JPH0833843A - 燃焼排ガス中の窒素酸化物還元除去用触媒 - Google Patents

燃焼排ガス中の窒素酸化物還元除去用触媒

Info

Publication number
JPH0833843A
JPH0833843A JP6191828A JP19182894A JPH0833843A JP H0833843 A JPH0833843 A JP H0833843A JP 6191828 A JP6191828 A JP 6191828A JP 19182894 A JP19182894 A JP 19182894A JP H0833843 A JPH0833843 A JP H0833843A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
catalyst
supported
activated carbon
carbonaceous material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6191828A
Other languages
English (en)
Inventor
Ataru Wakabayashi
中 若林
Yoichi Umehara
洋一 梅原
Hisanori Sonehara
尚紀 曽根原
Takashi Kimura
隆志 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chiyoda Corp, Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd filed Critical Chiyoda Corp
Priority to JP6191828A priority Critical patent/JPH0833843A/ja
Publication of JPH0833843A publication Critical patent/JPH0833843A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高脱硝活性を有し、長期間の使用において十
分な脱硝性能を示し、且つ、亜酸化窒素の副生も少な
い、低温の燃焼排ガスからアンモニアの存在下で窒素酸
化物を還元除去可能な脱硝触媒の提供。 【構成】 炭素質材料に、少なくともバナジウム化合
物、臭素化合物及び白金族金属が担持され、更に、モリ
ブデン化合物、タングステン化合物及びセリウム化合物
から選ばれる1種以上、銅化合物、または、銅化合物及
びクロム化合物が担持されてなることを特徴とする燃焼
排ガス中の窒素酸化物還元除去用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃焼排ガス中の窒素酸
化物還元除去用触媒に関し、更に詳しくは、湿式脱硫後
等の比較的低温の燃焼排ガスからアンモニアの存在下で
窒素酸化物を還元除去できる燃焼排ガス中の窒素酸化物
還元除去用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球規模で環境汚染が問題とな
り、汚染防止のための対策が種々提案されたり、また、
排水、排ガス等の排出基準等も見直され検討されてい
る。大気汚染源となっている燃焼排ガスは、より厳しく
規制されることになる。燃焼排ガス中には大気の二大汚
染源である硫黄酸化物(SOx)と窒素酸化物(NO
x)とが含まれ、燃焼排ガス処理に関する技術はいかに
これらSOx及びNOxを除去するかである。SOxに
関しては各種の実用的な脱硫技術が確立され、既に優れ
た数多くの実装置が稼動して効果をあげている。一方、
NOxに関しても、各種の脱硝技術も提案され実施さ
れ、現在最も多く採用されている脱硝技術は、チタニア
等セラミックス担体に五酸化バナジウム等のバナジウム
酸化物を担持させた触媒を用い、アンモニアの存在下で
NOxを還元して窒素として無害化を図るものである。
この触媒は250〜400℃の高温において活性を示す
ため、バーナー燃焼用空気を予熱するエアーヒータより
上流側のボイラーから出た後に、上記触媒を用いた脱硝
装置を設置する必要があった。しかし、この場合、脱硝
装置でSOxが酸化され生成する三酸化硫黄(SO3
と脱硝時に添加されるアンモニアとの反応で生成する酸
