JP2001026971A - 水洗便器 - Google Patents

水洗便器

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JP2001026971A
JP2001026971A JP11201015A JP20101599A JP2001026971A JP 2001026971 A JP2001026971 A JP 2001026971A JP 11201015 A JP11201015 A JP 11201015A JP 20101599 A JP20101599 A JP 20101599A JP 2001026971 A JP2001026971 A JP 2001026971A
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登 新原
Shuho Miyahara
秀峰 宮原
Takayuki Otani
孝幸 大谷
Koichi Miyagami
浩一 宮上
Shinji Shibata
信次 柴田
Masaki Kitamura
正樹 北村
Shinsuke Matsuo
信介 松尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイホン式の水洗便器において、少ない水量
で安定したサイホン作用を起こすことを目的とする。 【解決手段】 便器10の汚物や汚水の排水路である接
続路31の始端31a付近から上昇路32の終端32c
までは、略同一の断面積に形成されている。このため、
便器10の洗浄が開始されて、洗浄水が排出口25から
上昇路32の頂上部に向かって流動する際に、流路面積
の相違によって洗浄水は加速されない。従って、洗浄水
の圧力損失は加速される場合と比べて小さくなる。ま
た、流路の太さの漸減によって、洗浄水の流動方向が洗
浄水同士で重なり合うことがなく、流路において乱流が
発生しにくくなる。このような洗浄水の流動方向に従っ
て、汚物OBはスムーズに上昇路32の終端32cまで
移動し、下降路33に導かれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水洗便器に関し、
詳しくは、汚物を受ける鉢部と、該鉢部の底部に形成さ
れた排出口と接続された接続路と、該接続路に連通し、
該連通位置から上方向に延出する上昇路を備え、前記鉢
部,前記接続路および前記上昇路に溜められた貯溜水に
より封水を形成し、該鉢部への洗浄水の供給に伴って、
前記排出口から流路である前記接続路および前記上昇路
に水を送り込み、該上昇路を通過した水や汚物を排水管
の位置する下方へ導く水洗便器に関する。
【0002】
【従来の技術】便器の洗浄方式は、洗い落とし式とサイ
ホン式の2種類に大別される。ここで、洗い落とし式と
は、洗浄水の水勢のみによって、便器の鉢部に排泄され
た汚物を洗い流す方式をいい、サイホン式とは、洗浄水
の排水路が満水とされたときに生じる流動方向への引き
込み力を利用して、汚物を洗い流す方式をいう。このよ
うな引き込み力が生じる作用を、以下、サイホン作用と
呼ぶ。
【0003】サイホン作用を生じさせるために、サイホ
ン式の便器の排水路は、便器内面の底部から斜め上方向
に延出した上昇路と、この上昇路から下方に向けて屈曲
した下降路から形成される。従来、この上昇路は、上昇
路の入口から上昇するに連れて、流路の断面積が次第に
狭くなるよう形成されていた。これは、上昇路の入口付
近の流路断面積を広くすることにより、便器内の汚物を
排水路へ確実に導き、入口以降の断面積を幅狭にするこ
とにより、便器洗浄開始後の早い時期に上昇路を満水状
態とし、迅速かつ確実にサイホン作用を起こすためであ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、便器に
は、所定の高さに封水が設けられており、この封水の一
部は上昇路内に溜水として貯溜する。従って、上昇路の
入口付近の流路を広い断面積に形成した場合には、上昇
路内に貯溜する溜水の量が多くなり、サイホン便器にお
ける節水を図れないという課題があった。
【0005】この点につき、屈曲部分に向かって漸狭と
された上記の上昇路全体について、その流路断面積を、
汚物の閉塞しない程度に狭くすれば、上昇路内の溜水量
は減少する。しかし、流路断面積を狭くすれば、上昇路
を流れる洗浄水の流速が早くなる。このため、上昇路内
における圧力の損失が増大して洗浄水が流れにくくな
り、この結果、安定したサイホン作用を維持できないと
いう別の問題を招致してしまう。
【0006】また、上昇路を流れる洗浄水の流速が流路
の入口と出口とで異なることで、上昇路内で洗浄水同士
が干渉し、洗浄水の流れに乱れが生じる。このような乱
流によって汚物が押し流されると、汚物が幅狭な上昇路
の内壁に頻繁に接触する。この結果、汚物が下降路に導
かれず、上昇路内で閉塞してしまうという懸念もある。
【0007】そこで、本発明は、以上の課題を解決し、
少ない水量で安定したサイホン作用を起こすことを目的
として、以下の構成を採った。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の第一の衛生洗浄装置は、汚物を受ける鉢部と、該
鉢部の底部に形成された排出口と接続された接続路と、
該接続路に連通し、該連通位置から上方向に延出する上
昇路を備え、前記鉢部,前記接続路および前記上昇路に
溜められた貯溜水により封水を形成し、該鉢部への洗浄
水の供給に伴って、前記排出口から流路である前記接続
路および前記上昇路に水を送り込み、該上昇路を通過し
た水や汚物を排水管の位置する下方へ導く水洗便器にお
いて、前記接続路が前記排出口と接続された位置から前
記上昇路の終端近傍の位置にわたる流路の断面積を、略
同一に形成したことを要旨とする。
【0009】本発明の水洗便器によれば、該鉢部の排出
口と接続された接続路と該接続路との連通位置から上方
向に延出した上昇路を、略同一の断面積に形成する。従
って、接続路は、鉢部との連通位置付近で特に大きな断
面積を採らないので、接続路および該接続路との連通位
置付近の上昇路に溜まる貯溜水の量は、従来よりも少な
くなる。
【0010】また、上昇路は略同一の断面積であるの
で、鉢部の洗浄に伴って上昇路内を通過する水の速度
は、上昇路内を通過する過程において大きく変化するこ
とがなく、上昇路内における水の圧力損失を小さく抑え
ることが可能となる。この結果、従来よりも少量の水
で、汚物をスムーズに排水管へ送り込むことができる。
【0011】本発明の第二の衛生洗浄装置は、汚物を受
