JPH08332837A - 空調装置 - Google Patents

空調装置

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JPH08332837A
JPH08332837A JP7139705A JP13970595A JPH08332837A JP H08332837 A JPH08332837 A JP H08332837A JP 7139705 A JP7139705 A JP 7139705A JP 13970595 A JP13970595 A JP 13970595A JP H08332837 A JPH08332837 A JP H08332837A
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compressor
refrigeration cycle
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クールダウン制御時またはウォームアップ制
御時における冷凍サイクルの運転効率を向上させる。 【構成】 冷房運転時には、圧縮機を駆動する電動モー
タへの入力電流IDCが所定値a1 よりも少ないか否
か、すなわち電動モータでの消費電力が所定値よりも少
ないか否かをステップ140で判定する。ここで、クー
ルダウン制御時にはこのステップ140でNOと判定さ
れることがあるが、このときにはIDCが所定値a1 と
なるようにインバータを制御する。このように本実施例
では、IDCが常に所定値a1 以下となり、電動モータ
の消費電力が常に所定値以下となるので、冷凍サイクル
の成績係数(COP)として所定の大きさを確保でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温度設定手段で設定さ
れた目標温度と実際の空調負荷とに応じて、冷凍サイク
ルの圧縮機の回転数を制御することによって、室内への
吹出風温度を調節する空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような空調装置として例えば電気
自動車用空調装置がある。この電気自動車用空調装置で
は、冷凍サイクルの圧縮機を電動モータで回転駆動する
ように構成している。そして、この電動モータへの通電
量を調節して電動モータの回転数を調節することによっ
て、空調ダクト内に設けられた蒸発器または凝縮器での
冷房能力または暖房能力を調節し、車室内への吹出風温
度を制御するように構成している。
【0003】このような構成の空調装置では、車室内の
急速冷房制御(以下、クールダウン制御という)や急速
暖房制御(以下、ウォームアップ制御という)を行うと
き、温度設定手段で設定された目標温度と実際の車室内
温度との偏差が大きい初期においては、早急に車室内を
冷房または暖房するために、電動モータへの通電量をほ
ぼ最高として、圧縮機回転数をほぼ最高回転数となるよ
うに制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】確かに、圧縮機回転数
を上げれば冷房能力または暖房能力は上がるが、その上
がり方は、圧縮機回転数が高くなる程少なくなる。つま
り、圧縮機の仕事量(この場合は電動モータの消費電
力)に対する冷房能力または暖房能力、すなわち冷凍サ
イクルの成績係数(以下、COPという)は、図15に
示す通り、圧縮機回転数が高くなる程(電動モータの消
費電力が多くなるほど)小さくなる。
【0005】このように従来の空調装置は、クールダウ
ン制御時またはウォームアップ制御時には、室内を急速
に冷房または暖房するために必要以上に圧縮機を回転さ
せてしまっており、その結果として、冷凍サイクルの運
転効率が悪くなっていたという問題があった。そこで本
発明は上記問題に鑑み、温度設定手段で設定された目標
温度と実際の空調負荷とに応じて、冷凍サイクルの圧縮
機の回転数を制御することによって、室内への吹出風温
度を調節する空調装置において、クールダウン制御時ま
たはウォームアップ制御時における冷凍サイクルの運転
効率をできるだけ向上させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、駆動手段(30)によっ
