JP4614167B2 - 流体摩擦伝達力制限装置 - Google Patents

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Description

本発明はトルクの伝達量の制御装置に関する。
【0002】
【背景技術】
機械装置の駆動力を断続又は調節するクラッチには、古くは円板を重ねて電磁力又は空圧、油圧力、で円板を圧着してその摩擦で動力を伝達調節する多板式のクラッチに始まり、シリコン油でなる高粘度の流体を容器に密閉してその中で薄い円板を幾枚も重ねて、その粘性抵抗でもって動力を伝達する粘性接手(通称ビスカスカップリング)、更には電気粘性流体を用いたERFと称する電圧で粘度が変化する流体(Electro−Rheological−Fluid)クラッチ、磁性粒子を電磁力で粒子間の磁力摩擦で動力を伝達する電磁パウダークラッチなどがある。最近では、転動体のヘルツ接触下に高圧で閉じ込められる潤滑油が圧力で通称ガラス転移すると言った、固化現象を利用した、圧力転移固化油膜のせん断抵抗で動力を伝達するEHL油膜のトラクション成分と、当該油膜の塑性変形による粘性すべり、(レオロジイ)成分の両者を取り出し、適宜配分することで、トルク伝達量を制御する圧力粘性流体クラッチが発明された。その原理は特許2903325号、に示すところの、円すい面でなる 内輪軌道面と外輪軌道面の間に軸心に対し傾斜した(スキュウした)、ローラーを周上に介装して、トルクを負荷したときに、ローラーが楔状に内外輪の軌道間に食い込みつつ転動することで、その転がり接触下に閉じ込められて生ずる強固な油膜の弾性流体潤滑油膜(EHL)の塑性変形、とせん断抵抗でもって強大なトルクを粘性すべり状態から直結までの間を可変に伝達する、流体摩擦伝達力制限装置である。
【0003】
【背景技術】
前述の弾性流体潤滑理論(EHL)とは、1962年(英)D.Dowson,G.Higginson & A.V.Whitaker:J.Mech.Eng,.4,2(1962)121.等に拠る、転がり接触のような高圧接触面下には潤滑油が高圧(約5万気圧)で閉じ込められて、強固な弾性固化膜に転移する、ことの論証以降、最近では、車両の無断変速機CVTの発達で周知となり、学術的にも進んだ。しかし前述の電気粘性流体(ERF)のように、EHL油膜から、レオロジ(粘性流体特性)、を取り出してこれを機械要素として機能させる、といった技術思想は、前記発明のみに止まったままである。そもそも。当該発明のEHL油膜のレオロジ機能の実施目的は、4輪駆動車の前後輪の回転差を検出して動力を滑らかに駆動力を有する車輪に適宜自動配分する差動制限装置への応用であった。その他、各種機械装置の駆動力伝達装置としてその汎用性が広いことから、その後も下記内容の特許が出願されて来た。
すなわち前記の[特許番号]第2903325号、に対して、同一人によって
【特許文献1】特開平4−219528、の図2、のローラーの両端に設けた遊星歯車の公転位相でローラーの傾斜(スキュウ)角を変えて、伝達量を可変にしたり、また同発明の図5、図6のローラーの両端に生ずる転動量の差動、でスキュウ角度を自動的に回転方向に対抗させるもの。
【特許文献2】特許出願番号平3−232581の図2、図3、前記同様ローラーのスキュウ角を可変にするもの。
【特許文献3】特開平6−109038 図1のローラーの片端に公転位相させてスキュウ角の変更手段で粘性スベリ速度を可変にするもの。
【特許文献4】特開平6−137344図2のローラーの両端の摩擦部材の摺接抵抗でスキュウ角を可変にするもの。
【特許文献5】特開平7−71485の図2の周上に細分割したケースにローラーを収容してスキュウ角を変化させて速度を可変にするもの。
【特許文献6】特開2003−184910の請求項1図1の軌道からはみ出たローラーの片端を掴んでスキュウ角を変えて速度を調節もの。
【特許文献7】同上特開2003−184910の請求項3の図5に示す軌道輪の軸方向相対変位をボールのヘルツ弾性で抑制して、油膜の固化を抑制して滑り速度を速くするもの。