ける鉢部と、該鉢部の底部に形成された排出口と接続さ
れた接続路と、該接続路に連通し、該連通位置から上方
向に延出する上昇路と、該上昇路と連続し、該上昇路の
終端から排水管の位置する下方向に延出する下降路とを
備え、前記鉢部,前記接続路および前記上昇路に溜めら
れた貯溜水により封水を形成し、該鉢部への洗浄水の供
給に伴って、前記排出口から流路である前記接続路およ
び前記上昇路に水を送り込み、該水を送り込むことによ
って生じるサイホン作用を利用して、前記水や汚物を前
記上昇路から前記下降路に導くサイホン式の水洗便器に
おいて、前記接続路が前記排出口と接続された位置から
前記上昇路の終端近傍の位置にわたる流路の断面積を、
略同一に形成したことを要旨とする。
【0012】本発明のサイホン式の水洗便器によれば、
該鉢部の排出口と接続された接続路と該接続路との連通
位置から上方向に延出した上昇路を、略同一の断面積に
形成する。従って、接続路は、鉢部との連通位置付近で
特に大きな断面積を採らないので、接続路および該接続
路との連通位置付近の上昇路に溜まる貯溜水の量は、従
来よりも少なくなる。
【0013】また、上昇路は略同一の断面積であるの
で、鉢部の洗浄に伴って上昇路内を通過する水の速度
は、上昇路内を通過する過程において大きく変化するこ
とがない。従って、上昇路内における水の圧力損失を小
さく抑えられ、乱流の発生も抑止される。この結果、従
来より少量の水しか用いなくてもサイホン作用を安定し
て生じさせることが可能となり、鉢部に溜まった汚物を
確実に下降路まで引き込むことができる。
【0014】上昇路の流路の断面形状を、該上昇路の位
置により異なる形状とすれば、上昇路内における水や汚
物の速度分布に対応して、より圧力損失や乱流の少ない
流路を実現することができる。
【0015】前記上昇路内を流れる水の旋回を抑止する
旋回抑止手段を備えることも好適である。こうすれば、
上昇路内の水の旋回に基づいて様々な比重や形状を有す
る汚物に複雑な運動方向が付与されることがなく、上昇
路における管路壁面との汚物の衝突や汚物の閉塞を防止
できる。封水を確保するために屈曲した流路内部で発生
しやすい旋回成分を伴った二次流れや、ボール面で発生
する旋回流をトラップ内部で抑止できるので、圧力損失
を低減することができ、少ない洗浄水量で汚物を洗浄す
るのに好適である。
【0016】この旋回抑止のために、上昇路の流路の形
状を非円形に構成し、水の円滑な旋回を妨げることとし
てもよい。また、上昇路の流路の断面の形状を、一軸に
ついて非対象形状に形成すれば、流路に沿った旋回流の
発生を妨げることができる。この場合に、上昇路の流路
の断面の上側と下側とを非対象の形状に形成してもよ
い。上昇路の形状を非円形にて構成すれば、非常に簡単
な構造でありながら高い旋回抑止効果を得ることがで
き、汚物の閉塞を確実に防止することができる。
【0017】さらに、下降路と連続するために所定の曲
がりが形成された上昇路について、該曲がりの外側方向
の内壁を、該曲がりの内側方向の内壁よりも小さな曲率
半径に形成すれば、高速の水が流れる側において旋回を
妨げることが可能となり、旋回防止の確実性を高めるこ
とができる。
【0018】また、鉢部内において水に旋回を付与する
旋回付与手段を備える構成とすれば、旋回を除去する必
要性が一層高まり、好適である。
【0019】さらに、鉢部の内壁の、封水の高さよりも
上の位置に、便器の外側方向に張り出す段部を設ける構
成としてもよい。このような段部を設けることにより、
鉢部の容積が減少する。従って、旋回が付与される水の
量が少なくなり、鉢部内で生じる旋回力を小さくするこ
とができる。この結果、上昇路内での水の旋回の抑止
を、簡単かつ確実に行なうことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成及び作
用を一層明らかにするために、以下本発明の水洗便器に
ついて、その実施の形態を説明する。図1は、本発明の
実施例であるサイホンゼット式の便器10の縦断面を示
す説明図であり、図2は、この便器10の上面を示す説
明図である。このサイホンゼット式の便器10は、洗浄
に伴って、後述するゼット噴出孔22から水を噴出し、
サイホン作用を早期に引き起こすことを特徴とする。以
下、便器10の各部について、図1および図2を参照し
つつ説明する。
【0021】図1に示すように、便器10は、汚物を受
けるボール部20を備える。ボール部20の周壁は、便
器10の非洗浄時でも封水FWと接する接水壁23と、
便器10の非洗浄時には封水FWと接しない乾燥壁24
から構成されている。
【0022】図2に示すように、ゼット噴出孔22は、
この孔22が噴出する水の入口であるゼット給水孔45
と、便器内部を湾曲するように形成されたゼット給水路
46を介して接続されている。ゼット噴出孔22は 図
1に示すように、凹部26を挟んで排出口25とほぼ対
峙する位置に設けられており、洗浄水のエネルギーは、
排出口25以降の排出機構に無駄なく伝達される。従っ
て、サイホン作用をより早期に引き起こすことが可能と
なる。
【0023】この便器10の内部には、ボール部20に
水を供給するための機構(以下、供給機構という)と、
ボール部20内の水を汚物を排水管に向けて排出するた
めの機構(以下、排出機構という)が設けられている。
【0024】まず、供給機構について説明する。便器1
0の後方には、洗浄タンク15の排水口15aを接続す
るための孔である洗浄水給水孔40が設けられており、
洗浄水給水孔40からボール20方向に向かう便器10
の内部には、洗浄タンク15からの洗浄水の流路である
洗浄水給水路41が設けられている。
【0025】洗浄水給水路41には、自由落下により付
勢された多量の水が、洗浄タンク15から一気に供給さ
れる。このため、洗浄水給水路41から斜め下向きに延
出した滞留部41aは、洗浄開始後に満水となり、洗浄
水は分岐孔42からリム給水路43に供給される。リム
給水路43に供給された洗浄水は、リム21の裏側に設
けられた水出し孔44(図2を参照)から吐出される。
【0026】図2に示すように、リム21の裏側には、
7mm径の大孔44a,4mm径の中孔44b,3mm
径の小孔44c,略長方形の長孔44d,eという5種
類の形状の水出し孔44が設けられている。この水出し
孔44は、リム21の成形時に形成されるものである
が、勿論、水出し孔付きのディストリビュータをリム2
1の裏側に装着するものであってもよい。
【0027】このうち、長孔44d,eは、水出し孔4
4からの吐出される洗浄水に旋回成分を付与する。即
ち、便器10の前側方向に付勢されて、左右のリム給水