性硫酸アンモニウム(NH4 HSO4 )によると考えら
れるエアーヒータの支障が多く問題となっていた。
【0003】このため、脱硝装置の設置を上記エアーヒ
ータの上流側から下流側に変更することを目的に、下流
の約130〜150℃の比較的低い温度の低温燃焼排ガ
スからのNOxを無害化除去するための触媒として、活
性炭や活性コークス等の炭素質材料を触媒とする方法が
提案された。この場合でも、燃焼排ガス中にSOxが存
在する場合は、同様に、硫酸アンモニウム((NH4)2
4)やNH4 HSO4が生成し、活性炭等の触媒活性を
低下させる等の支障がある。従って、近年、排ガス中の
硫黄酸化物を除去後に窒素酸化物を除去する方法が試み
られたが、硫黄酸化物の除去に通常使用される湿式排煙
脱硫装置から排出される排ガスの温度は約50℃と低
く、ガス−ガス・ヒータを用い加熱したとしても100
℃程度であり、上記活性炭等触媒でも反応速度が遅く、
実用性に乏しい。そのため、更に、100℃以下の低温
で脱硝活性がある触媒の開発が進められ、例えば、特開
昭51−88470号公報や「ブレチン・オブ・ザ・ケ
ミカル・ソサイアティ・オブ・ジャパン(Bulletin of t
he Chemical Society of Japan)」第3724〜372
7頁、第52巻(第12号)(1979)において、活
性炭に臭化銅を担持させた触媒が提案され、また、特開
昭64−58330号公報では、活性炭等の炭素材料
に、例えばバナジウム、チタニア、クロム、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケル、銅等各種金属のハロゲン化物
を担持した触媒を用いる脱硝が提案され、特に、塩化銅
や臭化銅担持触媒が高い脱硝活性があることが示されて
いる。
【0004】上記臭化銅担持の活性炭触媒は、発明者ら
によれば地球温暖化の元凶である亜酸化窒素(N2 O)
を大量に副生し、大気汚染を防止する脱硝処理が、異な
る汚染発生源となるという問題があることが知見され
た。発明者らは、これらの状況から、また上記知見に基
づき、先に、特願平5−124007号で炭素質材料に
バナジウム化合物及び臭素化合物を担持した排ガス用脱
硝触媒を、特願平5−143324号で炭素質材料にバ
ナジウム化合物、臭素化合物、銅化合物及び/またはク
ロム化合物を担持した排ガス用脱硝触媒を、並びに、特
願平5−143321号で炭素質材料にバナジウム化合
物、臭素化合物、並びに、モリブデン、タングステン及
びセリウムの化合物の少なくとも1種を担持した排ガス
用脱硝触媒を、それぞれ提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発明者
らは、上記提案の各触媒の使用等について検討した結
果、炭素質材料にバナジウム化合物及び臭素化合物を担
持した触媒は、操作時間の経過と共に僅かずつではある
がその触媒活性が低下し、操作初期に比し脱硝率が徐々
に低下することを知見した。更に、炭素質材料にバナジ
ウム化合物、臭素化合物及び銅化合物を担持した触媒、
炭素質材料にバナジウム化合物、臭素化合物、銅化合物
及びクロム化合物を担持した触媒、または、炭素質材料
にバナジウム化合物、臭素化合物、並びに、モリブデ
ン、タングステン及びセリウムの化合物の少なくとも1
種を担持した触媒は、脱硝活性の安定性を図るためバナ
ジウム化合物及び臭素化合物を担持した触媒に更に金属
化合物を添加したことにより、初期脱硝活性がバナジウ
ム化合物及び臭素化合物を担持した触媒に比べ若干低い
ことが知見された。このため、発明者らは、上記提案の
脱硝触媒のうち、炭素質材料にバナジウム化合物及び臭
素化合物を担持した触媒については、初期脱硝活性を向
上させ、長期間の使用による多少の脱硝率低下を補うこ
とができるより優れたものとすること、また、残りの2
触媒についても初期脱硝活性を向上させることを目的に
更に研究を重ねた。その結果、白金族金属を更に担持す
ることにより、上記目的が達成できることを見出し、本
発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、炭素質
材料に、バナジウム化合物、臭素化合物及び白金族金属
を担持してなることを特徴とする燃焼排ガス中の窒素酸
