JPH0674253A - 傾斜ころ軸受状構造物 - Google Patents
傾斜ころ軸受状構造物Info
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- JPH0674253A JPH0674253A JP4207585A JP20758592A JPH0674253A JP H0674253 A JPH0674253 A JP H0674253A JP 4207585 A JP4207585 A JP 4207585A JP 20758592 A JP20758592 A JP 20758592A JP H0674253 A JPH0674253 A JP H0674253A
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- rollers
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ころと保持器との間の発熱や焼け付きを防止
する。 【構成】 スペーサーリテイナー12は、複数のころ3
のそれぞれの間隔に介装され、両側のころの円筒面3ー
1a、3ー2aと摺動する摺動面12ー1、12ー2を
備え、これらをころの円筒面の曲率より大きい曲率で凹
状に形成し、その中心部がころ3のPCD上で円筒面に
接触するようにする。又、上下部分12ー3、12ー4
と内外輪軌道面1a、2aとの間には適当な隙間を設け
る。 【効果】 内側回転体と外輪との間に大きなクラッチト
ルクがかかり、ころが中心軸方向において大径側に大き
く移動したり、ころの傾斜角が計画通りでなかった場合
でも、ころと保持器とが相互に干渉することがなく、そ
の間の発熱や焼け付きを防止することができる。
する。 【構成】 スペーサーリテイナー12は、複数のころ3
のそれぞれの間隔に介装され、両側のころの円筒面3ー
1a、3ー2aと摺動する摺動面12ー1、12ー2を
備え、これらをころの円筒面の曲率より大きい曲率で凹
状に形成し、その中心部がころ3のPCD上で円筒面に
接触するようにする。又、上下部分12ー3、12ー4
と内外輪軌道面1a、2aとの間には適当な隙間を設け
る。 【効果】 内側回転体と外輪との間に大きなクラッチト
ルクがかかり、ころが中心軸方向において大径側に大き
く移動したり、ころの傾斜角が計画通りでなかった場合
でも、ころと保持器とが相互に干渉することがなく、そ
の間の発熱や焼け付きを防止することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単葉回転双曲面からな
る内外軌道面に線状に接触するように一定角度傾斜して
複数個のころをそれぞれ間隔を隔てて配設した傾斜ころ
軸受状構造物に関する。
る内外軌道面に線状に接触するように一定角度傾斜して
複数個のころをそれぞれ間隔を隔てて配設した傾斜ころ
軸受状構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】円筒状ころを傾斜して配置した傾斜ころ
軸受状構造物の一例であるころがり軸受クラッチとして
は、例えば、内外輪間にころを傾斜して配設することに
より、内外輪間が相対回転したときに、ころが自転して
軸方向にも移動してスプラグとしての作用をなし、内外
輪間がクラッチされる一方クラッチとしてのころがり軸
受クラッチが公知である(特開平3ー74641号公報
参照)。
軸受状構造物の一例であるころがり軸受クラッチとして
は、例えば、内外輪間にころを傾斜して配設することに
より、内外輪間が相対回転したときに、ころが自転して
軸方向にも移動してスプラグとしての作用をなし、内外
輪間がクラッチされる一方クラッチとしてのころがり軸
受クラッチが公知である(特開平3ー74641号公報
参照)。
【0003】このころがり軸受クラッチでは、内外輪軌
道面が一端側から他端側に向かって上向きの勾配になっ
ている単葉回転双曲面になっていて、それらの間で形成
される軌道には、内外輪の中心軸方向に対して傾斜して
ころが配設されている。そして、各ころが相互に接触す
ることなく円滑に回転するように、それぞれのころ間は
保持器により仕切られている。この保持器では、ころに
平行な開口部が、ころの上側の半円筒部に一定の余裕を
