JPH08333784A - 排水トラップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 排水トラップは、第１下降部１０、上昇部１
１及び第２下降部１２を備えたＳトラップである。この
第２下降部１２の上部内面に凸部１３が設けられてい
る。排水が流れ込んできた場合、上昇部１１内の水が第
２下降部１２内に流出し、凸部１３に当って矢印ｗの如
く第２下降部１２の軸心に向って跳ね返される。この結
果、凸部１３の下方に空洞が形成される。そして、第２
下降部１２内の落下水流がピストン状ないし栓状となる
ことがなく、第２下降部１２内に負圧が発生しない。こ
のため、第１下降部１０から上昇部１２にかけての封水
部内の封水が第２下降部に吸い出されることがなく、こ
の吸い出しに伴う異音発生も無い。 【効果】 排水が大量に流れるときであっても異音発生
を確実に防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は排水トラップに係り、特
にＳトラップに関する。詳しくは、排水時の異音発生を
防止するよう改良された排水トラップに関する。

【０００２】

【従来の技術】Ｓトラップは鉢の排水口に連なる第１下
降部と、下部が該第１下降部に連なっている上昇部と、
上部が該上昇部に連なっている第２下降部とを備えてお
り、この第１下降部から上昇部にかけて封水が溜まる。

【０００３】ところで、このＳトラップに水が流入する
と、上昇部の上昇端を回り込んだ水が第２下降部を流れ
落ちる。この第２下降部を流れ落ちる水がピストンない
し栓（プラグ）のように第２下降部を塞いで流れ落ちる
と、この落下流の上側に負圧が生じ、上記封水も第２下
降部に吸い出され、第１下降部から上昇部へ空気が巻き
込まれる。この空気の巻き込みに伴って「ズルー」ない
し「ゴボゴボ」といった異音が発生する。この異音発生
を防止するために、特開平１−１７４７３０号公報に
は、第５，６図の如く第２下降部２を上昇部１に対し偏
心させ、上昇部１から第２下降部２内に流入する水が第
２下降部２の内周面に沿って旋回するよう構成した排水
トラップが記載されている。第２下降部２の内面に沿っ
て水が旋回しながら落下すると、第２下降部２の軸心部
分は空洞となり、第２下降部２の下から上までつながっ
た空気柱が形成され、これにより第２下降部２内の落下
水による負圧発生が解消される。そして、封水の吸引排
出も無くなり、異音も防止される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】第５，６図に示す従来
の排水トラップにあっては、排水流量が所定量以上にな
ると、上昇部１から水が大量に第２下降部２に流れ出
し、第２下降部の落下流がピストン状ないし栓状とな
る。この結果、封水及び気泡が吸い出され、異音が発生
する。

【０００５】例えば、洗面器の鉢に水を溜めておき、ゴ
ム栓ないしポップアップ栓をあけた場合、鉢の溜水がト
ラップに排出された直後に、ズルーないしゴボゴボとい
った異音が発生する。

【０００６】本発明は、排水流量が多くなってもこのよ
うな異音が発生しないＳ形の排水トラップを提供するこ
とを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１の排水トラップ
は、鉢の排水口に連なる第１下降部と、下部が該第１下
降部に連なっている上昇部と、上部が該上昇部に連なっ
ている第２下降部とを有する排水トラップにおいて、該
第２下降部の上部の内面に凸部を設けたことを特徴とす
るものである。

【０００８】請求項２の排水トラップは、請求項１にお
いて、該第２下降部の上部の内面のうち周方向の一部に
凸部を設けたことを特徴とする。

【０００９】

【作用】本発明の排水トラップにあっては、上昇部から
第２下降部に流れ込んできた水が凸部に当り、第２下降
部の中央側に跳ね返される。この結果、第２下降部内に
あってはこの凸部の下方に空洞が形成される。これによ
り、第２下降部内にピストン状ないし栓状の下降水流が
発生せず、上昇部内の封水が第２下降部に吸い出される
こともない。そして、封水吸い出しに伴う異音も生じな
い。