化物還元除去用触媒が提供される。また、炭素質材料
に、バナジウム化合物、臭素化合物、銅化合物及び白金
族金属を担持してなることを特徴とする燃焼排ガス中の
窒素酸化物還元除去用触媒が提供される。更に、炭素質
材料に、バナジウム化合物、臭素化合物、銅化合物、ク
ロム化合物及び白金族金属を担持してなることを特徴と
する燃焼排ガス中の窒素酸化物還元除去用触媒が提供さ
れる。更にまた、炭素質材料に、バナジウム化合物、臭
素化合物、白金族金属、並びに、モリブデン、タングス
テン及びセリウムの化合物から選ばれた少なくとも1種
を担持してなることを特徴とする燃焼排ガス中の窒素酸
化物還元除去用触媒が提供される。
【0007】
【作用】本発明は上記のように構成され、炭素質材料
に、(1)バナジウム化合物、臭素化合物及び白金族金
属の3成分を、(2)バナジウム化合物、臭素化合物、
銅化合物及び白金族金属の4成分を、(3)バナジウム
化合物、臭素化合物、銅化合物、クロム化合物及び白金
族金属の5成分を、または(4)バナジウム化合物、臭
素化合物、白金族金属、並びに、モリブデン(Mo)、
タングステン(W)及びセリウム(Ce)の化合物から
選ばれた少なくとも1種の4成分以上を、それぞれ担持
することにより、各担持触媒成分中の白金族金属が有効
に作用し、100℃以下の低温燃焼排ガスに対する脱硝
性能が更に向上し、初期段階から高脱硝率で燃焼排ガス
から窒素酸化物を還元除去し、上記(1)の触媒につい
ても長期間の処理における脱硝性能の低下を補償するこ
とができる。また、上記担持成分中の白金族金属を担持
しない状態の脱硝触媒は、本来、亜酸化窒素(N2 O)
を副生しないまたは副生が少ないという優れた特性を有
するが、白金族金属を担持させてもその特性を損なうこ
となく高脱硝率で燃焼排ガスを処理することができる。
【0008】以下、本発明について、更に詳細に説明す
る。本発明に使用される触媒担体である炭素質材料とし
ては、木炭、ヤシ殻等木質系活性炭、コールタールピッ
チ等石炭系活性炭、石油ピッチ等石油系活性炭等の各種
活性炭、活性コークス、活性炭素繊維等の炭素質物であ
って、その比表面積が10m2 /g以上のものであれば
よく、それらの中から任意のものを各種使用条件等に合
わせ適宜選択して使用することができる。好ましくは、
比表面積が100〜2000m2 /g、より好ましく
は、500〜1500m2 /gの活性炭系炭素質を用い
ることができる。炭素質材料の比表面積が10m2 /g
未満であると所定の触媒活性が得られない。
【0009】本発明において、触媒活性成分のバナジウ
ム化合物は、3価、4価及び5価のいずれかのバナジウ
ムの酸化物、無機酸塩または有機酸塩を用いて、上記炭
素質材料に担持することができる。通常、メタバナジン
酸アンモニウムを蓚酸で還元したものや、硫酸バナジル
を好適に用いることができる。担持法としては、スプレ
ー法、浸漬含浸法、混練法等の公知のいずれの方法でも
使用できる。通常、スプレー法や浸漬含浸法が用いられ
る。例えば、上記バナジウム化合物を水等の可溶溶媒に
溶解し、その溶液中に上記炭素質材料を浸漬した後、室
温〜200℃で乾燥し、その後、窒素等の不活性気流中
200〜600℃で焼成して、バナジウム担持炭素質担
体とすることができる。上記のようにして担持したバナ
ジウム化合物は、最終的に担体上においては、一般に、
酸化物の形態を採るものと推定される。本発明の触媒に
おいて、バナジウム(V)担持量は、バナジウム元素基
準で0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%で
ある。0.1重量%未満であると十分な脱硝性能が得ら
れず、20重量%を超えて担持すると炭素質材料の比表
面積が低下するため逆効果となり好ましくない。
【0010】本発明の他の触媒活性成分の臭素化合物
は、臭化水素酸、臭化アンモニウム、臭化ナトリウム等
のアルカリ金属塩、臭化マグネシウム等のアルカリ土類
金属塩等を用いて、上記炭素質材料に担持することがで
きる。通常、臭化水素酸または臭化アンモニウムを用い
る。炭素質材料への担持は、上記バナジウム化合物と同
様に公知のいずれの方法でもよく、例えば臭化物等の水
溶液に炭素質材料を浸漬し、含浸後、室温〜150℃で
乾燥して、担持する。また、乾燥後、要すれば、窒素等
の不活性気流中150〜600℃で焼成してもよい。本
