JPH08335860A - 差動ラッチ回路 - Google Patents

差動ラッチ回路

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JPH08335860A
JPH08335860A JP7141788A JP14178895A JPH08335860A JP H08335860 A JPH08335860 A JP H08335860A JP 7141788 A JP7141788 A JP 7141788A JP 14178895 A JP14178895 A JP 14178895A JP H08335860 A JPH08335860 A JP H08335860A
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mos transistor
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JP7141788A
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Osamu Matsumoto
修 松本
Takahiro Miki
隆博 三木
Toshio Kumamoto
敏夫 熊本
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Mitsubishi Electric Corp
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03KPULSE TECHNIQUE
    • H03K3/00Circuits for generating electric pulses; Monostable, bistable or multistable circuits
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    • H03K3/353Generators characterised by the type of circuit or by the means used for producing pulses by the use, as active elements, of field-effect transistors with internal or external positive feedback
    • H03K3/356Bistable circuits
    • H03K3/356017Bistable circuits using additional transistors in the input circuit
    • H03K3/356052Bistable circuits using additional transistors in the input circuit using pass gates
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    • H03K3/35613Bistable circuits using complementary field-effect transistors using additional transistors in the input circuit the input circuit having a differential configuration

Abstract

(57)【要約】 【目的】 差動増幅動作時において、定電流源の機能を
損なうことなく信号を差動増幅させ、もって高性能な差
動ラッチ回路を得ることである。 【構成】 nMOSトランジスタ27を定電流源として
pMOSトランジスタ3、4、nMOSトランジスタ2
3、24とともに差動増幅回路が構成され、一方nMO
Sトランジスタ25、26によりラッチ回路が構成され
る。この差動増幅機能とラッチ機能を交互に動作させる
ためのスイッチ回路をnMOSトランジスタ21、22
および28で構成される。ここで定電流源であるトラン
ジスタ27は、ドレイン端子がトランジスタ23、24
に直接に接続され、ソ−ス端子がグランド電圧2に直接
に接続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アナログ・ディジタ
ル変換器等で用いる2入力・2出力の差動ラッチ回路に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、アナログ−ディジタル変換器(以
下、A/D変換器)には2つの信号の電圧を比較し、
「H」または「L」の論理信号を出力する電圧比較器が
内蔵される。特に図10は電圧比較器内で構成される差
動ラッチ回路の従来例であり、「Analog MOS Integrate
d Circuit FOR SIGNAL PROCESSING」 第434頁 FIGUR
E6.25 に掲載された回路構成図である。
【0003】1は電源電圧(以下、Vdd)、2はグラ
ンド電圧(以下、Vssで具体的には0V)、3、4は
それぞれソース端子がVdd1に接続されたpチャネル
MOSトランジスタ(以下、pMOSトランジスタ)
で、能動負荷抵抗として機能する。5ないし11はnチ
ャネルMOSトランジスタ(以下、nMOSトランジス
タ)である。また、a、bは入力信号が入力される入力
端子、c、dは論理信号が出力される出力端子、A、B
はそれぞれ出力端子c、dが接続されるノードである。
【0004】ノードAにおいて、pMOSトランジスタ
3、nMOSトランジスタ5、7のドレイン端子、およ
びnMOSトランジスタ8のゲート電極がそれぞれ接続
され、一方ノードBにおいて、pMOSトランジスタ
4、nMOSトランジスタ6、8のドレイン端子、およ
びnMOSトランジスタ7のゲート電極がそれぞれ接続
される。nMOSトランジスタ5、6のソース端子はト
ランジスタ9のドレイン端子に共通して接続され、nM
OSトランジスタ7、8のソース端子はトランジスタ1
0のドレイン端子に共通して接続される。図中CはnM
OSトランジスタ5、6および9の接続ノード、Dはn
MOSトランジスタ7、8および10の接続ノードを示
す。nMOSトランジスタ11において、ソース端子は
Vss2に接続され、ドレイン端子はnMOSトランジ
スタ9、10のソース端子に接続される。図中EはnM
OSトランジスタ9、10および11の接続ノードを示
す。また、入力端子a、bはそれぞれnMOSトランジ
スタ5、6のゲート電極に接続される。
【0005】Vin1、Vin2はそれぞれ入力端子a、bに
印加される入力信号の電位を示し、Vout1、Vout2はそ
れぞれ出力端子c、dより出力される出力信号の電位を
示す。Bias1はnMOSトランジスタ11を定電流源と
して飽和領域で動作させるために、そのゲート電極に与
えられるバイアス電圧、Bias2はpMOSトランジスタ
3、4を能動負荷抵抗として飽和領域で動作させるため
に、そのゲート電極に共通に与えられるバイアス電圧で
ある。また、X、/XはそれぞれnMOSトランジスタ
9、10のゲート電極に与えられる互いに相補的なディ
ジタル信号であり、この差動ラッチ回路のスルーモード
とラッチモードの切り換え制御をする。nMOSトラン
ジスタ9、10はスイッチとして機能し、X、又は/X
のHレベルはnMOSトランジスタ9、10が導通時に
線型領域で動作させる電位に設定される。
【0006】次いで、この差動ラッチ回路の動作につい
て説明する。この回路において、X=H、/X=Lのと
きスルーモード、X=L、/X=Hのときラッチモード
となり、この2つのモードは所定の時間間隔で交互に繰
り返される。
【0007】(1)X=H、/X=Lの場合(スルーモ
ード) nMOSトランジスタ9はON状態、nMOSトランジ
スタ10はOFF状態となる。このとき、nMOSトラ
ンジスタ11により生じた電流はすべてnMOSトラン
ジスタ9を通過する。従って、nMOSトランジスタ
5、6、11とpMOSトランジスタ3、4により通常
の差動増幅回路が構成され、入力電圧Vin1、Vin2の電
位差が増幅されるように出力電位Vout1、Vout2を出力
する。
【0008】(2)X=L、/X=Hの場合(ラッチモ
ード) 逆にnMOSトランジスタ9はOFF状態、nMOSト
ランジスタ10はON状態となる。nMOSトランジス
タ11により生じた電流はすべてnMOSトランジスタ
10を通過するようになるので、上記における差動増幅
回路は機能しない。
【0009】ラッチモード開始直前のスルーモードにお
いてVin1>Vin2のとき、Vout1<Vout2となって電位
差が増幅されている。ラッチモードに切替わると、Vout
1はnMOSトランジスタ8のゲート電圧、Vout2はn
MOSトランジスタ7のゲート電圧となるので、nMO
Sトランジスタ7のドレイン電流は、nMOSトランジ
スタ8のドレイン電流より大きくなる。従ってnMOS
トランジスタ7のドレイン電位であるVout1を一層減少
させ、一方nMOSトランジスタ8のドレイン電位であ
るVout2を一層増加させる。Vout2の増加がVout1の減
少を促し、逆にVout1の減少がVout2の増加を促すとい
う相互作用によりVout1=L、Vout2=Hが確定され
る。なお、ラッチモード開始直前でVin1<Vin2の場合
は全く逆の動作によりVout1=H、Vout2=Lが確定さ
れる。
【0010】図1の差動ラッチ回路を用いた電圧比較器
の回路ブロック図を図11に示す。12、13は同一構
成の差動増幅器、14は図1の差動ラッチ回路である。
また図12は差動増幅器12、13の回路構成図であ
り、定電流源となるnMOSトランジスタ15、それぞ
れのソース端子がnMOSトランジスタ15のドレイン
端子と接続されたnMOSトランジスタ16と17、ド
レイン端子がnMOSトランジスタ16のドレイン端子
と接続されたpMOSトランジスタ18、ドレイン端子
がnMOSトランジスタ17のドレイン端子と接続され
たpMOSトランジスタ19で構成される。この差動増
幅器は、入力端子a、bが各々nMOSトランジスタ1
6、17のゲート電極に接続され、一方出力端子c、d
は各々nMOSトランジスタ16、17のドレイン端子
に接続され、入力端子a、bの各々に入力される信号の
電位Vin1、Vin2の差は出力端子c、dの電位Vout1、
Vout2の差に増幅される。Bias02はpMOSトランジス
タ18、19が能動負荷抵抗として機能するようにその
ゲート電極に印加されるバイアス電圧、Bias01はnMO
Sトランジスタ15が定電流源として機能するようにそ
のゲート電極に印加されるバイアス電圧である。
【0011】図11において、差動増幅器12の出力端
子c、dはそれぞれ差動増幅器13の入力端子a、bに
接続され、さらに差動増幅器13の出力端子c、dはそ
れぞれ差動ラッチ回路14の入力端子a、bに接続され
る。また図12のBias01、Bias02は差動増幅器12、1
3に共通して入力される。
【0012】例えば、差動増幅器12の入力端子aにア
ナログ信号電圧Vinを、入力端子bに比較用の一定基準
電圧Vrefを印加された場合、差動増幅器12、13によ
りその電圧差は増幅され、差動増幅器13より出力され
る2つの出力電圧が差動ラッチ回路14の入力電圧とな
る。差動ラッチ回路14では、時間的に交互にスルーモ
ード、ラッチモードを繰返し、スルーモードで更にその
電圧差を増幅し、ラッチモードでその出力信号Vout1、
Vout2の「H」または「L」の論理信号を決定する。図
11の電圧比較回路では、スルーモード終了時にVin<V
refのときラッチモードでVout1=H、Vout2=Lとな
る。この出力信号は次段のCMOSディジタルエンコー
ダに入力され、アナログ信号電圧のディジタル化が行わ
れる。
【0013】また、図13は、別の差動ラッチ回路の従
来例で、「電気情報通信学会論文誌、C−II、Vol.J74-
C-II、No.2、1994年2月」第81〜91頁において、第
84頁、図4に掲載された前段比較器のトランジスタM
5〜M10による回路構成に相当するものである。
【0014】図において、71、72はpMOSトラン
ジスタ、73、74はnMOSトランジスタで、pMO
Sトランジスタ71とnMOSトランジスタ73におい
て、互いにドレイン端子が接続され、かつ互いにゲート
電極が接続される。G1はそのドレイン端子間の接続ノ
ード、H1はそのゲート電極間の接続ノードを示す。同
様にpMOSトランジスタ72とnMOSトランジスタ
74において、互いにドレイン端子が接続され、かつ互
いにゲート電極が接続される。G2はそのドレイン端子
間の接続ノード、H2はそのゲート電極間の接続ノード
を示す。
【0015】75〜78はスイッチ回路である。入力端
子aはスイッチ回路75を介してノードG1、H2に接