路43に供給された洗浄水は、水出し孔44の開孔径や
洗浄水の付勢力に対応して分配されて、各孔44a〜e
から吐出される。このとき、分岐孔42に近い位置であ
る右側後方のリム21の裏側に形成された長孔44dか
らは、付勢力の大きな水が、便器の前方のやや左側の乾
燥面24に向けて多量に吐出される。また、便器10前
方のやや左側の位置に形成された長孔44eからは、リ
ム給水路43を右回りに流れてきた洗浄水が、便器10
左後方の乾燥面24に向けて多量に吐出される。この長
孔44d,eから吐出された洗浄水が主流となって、水
出し孔44から吐出される洗浄水に時計廻り方向への旋
回力が付与される。この旋回力は、ボール部20内の封
水FWに伝達される。この結果、ボール部20内の水は
右回りの旋回流となる。
【0028】なお、上記は、水出し孔44から吐出され
る洗浄水に旋回成分を与える手法の一例であり、勿論、
他の手法を用いてもよい。例えば、旋回方向への角度を
つけながら水出し孔44を形成してもよいし、リム給水
路43の流路を片側廻りにしてもよい。
【0029】また、滞留部41aに到達した洗浄水は、
滞留部41aの側壁に設けられた小径のゼット給水孔4
5に進入する。この進入に伴ってゼット給水路46に洗
浄水が供給される。ゼット給水路46に供給された洗浄
水は、ゼット噴出孔22から噴出される。
【0030】なお、水出し孔44からの吐出量とゼット
噴出孔22からの噴出量との配分は、分岐孔42やゼッ
ト噴出孔22の形状等を変えることにより、任意に設定
することが可能である。
【0031】以上、便器10の供給機構について説明し
た。次に、排出機構について説明する。図1に示すよう
に、汚物溜りとしての凹部26の奥に形成された排出口
25の先には、汚水の流路として、排出口25から斜め
上方向に向けて湾曲する接続路31,接続路31の湾曲
方向に延出した後、横方向へ湾曲する上昇路32,横方
向から下方向に湾曲する下降路33が、それぞれ形成さ
れている。下降路33の終端は、樹脂製の排水ソケット
70を介して、建築側の壁や床に設けられた排水立ち上
げ管90に接続される。
【0032】図1に示すように、本実施例では、流路内
溜水が溜まる接続路31および上昇路32の形状を、接
続路31が上昇路32よりも幅広である従来の形状から
変更し、上昇路32の断面形状を基準として、接続路3
1を上昇路32と同じ形状とする。このため、流路内溜
水が溜まる部分の容積が従来よりも減少する。このよう
に流路内溜水を減らすことで、封水FWの全体量を減ら
すことを実現している。
【0033】これらの流路は、この流路形状を石膏型や
樹脂型に形取ることにより、陶器である便器10と一体
に成形されるが、便器10とは別の部材で流路を形成す
ることも可能である。例えば、これらの全部または一部
の流路を、樹脂等の他の部材で成形し、排出口25に接
続する構成としてもよい。また、排水立ち上げ管90が
建築の壁側に設けられている場合に対応する壁排水仕様
の便器10の場合には、下降路33の終端の形状を、排
水方向が壁向きとなるように変更し、下降路33の終端
に、排水立ち上げ管90方向に向かうベンド管を接続す
る構成とすればよい。
【0034】なお、図1に示すように、洗浄動作前の便
器10においては、通常水位線WLの高さに封水FWが
溜まっている。本実施例では、封水FWの少量化を図る
一方で、幅185mm×奥行き225mmという値の広
い封水面を確保している。この封水FWにより、排水機
構からボール部20への臭気の逆流や害虫の進入が防止
される。
【0035】封水FWは、排出口25に至るまでのボー
ル20の内部に溜まる水(以下、この水をボール部溜水
という)と、排出口25以降の接続路31および上昇路
32に溜まる水(以下、この水を流路内溜水という)か
ら構成されている。本実施例では、このボール部溜水お
よび流路内溜水の量については、後述する。
【0036】なお、通常水位線WLの高さは、上昇路3
2の内壁下側の最も高い位置(以下、路内最高位置とい
う)の高さによって定まる。従って、図1に示すよう
に、便器10の滞留部41aの下部,ゼット給水孔45
およびゼット給水路46は、路内最高位置よりも下方に
あるため、便器10の静止状態においては、滞留部41
aの下部およびゼット給水路46には、所定量の水が溜
まる(以下、この水をゼット溜水という)。なお、路内
最高位置の高さを低くすれば、封水FWの水位も低くな
り、ボール部溜水,流路内溜水,ゼット溜水の量も減少
する。
【0037】このように構成された排水機構により、汚
水や汚物が排出される仕組みについて説明する。洗浄タ
ンク15からの付勢された洗浄水が水出し孔44および
ゼット噴出孔22から噴出されると、封水FWの水位は
通常水位線WLから急激に上昇する。また、ゼット噴出
孔22からの洗浄水は、接続路31に向けて噴出される
ため、上昇路32内における水位は、より急激に上昇す
る。
【0038】上昇路32の水位が上昇し、上昇路32か
ら下降路33にかけての屈曲した部分(以下、屈曲部と
いう)が満水状態になると、下降路33内先端と封水の
ボール部側との間に圧力差が生じて下方向への引き込み
力が生じる。この引き込み力により、屈曲部よりも低い
位置にある汚水が、汚物とともに一気に排水立ち上げ管
90に導かれる。このような作用をサイホン作用とい
う。
【0039】次に、本実施例の便器10が、一回の洗浄
の際に使用する水の量(以下、洗浄水使用量という)に
ついて説明する。まず、使用される水の供給源となる洗
浄タンク15について簡単に説明する。洗浄タンク15
は、便器10後部のタンク密結孔28において便器10
と密接して連結される、いわゆるロータンク型のタンク
である。このタンク内の水位の高さは、タンク内部に設
けられた、排水口15aを塞ぐ弁体を浮子の位置に応じ
て開閉するフロート弁機構により調整される。本実施例
では、洗浄タンク15内に貯水される水の容量(以下、
タンク貯水量という)を、従来よりも少量の約4リット
ルとしている。
【0040】洗浄タンク15に組み付けられたハンドル
は、大小切り替え可能に構成されている。具体的には、
ハンドルで大洗浄が操作された場合には、タンク貯水量
の全てである約4リットルの水が、小洗浄が操作された
場合にはタンク貯水量のうちの約3リットルの水が、そ
れぞれ洗浄水給水孔40に向けて排出される。なお、ハ
ンドル操作によらず、センサによる人体の検知に基づい
て開弁する構成としてもよい。
【0041】また、上記のタンク内に貯められた水のほ
か、一回のハンドル操作に伴って、大洗浄の場合には約
1.8リットルの水が、小洗浄の場合には約1.4リッ
