JPH08334722A - 光偏向素子 - Google Patents

光偏向素子

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JPH08334722A
JPH08334722A JP13958195A JP13958195A JPH08334722A JP H08334722 A JPH08334722 A JP H08334722A JP 13958195 A JP13958195 A JP 13958195A JP 13958195 A JP13958195 A JP 13958195A JP H08334722 A JPH08334722 A JP H08334722A
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JP
Japan
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plate
glass plate
movable plate
semiconductor substrate
lower glass
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Application number
JP13958195A
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English (en)
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Isao Kawakubo
功 川窪
Masaki Esashi
正喜 江刺
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/10Scanning systems
    • G02B26/101Scanning systems with both horizontal and vertical deflecting means, e.g. raster or XY scanners

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 部材に複雑な加工を要せず、組立が煩雑でな
く且つ安価で簡便な、良好に封止された小型の光偏向素
子を提供すること。 【構成】 平板状の可動板2と該板を軸支するねじりバ
ネ3と該バネを通じ該板を支持する固定枠とを一体形成
した半導体基板1と、該板の上周縁部に設けた平面コイ
ル5と、該板の中央に設けた反射鏡4と、該半導体基板
下面に設けた下側ガラス板12’と、上面に設けた1枚
以上の研磨された上側ガラス板10',11' と、該上側
および下側ガラス板と該固定枠とで構成された該可動板
を含む密閉空間内に配置されたガス吸着材9' と、該バ
ネのねじり軸に略平行な該平面コイルの部分において該
半導体基板に平行でかつ該バネの当該回転軸方向に垂直
な方向の成分を有する磁界を持つ永久磁石8とで構成さ
れる光偏向素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザービームプリン
タまたはバーコード読み取り装置などの光学機器の走査
装置に利用される光偏向素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン技術を用いて光偏向素子
を小型化した例として、例えば、特開昭57−8520
号公報にその記述がある。これを第1の従来例としてそ
の構成の概要を示す。すなわち、図5〜図8にはこの第
1従来例を示す。
【0003】図5( a) 〜( b) の例においては、シリ
コン基板を加工し、平板状の可動板と、その可動板を軸
支するねじりバネと、このねじりバネを通じて可動板を
支持する固定枠を一体形成し、さらにこの基板が中央部
に溝を形成した絶縁基板に接合されている。また、図6
( a) 〜( c) には光偏向素子の各構成部材がそれぞれ
示され、それらが組み立てられる場合の相対位置関係が
わかる。
【0004】図7( a) 〜( b) に断面図で示す示すシ
リコン基板は、固定枠の部分で絶縁基板と接合されてお
り、可動板は絶縁基板に形成された溝により、ねじりバ
ネを中心に若干の回転運動をすることができる。
【0005】また、図7( a) の絶縁基板には図示しな