て駆動されたときに冷媒を吸入、圧縮、吐出する圧縮機
(21)、この圧縮機(21)からの冷媒を凝縮させる
凝縮器(22、12)、この凝縮器(22、12)から
の冷媒を減圧する減圧手段(23、24)、およびこの
減圧手段(23、24)からの冷媒を蒸発させる蒸発器
(11、22)を備える冷凍サイクル(20)と、送風
手段(4)によって発生した空気流を室内に導く空気通
路(2)内に、前記蒸発器(11)あるいは前記凝縮器
(12)のうちの少なくとも一方を配設した空調ユニッ
ト(1)と、温度設定手段(56)で設定された目標温
度と実際の空調負荷とに応じて前記圧縮機(21)の目
標回転数を決定する目標回転数決定手段(ステップ15
0〜190、210、ステップ240〜280)、およ
び実際の圧縮機回転数が前記目標回転数となるように前
記駆動手段(30)を制御する駆動制御手段(ステップ
200)を備える制御装置(40)とを備える空調装置
において、前記制御装置(40)は、さらに、前記駆動
手段(30)の消費動力に関連する物理量を求める手段
(43)(ステップ125)と、この手段(43)(ス
テップ125)によって求められた前記物理量が、所定
値よりも大きいか小さいかを判定する判定手段(ステッ
プ140、230)(ステップ141、231)とを備
え、前記目標回転数決定手段(ステップ150〜19
0、210、ステップ240〜280)は、前記判定手
段(ステップ140、230)(ステップ141、23
1)によって、前記求められた物理量が前記所定値より
も大きいと判定されたときは、実際の前記物理量が前記
所定値となるような回転数に決定するように構成された
空調装置を特徴とする。
【0007】また請求項2記載の発明では、請求項1記
載の空調装置において、前記駆動手段(30)は電動モ
ータ(30)であり、前記物理量を求める手段(43)
(ステップ125)は、この電動モータ(30)の消費
電力に関連する物理量を求める手段(43)(ステップ
125)であることを特徴とする。
【0008】また請求項3記載の発明では、請求項2記
載の空調装置において、前記物理量を求める手段(4
3)(ステップ125)は、前記電動モータ(30)に
入力される電流量を検出する電流検出手段(43)であ
ることを特徴とする。また請求項4記載の発明では、請
求項2記載の空調装置において、前記物理量を求める手
段(43)(ステップ125)は、前記電動モータ(3
0)の消費電力を算出する消費電力算出手段(ステップ
125)であることを特徴とする。
【0009】また請求項5記載の発明では、請求項4記
載の空調装置において、前記空気通路(2)内に設けら
れた前記蒸発器(11)または前記凝縮器(12)の吸
込側における空気温度を検出する吸込温度検出手段(4
5)と、この吸込温度検出手段(45)によって検出さ
れた吸込温度に基づいて前記所定値を決定する所定値決
定手段(ステップ135、225)とを備えることを特
徴とする。
【0010】また請求項6記載の発明では、請求項5記
載の空調装置において、前記所定値決定手段(ステップ
135、225)は、前記所定値を、前記冷凍サイクル
(20)の成績係数が所定の大きさとなる値に決定する
ように構成されたことを特徴とする。また請求項7記載
の発明では、請求項5記載の空調装置において、前記所
定値決定手段(ステップ135、225)は、前記所定
値を、前記冷凍サイクル(20)の成績係数の変化率が
所定の変化率となる値に決定するように構成されたこと
を特徴とする。
【0011】また請求項8記載の発明では、請求項5記
載の空調装置において、前記所定値決定手段(ステップ
135、225)は、前記吸込温度検出手段(45)に
よって検出された吸込温度が高い程、前記所定値を大き
な値として決定するように構成されたことを特徴とす
る。また請求項9記載の発明では、請求項1ないし8い
ずれか1つ記載の空調装置において、前記冷凍サイクル
(20)はヒートポンプ式冷凍サイクルであり、前記空
気通路(2)内に、前記蒸発器(11)と前記凝縮器
(12)の両方が配設されたことを特徴とする。
【0012】また、請求項10記載の発明では、請求項
2ないし8いずれか1つ記載の空調装置が電気自動車用
である電気自動車用空調装置を特徴とする。また請求項
11記載の発明では、請求項10記載の電気自動車用空
