 2019-12-04 2022-04-08 西南大学 采用多排组合式超越离合器的自适应自动变速总成
CN110939699B (zh) * 2019-12-04 2022-04-22 西南大学 采用多片式大扭矩摩擦离合器的机械式自适应自动变速器
CN111005951B (zh) * 2020-02-06 2021-01-29 姚长水 一种可实现分离不接触的单向离合器
CN112184893B (zh) * 2020-10-15 2024-05-24 众智软件股份有限公司 线面体一体化的绘制方法、装置、设备和存储介质

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS49111056A (ja) * 1973-02-08 1974-10-23
JPH08338452A (ja) * 1995-06-12 1996-12-24 Thk Kk トルクリミッタ機能を備えた一方向転がり軸受クラッチ
JP2001304303A (ja) * 2000-04-25 2001-10-31 Koyo Seiko Co Ltd クラッチ装置
US20040104106A1 (en) * 2002-10-09 2004-06-03 Alstom T & D S.A. Freewheel coupling device for a spring-loaded operating mechanism for a high-voltage circuit-breaker
CN101936346A (zh) * 2009-06-29 2011-01-05 洪涛 空间楔合式摩擦超越离合器
JP2012052576A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Mitsuboshi Belting Ltd プーリ構造体

Family Cites Families (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US852587A (en) * 1906-04-02 1907-05-07 Maximilian J L Towler Automatic clutch.
US1989361A (en) * 1931-02-02 1935-01-29 Ingemarson Franc Freewheeling and positive gear control mechanism
SU100852A1 (ru) * 1952-05-29 1954-11-30 В.И. Николаев Фрикционна коническа муфта сцеплени
US3368834A (en) * 1966-11-14 1968-02-13 Stratienko Andrew Mechanical rotary self-interlocking device
DE2023316A1 (de) * 1970-05-13 1971-12-02 Schaeffler Ohg Industriewerk Spannelement, vorzugsweise zum Befestigen von Walzlagern
US4194402A (en) * 1978-08-31 1980-03-25 Instron Corporation Testing machine grip
US4367053A (en) * 1978-11-06 1983-01-04 Andrew Stratienko Clamping device
US4400996A (en) * 1980-03-04 1983-08-30 Schou Carl Einar Positive clutch differential
SU1059308A1 (ru) * 1982-07-21 1983-12-07 Всесоюзный Научно-Исследовательский И Проектный Институт Мономеров Предохранительна фрикционна муфта
US4782720A (en) * 1985-11-12 1988-11-08 Tochigifujisangyo Kabushikigaisha Power transmission unit
DE3541657A1 (de) * 1985-11-26 1987-05-27 Kayser Herold Uwe Servomotor
US5299676A (en) * 1991-08-15 1994-04-05 Ivg Australia Pty. Limited Rotation check mechanism
CN2175321Y (zh) * 1993-09-03 1994-08-24 孙永春 摩擦式单向离合器
EP0989557A4 (en) 1998-01-26 2009-12-23 Panasonic Corp APPARATUS, METHOD AND SYSTEM FOR RECORDING / REPRODUCING DATA, AND PROGRAM RECORDING MEDIA
JPH11287261A (ja) 1998-04-03 1999-10-19 Koyo Seiko Co Ltd 一方向クラッチ
CN2479288Y (zh) 2001-06-15 2002-02-27 曲秀全 锥盘摩擦单向超越离合器
JP2006097888A (ja) 2004-09-02 2006-04-13 Ntn Corp 軸方向ワンウェイクラッチ
FR2905997B1 (fr) * 2006-09-14 2008-11-28 Conseil Et Tech Sarl Dispositif a friction pour le controle d'effort, et un amortisseur a friction comprenant un tel dispositif
US7931552B2 (en) * 2008-04-30 2011-04-26 Dayco Products, Llc Pulley with torque-sensitive clutching
KR101660944B1 (ko) * 2009-07-22 2016-09-28 삼성전자 주식회사 수직형의 비휘발성 메모리 소자 및 그 제조 방법
US9046137B2 (en) * 2010-01-22 2015-06-02 Kit Masters Inc. Fan clutch apparatus and methods
CN201747821U (zh) 2010-04-20 2011-02-16 洪涛 空间楔合式摩擦超越离合器
CN102562860B (zh) * 2010-12-30 2016-09-28 洪涛 空间楔合式加压机构和具有该机构的组合式摩擦传动轮
CN102758859B (zh) 2012-07-27 2015-09-09 重庆大易用机械有限公司 摩擦式超越离合器
CN102758860B (zh) 2012-07-27 2015-04-15 重庆大易用机械有限公司 锥形面摩擦式超越离合器
CN202746454U (zh) * 2012-07-27 2013-02-20 罗俊 锥形面摩擦式超越离合器
CN202914580U (zh) 2012-11-14 2013-05-01 罗俊 具有缓冲功能的单向传动装置
CN102927157B (zh) 2012-11-14 2015-06-10 重庆大易用机械有限公司 一种具有缓冲功能的单向传动装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS49111056A (ja) * 1973-02-08 1974-10-23
JPH08338452A (ja) * 1995-06-12 1996-12-24 Thk Kk トルクリミッタ機能を備えた一方向転がり軸受クラッチ
JP2001304303A (ja) * 2000-04-25 2001-10-31 Koyo Seiko Co Ltd クラッチ装置
US20040104106A1 (en) * 2002-10-09 2004-06-03 Alstom T & D S.A. Freewheel coupling device for a spring-loaded operating mechanism for a high-voltage circuit-breaker
CN101936346A (zh) * 2009-06-29 2011-01-05 洪涛 空间楔合式摩擦超越离合器
JP2012052576A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Mitsuboshi Belting Ltd プーリ構造体

