JPH08337816A - ラインパイプ用低降伏比熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

ラインパイプ用低降伏比熱延鋼板の製造方法

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JPH08337816A
JPH08337816A JP16814495A JP16814495A JPH08337816A JP H08337816 A JPH08337816 A JP H08337816A JP 16814495 A JP16814495 A JP 16814495A JP 16814495 A JP16814495 A JP 16814495A JP H08337816 A JPH08337816 A JP H08337816A
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JP
Japan
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cooling
yield ratio
rolled steel
steel sheet
slab
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JP16814495A
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English (en)
Inventor
Masashi Kumagai
正志 熊谷
Nobuyuki Gosho
伸之 御所
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低降伏比で、かつ低温靭性に優れたラインパ
イプ用熱延鋼板を製造する。 【構成】 C:0.08〜0.10%、Si:0.15
〜0.35%、Mn:1.00〜1.30%、Ti:
0.010〜0.030%、Nb:0.010〜0.0
30%、Mo:0.200〜0.300%を含有し、残
部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼片を加熱した
のち、(Ar3点+30℃)〜Ar3点までの仕上温度で
熱間圧延した後、5〜10秒の間を10℃/秒以下の冷
却速度で緩冷却し、その後15℃/秒以上の冷却速度で
冷却して400〜500℃の温度で巻取る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ラインパイプ用のス
パイラル鋼管や電縫鋼管の素材として適した低降伏比熱
延鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ラインパイプは、輸送効率向上な
らびにポンプステーションの減少の観点から高圧輸送お
よび安全性の観点から高強度化の要求がますます高まり
つつある。このようなラインパイプ用の高強度電縫鋼管
としては、米国石油協会(API)規格の5L−X65
〜80の強度規格値を満たすことが必要である。従来、
このような高強度ラインパイプ用の電縫鋼管の素材とし
ては、Ti−Nb系、Nb−V系を主体とした析出強化
型の高強度高靭性熱延鋼板が使用されてきた。しかし、
最近では、ラインパイプの破壊に対する安全性確保の観
点から、降伏比(降伏点/引張強さ)の上限をユーザー
側から85%以下に規定される頻度が増加している。
【0003】一般に熱延鋼板の低降伏比化には、C量の
増加が有効であるが、高靭性が要求されるラインパイプ
用の素材においては、C量の増加は母材部および電縫溶
接部共に靭性を劣化させるため、C量の増加により低降
伏比化を図ることはできない。また、C量の増加により
低降伏比化は、母材に要求される厳しい低温靭性を確保
する上からも好ましくないのが実情である。
【0004】C量を増加させずに熱延鋼板の低降伏比化
を図る方法としては、C:0.30〜0.39%、S
i:0.15〜0.30%、Mn:1.40〜1.70
%を基本成分として含有する組成になる鋼片を、800
〜900℃の温度で熱間圧延し、引続き650〜700
℃まで注水後、10〜15秒間空冷し、次いで再び注水
により冷却したのち、550〜600℃の温度で巻取る
方法(特開昭63−247311号公報)、C:0.0
4〜0.10%、Si:0.03〜0.15%、Mn:
1.0〜1.6%、Mo:0.20〜0.30%、N
b:0.010〜0.05%、Ti:0.01〜0.0
30%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる
鋼を、加熱後、(Ar3点+20℃)以上の仕上温度で
熱間圧延し、さらに、(Ar3点−80℃)までの間を
10℃/秒以下の冷却速度で緩冷却して、500℃以下
の温度で巻取る方法(特開平6−17125号公報)等
が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭63−24
7311号公報に開示の方法は、C量の規定が0.30
〜0.39%と高く、ラインパイプ用熱延鋼板としての
靭性性能を確保するのは困難であると考えられる。ま
た、特開平6−17125号公報に開示の方法は、(A
3点+20℃)以上の仕上温度で熱間圧延している
が、Ar3点以上で、かつできるだけ低い温度で熱間圧
延した方が、低降伏比化という観点からは望ましい。そ
れは、オーステナイトに若干の歪を加えた方がフェライ
トの生成サイトが増加してフェライトが生成し易くな
り、圧延後の緩冷却によってフェライト粒の粗大化が効
果的に進み、降伏比が低下するからである。
【0006】この発明の目的は、上記従来技術の欠点を
解消し、C量の増加を伴うことなく、低降伏比で、かつ
低温靭性に優れたラインパイプ用低降伏比熱延鋼板の製
造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意試験研究を重ねた。その結果、C量と
変態強化型元素であるMo量等を所定値となし、かつ、
(Ar3点+20℃)〜Ar3点の仕上温度で熱間圧延し
たのち、緩冷却したのち急冷して低温で巻取ることによ
って、フェライト+ベイナイトの複合組織が得られ、低
降伏比かつ靭性性能を確保できることを究明し、この発
明に到達した。
【0008】すなわちこの発明は、C:0.08〜0.