いが電極が形成されており、図8に示す電気回路を形成
してシリコン基板と電極の間に電圧を印加すると「静電
引力」が発生して可動板が所定角度だけ偏向する。この
可動板の表面には反射鏡が形成され、この鏡面に光を照
射すると反射光が偏向されるような光偏向素子としての
機能を有する素子であることを教示している。
【0006】しかし、上述のような構成において、駆動
力としては「静電引力」を用いているため、このような
素子を空気中にさらしたままの状態では、電極間で発生
する放電や、空気抵抗による駆動効率の低下などの問題
があった。
【0007】そこで、これらの問題を避けるために、第
2の従来例として例えば、特開平4−211218号公
報に次のような発明が提案されている。すなわち、図9
( a) 〜( b) にはこの第2従来例に関する構成の概要
が示されている。つまり、この第2従来例は、減圧した
不活性ガスで加工された構造体を封止することによっ
て、上述の問題点を解決した従来技術である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術のう
ちで特に、第2従来例は、単体の構造体をステム上に配
置し、さらに上部よりキャップをかぶせて封止する構造
を特徴とする素子であり、それらステムやキャップ等の
多くの必須部材に対して複雑な加工を要する仕様である
故に、組立が煩雑になるという問題があった。そこで本
発明は、前述の問題点を克服し、部材に複雑な加工を要
せず安価で簡便な、封止された小型の光偏向素子を提供
することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上述
した課題を解決し、目的を達成するため、平板状の可動
板と前記可動板を軸支するねじりバネと前記ねじりバネ
を通じて前記可動板を支持する固定枠とを一体形成した
半導体基板と、前記可動板の上周縁部に沿って設けられ
た平面コイルと、前記可動板の中央部に設けられた反射
鏡と、前記半導体基板の下面に設けられた下側ガラス板
と、前記半導体基板の上面に設けられた少なくとも1枚
の光学研磨された上側ガラス板と、前記上側ガラス板お
よび前記下側ガラス板と前記半導体基板の固定枠とで構
成される前記可動板を含む密閉空間内に配置されたガス
吸着材と、前記ねじりバネのねじり軸に略平行な前記平
面コイルの辺の位置において前記半導体基板面に平行で
かつねじりバネの当該回転軸方向に垂直な成分を有する
磁界を持つ永久磁石と、から成る光偏向素子としたもの
である。
【0010】このような構成により、可動板上に形成さ
れた平面コイルに電流を流すことにより、ガラス板上に
固定した永久磁石が発生する磁界と電流との間でローレ
ンツ力が発生し、ねじりバネの軸回りに可動板を回転さ
せるトルクが発生する。このトルクにより可動板が偏向
する。可動部は、上部および下部ガラス板と枠状の基板
および半導体基板の固定枠により密閉されるため、外部
の気流、接触による破損などから保護され、かつ吸着材
により密閉空間のガスが吸着されるため、腐食、酸化な
どの無い安定な状態に保たれる。
【0011】
【実施例】
(第1実施例)図1には、本発明の光偏向素子に関する
第1の実施例が示されている。この第1実施例としての
光偏向素子は次のように構成されている。
【0012】図1( a) が示すような矩形を成すシリコ
ン基板1上の中央に、可動板2がねじりバネ3に支持さ
れた状態で配置され、その周囲には固定枠20がはめら
れて一体形成されている。さらにこの可動板2の中央部
には、光学的に鏡面研磨された反射鏡4が設けられ、そ
の鏡面の周縁部には平面コイル5が敷設されている。こ
の平面コイル5は、ねじりバネ3上を伝わって、固定枠
20上に形成された複数の電極6に電気的に接合されて
いる。
【0013】上述のシリコン基板1は、図示のように上
部より前カバーガラス板11’およびスペーサガラス基
板10’、下部より下部ガラス基板12’によって上下
方向から挟み込まれた構造となっている。そして、この
スペーサガラス基板10’にはその中央部の可動板2の
上にあたる部分に矩形の開口部が形成され、更に四隅に
はそれぞれ貫通穴7が形成されている。
【0014】また、下部ガラス基板12’には可動板2
の下に当たる部分に矩形の凹部が形成され、更にそれら
の一辺に沿って長矩形の溝が形成されている。この長矩
形の溝は図示のようにガス吸着材9’を埋設するための
空間を形成し、さらにその溝を空間的に連結する連絡通