続され、入力端子bはスイッチ回路76を介してノード
H1、G2に接続される。一方、出力端子cはノードG
1、H2に接続され、出力端子dはノードG2、H1に
接続される。またVdd1はスイッチ回路77を介して
pMOSトランジスタ71、72のソース端子に接続さ
れ、Vss2はスイッチ回路を介してnMOSトランジ
スタ73、74のソース端子に接続される。
【0016】また、Xはスイッチ回路75、76に入力
されるディジタル信号、/Xはスイッチ回路77、78
に入力されるディジタル信号で、Xと/Xとは互いに相
補的なディジタル信号である。スイッチ回路75〜78
は、入力されるディジタル信号がHレベルのときオン
し、Lレベルのときオフする。従ってスイッチ回路7
5、76がON状態のときスイッチ回路77、78はO
FF状態であり、スイッチ回路77、78がON状態の
ときスイッチ回路75、76はOFF状態である。な
お、その他の符号および記号は図10と同一または相当
するものを示す。
【0017】次いで、この差動ラッチ回路の動作につい
て図14のタイミングチャート図を用いて説明する。図
14は、時間に対するVout1、Vout2の変化を示す。
【0018】図10の場合と同様に、X=H、/X=L
のときスルーモード、X=L、/X=Hのときラッチモ
ードとなり、この2つのモードは所定の時間間隔で交互
に繰り返される。ここで入力信号はVin1、Vin2の一定
電圧であるとする(但し、Vin1>Vin2とする)。
【0019】(1)X=H、/X=Lの場合(スルーモ
ード) スイッチ回路75、76はON状態、スイッチ回路7
7、78はOFF状態となる。入力端子a、bはそのま
ま入力端子c、dに接続され、図14のように入力信号
Vin1、Vin2はそのまま出力信号Vout1、Vout2とな
る。一方、Vdd1およびVss2はpMOSトランジ
スタ71、72、nMOSトランジスタ73、74に切
り放されるため、回路のラッチ動作は起こらない。
【0020】(2)X=L、/X=Hの場合(ラッチモ
ード) スイッチ回路75、76はOFF状態、スイッチ回路7
7、78はON状態となる。Vdd1およびVss2は
pMOSトランジスタ71、72、nMOSトランジス
タ73、74に接続され、pMOSトランジスタ71、
nMOSトランジスタ73で1つのインバータを構成
し、またpMOSトランジスタ72、nMOSトランジ
スタ74で別のインバータを構成する。このとき互いに
一方のインバータの出力を他方のインバータに入力とな
るので、スルーモードにおいて出力されたVout1(=Vi
n1)、Vout2(=Vin2)を初期電圧にして、出力端子
c、dを強制的にHまたはLに確定する。
【0021】この差動ラッチ回路は、出力においてHま
たはLを確定させるしきい値電圧を固有に有し、そのし
きい値電圧は上記の2つのインバータの特性により決定
される。図14のようにスルーモード時Vin1、Vin2が
ともにしきい値より大きい場合、ラッチモードに移行し
た後、2つのインバータがともにLを出力しようと出力
電圧の衝突が起き、Vout1、Vout2はともにしきい値付
近まで低下する。Vout2がしきい値より小さくなると、
Vout1はHレベル(Vdd)まで上昇するようになり、
Vout2はそのままLレベル(Vss)まで下がる。
【0022】また、図11において、差動ラッチ回路1
4として図13の差動ラッチ回路を用い、差動増幅回路
13の出力端子c、dがそれぞれ図13の差動ラッチ回
路の入力端子a、bに接続されることにより電圧比較器
が構成される。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】図10に示す差動ラッ
チ回路において、スイッチとして動作するnMOSトラ
ンジスタ9は、それぞれ入力信号を受けるnMOSトラ
ンジスタ5、6のソース端子と、定電流源として動作す
るnMOSトランジスタ11のドレイン端子との間に設
けられた。しかしながらnMOSトランジスタ9がON
状態(すなわちスルーモード時)にときnMOSトラン
ジスタ9で生じる電圧降下によりnMOSトランジスタ
11のドレイン端子に印加される電圧も低下する。ドレ
イン・ソース間の電位差が小さくなることにより、nM
OSトランジスタ11が線型領域で動作してしまい、電
流源として機能すべきトランジスタ11の定電流性を損
なう恐れがあった。従ってVin1、Vin2の2つの信号入力
に対して利得の良い差動増幅することができないという
問題点があった。
【0024】これにより、図11のように差動増幅器1
2、13で増幅された信号が図10の差動ラッチ回路に
入力されても、この差動ラッチ回路はスルーモード時に
所定の値まで増幅できなくなり、ラッチモードに移行し
たときラッチ動作が正確にかつ迅速に行なわれない場合
が生じる可能性があった。
【0025】また、スルーモードからラッチモードに移
行したとき、Vout1、Vout2のいずれか一方がLを示すよ
うになる。例えばVout1がLとなる場合、そのVout1が接
続されたノードAよりnMOSトランジスタ7を介して
グランドに電子を引き抜く。しかしながら、nMOSト
ランジスタ11は定電流源として飽和領域で機能するの
で、そのON抵抗は非常に大きく、この抵抗で生じる電
位差も大きい。従ってVout1の電位をグランド電位まで
十分下げることができず、次段の回路がLレベルと認識
して動作しない場合が生じるという問題点があった。
【0026】また、図13の差動ラッチ回路において
は、通常図11のように差動増幅器12、13により差
動増幅された信号を入力する。このとき入力信号電位Vi
n1、Vin2はともに差動ラッチ回路のしきい値より大き
くずれる場合が多く、図14に示すようにスルーモード
からラッチモードに移行した後、一時的にVout1、Vout
2ともに下降してしまうので、両電位がHレベルまたは
Lレベルに確定するまでに時間を要してしまう。このよ
うにレベルの確定が遅延してしまうと、次段の回路が差
動ラッチ回路の出力する論理信号の処理開始時間が遅く
なり、ひいては次段のディジタル回路の動作全体が遅延
してしまうという問題点が生じていた。
【0027】この発明は上記の問題点を解決するために
なされたもので、スルーモード時に良好な差動増幅動作
を、ラッチモード時にHまたはLを正常に確定させるラ
ッチ動作を実現し、もって高性能な差動ラッチ回路を得
ることを目的としたものである。
【0028】また、この発明は、ラッチモードにおいて
高速にラッチ動作を行なうことにより、出力されるディ
ジタル信号に処理が迅速に実行できるような差動ラッチ
回路を得ることを目的としたものである。
【0029】
【課題を解決するための手段】この発明に係る差動ラッ
チ回路は、それぞれ一端子が第1の電源端子に接続され
た第1の負荷抵抗と第2の負荷抵抗、一端子が第1のノ
ードで第1の負荷抵抗の他端子に接続され、制御端子が
上記第1の入力端子に接続された第1のトランジスタ、
一端子が第2のノードで第2の負荷抵抗の他端子に接続
され、制御端子が第2の入力端子に接続された第2のト
ランジスタ、一端子が第1のトランジスタおよび第2の
トランジスタの他端子それぞれに直接に接続され、他端
子が第2の電源端子に直接に接続された定電流源、第1
のノードおよび第2のノードからの信号を入力し、その
信号電圧から2つの相補的な論理信号を生成し、第1お
よび第2の出力端子より出力させるラッチ動作を行なう
ラッチ回路、第1のノードと第1のトランジスタとの
間、かつ第2のノードと第2のトランジスタとの間を同
時に通電または非通電させる第1のスイッチ回路、この
第1のスイッチ回路が通電させるモードのとき、第1の
ノードおよび第2のノードにおける信号を、各々第1の
出力端子および第2の出力端子よりそのまま出力し、第
1のスイッチ回路が非通電させるモードのとき、上記の
ラッチ回路を動作させる第2のスイッチ回路を備えたも
のである。
【0030】また、この発明に係る差動ラッチ回路は、
第1の電源端子と第1の出力端子の接続ノード(以下、
第1のノード)との間に接続された第1の負荷抵抗、第
1の電源端子と第2の出力端子の接続ノード(以下、第
2のノード)との間に接続された第2の負荷抵抗、一端
子が第1のノードに接続され、制御端子が上記第1の入
力端子に接続された第1のトランジスタ、一端子が第2
のノードに接続され、制御端子が第2の入力端子に接続
された第2のトランジスタ、一端子が第1のノードに、
他端子が第2の電源端子に接続されるとともに、制御端
子が第2のノードに接続された第3のトランジスタ、一
端子が第2のノードに、他端子が第2の電源端子に接続
されるとともに、制御端子が第1のノードに接続された
第4のトランジスタ、一端子が上記第1のトランジスタ
および第2のトランジスタの他端子それぞれに直接に接
続され、他端子が第2の電源端子に直接に接続された定
電流源、第1のノードと第1のトランジスタとの間、か
つ第2のノードと第2のトランジスタとの間を同時に通
電または非通電させる第1のスイッチ回路、この第1の
スイッチ回路とは相補的に動作し、第1のノードと第3
のトランジスタとの間、かつ第2のノードと第4のトラ
ンジスタとの間を同時に通電または非通電させる第2の
スイッチ回路を備えたものである。
【0031】また、この発明に係る差動ラッチ回路は、
第1の電源端子と第1の出力端子の接続ノード(以下、
第1のノード)との間に接続された第1の負荷抵抗、第
1の電源端子と第2の出力端子の接続ノード(以下、第
2のノード)との間に接続された第2の負荷抵抗、一端
子が第1のノードに接続され、ゲート電極が第1の入力
端子に接続された第1のMOSトランジスタ、一端子が
第2のノードに接続され、ゲート電極が第2の入力端子
に接続された第2のMOSトランジスタ、一端子が第1
のノードに、他端子が第2の電源端子に接続されるとと
もに、ゲート電極が第2のノードに接続された第3のM
OSトランジスタ、一端子が第2のノードに、他端子が
第2の電源端子に接続されるとともに、ゲート電極が第
1のノードに接続された第4のMOSトランジスタ、一
端子が第1のMOSトランジスタおよび第2のMOSト
ランジスタの他端子それぞれに直接に接続され、他端子
が第2の電源端子に直接に接続された第5のMOSトラ
ンジスタ、第1のノードと第1のMOSトランジスタと
の間、かつ第2のノードと第2のMOSトランジスタと
の間を同時に通電または非通電させる第1のスイッチ回
路、この第1のスイッチ回路とは相補的に動作し、第1
のノードと第3のMOSトランジスタとの間、かつ第2
のノードと第4のMOSトランジスタとの間を同時に通
電または非通電させる第2のスイッチ回路を備えたもの
である。
【0032】また、第1のスイッチ回路は、第1のノー
ドと第1のMOSトランジスタとの間に接続されたMO
Sトランジスタ、および第2のノードと第2のMOSト
ランジスタとの間に接続されたMOSトランジスタによ
り構成されたものである。
【0033】また、第2のスイッチ回路は、第3のMO
Sトランジスタと第2の電源端子との間、および第4の
MOSトランジスタと第2の電源端子との間に直接に接
続されたMOSトランジスタにより構成されたものであ
る。
【0034】また、第5のMOSトランジスタは、その
一端子が第3および第4のMOSトランジスタの他端子
それぞれに直接に接続され、第2のスイッチ回路は、第
1のノードと第3のMOSトランジスタとの間に接続さ
れたMOSトランジスタ、第2のノードと第4のMOS
トランジスタとの間に接続されたMOSトランジスタに
より構成されたものである。
【0035】また、第1のスイッチ回路は、第1の入力
端子に入力される入力信号、および第1のMOSトラン
ジスタと非導通状態にさせる電位を選択して第1のMO
Sトランジスタのゲート電極に入力する選択回路、第2
の入力端子に入力される入力信号、および第2のMOS
トランジスタと非導通状態にさせる電位を選択して第2
のMOSトランジスタのゲート電極に入力する選択回路
により構成されたものである。
【0036】また、第2のスイッチ回路は、第2のノー
ドにおける電位、および第3のMOSトランジスタを非
導通状態にさせる電位を選択して第3のMOSトランジ
スタのゲート電極に入力させる選択回路、第1のノード
における電位、および第4のMOSトランジスタを非導
通状態にさせる電位を選択して第4のMOSトランジス
タのゲート電極に入力させる選択回路により構成された
ものである。
【0037】また、第1のスイッチ回路は、第5のMO
Sトランジスタを導通状態にさせる電位、および第5の
MOSトランジスタを非導通状態にさせる電位を選択し
て、第5のMOSトランジスタのゲート電極に入力する
選択回路により構成されたものである。
【0038】この発明に係る差動ラッチ回路は、第1の
入力信号および第2の入力信号を入力し、その信号に対
して差動増幅して第1の出力端子および第2の出力端子