トルの水が、それぞれ洗浄水給水孔40に向けて排出さ
れる。この水には、いわゆる「こぼし水」等が含まれ
る。こぼし水とは、フロート弁の開弁時に洗浄タンク1
5内に新たに供給された水のうち、タンク内に溜まらず
にそのまま洗浄タンク15の排出口から排出されてしま
う水をいう。
【0042】なお、通常水位線WL以下に溜まる一定量
のボール部溜水,流路内溜水,ゼット溜水は、一回の洗
浄によって、溜まっていた量と同量の水に入れ替わるだ
けである。従って、本実施例の便器10では、一回の大
洗浄で5.8リットルの水が、一回の小洗浄で4.4リ
ットルの水が、それぞれ排水立ち上げ管90に排出され
る。このため、洗浄水使用量は、大洗浄で5.8リット
ル、小洗浄で4.4リットルとなる。
【0043】本実施例の便器10では、上記のような少
量の洗浄水を使用しつつ、封水FWの量を減少させると
いう構成を採用し、ボール部20の洗浄,汚物の排出,
ゼット噴出孔22からの洗浄水によるサイホン作用の早
期発生という3つの基本的機能を担保している。即ち、
ボール部溜水,流路内溜水,ゼット溜水の量を少なくす
れば、便器10の洗浄の際に置換される水の量が減少す
るので、この減少分の水をタンク貯水量から差し引くこ
とが可能となり、洗浄水使用量の少量化を実現すること
ができる。
【0044】本実施例では、ボール部溜水の量を約1リ
ットル,流路内溜水の量を約0.45リットル,ゼット
溜水の量を約0.5リットルとしている。従って、便器
10では、上記のボール部溜水,流路内溜水,ゼット溜
水の量を洗浄水使用量から差し引いた量である、大洗浄
で3.85リットル、小洗浄で2.45リットルの水
を、ボール部20の洗浄およびゼット噴出孔22からの
噴出に用いることができる。このように、便器10で
は、ボール部20の洗浄,汚物の排出およびゼット噴出
孔22からの洗浄水によるサイホン作用の早期発生に十
分な水量が確保されている。
【0045】この封水FWの量の減少を、本実施例で
は、ボール部20の内面の形状や、接続路31および上
昇路32の形状により実現する。まず、ボール部20の
内面の形状について、図3ないし図5を参照しつつ説明
する。
【0046】図3は、図2に示した便器10を凹部26
後端の上方から切断した状態を示すA−A´断面図であ
る。図3に示すように、凹部26の後端付近におけるボ
ール部20の周壁は、左右のリム21の直下から便器1
0の中心方向に向かって緩やかな傾斜で延出される。こ
の傾斜面には、便器10の内側を曲げ中心とし、曲率半
径約500mmの緩やかな曲がりが付与されている。こ
の後、周壁は、封水FWの通常水位線WLよりもやや上
に位置する第1曲部53において、便器10の水底面5
0方向に曲げられる。図3の断面位置においては、第1
曲部53における曲率半径を約50mmとしている。
【0047】このように曲げられた周壁は、通常水位線
WLを超えてしばらく延出された後、第4曲部56で再
び外側方向に曲げられて、水底面50に向かってほぼ真
下に延出される。図3の断面位置においては、第4曲部
56以下の周壁と水底面50とで凹部26の領域を形成
している。
【0048】なお、A−A´断面位置における水底面5
0から通常水位線WLまでの高さは、便器10の封水F
Wの高さの最大値となり、本実施例では、この高さを約
113mm(排出口25の上端までの高さの値55mm
に排出口25の上端から通常水位線WLまでの高さの値
58mmを加えたもの)とし、日本工業規格の基準値で
ある103mm以上という値に適合した水位を確保して
いる。なお、この通常水位線WLまでの高さの値は、上
昇路32の路内最高位置の高さを上下することにより、
適当な値に変更することが可能である。例えば、サイホ
ン式の便器の場合には、日本工業規格における封水FW
の高さの基準値は88mm以上とされているので、本実
施例の便器10よりも更に封水FWの高さを低くするこ
とができる。
【0049】続いて、凹部26前端の位置の上方から便
器10を切断したときの状態を図4のB−B´断面図に
示す。図4に示すように、凹部26の前端付近における
ボール部20の周壁は、左右のリム21の下方から便器
10の中心方向に向かって緩やかな傾斜で延出される。
この傾斜面には、便器10の内側を曲げ中心とし、曲率
半径約500mmの緩やかな曲がりが付与されている。
この後、周壁は、封水FWの通常水位線WLよりもやや
上に位置する第1曲部53において、ゼット導水面51
方向に大きく曲げられる。図4の断面位置においては、
第1曲部53における曲率半径を約30mmとしてい
る。
【0050】このような曲げ方向に延出された周壁は、
通常水位線WLを超えてまもなく、第2曲部54で内側
方向に大きく曲げられる。図4の断面位置においては、
第2曲部54における曲率半径を約20mmとしてい
る。このように曲げられた周壁は、緩やかな下向きの傾
斜で、便器10の中心方向に延出される。この周壁の延
出により、ボール部20には、通常水位線WLを跨ぐ段
部58が形成される。
【0051】なお、B−B´断面位置においては、第2
曲部54の位置を、便器の左側では通常水位線WLから
約8mm下の位置とし、便器の右側では、通常水位線W
Lから約13mm下の位置とする。つまり、第2曲部5
4の垂直位置は、図4に示すように、便器10の左右で
異なっており、便器10の右側の方が左側よりも下方に
設けられている。
【0052】第2曲部54から便器10の中心方向に延
出された周壁は、前述した第4曲部56よりもやや上方
の第3曲部55において、便器10の左側では約40m
m,右側では約45mmの曲率半径で再び外側方向に曲
げられ、水底面50方向にほぼ真下に延出される。図4
の断面位置においては、第3曲部55以下の周壁とゼッ
ト導水面51とから、凹部26の領域が形成される。な
お、本実施例では、図4の断面位置におけるゼット導水
面51から通常水位線WLまでの高さを、約80mmと
いう値としている。
【0053】続いて、凹部26よりも前方の位置の上方
から便器10を切断したときの状態を図5のC−C´断
面図に示す。図5に示すように、凹部26よりも前方に
おけるボール部20の周壁は、図4の場合と同様に、左
右のリム21の下方から便器10の中心方向に向かって
緩やかな傾斜で延出される。この傾斜面には、便器10
の内側を曲げ中心とし、曲率半径約500mmの緩やか
な曲がりが付与されている。この後、周壁は、前述した
第1曲部53において、約30mmの曲率半径で、凹部
26方向に曲げられる。
【0054】このような曲げ方向に延出された周壁は、
図4の場合と同様に、通常水位線WLを超えてまもな
