JPH08334198A - 潤滑方法とその装置 - Google Patents

潤滑方法とその装置

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JPH08334198A
JPH08334198A JP14066295A JP14066295A JPH08334198A JP H08334198 A JPH08334198 A JP H08334198A JP 14066295 A JP14066295 A JP 14066295A JP 14066295 A JP14066295 A JP 14066295A JP H08334198 A JPH08334198 A JP H08334198A
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JP
Japan
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oil
lubricating
chain
lubricated
lubrication
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JP14066295A
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English (en)
Inventor
Kenzo Saito
健三 斉藤
Takao Murayama
孝雄 村山
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HEWTEC ORIJIN KK
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HEWTEC ORIJIN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、油受けなどの付帯設備を必要とする
ことなく移動する被潤滑体に対する適正な潤滑ができる
とともに、その潤滑において被潤滑体を清掃できる潤滑
方法を得ることにある。 【構成】潤滑油を一定量含んだ状態を保持するフェルト
製の含油体24に接触して配置されるブラシ製の塗油体24
の柔軟性を有するブラシ毛24b の先端部を移動されるチ
ェーン25等の被潤滑体に接触させ、含油体24に含まれた
潤滑油を、塗油体24の毛細管現象により前記先端部に運
び移し、チェーン25に塗り付けることを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば立体倉庫の昇降
用または横行用等の搬送チェーン、或いはシャッター開
閉用チェーン等の移動される被潤滑体に、その移動にし
たがって自動給油するのに適した潤滑方法とその装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】移動される被潤滑体例えばチェーンに対
して防錆および潤滑のためにグリースまたは潤滑油等の
潤滑剤を供給する潤滑の必要性は知られており、そのた
めの方法として、手塗りと、オイラーと通称される潤滑
装置を用いる方法とがある。
【0003】前者の手塗り方法は、ナイロン繊維または
動物の毛からなるブラシ毛を有したブラシ、或いは油差
しを用いて、チェーンを試運転状態または危険がない状
態で移動させながら、塗布して潤滑する方法である。し
かし、この方法は、チェーンに対する潤滑剤の塗布の作
業性が悪いだけでなく、塗布むらを生じ易く、極めて原
始的な潤滑方法である。
【0004】また、後者の潤滑方法では図9に示される
潤滑装置が使用される。図9中1は円筒状をなす本体、
2は滴下孔2aを有した弁座体,3は点検孔3aを有し
た出油体、4は椀状のフィルタ、5はステム軸、6はニ
ードル棒、7はニードル棒6の上端部に螺合された油量
調節つまみ、8は油量調節つまみ7を貫通したニードル
棒6の上端部に連結された油量調節ストッパ、9は油量
調節つまみ7に係脱可能なつまみ緩み止め金具、10は
コイルばね、11は給油口、12は開閉可能な給油口蓋
である。油量調節ストッパ8は枢軸13でニードル棒6