より出力する差動増幅回路、第1の出力端子より出力さ
れた信号を入力する第1のインバータ回路、第2の出力
端子より出力された信号を入力する第2のインバータ回
路、差動増幅器における第1の入力信号として、第1の
入力端子に入力された信号、および第1のインバータ回
路からの出力信号を選択する第1のスイッチ回路、差動
増幅器における第2の入力信号として、第2の入力端子
に入力された信号、および第2のインバータ回路からの
出力信号を選択する第2のスイッチ回路を備えたもので
ある。
【0039】
【作用】この発明の差動ラッチ回路によると、第1のス
イッチ回路により第1のノードと第1のトランジスタと
の間、第2のノードと第2のトランジスタとの間が同時
に通電されるとき、それぞれ第1および第2の入力端子
に入力された信号に対して差動増幅された信号が第1お
よび第2の出力端子より出力される。このとき、定電流
源は一端子が第1のトランジスタおよび第2のトランジ
スタの他端子それぞれに直接に接続され、他端子が第2
の電源端子に直接に接続されるように構成されたので、
定電流源の両端子間の電圧が低下するのを抑え、この定
電流源の機能を損なうことはない。
【0040】また、この発明の差動ラッチ回路による
と、第1のスイッチ回路により第1のノードと第1のM
OSトランジスタとの間、第2のノードと第2のMOS
トランジスタとの間が同時に通電されるとき、第5のM
OSトランジスタを定電流源として、第1のMOSトラ
ンジスタおよび第2のMOSトランジスタのゲート電極
に印加される信号に対する差動増幅回路が構成される。
このとき第5のMOSトランジスタは一端子が第1のM
OSトランジスタおよび第2のMOSトランジスタの他
端子それぞれに直接に接続され、他端子が第2の電源端
子に直接に接続されるように構成されたので、定電流源
の両端子間の電圧が低下するのを抑え、この定電流源の
機能を損なうことはない。
【0041】また、第2のスイッチ回路により第1のノ
ードと第2の電源端子、第2のノードと第2の電源端子
との間が同時に通電されるとき、第3のMOSトランジ
スタと第4のMOSトランジスタとによりラッチ回路が
構成され、第1の出力端子および第2の出力端子から互
いに相補的な論理信号が出力される。このとき、第2の
MOSトランジスタは、第3のMOSトランジスタと第
2の電源端子との間、および第4のMOSトランジスタ
と第2の電源端子との間に直接に接続されたMOSトラ
ンジスタにより構成されたので、第3のMOSトランジ
スタおよび第4のMOSトランジスタと、第2の電源端
子との間は、第2のスイッチ回路であるMOSトランジ
スタによる電圧降下のみが生じる。
【0042】また、第5のMOSトランジスタは、その
一端子が第3および第4のMOSトランジスタの他端子
それぞれに直接に接続され、第2のスイッチ回路は、第
1のノードと第3のMOSトランジスタとの間に接続さ
れたMOSトランジスタ、第2のノードと第4のMOS
トランジスタとの間に接続されたMOSトランジスタに
より構成されたので、差動増幅時に機能する第1のスイ
ッチ回路、第1と第2のMOSトランジスタ、および第
5のMOSトランジスタの回路接続、そしてラッチ動作
時に機能する上記第2のスイッチ回路、第3と第4のM
OSトランジスタ、および第5のMOSトランジスタの
回路接続が同一の構成され、差動増幅動作からラッチ動
作に移行した後、第1および第2の出力端子において、
信号電圧の衝突もなく所定の論理レベルが確定されるよ
うになる。
【0043】また、第1のスイッチ回路は、第1の入力
端子に入力される入力信号、および第1のMOSトラン
ジスタと非導通状態にさせる電位を選択して第1のMO
Sトランジスタのゲート電極に入力する選択回路、第2
の入力端子に入力される入力信号、および第2のMOS
トランジスタと非導通状態にさせる電位を選択して上記
第2のMOSトランジスタのゲート電極に入力する選択
回路により構成されたので、第1のスイッチ回路は、第
1のノードと第2の電源端子との間、かつ第2のノード
と第2の電源端子との間に設けられることがなくなり、
それぞれ第1および第2の入力端子に入力される信号に
対する差動増幅動作は低電源電圧で行なわれる。
【0044】また、第1のスイッチ回路は、第5のMO
Sトランジスタを導通状態にさせる電位、および第5の
MOSトランジスタを非導通状態にさせる電位を選択し
て、第5のMOSトランジスタのゲート電極に入力する
選択回路により構成されたので、第1のスイッチ回路
は、第1のノードと第2の電源端子との間、かつ第2の
ノードと第2の電源端子との間に設けられることがなく
なり、それぞれ第1および第2の入力端子に入力される
信号に対する差動増幅動作は低電源電圧で行なわれる。
【0045】また、この発明の差動ラッチ回路による
と、第1および第2のスイッチ回路により第1のモード
(スルーモード)と第2のモード(ラッチモード)とを
切り換える。第1のモードにおいて、第1および第2の
入力端子に入力された信号は差動増幅されて第1および
第2の出力端子より出力される。差動増幅回路により、
第1および第2の出力端子よりそれぞれ出力される2つ
の信号の電位を、第1のインバータ回路、および第2の
インバータ回路のしきい値電圧に近づけるように調整す
ることができる。従って第2のモードにおいて、第1お
よび第2のインバータ回路がこの2つ信号の各々を入力
することにより、第1および第2の出力端子は、互いに
相補的な論理レベルを高速に確定させて出力するように
なる。
【0046】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を示す。図1はこ
の実施例による差動ラッチ回路を示す回路構成図であ
る。図において、1は電源電圧(以下、Vdd)、2は
グランド電圧(以下、Vss)、3、4はそれぞれソー
ス端子がVdd1に接続されたpMOSトランジスタで
能動負荷抵抗として機能する。21ないし28はnMO
Sトランジスタである。また、a、bはそれぞれ入力信
号が入力される入力端子、c、dは論理信号が出力され
る出力端子、A、Bはそれぞれ出力端子c、dが接続さ
れるノードである。
【0047】ノードAにおいて、pMOSトランジスタ
3、nMOSトランジスタ21、25のドレイン端子、
およびnMOSトランジスタ26のゲート電極がそれぞ
れ接続され、一方ノードBにおいて、pMOSトランジ
スタ4、nMOSトランジスタ22、26のドレイン端
子、およびnMOSトランジスタ25のゲート電極がそ
れぞれ接続される。nMOSトランジスタ23のドレイ
ン端子はnMOSトランジスタ21のソース端子に接続
され、nMOSトランジスタ24のドレイン端子はnM
OSトランジスタ22のソース端子に接続され、nMO
Sトランジスタ23、24のソース端子はnMOSトラ
ンジスタ27のドレイン端子に共通して接続される。C
はnMOSトランジスタ23、24および27が共通し
て接続されるノードを示す。一方、nMOSトランジス
タ25、26のソース端子はnMOSトランジスタ28
のドレイン端子に共通に接続される。DはnMOSトラ
ンジスタ25、26および28が共通して接続されるノ
ードを示す。さらにnMOSトランジスタ27、28の
ソース端子はVss2に共通して接続される。また、入
力端子a、bはそれぞれnMOSトランジスタ23、2
4のゲート電極に接続される。
【0048】Vin1、Vin2はそれぞれ入力端子a、bに
印加される入力信号の電位を示し、またVout1、Vout2
はそれぞれ出力端子c、dより出力される出力信号の電
位を示す。Bias1はnMOSトランジスタ27を定電流
源として飽和領域で動作させるために、そのゲート電極
に与えられるバイアス電圧、Bias2はpMOSトランジ
スタ3、4を能動負荷抵抗として飽和領域で動作させる
ために、そのゲート電極に共通に与えられるバイアス電
圧である。
【0049】また、XはnMOSトランジスタ21、2
2のゲート電極に与えられるディジタル信号、/Xはn
MOSトランジスタ28のゲート電極に与えられるディ
ジタル信号である。このXと/Xとは互いに相補的なデ
ィジタル信号であり、この差動ラッチ回路におけるスル
ーモードとラッチモードの切り換え制御をする。nMO
Sトランジスタ21、22および28はスイッチとして
機能し、ON状態では線型領域で動作するように制御信
号X、/Xが印加される。通常そのHレベルとしてVd
d1の電圧を用いる。
【0050】次いで、この差動ラッチ回路の動作につい
て説明する。入力端子a、bには常にアナログ信号電圧
が印加されており、この回路において、X=H、/X=
Lのときスルーモード、X=L、/X=Hのときラッチ
モードとなり、この2つのモードは所定の時間間隔で交
互に繰り返される。
【0051】(1)X=H、/X=Lの場合(スルーモ
ード) nMOSトランジスタ21、22はON状態、nMOS
トランジスタ28はOFF状態となる。このとき、定電
流源であるnMOSトランジスタ27により生じた電流
は、Vdd1とノードCとの間に流れるようになり、n
MOSトランジスタ23、24、27とpMOSトラン
ジスタ3、4により差動増幅回路が構成される。従って
入力電圧Vin1、Vin2の電位差に対して出力電位Vout
1、Vout2の電位差に増幅された出力信号が端子c、d
より出力される。一方、ノードDはVss2に導通され
ないので、nMOSトランジスタ25、26においてラ
ッチ動作は機能しない。
【0052】(2)X=L、/X=Hの場合(ラッチモ
ード) 逆にnMOSトランジスタ21、22はOFF状態、n
MOSトランジスタ28はON状態となる。このときノ
ードDがVss2に導通され、nMOSトランジスタ2
5、26はラッチ回路を形成する。一方、Vdd1より
ノードCに電流は流れないので、入力電圧Vin1、Vin2
に対する差動増幅は機能しなくなる。
【0053】まず、ラッチモード開始直前のスルーモー
ドにおいてVin1>Vin2のとき、Vout1<Vout2となっ
てVin1、Vin2の電位差が増幅されている。ラッチモー
ドに切替わると、Vout1はnMOSトランジスタ26の
ゲート電圧、Vout2はnMOSトランジスタ25のゲー
ト電圧となるので、nMOSトランジスタ25のドレイ
ン電流は、nMOSトランジスタ26のドレイン電流よ
り大きくなる。これによりnMOSトランジスタ25の
ドレイン電位であるVout1を一層減少させ、一方nMO
Sトランジスタ26のドレイン電位であるVout2を一層
増加させる。Vout2の増加がVout1の減少を促し、逆に
Vout1の減少がVout2の増加を促すという相互作用によ
りVout1=L、Vout2=Hが確定される。なお、ラッチ
モード開始直前でVin1<Vin2の場合は全く逆の動作に
よりVout1=H、Vout2=Lが確定される。このように
して出力端子c、dよりディジタル信号が出力される。
【0054】次に、本実施例における差動ラッチ回路と
図10の差動ラッチ回路との差異について説明する。
【0055】(1)スルーモードの場合 図1において、ノードCの電位をV1、nMOSトラン
ジスタ23のドレイン電位をV2、ノードAの電位をV3
とする。一方、図10において、ノードEの電位をV0
1、ノードCの電位をV02、ノードAの電位をV03とす
る。
【0056】図1と図10の差動ラッチ回路におけるノ
ードCの電位は入力端子a、bに印加されるVin1、Vin
2に大きく依存した値であり、ほぼVin1、Vin2のみの
関数とみなしてよい。従って、図1および図10におい
て、nMOSトランジスタ23と5、nMOSトランジ
スタ24と6がそれぞれ全く同一のトランジスタであ
り、入力端子a、bに同一の電位Vin1、Vin2が印加さ
れた場合、ノードCの電位V1、V02はほとんど等しく
なる。図1の定電流源であるnMOSトランジスタ27
のドレイン・ソース間電圧V1は、図10におけるnM
OSトランジスタ11のドレイン・ソース間電圧V01よ
り大きくなる。従って、本実施例の差動ラッチ回路にお
けるnMOSトランジスタ27は、ドレイン・ソース間
電圧が減少することもなくなり、定電流源の機能を損な
うことを防ぐ。
【0057】また、図1において、nMOSトランジス
タ21に両端に生じる電圧(V3−V2)により、nMO
Sトランジスタ23のドレイン・ソース間電圧(V2−
V1)は、図10のnMOSトランジスタ5のドレイン
・ソース間電圧(V03−V02)より小さくなり、pMO
Sトランジスタ3のドレイン・ソース間電圧(Vdd−
V3)は、図10のpMOSトランジスタ3のドレイン
・ソース間電圧(Vdd−V03)より小さくなる。しか
し、nMOSトランジスタ21の電圧(V3−V2)は、
nMOSトランジスタ23およびpMOSトランジスタ
3に分散して各々のドレイン・ソース間電圧を降下させ
るので、その降下量はそれ程大きくなく、nMOSトラ
ンジスタ23、pMOSトランジスタ3が線型領域で動