【特許文献8】特開2004−183883の図2電磁クラッチの代替で、トルク負荷で自動的に吸い付く特徴を利用した、電磁コイルも電力も不要の断続クラッチ、などがある。
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
第一の課題。前述の差動制限装置は、4WD車両の駆動軸上に配置されるものが多く、高速回転で且つ高トルクで使用されるため、機構が堅牢且つ軽量で簡素であることが求められる。機能は、駆動輪が摩擦の低い路面でスリップし場合、瞬時にスリップを検出して駆動力を有する車輪に動力を集中配分させるもので、終減速装置(デファレンシャル)前のプロペラシャフト上に搭載の場合、前進(正転)と後退(逆転)時では車速(軸の回転速度)が極端に異なるのでトルクを発生させる時の感応速度(車速)は、前進時(正回転)は毎分100回転〜500回転程度の差回転に感応して、後退時(逆転)は極端に低速の100回転以下での感応が望ましい、しかし現在実用中のオンデマンド形の粘性接手(ビスカスカップリング)は前進時も後退時も同じ速度でしか感応しない不都合があった。
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
第二の課題。前記特許2903325号の更なる課題は、当装置は、弾性流体潤滑油膜の塑性変形のクリープ速度に依存する。その塑性変形の機序が、トルク負荷に比例して面圧が上昇し、それに伴って油膜は圧力変態点を越えると、固化転移し、粘性流動から塑性変形に変わる。そのため速度は急激に遅くなる。所望の速度を得るには、増速ギヤなどの併用を要し、複雑化するといった課題があった。当課題に対して、過去15年間の開発の技術思想は、スキュウ角がゼロの時は、通常の転がり軸受であり、内外輪間のトルク伝達は完全にゼロである。スキュウ角度を大きくするに従い、ローラと軌道間にくさび効果が表れ、油膜の固化に伴ってローラの転動に粘性抵抗が現れて、最終的には内輪から外輪にトルクが100%、伝達に至る、思想の、スキュウ角度を変化させる手段に集中してきた。その代表が、ローラの(スキュウ)傾斜角度を0〜10°の範囲で可変にする、前記特許文献2の特開平6−109038、特許文献3の特開平6−137344、特許文献4の特開平7−71485特許文献5の特開2003−184910である。しかし実験の結果、スキュウ角度が4°までは固化が現れず単に空転するのみで、6°付近から急激に固化転移が始まり、その固化膜の変形速度のみが顕在化して、その変形速度は遅く、 スキュウ角度の変化だけでは、速度の変化率は10〜20%程度である。またスキュウ角度の可変操作は、構造が複雑化するといった課題が残された
【0006】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
第三の課題。当該2903325号の発明の装置に10Hz以上の激しい高速揺動トルクを負荷すると、入出力軸が軸方向に10Hzの速さで激しく相対変位する、この変位を吸収しつつトルクを伝達するので、高品質のスプラインが不可欠であった。しかしこの部位が、10Hzもの激しい摺接を繰り返すと、磨耗し、摺接面の摩擦抵抗が増大する。 当装置の、トルクが繋がるときの機序は、内外輪を接触させると、スキュウしたローラが軌道面上を転がる作用が始まり、そのトラクションの軸方向成分で外輪軌道に内輪が吸い込まれて、強固に連結されてトルク伝達を開始する、といった仕組みであるので、相対変位のスプライン部の摩擦抵抗が、極めて小さくないと成立しない。その対策に、スプラインの摺接部にボールを介在した、ボールスプライン、の併用が考案されたが、伝達媒体のボールでは点接触に依存するため強度が不足し、複雑化、の問題で成立せず、スプラインに変わる相対変位の吸収手段が未解決であった。
