JP2615959B2 - 自動調心ころ軸受 - Google Patents

自動調心ころ軸受

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JP2615959B2
JP2615959B2 JP1004046A JP404689A JP2615959B2 JP 2615959 B2 JP2615959 B2 JP 2615959B2 JP 1004046 A JP1004046 A JP 1004046A JP 404689 A JP404689 A JP 404689A JP 2615959 B2 JP2615959 B2 JP 2615959B2
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    • F16C23/00Bearings for exclusively rotary movement adjustable for aligning or positioning
    • F16C23/06Ball or roller bearings
    • F16C23/08Ball or roller bearings self-adjusting
    • F16C23/082Ball or roller bearings self-adjusting by means of at least one substantially spherical surface
    • F16C23/086Ball or roller bearings self-adjusting by means of at least one substantially spherical surface forming a track for rolling elements
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、長寿命で且つ発熱、摩擦トルクの少ない自
動調心ころ軸受に関する。
〔従来の技術〕
従来の自動調心ころ軸受にあっては、内輪や外輪の軌
道面と転動体である球面ころの転動面との接触状態やそ
れらの面の輪郭(母線)半径、ころの転動面とチャンフ
ァ部分との接続部分のかど曲率半径、上記各軌道面や転
動面の表面粗さ等の内部諸元は、それぞれ目的に応じて
適当な設計値を与えていた。例えば、特公昭55−31328
号公報には、軸受の使用時における摩擦トルクや温度上
昇を低減させるために、内輪と外輪との軌道面における
溝の曲率半径と転動体曲率半径との曲率比を特定するこ
とが提示されている。すなわち、内輪と外輪との軌道面
の溝曲率半径をそれぞれRb,Raとし、ころの転動面の曲
率半径をRcとしたとき、曲率比Rc/Rb、Rc/Raが下記の式
(10)となることを要旨としている。
0.5+0.5{(1+γ)/(1−γ)}1.5<{1 −(Rc/Rb)}/{1−(Rc/Ra)}<1.5{(1 +γ)/(1−γ)}1.5−0.5 ……(10) ここに、γ=(DWcosα)/dm、DWはころ直径、dmはこ
ろピッチ円直径、αは接触角である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、軸受部品の内部諸元の一部の関係を上
記のように特定した場合でも、軸受部品の軌道面や転動
面の表面粗さの値によっては、ころの大きな傾斜転がり
(スキュー)を避け得ず、軸受の摩擦トルクや温度上昇
を低減することができるとは限らない。その結果、軸受
の転がり疲れ寿命も低下する場合があった。
すなわち、換言すれば、軸受部品の内部諸元を総合的
にみて軸受の性能向上に最適の設計を行うということ
は、従来なかった。
そこで本発明は、上記従来の問題点に着目してなされ
たものであり、その目的とするところは、軸受部品の内
部諸元及びそれらの表面粗さを使用条件に応じて総合的
に最適に選ぶことによってスキュー角を特定の範囲に抑
制した自動調心ころ軸受を提供し、もってその軸受の摩
擦トルクや温度上昇を低下させ、転がり疲れ寿命の増大
をもたらすことにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明は、内輪、外輪及び
これら両輪に嵌挿された転動体を有する自動調心ころ軸
受において、 回転時のころのスキュー角が負で、その絶対値が1゜
を超えないように構成したものである。
しかして、上記スキュー角を得るべく、所量の関係を
以下の如くに定めることができる。
内輪軌道面の輪郭半径Rbその平均粗さRAb、 外輪軌道面の輪郭半径Raその平均粗さRAa、 ころ転動面の輪郭半径Rcその平均粗さRAc のとき 内輪軌道溝半径比fiをfi=Rb/(2Rc)、 外輪軌道溝半径比feをfe=Ra/(2Rc)、 内輪合成表面粗さRAiをRAi=(RAb 2+RAc 21/2、 外輪合成表面粗さRAeをRAe=(RAa 2+RAc 21/2、 ころの転動面とチャンファ部分との接続部分のかど曲