発明の触媒において、臭素(Br)担持量は、臭素元素
基準で0.1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%
である。0.1重量%未満であると十分な脱硝性能が得
られず、20重量%を超えて担持すると炭素質材料の比
表面積が減少するため好ましくない。
【0011】本発明の他の触媒活性成分の銅(Cu)化
合物としては、1価及び2価のいずれかの銅の酸化物、
無機酸塩、有機酸塩を用い、上記炭素質材料に担持する
ことができる。通常、硝酸銅または硫酸銅が好適に用い
られる。また、クロム(Cr)化合物としては、2価、
3価のいずれかの酸化物、無機酸塩、または、有機酸塩
を用いて、上記炭素質材料に担持することができる。通
常、硝酸クロムまたは硫酸クロムが好適に用いられる。
炭素質材料への担持は、Cu及びCrの化合物のいずれ
も上記バナジウム化合物と同様に公知のいずれの方法で
もよい。本発明において、上記のCuの担持量は、元素
基準で上記V担持量に対し、モル比で0.1〜2.0、
好ましくは0.2〜1.0である。この担持量が0.1
モル未満では、十分な脱硝活性の安定性が得られず、一
方、2.0モルを超えて担持してもそれ以上の効果は得
られない。また、Crの担持量は、上記Cu担持量に対
し、モル比で1以上であり、好ましくは1〜2である。
このモル比が1未満であるとN2 Oの生成に対しての抑
制効果が低くなり、また2を超えて担持してもそれ以上
の効果は得られない。
【0012】本発明の他の触媒活性成分のモリブデン
(Mo)、タングステン(W)及びセリウム(Ce)の
各化合物のうち、モリブデン(Mo)及びタングステン
(W)化合物としては、2価、3価、4価、5価、6価
のいずれかの酸化物、無機酸塩、または、有機酸塩を用
いて、上記炭素質材料に担持することができる。通常、
モリブデン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモ
ニウムが好適に用いられる。また、セリウム(Ce)化
合物としては3価または4価の酸化物、無機酸塩、有機
酸塩のいずれかを用いて担持することができる。通常、
硝酸セリウムを好適に用いることができる。炭素質材料
への担持は、上記バナジウム化合物と同様に公知のいず
れの方法でもよく、例えば、上記Mo、W、Ce化合物
の水溶液に炭素質材料を浸漬し、含浸後、室温〜200
℃で乾燥して担持する。また、乾燥後、要すれば、窒素
等の不活性気流中200〜600℃で焼成してもよい。
上記のようにして担持したMo、W及びCe化合物の1
種以上の各化合物は、最終的に担体上においては、一般
に、酸化物の形態を採るものと推定される。本発明の触
媒において、上記Mo、W及びCeの化合物から選ばれ
る1種以上化合物の担持量は、上記V担持量に対し、モ
ル比で0.1〜2であり、好ましくは0.2〜1.5で
ある。このモル比が0.1未満であると十分な脱硝活性
の安定性が得られず、また2を超えて担持してもそれ以
上の効果は得られない。
【0013】本発明の他の触媒活性成分の白金族金属と
しては、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラ
ジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(I
r)、または、白金(Pt)の酸化物、無機酸塩、有機
酸塩を用いて、上記炭素質材料に担持することができ
る。通常、無機酸塩を好適に用いることができる。上記
白金族金属のうち、好ましくはPtが用いられる。担持
法としては、スプレー法、含浸法、混練法等の公知のい
ずれの方法でも使用できる。通常、スプレー法や含浸法
が用いられる。例えば、上記白金族金属化合物を水等の
可溶溶媒に溶解し、その溶液中に上記炭素質材料を浸漬
した後、室温〜200℃で乾燥し、その後、窒素等の不
活性気流中200〜600℃で焼成して、白金族金属担
持炭素質担体とすることができる。上記のようにして担
持した白金族金属化合物は、最終的に担体上において
は、一般に、金属または金属酸化物の形態を採るものと
推定される。本発明の触媒において、白金族金属担持量
は、白金族金属元素基準で0.0001〜0.1重量
%、好ましくは0.01〜0.05重量%である。0.