第四の課題に、変動の激しいトルクを伝達する場合、例えばディーゼルエンジンのようなトルク変動の大きな回転力を、オルターネータに伝達する際の、変動吸収にオルタネータのプーリに前記特許2903325号を内蔵して用いる場合、トルク負荷時の弾性変位角度が小さい(トルク剛性が高すぎる)ため、トルク変動を十分に吸収仕切れない、といった課題、の以上の4項目があった。
円すい面でなる内輪軌道と外輪軌道の間にスキュウしたローラを介装してトルクを負荷したとき、ローラが楔状に噛み合い油膜の作用で内輪から外輪にトルクが粘性すべりを伴って伝達される特許第2903325号の流体摩擦伝達力制限装置において、トルクを負荷したときの面圧を生ずる軌道面を4個以上にする。
【0008】
【発明の効果】
本発明は背景技術に対して以下の進歩性と効果がある。
即ち前述の特許2903325号の課題4項目を全て解決する、堅牢で、簡素で、高トルク、任意の所望の速さの粘性すべり伴って伝達できる装置を提供する。またその相乗効果で、例えばギヤ変速機のギヤの内径に本発明を装設すれば、ギヤの回転差を油膜の作用で瞬時に吸収して動力を結続させることができるので、従来のシンクロナイザリングが不要になり、変速機が著しく簡素化する。
又、トルクを入力すると、ローラに推力成分が発生して、自動的に相手側に吸い付いてトルクを伝達するので、従来の電磁クラッチと置き換えた場合、電磁力、空圧力などの押し付けて保持する、エネルギーが不要になるので、省エネで大幅に軽量化、簡素化する。
また当発明に、激しい振動トルクを入力しても、油膜に浮上したローラの転がりと、そのヘルツ接触面の豊富な弾性変位で、全て吸収するので、耐久性に富み、従来の出力側にもたらして居た振動を遮断し、それによる磨耗劣化も無い。また、相対変位を従来のスプラインの伸縮に代わって、前記のローラの転動で代行するので、構造が簡素化する。
に当発明の応用実施例に示す、オンデマンド形4WD車の差動制限装置では、従来は、前進と後退とでは(正逆回転で)車速が大幅に異なるにも関わらず、同じ装置で差動制限をしていた。これを正逆別の、粘性速度の異なった装置で差動制限するので、走行安全性を高める。
これに対して当発明は油膜の塑性変形によるクリープに依存するため設定された車速までトルクは殆ど伝達せず、車輪のスリップ発生時以外ではトルクが流れることはなく操縦安定性を妨げない。又当発明は従来のトルク伝達手段の歯車のような噛み合い歯の1〜2枚の歯だけでトルクを伝えるのに対して、非常に多くのローラーを周上に配置し全ローラーが一斉にトルクを分担するので、大きなトルク容量を有し、製造においても転がり軸受と部品が共通のため低コストで量産性が高い。このようにEHL油膜からせん断抵抗とレオロジー成分とを取り出して力の伝達媒体として機能させる当発明は、新規の機械要素でその進歩性と効果は大きい。
実施例の図1
図1は請求項1の第一の実施形態を示した断面の略視図で、トルクを負荷する円すい軌道面13、14を図の如く逆向きに組み合わせ、これとスキュウ方向を逆向きにしたローラを図2の4,5のように積層して、特許2903325で生じていた入力軸と出力軸の軸方向相対変位を中間軌道輪3のみの軸方向変位に代行させることで、従来入出力軸上に要したスプラインが不要なりスプライン部の摩擦抵抗と磨耗の弊害が皆無になる、又粘性滑りと弾性変位を生ずる面が倍増するのでトルク変動を吸収して粘性スベリ速度が倍増する。
実施例の図2
実施例の図2は図1の外観の略視図で、符号の1は駆動側、内軌道輪、2は従動側の外軌道輪で、3の中間軌道輪は内外径面が逆向きの円すい面で構成されている。軌道面の円すい面の母線はローラーが細くて撓むニードルローラー使用の場合は直線でも良く、逆に太く剛性の高いローラの場合は線接触を得るために双曲線で構成する。中間軌道輪3の円すい軌道面と内軌道輪の軸1および外軌道輪2の円すい軌道面9、13との間には外側(アウター)ローラー4と内側(インナー)ローラー5が外側保持器11および内側保持器12のポケット穴に収容されて中間軌道輪3、及び内軌道輪9の円すい軌道面の周上に約2mm間隔で均等にそれぞれ図2の4および5の如く逆向きのスキュウ角度を与えて保持されている。内保持器11、及び外保持器12の幅寸法はローラーの軸方向変位を妨げないように軸方向にはあそびを待たせて位置規制してある(図示省略)