作してしまう程のドレイン・ソース間の電圧降下にはな
らない。(一方、図10においては、nMOSトランジ
スタ9の両端に生じる電圧(V02−V01)がのままnM
OSトランジスタ11のドレイン・ソース間の電圧降下
量となり、nMOSトランジスタ11が線型領域で動作
してしまう電圧降下を招く恐れがあった。)
【0058】なお、nMOSトランジスタ22を設けた
場合でも同様に、nMOSトランジスタ24およびpM
OSトランジスタ3各々のドレイン・ソース間の電位差
が低下しても、各々のトランジスタが線型領域で動作す
る程ではない。
【0059】さらに、上記のようにnMOSトランジス
タ21のドレイン・ソース間電圧が、nMOSトランジ
スタ23およびpMOSトランジスタ3に分散して各々
のドレイン・ソース間の電圧を降下させ、nMOSトラ
ンジスタ22のドレイン・ソース間電圧が、nMOSト
ランジスタ24およびpMOSトランジスタ4に分散し
て各々のドレイン・ソース間の電圧を降下させるので、
図10の差動ラッチ回路に比べ、入力端子a、bに入力
できる信号電圧のレンジを広くなる。
【0060】例えば図10で入力される電位のレンジが
1.5〜2.0Vであったとする。上限はnMOSトラ
ンジスタ5(または6)を飽和領域で動作させるための
ゲート電圧の最大値、下限はnMOSトランジスタ11
を定電流源として飽和領域で動作させるためのゲート電
圧の最小値である。しかし上述のとおり、図1のnMO
Sトランジスタ21のドレイン・ソース間電圧は、nM
OSトランジスタ23およびpMOSトランジスタ3に
分散して各々のドレイン・ソース間の電圧を降下させる
ので、この降下量は図10のnMOSトランジスタ9を
設けることにより生じるnMOSトランジスタ11のド
レイン・ソース間電圧の降下量より小さい。従って図1
の回路において入力される電位のレンジの上限は図10
より小さくなるが、下限はさらに小さくなり、上記の
1.5〜2.0Vに対して図1の差動ラッチ回路は例え
ば1.0〜1.8Vのような入力レンジとなる。入力レ
ンジが広くなることにより入力信号の振幅が割合大きく
ても十分に差動増幅ができるので、入力される信号の電
圧レベルを入力前に調整する必要もなくなり、この差動
ラッチ回路の汎用性は広がる。
【0061】図1ではnMOSトランジスタ25、26
によりラッチ回路、nMOSトランジスタ28によりス
イッチ回路が構成されたが、特にこの構成にこだわる必
要はなく、ノードA、Bにおける信号を入力して、その
信号電圧から互いに相補的な2つの論理信号を生成する
ラッチ回路であり、スルーモード時にはノードA、Bに
おける信号をそのままそれぞれ出力端子c、dより出力
させ、ラッチモード時にはこのラッチ回路にラッチ動作
をさせてノードA、Bにおける信号から互いに相補的な
2つの論理信号を生成し、出力端子c、dより出力させ
るスイッチ回路であっても上記と同様の効果を得るもの
である。
【0062】また、このよラッチ回路およびスイッチ回
路がMOSトランジスタ、バイポーラトランジスタ、ま
たはその混合回路で構成されてもよい。
【0063】(2)ラッチモードの場合 図1の差動ラッチ回路において、例えば端子cがLレベ
ルを示した場合、nMOSトランジスタ25、28を介
してVss2に導通されている。しかし図10における
nMOSトランジスタ11のような定電流源を介するこ
とはないので、端子cの電位をVss2近くまで下げる
ことができる。よって出力される電圧値のレンジも広く
なる。次段に接続されたディジタル回路に十分大きな出
力レンジの論理信号を与え、次段回路に伝えるLレベル
を明確にする。
【0064】また、図10においては定電流源であるn
MOSトランジスタ11を介して電子を引き抜くことで
L状態を確定されている。特に飽和状態で動作するnM
OSトランジスタ11のON抵抗が非常に大きいため、
電子の引抜き動作が遅い。しかし図1においては、nM
OSトランジスタ28を介して電子を引き抜くので、そ
の引抜き動作は速く、Lレベルを高速に確定させること
ができる。従って、図1の差動ラッチ回路の次段回路が
ディジタル信号処理をはやく開始することができる。
【0065】なお、図1において、ノードDとVss2
とを直接接続し、nMOSトランジスタ28と同一のト
ランジスタをノードAとnMOSトランジスタ25との
間、ノードBとnMOSトランジスタ26との間に接続
しても上記と同一の効果を奏するものである。
【0066】また、、この差動ラッチ回路において、V
dd(電源)とVss(グランド)、nMOSトランジ
スタとpMOSトランジスタを入れ換えることにより構
成することができる。
【0067】また、図1ではすべてMOSトランジスタ
で構成されたが、バイポーラトランジスタで構成しても
構わない。ソース端子をエミッタ端子に、ドレイン端子
をコレクタ端子に、そしてゲート端子をベース端子にそ
れぞれ対応させて、pMOSトランジスタの代わりにp
npバイポーラトランジスタを用い、nMOSトランジ
スタの代わりにnpnバイポーラトランジスタを用いて
もよい。なお、MOSトランジスタのゲート電極、およ
びバイポーラトランジスタのベース電極を総称して制御
電極(または制御端子)と呼ぶこととする。
【0068】実施例2.図2は実施例1における差動ラ
ッチ回路の変形例である。図において、29はノードA
とnMOSトランジスタ25との間に設けられたnMO
Sトランジスタ、30はノードBとnMOSトランジス
タ26との間に設けられたnMOSトランジスタであ
る。スルーモード時に定電流源として機能するnMOS
トランジスタ27のドレイン端子は、ノードCとともに
ノードDにも接続する。nMOSトランジスタ29、3
0は線型領域で動作するスイッチの機能を有する。/X
がnMOSトランジスタ29、30のゲート電極に印加
される。その他の符号もしくは記号は図1と同一または
相当するものを示す。
【0069】この差動ラッチ回路の基本的な動作は実施
例1の場合と同じである。 (1)X=H、/X=Lの場合(スルーモード) nMOSトランジスタ21、22はON状態、nMOS
トランジスタ29、30はOFF状態となる。すなわち
ノードA、BがノードCに通電され、nMOSトランジ
スタ23、24、27とpMOSトランジスタ3、4に
より入力電圧Vin1、Vin2に対する差動増幅回路が得ら
れる。
【0070】(2)X=L、/X=Hの場合(ラッチモ
ード) nMOSトランジスタ21、22はOFF状態、nMO
Sトランジスタ29、30はON状態となる。すなわち
ノードA、BがノードDに通電され、図1と同様にnM
OSトランジスタ25、26でラッチ回路が得られる。
【0071】図2において、スルーモード時に動作する
スイッチ回路としてのnMOSトランジスタ21、22
と、差動増幅回路を構成するnMOSトランジスタ2
3、24のトランジスタとの接続構成、およびラッチモ
ード時に動作するスイッチ回路としてのnMOSトラン
ジスタ29、30と、ラッチ回路としてのnMOSトラ
ンジスタ25、26とのトランジスタの接続構成が同一
構成となる。この場合、そのスルーモード時に動作する
トランジスタ回路、ラッチモード時に動作するトランジ
スタ回路において、その動作特性おける整合性がよくな
る。
【0072】例えば、ラッチ動作する回路における論理
レベルを確定させる入力信号のしきい電圧は、そのトラ
ンジスタの接続構成に大きく依存している。この回路の
整合性がよいということは、スルーモードにおいて出力
されたVout1、Vout2がラッチ動作を行う回路における
しきい値電圧に非常に近い値に差動増幅されるようにな
る。従ってスルーモードからラッチモードに移行した
後、その移行した瞬間におけるVout1、Vout2の値から
高速にHまたはLに信号レベルが確定し、差動ラッチ回
路の次段回路がディジタル信号処理をはやく開始するこ
とができる。
【0073】上記した回路の整合性がよくない場合、ス
ル−モ−ド時Vout1、Vout2がともにしきい値から大き
くずれてしまうことが多い。基本的には図14のタイミ
ングチャート図に示すように、スルーモードからラッチ
モードに移行した後に一時Vout1、Vout2がともにしき
い値付近まで近づくように電圧の衝突が起こり、ラッチ
動作において信号レベルを確定するまで時間間隔を要し
ていた。
【0074】実施例3.図3は本実施例における差動ラ
ッチ回路を示す回路構成図である。図において、3、4
はそれぞれソース端子がVdd1に接続されたpMOS
トランジスタで、能動負荷抵抗として機能する。31な
いし36はnMOSトランジスタである。また、a、b
は各々入力信号が入力される入力端子、c、dは論理信
号が出力される出力端子、A、Bはそれぞれ出力端子
c、dが接続されるノードである。
【0075】ノードAにおいて、pMOSトランジスタ
3、nMOSトランジスタ31、33のドレイン端子が
それぞれ接続され、一方ノードBにおいて、pMOSト
ランジスタ4、nMOSトランジスタ32、34のドレ
イン端子がそれぞれ接続される。nMOSトランジスタ
31、32のソース端子はトランジスタ35のドレイン
端子に共通して接続され、nMOSトランジスタ33、
34のソース端子はトランジスタ36のドレイン端子に
共通して接続される。CはnMOSトランジスタ31、
32および35が共通して接続されるノード、DはnM
OSトランジスタ33、34および36が共通して接続
されるノードを示す。またnMOSトランジスタ35、
36のソース端子はVss2に共通して接続される。
【0076】37ないし40はスイッチ回路で、それぞ
れs1、s2、s3、r1、r2端子を有する。例えばスイッチ回
路37は、トランスミッションゲート41と線型領域で
動作するnMOSトランジスタ42とで構成され、r1端
子はトランスミッションゲート41のnMOSトランジ
スタ側のゲート電極に、r2端子はpMOSトランジスタ
側のゲート電極にそれぞれ接続され、かつr2端子は同時
にnMOSトランジスタ42のゲート電極に接続され
る。また、s1端子はトランスミッションゲート41の一
端子に接続され、s2端子はnMOSトランジスタ42の
一端子に接続され、s3端子はトランスミッションゲート
41およびnMOSトランジスタ42の他端子に接続さ
れる。
【0077】スイッチ回路38はトランスミッションゲ
ート43、線型領域で動作するnMOSトランジスタ4
4、スイッチ回路39はトランスミッションゲート4
5、線型領域で動作するnMOSトランジスタ46、ス
イッチ回路40はトランスミッションゲート47、線型
領域で動作するnMOSトランジスタ48によりそれぞ
れスイッチ回路37と同一に構成される。
【0078】スイッチ回路37において、s1端子は入力
端子aに接続され、s2端子はVss2に接続され、さら
にs3端子はnMOSトランジスタ31のゲート電極に接
続される。スイッチ回路38において、s1端子は入力端
子bに接続され、s2端子はVss2に接続され、さらに
s3端子はnMOSトランジスタ32のゲート電極に接続
される。スイッチ回路39において、s1端子はノードA
に接続され、s2端子はVss2に接続され、さらにs3端
子はnMOSトランジスタ33のゲート電極に接続され
る。スイッチ回路40において、s1端子はノードBに接
続され、s2端子はVss2に接続され、さらにs3端子は
nMOSトランジスタ34のゲート電極に接続される。
【0079】また、X、/Xは実施例1と同様、互いに
相補的なディジタル信号であり、この差動ラッチ回路の
スルーモードとラッチモードの切り換え制御をする。X
はスイッチ回路37、38のr1端子、スイッチ回路3
9、40のr2端子に印加され、/Xはスイッチ回路3
7、38のr2端子、スイッチ回路39、40のr1端子に
印加される。
【0080】Vin1、Vin2はそれぞれ入力端子a、bに
印加される入力信号の電位を示し、またVout1、Vout2
はそれぞれ出力端子c、dより出力される出力信号の電
位を示す。Bias1はnMOSトランジスタ35、36を
定電流源として飽和領域で動作させるために、そのゲー
ト電極に共通に与えられるバイアス電圧、Bias2はpM
OSトランジスタ3、4を能動負荷抵抗として飽和領域
で動作させるために、そのゲート電極に共通に与えられ
るバイアス電圧である。
【0081】始めに、スイッチ回路37〜40の動作に
ついて説明する。スイッチ回路37、38において、X
=H、/X=Lの場合、トランスミッションゲート4
1、43はON状態となり、nMOSトランジスタ4
2、44はOFF状態となる。従ってs1端子に印加され
る信号がs3端子より出力される。一方、X=L、/X=
Hの場合、トランスミッションゲート41、43はOF
F状態となり、nMOSトランジスタ42、44はON
状態となる。従ってs2端子に印加される信号がs3端子よ
り出力される。
【0082】スイッチ回路39、40において、X=