く、前述した第2曲部54において、約20mmの曲率
半径で内側方向に大きく曲げられ、緩やかな下向きの傾
斜で便器10の中心方向に延出される。この周壁の延出
により、ボール部20には、通常水位線WLを跨ぐ段部
58が形成される。このように、段部58の底面を、通
常水位線WLの下側に位置させることで、B−B´断面
位置においては、封水FWの幅として185mmという
値が確保されている。これにより、ボール部20への汚
物の付着や臭気の発散が防止される。
【0055】第2曲部54の垂直位置は、図4のB−B
´断面位置の場合と同様に、便器10の左右で異なり、
便器10の右側の方が左側よりも下方に設けられてい
る。図5に示すように、C−C´断面位置においては、
第2曲部54の位置を、便器10の左側では通常水位線
WLから約7mm下の位置とし、便器10の右側では通
常水位線WLから約13mm下の位置とする。つまり、
図4のB−B´断面および図5のC−C´断面として示
す便器10の凹部26の前側周辺においては、段部58
に7mm以上の封水FWが確保される。
【0056】従って、汚物が段部58に落下した場合に
おいても、ボール部21に汚れが付着し、この汚れが用
便の間にボール部21にこびりついてしまうことがな
い。特に、凹部26の前側周辺は、汚物の落下する頻度
が高い領域であるため、有効である。
【0057】なお、第2曲部54から第3曲部55にか
けて形成された段部58の底面は、図4のB−B´断面
位置においては約60mmの幅を、図5のC−C´断面
位置においては約40mmの幅を有する。つまり、ボー
ル部20は、少なくとも、便器10の左側の第2曲部5
4から40mm,右側の第2曲部54から40mm、便
器中心方向に張り出している。このため、従来の便器と
比べ、ボール部20は小さな容積となっており、封水F
Wの少量化に寄与している。また、段部58の底面を、
通常水位線WLの下側に位置させているので、ボール部
20への汚物の付着や臭気の発散を防止することができ
る。
【0058】なお、本実施例では、封水FWの量の減少
をボール部20の内部の形状、接続路31および上昇路
32の形状を変更することにより実現するが、勿論、こ
れ以外の手法を用いても差し支えない。例えば、ボール
部20の形状を、水底面50の垂直位置を上昇させるよ
うに変更することも可能である。また、排水路における
路内最高位置を低くして通常水位線WLを下降させるこ
とにより、封水FWの量を減少させてもよい。
【0059】C−C´断面位置における第2曲部54の
垂直位置は、図4のB−B´断面位置の場合と同様に、
便器10の左右で異なり、便器10の右側の方が左側よ
りも下方に設けられている。また、便器10の左側の第
2曲部54の垂直位置は、便器10の前側のC−C´断
面位置の方が、前述した図4のB−B´断面位置よりも
1mm高くなっている。即ち、段部58の底面には、便
器の左側の前方から後方ないし便器の右側にかけて勾配
が設けられている。また、段部58の表面積は、第1曲
部53から第2曲部54までの高さの差に対応して、便
器10の左側,後側,右側に進むにつれて次第に大きく
なる。
【0060】一方、図2において説明したように、リム
給水路43に供給された洗浄水は、右側前方のリム21
の裏側に設けられた大孔44aから多量に吐出され、し
かも、この吐出される洗浄水には、時計廻りの方向への
運動エネルギーが付与されている。
【0061】従って、水出し孔44から洗浄水が吐出さ
れると、小孔44cから吐出された洗浄水は、運動エネ
ルギーおよび水量の差に起因して、大孔44aから吐出
された洗浄水に巻き込まれる。この結果、勢いのある洗
浄水が多量に便器10の左側の段部58に供給され、封
水FWに強い旋回成分を確実に与える。この洗浄水は、
便器10の左側から後側,右側にかけての段部53の底
面の傾斜に案内されて、時計廻りに旋回する。この旋回
力が付与された洗浄水により、汚物は排出口25に強く
引き込まれる。従って、汚物の排出をより確実にするこ
とができる。
【0062】また、段部58の表面積は、便器10の右
側に行くほど大きくなっているので、便器10の右側の
段部58では、左側の段部58よりも大きな運動エネル
ギーを受け止めることができる。従って、旋回に連れて
次第に洗浄水の水勢等の運動性能が高くなっても、便器
10の右側の段部58により、洗浄水の旋回成分を旋回
方向に無駄なく伝えることができる。
【0063】第2曲部54から便器10の中心方向に延
出された周壁は、前述した第3曲部55において、約4
0mmの曲率半径で再び外側方向に曲げられ、ボール部
20の底面で合流する。なお、ボール部20の底面から
通常水位線WLまでの高さは、図5の断面位置において
は、約45mmとされている。
【0064】以上の図3ないし図5に示した断面構成に
おいて、リム21の表面から通常水位線WLまでの高さ
は約130mmという値とされており、従来のサイホン
便器よりも座面から水面までの距離が短くなっている。
また、既述したように、図4のB−B´断面位置におけ
るゼット導水面51から通常水位線WLまでの高さは約
80mmであり、図5のC−C´断面位置におけるボー
ル部20の底面から通常水位線WLまでの高さは約45
mmであり、従来のサイホン便器よりも水深が浅く設定
されている。このため、用便の際に落下した汚物は、小
さな速度成分で封水面に到達し、到達後の汚物が封水内
を移動する距離も短くなる。従って、用便直後の封水の
はね返りを低減することができる。
【0065】また、前述したように、凹部26の前側周
辺においては、段部58から7mm〜13mmという高
さに封水FWが溜まっており、この封水面に汚物が到達
した場合には、汚物の封水内の移動距離はさらに短くな
る。このように、本実施例の便器10では、汚物が落下
する可能性のある広い領域にわたり、浅い封水FWが形
成される。従って、封水面汚物の落下位置が、便器10
の中心から左右方向にぶれた場合にも、封水のはね返り
を防止することができる。
【0066】次に、上述した接続路31および上昇路3
2の断面形状の詳細につき、図6および図7を参照しつ
つ説明する。図6は、接続路31、上昇路32の横断面
形状を示す。図7は、接続路31、上昇路32の縦断面
形状を示し、図7(a)は、図6のP−P´断面、Q−
Q´断面およびR−R´断面を示す。
【0067】図6および図7(a)に示すように、接続
路31の始端31aおよび終端31b、上昇路32の始
端31aおよび中間部32bは、同じ断面を有してい
る。この断面は、下側が半円形状、上側が長方形状とい
う、非円形かつ上下に非対称の形状とされている。この
形状は、図6に示す中間部32bと終端32cとの間の
曲り部においても同じであり、上側の外曲がり部分が長
方形状に、下側の内曲がり部分が半円形状に形成されて
いる。
【0068】つまり、接続路31は、始端31aから終
端31bまで同一の断面積で形成され、上昇路32は、
始端32aから終端32cの手前に至るまで、接続路3
1と同一の断面積で形成されている。
【0069】一方、上昇路32の終端32c付近の断面
は、これ以外の部分における上昇路32の断面とは異な
る形状で形成されている。この断面形状を図7(b)に
示す。図7(b)に示すように、上昇路32の終端32
cの断面は、円形とされている。
【0070】ここで、図7(a)に示した接続路31の
始端31aから上昇路32の終端32cの手前に至るま
での断面において、下側の半円の中心O1からの半径r
1の値は、約27.5mmとされている。従って、上側
の長方形の長辺x1の長さは約55mmとなる。また、
上側の長方形の短辺x2の長さは、半径r1の値と同じ
27.5mmとされている。一方、図7(b)に示した
上昇路32の終端32cの断面においては、下側の半円
の中心O2からの半径r2の値は、約27.5mmとさ
れている。従って、接続路31の始端31aから上昇路
32の終端32cの手前に至るまでの断面と上昇路32
の終端付近32cの断面とは、略同一の断面積となる。
【0071】このように形成された接続路31および上
昇路32を洗浄水および汚物が流れる様子を、図8ない
し図10を参照しつつ説明する。図8は、上昇路32と
下降路33との間の屈曲部が満水状態となり、サイホン
作用が生じた始めたときの便器10の横断面を示す。図
8に示すように、水出し孔44から洗浄水が吐出される
と、ボール部20内の洗浄水の水位が最高水位線WL0
に達する。この後、第1水位線WL1まで水位が下がる
とほぼ同時にサイホン作用が発生する。このサイホン作
用の発生により、上昇路32内および接続路31内に充
満した水は、路内最高位置の方向に引き込まれる。この
引き込み力により、排出口25の水底面50付近に溜ま
った汚物OBは、引き込み力が生じている上昇路32方
向(矢印K1の方向)に移動する。なお、接続路31の
始端31aの流路の内径は、55mmであり、汚物を十
分に流通可能である。
【0072】汚物OBが矢印K1の方向に移動したとき
の様子を図9に示す。図9において、汚物OBは、接続
路31の始端31a付近から終端31b付近にまで移動
している。この始端31aから終端31bまでは、流路
の断面積が同じのため、洗浄水は、流路面積の相違によ
って加速されることがない。従って、水の圧力損失は加
速される場合と比べて小さくなる。
【0073】また、始端31aから終端31bまでは同
じ太さなので、洗浄水は乱流の発生を抑制して流れる。
従来のように、管路の太さが漸減していると、管路の途
中において洗浄水の流動方向が交差し、洗浄水同士が複
雑に重り合うのに比べて、本実施例では、このようなこ
とがなく、始端31aから終端31bまでの間で乱流が
発生しにくくなる。このため、汚物OBは、洗浄水の流
動方向に従って、スムーズに終端31b付近まで移動す
る。
【0074】さらに、サイホン作用が進むと、汚物OB
は上昇路32の路内最高位置に向かい、矢印K2の方向
に移動する。この移動後の様子を図10に示す。図10
において、汚物OBは、接続路31の終端31b付近か
ら上昇路32の終端32c付近にまで移動している。こ
の終端31bから終端32cの手前までは、やはり流路
の断面積が同じのため、矢印K1方向への移動の場合と
同様に、汚物OBは、洗浄水の流動方向に従って、スム
ーズに終端32c付近まで移動する。この後、汚物OB
は、矢印K3の方向に引き込まれて下降路33に進入
し、下降路33内を降下する。
【0075】以上説明した本発明の実施例である便器1
0によれば、排水機構において、接続路31の始端31
aから終端31bまでの断面および上昇路32の始端3
2aから終端32cの手前に至るまでの断面を、略同一
の断面積に形成する。従って、ボール部20の洗浄に伴
って接続路31,上昇路32内を順に通過する水の速度
は、接続路31から上昇路32に至るときの横向きから
斜め上向きの方向変換の際や、上昇路32を路内最高位
置に向かって上昇する際に、大きく変化することがな
い。従って、接続路31,上昇路32内における水の圧
力損失は小さく抑えられ、乱流の発生も抑止される。こ
の結果、従来より少量の水しか用いなくてもサイホン作
用を安定して生じさせることが可能となり、ボール部2
0に溜まった汚物を確実に下降路33まで引き込むこと
ができる。
【0076】このように、本実施例によれば、少量の洗
浄水を使用しつつ、前記3つの基本的機能のうちの汚物
の排出という機能をさらに良好とすることができる。特
に、洗浄水が少量の場合には、洗浄水に付与された流動
力を、より無駄なく有効に活用することが望ましい。上
記の構成によれば、接続路31,上昇路32内での流動
力の損失を最小限に抑えることができ、好適である。
【0077】また、本実施例では、接続路31および上
昇路32の断面形状を、下側が半円形状、上側が長方形
状という、非円形かつ上下に非対称の形状とした。非円
形や非対称の形状とすることで、洗浄水が流路内で旋回
して流れることによる旋回流の発生を妨げることができ
る。特に、接続路31および上昇路32内で洗浄水が旋
回し、洗浄水の乱れが生じると、汚物が接続路31およ
び上昇路32の内壁に固着して汚物の閉塞を起こした
り、汚物が上昇路32の路内最高位置を越えられないこ
とにより、汚物の排出口25への逆戻りが生じ易い。本
実施例では、接続路31および上昇路32内での洗浄水
の旋回を防止しており、汚物をスムーズに下降路33に
送り込むことができる。
【0078】なお、本実施例では、上昇路32の流路の
形状を、始端32aから終端32cの手前までを非円
形、終端32c付近を円形として互いに異なる形状とし
ているが、上昇路32において異形とされる位置や範囲
は、上昇路32の形状や傾き,長さ等に応じて定めるこ
とができる。
【0079】また、本実施例の便器10では、前述した
ように、排出口25からの汚物の排出性能の向上と少量
の水でのボール部20の効率的な洗浄を実現するため
に、水出し孔44からボール部20に吐出される水に、
時計廻りの旋回を付与する。このような便器10では、
排出口25以降の流路において、旋回を除去する必要性
が高く、旋回を除去する構成はより有用となる。なお、
この場合に、排出口25以降の流路において、ボール部
20内の洗浄水の旋回方向と逆向きの旋回を与えるよう
に、接続路31,上昇路32を構成してもよい。
【0080】さらに、本実施例の便器10は、ボール部
20に段部58を設け、小さな容量とされている。従っ
て、水出し孔44から吐出される水は、ボール部20内
の少量の水にしか旋回力を与えないので、接続路31や
上昇路32内における水の旋回を簡単かつ確実に抑止す
ることができる。
【0081】なお、接続路31および上昇路32の断面
形状を、以下のようにすることもできる。接続路31の
始端31aから終端31bまでの断面形状を、図7
(a)に示す断面と同じ形状に形成する。一方、上昇路
32の中間部32b付近においては、図7(a)に示す
断面形状よりも、真円形状に近づけ、すなわち下側の半
円における曲率半径を接続路31における曲率半径より
大きくし、上側の半円における曲率半径を相対的に小さ
くし、全体として非円形ながら、略円形に近い断面形状
とする。具体的には、中間部32b付近における上昇路
32の断面形状を、半径約29mmの略円形とする。こ
の場合には、接続路31の始端31aから終端31bま
での断面と上昇路32の中間部32b付近32cの断面
とは、略同一の断面積となる。
【0082】接続路31内では、横方向から斜め上側方
向に流れの方向が転換される。このため、図6に示した
P−P’からQ−Q’の区間においては洗浄水の乱れが
強くなり、管路内部で旋回等の二次流れが発生しやす
い。従って、接続路31内においては、上記のように曲
げ方向に対して外側の壁面の曲率半径を小さくすれば、
汚物が慣性により管路壁面に押し付けられても不安定な
挙動を起こさない。また、同時に旋回等の二次流れの発
生が抑えられるので圧力損失が低減可能である。
【0083】一方、方向転換が完了した後の図6のR−
R’近傍区間においては、二次流れの発生が起こりにく
くなる。そこで、上記のように、接続路31の断面につ
いて、上流側の曲げ方向に対する外側の壁面の曲率半径
を大きくするとともに、上流側の曲げ方向に対する内側
の壁面の曲率半径を小さくして上昇路32の断面を形成
し、しかも断面積が接続路31と略同一となるように形
成すれば、洗浄水の速度を略一定に保持したまま、管路
内での汚物の不安定な挙動を防止するとともに壁面との
衝突や閉塞を防止することが可能となる。また、非円形
形状とすれば、効果的に旋回流れ等の二次流れを防止し
圧力損失を低減できる。
【0084】なお、上述した本実施例では、ボール部溜
水の量を約1リットルという値とするが、実験によれ
ば、この値が少なくとも0.7リットル以上1.2リッ
トル以下の値であれば、ボール部20の洗浄やゼット洗
浄に支障が生じないことが確認されている。ボール部溜
水の量が1.2リットルを下回ることで、従来の便器よ
りも節水を図ることが可能となる。
【0085】また、本実施例では、流路内溜水の量を約
0.45リットルという値とするが、実験によれば、こ
の値が少なくとも0.4リットル以上0.6リットル以
下の値であれば、ボール部20の洗浄やゼット洗浄に支
障が生じないことが確認されている。流路内溜水の量が
0.6リットルを下回ることで、従来の便器よりも節水
を図ることが可能となる。
【0086】また、本実施例では、ゼット溜水の量を約
0.5リットルという値とするが、実験によれば、この
値が少なくとも0.3リットル以上0.6リットル以下
の値であれば、ボール部20の洗浄やゼット洗浄に支障
が生じないことが確認されている。ゼット溜水の量が
0.6リットルを下回ることで、従来の便器よりも節水
を図ることが可能となる。なお、ゼット給水路46を封
水FWの通常水位線WLよりも高い位置に形成する構成
として、ゼット溜水自体をなくしてもよい。
【0087】また、本実施例では、洗浄水使用量を大洗
浄で5.8リットルの値としているが、この値を4リッ
トル以上7リットル以下の値としてもよい。7リットル
以下の値であれば、従来の便器よりも節水を図ることが
可能となる。
【0088】また、この洗浄タンクにポンプを接続し、
このポンプによる加圧された水を便器に給水した場合に
は、洗浄水使用量を大洗浄で3リットル程度とすること
が可能である。この他、洗浄水給水路41を水道管と連
結し、水道圧により便器に給水される水の圧力を高くし
た場合には、洗浄水使用量を大洗浄で3リットル程度と
することが可能である。
【0089】以上、本発明が実施される形態を、サイホ
ンゼット式の便器10を例として説明した。本発明はこ
うした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の
要旨を逸脱しない範囲内において種々なる様態で実施し
得ることは勿論である。
【0090】例えば、サイホン式便器やサイホンボルテ
ックス式便器のような、洗浄水をゼット孔から噴出しな
い便器にも、本発明を適用することができる。これらの
便器も、サイホンゼット式便器と同様に、上昇路および
下降路により形成された屈曲部を有しており、この屈曲
部を満水状態とすることによりサイホン作用を生じさせ
る。従って、屈曲部に向けて上昇する排水管のの断面積
を均一とすることにより、少量の水で確実にサイホン作
用を実現することができる。
【0091】また、サイホン作用の引き込み力を利用し
ない洗い落とし式便器であっても、本発明を適用するこ
とが可能である。即ち、洗い落とし式便器においては、
サイホン式便器と同様に、上昇路を備え、最も高い位置
における上昇路の管路内壁の下側の高さにより、封水高
さが定められる。従って、洗い落とし式便器において
も、ボール部と上昇路内に封水が貯溜している。
【0092】このため、上昇路の入口の断面積を、上昇
管の出口と同一の狭い断面積とすれば、上昇路内におけ
る水の速度を抑えることができるので、上昇路内におい
て汚物を強い力で圧送することができる。従って、汚物
が、上昇管の出口付近の堰を超えずに戻ってくることが
ない。特に、洗浄タンク15の貯溜水で便器を洗浄する
場合には、洗浄タンク15が十分に満水となっていない
状態でも、確実に汚物を流すことができる。従って、少
ない水で汚物を流すことができ、2度流しによる水の無
駄を生じさせることもない。
【0093】また、本実施例の便器10におけるボール
部20や接続路31,上昇路32の形状を洗い落とし便
器に採用すれば、洗い落とし便器の封水FWの量を、上
記の本実施例におけるボール部溜水および流路内溜水の
量を約1.45リットルという値とすることが可能であ
り、この値を上述した実験による確認値である1.1リ
ットルまでのさらに小さな値とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の本実施例であるサイホンゼット式の便