0001重量%未満であると担持した効果が殆ど得られ
ず、0.1重量%を超えて担持してもそれ以上の効果が
得られない。
【0014】本発明の燃焼排ガス窒素酸化物の還元除去
用触媒は、上記のように、好ましくは活性炭系炭素質材
料へ、バナジウム化合物、臭素化合物、白金族金属化合
物、並びに、モリブデン、タングステン及びセリウムの
化合物から選ばれる1種以上の化合物、銅化合物、また
は、銅化合物及びクロム化合物からなる少なくとも4成
分を触媒成分として担持して形成することができる。上
記各触媒成分は、それぞれ別々に担持してもよいし、使
用する各触媒成分の化合物によっては、例えば浸漬含浸
法であれば、混合溶液を用い同時に担持することもでき
る。また、スプレー法であれば、各成分担持を順次行
い、乾燥、焼成を共通させて一段とすることができる。
別々に担持させる場合、好ましくは、バナジウム成分、
白金族金属成分、並びに、モリブデン、タングステン及
びセリウムから選ばれた1種以上の成分、銅成分または
銅成分及びクロム成分等の金属成分を先に担持し、その
後、臭素成分を担持するのが好ましい。また、スプレー
法や含浸法においては、担持を減圧下で行うことによ
り、各担持成分を炭素質材料担体に均一に担持させるこ
とができ好ましい。更に、臭素化合物として、バナジウ
ム、銅、クロム、モリブデン、タングステン、セリウ
ム、白金族金属の塩として担持することもできる。この
場合、担持量を勘案して、不足量を別途担持することも
できる。
【0015】
【実施例】本発明について実施例に基づき、更に詳細に
説明する。但し、本発明は、下記の実施例に制限される
ものでない。 実施例1 メタバナジン酸アンモニウムを蓚酸で還元して調製した
バナジウムイオン0.5モル/リットル含有水溶液20
0mlに、市販粒状活性炭(武田薬品工業(株)製、商
品名GX、比表面積約1,000m2 /g) 100g を
加え減圧下で浸漬し、Vを含浸して濾過分離した。次い
で、得られたV含浸活性炭を、100℃の乾燥器中で1
2時間乾燥した後、窒素気流中450℃で5時間焼成
し、室温まで冷却しV担持活性炭を得た。上記のように
して得たV担持活性炭を、0.0001モル/リットル
の塩化白金酸水溶液200mlに減圧下で浸漬し、Pt
を含浸して濾過分離した。得られたPt含浸V担持活性
炭を100℃の乾燥器中で12時間乾燥した後、窒素気
流中450℃で5時間焼成し、V−Pt担持活性炭を得
た。次いで、得られたV−Pt担持活性炭を1モル/リ
ットルの臭化水素酸水溶液200mlに減圧下で浸漬
し、Brを含浸して濾過分離した。得られたBr含浸V
−Pt担持活性炭を110℃の乾燥器中で12時間乾燥
し、V−Pt−Br担持活性炭触媒を得た。得られたV
−Pt−Br担持活性炭触媒は、バナジウム担持量4.
1重量%、白金担持量0.0015重量%、臭素担持量
6.1重量%であった。
【0016】上記で得たV−Pt−Br担持活性炭触媒
を、内径30mmφで高さ500mmのガラス製脱硝反
応管に212ml充填し、触媒固定床を形成した。この
反応管に、温度100℃、SV2,750/時で、酸化
窒素(NO)500ppm、酸素(O2 )5容量%、炭
酸ガス(CO2 )12容量%、水(H2 O)9.5容量
%を含有し、残部が窒素ガスからなる疑似燃焼排ガス
に、アンモニア(NH3)500ppmを添加して、連
続して流通処理した。表1に示した各処理時間における
処理ガス組成を(株)島津製作所製化学発光式NOx計
にて測定し、脱硝率を算出した。亜酸化窒素(N2 O)
の生成量は、ガスクロマトグラフィのカラムにユニビー
ズC(ジーエルサイエンス製)を充填して測定した。な
お、脱硝率(%)は、(NO入口濃度−NO出口濃度)
/NO入口濃度×100で算出した。その結果を、表1
に示した。また、表中の生成N2 Oの濃度(ppm)
は、処理時間を通しての平均値である(以下同じ)。
【0017】実施例2〜3 実施例1において、塩化白金酸水溶液濃度を0.001
モル/リットル(実施例2)または0.007モル/リ
ットル(実施例3)とした以外は同様にして表1に示し
た成分担持量のV−Pt−Br担持活性炭触媒を調製し
た。得られたV−Pt−Br担持活性炭触媒を用い、実
施例1と同様に疑似燃焼排ガスを処理した。その結果を
表1に示した。
【0018】実施例4 実施例1と同様な方法で調製したV担持活性炭100g
を0.5モル/リットルの硝酸第二銅水溶液200ml
に減圧下で浸漬し、Cuを含浸し濾過分離した。得られ
たCu含浸V担持活性炭を100℃の乾燥器中で12時
間乾燥した後、窒素気流中450℃で5時間焼成した。
得られたV−Cu担持活性炭を、0.0001モル/リ