に枢着されており、この枢軸13を中心に回動できる。
【0005】なお、油量調節ストッパ8の軸線は枢軸1
3の軸線とは直角に交差する関係にあるが、説明の都合
上、図9中2点鎖線でニードル棒6の下端部が滴下孔2
aを閉じる位置に保持する油量調節ストッパ8の第1位
置を示し、1点鎖線でニードル棒6が上昇して滴下孔2
aを開いた状態に保持する油量調節ストッパ8の第2位
置を示しており、これら両位置間に油量調節ストッパ8
を回動させることによって、ニードル棒6により滴下孔
2aが開かれる大きさを調節できる。そのため、油量調
節つまみ6を回動してその位置を上下に変位させること
により、油量調節ストッパ8を第2位置に向けて回動し
た際に、このストッパ8の油量調節つまみ7の上面への
当接位置が変化され、それにより、コイルばね10の付
勢力に抗して引上げられるニードル棒6の引上げ高さが
変化して滴下孔2aの開閉の大きさが調節されるように
なっている。
【0006】本体1内に給油口11から注がれる潤滑油
は、フィルタ4により濾過されてからステム軸5の内側
に供給される。そのため、前記のように油量調節ストッ
パ8を起こすように操作してニードル棒6を引上げ保持
することにより、潤滑油を滴下孔2aより滴下させるこ
とができる。こうして滴下される油の量は、点検孔3a
で見ながら既述の油量調節をすることにより調節でき
る。
【0007】そして、出油体3に接続された図示しない
硬質な給油管を介してチェーンの給油点に潤滑油が導か
れるから、前記潤滑装置から出される潤滑油が連続もし
くは滴下状態となるように調節することにより、チェー
ンに対する潤滑を行うことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記構成の潤
滑装置を用いる潤滑においては、潤滑油が連続もしくは
滴下するように出油状態を調節しても、温度変化により
影響を受ける潤滑油の動粘度指数の変化が、直接滴下孔
2aからの出油状態に大きく影響する。そのため、例え
ば立体倉庫などで多く使用される小形のチェーン等のよ
うに潤滑量が少量でよい被潤滑体に対しては、温度変化
の影響で潤滑に過不足を生じ易いという問題がある。
【0009】しかも、給油管を移動するチェーン等の被
潤滑体に接触して設けることは、移動上の妨げとなるの
で、潤滑に伴いチェーン等の被潤滑体を清掃することは
不可能であるという問題もある。
【0010】さらに、給油管の先端位置や、移動時のチ
ェーン等の被潤滑体の動揺等により、給油管の先端から
滴下する潤滑油がチェーンの被潤滑体に当たらないか、
或いは潤滑油の過剰分がチェーンの被潤滑体を伝って落
下する等の無駄を生じ易いので、通常、給油点の下方に
はオイルパン等の油受けを必要とするという問題があ
る。
【0011】また、前記構成の潤滑装置は、その構成部
品が多いとともに、ニードル棒6の先端部や弁座体2の
滴下孔2aなど、高精度の加工を要求される部分が多い
ため、構造が複雑で、かつ、コスト高であるという問題
もある。
【0012】これらの問題があるため、立体倉庫内の狭
い場所に設置されるチェーン等のように周囲に空きスペ
ースがない条件で使用されるチェーンに、前記潤滑装置
が採用されることは殆どなく、実際上チェーンは無潤滑
で使用されている現状にある。そのため、チェーンの寿
命が短く、その対策が望まれている。
【0013】本発明の第1の目的は、油受けなどの付帯
設備を必要とすることなく移動する被潤滑体に対する適
正な潤滑ができるとともに、その潤滑において被潤滑体
を清掃できる潤滑方法を得ることにある。
【0014】また、本発明の第2の目的は、前記潤滑方
法を実施できるとともに、構造が簡単で、安価に得るこ
とができかつ、故障の恐れがない潤滑装置を得ることに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るために、請求項1の発明に係る潤滑方法は、潤滑油を
一定量含んだ状態を保持する含油体に接触して配置され
る塗油体の柔軟性を有する先端部を移動される被潤滑体
に接触させ、前記含油体に含まれた潤滑油を、前記塗油
体の毛細管現象により前記先端部に運び移し、前記被潤