調装置において、前記冷凍サイクル(20)はヒートポ
ンプ式冷凍サイクルであり、前記空気通路(2)内に、
前記蒸発器(11)と前記凝縮器(12)の両方が配設
されたことを特徴とする。
【0013】なお、請求項1記載の発明における所定値
とは、前記駆動手段の消費動力に関する物理量がこの所
定値であれば、冷凍サイクルの成績係数(COP)とし
て所定の大きさが確保できるとともに、冷房能力または
暖房能力としても、所定の能力を確保できる程度の値を
いう。また、前記物理量がこの所定値よりも大きいとき
とは、冷凍サイクルのCOPとして前記所定の大きさを
確保できず、また冷房能力または暖房能力してとも、前
記所定の能力を確保できないときをいう。
【0014】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施例の具体的手段との対応関係を示すものであ
る。
【0015】
【発明の作用効果】請求項1ないし11記載の発明によ
れば、目標回転数決定手段が、温度設定手段によって設
定された目標温度と実際の空調負荷とに応じて目標回転
数を決定し、駆動制御手段が、実際の圧縮機回転数がこ
の目標回転数となるように、圧縮機の駆動手段を制御す
る。これによって、空気通路内の蒸発器または凝縮器に
おける冷房能力または暖房能力が制御され、室内への吹
出空気温度が所定の温度となるように制御される。
【0016】従って、例えば前記目標温度に対して実際
の室内温度がかなり高いクールダウン制御初期時、また
は前記目標温度に対して実際の室内温度がかなり低いウ
ォームアップ制御初期時には、前記目標回転数としてか
なり高い回転数が決定され、実際の圧縮機回転数がかな
り高い回転数に制御される。そしてその結果として、室
内の急速冷房または急速暖房が行われる。
【0017】ところで、前記駆動手段の消費動力に関連
する物理量が所定値よりも大きいときに、上記のように
温度設定手段によって設定された目標温度と実際の空調
負荷とに応じて目標回転数を決定し、実際の圧縮機回転
数がこの目標回転数となるように圧縮機回転数を制御す
ると、冷凍サイクルのCOPとして所定の大きさを確保
できない。
【0018】そこで本発明では、駆動手段の消費動力に
関連する物理量を求める手段と、この手段によって求め
られた前記物理量が前記所定値よりも大きいか小さいか
を判定する判定手段とを設け、この判定手段によって、
前記物理量が前記所定値よりも大きいと判定されたとき
には、前記目標回転数決定手段は、実際の前記物理量が
この所定値となるように前記目標回転数を決定する。
【0019】従ってこのときには、駆動制御手段の制御
によって、実際の前記物理量が前記所定値となるように
圧縮機回転数が制御されるので、冷凍サイクルのCOP
として前記所定の大きさを確保できるとともに、冷房能
力または暖房能力としても所定の能力を確保できる程度
に圧縮機回転数が維持される。このように本発明では、
クールダウン制御初期時またはウォームアップ制御初期
時のように、温度設定手段によって設定される目標温度
と実際の空調負荷との差が大きいようなときでも、冷凍
サイクルのCOPとして前記所定の大きさを確保でき
て、冷凍サイクルの運転効率を向上させることができる
とともに、冷房能力または暖房能力としても前記所定の
能力を確保できる。
【0020】特に請求項5ないし8記載の発明は、空気
通路内の蒸発器または凝縮器の吸込側における空気温度
に応じて、蒸発器における冷房能力または凝縮器におけ
る暖房能力が変化することに鑑みてなされたもので、こ
の吸込側の空気温度を吸込温度検出手段で検出し、この
検出温度に基づいて前記所定値を決定するように構成し
ている。
【0021】このうち請求項6記載の発明では、前記所
定値を、冷凍サイクルのCOPが所定の大きさとなる値
に決定し、請求項7記載の発明では、前記所定値を、冷
凍サイクルのCOPの変化率が所定の変化率となる値に
決定する。このように請求項5ないし8記載の発明で
は、前記吸込温度がどのような温度のときでも、冷凍サ
イクルのCOPとして前記所定の大きさを確保でき、か
つ冷房能力または暖房能力としても所定の能力を確保で
きる。
【0022】また請求項9記載の発明における冷凍サイ
クルはヒートポンプ式冷凍サイクルで、空気通路内に蒸