ットルの塩化白金酸水溶液200mlに減圧下で浸漬
し、Ptを含浸して濾過分離した。得られたPt含浸V
−Cu担持活性炭を100℃の乾燥器中で12時間乾燥
した後、窒素気流中450℃で5時間焼成し、V−Cu
−Pt担持活性炭を得た。次いで、得られたV−Cu−
Pt担持活性炭を1モル/リットルの臭化水素酸水溶液
200mlに減圧下で浸漬し、Brを含浸して濾過分離
した。得られたBr含浸V−Cu−Pt担持活性炭を1
10℃の乾燥器中で12時間乾燥し、V−Pt−Br担
持活性炭触媒を得た。得られたV−Cu−Pt−Br担
持活性炭触媒は、バナジウム担持量4.1重量%、銅担
持量2.6重量%、白金担持量0.0014重量%、臭
素担持量6.2重量%であった。得られたV−Cu−P
t−Br担持活性炭触媒を用い、実施例1と同様に疑似
燃焼排ガスを処理した。その結果を表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】実施例5〜6 実施例2において、塩化白金酸水溶液濃度を0.001
モル/リットル(実施例5)または0.007モル/リ
ットル(実施例6)とした以外は同様にして表1に示し
た各成分担持量のV−Cu−Pt−Br担持活性炭触媒
をそれぞれ調製した。得られた各V−Cu−Pt−Br
担持活性炭触媒を用い、実施例1と同様に疑似燃焼排ガ
スをそれぞれ処理した。その結果を表1に示した。
【0021】実施例7 実施例1と同様な方法で調製したV担持活性炭100g
を、0.2モル/リットルの硝酸第二銅と0.5モル/
リットルの硝酸クロム(III)との混合水溶液200ml
に減圧下で浸漬し、CuとCrを含浸し濾過分離した。
得られたCu−Cr含浸V担持活性炭を100℃の乾燥
器中で12時間乾燥した後、窒素気流中450℃で5時
間焼成し、V−Cu−Cr担持活性炭を得た。得られた
V−Cu−Cr担持活性炭を、0.001モル/リット
ルの塩化白金酸水溶液200mlに減圧下で浸漬をした
以外は実施例4と同様にして、表1に示した成分担持量
のV−Cu−Cr−Pt−Br担持活性炭触媒を得た。
得られたV−Cu−Cr−Pt−Br担持活性炭触媒を
用い、実施例1と同様に疑似燃焼排ガスを処理した。そ
の結果を表1に示した。
【0022】実施例8〜10 実施例1と同様な方法で調製したV担持活性炭100g
を、1モル/リットルのモリブデン酸アンモニウム水溶
液200mlに減圧下で浸漬し、Moを含浸し、100
℃で12時間乾燥後、450℃で5時間焼成した以外
は、実施例1と同様にして、表1に示した成分担持量の
V−Mo−Pt−Br担持活性炭触媒を得た(実施例
8)。また、上記V−Mo−Pt−Br担持活性炭触媒
の調製で、塩化白金酸水溶液の濃度を、実施例2及び3
と同様にした以外は同様にして、表1に示した各成分担
持量のV−Mo−Pt−Br担持活性炭触媒をそれぞれ
得た(実施例9〜10)。得られた各V−Mo−Pt−
Br担持活性炭触媒を用い、実施例1と同様に疑似燃焼
排ガスをそれぞれ処理した。その結果を表1に示した。
【0023】実施例11 実施例1と同様な方法で調製したV担持活性炭100g
に、Wを0.05モル/リットル含有するパラタングス
テン酸アンモニウム水溶液400mlに浸漬した後、エ
バポレータにて減圧乾燥した。得られたW含浸V担持活
性炭を、更に、100℃の乾燥器中で12時間乾燥し
た。表1に示したW担持量となるように、上記W含浸操
作を4回繰り返し、乾燥後、窒素気流中450℃で5時
間焼成し、V−W担持活性炭を得た。得られたV−W担
持活性炭を、実施例2と同様にして表1に示した各成分
担持量のV−W−Pt−Br担持活性炭触媒を調製し
た。得られた各V−W−Pt−Br担持活性炭触媒を用
い、実施例1と同様に疑似燃焼排ガスをそれぞれ処理し
た。その結果を表1に示した。
【0024】実施例12 実施例1と同様な方法で調製したV担持活性炭100g
を、1モル/リットルの硝酸セリウム水溶液200ml
に減圧下で浸漬し、Ceを含浸し、100℃で12時間
乾燥後、450℃で5時間焼成した以外は、実施例2と
同様にして、表1に示した各成分担持量のV−Ce−P
t−Br担持活性炭触媒を調製した。得られた各V−C
e−Pt−Br担持活性炭触媒を用い、実施例1と同様
に疑似燃焼排ガスをそれぞれ処理した。その結果を表1
に示した。
【0025】比較例1 貴金属成分を担持しない以外は実施例1と同様にして、
表2に示した各成分担持量のV−Br担持活性炭触媒を
調製した。得られたV−Br担持活性炭触媒を用い、実
施例1と同様に疑似燃焼排ガスをそれぞれ処理した。そ
の結果を表2に示した。