各部品の使用材料を説明すると円すい軌道輪1及び2、更に中間軌道輪3は、軸受鋼を熱処理でHRC60以上の硬さに硬化し、軌道面は油膜の構成に好適な研削仕上げ加工を施してある。ローラは同様に軸受鋼を熱処理でHRC63以上に硬化して研削で真円度0.001mm以下に仕上げる。ローラーにスキュウ角度を付与する保持器11、12は磨き帯鋼板をプレス成型し、ローラーの入るポケット穴をパンチングで穿孔加工する。その後表面を軟窒化処理し硬化させる。これらの材料と部品は大量生産されるJISの転がり軸受に使用の部品を流用可能で精度、コスト面で有利となる。保持器11、12はグラスファイバー含有の66ナイロンを金型でインジェクションした成型品でも良い。中間軌道輪3には側面から皿ばね6の弾性で内外軌道の円すい面に食い込む側に押し付けられている。トルク負荷時に内外側ローラー4、9が軌道面9、13に均等に一斉に接触しトラクションを発生しなければならないので内輪軌道面9と外輪軌道面13と中間軌道面の内外の円すい面の4個箇所はテーパーゲージでマッチングしておく。又ローラーの径の寸法相互差は0.002mm以下に揃える。更に内外の円すい軌道面の組み立て誤差を減らすため玉軸受の内部すきまを負にして軸方向移動量を減らすことでクラッチ機能が一層正確に作動する。
尚 中間軌道輪3を内側が円錐面で外径が雄スプラインの円環と、外側が円錐面で内径が雌スプラインの円環に分割して2層に図1の二重破線14の如く分割すると(外観略視図2では二重破線は省略してある)そのスプライン嵌合面で二層部材が個々に軸方向にスライド変位するので、円錐面の径に多少の誤差があっても皿ばね6で3を軌道円錐面に圧着しておけば良く、内外ローラー4,5のトラクションの推力成分でそれぞれ内側軌道9と外側軌道13に単独で当接してトラクションは一斉に生ずる、この場合は前記テパーゲージでのマッチングが不要になる。これは実施例の図3、図4、及び図5においても同じ事である(図省略)
かような構成で内軌道輪の軸1と外軌道輪2間に入力トルクが作用すると、外側と内側軌道輪の相対変位でローラー4、5は保持器のポケット穴で与えられるスキュウ角6°〜12°及び−6°〜12°の範囲で適宜選定されたスキュウ角度に沿って転動し、ローラーのトラクションの軸方向成分で中間軌道輪3に推力が生じて内側軌道輪1と外側軌道輪2の円すい面間に回転しながらねじ込まれる。ねじ込まれるとローラーの接触面圧が上昇し弾性流体潤滑理論に基付くヘルツの接触下に閉じ込められた油膜が固化転移し、摩擦トルクが発生し同時に粘性すべり回転が始まる。内外軌道輪に逆方向のトルクが作用するとローラーはスキュウ角に沿って逆方向に転がり、その逆向きのトラクションの推力成分で中間軌道輪を皿ばねに逆らって抜ける側に移動させるのでフリーの状態になる。以上は正転のトルク制御を述べたが逆向きトルクを制御する場合は当該装置を対抗させて一対にすれば良い。又ローラー4、5の本数がニードルベアリングの如く多く収容できることと軌道面を転がり軸受け同様に転がり接触になるので磨耗がなく、更には中間軌道輪3が皿ばね6で常に円すい面に押し込まれているので例え磨耗しても追随するのでバックラッシュが無い。
実施例の図3
実施例の図3を説明すると、図3は動力伝達をON−OFFさせるクラッチの実施例で、使用潤滑油によって粘性クラッチにもなるし単純な断続クラッチとしても機能する。図3の中間軌道輪3の軸方向の弾性変位量は前述の如くローラのヘルツ弾性変位部材が4、と5のように積層されているので総変位量は大きくなり従って位置の制御誤差の許容量が大きくなるので操作が容易になる。中間軌道輪に連結された延長部材15の先端のフランジ16をアームレバー17で図の矢印19、20の方向に変位させると、中間軌道輪はローラーから離れる側に移動しフリー回転となり、逆方向に押し込むと密封されている潤滑油で流体潤滑が始まり、ローラーは一旦油膜に浮上して僅かに附勢に反発するが軽く押すとローラーのトラクションでスキュウ方向に転がり始め相手側軌道面への吸い込みを開始し、弾性流体潤滑に移行する。フリー時の回転から直結までの過程で入出力軸間の回転差を油膜で吸収するのでショックを伴うことなく直結に至る所謂フルシンクロの噛み合いクラッチになる。