発器および凝縮器が配設された構成である。従って、冷
房時には蒸発器にて空気通路内の空気を冷却して室内冷
房を行い、暖房時には凝縮器にて空気通路内の空気を加
熱して室内暖房を行う。このような本発明では、クール
ダウン制御時およびウォームアップ制御時の両方におい
て、冷凍サイクルのCOPとして前記所定の大きさを確
保でき、かつ冷房能力および暖房能力としても前記所定
の能力を確保できる。
【0023】また請求項10または11記載の発明のよ
うな電気自動車用空調装置では、上記のように冷凍サイ
クルの運転効率が向上して、電動モータでの消費電力が
節約できるということは、電気自動車全体からみても消
費電力が節約できるということなので、結果的に、例え
ば1回の充電での走行距離を延ばすことができるという
効果を奏する。
【0024】
【実施例】次に、本発明を電気自動車用空調装置として
用いた第1実施例を図1〜10に基づいて説明する。図
1の空調ユニット1における空調ダクト2は、車室内に
空気を導く空気通路を構成するもので、一端側に内外気
切換手段3および送風手段4が設けられ、他端側に車室
内へ通ずる複数の吹出口14〜16が形成されている。
【0025】上記内外気切換手段3は、車室内の空気
(内気)を吸入する内気吸入口5と、車室外の空気(外
気)を吸入する外気吸入口6とが形成された内外気切換
箱内に、各吸入口5、6を選択的に開閉する内外気切換
ドア7が設けられ、この内外気切換ドア7がその駆動手
段(図示しない、例えばサーボモータ)によって駆動さ
れる構成である。
【0026】上記送風手段4は、上記内気吸入口5また
は外気吸入口6から上記各吹出口14〜16に向かっ
て、空調ダクト2内に空気流を発生させるもので、具体
的には、スクロールケーシング8内に多翼ファン9が設
けられ、このファン9がその駆動手段であるモータ10
によって駆動される構成である。また、ファン9よりも
空気下流側における空調ダクト2内には冷房用室内熱交
換器11が設けられている。この冷房用室内熱交換器1
1は、後述する冷凍サイクル20の一部を構成する熱交
換器であり、後述する冷房運転モード時に、内部を流れ
る冷媒の蒸発作用によって、空調ダクト2内の空気を除
湿、冷却する蒸発器として機能する。なお、後述する暖
房運転モード時にはこの冷房用室内熱交換器11内には
冷媒は流れない。
【0027】また、冷房用室内熱交換器11よりも空気
下流側における空調ダクト2内には暖房用室内熱交換器
12が設けられている。この暖房用室内熱交換器12
は、冷凍サイクル20の一部を構成する熱交換器であ
り、後述する暖房運転モード時に、内部を流れる冷媒の
凝縮作用によって、空調ダクト2内の空気を加熱する凝
縮器として機能する。なお、後述する冷房運転モード時
にはこの暖房用室内熱交換器12内には冷媒は流れな
い。
【0028】また空調ダクト2内のうち、暖房用室内熱
交換器12と隣接した位置には、ファン9から圧送され
てくる空気のうち、暖房用室内熱交換器12を流れる量
とこれをバイパスする量とを調節するエアミックスドア
13が設けられている。また上記各吹出口14〜16
は、具体的には、車両フロントガラスの内面に空調空気
を吹き出すデフロスタ吹出口14と、車室内乗員の上半
身に向かって空調空気を吹き出すフェイス吹出口15
と、車室内乗員の下半身に向かって空調空気を吹き出す
フット吹出口16である。またこれらの吹出口の空気上
流側部位には、これらの吹出口を開閉するドア17〜1
9が設けられている。
【0029】ところで上記冷凍サイクル20は、上記冷
房用室内熱交換器11と暖房用室内熱交換器12とで車
室内の冷房および暖房を行うヒートポンプ式冷凍サイク
ルで、これらの熱交換器11、12の他に、冷媒圧縮機
21、室外熱交換器22、冷房用減圧装置23、暖房用
減圧装置24、アキュムレータ25、および冷媒の流れ
を切り換える四方弁26を備え、これらが冷媒配管27
で接続された構成となっている。また、図中28は電磁
弁、29は室外ファンである。
【0030】ところで冷媒圧縮機21は、電動モータ3
0によって駆動されたときに冷媒の吸入、圧縮、吐出を
行う。この電動モータ30は、冷媒圧縮機21と一体的
に密封ケース内に配置されており、インバータ31に制
御されることによって回転速度が連続的に可変する。ま
たこのインバータ31は、制御装置40(図2)によっ