器10の縦断面を示す説明図である。
【図2】便器10の上面を示す説明図である。
【図3】図2に示した便器10を、位置A−A´で切断
した状態を示す説明図である。
【図4】図2に示した便器10を、位置B−B´で切断
した状態を示す説明図である。
【図5】図2に示した便器10を、位置C−C´で切断
した状態を示す説明図である。
【図6】便器10の接続路31、上昇路32の横断面形
状を示す説明図である。
【図7】図7(a)は、接続路31、上昇路32を、位
置P−P´、位置Q−Q´、位置R−R´で切断した状
態を示す説明図であり、図7(b)は、上昇路32を、
位置S−S´で切断した状態を示す説明図である。
【図8】上昇路32と下降路33との間の屈曲部が満水
状態となり、サイホン作用が生じた始めたときの便器1
0の横断面を示す説明図である。
【図9】汚物OBが矢印K1の方向に移動したときの様
子を示す説明図である。
【図10】汚物OBが矢印K2の方向に移動したときの
様子を示す説明図である。
【符号の説明】
10…便器 15…洗浄タンク 15a…排水口 20…ボール部 21…リム 22…ゼット噴出孔 23…覆水面 24…乾燥面 25…排出口 26…凹部 28…タンク密結孔 29…便座取付用孔 31…接続路 31a…始端 31b…終端 32…上昇路 32a…始端 32b…中間部 32c…終端 33…下降路 40…洗浄水給水孔 41…洗浄水給水路 41a…滞留部 42…分岐孔 43…リム給水路 44…水出し孔 44a…大孔 44b…中孔 44c…小孔 44d…長孔 44e…長孔 45…ゼット給水孔 46…ゼット給水路 50…水底面 51…ゼット導水面 53…第1曲部 54…第2曲部 55…第3曲部 56…第4曲部 58…段部 70…排水ソケット 90…排水立ち上げ管 FW…封水 WL…通常水位線 WL0…最高水位線 WL1…第1水位線 WL2…第2水位線 WL3…第3水位線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 孝幸 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 宮上 浩一 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 柴田 信次 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 北村 正樹 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 松尾 信介 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 2D039 AA02 AC03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚物を受ける鉢部と、 該鉢部の底部に形成された排出口と接続された接続路
    と、 該接続路に連通し、該連通位置から上方向に延出する上
    昇路を備え、 前記鉢部,前記接続路および前記上昇路に溜められた貯
    溜水により封水を形成し、該鉢部への洗浄水の供給に伴
    って、前記排出口から流路である前記接続路および前記
    上昇路に水を送り込み、該上昇路を通過した水や汚物を
    排水管の位置する下方へ導く水洗便器において、 前記接続路が前記排出口と接続された位置から前記上昇
    路の終端近傍の位置にわたる流路の断面積を、略同一に
    形成した水洗便器。
  2. 【請求項2】 汚物を受ける鉢部と、 該鉢部の底部に形成された排出口と接続された接続路
    と、 該接続路に連通し、該連通位置から上方向に延出する上
    昇路と、 該上昇路と連続し、該上昇路の終端から排水管の位置す
    る下方向に延出する下降路とを備え、 前記鉢部,前記接続路および前記上昇路に溜められた貯
    溜水により封水を形成し、該鉢部への洗浄水の供給に伴
    って、前記排出口から流路である前記接続路および前記
    上昇路に水を送り込み、該水を送り込むことによって生
    じるサイホン作用を利用して、前記水や汚物を前記上昇
    路から前記下降路に導くサイホン式の水洗便器におい
    て、 前記接続路が前記排出口と接続された位置から前記上昇
    路の終端近傍の位置にわたる流路の断面積を、略同一に
    形成したサイホン式の水洗便器。
  3. 【請求項3】 前記上昇路の流路の断面形状を、該上昇
    路の位置により異なる形状とした請求項1または2に記
    載の水洗便器。
  4. 【請求項4】 前記上昇路内を流れる水の旋回を抑止す
    る旋回抑止手段を備えた請求項1または2に記載の水洗
    便器。
  5. 【請求項5】 前記旋回抑止手段を、前記上昇路の流路
    の形状を非円形とすることにより構成した請求項4に記
    載の水洗便器。
  6. 【請求項6】 前記上昇路の流路の断面の形状を、一軸
    について非対象形状に形成した請求項5に記載の水洗便
    器。
  7. 【請求項7】 前記上昇路の流路の断面の上側と下側と
    を非対象の形状に形成した請求項6に記載の水洗便器。
  8. 【請求項8】 前記上昇路は、前記下降路と連続するた
    めに所定の曲がりが形成された流路であり、 前記曲がりの外側方向の内壁を、前記曲がりの内側方向
    の内壁よりも小さな曲率半径に形成した請求項5ないし
    7のいずれかに記載の水洗便器。
  9. 【請求項9】 前記鉢部内において水に旋回を付与する
    旋回付与手段を備えた請求項4に記載の水洗便器。
  10. 【請求項10】 前記鉢部の内壁の、前記封水の高さよ
    りも上の位置に、便器の外側方向に張り出す段部を設け
    た請求項9に記載の水洗便器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012197640A (ja) * 2011-03-23 2012-10-18 Toto Ltd 洗い落し式汚物排出装置
JP2013170425A (ja) * 2012-02-22 2013-09-02 Toto Ltd 水洗大便器
JP2016056591A (ja) * 2014-09-10 2016-04-21 Toto株式会社 小便器
JP2016075144A (ja) * 2015-12-24 2016-05-12 Toto株式会社 小便器

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