滑体に塗り付けることを特徴とするものである。
【0016】また、前記第2の目的を達成するために、
請求項2の発明に係る潤滑装置は、所定高さ位置に油面
を保持して潤滑油が溜められる油槽を有した油槽体と、
毛細管現象を起こす材料製であって、前記潤滑油に下部
を浸して前記油槽内に収納されるとともに、前記油面よ
り上方位置に塗油体接触面を有した含油体と、柔軟性を
有しかつ毛細管現象を起こす材料製であって、前記塗油
体接触面に接触されるとともに、一部を前記油槽体外に
突出させて配置され、その突出先端部を移動される被潤
滑体に接触させて設けられる塗油体とを具備したもので
ある。
【0017】
【作用】請求項1の構成において、潤滑油を一定量含ん
だ状態を保持する含油体に接触した塗油体は、毛細管現
象により、その先端部にまで含油体から供給される潤滑
油を導くので、含油体が潤滑油を一定量含んでいる限
り、潤滑油を帯びた湿潤状態を保持している。そして、
塗油体の先端部は移動される被潤滑体に接触されている
から、この先端部で移動される被潤滑体を結果的に擦る
ように清掃できるとともに、塗油体の先端部に導かれた
潤滑油を、被潤滑体が移動されたときに限って、被潤滑
体に塗り付けることができる。
【0018】この場合、潤滑油が温度変化で動粘度指数
の変化しても、毛細管現象にはさほど影響を及ぼすこと
がなく、塗油体について潤滑油の湿潤状態を一定に保持
できるから、潤滑油の供給過剰や供給不足を生じること
がないとともに、その供給量も少量に保持することがで
きる。
【0019】請求項2の構成において、油槽体はその内
部に、潤滑油を所定の高さ位置に保持して溜めるととも
に、この潤滑油の下部を浸して含油体を収納する。含油
体はその上部に毛細管現象により潤滑油を吸い上げて、
一定量の潤滑油を含んだ状態を保持する。塗油体は、含
油体が有する塗油体接触面に接して設けられ、その毛細
管現象により含油体から逐次補給される潤滑油を、油槽
体外に突出された突出先端部に運び移す。それにより、
この塗油体は全体に渡り潤滑油を帯びた湿潤状態を保持
する。また、塗油体の前記突出先端部は移動される被潤
滑体に接触しているから、この潤滑体の移動に伴って、
塗油体の先端部に導かれた潤滑油を、被潤滑体に塗り付
けることができるとともに、前記先端部で移動される被
潤滑体を結果的に擦るように清掃できる。したがって、
この潤滑装置は前記請求項1の潤滑方法を実施する。し
かも、この潤滑装置は、油槽を有した油槽体と、含油体
と、塗油体とを具備して形成されるから、部品点数が少
ないとともに、高精度の加工を要する部品がなく、さら
に、動力を必要とすることもなく給油できる。
【0020】
【実施例】以下、図1〜図8を参照して本発明の一実施
例を説明する。図2は被潤滑体例えばチェーンに対する
本発明の潤滑方法を実施する潤滑装置の構成を示す断面
図であって、この図2示されるように潤滑装置21は、
油槽体22と、含油体23と、塗油体24とを具備して
いる。前記チェーン25は立体倉庫等に使用される小形
の昇降用の搬送チェーンであって、図1および図2中2
5aはチェーンリンク、25bはリンクピン、25cは
スリーブ状のチェーンローラである。
【0021】油槽体22は図1〜図5に示されるように
ポリカーボネート製の油槽31と、油槽蓋32とを有し
ている。油槽31は例えば上面が開放された長四角形の
箱形状をなしている。その底壁には、油槽31の幅方向
に延びる含油体支え33、34が設けられている。一方
の含油体支え33は油槽31の長手方向の一端壁31a
の内面下部に一体形成されている。この含油体支え33
と同一高さの他方の含油体支え34は、図6に示される
ようにリブ状をなして一方の含油体支え33から一定距
離離れて設けられているとともに、その長手方向両端は
油槽31の両側壁31bから離されている。
【0022】油槽31の底壁には、図2、図3、および
図6に示されるように油槽31の長手方向他端壁31c
側に寄せて上向きの突起35が一体に形成されている。
突起35は先細状であり、その上端は含油体支え33、
34の上面より高い位置にある。この突起35は、油槽
蓋32の後述する油瓶取付け孔と対向するとともに、こ