【0026】比較例2 貴金属成分を担持しない以外は実施例4と同様にして、
表2に示した各成分担持量のV−Cu−Br担持活性炭
触媒を調製した。得られたV−Cu−Br担持活性炭触
媒を用い、実施例1と同様に疑似燃焼排ガスをそれぞれ
処理した。その結果を表2に示した。
【0027】
【表2】
【0028】比較例3 貴金属成分を担持しない以外は実施例7と同様にして、
表2に示した各成分担持量のV−Cu−Cr−Br担持
活性炭触媒を調製した。得られたV−Cu−Cr−Br
担持活性炭触媒を用い、実施例1と同様に疑似燃焼排ガ
スをそれぞれ処理した。その結果を表2に示した。
【0029】比較例4 貴金属成分を担持しない以外は実施例8と同様にして、
表2に示した各成分担持量のV−Mo−Br担持活性炭
触媒を調製した。得られたV−Mo−Br担持活性炭触
媒を用い、実施例1と同様に疑似燃焼排ガスを処理し
た。その結果を表2に示した。
【0030】比較例5 貴金属成分を担持しない以外は実施例11と同様にし
て、表2に示した各成分担持量のV−W−Br担持活性
炭触媒を調製した。得られたV−W−Br担持活性炭触
媒を用い、実施例1と同様に疑似燃焼排ガスを処理し
た。その結果を表2に示した。
【0031】比較例6 貴金属成分を担持しない以外は実施例12と同様にし
て、表2に示した各成分担持量のV−Ce−Br担持活
性炭触媒を調製した。得られたV−Ce−Br担持活性
炭触媒を用い、実施例1と同様に疑似燃焼排ガスを処理
した。その結果を表2に示した。
【0032】上記実施例及び比較例より明らかなよう
に、本発明のV−Pt−Br担持活性炭触媒、V−Cu
−Pt−Br担持活性炭触媒、V−Cu−Cr−Pt−
Br担持活性炭触媒、V−Mo−Pt−Br担持活性炭
触媒、V−W−Pt−Br担持活性炭触媒及びV−Ce
−Pt−Br担持活性炭触媒は、それぞれPt成分が担
持されない触媒に比し、初期の活性が著しく高く、V−
Pt−Br担持活性炭触媒については長期間の使用にお
いて活性が低下しても、なお十分な脱硝性能を有し、燃
焼排ガス中の窒素酸化物を効果的に除去できることが分
かる。また、N2Oの生成についてもPt成分が担持さ
れない触媒と同等であることが分かる。
【0033】
【発明の効果】本発明の燃焼排ガス中の窒素酸化物還元
除去用触媒は、亜酸化窒素の副生がないか、若しくは少
なく長期間に渡り、比較的低温の燃焼排ガスから窒素酸
化物を十分還元除去できる。従って、湿式排煙脱硫後等
の比較的低温の燃焼排ガスを、大きい空間速度で、即
ち、小さな反応器で処理して、その中に含有される窒素
酸化物を長時間安定的に還元除去することができ、環境
汚染の防止上極めて利用価値が高い。また、本発明の燃
焼排ガス中の窒素酸化物還元除去用触媒を用いることに
より、大気汚染源となっているSOxやNOxを含有す
る燃焼排ガスからSOxを除去するため、既に実施され
ている湿式排煙脱硫装置からの低温となった燃焼排ガス
を処理することにより、窒素酸化物を連続的にコンパク
トな装置で簡便、且つ、円滑に除去でき工業上有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 27/06 ZAB A 27/132 ZAB A B01D 53/36 102 G (72)発明者 曽根原 尚紀 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 木村 隆志 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素質材料に、バナジウム化合物、臭素
    化合物及び白金族金属を担持してなることを特徴とする
    燃焼排ガス中の窒素酸化物還元除去用触媒。
  2. 【請求項2】 炭素質材料に、バナジウム化合物、臭素
    化合物、銅化合物及び白金族金属を担持してなることを
    特徴とする燃焼排ガス中の窒素酸化物還元除去用触媒。
  3. 【請求項3】 炭素質材料に、バナジウム化合物、臭素
    化合物、銅化合物、クロム化合物及び白金族金属を担持
    してなることを特徴とする燃焼排ガス中の窒素酸化物還
    元除去用触媒。
  4. 【請求項4】 炭素質材料に、バナジウム化合物、臭素
    化合物、白金族金属、並びに、モリブデン、タングステ
    ン及びセリウムの化合物から選ばれた少なくとも1種を
    担持してなることを特徴とする燃焼排ガス中の窒素酸化
    物還元除去用触媒。
