JPS59155630A - 車両の動力伝達系「ねじ」り振動吸収装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、自動車等の車両の動力伝達系における捩り振
動吸収装置に関する。

本出願人は、かかる装置として、駆動側に連なる第１軸
と被動側に連なる第２軸とを相対回動可能に嵌合し、こ
れら両軸を、所定値以上の伝達トルクを受けると滑るよ
うに摩擦力を設定される摩擦伝達装置を介して連結し、
この摩擦伝達装置の動力経路に、前記トルクを受けると
相対回動を生じて該摩擦伝達装置の摩擦力を増加させる
第１及び第２カム板を介装したものを既に提案している
。

この構成によれば、動力伝達系のトルク変動による捩り
振動を摩擦伝達装置の滑りと第１及び第２カム板の相対
回動とによって吸収することができるため、小型であり
ながら振動吸収容量の大きな捩り振動吸収装置を得るこ
とができる。

ところで、上記提案の装置は、長期間使用のうちに吸振
特性が変化し、特に前記摩擦伝達装置が滑り易くなって
トルク伝達に過度の遅れが生じる問題があり、これは前
記摩擦伝達装置の各部、特に摩擦板の摩耗に起因する。

そこで、本発明は、前記摩擦伝達装置に、その各部の摩
耗を補償する摩耗補償装置を設けて、長期間の使用によ
るも常に安定した吸振特性を維持し得る前記装置を提供
することを目的とする。

以下、図面により本発明の実施例について説明すると、
第１図はエンジン横置き型の前機関前輪駆動車の変速機
１とその周辺部を示すもので、変速機１はエンジン（図
示せず）の−側部に取り付けられており、その入力軸２
は、エンジンのクランク軸３に発進クラッチ４を介して
接続される。

変速機１には、入力軸２と平行に出力軸５が設けられて
おり、その出力軸５に一体的に設けられた最終駆動ギヤ
６は、差動装置７の最終被動ギヤ８に噛み合わされる。

入力軸２には、これと一体に低速の１速及び２速駆動ギ
ヤ９１．９□、並びに後進駆動ギヤ９Ｒが設けられ、更
に、中高速の３速ないし５速駆動ギヤ９ｓ　　、９’４
　−９５が針状ころ軸受２９３，２９４゜２９、を介し
てそれぞれ回転自在に支持される。

これらの３速ないし５速駆動ギヤ９ｓ　、９４−９ｓは
、切換クラッチ１０　、１０’によって選択的に入力軸
２と接続されて、それにより駆動されるようになってい
る。出力軸５には、管状軸１１が平軸受２５を介して回
転自在に支持され、この管状軸２９Ｒが切換クラッチ１
３を介して支持される。

この１速及び２速被動ギヤ１２１．１２□は入力軸２の
１速及び２速駆動ギヤ９１．９□と、また、後進被動ギ
ヤ１２Ｒは図示しないアイドルギヤを介して後進駆動ギ
ヤ９Ｒと、それぞれ噛み合っており、切換クラッチ１３
により選択的に管状軸１１に接続されてそれを駆動する
ようになっている。

管状軸１１には、またそれと一体向に３速被動ギヤ１２
３が設けられており、このギヤ１２３が３速、駆動ギヤ
９３と噛み合わされる。出力軸５には、更に、４速及び
５速駆動ギヤ９４．９．とそれぞれ噛み合う４速及び５
速被動ギヤ１２４．１２５がそれぞれスプライン結合さ
れる。

管状軸１１には、３速被動ギヤ１２３に隣接して軸線方
向に延びる筒状の延長部１４が形成されている。この筒
状延長部１４の内面にはスプライン１５が形成されてお
り、このスプライン１５に第１カム板１６１が摺動自在
に係合される。また３速被動ギヤ１２３がら４速被動ギ
ヤ１２４までの間の出力軸５の外周には内筒１７が固着
され、この内筒１７を囲繞する外筒１８が前記延長部１
４に隣接して配置される。内筒１７の外周面及び外筒１
８の内周面にはスプライン１９．２０がそれぞれ形成さ
れており、これらのスプライン１９゜２０には、交互に
重合される各複数枚の駆動摩擦板２１及び被動摩擦板２
２がそれぞれ摺動自在に係合され、この摩擦板２１．２
２群と第１カム板１６１との間には、外筒１８のスプラ
イン２０に係合する第２カム板１６□が介装され、また
この摩擦板２１．２２群と４速被動ギヤ１２４との間に
は受圧板２３が介装される。そして、延長部１４と第２
カム板１６２との間には、第２カム板１６□を受圧板２
３に向って常時一定の弾発力で押圧する１次ばね２４１
が縮設され、さらに内筒１７の、３速被動ギヤ１２３側
端部に設けた支承板１７αと第１カム板１６．との間に
は、両カム板１６１゜１６□の後述する離反時に弾発力
を発揮する２次ばね２４２が介装される。これらのばね
２４１゜２４２はいずれも複数枚の皿ばねより構成され
るが、ばね定数は１次ばね２４１の方が低く、２次ばね
２４２の方が高く設定される。