の取付け孔の中心位置から例えば数mm程度ずれた位置に
設けられている。
【0023】油槽31の一側壁31aの上部にはその全
体に渡り開放する塗油体通し部36が設けられている。
油槽31の両側壁31bには夫々塗油体取付け溝37が
設けられている。これら取付け溝37は各側壁31bの
上面から略U字状または略V字状に切り込むように形成
されている。油槽31の両側壁31bおよび他端壁31
cの夫々上部外面には係合凹部38が設けられている。
【0024】油槽31の両側壁31bの外面には夫々設
置座39が突設されており、これらの座39を通るねじ
40(図1に一つのみ図示)を介して前記チェーン25
の近傍に配置された取付け台(図1参照)41に、油槽
体22が取付けられるようになっている。
【0025】含油体23は例えばフェルトまたはスポン
ジ等のように毛細管現象を起こす材料により直方体状に
形成されている。フェルトにより含油体23を形成した
本実施例は適当な硬度を得られる点で優れている。含油
体23は、横倒しにした状態で、その下部を含油体支え
33、34で挟持されて油槽31内に着脱可能に収納保
持されているとともに、その水平状をなす上面は塗油体
接触面23aとして使用されている。塗油体接触面23
aは、後述の油面よりも上方に位置されているととも
に、図2に示されるように塗油体通し部36上下端間の
高さ位置にある。
【0026】図2および図8に示されるように塗油体2
4は、合成樹脂等からなる毛ホルダ24aに多数本のブ
ラシ毛24bを平行に並べて数段に植毛するとともに、
毛ホルダ24aの長手方向両端に夫々取付け軸24cを
突設して形成されている。隣接するブラシ毛24b相互
間では毛細管現象を起こすものである。ブラシ毛24b
には可撓変形自在なナイロン繊維が採用されている。塗
油体24の幅、正確にはブラシ毛24b群の幅は、チェ
ーン25の幅よりも大きい。
【0027】この塗油体24は、軸24cを前記塗油体
取付け溝37に夫々嵌合させることによって、その毛ホ
ルダ24a側部分を塗油体接触面23aに面接触させて
含油体23上に略水平な姿勢で支持されている。ブラシ
毛24bの先端側部分は、前記塗油体通し部36を通っ
て油槽31外に水平状に突出されている。この突出され
た部分の先端部は図1に示されるようにチェーン25に
その一側から接触されている。
【0028】前記油槽体22の油槽蓋32には、図7に
示されるように前記係合凹部38に係脱可能な3つの係
合爪42が設けられている。この油槽蓋32は、自ら若
しくは油槽31を弾性変形させて、係合爪42を係合凹
部38にワンタッチで係合させることにより、油槽31
の開放された上面を塞いで油槽31に取付けられる。な
お、この逆に前記弾性変形を利用して油槽蓋32を油槽
から取外すことにより、油槽31内の含油体23および
塗油体24の交換などのメンテナンスが必要に応じてで
きるようになっている。
【0029】油槽蓋32の一端側内面には図2および図
7に示されるように一対の押さえリブ43が突設されて
いる。これらリブ43は、含油体23に対応する位置に
おいて油槽蓋32の幅方向に延びて互いに平行に設けら
れていて、油槽蓋32の油槽31への前記取付けによっ
て、含油体23の塗油体接触面23aに塗油体24を押
付けて固定するようになっている。油槽蓋32の他端側
には円形の油瓶取付け孔44が開口されている。
【0030】前記構成の潤滑装置21には使い捨ての油
瓶51が着脱可能に取付けられるようになっている。図
2に示されるように油瓶51は潤滑油が収納された丸形
または各形の合成樹脂またはガラス製のボトル51aの
開口を、これに接着される閉鎖シート51bで液密に塞
いでなる。閉鎖シート51bはアルミニューム箔などか
らなり、これを破ることにより潤滑油をボトル51a外
に取出し可能となっている。前記開口を有した油瓶51
の首部51cの外周には図示しないがねじ山が設けられ
ている。
【0031】この油瓶51は、上下逆様にして、その首
部51cを油瓶取付け孔44に捩じ込むことにより、図
1に示されるように油槽蓋32に倒立して取付けられ、
落差によって油槽31内に潤滑油を供給するようになっ