10%、Si:0.15〜0.35%、Mn:1.00
〜1.30%、Ti:0.010〜0.030%、N
b:0.010〜0.030%、Mo:0.200〜
0.300%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純
物からなる鋼片を加熱したのち、(Ar3点+30℃)
〜Ar3点までの仕上温度で熱間圧延した後、5〜10
秒の間を10℃/秒以下の冷却速度で緩冷却し、その後
15℃/秒以上の冷却速度で冷却して400〜500℃
の温度で巻取ることを特徴とするラインパイプ用低降伏
比熱延鋼板の製造方法である。
【0009】
【作用】先ず、この発明において鋼片の化学成分を規定
した理由を説明する。Cは鋼の強度を高めるに必要な元
素であり、0.08%未満では高強度ラインパイプ用鋼
管としての強度が確保できず、また、0.10%を超え
ると逆に強度が高くなり過ぎてラインパイプとして要求
される靭性が母材部ならびに溶接部共に劣化するため、
0.08〜0.10%とした。Siは製鋼時の脱酸剤と
して必要不可欠な元素であるが、0.15%未満ではそ
の効果が十分でなく、また、0.35%を超えると溶接
欠陥であるペネトレータが発生し易くなるので、0.1
0〜0.35%とした。Mnは強度を高める基本的な元
素であり、かつ、結晶粒の微細なフェライト組織を得る
には1.00%以上必要であり、また、1.30%を超
えると溶接欠陥であるペネトレータが発生し易くなるの
で、1.00〜1.30%とした。Nb、Tiは微量で
大幅な強度上昇を付与する元素であるが、0.010%
未満ではその効果が十分でなく、また、0.030%を
超えると炭窒化物が増加して転位の運動が阻害され、降
伏比が上昇するので、0.010〜0.030%とし
た。MoはNb、Tiと同様微量で大幅な強度上昇を付
与する元素で、引張強さの上昇をもたらすベイナイトの
生成には不可欠であるが、0.200%未満ではその効
果が十分でなく、また、0.300%を超えると周溶接
熱影響部の靭性を劣化させるため、0.200〜0.3
00%とした。
【0010】この発明において仕上圧延の温度を(Ar
3点+30℃)〜Ar3点としたのは、オーステナイト相
の低温域で圧延してオーステナイトに若干の歪を加えた
方がフェライトの生成サイトが増加してフェライトが生
成し易くなり、後の緩冷却によりフェライト粒の粗大化
が効果的に進行することから、(Ar3点+30℃)以
下としたが、低温すぎると圧延途中でフェライトが生成
するとフェライトに加工が加わり降伏点の上昇に伴う降
伏比の上昇を招くためAr3点以上とした。仕上圧延後
の緩冷却は、フェライト相からオーステナイト相へCを
移動させて濃縮し、急冷によってベイナイトが生成して
引張強さの増加を促進すると共に、生成したフェライト
粒を粗大化して降伏点の低下のために行う。この際あま
り冷却速度が大きかったり、緩冷却時間が短いとCの移
動が十分に起こり得なくなるため、5〜10秒間を10
℃/秒以下で緩冷却することとした。緩冷却後の急冷
は、オーステナイトからベイナイトを生成するために不
可欠でるため、15℃/秒以上とした。熱間圧延後の巻
取り温度は、コイル巻取り後の結晶粒粗大化を抑制して
高強度を得るという観点から、500℃以下とした。し
かし、巻取り温度が400℃未満では、低くなり過ぎて
マルテンサイトの組織が生成し、靭性が劣化することか
ら、400℃以上500℃以下とした。なお、10℃/
秒以下の緩冷却は、空冷等で、また、15℃/秒以上の
急冷は、水冷、ミスト冷却等で行うことができる。
【0011】この発明における熱延コイルは、上記の限
定条件を満足させることによって、高強度ラインパイプ
用としての規定強度を満足させ、かつ、低降伏比で、靭
性値、周溶接時の母材と溶接部の硬度差などの諸特性を
満足できる電縫鋼管用の熱延鋼板を安定して製造するこ
とができるのである。
【0012】
【実施例】
実施例1 転炉で溶製した表1に示す化学組成とAr3点の各試験
材を連続鋳造して幅650〜1250mm、厚さ227