而して、内筒１７、外筒１８、駆動、被動摩擦板２１．
２２及び１，２次ばね２４１，２４２は本発明の摩擦伝
達装置２６を構成し、この摩擦伝達装置２６を介して管
状軸１１と出力軸５とが連結されることになる。したが
って、エンジン側、即ち駆動側に連なる管状軸１１は本
発明の第１軸に相当し、車輪、即ち被動側に連なる出力
軸５は本発明の第２軸に相当する。

第１及び第２カム板１６．．１６□０対向面には、第２
図に示すように、環状配列の複数個の山形カム２７．２
８がそれぞれ一体に突設されており、これらは互いに噛
み合わされる。

各カム２７．２８は、その頂部から各カム板１６１．１
６２の円周方向に沿って互いに反対方向に下る正負荷伝
達用の第１斜面α及び逆負荷伝達用の第２斜面すを有し
、第３図に明示するように、第１斜面αの傾斜角度αは
比較的小さく、第２斜面すの傾斜角度βは比較的大きく
設定される。

また、各斜面α、ｂは各カム板１６１，１６２の中心軸
線周りの螺旋面Ｓの一部によって形成され、これによっ
て両カム板１６１　、ｔ、６ｚのどのような相対回動位
置においても、対向する第１斜面α。

ｂ同士または第２斜面に、７５同士が面接触状態を保つ
ようになっている。

受圧板２３と４速被動ギヤ１２４との間には摩耗補償装
置３１が構成され、その構成を第１図、第４図及び第５
図を参照して説明する。

摩耗補償装置３１は、４速被動ギヤ１２４のボス３２に
回転自在に支承される環状の支持部材３３を有する。こ
の支持部材３３の外周面には放射状に延びる複数本の案
内脚３４が突設されており、これら案内脚３４には環状
に配列された複数個の調節片３５が放射方向に移動可能
に支持され、これら調節片３５は受圧板２３と４速被動
ギヤ１２４との対向面間に挿入される。調節片３５と受
圧板２３との係合面は半径方向外方に向って４速被動ギ
ヤ１２４側に傾く斜面３６に形成されていて、調節片３
５０半径方向外方への変位に伴い受圧板２３に摩擦板２
１．２２群側への軸方向変位を与えるようになっており
、そして各調節片３５には、これを半径方向外方へ弾発
する調節ばね３γが接続される。また、各調節片３５と
案内脚３４との係合面には調節片３５の半径方向外方へ
の変位は許容するが、内方への変位は阻止する鋸歯状の
複数個の一方向歯３８が刻設される。

尚、４速被動ギヤ１２４は出力軸５上に軸方向移動不能
に支持されている。

出力軸５の内部には、管状軸１１、被動ギヤ１２１−１
２を等の潤滑のだめの給油路３０が設けられているが、
この給油路３０は更に延長され、延長部１４及び外筒１
８の内部にも油が供給されるようになっている。

次に、この実施例の作用を説明すると、通常は１次ばね
２４１が規定の弾発力によって第１カム板１６１、第２
カム板１６２及び摩擦板２１．２２群を受圧板２３に対
して押圧し、一方、調節ばね３７が規定の弾発力によっ
て調節片３５を半径方向外方へ押圧するので、斜面３６
には受圧板２３を摩擦板２１．２２群側へ押圧する軸方
向分力が発生し、この力が１次ばね２４１の弾発力と釣
合った位置で調節片３５は停止しており、これによって
駆動及び被動゛摩擦板２１．２２間には所定の摩擦力が
与えられる。一方、２次ばね２４２は殆ど非作動の状態
において第１及び第２カム板１６□。

１６□のカム２７，２８を第３図に示すように互いに最
も深（噛み合わせている。

いま、切換クラッチ１３の操作によって、ｌ速被動ギヤ
１２□が管状軸１１に接続されているとすると、クラン
ク軸３から入力軸２に伝達される回転トルクは、１速駆
動ギヤ９０．１速被動ギヤ１２１１管状軸１１、第１カ
ム板１６１、カム２７゜２８、第２カム板１６□及び外
筒１８を順次経て駆動摩擦板２１へ伝えられる。そして
、駆動摩擦板２１０回転力は、摩擦力により被動摩擦板
２２に伝えられ、内筒１７を介して出゛力軸５へ、更に
最終駆動ギヤ６を介して差動装置７へと伝達される。

２速被動ギヤ、１２□あるいは後進被動ギヤ１２Ｒが管
状軸１１に接続されているときにも、同様の経路により
入力軸２のトルクが出力軸５に伝達される。また、３速
駆動ギヤ９３が切換クラッチ１０により入力軸２に接続
されているときには、入力軸２０回転トルクは、３速駆
動ギヤ９３．３速被動ギヤ１２３、管状軸１１を経て、
その延長部１４に伝えられ、以下は１速の場合と同様に
して出力軸５に伝達される。４速駆動ギヤ９４あるいは
５速駆動ギヤ９．が入力軸２に接続されているときには
、入力軸２のトルクは、各被動ギヤ１２．あるいは１２
５を通して直接出力軸５に伝えられる。