ている。この供給により油槽31内に定められる油面L
(図2参照)の高さは、油槽体22内に挿入された首部
51の開口の高さ位置と同じである。
【0032】前記構成の潤滑装置21は、油槽31およ
び油槽蓋32からなる油槽体22、含油体23、および
塗油体24から形成されるので、部品数が少なく、構成
が簡単であり、しかも、高精度の加工を要する部品も存
在しない。そのため、安価に得ることができるととも
に、簡単に組み立てることができる。
【0033】この潤滑装置21の組み立てを説明する。
まず、油槽31内に含油体支え33、34間に含油体2
3を落とし込むように挿入した後、この含油体23上に
塗油体24を載置する。この載置において、塗油体24
の軸24cは塗油体取付け溝37に嵌合されるととも
に、塗油体24のブラシ毛24bの先端側部分は油槽3
1外に塗油体通し部36を通って水平状に突出される。
次に、油槽31に油槽蓋32を取付けて、油槽体22を
組み立てる。それにより、ねじ等の固定部品を使用する
ことなく潤滑装置21の組み立てが完了する。前記油槽
蓋32の油槽31への取付けは、油槽蓋32を油槽31
に被せて押し込むワンタッチ操作で、係合爪42を係合
凹部38に係合させることができるので、極めて容易で
ある。
【0034】組立てられた潤滑装置21を使用するに
は、まず、潤滑装置21を取付け台41上にねじ止めす
る。それにより、水平状に突出されたブラシ毛24bの
先端部がチェーン25に数mm干渉(接触)する状態にセ
ットされる。次に、潤滑装置21への給油を行う。この
給油は、油槽体22に油瓶51を倒立させた状態で、そ
の首部51cを油瓶取付け孔44に根元まで捩じ込んで
取付けることにより行われる。このねじ込みにより、油
瓶51は倒立状態を保って安定して油槽体22上に支持
される。なお、油瓶51は透明または半透明であって、
内部の残油量を視認できる構成であり、その内部に収納
された潤滑油が空になった油瓶51は、新たなものと交
換される。
【0035】油瓶51の取付けにより、その閉鎖シート
51bが前記突起35で突き破られるとともに、前記ね
じ込みに伴って破断部分が拡大されるから、突き破られ
た孔が突起35で塞がれることない。そのため、油瓶5
1内の潤滑油は、油槽31内に流出して、油槽31内に
おいて油瓶51の開口と同じ高さ位置に油面Lを形成し
て溜められる。
【0036】この油面Lは、油瓶51からの落差給油方
式の採用しているので、周囲の温度条件や油瓶51内の
貯溜油量に拘らず一定に保持される。この油面制御には
格別な油面制御を必要とすることがないから、動力やセ
ンサーを必要とすることがなく、したがって、油補給源
を含んだ潤滑設備の構成は大掛りではなく、設置スペー
スが小さい所にも適用できるように小形で、かつ、安価
に構成することができる。
【0037】こうして油面Lが一定の高さ位置に保持さ
れる条件において、含油体23の下部は油槽31内の潤
滑油に浸されるから、油槽31内の潤滑油は、含油体2
3の毛細管現象により上方に吸引されて、この含油体2
3の全体に渡り拡散される。それにより、含油体23は
潤滑油を一定量含んだ状態に保持される。
【0038】そして、含油体23の上面からなる塗油体
接触面23aには塗油体24のブラシ毛24bが接して
いるから、その毛細管現象により含油体23から供給さ
れる潤滑油が、ブラシ毛24bの油槽体21外に突出さ
れた突出先端部に運び移される。なお、ブラシ毛24b
は単に塗油体接触面23aに接触しているわけではな
く、油槽蓋32の押さえリブ43により塗油体接触面2
3aに押し付けられているので、含油体23からブラシ
毛24bへの毛細管現象を利用する潤滑油の受け渡しは
円滑に行われる。それにより、ブラシ毛24b全体は潤
滑油を帯びた湿潤状態を保持する。
【0039】この塗油体24の前記突出先端部は移動さ
れるチェーン25に対して略水平にに接触しているか
ら、このチェーン25の移動に伴って、ブラシ毛24b
の先端部に導かれた潤滑油を、チェーン25に塗り付け
ることができる。このとき、ブラシ毛24は、その柔軟
性により容易に変形するので、チェーン25の移動を妨
げることは実質的にないとともに、実際には撓みながら