H、/X=Lの場合、トランスミッションゲート45、
47はOFF状態となり、nMOSトランジスタ46、
48はON状態となる。従ってs2端子に印加される信号
がs3端子より出力される。一方、X=L、/X=Hの場
合、トランスミッションゲート45、47はON状態と
なり、nMOSトランジスタ46、48はOFF状態と
なる。従ってs1端子に印加される信号がs3端子より出力
される。
【0083】次に、図3における差動ラッチ回路の動作
について説明する。前記実施例と同様に、入力端子a、
bにはアナログ信号電圧が印加されている。
【0084】(1)X=H、/X=L(スルーモード
時) スイッチ回路37、38は、それぞれ入力端子a、bに
印加されるアナログ入力信号を選択してs3端子より出力
するので、nMOSトランジスタ31のゲート電極には
Vin1が印加され、nMOSトランジスタ32のゲート
電極にはVin2が印加される。従って、nMOSトラン
ジスタ35を定電流源としてpMOSトランジスタ3、
4およびnMOSトランジスタ31、32により差動増
幅回路が構成され、入力電圧Vin1、Vin2の差電圧が増
幅されて出力端子c、dよりVout1、Vout2が出力され
る。
【0085】一方、スイッチ回路39、40は、Vss
2を選択してs3端子より出力するので、nMOSトラン
ジスタ33、34のゲート電極にはVss2の電圧(0
V)が印加される。従ってnMOSトランジスタ33、
34は共にOFF状態となり、それぞれノードA、Bか
らノードDを介してVss2に電流を通さない。
【0086】(2)X=L、/X=H(ラッチモード
時) スイッチ回路37、38は、Vss2の電位を選択して
s3端子より出力するので、nMOSトランジスタ31、
32のゲート電極にはVss2の電圧(0V)が印加さ
れる。従ってnMOSトランジスタ31、32は共にO
FF状態となり、それぞれノードA、BからノードCを
介してVss2に電流を通さず、スルーモード時の差動
増幅回路は構成されない。
【0087】一方、スイッチ39、40は、それぞれノ
ードB、Aの電位(すなわち、Vout2、Vout1)を選択
してs3端子より出力するので、nMOSトランジスタ3
3のゲート電極にはノードBが接続され、nMOSトラ
ンジスタ34のゲート電極にはノードAが接続される。
従って前記実施例と同一の動作により、スルーモードか
らラッチモードに移行する瞬間のVout1、Vout2から、
出力端子c、dはHもしくはLの信号レベルを確定し、
互いに相補的なディジタル信号を出力する。
【0088】本実施例において、nMOSトランジスタ
31、32のソース端子は、nMOSトランジスタ35
のドレイン端子に直接接続されているので、実施例1、
2と同様に、nMOSトランジスタ35は、スルーモー
ド時における差動増幅回路の定電流源の機能を損なうこ
となく動作する。
【0089】また、特にスイッチとして動作するMOS
トランジスタは、ノードAとnMOSトランジスタ31
との間、およびノードBとnMOSトランジスタ32と
の間にそれぞれ介在されないので、実施例1、2に比べ
さらに入力される信号の電圧レンジが大きくなる(実施
例1、2より電圧レンジの上限が大きくなる)。
【0090】本実施例の回路は、Vdd1からノードC
を介してVss2までの回路経路には、3つのMOSト
ランジスタのみで構成されるので、4つのMOSトラン
ジスタが存在する従来技術(図10)に比べ、低電源電
圧でもスルーモードにおいて正常な差動増幅動作をさせ
ることができる。従って、回路全体の消費電力を低下さ
せることができる。
【0091】図3ではnMOSトランジスタ33、34
によりラッチ回路、スイッチ回路39、40が構成され
たが、特にこの構成にこだわる必要はなく、ノードA、
Bにおける信号を入力して、その信号電圧から互いに相
補的な2つの論理信号を生成するラッチ回路であり、ス
ルーモード時にはノードA、Bにおける信号をそのまま
それぞれ出力端子c、dより出力させ、ラッチモード時
にはこのラッチ回路にラッチ動作をさせてノードA、B
における信号から互いに相補的な2つの論理信号を生成
し、出力端子c、dより出力させるスイッチ回路であっ
ても上記と同様の効果を得るものである。例えば図1に
示したnMOSトランジスタ25、26および28の回
路構成を図3のnMOSトランジスタ33、34および
36、スイッチ回路39、40の回路構成に置き換えて
もよい。
【0092】本実施例の差動ラッチ回路を図11におけ
る電圧比較器に用いた場合、図4に示すように構成され
る。49はpMOSトランジスタ3、4およびnMOS
トランジスタ31、32、35により図12と同一に構
成された差動増幅回路で、図3の差動ラッチ回路は符号
50に示す部分である。
【0093】図11の電圧比較器において、前段回路で
ある差動増幅器13は3つのMOSトランジスタが直列
に接続された構成であるのに対して、差動ラッチ回路1
4はスルーモード時に形成される差動増幅回路部分は4
つのMOSトランジスタが直列に接続された構成であ
る。このような異なるトランジスタ構成において、差動
増幅器13と差動ラッチ回路14とでは、差動増幅機能
における種々の特性(例えば、DC動作点電圧、増幅利
得等)が異なるため、すなわち差動増幅器13と差動ラ
ッチ回路14との整合性が悪くなるため、例えばディジ
タル信号を生成するためになされる入力信号の差動増幅
が十分行なわれなくなる可能性があった。
【0094】また差動増幅器12、13で用いるバイア
ス電圧B1as01、Bias02と、差動ラッチ回路14で用いる
バイアス電圧Bias1、Bias2とは異なる電圧を用いなけ
ればならず、バイアス電圧を共通することができず、各
々専用のバイアス回路を用意しなければならず、チップ
面積の増加、消費電力の増加、設計負担等の問題があっ
た。
【0095】しかしながら図4の電圧比較器では、差動
増幅器13、および差動ラッチ回路50における差動増
幅回路部分は共に3つのMOSトランジスタが直列に接
続された構成となり、差動増幅器13と差動ラッチ回路
50との整合性がよくなり、増幅利得の良い電圧比較器
を構成することができる。また、差動増幅器12、13
で用いるバイアス電圧と、図3の差動ラッチ回路で用い
るバイアス電圧とを同一電圧で共通することができる。
図はBias1、Bias2で共用した構成を示す。
【0096】さらにこの電圧比較器において、差動ラッ
チ回路50は通常の差動増幅器49にスイッチ回路37
〜40、nMOSトランジスタ33、34、36を付加
した構成であり、回路設計が簡単となりその負担が小さ
くて済む。
【0097】なお、図3において、ノードDよりnMO
Sトランジスタを介してVss2に接続する構成をとっ
たが、差動増幅時に動作するnMOSトランジスタ3
1、32、35の接続と、nMOSトランジスタ33、
34、36の接続とが同一構成であり、実施例2で説明
したように回路の整合性が良い。しかしノードDより直
接Vss2に接続してもラッチ動作を行なう。この場
合、上記回路の整合性が悪くなるものの、実施例1のよ
うに定電流源のnMOSトランジスタを介さないので、
Lレベルを高速に確定する。
【0098】スイッチ回路37〜40においてs2端子を
すべてVss2に接続されたが、これに限らず、それぞ
れs2端子にnMOSトランジスタ31、32、33およ
び34を全く動作させない電圧が印加されても、上記と
同一の動作を行なう。特にスイッチ回路37〜40のs2
端子に同一の電圧を印加する必要もなく、nMOSトラ
ンジスタ31、32、33および34がOFFされれば
よい。
【0099】スイッチ回路37〜40の構成は図3に示
す構成に限らず、X、/Xの相補的なディジタル信号に
より、s1端子、S2端子に印加される信号のいずれか一方
を選択してS3端子より出力する選択回路の構成であれば
よい。
【0100】また、この差動ラッチ回路において、Vd
d(電源)とVss(グランド)、nMOSトランジス
タとpMOSトランジスタを入れ換えることにより構成
することができる。
【0101】また、図3においてMOSトランジスタで
構成されたが、実施例1と同様にバイポーラトランジス
タで構成しても構わない。ソース端子をエミッタ端子
に、ドレイン端子をコレクタ端子に、そしてゲート端子
をベース端子にそれぞれ対応させて、pMOSトランジ
スタ3、4の代わりにpnpバイポーラトランジスタを
用い、nMOSトランジスタ31〜34、35、36の
代わりにnpnバイポーラトランジスタを用いてもよ
い。このときスイッチ回路37〜40の出力は対応する
npnバイポーラトランジスタのベース端子に接続され
る。トランジスタが動作するか、非導通状態にするかを
制御する信号を選択して出力するという動作であればそ
のスイッチ回路の構成は何でもよい。
【0102】実施例4.図5は本実施例における差動ラ
ッチ回路を示す回路構成図である。図において、51は
トランスミッションゲート53と線型領域で動作するn
MOSトランジスタ54とで構成されたスイッチ回路、
52はトランスミッションゲート55と線型領域で動作
するnMOSトランジスタ56とで構成されたスイッチ
回路であり、図3と全く同一の構成によりs1、s2、s3お
よびr1、r2の各端子を有するもので、そのスイッチ動作
も全く同一である。
【0103】スイッチ回路51において、s1端子にはバ
イアス電圧Bias11が印加され、s2端子はVss2に接続
され、s3端子はnMOSトランジスタ35のゲート電極
に接続される。またr1端子にはX、r2端子には/Xのデ
ィジタル信号が印加される。スイッチ回路52におい
て、s1端子にはバイアス電圧Bias21が印加され、s2端子
はVss2に接続され、s3端子はnMOSトランジスタ
36のゲート電極に接続される。またr1端子には/X、
r2端子にはXのディジタル信号が印加される。
【0104】さらに、入力端子a、bはそれぞれnMO
Sトランジスタ31、32のゲート電極に直接接続さ
れ、nMOSトランジスタ33、34のゲート電極はそ
れぞれノードB、Aに直接接続される。Bias11、Bias21
はそれぞれnMOSトランジスタ35、36を定電流源
として飽和領域で動作させるために、それぞれのゲート
電極に与えられるバイアス電圧で、通常同一の電圧を用
いる。なお、その他の符号および記号は図3と同一また
は相当するものを示す。
【0105】次に、この差動ラッチ回路の動作について
説明する。前記実施例と同様に、入力端子a、bにはア
ナログ信号電圧が印加されている。
【0106】(1)X=H、/X=Lの場合(スルーモ
ード) スイッチ回路51のs1端子に印加されたバイアス電圧Bi
as11がS3端子より出力され、nMOSトランジスタ35
のゲート電極に入力される。従って、nMOSトランジ
スタ35は飽和領域で動作する定電流源となり、pMO
Sトランジスタ3、4およびnMOSトランジスタ3
1、32とともに差動増幅器を形成し、アナログ信号電
圧Vin1、Vin2の差電圧を増幅してVout1、Vout2とし
て出力する。一方スイッチ52のS2端子に印加されたV
ss2の電圧(0V)がS3端子より出力され、nMOS
トランジスタ36のゲート電極に入力される。従ってn
MOSトランジスタ36はOFF状態となり、nMOS
トランジスタ33、34はラッチ回路として動作しな
い。
【0107】図5ではnMOSトランジスタ33、34
によりラッチ回路、スイッチ回路52が構成されたが、
特にこの構成にこだわる必要はなく、ノードA、Bにお
ける信号を入力して、その信号電圧から互いに相補的な
2つの論理信号を生成するラッチ回路であり、スルーモ
ード時にはノードA、Bにおける信号をそのままそれぞ
れ出力端子c、dより出力させ、ラッチモード時にはこ
のラッチ回路にラッチ動作をさせてノードA、Bにおけ
る信号から互いに相補的な2つの論理信号を生成し、出
力端子c、dより出力させるスイッチ回路であっても上
記と同様の効果を得るものである。例えば図3に示した
nMOSトランジスタ33、34および36、スイッチ
回路39、40の回路構成を採用してもよい。
【0108】(2)X=L、/X=Hの場合(ラッチモ
ード) スイッチ回路51のs2端子に印加されたVss2の電圧
(0V)がS3端子より出力され、nMOSトランジスタ
35のゲート電極に入力される。従って、nMOSトラ
ンジスタはOFF状態となり、アナログ信号電圧Vin
1、Vin2の差電圧に対して差動増幅動作は行なわれな
い。一方スイッチ回路52のS1端子に印加されたバイア
ス電圧Bias21がS3端子より出力され、nMOSトランジ
スタ36のゲート電極に入力される。従ってnMOSト
ランジスタ36は飽和領域で動作する定電流源回路とな
り、ノードA、BはノードDを介してVss2に通電さ
れ、nMOSトランジスタ33、34はラッチ回路を形
成する。従って前記実施例と同一の動作により、出力端
子c、dはスルーモードからラッチモードへの移行時の