て通電制御される。
【0031】この制御装置40には、図2に示すよう
に、冷房用室内熱交換器11における空気冷却度合い
(具体的には熱交換器11を通過した直後の空気温度)
を検出する通過後空気温度センサ41、圧縮機21の回
転数を検出する圧縮機回転数センサ42、インバータ3
1に入力される電流量を検出する入力電流センサ43、
および圧縮機21の吐出側における高圧を検出する高圧
センサ44からの各信号が入力されるとともに、車室内
前面に設けられたコントロールパネル51の各レバー、
スイッチからの信号も入力される。
【0032】このコントロールパネル51は図3に示す
ように、各吹出モードの設定を行う吹出モード設定レバ
ー52、車室内へ吹き出される風量を設定する風量設定
レバー53、内外気切換モードを設定する内外気切換レ
バー54、冷凍サイクル20を冷房運転モードにする冷
房スイッチ55aと暖房運転モードにする55bとから
なる冷暖房モード設定スイッチ55、および車室内への
吹出風温度を調節する温度設定レバー56を備える。
【0033】また、図2の制御装置40の内部には、図
示しないCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイ
クロコンピュータが設けられ、上記各センサ41〜44
からの信号およびコントロールパネル51からの各信号
は、ECU内の図示しない入力回路を経て、上記マイク
ロコンピュータへ入力される。そしてこのマイクロコン
ピュータが後述する所定の処理を実行し、その処理結果
に基づいてインバータ31等の上記各駆動手段を制御す
る。なお、制御装置40は、自動車の図示しないキース
イッチがオンされたときに、図示しないバッテリーから
電源が供給される。
【0034】ところで、車室内乗員によって上記冷房ス
イッチ55aがオンされたときは、上記マイクロコンピ
ュータが四方弁26、電磁弁28を制御し、冷凍サイク
ル20が冷房運転モードとなる。このモードのときの冷
媒の流れは、圧縮機21→室外熱交換器22→冷房用減
圧装置23→冷房用室内熱交換器11→アキュムレータ
25→圧縮機21の順である。
【0035】また、車室内乗員によって上記暖房スイッ
チ55bがオンされたときは、上記マイクロコンピュー
タが四方弁26、電磁弁28を制御し、冷凍サイクル2
0が暖房運転モードとなる。このモードのときの冷媒の
流れは、圧縮機21→暖房用室内熱交換器12→暖房用
減圧装置24→室外熱交換器22→電磁弁28→アキュ
ムレータ25→圧縮機21の順である。
【0036】次に、上記マイクロコンピュータが行うイ
ンバータ31の制御処理について、図4を用いて説明す
る。まず、キースイッチがオンされて制御装置40に電
源が供給され、さらに風量設定レバー53がオフ以外の
所定風量の位置に設定されると、図4のルーチンが起動
され、ステップ110にて各イニシャライズおよび初期
設定を行う。そして次のステップ120にて、上記各セ
ンサ41〜44、およびコントロールパネル51の各レ
バー、スイッチからの信号を読み込む。
【0037】そして次のステップ130にて、コントロ
ールパネル51の冷房スイッチ55aがオンされている
か否かを判定する。このステップ130にてオンされて
いると判定されたときは、次のステップ140にて、入
力電流センサ43で検出されたインバータ31への入力
電流IDCが、第1の所定値a1 (本実施例では10
A)より少ないか否かを判定する。
【0038】ここで、圧縮機消費電力PWは下記数式1
のように表せるため、このステップ140では、このP
Wが所定電力より少ないか否かを判定していることにな
る。なお、この所定電力とは、冷凍サイクル20のCO
Pが所定値以上となり、かつ冷房能力の大きさ自体も所
定値以上となるような電力である。
【0039】
【数1】PW=(IDC)×(バッテリー電圧)×(イ
ンバータ効率) このステップ140にて、IDCが第1の所定値a1 よ
りも少ないと判定されたとき、すなわち圧縮機消費電力
が上記所定電力よりも少ないときは、次のステップ15
0にて、ROMに記憶された図5の特性より、コントロ
ールパネル51の温度設定レバー56の位置に応じて、
冷房用室内熱交換器11を通過した直後の空気の目標温
度TEOを決定する。