変形するので、チェーン25のチェーンローラ25cが
通過するたびにばたつきながらチェーン25の各部に渡
って隅々まで連続して潤滑油を塗り付けることができ
る。
【0040】こうしたチェーン25へのブラシ毛24b
により接触給油に伴って、以上の毛細管現象によりブラ
シ毛24b先端への潤滑油の補給が順次なされるととも
に、チェーン25の乾燥状態が大の場合はチェーン25
が潤滑油で濡れている場合に比較して、より多くの潤滑
油を塗り付けることができる。
【0041】また、前記潤滑はチェーン25が移動して
いる間に限って行われ、チェーン25が停止するととも
にチェーン25への潤滑油の塗布も停止される。このよ
うにチェーン25の移動により、何等の動力を用いるこ
となく、チェーン25への潤滑が喚起されるものであ
る。そのため、非潤滑時において、振動や衝撃が作用し
ても、ブラシ毛24bを介して油槽体22内の潤滑油が
連続してチェーン25に流出する恐れはない。
【0042】このような潤滑において毛細管現象により
ブラシ毛24b先端に順次補給される潤滑油は少量であ
り、それが移動されるチェーンに塗り付けられるから、
過不足なくチェーン25に対して潤滑できるとともに、
以上のように潤滑油を塗付けて潤滑するので、滴下給油
のように潤滑油がチェーン25に当たらずに無駄に落下
されたり、余剰油が伝い落ちて滴下することもなく、し
たがって、油受けなどを使用することなく潤滑をするこ
とができる。
【0043】その上、以上のような接触給油によれば、
移動されるチェーン25を結果的に塗油体24の先端部
で擦るので、チェーン25を清掃できる。しかも、本実
施例の場合には可撓性を有したブラシ毛24bがばたつ
かせているので、擦り取った汚れが止まり続けて堆積す
ることがなく、清掃効果をより長く持続できる。
【0044】次に、前記構成の潤滑装置21の試験結果
を示す。この試験は、自動倉庫に設けられた昇降用の搬
送チェーンに対するもので、自動倉庫を通常通り稼働し
た条件で、30月間の潤滑状態を適宜確認し、かつ、潤
滑油の消費量からチェーン単位長さ当たりの潤滑油の消
費量を求めたものである。
【0045】その結果、稼働1日後では、チェーン25
を目で見ても触っても、塗油効果が認められなかった。
稼働3日後では、チェーン25に触ると薄く油が付く程
度の塗布状態が認められた。稼働5日後では、チェーン
25に対してブラシ毛24bが接触する箇所には潤滑油
が十分に行き渡っている塗布状態が認められた。稼働1
0日後では、チェーン25のみならず、これが巻き掛け
られた鎖車もチェーン25を介して十分な塗布状態にあ
ることが認められた。稼働20日後および稼働30日後
では、いずれも稼働20日後と変わらない塗布状態が維
持されていることが認められた。また、稼働30日後で
は、塗油体24のブラシ毛24bの先端部に汚れは付い
ているが、このブラシ毛24bの復元力(可撓性)は失
われていないことが認められた。
【0046】また、30日間の潤滑油の消費量は約60
cc、30日間の自動倉庫の稼働回数は約2000回であっ
た。ところで、チェーン25の最大移動距離は約10mで
あり、一回の稼働でのチェーン25の移動距離は平均す
ると最大移動距離の約半分であるので、30日間の全移
動距離は約2万mである。したがって、1m当たりの潤
滑油の消費量は、60/(2万/2)の式から12ccで
あった。
【0047】以上のように潤滑装置21は、落差(大気
圧のバランス)により油量を調整でき、毛細管現象によ
りブラシ毛24bに潤滑油を運び移して、チェーン25
の移動により潤滑動作を喚起させて使用されるので、前
記試験結果から分かるようにチェーン25を清掃しなが
らその乾燥状態に応じて無駄のない潤滑をチェーン細部
へも行うことができ、そして、こうした潤滑を受けたチ
ェーン25は、円滑に動作でき、その寿命を長くするこ
とができるとともに、潤滑油が隅々まで行き届いた良好
な美観を維持できる。
【0048】なお、本発明は前記一実施例には制約され
ない。例えば、油量調節が必要となる場合には、押さえ
リブ43の下端部に平板からなる適当な厚みのスペーサ
板を張り付け、含油体23を塗油体24とともに圧縮気