Vout1、Vout2から論理レベルを確定し、互いに相補的
なディジタル信号を出力する。
【0109】実施例2と同様に、(1)nMOSトラン
ジスタ35がスルーモード時における差動増幅回路の定
電流源の機能を損なうことなく動作する、(2)実施例
1、2に比べさらに入力される信号の電圧レンジが大き
くなる。
【0110】本実施例の回路は、Vdd1からノードC
を介してVss2までの回路経路には、3つのMOSト
ランジスタのみで構成されるので、4つのMOSトラン
ジスタが存在する従来技術(図10)に比べ、低電源電
圧でもスルーモードにおいて正常な差動増幅動作をさせ
ることができる。従って、実施例3と同様に回路の消費
電力を低下させることができる。
【0111】また図5の回路において、図3の回路に比
べて2つのスイッチ回路51、52で済むので、回路を
ワンチップで構成される場合その回路面積も小さくな
る。
【0112】また、図6に本実施例の差動ラッチ回路を
用いた場合の回路構成図を示す。図4の場合と同様に差
動増幅器13、および差動ラッチ回路における差動増幅
回路部分は共に3つのMOSトランジスタが直列に接続
された構成となり、差動増幅器13と差動ラッチ回路と
の整合性がよくなり、増幅利得の良い電圧比較器を構成
することができる。また、差動増幅器12、13で用い
るバイアス電圧Bias01、Bias02と、図5の差動ラッチ回
路で用いるバイアス電圧Bias11、Bias21、Bias2とを同
一電圧で共通することができる。
【0113】さらにこの電圧比較器において、差動ラッ
チ回路は図12の通常の差動増幅器にスイッチ回路5
1、52、nMOSトランジスタ33、34、36を付
加した構成であり、回路設計が簡単となりその負担が小
さくて済む。
【0114】スイッチ回路51、52においてs2端子は
Vss2に接続されたが、これに限らず、それぞれs2端
子にnMOSトランジスタ35、36を全く動作させな
い電圧が印加されても、上記と同一の動作を行なう。特
にスイッチ回路51、52のs2端子に同一の電圧を印加
する必要もなく、nMOSトランジスタ35、36がO
FFされればよい。
【0115】スイッチ回路37〜40の構成は図3に示
す構成に限らず、X、/Xの相補的なディジタル信号に
より、s1端子、S2端子に印加される信号のいずれか一方
を選択してS3端子より出力する選択回路の構成であれば
よい。
【0116】また、この差動ラッチ回路において、Vd
d(電源)とVss(グランド)、nMOSトランジス
タとpMOSトランジスタを入れ換えることにより構成
することができる。
【0117】また、図5においてMOSトランジスタで
構成されたが、実施例1と同様にバイポーラトランジス
タで構成しても構わない。ソース端子をエミッタ端子
に、ドレイン端子をコレクタ端子に、そしてゲート端子
をベース端子にそれぞれ置き換えて、pMOSトランジ
スタ3、4の代わりにpnpバイポーラトランジスタを
用い、nMOSトランジスタ31〜34、35、36の
代わりにnpnバイポーラトランジスタを用いてもよ
い。このときスイッチ回路37〜40の出力は対応する
npnバイポーラトランジスタのベース端子に接続され
る。トランジスタが動作するか、非導通状態にするかを
制御する信号を選択して出力するという動作であればそ
のスイッチ回路の構成は何でもよい。
【0118】実施例5.図7は実施例4の差動ラッチ回
路の変形例である。図において、61はソース端子がV
dd1に接続されたpMOSトランジスタで定電流源と
して機能する。62、63はそれぞれのソース端子がp
MOSトランジスタ61のドレイン端子に共通して接続
されたpMOSトランジスタ、64はドレイン端子がp
MOSトランジスタ62のドレイン端子に接続され、ソ
ース端子がVss2に接続されたnMOSトランジス
タ、65はドレイン端子がpMOSトランジスタ63の
ドレイン端子に接続され、ソース端子がVss2に接続
されたnMOSトランジスタである。
【0119】nMOSトランジスタ64のゲート電極と
ドレイン端子とが接続され、その接続ノードはnMOS
トランジスタ36のゲート電極に接続される。よってn
MOSトランジスタ64、36でカレントミラー回路を
構成し、nMOSトランジスタ64のドレイン電流はn
MOSトランジスタ36のドレイン電流に複製される。
同様に、nMOSトランジスタ65のゲート電極とドレ
イン端子とが接続され、その接続ノードはnMOSトラ
ンジスタ35のゲート電極に接続される。よってnMO
Sトランジスタ65、35でカレントミラー回路を構成
し、nMOSトランジスタ65のドレイン電流はnMO
Sトランジスタ35のドレイン電流に複製される。
【0120】X、/XはそれぞれpMOSトランジスタ
62、63のゲート電極に与えられる互いに相補的なデ
ィジタル信号であり、この差動ラッチ回路におけるスル
ーモードとラッチモードの切り換え制御をする。この信
号X、/XによりpMOSトランジスタ62、63はス
イッチ回路として導通時に線型領域で動作するものであ
る。
【0121】また、pMOSトランジスタ3、4のバイ
アス電圧Bias2はpMOSトランジスタ61のバイアス
電圧に共用される。その他の符号および記号は図5のも
のと同一または相当するものを示す。
【0122】次に、この差動ラッチ回路の動作について
説明する。前記実施例と同様に、入力端子a、bにはア
ナログ信号電圧が印加されている。
【0123】(1)X=H、/X=L(スルーモード
時) pMOSトランジスタ62はOFF状態、pMOSトラ
ンジスタ63はON状態となる。pMOSトランジスタ
61で生じる定電流はすべてpMOSトランジスタ63
を介してnMOSトランジスタ65のドレイン・ソース
間電流となる。さらにこの電流がカレントミラー回路を
構成するnMOSトランジスタ35のドレイン電流に複
製され、nMOSトランジスタ35が定電流源として機
能し、pMOSトランジスタ3、4およびnMOSトラ
ンジスタ31、32とともに差動増幅器を形成し、アナ
ログ信号電圧Vin1、Vin2の電圧差を増幅してVout1、
Vot2として出力する。
【0124】一方nMOSトランジスタ64のドレイン
・ソース間に電流は生じないので、nMOSトランジス
タ36のドレイン電流はゼロになる。従ってノードA、
BはノードDを介してVss2に通電されず。nMOS
トランジスタ33、34はラッチ回路として機能しな
い。
【0125】(2)X=L、/X=H(ラッチモード
時) pMOSトランジスタ62はON状態、pMOSトラン
ジスタ63はOFF状態となる。pMOSトランジスタ
61で生じる定電流はすべてpMOSトランジスタ62
を介してnMOSトランジスタ64のドレイン・ソース
間電流となる。さらにこの電流がカレントミラー回路を
構成するnMOSトランジスタ36のドレイン電流に複
製され、nMOSトランジスタ36は定電流源として機
能する。ノードA、BはノードDを介してVss2に通
電され、nMOSトランジスタ33、34はラッチ動作
を行う。従って前記実施例と同一の動作により、ラッチ
モードに移行する瞬間のVout1、Vout2から出力端子
c、dはHもしくはLの信号レベルを確定し、互いに相
補的なディジタル信号を出力する。
【0126】一方、nMOSトランジスタ64のドレイ
ン・ソース間に電流は生じないので、nMOSトランジ
スタ35のドレイン電流はゼロになる。従ってnMOS
トランジスタ35はOFF状態であり、アナログ信号電
圧Vin1、Vin2の電圧差に対して差動増幅動作は行なわ
れない。
【0127】この実施例による回路では、図5のように
nMOSトランジスタ35、36のゲート電極に印加さ
れるバイアス電圧Bias11、Bias21を用いる必要がなくな
る。その代わり、所定の定電流がnMOSトランジスタ
35、36に生じるように、nMOSトランジスタ6
4、65、pMOSトランジスタ61のトランジスタ特
性を決定する必要がある。
【0128】この実施例における差動ラッチ回路におい
ては、実施例4の場合と同一の効果を奏するものであ
る。
【0129】なお、、この差動ラッチ回路において、V
dd(電源)とVss(グランド)、nMOSトランジ
スタとpMOSトランジスタを入れ換えることにより構
成することができる。
【0130】また、図7ではすべてMOSトランジスタ
で構成されたが、バイポーラトランジスタで構成しても
構わない。ソース端子をエミッタ端子に、ドレイン端子
をコレクタ端子に、そしてゲート端子をベース端子にそ
れぞれ置き換えて、pMOSトランジスタの代わりにp
npバイポーラトランジスタを用い、nMOSトランジ
スタの代わりにnpnバイポーラトランジスタを用いて
もよい。
【0131】実施例6.図8は本実施例により差動ラッ
チ回路の一例を示す回路構成図である。図において、8
1、82は、そのソース端子がVdd1に接続されたp
MOSトランジスタ、83はドレイン端子がpMOSト
ランジスタ81のドレイン端子に接続され、ソース端子
がVss2に接続されたnMOSトランジスタ、84は
ドレイン端子がpMOSトランジスタ82のドレイン端
子に接続され、ソース端子がVss2に接続されたnM
OSトランジスタである。G3はpMOSトランジスタ
81とnMOSトランジスタ83との接続ノード、G4
はpMOSトランジスタ82とnMOSトランジスタ8
4との接続ノードを示す。さらにpMOSトランジスタ
81、82のゲート電極はそれぞれノードG1、G2に
接続され、nMOSトランジスタ83、84のゲート電
極は共通してノードG4に接続される。
【0132】85は入力端子aとノードG1との間に設
けられたスイッチ機能のトランスミッションゲート、8
6は入力端子bとノードG2との間に設けられたスイッ
チ機能のトランスミッションゲート、87はノードG3
とノードH1との間に設けられたスイッチ機能のトラン
スミッションゲート、88はノードG4とノードH2と
の間に設けられたスイッチ機能のトランスミッションゲ
ート、89はVdd1とpMOSトランジスタ71およ
び72との間に設けられたスイッチ機能のpMOSトラ
ンジスタ、90はVss2とnMOSトランジスタ73
および74との間に設けられたスイッチ機能のnMOS
トランジスタである。また出力端子c、dはそれぞれノ
ードG3、G4に接続される。
【0133】また、X、/Xは互いに相補的なディジタ
ル信号であり、この差動ラッチ回路のスルーモードとラ
ッチモードの切り換え制御をする。Xは、トランスミッ
ションゲート85、86を構成するnMOSトランジス
タのゲート電極、トランスミッションゲート87、88
を構成するpMOSトランジスタのゲート電極、および
pMOSトランジスタ89のゲート電極にそれぞれ印加
される。一方、/Xは、トランスミッションゲート8
5、86を構成するpMOSトランジスタのゲート電
極、トランスミッションゲート87、88を構成するn
MOSトランジスタのゲート電極、およびnMOSトラ
ンジスタ90のゲート電極にそれぞれ印加される。な
お、pMOSトランジスタ89、nMOSトランジスタ
90はON状態時に線型領域で動作する。その他の符号
および記号は図13と同一または相当するものを示す。
【0134】次に、この差動ラッチ回路の動作について
図9のタイミングチャート図を用いて説明する。図9は
時間に対するVout1、Vout2の変化を示す。ここで入力
端子a、bには常にVin1、Vin2(但し、Vin1>Vin2
とする)の一定電圧であり、ともにこの差動ラッチ回路
のしきい値より大きい値である信号が印加されたとす
る。
【0135】(1)X=H、/X=Lの場合(スルーモ
ード) トランスミッションゲート85、86はON状態、トラ
ンスミッションゲート87、88およびpMOSトラン
ジスタ89、nMOSトランジスタ90はOFF状態で
ある。入力電圧Vin1はpMOSトランジスタ81のゲ
ート電極に、入力電圧Vin2はpMOSトランジスタ8
2のゲート電極にそれぞれ印加される。pMOSトラン
ジスタ81、82はそれぞれゲート電極に印加される電
圧に応じた定電流源を生じさせ、Vin1>Vin2によりp
MOSトランジスタ82で生じる電流はpMOSトラン
ジスタ81で生じる電流より大きい。nMOSトランジ
スタ84は、ドレイン端子とゲート電極が接続されたダ
イオード接続となるので、通常の抵抗として機能する。
従って入力端子dの出力電圧Vout2は、nMOSトラン
ジスタにおける抵抗値とpMOSトランジスタ82で生
じた電流により決定される。一方、nMOSトランジス
タ83のゲート電極にVout2が印加されること、pMO
Sトランジスタ81で生じる電流はpMOSトランジス
タ82で生じる電流より小さいことにより、Vout1はVo
ut2より小さくなる。図9に示すように、スルーモード
時はVin1>Vin2の入力信号に対してVout1<Vout2の
出力信号を出力する。
【0136】ここでpMOSトランジスタ71、nMO