率半径をRK、 ころの最大直径をDW、 ころの長さをLW、 外輪ところ間の弾性流体潤滑的油膜厚さをhe、 外輪ところ間の油膜パラメータΛをΛ=he/RAe とし、 (SF)=(fi−0.5)/(fe−0.5)、 (SRA)=RAi/RAe、 (SRK)=100RK/(DWLW1/2 とおくと、 Φ≡(SF)/〔(SRA){(SRK)Λ1/2〕 =1.84〜1.39 を満足する。
〔作用〕
回転時のころのスキュー角を小さな負の値に抑制する
と、摩擦トルクや温度上昇が減少し、もって転がり疲れ
寿命の延長が可能となる。
すなわち、上記関数Φの値が1.84を超えると、後述す
るようにスキュー角は正となり、内輪側での滑り運動が
増大する。その結果、一般的に相対疲れ強度が小さい内
輪ところ間の転がり疲れ寿命が短縮され、ひいては軸受
全体としての寿命も短縮される。
一方、上記関数Φの値が1.39未満になると、スキュー
角は負であるがその絶対値が1゜を超え、転動体荷重が
顕著に急増する。その結果、摩擦力,発熱量が増大し、
軸受寿命が短縮される。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図とともに説明する。
第1図は、本発明の一実施例を示す複裂自動調心ころ
軸受の上半部の軸方向断面図である。図中、1は外輪、
2は内輪、3は外輪1と内輪2との間に嵌挿された転動
体としてのころである。いま、外輪1に外部荷重Faが、
外輪1からころ3にころ接触力Qeが、内輪2からころ3
にころ接触力Qiが働いており、外輪1は紙面から前方に
向かって回転し、内輪2は反対に紙面から後方に向かっ
て回転するものとする。ころ3は外輪1との接触によ
り、矢符号イの方向に自転しつつ紙面から前方へ公転す
る。このとき、ころ3と内外輪との接触面にはたらく滑
り摩擦力の作用でころ3にスキューモメントが加わる。
このスキューモメントは、外輪1ところ3間と内輪2と
ころ3間では方向が反対になる。正常な負荷状態におい
て、外輪1ところ3間の滑り摩擦力によるスキューモメ
ントが、内輪2側におけるころ3との摩擦力によるスキ
ューモメントより優勢である場合は正のスキュー、反対
に内輪2ところ3間の滑り摩擦力によるスキューモメン
トの方が優勢の場合は負のスキューになる。
すなわち、自動調心ころ軸受にあっては、ころ3のス
キュー運動を完全に避けることはできず、正または負の
スキューを生じる。第2図は第1図のZ方向矢視で示す
正のスキューであり、H1は内輪2に対するころ3の公転
方向を、H2は滑りなしの場合のころ3の進行方向を示
す。H3は内輪2の軌道面がころ3から受ける軸方向摩擦
力の向きを示している。
一方、第3図は負のスキューの場合を表したものであ
り、この場合は、内輪2の軌道面がころ3から受ける軸
方向摩擦力H3の向きは、上記正の場合の反対になる。
しかして、スキュー角(θ)が正のときは、内輪2
との間のすべり運動が顕著となる。その結果、次に述べ
るように、外輪1より一般的に面圧が大きい内輪2の軌
道面における転がり運動中の滑り運動が増大する。その
ため、内輪2ところ3間の接触における転がり疲れ寿命
が短縮される。
一般に転がり軸受の回転軸直角断面における軌道面断
面形状が、外輪は凹形、内輪は凸形である。そのため、
内輪ところ間の最大接触圧力qiが外輪ところ間の最大接
触圧力qeより大きい。したがって内輪ところ間の転がり
疲れ寿命は、外輪ところ間のそれより小さい。このこと
は、内輪ところ間の転がり疲れ寿命が短縮されると、軸
受全体としての寿命も短縮することを意味する。
これに対して、スキュー角(θ)が負のときは、こ
ろ3の大きいすべり運動は外輪1との間で行われて、比
較的に接触面圧の小さい外輪1の軌道面において滑り運
動が増大するので、実質的に軸受の寿命短縮に及ぼす影
響は問題にならない。
よって、本発明のスキュー角θは、負の範囲に限定
される。
ところで、ころ3が負のスキューを生じたときは、そ
の摩擦力の作用方向の関係から、軸受内の転動体荷重が
増大するため、短寿命となることが特公昭57−61933号
公報に開示されている。すなわち、第3図に示すよう
に、負のスキューの場合の内輪軌道面がころ3から受け
る軸方向摩擦力H3の方向は、内外輪軌道を軸方向に接近
させ、転動体荷重を増加させる方向となる。
これに対し、正のスキューの場合の内輪軌道面がころ
3から受ける軸方向摩擦力H3の方向は、第2図に示すよ
うに、内外輪軌道を軸方向に遠ざけ、転動体荷重を減ら
す方向に作用する。
しかしながら、本発明者の研究の結果によれば、負の
スキューであってもその絶対値が1゜を超えない範囲内
であれば、転動体荷重の増大の程度は極めて軽微である
ことが判明した。
すなわち本発明者は、自動調心ころ軸受のころのスキ
ュー量の増大を抑制し、温度上昇を減少させ、もって転
がり疲れ寿命の延長をはかるために、軌道輪の軌道面及
びころの転動面の表面粗さの他、軌道輪の溝半径比、こ
ろのかど半径、軸受荷重などの諸量を種々に変化させた
自動調心ころ軸受を試作して運転した。そして、そのと
きの軸受温度上昇ところのスキュー角との実測して解析
し、軸受部品の内部諸元の関係を総合的に表す関数Φを
設定した。その値をΦ=1.84〜1.39の範囲にすることに