【００１０】なお、この凸部を第２下降部の全周に設け
るよりも一部に設ける方が良い。これは、凸部を全周に
設けると第２下降部の上部の流路が過度に小さくなり、
排水流量が小さくなるからである。

【００１１】

【実施例】第１図は実施例に係る排水トラップの側面図
（部分的に断面としてある）、第２図は第１図のII-II
線に沿う断面図である。

【００１２】この排水トラップは、第１下降部１０、上
昇部１１及び第２下降部１２を備えたＳトラップであ
る。この第２下降部１２の上部内面に凸部１３が設けら
れている。本実施例では、凸部１３は、第２下降部１２
の内面のうち上昇部１１から最も遠い側の内面に配置さ
れている。

【００１３】第１下降部１０から上昇部１１にかけての
封水部の底部に水抜き口１５が設けられ、水抜きナット
１４が螺着されている。

【００１４】このように構成された排水トラップに排水
が流れ込んできた場合、上昇部１１内の水が第２下降部
１２内に流出し、凸部１３に当って第１図の矢印ｗの如
く第２下降部１２の軸心に向って跳ね返される。この結
果、凸部１３の下方に空洞が形成される。そして、第２
下降部１２内の落下水流がピストン状ないし栓状となる
ことがなく、第２下降部１２内に負圧が発生しない。こ
のため、第１下降部１０から上昇部１１にかけての封水
部内の封水が第２下降部に吸い出されることがなく、こ
の吸い出しに伴う異音発生も無い。

【００１５】特に、この排水トラップにあっては、大量
の排水が上昇部１１から第２下降部１２に流れ込んでき
ても、凸部１３に跳ね返されることにより凸部１３の下
方に空洞が確実に形成されるようになり、異音発生が確
実に防止される。

【００１６】上記実施例では凸部１３が上昇部１１から
最も離隔した箇所に配置されているが、第３図（ａ）〜
（ｃ）の凸部１３Ａ〜１３Ｃの如く他の箇所に配置され
ても良い。また、第４図（ａ），（ｂ）の凸部１３Ｄ，
１３Ｅの如く凸部の形状も突出片状や弦状、弧状など各
種のものとしうる。凸部は周方向において若干傾いてい
ても良い。

【００１７】本実施例では管状の第２下降部を外から押
して凹ませることにより凸部を形成しており、凸部の形
成が容易である。ただし、別部材の凸部を第２下降部の
内面に固着するようにしても良い。

【００１８】

【発明の効果】以上の通り、本発明の排水トラップは、
排水が大量に流れるときであっても異音発生を確実に防
止できる。なお、請求項２によると、排水流路断面積を
大きくとることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係る排水トラップの側面図である。

【図２】図１のII-II 線に沿う断面図である。

【図３】別の実施例に係る排水トラップの断面図であ
る。

【図４】別の実施例に係る排水トラップの断面図であ
る。

【図５】従来例を示す側面図である。

【図６】図５のVI-VI 線に沿う断面図である。

【符号の説明】

１ 上昇部 ２ 第２下降部 １０ 第１下降部 １１ 上昇部 １２ 第２下降部 １３，１３Ａ，１３Ｂ，１３Ｃ，１３Ｄ，１３Ｅ 凸部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 浩司 愛知県常滑市坂井中田18−４ (72)発明者 太田 育實 三重県三重郡朝日町小向1918番地 株式会 社日本アルファ内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鉢の排水口に連なる第１下降部と、 下部が該第１下降部に連なっている上昇部と、 上部が該上昇部に連なっている第２下降部とを有する排
   水トラップにおいて、 該第２下降部の上部の内面に凸部を設けたことを特徴と
   する排水トラップ。
2. 【請求項２】 請求項１において、該第２下降部の上部
   の内面のうち周方向の一部に凸部を設けたことを特徴と
   する排水トラップ。