Sトランジスタ73で第1のインバータ回路、pMOS
トランジスタ72、nMOSトランジスタ74で第2の
インバータ回路が構成され、ともに(Vdd−Vss)
/2のしきい値を有する。図9における差動ラッチ回路
のしきい値とはこの(Vdd−Vss)/2の値を示す
ものである。
【0137】pMOSトランジスタ81、82、nMO
Sトランジスタ83、84により構成される回路は、入
力信号電圧Vin1、Vin2をVout1<しきい値<Vout2と
なるように出力信号電圧Vout1、Vout2に増幅する差動
増幅器として機能する。ここでVout1<しきい値<Vout
2は、pMOSトランジスタ81、82とnMOSトラ
ンジスタ83、84とを所定の特性に調整することによ
り得られる。例えばVin1、Vin2に対してトランジスタ
のゲート長、ゲート幅を所定の大きさに作製する。
【0138】なお、Vdd1はpMOSトランジスタ7
1、72に接続されず、Vss2はnMOSトランジス
タ73、74に接続されないので、Vin1、Vin2に対し
て、pMOSトランジスタ71、72、nMOSトラン
ジスタ73、74は何等動作しない。
【0139】(2)X=L、/X=Hの場合(ラッチモ
ード) トランスミッションゲート85、86はOFF状態、ト
ランスミッションゲート87、88およびpMOSトラ
ンジスタ89、nMOSトランジスタ90はON状態で
ある。スルーモードからラッチモードに移行する瞬間に
決定されたVout1、Vout2がそれぞれノードH1、H2
に印加される。さらにVdd1はpMOSトランジスタ
71、72に接続され、Vss2はnMOSトランジス
タ73、74に接続されるので、pMOSトランジスタ
71、nMOSトランジスタ73はVout1が入力される
第1のインバータ回路、pMOSトランジスタ72、n
MOSトランジスタ74はVout2が入力される第2のイ
ンバータ回路としてそれぞれ機能する。
【0140】スルーモードからラッチモードへ移行時の
Vout1、Vout2を初期値として、pMOSトランジスタ
71とnMOSトランジスタ73とのインバータ動作、
およびpMOSトランジスタ72とnMOSトランジス
タ74とのインバータ動作により、ノードG1、G2の
電位が決定される。
【0141】ここで、ラッチモード開始時において、Vo
ut2はこの差動ラッチ回路のしきい値より大きく、Vout
1はしきい値より小さいので、ノードG1の電位はその
まま上昇し、一方ノードG2の電位はそのまま減少す
る。ノードG1、G2の電位はそれぞれpMOSトラン
ジスタ81、82のゲート電極にそれぞれ印加される。
pMOSトランジスタ81、82およびnMOSトラン
ジスタ83、84は上述のとおり、ノードG1、G2の
入力に対する差動増幅器として機能し、ノードG1電位
の上昇、ノードG2電位の減少に伴って、Vout1は減少
するとともにVout2は上昇する。このVout1、Vout2が
同時にノードH1、H2に入力されることにより、Vout
1の減少およびVout2の上昇はさらに促進され、図9に
示したとおり、スルーモードからラッチモードへ移行し
た後、Vout1はそのまま加速的に減少し、Vout2は加速
的に上昇する。
【0142】ノードG1はほぼVdd1の電位に達する
ので、pMOSトランジスタ82のドレイン・ソース間
はほぼ導通され、Vout2はVdd1の電位となりH状態
に確定される。一方ノードG2はほぼVss2の電位に
達するので、pMOSトランジスタ82のドレイン・ソ
ース間は非導通、nMOSトランジスタ83のドレイン
・ソース間は導通となり、Vout1はVss2の電位とな
りL状態に確定される。Vout2はVdd1の電位となり
H状態に確定される。なお、このときnMOSトランジ
スタ83、84は差導増幅器の能動負荷抵抗として機能
するので、Vout1、Vout2が両方ともH状態もしくはL
状態となることは生じない。
【0143】このようにスルーモード時、入力される信
号の電位Vin1、Vin2の一方を差動ラッチ回路のしきい
値より大きくし、他方をそのしきい値より小さくする電
位に変換し、ラッチモード開始時の初期電圧としたの
で、Vin1、Vin2に対する差動ラッチ回路のDC動作点
レベルと差動ラッチ回路のしきい値電圧との差異(例え
ば、図14に示したスルーモード時の出力電位Vout1、
Vout2としきい値とのずれ)により、ラッチモードへの
移行後に生じる出力電圧の衝突を緩和させることがで
き、出力信号のHまたはLを高速に確定させることがで
きる。従って、この差動ラッチ回路の出力端子に接続さ
れる次段のディジタル回路はその信号処理を高速に動作
させることができる。
【0144】図8の差動ラッチ回路に入力される信号
は、図11に示すように複数段接続された差動増幅器に
おいて、最終段の差動増幅器13で差動増幅された出力
される2つのアナログ信号である。本実施例では電位が
一定の直流電圧が入力された場合を説明したが、実際に
入力される信号は、通常ある電位を中心にして微少に振
動する振幅を有するアナログ信号であり、使用時には回
路の特性によりその中心電圧は決定される。この中心電
圧がおよそ差動ラッチ回路のしきい値電圧に変換される
ように、差動増幅回路を構成するpMOSトランジスタ
81、82およびnMOSトランジスタ83、84のト
ランジスタサイズを調整する。スルーモード時に出力さ
れる信号の電位Vin1、Vin2はともにしきい値付近で変
化するようになり、ラッチモードにおいて出力信号のH
またはLを高速に確定させることができる。
【0145】また、一般にディジタル回路において、出
力の論理レベルを確定させる入力信号のしきい値は(V
dd−Vss)/2であり、この差動ラッチ回路のしき
い値と一致している場合が多い。この差動ラッチ回路の
次段のディジタル回路は、図9においてスルーモードか
らラッチモードに移行した瞬間でもVout1をLレベル、
Vout2をHレベルと認識して処理することができるの
で、次段のディジタル回路の処理時間を速くすることが
できる。
【0146】また、本実施例の差動ラッチ回路は、図1
3の構成に、符号100で示した回路を付加した構成で
あり、スルーモード時における差動ラッチ回路の出力信
号をしきい値電圧付近に変換することもこの付加回路に
より独立に調整できるので、回路設計が容易になる。
【0147】なお、符号100を付した差動増幅回路に
おいて、ノードG1、G2の信号を入力し、差動増幅し
て出力端子c、dより出力する差動増幅回路を構成し、
この出力端子cの信号をトランスミッションゲート87
を介してノードH1に印加し、出力端子dの信号をトラ
ンスミッションゲート88を介してノードH2に印加す
るようにすれば図8の回路構成に限るものではない。た
だし上述したとおり、スルーモード時に出力される2つ
の信号電圧が差動ラッチ回路のしきい値電圧にレベルシ
フトされるように、差動増幅回路の特性を調整する必要
がある。
【0148】また、この回路において電源Vdd1とグ
ランドVss2、およびnMOSトランジスタとpMO
Sトランジスタを入れ換えることによって構成されても
同一の動作を行ない、同一の効果を奏するものである。
【0149】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る差
動ラッチ回路によると、第1のスイッチ回路のオン動作
により第1および第2の入力端子に入力される信号が差
動増幅されて第1および第2の出力端子より出力され
る。このとき定電流源は、一端子が第1および第2のM
OSトランジスタに、他端子は第2の電源電圧にそれぞ
れ直接に接続されるように構成されたので、第1のスイ
ッチ回路が第1のノードと第1のトランジスタとの間
を、かつ第2のノードと第2のトランジスタとの間を通
電させた場合、定電流源における両端の電圧は降下する
こともなく、その定電流源の機能を損なわずに2つの入
力信号に対する差動増幅を正常に行なうことができると
いう効果を奏する。
【0150】この発明に係る差動ラッチ回路によると、
第1のスイッチ回路のオン動作により第1および第2の
入力端子に入力される信号が差動増幅されて第1および
第2の出力端子より出力される。このとき定電流源とし
て機能する第5のMOSトランジスタは、一端子が第1
および第2のMOSトランジスタそれぞれに直接に接続
され、他端子は第2の電源電圧に直接に接続されるよう
に構成されたので、第1のスイッチ回路が第1のノード
と第1のMOSトランジスタとの間を、かつ第2のノー
ドと第2のMOSトランジスタとの間を通電させた場
合、第5のMOSトランジスタにおける両端の電圧は降
下することもなく、その定電流源の機能を損なわずに2
つの入力信号に対する差動増幅を正常に行なうことがで
きるという効果を奏する。
【0151】第2のスイッチ回路のON動作により第3
および第4のMOSトランジスタがラッチ動作を行う。
この第2のスイッチ回路は、第3のMOSトランジスタ
と第2の電源電圧との間、および第4のMOSトランジ
スタと第2の電源電圧との間に直接に接続されたMOS
トランジスタにより構成されたので、第3のMOSトラ
ンジスタおよび第4のMOSトランジスタと、第2の電
源端子との間は、第2のスイッチ回路であるMOSトラ
ンジスタによる電圧降下のみが生じ、第1および第2の
出力端子のうちいずれか一方の論理レベルは第2の電源
端子の電位に十分近ずけることができ、従って、次段に
接続されたディジタル回路に十分大きな出力レンジの論
理信号を与え、次段回路に伝える論理レベルを明確にす
るという効果を奏する。
【0152】また、第5のMOSトランジスタは、その
一端子が第3および第4のMOSトランジスタの他端子
それぞれに直接に接続され、第2のスイッチ回路は、第
1のノードと第3のMOSトランジスタとの間に接続さ
れたMOSトランジスタ、第2のノードと第4のMOS
トランジスタとの間に接続されたMOSトランジスタに
より構成されたので、差動増幅時に機能する第1のスイ
ッチ回路、第1と第2のMOSトランジスタ、および第
5のMOSトランジスタの回路接続、そしてラッチ動作
時に機能する上記第2のスイッチ回路、第3と第4のM
OSトランジスタ、および第5のMOSトランジスタの
回路接続が同一の構成され、差動増幅動作からラッチ動
作に移行した後、第1および第2の出力端子において、
信号電圧の衝突もなく所定の論理レベルが確定されるよ
うになる。従って次段に接続されるディジタル回路は入
力されるディジタル信号の処理を迅速に行なうことがで
きるという効果を奏する。
【0153】また、第1のスイッチ回路は、第1の入力
端子に入力される入力信号、および第1のMOSトラン
ジスタを非導通状態にさせる電位を選択して第1のMO
Sトランジスタのゲート電極に入力する選択回路、第2
の入力端子に入力される入力信号、および第2のMOS
トランジスタを非導通状態にさせる電位を選択して第2
のMOSトランジスタのゲート電極に入力する選択回路
により構成されたので、第1のスイッチ回路が第1のノ
ードと第2の電源電圧との間を、かつ第2のノードと第
2の電源電圧との間を通電させたとき、差動増幅動作を
低電圧で実現でき、もって消費電力の低減を図ることが
できる。
【0154】また、第1のスイッチ回路は、第5のMO
Sトランジスタを導通状態にさせる電位、および第5の
MOSトランジスタを非導通状態にさせる電位を選択し
て第5のMOSトランジスタのゲート電極に入力する選
択回路により構成されたので、第1のスイッチ回路が第
1のノードと第2の電源電圧との間を、かつ第2のノー
ドと第2の電源電圧との間を通電させたとき、差動増幅
動作を低電源電圧で実現でき、もって消費電力の低減を
図ることができる。
【0155】また、この発明による差動ラッチ回路は、
第1の入力信号および第2の入力信号を入力し、その信
号に対して差動増幅する差動増幅回路、第1の出力端子
より出力された信号を入力する第1のインバータ回路、
第2の出力端子より出力された信号を入力する第2のイ
ンバータ回路、差動増幅器における第1の入力信号とし
て、第1の入力端子に入力された信号、および第1のイ
ンバータ回路からの出力信号を選択する第1のスイッチ
回路、差動増幅器における第2の入力信号として、第2
の入力端子に入力された信号、および第2のインバータ
回路からの出力信号を選択する第2のスイッチ回路を備
えた。この差動増幅回路によりスルーモード時に出力さ
れた2つの信号の電位を、第1のインバータ回路、およ
び第2のインバータ回路のしきい値電圧に近づけるよう
に調整することができる。従って第2のモードにおい
て、第1および第2のインバータ回路がこの2つ信号の
各々を入力することにより、第1および第2の出力端子
は、互いに相補的な論理レベルを高速に確定させて出力
するようになり、次段に接続されるディジタル回路が入
力されるディジタル信号の処理を迅速に行なうことがで