より、ころの大きいスキュー運動は抑制されて小さい負
のスキューに押さえられ、軸受の摩擦トルクや温度上昇
を減少することができた。
上記関数Φは Φ≡(SF)/〔(SRA){(SRK)Λ1/2〕 ……(1) で表される。
ここに(SF)は内輪2と外輪1との接触長さの比に関
係する量、(SRA)は外輪合成表面粗さに対する内輪合
成表面粗さの比、(SRK)はころ3の転動面とチャンフ
ァ部との接続部分のかど曲率半径のころ3の大きさ(長
さと径の積)に対する比率であり、それぞれ、 (SF)=(fi−0.5)/(fe−0.5)、 (SRA)=RAi/RAe、 (SRK)=100RK/(DWLW1/2 で表される。
Λは外輪1ところ3間の油膜パラメータでΛ=he
/RAeである。
但し、 fiは内輪軌道溝半径比でfi=Rb/(2Rc)、 feは外輪軌道溝半径比でfe=Ra/(2Rc)、 RAiは内輪合成表面粗さでRAi=(RAb 2+RAc 21/2、 RAeは外輪合成表面粗さでRAe=(RAa 2+RAc 21/2、 RKはころの転動面とチャンファ部分との接続部分のか
ど曲率半径、 DWはころの最大直径、 LWはころの長さ、 heは外輪ところ間の弾性流体潤滑的油膜厚さ、 また、 Rbは内輪軌道面の輪郭半径、 RAbは内輪軌道面の平均粗さ、 Raは外輪軌道面の輪郭半径、 RAaは外輪軌道面の平均粗さ、 Rcはころ転動面の輪郭半径、 RAcはころ転動面の平均粗さ、 である。
上記の関数Φの値と、ころ3のスキュー角θとの関
係を実験で求めた結果を第4図に示す。図から、Φの値
が1.84を超えると、ころのスキュー角θが正になるこ
とは明らかである。その場合は、先に述べたように面圧
の大きい内輪側での滑り運動が増大し、その結果内輪2
ところ3間の転がり疲れ寿命が短縮され、結局軸受全体
の寿命が短縮することが確認された。
Φの値が1.84以下になるとスキュー角θは負とな
り、その絶対値が次第に増加する(大きな負の値にな
る)。そして、Φの値が1.39のとき、ころのスキュー角
θの下限値は−1゜となり、Φがより小さくなるとス
キュー角θの絶対値は急激に増大している。このよう
にスキュー角θの絶対値が大きくなる程、転動体荷重
が増大し、その結果摩擦力や発熱量が増加し、軸受寿命
が短縮されることとなる。
例えば第5図は、Φの値と基準化軸受温度上昇値ΔT/
(Rr/Cr)との関係を求めたものである。ここに、ΔT
℃は温度上昇値、Prは軸受荷重、Crは基本動定格荷重
(内輪を回転させてフレーキングが生じる迄の回転数が
100万回転になるような荷重)である。
図から、上記(1)式で表されるΦの値の範囲に対し
ては、基準化軸受温度上昇値の値は小さいが、Φの値が
1.39を下回ると、温度上昇値が急増していることが明ら
かである。
〔発明の効果〕
本発明の自動調心ころ軸受は以上説明したように、回
転時のころのスキュー角が負で、その絶対値が1゜を超
えないように構成した。そのため、スキューに起因する
軸受内転動体荷重の増大は無視し得る程度に僅少であ
り、一方、相対疲れ強度のより小さい内輪ところ間での
真の転がり接触に近い運動が実現されて、その結果転が
り疲れ寿命の短縮を防止すると共に軸受の発熱も低減で
きるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の要部の軸方向断面図、第2
図,第3図はスキューの正負を説明する平面図、第4図
は本発明の関数Φところのスキュー角との関係を表すグ
ラフ、第5図は本発明の関数Φと基準化軸受温度上昇値
との関係を表すグラフである。 1は外輪、2は内輪、3はころ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内輪、外輪及びこれら両輪に嵌挿された転
    動体を有する自動調心ころ軸受において、 回転時のころのスキュー角が負で、その絶対値が1゜を
    超えないように構成したことを特徴とする自動調心ころ
    軸受。
  2. 【請求項2】内輪軌道面の輪郭半径Rbその平均粗さ
    RAb、 外輪軌道面の輪郭半径Raその平均粗さRAa、 この転動面の輪郭半径Rcその平均粗さRAc のとき 内輪軌道溝半径比fiをfi=Rb/(2Rc)、 外輪軌道溝半径比feをfe=Ra/(2Rc)、 内輪合成表面粗さRAiをRAi=(RAb 2+RAc 21/2、 外輪合成表面粗さRAeをRAe=(RAa 2+RAc 21/2、 ころの転動面とチャンファ部分との接続部分のかど曲率
    半径をRK、 ころの最大直径をDW、 ころの長さをLW、 外輪ところ間の弾性流体潤滑的油膜厚さをhe、 外輪ところ間の油膜パラメータΛをΛ=he/RAe とし、 (SF)=(fi−0.5)/(fe−0.5)、 (SRA)=RAi/RAe、 (SRK)=100RK/(DWLW1/2 とおくと、 Φ≡(SF)/〔(SRA){(SRK)Λ1/2〕 =1.84〜1.39 を満足するように所量の関係を定めたことを特徴とする
    請求項(1)記載の自動調心ころ軸受。
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