路13が形成されている。
【0015】また、下部ガラス基板12’の裏面には複
数の磁石を配置するための円形の溝が基板の各辺に1つ
ずつ形成されており、その溝には円形の永久磁石8が埋
め込まれている。
【0016】図1( b) は、( a) の素子の中央部を通
る図示しない線分における断面図を示している。上述に
説明したように、上部の前カバーガラス板11’および
スペーサガラス基板10’と、下部の下部ガラス基板1
2’により、このシリコン基板1が上下から挟み込まれ
た密閉空間の中に封止されている構造であることがわか
る。そして、ガス吸着材9’および永久磁石8とが下部
ガラス基板12’に形成された溝に埋設されて素子全体
の厚さに影響しないこともわかる。
【0017】次に、図2に基づきこの第1実施例の光偏
向素子の作用について説明する。本実施例では駆動力と
して電磁力を使用するが、その動作原理をこの図2に示
す。永久磁石8は図1( b) に示すように、基板平面に
垂直な方向に磁化されており、平面コイル5の位置にお
いて、基板平面に水平な方向の磁束密度成分Byを有し
ている。
【0018】ここで、図2の太矢印が示すような方向の
磁束密度Byが存在する空間中で、可動板2上に敷設さ
れた平面コイル5に電流Iを流すと、矢印Byと直角の
方向に流れる電流Iに対して下式のような「ローレンツ
力F」が発生する。
【0019】 F = I×By …(式) このローレンツ力Fにより、可動板2がねじりバネ3の
軸回りに回転駆動する。外部から入射した光はガラス板
10',11' を透過し、シリコン基板1中央の反射鏡4
の鏡面によって反射される。このとき、回転駆動力によ
り鏡面が所定の向きに所定の角度だけ傾き、その結果、
入射した光は偏向されることになる。
【0020】次に図3( a) 〜( e) には、本発明の光
偏向素子の製造プロセスを示している。これらの図は、
前説の図1が示すシリコン基板中央を通る線分における
断面でデバイスを見たものである(但し、永久磁石8、
電極6などはこの断面に入らないが、位置関係を示すた
め図示している)。
【0021】まず最初に、図3( a) に示すように、半
導体基板( この例では、シリコン基板) を部分的にエッ
チングする。そして図3( b) に示すように、その基板
表面に不純物を拡散させる。このように形成された不純
物拡散層は、電極6およびねじりバネ3として使われ
る。このエッチングは、電極6が在る部分の周辺におい
てのみ行われるが、この理由は、後にこの上部にガラス
を接合した際、半導体のシリコン基板とこの不純物拡散
層との境界面がガラスに接触すると、その部分で「リー
ク電流」が発生する故に、この不具合を回避するためで
ある。
【0022】次に図3( c) に示すように、シリコン基
板の裏面より下側に(下部ガラス)基板をエッチングす
る。この際に特定のエッチャントを使用すると、不純物
層の部分でエッチングが停止することが知られているの
で、この技術を利用して、図3( c) が示す如くの構造
の層を形成できる。この時点で可動板2は図示のように
薄い不純物拡散層で囲まれている。
【0023】さらに、図3( d) に示すように、シリコ
ン基板の表面の4箇所にそれぞれ平面コイル5を形成
し、中央部には反射鏡4を形成し、また不純物層をねじ
りバネ3の部分のみ残してエッチングすることによっ
て、最終的な形態の構造体ができあがる。
【0024】また、ガラス板に関しては、図3( e) に
示すように、この光偏向素子の上部に更にガラスででき
たカバーガラス板とスペーサガラス板を薄いシリコン膜
を介して「陽極接合」することにより形成する。一方、
シリコン基板の下部にある下側ガラス板に形成された溝
や、前述の上部のスペーサガラス板の四角箇所に形成さ
れた貫通穴やコンタクトホール等は、例えばCrおよび
Au等をマスクとして、フッ酸でガラスをエッチングす
ることにより形成できる。
【0025】更にシリコン基板の下部にあるガラス基板
内にはガス吸着材9’を配し、このシリコン基板にこれ
らの3枚のガラス基板を接合し、そして複数の永久磁石
8を配置することによって、本発明の第1実施例として
の構造的特徴をもつ光偏向素子が完成する。
【0026】上述のように、本発明の第1実施例によれ
ば次のような効果が生まれる。すなわち、上部および下
部ガラス板でシリコン基板を挟み込んで可動板2を良好