Also Published As

Publication number Publication date
EP2878843B1 (en) 2020-06-03
IN2015MN00028A (ja) 2015-10-16
CN104838164B (zh) 2017-06-20
BR112015001338A2 (pt) 2017-07-04
RU2602848C2 (ru) 2016-11-20
KR20150038161A (ko) 2015-04-08
US20150204394A1 (en) 2015-07-23
KR101766100B1 (ko) 2017-08-07
CN102758860A (zh) 2012-10-31
EP2878843A1 (en) 2015-06-03
CN102758860B (zh) 2015-04-15
US10480595B2 (en) 2019-11-19
CN104838164A (zh) 2015-08-12
CA2878985A1 (en) 2014-01-30
CA2878985C (en) 2017-02-21
EP2878843A4 (en) 2016-10-26
JP5960359B2 (ja) 2016-08-02
RU2015105759A (ru) 2016-09-20
WO2014015719A1 (zh) 2014-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5960359B2 (ja) 円錐面摩擦タイプの過回転クラッチ
CN101936346B (zh) 空间楔合式摩擦超越离合器
EP0698748B1 (en) Synchronizer for transmission
EP1900081B1 (en) Direct drive electromechanical linear actuators
JP2015102105A (ja) トルクリミタ
JP2017524108A (ja) ディスクブレーキ用調整装置およびこのような調整装置を備えたディスクブレーキ
CN101117990A (zh) 零碰撞弹簧钢球安全离合器
US2257987A (en) Clutch construction
JP5182028B2 (ja) トルクリミッタ
CN201041202Y (zh) 零碰撞弹簧钢球安全离合器
JP7108506B2 (ja) 回転伝達装置
JP2010116969A5 (ja)
CN112664539B (zh) 一种可离合螺母及其离合方法
CA3037001C (en) Modular zero backlash default to lock brake/locking apparatus
CN220850473U (zh) 一种离合器
JP2022045579A (ja) クラッチ
DK179062B1 (en) A roller brake system
JP3717099B2 (ja) ツインクラッチ
CN113187830A (zh) 超越离合器及具有其的工程机械
KR20240023639A (ko) 파동기어장치
CN116906466A (zh) 一种可以双向控制的超越离合器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150128

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160502

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160531

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160622

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5960359

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees