JPH08333010A - 石膏硬化物の壁面への付着防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 石膏スラリーがシュート等の内壁に付着し、
凝結硬化して塊状化するのを防止する装置を開発する事
を目的とする。 【構成】 シュート等を二重壁とし、内側を弾性材によ
り構成させ、外壁と内壁との間の空隙部にエアバッグを
装着させ、このエアバッグを空気により膨張、収縮させ
ることにより、内側の弾性材を膨張、収縮させて該内壁
に付着した付着物が、塊状に成長する以前に剥落させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、石膏ボード製造ライン
における石膏スラリー製造用混練機、搬送用機器及びシ
ュート等の内壁に付着した石膏スラリーが凝結硬化し、
この付着物が成長し塊状化した物を除去する装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】石膏ボードを連続して製造するラインに
おいては、まず半水石膏と繊維状補強材等と水とをミキ
サーにて混練して石膏スラリーを製造し、この石膏スラ
リーをシュート等を介してコンベアベルト上に供給し、
該コンベアベルト上で所定の厚さに調整し、硬化させて
いる。

【０００３】一般に半水石膏を水にて混練した石膏ペー
スト及び石膏スラリーは、凝結硬化する時間が数十分程
度と短く、凝結遅延剤等を使用して対処している。前記
の石膏ボード等の製造ラインにおいて、混練した石膏ス
ラリーをシュートを介してボード製造用のコンベアベル
ト又はテーブル上に供給する際、該石膏スラリーが飛散
し、該シュートの内壁等に付着して滞留すれば、それら
がすぐに凝結硬化し、更にその上に該石膏スラリの飛散
物が付着し、それらが成長して大きくなり塊状化する
か、或はシュートの側面等に付着した石膏スラリーが硬
化し、これが抵抗となり側壁周辺部の流れが悪くなり、
更に付着が成長して塊状化し、該シュート全体の流れが
悪くなるので、ラインの停止時等に入念に掃除等を行っ
ていた。

【０００４】

【発明が解決しようとしている課題】本発明は、前述の
石膏スラリーの付着物が、シュート等の内面で成長して
塊状化する以前に、自動的に除去する手段と、ライン停
止時の掃除を省力化する手段とを開発する事を目的とす
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】シュート等の内壁に付着
した石膏硬化体が塊状化する以前の小さい時点で、該石
膏の付着物を自動的に除去する手段として、 １）石膏スラリー流路内の機器及びシュート等のハウジ
ングを二重構造とし、内面と外面との間に空隙部を設け
る。

【０００６】２）該内面を弾性材料とし、 ３）該内面と該外面との空隙部にエアバッグを装着す
る。

【０００７】以上のように装備するのが好適であるが、
特に石膏スラリーの流路とならない部分、又は少なくと
も石膏スラリーと接触する面を耐摩耗性の材料とすれ
ば、上記のようにハウジングを二重構造とする必要はな
く、該ハウジングの内側に直接エアバッグを装着しても
良い。これらも本発明の技術範囲に属する。

【０００８】

【作用】石膏スラリー製造用の機器及び搬送機又はシュ
ート等のハウジングを二重壁にし、内壁側の材質を弾性
体とし、外壁と内壁との間にエアバッグを装着する事に
より、このバッグをエアにより膨張、収縮させ、これに
伴い弾性体である内壁が膨張、収縮し内壁表面に付着し
た石膏硬化体を脱落させるものである。

【０００９】また、エアバッグを定期的に膨張、収縮さ
せることにより、内壁表面も同様に膨張、収縮するた
め、該内壁表面に付着した石膏スラリーの付着物が硬化
し、該付着物が塊状化しない時点で該内壁表面より剥落
させる事ができるので、塊状化した付着物が製品の中に
混入する事を防止でき、良好な製品を製造する事が可能
となる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を実施態様図を挙げて説明する
が、この実施態様図は本発明のあくまでも一例であり、
以下の実施態様図に拘束されるものでなく、本発明は、
石膏スラリー等の硬化時間の短いものにも応用可能であ
る。また、上述の通り、シュート等を必ずしも二重構造
とする必要がなく、少なくとも石膏スラリー等と接触す
る面に耐摩耗性の材料を使用すれば、エアバッグのみを
装着すれば良く、これらはいずれも本発明の技術範囲に
属するものである。

【００１１】図１ａは、円筒形のシュートに縦長のエア
バッグを装着した際の縦断面図であり、図１ｂはその断
面図である。

【００１２】図によれば円筒形のシュート１を二重壁と
し、内側２を耐摩耗製のゴム材として、内壁と外壁との
間を断面方向に８等分し、軸方向に縦長の空間部を設
け、この空間部にエアバッグ３を装着した構造としたも
ので、このエアバッグ３を空気により膨張、収縮させる
ものであり、各エアバッグ３を同時に膨張収縮させても
良く、各エアバッグ３を順次膨張、収縮させても良い。
このエアバッグ３の膨張、収縮によりシュート１の内壁
２の弾性体が伸び縮みし、シュート内において内壁２に
付着した石膏スラリーの付着物が、成長し、塊状化する
以前の小さい状態で剥落させることができる。このた
め、ラインを停止した際の掃除が簡単となり省力化を図
ることができた。

【００１３】図２及び図３は、シュートの軸方向に区切
ったものであり、効果等は図１と変わりない。

【００１４】図３ａｂは、角型のシュートに適用したも
のであり、この際図示するようにシュートの角部にコー
ナを設け、この部分にもエアバッグを装着しておけば、
円筒形と同様に内壁全面にわたり膨張、収縮させる事が
可能である。

【００１５】

【発明の効果】本発明のように、シュートを二重壁と
し、内壁を弾性材として、外壁と内壁との間に画設した
空間部にエアバッグを装着し、該エアバッグを膨張、収
縮させる事により、弾性材よりなる内壁を伸び縮みさ
せ、石膏スラリーが該内壁に付着して凝結硬化した付着
物を、塊状化する以前に剥落することができる。

【００１６】このため内壁等に付着し成長した塊状の石
膏硬化物が、剥落により製品に混入する事がなく、製品
の品質を向上することができたばかりでなく、ライン停
止時の掃除の省力化が可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）円筒形のシュートに縦長のエアバッグを
装着した際の横断面を示す態様図、（ｂ）図１（ａ）の
縦断面を示す態様図である。

【図２】円筒形のシュートを半径（横断）方向に区切り
エアバッグを装着した際の縦断面図を示す態様図であ
る。

【図３】（ａ）図２の横断面図と、（ｂ）使用したエア
バッグの展開図。

【図４】角型のシュートに縦長のエアバッグを装着した
際の縦断面図を示す態様図。

【図５】図４の横断面図を示す態様図。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 石膏スラリーの製造及び搬送用機器又は
   シュートの内面壁にエアバックを備えた事を特徴とする
   石膏硬化物の壁面への付着防止装置。