もって被さるようになっている。
道面が一端側から他端側に向かって上向きの勾配になっ
ている単葉回転双曲面になっていて、それらの間で形成
される軌道には、内外輪の中心軸方向に対して傾斜して
ころが配設されている。そして、各ころが相互に接触す
ることなく円滑に回転するように、それぞれのころ間は
保持器により仕切られている。この保持器では、ころに
平行な開口部が、ころの上側の半円筒部に一定の余裕を
もって被さるようになっている。
【0004】ところが、従来のこのような保持器では、
クラッチ時に過大なトルクがかかると、ころが大径側に
移動することによりころのPCDが大きくなり、そのた
めころと保持器とが強く接触し、その間で発熱したり焼
け付きを起こす場合があるという問題があった。又、製
品の出来具合によっては、ころの傾斜角と保持器の傾斜
角とが相違している場合があり、同様に発熱や焼け付き
を起こすという問題があった。即ち、ころの傾斜角は軌
道面形状によって定まり、軌道面を研磨することによっ
てころの傾斜角を計画通りの角度に仕上げるが、この角
度を所定の精度範囲に治めるのが容易ではなく、特に、
内外輪と保持器とを別々の製造所で加工するような場合
には、両者の傾斜角を一致させることが難しくなるとい
う事情があった。そして更に、円筒状リングにころを入
れる開口を設けて形成した従来の保持器では、ころの長
さ方向の両端から保持器が張り出すことになるため、こ
ろの軸方向の移動を停止させる停止部材を設けるとき等
にその位置が制限され、設計上不自由であった。
クラッチ時に過大なトルクがかかると、ころが大径側に
移動することによりころのPCDが大きくなり、そのた
めころと保持器とが強く接触し、その間で発熱したり焼
け付きを起こす場合があるという問題があった。又、製
品の出来具合によっては、ころの傾斜角と保持器の傾斜
角とが相違している場合があり、同様に発熱や焼け付き
を起こすという問題があった。即ち、ころの傾斜角は軌
道面形状によって定まり、軌道面を研磨することによっ
てころの傾斜角を計画通りの角度に仕上げるが、この角
度を所定の精度範囲に治めるのが容易ではなく、特に、
内外輪と保持器とを別々の製造所で加工するような場合
には、両者の傾斜角を一致させることが難しくなるとい
う事情があった。そして更に、円筒状リングにころを入
れる開口を設けて形成した従来の保持器では、ころの長
さ方向の両端から保持器が張り出すことになるため、こ
ろの軸方向の移動を停止させる停止部材を設けるとき等
にその位置が制限され、設計上不自由であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術に於
ける上記問題を解決し、発熱や焼け付きを生ずることな
くころの回転を案内することができると共に、設計の自
由度の向上した傾斜ころ軸受状構造物を提供することを
課題とする。
ける上記問題を解決し、発熱や焼け付きを生ずることな
くころの回転を案内することができると共に、設計の自
由度の向上した傾斜ころ軸受状構造物を提供することを
課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、内側回転体の外表面と外輪の内表面との間
で軌道を形成し、前記外表面及び前記内表面を前記内側
回転体の中心軸を中心とする単葉回転双曲面とし、前記
軌道面に線状に接触するように一定角度傾斜させて前記
軌道の円周方向に複数個の円筒状のころをそれぞれ間隔
を隔てて配設した、傾斜ころ軸受状構造物において、前
記それぞれの間隔に介装され前記ころの円筒面と摺動す
る摺動面を備えた中間部材を有することを特徴とする。
するために、内側回転体の外表面と外輪の内表面との間
で軌道を形成し、前記外表面及び前記内表面を前記内側
回転体の中心軸を中心とする単葉回転双曲面とし、前記
軌道面に線状に接触するように一定角度傾斜させて前記
軌道の円周方向に複数個の円筒状のころをそれぞれ間隔
を隔てて配設した、傾斜ころ軸受状構造物において、前
記それぞれの間隔に介装され前記ころの円筒面と摺動す
る摺動面を備えた中間部材を有することを特徴とする。
【0007】
【作 用】本発明が適用される傾斜ころ軸受状構造物
は、ころが軌道面に傾斜して配設されているため、内側
回転体と外輪との間が相対回転すると、ころは内外軌道
面に案内され、その回転方向により、内側回転体の単葉
回転双曲面からなる軌道面上を小径側から大径側に向か
って登って行くか、又はその反対に、大径側から小径側
へ下って行く。このとき、ころは、その傾斜により中心
軸方向にも移動することになる。このようなころの動き
は、外輪に対しては反対方向になる。従って、ころが内
側軌道面を小径側から大径側に動くときには、ころを中
心に考えると、内側回転体は大径側から小径側に移動
し、外輪は小径側から大径側に移動する。その結果、軌
道間隔が狭まり、内側回転体と外輪との間がクラッチさ
れる。そして、それぞれが中心軸方向への移動する量が
多い程、従ってころが内側回転体を大径側に登る量が多
い程、クラッチトルクが大きくなる。
は、ころが軌道面に傾斜して配設されているため、内側
回転体と外輪との間が相対回転すると、ころは内外軌道
面に案内され、その回転方向により、内側回転体の単葉
回転双曲面からなる軌道面上を小径側から大径側に向か
って登って行くか、又はその反対に、大径側から小径側
へ下って行く。このとき、ころは、その傾斜により中心
軸方向にも移動することになる。このようなころの動き
は、外輪に対しては反対方向になる。従って、ころが内
側軌道面を小径側から大径側に動くときには、ころを中
心に考えると、内側回転体は大径側から小径側に移動
し、外輪は小径側から大径側に移動する。その結果、軌
道間隔が狭まり、内側回転体と外輪との間がクラッチさ
れる。そして、それぞれが中心軸方向への移動する量が
多い程、従ってころが内側回転体を大径側に登る量が多
い程、クラッチトルクが大きくなる。
【0008】このように、クラッチ時にころがその軸方
向位置を変えると、ころは傾斜面を登りそのPCDも変
化するが、本発明によれば、それぞれのころの間にころ
の円筒面と摺動する摺動面を備えた中間部材を介装させ
るので、中間部材は、それぞれが独立しているため、こ
ろの動きに追従して位置変化し、変化した位置において
その摺動面がころの円筒面と摺動しつつころの回転を案
内する。又、内側回転体と外輪とで形成する軌道によっ
て決定されるころの傾斜角が計画通りの角度でなかった
場合でも、中間部材がそれぞれ独立しているため、その
摺動面がころの円筒面と接触することにより、中間部材
の傾斜角は自動的にころの傾斜角に一致し、ころと中間
部材とが相互に干渉して強く接触するようなことがな
い。更に、中間部材がころの回転を案内するためには、
ころの軸方向に対してその長さがころの長さ分だけあれ
ば十分である。そして中間部材がそれぞれ独立している
ため、中間部材はころの軸方向においてその長さ以上に
張り出すことがない。その結果、ころの両端部近辺の設
計の自由度が向上される。
向位置を変えると、ころは傾斜面を登りそのPCDも変
化するが、本発明によれば、それぞれのころの間にころ
の円筒面と摺動する摺動面を備えた中間部材を介装させ
るので、中間部材は、それぞれが独立しているため、こ
ろの動きに追従して位置変化し、変化した位置において
その摺動面がころの円筒面と摺動しつつころの回転を案
内する。又、内側回転体と外輪とで形成する軌道によっ
て決定されるころの傾斜角が計画通りの角度でなかった
場合でも、中間部材がそれぞれ独立しているため、その
摺動面がころの円筒面と接触することにより、中間部材
の傾斜角は自動的にころの傾斜角に一致し、ころと中間
部材とが相互に干渉して強く接触するようなことがな
い。更に、中間部材がころの回転を案内するためには、
ころの軸方向に対してその長さがころの長さ分だけあれ
ば十分である。そして中間部材がそれぞれ独立している
ため、中間部材はころの軸方向においてその長さ以上に
張り出すことがない。その結果、ころの両端部近辺の設
計の自由度が向上される。
【0009】
【実 施 例】図1は実施例の傾斜ころ軸受状構造物の
一例であるころがり軸受クラッチの全体構造を示す断面
図であり、図2はそのころ部分の斜視図である。先ずこ
れらの図により本ころがり軸受クラッチの全体構造につ
いて説明する。本ころがり軸受クラッチは、内側回転体
としての内輪1と外輪2との間で軌道4を形成し、内外
輪軌道面1a及び2aを単葉回転双曲面とし、内外輪軌
道面に線状に接触するように中心軸5を含む面に対して
一定角度β、例えば15°だけ傾斜させて複数個のころ
3を配設し(図2参照)、更に、内輪1に対してその中
心軸5方向の一定位置で相対的に回転自在に取り付けら
れ外輪2の外表面に対向する位置にトルク伝達部を備え
たハウジング6を設け、ハウジング6をボールスプライ
ン9を介して外輪2とトルク伝達可能で外輪2が中心軸
5方向に移動自在なように結合することにより構成して
いる。このハウジング6は、内輪1上に軸受7を介して
配設されている。この軸受7は、入力側又は出力側と結
合されるハウジング6からのラジアル荷重及びハウジン
グ6を介して外輪2から加えられるスラスト荷重を受け
ている。そして、ハウジング6と外輪2との間には、外
輪2をクラッチ方向に付勢するための皿ばね8を配設し
ている。又ハウジング6には、入力側もしくは出力側を
結合することができるように、取付けボルト孔6aが設
けられている。
一例であるころがり軸受クラッチの全体構造を示す断面
図であり、図2はそのころ部分の斜視図である。先ずこ
れらの図により本ころがり軸受クラッチの全体構造につ
いて説明する。本ころがり軸受クラッチは、内側回転体
としての内輪1と外輪2との間で軌道4を形成し、内外
輪軌道面1a及び2aを単葉回転双曲面とし、内外輪軌
道面に線状に接触するように中心軸5を含む面に対して
一定角度β、例えば15°だけ傾斜させて複数個のころ
3を配設し(図2参照)、更に、内輪1に対してその中
心軸5方向の一定位置で相対的に回転自在に取り付けら
れ外輪2の外表面に対向する位置にトルク伝達部を備え
たハウジング6を設け、ハウジング6をボールスプライ
ン9を介して外輪2とトルク伝達可能で外輪2が中心軸
5方向に移動自在なように結合することにより構成して
いる。このハウジング6は、内輪1上に軸受7を介して
配設されている。この軸受7は、入力側又は出力側と結
合されるハウジング6からのラジアル荷重及びハウジン
グ6を介して外輪2から加えられるスラスト荷重を受け
ている。そして、ハウジング6と外輪2との間には、外
輪2をクラッチ方向に付勢するための皿ばね8を配設し
ている。又ハウジング6には、入力側もしくは出力側を
結合することができるように、取付けボルト孔6aが設
けられている。
【0010】内輪1及び外輪2には、ころ3の軸方向の
動きを停止させるそれぞれ鍔10及びストッパ11が設
けられている。これは、ころ3が軌道4内において軸方
向に進行するときに、ころ3が軌道4から外れないよう
にその進行を停止させるためである。
動きを停止させるそれぞれ鍔10及びストッパ11が設
けられている。これは、ころ3が軌道4内において軸方
向に進行するときに、ころ3が軌道4から外れないよう
にその進行を停止させるためである。
【0011】図2において、ころ3は内輪1上に中心軸
5を含む断面から角度βだけ傾けて配列され、各ころ間
は、中間部材であるスペーサーリテイナー12によりそ
れぞれの位置を保持され、互いに接触しないようにされ
ている。このようにすると、互いに同方向に自転する隣
接したころ同士が互いに反対方向の接線速度をもって衝
突することがなく、ころ3の自転、公転が滑らかにな
る。このスペーサーリテイナー12については、後に更
に詳しく説明する。
5を含む断面から角度βだけ傾けて配列され、各ころ間
は、中間部材であるスペーサーリテイナー12によりそ
れぞれの位置を保持され、互いに接触しないようにされ
ている。このようにすると、互いに同方向に自転する隣
接したころ同士が互いに反対方向の接線速度をもって衝
突することがなく、ころ3の自転、公転が滑らかにな
る。このスペーサーリテイナー12については、後に更
に詳しく説明する。
【0012】次に、内輪1及び外輪2の軌道面1a及び
2aは、ころ3と線状に接するように、それぞれ次式に
示す双曲線を中心軸5回りに回転させた単葉回転双曲面
としている。 yi2 /ai2 −xi2 /bi2 =1 yo2 /ao2 −xo2 /bo2 =1 図3はこのような双曲線の形状を示す。ここで、xi 、
xo は、それぞれ内輪軌道面1a、外輪軌道面2aの原
点から中心軸5方向への距離、yi 、yo は、それぞ
れ、中心軸5を含む任意断面における内輪軌道面1a、
外輪軌道面2aの中心軸5からの距離、又、ai、b
i、ao、boは定数である。今、内外輪の小径側の基
準面(双曲線の原点面)における中心軸5から軌道4の
中心Oまでの距離をF、ころ3の半径をr、傾斜角をβ
として、F=9、r=1.5 、β=15°の場合の計算を
行うと(計算は複雑であるため省略する)、ai、b
i、ao、boの値はそれぞれ、約7.5、30.1、
10.5、37となり、内外輪軌道面の単葉回転双曲面
の形状が与えられる。
2aは、ころ3と線状に接するように、それぞれ次式に
示す双曲線を中心軸5回りに回転させた単葉回転双曲面
としている。 yi2 /ai2 −xi2 /bi2 =1 yo2 /ao2 −xo2 /bo2 =1 図3はこのような双曲線の形状を示す。ここで、xi 、
xo は、それぞれ内輪軌道面1a、外輪軌道面2aの原
点から中心軸5方向への距離、yi 、yo は、それぞ
れ、中心軸5を含む任意断面における内輪軌道面1a、
外輪軌道面2aの中心軸5からの距離、又、ai、b
i、ao、boは定数である。今、内外輪の小径側の基
準面(双曲線の原点面)における中心軸5から軌道4の
中心Oまでの距離をF、ころ3の半径をr、傾斜角をβ
として、F=9、r=1.5 、β=15°の場合の計算を
行うと(計算は複雑であるため省略する)、ai、b
i、ao、boの値はそれぞれ、約7.5、30.1、
10.5、37となり、内外輪軌道面の単葉回転双曲面
の形状が与えられる。
【0013】以上のような構成により、例えば内輪1を
図1において右側から見て時計方向に回転させると、こ
ろ3は内輪軌道面1aに案内されて反時計方向に自転し
つつ内輪1上を公転する共に、内輪1上を中心軸方向に
おいて左から右方向に進む。このころ3の自転の方向
は、外輪軌道面2aに対しては反対方向になるので、こ
ろ3は外輪軌道面2aに対しては反対に右から左方向に
進む。その結果、内外輪1、2は、ころ3の回転に案内
されて中心軸5方向において互いに反対方向に動かさ
れ、軌道4の間隔が狭まり、内外輪間はクラッチされ
る。一方、内輪1が上記とは反対方向に回転すると、上
記と反対の動作が起こり、内外輪1、2間の軌道間隔が
広がり、内外輪間では自由回転が可能になる。そして外
輪2の回転はハウジング6に伝達され、外輪とハウジン
グ6とは一体として回転する。
図1において右側から見て時計方向に回転させると、こ
ろ3は内輪軌道面1aに案内されて反時計方向に自転し
つつ内輪1上を公転する共に、内輪1上を中心軸方向に
おいて左から右方向に進む。このころ3の自転の方向
は、外輪軌道面2aに対しては反対方向になるので、こ
ろ3は外輪軌道面2aに対しては反対に右から左方向に
進む。その結果、内外輪1、2は、ころ3の回転に案内
されて中心軸5方向において互いに反対方向に動かさ
れ、軌道4の間隔が狭まり、内外輪間はクラッチされ
る。一方、内輪1が上記とは反対方向に回転すると、上
記と反対の動作が起こり、内外輪1、2間の軌道間隔が
広がり、内外輪間では自由回転が可能になる。そして外
輪2の回転はハウジング6に伝達され、外輪とハウジン
グ6とは一体として回転する。
【0014】図4はころ3とスペーサーリテイナー12
の部分を拡大して示した図である。スペーサーリテイナ
ー12は、複数のころ3のそれぞれの間隔に介装され、
両側のころ3ー1、3ー2の円筒面3ー1a、3ー2a
と摺動する摺動面12ー1、12ー2を備えている。又
同図(b)に示す如く、ころ3の軸方向に適当な長さを
有する。この長さは、ころ3の回転を案内するためには
長い方が望ましいが、隣接するころ3の長さ以上に存在
する必要はない。
の部分を拡大して示した図である。スペーサーリテイナ
ー12は、複数のころ3のそれぞれの間隔に介装され、
両側のころ3ー1、3ー2の円筒面3ー1a、3ー2a
と摺動する摺動面12ー1、12ー2を備えている。又
同図(b)に示す如く、ころ3の軸方向に適当な長さを
有する。この長さは、ころ3の回転を案内するためには
長い方が望ましいが、隣接するころ3の長さ以上に存在
する必要はない。
【0015】このような摺動面12ー1、12ー2を設
けることにより、ころ3ー1、3ー2の円筒面3ー1
a、3ー2aがそれぞれ反対方向の周速度をもって衝突
することがなく、ころ3ー1、3ー2を円滑に回転させ
ることができる。そして、内外輪1、2間が自由回転方
向からクラッチ方向に回転してころ3が中心軸5方向に
も移動し、そのPCDが大きくなっても、スペーサーリ
テイナー12はそれぞれ独立していてその動きが自由で
あるため、ころ3の動きに追従することができる。その
結果、ころ3が軌道4においてどのような位置にあって
も、ころ3及びスペーサーリテイナー12が相互に干渉
し合ってその動きを妨げることがなく、ころ3はスペー
サーリテイナー12により良好に回転を案内される。更
に、同図(b)の鎖線で示す如く、軌道4の形状によっ
て定められるころ3の傾斜が、最初の設計値とは異なっ
たような場合にも、スペーサーリテイナー12がそれぞ
れ独立しているので、ころ3の傾斜に従ってその位置即
ち傾斜角が定まる。従ってこの場合にも、ころとスペー
サーリテイナー間が相互に干渉し合うという問題は生じ
ない。
けることにより、ころ3ー1、3ー2の円筒面3ー1
a、3ー2aがそれぞれ反対方向の周速度をもって衝突
することがなく、ころ3ー1、3ー2を円滑に回転させ
ることができる。そして、内外輪1、2間が自由回転方
向からクラッチ方向に回転してころ3が中心軸5方向に
も移動し、そのPCDが大きくなっても、スペーサーリ
テイナー12はそれぞれ独立していてその動きが自由で
あるため、ころ3の動きに追従することができる。その
結果、ころ3が軌道4においてどのような位置にあって
も、ころ3及びスペーサーリテイナー12が相互に干渉
し合ってその動きを妨げることがなく、ころ3はスペー
サーリテイナー12により良好に回転を案内される。更
に、同図(b)の鎖線で示す如く、軌道4の形状によっ
て定められるころ3の傾斜が、最初の設計値とは異なっ
たような場合にも、スペーサーリテイナー12がそれぞ
れ独立しているので、ころ3の傾斜に従ってその位置即
ち傾斜角が定まる。従ってこの場合にも、ころとスペー
サーリテイナー間が相互に干渉し合うという問題は生じ
ない。
【0016】なお図4(a)に示す如く、本実施例のス
ペーサーリテイナー12では、摺動面12ー1、12ー
2をころ3ー1、3ー2の円筒面3ー1a、3ー2aの
曲率より大きい曲率で凹状に形成し、回転していない状
態では、その中心部がころ3のPCD上でその円筒面3
ー1a、3ー2aに接触するようにしている。そして更
に、スペーサーリテイナー12の上下部分12ー3、1
2ー4と内外輪軌道面1a、2aとの間には、適当な隙
間を設けている。
ペーサーリテイナー12では、摺動面12ー1、12ー
2をころ3ー1、3ー2の円筒面3ー1a、3ー2aの
曲率より大きい曲率で凹状に形成し、回転していない状
態では、その中心部がころ3のPCD上でその円筒面3
ー1a、3ー2aに接触するようにしている。そして更
に、スペーサーリテイナー12の上下部分12ー3、1
2ー4と内外輪軌道面1a、2aとの間には、適当な隙
間を設けている。
【0017】図5は、内外輪1、2間が回転し、それに
伴って、軌道4内でころ3が自転・公転し、スペーサー
リテイナー12も公転しているときの状態を示す。この
ときには、スペーサーリテイナー12は、ころ3のPC
Dの位置から僅かな距離e1=e2 だけ離れた点P1 、
P2 で両側のころ3ー1、3ー2と接触し、ころ3か
ら、押圧力H1 =H2 及び摺動による摩擦力F1 =F2
を受ける。そして、これらの力のモーメント2H1 ・e
とF1 ・d(dはスペーサーリテイナー12の喉部の
幅)とが釣り合うことにより、スペーサーリテイナー1
2の回転方向における位置が定まり、それ自体は回転す
ることなくころ3の回転を案内する。スペーサーリテイ
ナー12をこのような形状にすることにより、接触面に
おける摩擦抵抗を少なくすると共に、ころ3と内外輪軌
道面1a、2aとの間で、スペーサーリテイナー12の
摺動面12ー1、12ー2の端部を挟み込まれることが
なく、ころ3を円滑に案内することができる。
伴って、軌道4内でころ3が自転・公転し、スペーサー
リテイナー12も公転しているときの状態を示す。この
ときには、スペーサーリテイナー12は、ころ3のPC
Dの位置から僅かな距離e1=e2 だけ離れた点P1 、
P2 で両側のころ3ー1、3ー2と接触し、ころ3か
ら、押圧力H1 =H2 及び摺動による摩擦力F1 =F2
を受ける。そして、これらの力のモーメント2H1 ・e
とF1 ・d(dはスペーサーリテイナー12の喉部の
幅)とが釣り合うことにより、スペーサーリテイナー1
2の回転方向における位置が定まり、それ自体は回転す
ることなくころ3の回転を案内する。スペーサーリテイ
ナー12をこのような形状にすることにより、接触面に
おける摩擦抵抗を少なくすると共に、ころ3と内外輪軌
道面1a、2aとの間で、スペーサーリテイナー12の
摺動面12ー1、12ー2の端部を挟み込まれることが
なく、ころ3を円滑に案内することができる。
【0018】以上の実施例では、傾斜ころ軸受状構造物
としてころがり軸受クラッチの一例について説明した
が、本発明は、他の構造のころがり軸受クラッチはもと
より、トルクリミッタ、トルク吸収装置、その他内外輪
間に傾斜ころを配設してその間を中間部材で案内する構
造のものには、全て適用できるものである。そして、例
えば図6に示す如く、本発明をトルクリミッタ等におい
てトルク調節又はトルク吸収に用いる場合には、その端
部の配置が容易になる。即ち、同図(b)に示す如く円
筒状のリテイナー12´を設けた場合には、ころ3の両
端部にリテイナー12´が張り出して端部の配置が制限
されるが、スペーサーリテイナー12を設けると、その
長さはころ3の長さだけあれば十分であるから、移動部
材13と間隙dを隔てて停止部材14とを設け、ころ3
の端部をトルクリミッタ部として有効に活用することが
できる。この場合、停止部材14を移動可能にして、ば
ね15を介して調整ナット16を設ければ、吸収トルク
の調節も可能になる。
としてころがり軸受クラッチの一例について説明した
が、本発明は、他の構造のころがり軸受クラッチはもと
より、トルクリミッタ、トルク吸収装置、その他内外輪
間に傾斜ころを配設してその間を中間部材で案内する構
造のものには、全て適用できるものである。そして、例
えば図6に示す如く、本発明をトルクリミッタ等におい
てトルク調節又はトルク吸収に用いる場合には、その端
部の配置が容易になる。即ち、同図(b)に示す如く円
筒状のリテイナー12´を設けた場合には、ころ3の両
端部にリテイナー12´が張り出して端部の配置が制限
されるが、スペーサーリテイナー12を設けると、その
長さはころ3の長さだけあれば十分であるから、移動部
材13と間隙dを隔てて停止部材14とを設け、ころ3
の端部をトルクリミッタ部として有効に活用することが
できる。この場合、停止部材14を移動可能にして、ば
ね15を介して調整ナット16を設ければ、吸収トルク
の調節も可能になる。
【0019】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、クラッチ時
にころが移動してそのPCDが大きくなったり、ころの
傾斜角が計画通りの角度でなかった場合でも、中間部材
が自動的にころの動きや傾斜角に追従するので、ころと
中間部材とが相互に干渉して強く接触するようなことが
なく、発熱や焼け付きを防止することができる。又、中
間部材がころの軸方向においてその長さ以上に張り出す
ことがないので、ころの両端部近辺の設計の自由度を向
上させることができる。
にころが移動してそのPCDが大きくなったり、ころの
傾斜角が計画通りの角度でなかった場合でも、中間部材
が自動的にころの動きや傾斜角に追従するので、ころと
中間部材とが相互に干渉して強く接触するようなことが
なく、発熱や焼け付きを防止することができる。又、中
間部材がころの軸方向においてその長さ以上に張り出す
ことがないので、ころの両端部近辺の設計の自由度を向
上させることができる。
【図1】実施例の傾斜ころ軸受状構造物の一例であるこ
ろがり軸受クラッチの断面図である
ろがり軸受クラッチの断面図である
【図2】上記ころがり軸受クラッチのころの配置を示す
斜視図である。
斜視図である。
【図3】上記ころがり軸受クラッチの内外輪軌道面の形
状を示す曲線図である。
状を示す曲線図である。
【図4】上記ころがり軸受クラッチのころとスペーサー
リテイナー部分を示す図で、(a)は断面図であり、
(b)は平面図である。
リテイナー部分を示す図で、(a)は断面図であり、
(b)は平面図である。
【図5】上記ころがり軸受クラッチのころとスペーサー
リテイナー部分の作動を示す説明図である。
リテイナー部分の作動を示す説明図である。
【図6】(a)はトルクリミッタの端部構造例を示す断