又、レバー17を自己保持形の例えば超音波モーターなどで駆動するとクラッチを接近させるだけでクラッチ自体の吸い付き力でトルクが繋がる、モーターの内部摩擦でクラッチの位置はそのままで次に切り離すときは引き抜く瞬間のエネルギーで足り、従来の電磁クラッチのようにトルク伝達中は圧着を維持するため電力を消費し続けると言った無駄が無い。空転状態から直結までの間すべての過程で油膜が形成されており金属接触がないのでON,OFFを繰り返しても磨耗がない、負荷トルクは全ローラーが一斉に分担するのでトルク容量が大きく耐久強度に優れる。
実施例の図4
実施例の図4を説明する。図4は車両のエンジン補機駆動ベルトで駆動される高速回転するオルターネータのクラッチ内臓のプーリーである。内径55にはオルタネータの入力軸を圧入固定する。ディーゼルエンジンなどではトルク変動が大きくクランク軸のプーリーに架かるベルトには激しい不等速を生ずる。ところがオルタネーターは慣性力で等速回転しようとするのでベルトには過度の張力変動を生じて劣化する不都合がある。
従来はこの対策にプーリー内にくさび角度が4.5°程度でローラーの転送範囲が2mm以下の極めて狭い範囲で面圧を繰り返し受け且つローラーの収容本数の少いローラ式一方クラッチを内臓していた。ところが昨今のオルターネータの小型化、高速化でプーリーに20Nm程度の繰り返しトルクが作用するし内蔵クラッチの耐久性が不足する問題が生じた。これに代わる実施例の図4は、実施例の図1に比べてローラー42、43のヘルツ弾性変位及び内外輪44、45の2箇所の円環の膨張収縮弾性で変位量が倍増し、スポンジのような大きなねじり弾性変位でトルク変動を吸収することができる。ローラー42、43の本数が通常のニードルベアリング同等に非常に多く収容できることと軌道面をローラーが転動するので磨耗がなく、更には中間軌道輪44、45、が皿ばね24で常に円すい面に押し込まれているのでバックラッシュも無い。これらに使用するローラーおよび軌道輪、グリース、密封シールなどは、転がり軸受と同一材料を用いること及び転がり接触でなること及び転がり軸受の使用条件に酷似しており信頼性、耐久性に優れる。
実施例図5
実施例図5は、請求項1の技術思想を車両の差動制限装置として用いた実施例で、符号の25は入力軸で33は出力側の軸である。図5では軌道面が内外含め全部で6つの円すい面を持つ。その内の軌道面の39、56には保持器26、60によって同じ向きの−α°の正転時に噛みあうスキュウしたローラー55、58が介装されている。又軌道面57上には保持器23で逆転時に噛み合うスキュ方向が逆向きのα°のローラー27が介装されている。ここではスキュウ角度は6°〜12°の範囲で潤滑剤のクリープ速度、添加剤の種類によって決められる。使用材料、部品は前述同様JISの転がり軸受部材と共通部品を流用する。
ここでトルクを負荷した場合の作用を説明すると、車両では前進に相当する図6の矢印51の回転方向の入力軸25にトルクが作用すると軸上に設けた軌道面57上をローラー27はスキュウ角度α°の方向の抜け出す側に転がって外輪60にはオーバラニング状態でトルクは伝達されない。しかし同じ軸上に隣接する軌道面39、56はローラー58、55がスキュウ−α°に従って噛みこむ側に転動して外輪28にトラクションでトルクが伝わり、同じ外輪の延長部の内輪29を経由してローラー56の作用で外輪59に伝わりその先の延長部のスプライン部32で係合している出力軸33に出力される。そのトルクの伝達経路を示すと図6の矢印53の如くである。