な状態に封止する構成であるため、第2従来例のよう
な、複雑な形状の多くの部品を使用することなく、簡便
なパッケージングが可能となる。
【0027】また、可動部が運動する際、空気抵抗を受
けるが、この影響を制御するには可動板2を一定圧力で
封止すればよい。しかしながら、ガラスとシリコンを接
合する際にガスが発生するため、可動部を一定圧力に封
止するには、このガスを除去する必要がある。そこで、
ガラス板と半導体基板との接合は、「陽極接合」で行わ
れる。陽極接合は高温下でガラスと半導体との界面に電
圧を印加し、両者を界面で化学結合させる技術であり、
これにより可動板2を含む空間を完璧に封止することが
可能である。しかしながら、この陽極接合においては接
合時にガス放出があることが知られている故に、このガ
スを吸収するためのガス吸着材9’が配置されている。
【0028】このガス吸着材9’には例えば、Zr- V
- Feの「焼結体」等が用いられる。これらの材料は活
性化によりガス吸収機能を発揮するので、陽極接合時ま
たは接合後に高温で活性化することにより封止空間中の
残留ガスを効果的に除去できる。したがって、上記の構
成で真空中において接合作業を行えば、可動板2を真空
に封止することができる。
【0029】また、ガス吸着材9’は通常、不活性ガス
には反応しないので、Arなどの一定圧の雰囲気中で接
合作業を行えば、特定の圧力に封止することもできる。
なお、これらの技術については、例えば次の文献に詳し
く記載されている。そして、本発明の組立作業に際して
は、その記載内容に注意しながら上述した一連の接合作
業を行うとよい。
【0030】H.Henmi,S.Shoji,K.Yooshimi and M.Esash
i,“Vacuum Packaging for Mi
crosensorsby Glass−Slicon
Anodic Bonding”,IEEE,Dig.of Tec
h,Papers,Transducer′93, Yokohama,Japan,in June 7-
10,1993, pp.584-587 . 本構成では、前記のガス吸着材9’が反応しない不活性
ガス中で接合を行い、その後、ガス吸着材9’を活性化
することにより、接合時に発生するガスを吸着材9’で
除去することができる。これにより、これらのガスの悪
影響を受けずに可動板2を含む可動部を内包する密閉空
間を一定の圧力に封止することが可能となり、所望の特
性に応じて空気抵抗を調整した光偏向素子を得ることが
できる。
【0031】また、空気抵抗を可能な限り減らしたい場
合には、真空中で同様の工程を行うことにより、可動板
2を真空に近い状態で封止することができる。ところ
で、通常の光偏向素子には次のような2つの応用例(適
用例)がある。その第1の応用例は、走査素子として一
定範囲を特定の周波数で走査する為のものであり、例え
ば、バーコードリーダやレーザプリンタなどがその代表
例である。
【0032】また第2の応用例は、レーザビームを特定
の位置に位置決めする為のものであり、例えば、光ディ
スクのトラッキングや、レーザー顕微鏡のビーム位置制
御などが挙げられる。
【0033】前述の第1応用例では、共振周波数におい
て高利得が得られることが好ましく、一方、前述の第2
応用例では、共振点での利得を抑えた平坦な周波数特性
が好ましい。
【0034】よって、以上の第1実施例の構成によれ
ば、封止時の圧力を制御するだけで2つの異なった特性
を実現できる。 (第2実施例)次に、図4を用いて本発明の光偏向素子
に関する第2の実施例を説明する。
【0035】本第2実施例は、シリコン基板1’側の一
辺に沿ってに矩形の溝を形成し、この溝部分にガス吸着
材9''を配置した構造を特徴とするものである。このよ
うな構造によれば次のような作用が生ずる、すなわち、
ガス吸着材9''を活性化することにより、上下のガラス
板10',12' とシリコン基板1を接合する際に発生す
るガスが吸着される。
【0036】その結果、前述の第1実施例とは異なり、
下部ガラス板12' 側にはガス吸着材を入れるスペース
が必要無いので、下部ガラス板12' 自体の厚さを薄く
形成することができる。また、永久磁石8と平面コイル
5との相対的な位置を近づけることができる故に、第2
実施例としてのこの光偏向素子は効率の良い駆動が可能
になる。
【0037】(変形実施例)なお、本発明の変形実施例
としては、例えば、磁石やガス吸着材等の種類、形状お