面図であり、(b)は円筒リテイナーを設けた場合のこ
ろ部分の断面図である。
面図であり、(b)は円筒リテイナーを設けた場合のこ
ろ部分の断面図である。
1 内輪(内側回転体) 1a 内輪軌道面(外表面) 2 外輪 2a 外輪軌道面(内表面) 3 ころ 3ー1、3ー2 円筒面 4 軌道 5 中心軸 12 スペーサーリテイナー 12ー1、12ー2 摺動部
Claims (1)
- 【請求項1】 内側回転体の外表面と外輪の内表面との
間で軌道を形成し、前記外表面及び前記内表面を前記内
側回転体の中心軸を中心とする単葉回転双曲面とし、前
記軌道面に線状に接触するように一定角度傾斜させて前
記軌道の円周方向に複数個の円筒状のころをそれぞれ間
隔を隔てて配設した、傾斜ころ軸受状構造物において、 前記それぞれの間隔に介装され前記ころの円筒面と摺動
する摺動面を備えた中間部材を有することを特徴とする
傾斜ころ軸受状構造物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4207585A JPH0674253A (ja) | 1992-07-10 | 1992-07-10 | 傾斜ころ軸受状構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4207585A JPH0674253A (ja) | 1992-07-10 | 1992-07-10 | 傾斜ころ軸受状構造物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0674253A true JPH0674253A (ja) | 1994-03-15 |
Family
ID=16542204
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4207585A Pending JPH0674253A (ja) | 1992-07-10 | 1992-07-10 | 傾斜ころ軸受状構造物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0674253A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007162926A (ja) * | 2005-12-13 | 2007-06-28 | Shiro Sawa | 流体摩擦伝達力制限装置 |
CN114737042A (zh) * | 2022-04-18 | 2022-07-12 | 福建龙溪轴承(集团)股份有限公司 | 一种关节轴承内圈外球面的高频感应热处理装置 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0374641A (ja) * | 1989-05-08 | 1991-03-29 | Nobuo Takada | ころがり軸受クラッチ |
-
1992
- 1992-07-10 JP JP4207585A patent/JPH0674253A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0374641A (ja) * | 1989-05-08 | 1991-03-29 | Nobuo Takada | ころがり軸受クラッチ |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007162926A (ja) * | 2005-12-13 | 2007-06-28 | Shiro Sawa | 流体摩擦伝達力制限装置 |
JP4614167B2 (ja) * | 2005-12-13 | 2011-01-19 | 司郎 澤 | 流体摩擦伝達力制限装置 |
CN114737042A (zh) * | 2022-04-18 | 2022-07-12 | 福建龙溪轴承(集团)股份有限公司 | 一种关节轴承内圈外球面的高频感应热处理装置 |
CN114737042B (zh) * | 2022-04-18 | 2024-06-11 | 福建龙溪轴承(集团)股份有限公司 | 一种关节轴承内圈外球面的高频感应热处理装置 |
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