又、車両で後退に相当する図7の回転方向52の方向にトルクが負荷されると、ローラー27が食い込む側に転動し、ローラー58、30はフリーになるのでトルク伝達の流れは図7の矢印54の方向になる。従って前進の正転では面圧を生じて内外軌道面の4面をローラーが転送するので粘性速度は二倍になるが、後退時の逆転では、内外輪の二面間をローラー27が粘性で転動するのみで速度は前進の半分となる。
装置内にはトラクション油に層状スベリを生ずる固形潤滑剤例えば二硫化モリブデン、又は二硫化タングステンなどのを添加した弾性流体潤滑膜の塑性変形を促す潤滑油剤を充満する。高トルク負荷で連続使用すると発熱するがそれに伴い油膜が薄くなるか又は破断して摩擦係数μが0.1以上に上昇してローラーは粘性スベリを停止して純粋の転がり接触となり軌道間に食い込みロックする。この時点で通常のスプラグ式の一方クラッチに遷移してトルクは100%伝達され車両は直結4輪駆動車として振舞う。直結状態になるとスベリの発熱要素がないので空冷却されてもとの粘性接手の機能が復活する、当該厳しい使用条件は、しばし雪又は砂路を連続送破する場合に生じ発熱、冷却が繰り返される。しかし全ての過程が油膜の作用であって金属接触がないので、焼きつき、空転による破壊が無く、4WD車両としての機能は生涯失わずにフェイルセーフをシステムとして具備する。
実施例図1はベルト56の張力でプーリー8にラジアル荷重が作用する。このラジアル荷重は片端を併設の玉軸受7で支え、もう一方がローラーが皿ばね6で円すい面にくさび状に押し付けられることでローラー4,9でも分担し2点で支える実施例。
実施例の図3はトルクのON,OFFクラッチ又は粘性スベリクラッチで、ドアーの開閉のドアクローザー、又は防火シャッターなどの重量物の緩降装置としてのユニット化した実施例である。
実施例の図4は自動車のオルタネーター駆動の振動吸収プーリーの実施例で、中間軌道輪44の幅を広くして中間軌道輪のローラーの転動する面を44の箇所と45の箇所に分けてそれぞれの受圧部の肉厚を薄くして、膨張、収縮量を2箇所で発生させて弾性変位を増大させて大きなトルク変動をも吸収する実施例。
実施例の図5は粘性速度を前進の2に対し後退時を1の比率に設定し使用頻度に適合させた実施例。
車両の駆動系の差動制限装置、衝撃緩和のトルク伝達装置(トルクアブゾーバ)ショックレスのフルシンクロクラッチ装置、粘性流体接ぎ手、重量物の緩降装置など広汎な機械要素に供する。
当発明の実施形態の断面略視図 は当該発明の実施形態の外観略視図 は当発明の断続クラッチへの応用の実施例の断面略視図 本発明のクラッチ内臓プーリーの実施形態の断面略視図。 は本発明の差動制限装置の実施形態の断面略視図。 は本発明の差動制限装置への応用実施形態の機能説明図 は本発明の差動制限装置への応用実施形態の機能説明図 従来技術(特許2903325号の改良技術)特開平4−362324実施例
符号の説明
1・・内軌道輪 2・・外軌道輪 3・・中間軌道輪 4・・外側ローラー 5・・内側ローラー 7・・玉軸受 8・・プーリー 9・・内輪軌道面 10・・止め輪 11・・外側保持器 12・・内側保持器 15・・ブラケット 16・・操作フランジ 17・・操作レバー 25・・入力軸 26、60・・保持器 27・・逆転かみ合いローラー 28、29・・中間軌道輪 55、58・・正転かみ合いローラー 38、40・・ローラーのスキュウ角度 31・・出力外輪 32・・スプライン 33・・出力軸 35、36・・皿ばね 57・・逆転かみ合い軌道

Claims (1)

  1. 円すい面内輪軌道と、外輪軌道の間に、円すい面の中間軌道輪を具備し、保持器のポケット穴に、ローラーを収容してローラースキュウ角を与えて軌道面間に介装し、トルクを負荷したとき、ローラーが楔状に噛み合って、生ずる面圧によって、転がり接触面下に高圧閉じ込め油膜を形成させ、該油膜の作用で内輪から外輪に、トルクが粘性すべりを伴って伝達される、流体摩擦伝達力制限装置。
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