よび個数は適宜に変更できる。つまり、本発明の要旨を
逸脱しない範囲で種々の変形実施も可能である。
【0038】以上、本発明の光偏向素子に関する複数の
実施例について説明したが、本明細書中には以下の発明
が含まれる。 (1) 平板状の可動板と前記可動板を軸支するねじり
バネと前記ねじりバネを通じて前記可動板を支持する固
定枠とを一体形成した半導体基板と、前記可動板の上周
縁部に沿って設けられた平面コイルと、前記可動板の中
央部に設けられた反射鏡と、前記半導体基板の下面に設
けられた下側ガラス板と、前記半導体基板の上面に設け
られた少なくとも1枚の光学研磨された上側ガラス板
と、前記上側ガラス板および前記下側ガラス板と前記半
導体基板の固定枠とで構成される前記可動板を含む密閉
空間内に配置されたガス吸着材と、前記ねじりバネのね
じり軸にほぼ平行な前記平面コイルの辺の位置において
前記半導体基板面に平行でかつ前記ねじりバネの当該回
転軸方向に垂直な成分を有する磁界を持つ永久磁石と、
から構成される光偏向素子。
【0039】第1〜第2実施例が該当する。実施例中で
前カバーガラス基板およびスペーサガラス基板は上側ガ
ラス板に相当する。
【0040】(作用1) 可動板上に形成された平面コ
イルに電流を流すことにより、ガラス板上に固定した永
久磁石が発生する磁界と電流との間でローレンツ力が発
生し、ねじりバネの軸回りに可動板を回転させるトルク
が発生する。このトルクにより可動板が偏向する。可動
部は、上部および下部ガラス板と枠状の基板および半導
体基板の固定枠により密閉されるため、外部の気流、接
触による破損などから保護され、かつ吸着材により密閉
空間のガスが吸着されるため、腐食、酸化などの無い安
定な状態に保たれる。
【0041】(効果1) 平坦なガラス板でシリコン基
板を挟み込むことにより形成される密閉空間内に可動板
の封止が行われるので、安価で量産性に優れた封止が可
能である。また、可動部はガラス板と枠状基板と固定枠
により密閉されるため、外部の気流、接触による破損な
どから保護され、且つガス吸着材により密閉空間のガス
が吸着されるため、腐食や酸化などの無い安定な状態に
保たれる。
【0042】なお、可動部が運動する際、空気抵抗を受
けるが、この影響を制御するには可動部を一定圧力で封
止すれば良いが、ガラスと基板を接合する際にガスが発
生するため、可動部を一定圧力に封止するには、このガ
スを除去する必要がある。
【0043】本構成では、上述のように、密閉空間内に
ガス吸着材を設けているので、接合時に発生するガスを
前記吸着材で除去することができる。これにより、これ
らのガスの影響を受けずに可動部を含む空間を一定の圧
力に封止することが可能であり、望む特性に応じて空気
抵抗を調整した素子を得ることができる。
【0044】(2) 前記上側ガラス板および前記下側
ガラス板と前記固定枠とで構成される前記密閉空間は、
前記ガス吸着材を収納する、前記下側ガラス板に配設さ
れた溝と、前記可動板を収納する空間と、前記空間と溝
とを互いに連結する連絡通路と、から構成されることを
特徴とする(1)に記載の光偏向素子。
【0045】第1実施例が該当する。 (作用効果2) ガラス基板上にガス吸着材を所定の位
置に固定するための溝および可動板を含む空間との連絡
通路が形成され、この溝内にはガス吸着材が配置され
る。その結果、素子が外部より振動、衝撃などを受けた
時に、ガス吸着材が移動してしまうのを防止できる。
【0046】(3) 前記上側ガラス板および前記下側
ガラス板と前記固定枠とで構成される前記密閉空間は、
前記ガス吸着材を収納する、前記半導体基板に配設され
た溝と、前記可動板を収納する空間と、前記空間と溝と
を互いに連結する連絡通路と、から構成されることを特
徴とする(1)に記載の光偏向素子。
【0047】第2実施例が該当する。 (作用効果3) 半導体基板上にガス吸着材を所定の位
置に固定するための溝および可動板を含む空間との連絡
通路が形成され、この溝内にはガス吸着材が配置され
る。その結果、素子が外部より振動、衝撃などを受けた
時に、ゲッターが移動してしまうのを防止する効果があ
ると共に、下部ガラス板にガス吸着材を配置するための
溝が必要なくなる故に、下部ガラス板をより薄く形成で
きる。
【0048】(4) 前記上側ガラス板が、光学研磨さ
れたガラス板と、このガラス板に接合され前記可動部が
配置される部分に対応する貫通穴を有する枠状のガラス