１速ないし３速あるいは後進運転中にエンジンを急加速
させると、入力軸２０回転速度は増大しようとするのに
対し、出力軸５は、車輪の慣性によりそのままの速度を
維持しようとする。そのために、管状軸１１と出力軸５
との間には回転速度に差が生じる。その結果、駆動及び
被動摩擦板２１゜２２の間で滑りが生じると同時に、第
１及び第２カム板１６１，１６２の間にも相対的な回動
が生じ、カム２７．２８の第１斜面ａ、ａ相互の滑り作
用によって両カム板１６１．１６□は互いに離反するよ
うに変位し、第１カム板１６１が２次ばね２４□を圧縮
して作動状態にする。

このとき受圧板２３と調節片３５との係合斜面３６に働
くスラスト荷重が増大して調節片３５を半径方向内方へ
押し戻そうとするが、一方向歯３８の逆止め作用によっ
て調節片３５は当初の位置に保持される。

こうして、入力軸２の伝達エネルギの変動は、摩擦板２
１．２２間の滑り、及び両カム板１６１゜１６□０相対
回動によって吸収され、出力軸５０回転速度は滑らかに
増大する。そして、両カム板１６１．１６□の離反作用
により、２次ばね２４２が作動されその弾発力が増大さ
れれば、摩擦板２１゜２２間の摩擦力も増大され、入力
軸２のトルクが出力軸５に確実に伝達されるようになる
。この間において、摩擦板２１．２２間には、給油路３
０を介して変速機ケース内の油が供給されて（・るので
、これによって各摩擦板２１．２２間に発生する摩擦熱
を冷却することができる。

これとは反対に急減速運転を行うと、出力軸５から入力
軸２が駆動される逆負荷状態となるので、管状軸１１と
出力軸５との間には、前記加速運転時とは反対方向の回
転速度差が生じる。その結果、駆動摩擦板２１と被動摩
擦板２２との間で滑りが生じると同時に第１及び第２カ
ム板１６１，１６□の間にも相対回動が生じるが、この
場合はその相対回動の方向が前記加速運転時とは反対で
あるから、カム２７．２８の第２斜面す、ｂ相互の滑り
作用によって両カム板１６１，１６２間に離反力が与え
られ、駆動及び被動摩擦板２１．２２間の摩擦力が増大
される。このようにして、出力軸５の逆負荷は緩衝され
て入力軸２に伝達される。

クラッチ１０あるいは１３の切換えによって発生する人
、出力軸２，５間のトルク変動、即ち変速ショックも、
上記と同様に吸収される。

上記の作動が長期間繰返されろことにより摩擦板２１．
２２に摩耗が生じると、その摩耗分だけ１次ばね２４１
は伸びて規定の弾発力を低下させるので、カム２７．２
８が最も深く噛合する無負荷状態となったときに、調節
片３５が調節ばね３７の弾発力を以て半径方向外方へ変
位して、受圧販２３を１次ばね２４．に向って押動し、
これによって１次ばね２４１０弾発力が規定の値に回復
したところで調節片３５の動きは停る。か（して、摩擦
板２１．２２等の摩耗は補償され、その摩擦力は規定の
値に保持される。

第６図及び第７図は摩耗補償装置３１の変形例を示すも
ので、複数個の調節片３５の調節ばね１３７を、鋼線を
角形に屈曲してなる共通−個のものとした点を除けば、
前実施例と同様構成である。

以上のように本発明によれば、摩擦伝達装置に、を設け
たので、長期間の使用により摩擦伝達装置に摩耗が発生
しても、その摩耗が摩耗補償装置の作動により自動的に
補償され、その結果吸振特性が安定化され、常に所定の
吸振効果を発揮させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による捩り振動吸収装置を設
けた変速機の縦断平面図、第２図は同装置の第１及び第
２カム板の分解斜視図、第３図は両カム板の山カムの噛
合状態を示す断面図、第４図及び第５図は同装置におけ
ろ摩耗補償装置の拡大縦断側面図及び正面図、第６図及
び第７図はその変形例を示す、第４図及び第”５図とそ
れぞれ同様な図面である。 １・・・変速機、３・・・クランク軸、５・・・第２軸
と１７ての出力軸、７・・・差動装置、１１・・・第１
軸としての管状軸、１６１．１６□・・・第１．第２カ
ム板、２６・・・摩擦伝達装置、３１・・・摩耗補償装
置特許出願人　本田技研工業株式会社 第２図 第３図 第４図　　　　　　第５図 第６図　　　　　　第７図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 駆動側に連なる第１軸と被動側に連なる第２軸とを相対
   回動可能に嵌合し、これら両軸を、所定値以上の伝達ト
   ルクを受けると滑るように摩擦力を設定された摩擦伝達
   装置を介して連結し、この摩擦伝達装置の動力経路に、
   前記トルクを受けると相対回動を生じて該摩擦伝達装置
   の摩擦力を増加させろ第１及び第２カム板を介装してな
   る、車両の動力伝達系捩り振動吸収装置において、前記
   摩擦伝達装置に、該装置各部の摩耗を補償する摩耗補償
   装置を設けたことを特徴とする、車両の動力伝達系捩り
   振動吸収装置。