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1に示す差動ラッチ回路の
回路図である。
【図2】 この発明の実施例2に示す差動ラッチ回路の
回路図である。
【図3】 この発明の実施例3に示す差動ラッチ回路の
回路図である。
【図4】 図3の差動ラッチ回路を用いた電圧比較器の
回路図である。
【図5】 この発明の実施例4に示す差動ラッチ回路の
回路図である。
【図6】 図5の差動ラッチ回路を用いた電圧比較器の
回路図である。
【図7】 この発明の実施例5に示す差動ラッチ回路の
回路図である。
【図8】 この発明の実施例6に示す差動ラッチ回路の
回路図である。
【図9】 図8の差動ラッチ回路における、時間に対す
る出力信号の電位の様子を示すタイミングチャート図で
ある。
【図10】 従来技術による差動ラッチ回路の回路構成
図である。
【図11】 図10の差動ラッチ回路を用いた従来の電
圧比較器の回路図である。
【図12】 図11で用いられる差動増幅回路12、1
3の回路図である。
【図13】 従来技術による別の差動ラッチ回路の回路
図である。
【図14】 図13の差動ラッチ回路における、時間に
対する出力信号の電位の様子を示すタイミングチャート
図である。
【符号の説明】
1…電源電圧(Vdd)、2…グランド電圧(Vs
s)、3、4…pMOSトランジスタ(能動負荷抵
抗)、23、24、25、26…nMOSトランジス
タ、27…nMOSトランジスタ(定電流源)、21、
22、28、29、30…nMOSトランジスタ(スイ
ッチ回路)、37〜40、51、52…スイッチ回路、
85〜88…トランスミッションゲート(スイッチ回
路)、89、90…nMOSトランジスタ(スイッチ回
路)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊本 敏夫 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電機 株式会社システムエル・エス・アイ開発研 究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ一端子が第1の電源端子に接続
    された第1の負荷抵抗と第2の負荷抵抗、 一端子が第1のノードで上記第1の負荷抵抗の他端子に
    接続され、制御端子が第1の入力端子に接続された第1
    のトランジスタ、 一端子が第2のノードで上記第2の負荷抵抗の他端子に
    接続され、制御端子が第2の入力端子に接続された第2
    のトランジスタ、 一端子が上記第1のトランジスタおよび第2のトランジ
    スタの他端子それぞれに直接に接続され、他端子が第2
    の電源端子に直接に接続された定電流源、 上記第1のノードおよび第2のノードからの信号を入力
    し、その信号電圧から2つの相補的な論理信号を生成
    し、第1および第2の出力端子より出力させるラッチ動
    作を行なうラッチ回路、 上記第1のノードと上記第1のトランジスタとの間、か
    つ上記第2のノードと上記第2のトランジスタとの間を
    同時に通電または非通電させる第1のスイッチ回路、 およびこの第1のスイッチ回路が通電させるモードのと
    き、上記第1のノードおよび第2のノードにおける信号
    を、各々上記第1の出力端子および第2の出力端子より
    そのまま出力し、上記第1のスイッチ回路が非通電させ
    るモードのとき、上記ラッチ回路を動作させる第2のス
    イッチ回路を備えたことを特徴とする差動ラッチ回路。
  2. 【請求項2】 第1の電源端子と第1の出力端子の接続
    ノード(以下、第1のノード)との間に接続された第1
    の負荷抵抗、 上記第1の電源端子と第2の出力端子の接続ノード(以
    下、第2のノード)との間に接続された第2の負荷抵
    抗、 一端子が上記第1のノードに接続され、制御端子が第1
    の入力端子に接続された第1のトランジスタ、 一端子が上記第2のノードに接続され、制御端子が第2
    の入力端子に接続された第2のトランジスタ、 一端子が上記第1のノードに、他端子が第2の電源端子
    に接続されるとともに、制御端子が上記第2のノードに
    接続された第3のトランジスタ、 一端子が上記第2のノードに、他端子が上記第2の電源
    端子に接続されるとともに、制御端子が上記第1のノー
    ドに接続された第4のトランジスタ、 一端子が上記第1のトランジスタおよび第2のトランジ
    スタの他端子それぞれに直接に接続され、他端子が第2
    の電源端子に直接に接続された定電流源、 上記第1のノードと第1のトランジスタとの間、かつ上
    記第2のノードと第2のトランジスタとの間を同時に通
    電または非通電させる第1のスイッチ回路、 および上記第1のスイッチ回路とは相補的に動作し、上
    記第1のノードと第3のトランジスタとの間、かつ上記
    第2のノードと第4のトランジスタとの間を同時に通電
    または非通電させる第2のスイッチ回路を備えたことを
    特徴とする差動ラッチ回路。
  3. 【請求項3】 第1の電源端子と第1の出力端子の接続
    ノード(以下、第1のノード)との間に接続された第1
    の負荷抵抗、 上記第1の電源端子と第2の出力端子の接続ノード(以
    下、第2のノード)との間に接続された第2の負荷抵
    抗、 一端子が上記第1のノードに接続され、ゲート電極が第
    1の入力端子に接続された第1のMOSトランジスタ、 一端子が上記第2のノードに接続され、ゲート電極が第
    2の入力端子に接続された第2のMOSトランジスタ、 一端子が上記第1のノードに、他端子が第2の電源端子
    に接続されるとともに、ゲート電極が上記第2のノード
    に接続された第3のMOSトランジスタ、 一端子が上記第2のノードに、他端子が上記第2の電源
    端子に接続されるとともに、ゲート電極が上記第1のノ
    ードに接続された第4のMOSトランジスタ、 一端子が上記第1のMOSトランジスタおよび第2のM
    OSトランジスタの他端子それぞれに直接に接続され、
    他端子が第2の電源端子に直接に接続された第5のMO
    Sトランジスタ、 上記第1のノードと第1のMOSトランジスタとの間、
    かつ上記第2のノードと第2のMOSトランジスタとの
    間を同時に通電または非通電させる第1のスイッチ回
    路、 および上記第1のスイッチ回路とは相補的に動作し、上
    記第1のノードと第3のMOSトランジスタとの間、か
    つ上記第2のノードと第4のMOSトランジスタとの間
    を同時に通電または非通電させる第2のスイッチ回路を
    備えたことを特徴とする差動ラッチ回路。
  4. 【請求項4】 第1のスイッチ回路は、第1のノードと
    第1のMOSトランジスタとの間に接続されたMOSト
    ランジスタ、および第2のノードと第2のMOSトラン
    ジスタとの間に接続されたMOSトランジスタにより構
    成されたことを特徴とする請求項3に記載の差動ラッチ
    回路。
  5. 【請求項5】 第2のスイッチ回路は、第3のMOSト
    ランジスタと第2の電源端子との間、および第4のMO
    Sトランジスタと上記第2の電源端子との間に直接に接
    続されたMOSトランジスタにより構成されたことを特
    徴とする請求項3もしくは請求項4に記載の差動ラッチ
    回路。
  6. 【請求項6】 第5のMOSトランジスタは、その一端
    子が第3および第4のMOSトランジスタの他端子それ
    ぞれに直接に接続され、 第2のスイッチ回路は、第1のノードと上記第3のMO
    Sトランジスタとの間に接続されたMOSトランジス
    タ、第2のノードと上記第4のMOSトランジスタとの
    間に接続されたMOSトランジスタにより構成されたこ
    とを特徴とする請求項4に記載の差動ラッチ回路。
  7. 【請求項7】 第1のスイッチ回路は、第1の入力端子
    に入力される入力信号と第1のMOSトランジスタと非
    導通状態にさせる電位を有した信号を選択して上記第1
    のMOSトランジスタのゲート電極に入力する選択回
    路、 および第2の入力端子に入力される入力信号と第2のM
    OSトランジスタと非導通状態にさせる電位を有した信
    号とを選択して上記第2のMOSトランジスタのゲート
    電極に入力する選択回路により構成されたことを特徴と
    する請求項3に記載の差動ラッチ回路。
  8. 【請求項8】 第2のスイッチ回路は、第2のノードに
    おける電位を有した信号と、第3のMOSトランジスタ
    を非導通状態にさせる電位を有した信号とを選択して上
    記第3のMOSトランジスタのゲート電極に入力させる
    選択回路、 および第1のノードにおける電位を有した信号と、第4
    のMOSトランジスタを非導通状態にさせる電位を有し
    た信号とを選択して上記第4のMOSトランジスタのゲ
    ート電極に入力させる選択回路により構成されたことを
    特徴とする請求項7に記載の差動ラッチ回路。
  9. 【請求項9】 第1のスイッチ回路は、第5のMOSト
    ランジスタを導通状態にさせる電位を有した信号、およ
    び上記第5のMOSトランジスタを非導通状態にさせる
    電位を有した信号を選択して、上記第5のMOSトラン
    ジスタのゲート電極に入力する選択回路により構成され
    たことを特徴とする請求項3に記載の差動ラッチ回路。
  10. 【請求項10】 一端子が第3のMOSトランジスタお
    よび第4のMOSトランジスタの他端子それぞれに直接
    に接続され、他端子が第2の電源端子に直接に接続され
    た第6のMOSトランジスタを備え、 第2のスイッチ回路は、上記第6のMOSトランジスタ
    を導通状態にさせる電位を有した信号、および上記第6
    のMOSトランジスタを非導通状態にさせる電位を有し
    た信号を選択して上記第6のMOSトランジスタのゲー
    ト電極に入力する選択回路により構成されたことを特徴
    とする請求項9に記載の差動ラッチ回路。
  11. 【請求項11】 第5および第6のMOSトランジスタ
    においてゲート電極への入力を出力する選択回路は、上
    記第5のMOSトランジスタとともにカレントミラー回
    路を構成する第7のMOSトランジスタと、上記第6の
    MOSトランジスタとともにカレントミラー回路を構成
    する第8のMOSトランジスタとを備え、上記第7のM
    OSトランジスタ、および第8のMOSトランジスタが
    互いに相補的に導通・非導通されるように構成されたこ
    とを特徴とする請求項10に記載の差動ラッチ回路。
  12. 【請求項12】 第1の入力信号および第2の入力信号
    を入力し、その信号に対して差動増幅して第1の出力端
    子および第2の出力端子より出力する差動増幅回路、 上記第1の出力端子より出力された信号を入力する第1
    のインバータ回路、 上記第2の出力端子より出力された信号を入力する第2
    のインバータ回路、 上記差動増幅器における第1の入力信号として、第1の
    入力端子に入力された信号、 および上記第1のインバータ回路からの出力信号を選択
    する第1のスイッチ回路、 および上記差動増幅器における第2の入力信号として、
    第2の入力端子に入力された信号、および上記第2のイ
    ンバータ回路からの出力信号を選択する第2のスイッチ
    回路を備えたことを特徴とする差動ラッチ回路。
  13. 【請求項13】 差動増幅回路は、一端子が第1の電源
    端子に接続され、ゲート電極に第1の入力信号が印加さ
    れる第1のMOSトランジスタ、一端子が上記第1の電
    源端子に接続され、ゲート電極に第2の入力信号が印加
    される第2のMOSトランジスタ、上記第1のMOSト
    ランジスタの他端子と第2の電源端子との間に接続され
    た第1の負荷抵抗、および上記第2のMOSトランジス
    タの他端子と上記第2の電源端子との間に接続された第
    2の負荷抵抗を備え、 第1の出力端子は、上記第1のMOSトランジスタと第
    1の負荷抵抗との接続ノードに接続され、第2の出力端
    子は、上記第2のMOSトランジスタと第2の負荷抵抗
    との接続ノードに接続されるように構成されたことを特
    徴とする請求項12に記載の差動ラッチ回路。
JP7141788A 1995-06-08 1995-06-08 差動ラッチ回路 Pending JPH08335860A (ja)

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