味に押さえて油面Lに対する塗油体24の高さ位置を変
化させることにより実施すればよく、また、潤滑油の粘
度を変えても、或いは含油体23をなすフェルトに密度
が異なるものを使用する、若しくはこれらを組合わせる
ことにより行うことができる。
【0049】また、前記一実施例では昇降用チェーンに
対する潤滑装置として使用する例であるが、横行用チェ
ーンに対して潤滑する場合には、このチェーンが巻き掛
けられる鎖車の歯部に塗油体24の先端部を接触させて
実施すればよい。この場合、塗油体24の先端部は前記
一実施例と同様に略水平状に配置することが望ましい。
しかし、本発明においては、毛細管現象により潤滑油が
含油体23から塗油体24の先端部へ補給されるので、
この補給が確保される範囲で塗油体24の先端部を斜め
上向きに配設してもよい。
【0050】また、本発明において塗油体にはブラシに
代えてフェルトを用いてもよい。また、本発明は、チェ
ーンへの潤滑に制約されるものではなく、移動されるワ
イヤロープその他の被潤滑体に対する自動潤滑に広く適
用できるものである。
【0051】
【発明の効果】以上詳記したように本発明に係る潤滑方
法および潤滑装置によれば、潤滑油の移送に毛細管現象
を利用するとともに、て被潤滑体が移動されるときに限
って、この被潤滑体に少量の潤滑油を接触給油するか
ら、温度変化の影響がほとんどなくなって、潤滑油の供
給に過不足を発生することなく、移動する被潤滑体に対
して適正な潤滑を行うことができるとともに、既述のよ
うに潤滑油量の過不足がないので、余剰油を受ける油受
けなどの付帯設備を必要としない。しかも、塗油体が柔
軟性を有しているので、その自在な変形により被潤滑体
の移動を妨げることがなく、そして、接触給油により潤
滑と同時に被潤滑体を清掃できる。
【0052】加えて、潤滑装置においては、その構成部
品数が少ないとともに高精度の加工を要求される部品も
ないので、構造が簡単であって安価に得ることができ、
しかも、動力が全く不要であるから故障の心配もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る潤滑装置全体の構成を
チェーンとともに示す斜視図。
【図2】一実施例に係る潤滑装置全体の構成を示す断面
図。
【図3】一実施例に係る潤滑装置全体の構成を示す平面
図。
【図4】一実施例に係る潤滑装置全体の構成を示す正面
図。
【図5】一実施例に係る潤滑装置全体の構成を示す背面
図。
【図6】一実施例に係る潤滑装置が備える油槽の構成を
示す平面図。
【図7】一実施例に係る潤滑装置が備える油槽蓋の構成
を示す下面図。
【図8】一実施例に係る潤滑装置が備える塗油体の構成
を示す平面図。
【図9】従来例に係る潤滑装置の構成を一部断面して示
す側面図。
【符号の説明】
21…潤滑装置、 22…油槽体、 23…含油体、 23a…塗油体接触面、 24…塗油体、 24b…ブラシ毛、 25…チェーン(被潤滑体)、 31…油槽、 L…油面。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】潤滑油を一定量含んだ状態を保持する含油
    体に接触して配置される塗油体の柔軟性を有する先端部
    を移動される被潤滑体に接触させ、前記含油体に含まれ
    た潤滑油を、前記塗油体の毛細管現象により前記先端部
    に運び移し、前記被潤滑体に塗り付けることを特徴とす
    る潤滑方法。
  2. 【請求項2】所定高さ位置に油面を保持して潤滑油が溜
    められる油槽を有した油槽体と、 毛細管現象を起こす材料製であって、前記潤滑油に下部
    を浸して前記油槽内に収納されるとともに、前記油面よ
    り上方位置に塗油体接触面を有した含油体と、 柔軟性を有しかつ毛細管現象を起こす材料製であって、
    前記塗油体接触面に接触されるとともに、一部を前記油
    槽体外に突出させて配置され、その突出先端部を移動さ
    れる被潤滑体に接触させて設けられる塗油体とを具備し
    た潤滑装置。
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