JP6191828A 1994-07-22 1994-07-22 燃焼排ガス中の窒素酸化物還元除去用触媒 Pending JPH0833843A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6191828A JPH0833843A (ja) 1994-07-22 1994-07-22 燃焼排ガス中の窒素酸化物還元除去用触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6191828A JPH0833843A (ja) 1994-07-22 1994-07-22 燃焼排ガス中の窒素酸化物還元除去用触媒

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0833843A true JPH0833843A (ja) 1996-02-06

Family

ID=16281202

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6191828A Pending JPH0833843A (ja) 1994-07-22 1994-07-22 燃焼排ガス中の窒素酸化物還元除去用触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0833843A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040021237A (ko) * 2002-09-03 2004-03-10 재단법인 포항산업과학연구원 바나듐/활성탄을 이용한 배기가스 중의 다이옥신과질소산화물의 동시 제거방법
KR100746704B1 (ko) * 2006-09-14 2007-08-06 한국에너지기술연구원 금속 촉매가 함침된 탄소 지지체를 포함하는 반응매체제조와 이를 이용한 질소산화물 제거 방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040021237A (ko) * 2002-09-03 2004-03-10 재단법인 포항산업과학연구원 바나듐/활성탄을 이용한 배기가스 중의 다이옥신과질소산화물의 동시 제거방법
KR100746704B1 (ko) * 2006-09-14 2007-08-06 한국에너지기술연구원 금속 촉매가 함침된 탄소 지지체를 포함하는 반응매체제조와 이를 이용한 질소산화물 제거 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4203926B2 (ja) 排ガス中の亜酸化窒素などの除去方法と装置
JP3321190B2 (ja) 脱硝機能を備えたアンモニア分解触媒および排ガス浄化方法
JP2009247984A (ja) 窒素酸化物接触還元用触媒
JPH06154611A (ja) 亜酸化窒素分解用触媒
JP3474514B2 (ja) 低温脱硝触媒及び低温脱硝方法
JP3321423B2 (ja) 排ガス浄化方法
JP2004358454A (ja) 排ガス浄化触媒及び浄化方法
JP3745407B2 (ja) 排ガス浄化触媒とその製造方法および排ガス浄化方法
JPH0833843A (ja) 燃焼排ガス中の窒素酸化物還元除去用触媒
JP2008126124A (ja) 窒素酸化物および金属水銀を含む排ガスの浄化装置
JP3219613B2 (ja) アンモニア分解触媒及びアンモニアの分解除去方法
KR102224335B1 (ko) 가스상 암모니아를 질소로 전환하는 선택적 산화촉매 및 그 그 제조방법
JPH08141398A (ja) アンモニア分解触媒
JP3506392B2 (ja) 還元剤として炭化水素のみを用いた排気ガス浄化用触媒
JPH06126177A (ja) 排ガス中の亜酸化窒素除去触媒
JPH07323225A (ja) 燃焼排ガスの窒素酸化物還元除去用触媒
JP3521933B2 (ja) 排ガス中の窒素酸化物除去用触媒
JPH0833844A (ja) 燃焼排ガス窒素酸化物の還元除去用触媒
JPH07323227A (ja) 燃焼排ガスの窒素酸化物還元除去触媒
JP2548756B2 (ja) 窒素酸化物の除去用触媒
JP2010184171A (ja) 排ガス浄化用触媒および排ガス浄化方法
KR100460665B1 (ko) 폐가스에 함유된 질소 산화물 및 다이옥신의 동시 제거방법
JPH07256109A (ja) 燃焼排ガス用窒素酸化物還元除去触媒
JP3952823B2 (ja) 燃焼排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化方法
JPH0563222B2 (ja)