mmのスラブとなし、これを表2に示す熱間圧延条件で
熱間圧延して板厚12.7mmの熱延コイルとした。そ
の各熱延鋼板から板幅方向試験片を採取して機械的性能
を調査すると共に、2mmVノッチの10mm×10m
mの試験片を用い、試験温度−20℃におけるシャルピ
ー衝撃試験における吸収エネルギー(J)を調査した。
その結果を表3に示す。また、表3とは別に仕上圧延終
了温度と降伏比の関係を図1に、前段冷却速度と降伏比
の関係を図2に示す。なお、表1に示す各試験材のAr
3点は、鉄と鋼67(1681)P.143の大内らに
よる下式にしたがって求めた。 Ar3点(℃)=910−310C−80Mn−20C
u−15Cr−55Ni−80Mo−0.35(t−
8) ただし、t:板厚 また、表1〜3中の*印は、本発明の範囲外を示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】表1〜3に示すとおり、本発明の条件を満
足させる試験No.1〜10は、いずれも降伏比85%
以下で、かつ50J以上の靭性の確保が達成されている
のに対し、本発明の条件のいずれかを満足させない試験
No.11〜18では、降伏比85%以上であるか、あ
るいは靭性値が不足している。なお、降伏点448N/
mm2以上、引張強さ530N/mm2以上を確保する必
要がある。また、図1に示すとおり、本発明の条件を満
足させないAr3点以下で仕上圧延すると、圧延中にフ
ェライトが加工されるため、降伏比の上昇が見られる。
一方、Ar3点+30℃以上で仕上圧延すると、オース
テナイトに加わる歪量が小さくなり、降伏比が上昇して
いる。さらに、図2に示すとおり、前段冷却速度が本発
明の条件を満足させない10℃/秒以上で冷却すると、
オーステナイト相からフェライト相へのCの移動、フェ
ライト粒の粗大化が十分に起こらず、結果として降伏比
の上昇を招くこととなる。
【0017】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明方法によれ
ば、降伏比85%以下で、低温靭性性能を有するライン
パイプ用の熱延鋼板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における仕上圧延終了温度と降伏比との
関係を示すグラフである。
【図2】実施例における前段冷却速度と降伏比との関係
を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.08〜0.10%、Si:0.
    15〜0.35%、Mn:1.00〜1.30%、T
    i:0.010〜0.030%、Nb:0.010〜
    0.030%、Mo:0.200〜0.300%を含有
    し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼片を加
    熱したのち、(Ar3点+30℃)〜Ar3点までの仕上
    温度で熱間圧延した後、5〜10秒の間を10℃/秒以
    下の冷却速度で緩冷却し、その後15℃/秒以上の冷却
    速度で冷却して400〜500℃の温度で巻取ることを
    特徴とするラインパイプ用低降伏比熱延鋼板の製造方
    法。
JP16814495A 1995-06-08 1995-06-08 ラインパイプ用低降伏比熱延鋼板の製造方法 Pending JPH08337816A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005281764A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Jfe Steel Kk 低降伏比高強度熱延鋼帯の製造方法。
WO2013027779A1 (ja) 2011-08-23 2013-02-28 新日鐵住金株式会社 厚肉電縫鋼管及びその製造方法

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