板と、から構成されていることを特徴とする(1)〜
(3)のいずれか1つに記載の光偏向素子。
【0049】第1〜第2実施例が該当する。 (作用効果4) 半導体基板上に、可動部が配置される
部分の上部に対応する貫通穴を有するガラス板が接合さ
れ、さらにその上に光学研磨されたガラス板が接合され
る。反射鏡への入出射光は光学研磨された平坦なガラス
板のみを通過する。貫通穴を有するガラス板は、光学研
磨されたガラス板とシリコン基板との距離を離し、可動
部が回転動作するための空間を確保するという作用を有
する。
【0050】その結果、簡単な構成により可動板の動作
する密閉空間が形成でき、かつ、反射鏡に入射し反射さ
れる光がガラス板を通過する際の光の散乱が極めて少な
いという効果がある。
【0051】
【発明の効果】以上、実施例に基づいて説明したよう
に、本発明によれば、密閉空間内にガス吸着材を設けた
ので、腐食、酸化の無い安定した状態を保つことができ
る光偏向素子を部材に複雑な加工を要することなく安価
で簡便に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光偏向素子に関する第1実施例を示
し、( a) は、素子の斜視展開図、( b) は、図1(
a) の素子中心部を通る線分における断面を含む側面か
ら見た図。
【図2】本発明の光偏向素子の動作原理を示す説明図。
【図3】本発明の光偏向素子に関する製造プロセスを断
面で示す工程図。
【図4】本発明の光偏向素子に関する第2の実施例を示
す斜視展開図。
【図5】第1の従来例の光偏向素子を示す斜視図であ
り、( a) は、素子の全体図、( b) は、素子の分解
図。
【図6】第1従来例の光偏向素子の一部を示す平面図で
あり、( a) 〜( c) は、各構成要素の組立時の相対位
置関係を説明する図。
【図7】第1従来例の光偏向素子の断面の一部を示す断
面図であり、( a) は、素子全体の断面図、( b) は、
素子端部の断面図。
【図8】第1従来例の光偏向素子の電気回路図。
【図9】減圧不活性ガスを封止する構造体の第2の従来
例を示し、( a) は、その構造体の一部の断面含む斜視
図、( b) は、その構造体の横断面図。
【符号の説明】
1…シリコン基板,2…可動板,3…ねじりバネ,4…
反射鏡,5…平面コイル,6…電極,7…貫通穴,8…
永久磁石,9’…ガス吸着材,10’…スペーサガラス
基板,11’…前カバーガラス基板,12’…下部ガラ
ス基板,13…連絡通路,20…固定枠。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状の可動板と前記可動板を軸支する
    ねじりバネと前記ねじりバネを通じて前記可動板を支持
    する固定枠とを一体形成した半導体基板と、 前記可動板の上周縁部に沿って設けられた平面コイル
    と、 前記可動板の中央部に設けられた反射鏡と、 前記半導体基板の下面に設けられた下側ガラス板と、 前記半導体基板の上面に設けられた少なくとも1枚の光
    学研磨された上側ガラス板と、 前記上側ガラス板および前記下側ガラス板と前記半導体
    の固定枠とで構成される前記可動板を含む密閉空間内に
    配置されたガス吸着材と、 前記ねじりバネのねじり軸に略平行な前記平面コイルの
    部分において前記半導体基板面に平行でかつ前記ねじり
    バネの当該回転軸方向に垂直な方向の成分を有する磁界
    を持つ永久磁石と、を具備することを特徴とする光偏向
    素子。
  2. 【請求項2】 前記上側ガラス板および前記下側ガラス
    板と前記固定枠とで構成される前記密閉空間は、 前記ガス吸着材を収納する、前記下側ガラス板に配設さ
    れた溝と、 前記可動板を収納する空間と、 前記空間と溝とを互いに連結する連絡通路と、を具備す
    ることを特徴とする、請求項1に記載の光偏向素子。
  3. 【請求項3】 前記上側ガラス板および前記下側ガラス
    板と前記固定枠とで構成される前記密閉空間は、 前記ガス吸着材を収納する、前記半導体基板に配設され
    た溝と、 前記可動板を収納する空間および前記可動板を互いに連
    結する連絡通路と、を具備することを特徴とする、請求
    項1に記載の光偏向素子。
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