【0040】そして次にステップ160にて、上記目標
温度TEOと、通過後空気温度センサ41で検出された
実際の空気温度TEとの偏差En を、下記数式2に基づ
いて算出する。
【0041】
【数2】En =TEO−TE そして次のステップ170にて、下記数式3に基づいて
偏差変化率Edot を算出する。
【0042】
【数3】Edot =En −En-1 ここで上記En は4秒毎に更新されるため、En-1 はE
n に対して4秒前の値となる。次にステップ180に
て、ROMに記憶された図6のメンバーシップ関数と図
7のルールとに基づいて、上記ステップ160、170
で算出したEn およびEdot における目標増加回転数Δ
f(rpm) を算出する。ここでこの目標増加回転数Δfと
は、4秒前の目標回転数fn-1 (rpm) に対して増減する
圧縮機21の回転数のことである。
【0043】具体的には、図6(a)で求まるCF1と
図6(b)で求まるCF2とから、下記数式4に基づい
て入力適合度CFを求め、さらにこの入力適合度CFと
図7のルール値とから、下記数式5に基づいてΔfを算
出する。
【0044】
【数4】CF=CF1×CF2
【0045】
【数5】Δf=Σ(CF×ルール値)/ΣCF そして次のステップ190にて、圧縮機21の目標回転
数fn を下記数式6に基づいて算出する。
【0046】
【数6】fn =fn-1 +Δf そして次のステップ200にて、圧縮機回転数センサ4
2が検出する圧縮機回転数が上記目標回転数fn となる
ように、インバータ31へ入力する電流を制御する。こ
のようにインバータ31を通電制御することによって、
冷房用室内熱交換器11を通過した直後の実際の空気温
度が上記目標温度TEOに近づく。その後、再びステッ
プ120に戻る。
【0047】例えば、En =−2.5(℃)、Edot =
−0.35(℃/4秒)とすると、図6(a)よりNB
=0、NS=0.5、ZO=0.5、PS=0、PB=
0となり、図6(b)よりNB=0、NS=0.5、Z
O=0.5、PS=0、PB=0となる。従って、上記
数式5の分母であるΣCFは、0.5×0.5+0.5
×0.5+0.5×0.5+0.5×0.5=1とな
り、上記数式5の分子であるΣ(CF×ルール値)は、
0.5×0.5×80+0.5×0.5×100+0.
5×0.5×150+0.5×0.5×0=82.5と
なる。これらの結果から、Δf=82.5となる。従っ
て圧縮機回転数fn は、4秒前の回転数fn-1 よりも8
2.5(rpm) だけ増加する。
【0048】なお、図7のルール表でブランクになって
いるところは、上記数式4、5の計算を行わない。ま
た、ΣCF=0のときはΔf=0とする。また、上記ス
テップ140にてNOと判定されたとき、すなわち圧縮
機消費電力が上記所定電力以上のときは、ステップ21
0にジャンプしてΔfを0にセットした後、ステップ1
90の処理を行う。こうすることによって、圧縮機21
の目標回転数は4秒前の回転数fn-1 に固定されるの
で、IDCも第1の所定値a1 に固定される。
【0049】一方、ステップ130にて冷房スイッチ5
5aがオンされていないと判定されたときは、今度はス
テップ220にて暖房スイッチ55bがオンされている
か否かを判定する。ここでオンされていると判定された
ときは、ステップ230にて、入力電流センサ43で検
出されたインバータ31への入力電流IDCが第2の所
定値a2 (<第1の所定値a1 、本実施例では7A)よ
り少ないか否かを判定する。なお、このステップ230
も、圧縮機消費電力が所定電力より少ないか否かを判定
している。
【0050】ここで、第2の所定値a2 より少ないと判
定されたときは、ステップ240にて、温度設定レバー
56の位置に応じて、圧縮機21の吐出側の目標高圧P
COを決定する。そして次のステップ250にて、上記
目標高圧PCOと、高圧センサ44で検出された実際の
高圧PCとの偏差Dn を、下記数式7に基づいて算出す
る。
【0051】
【数7】Dn =PCO−PC そして次のステップ260にて、下記数式8に基づいて
偏差変化率Ddot を算出する。
【0052】
【数8】Ddot =Dn −Dn-1 ここで上記Dn は4秒毎に更新されるため、Dn-1 はD
n に対して4秒前の値となる。次にステップ270に
て、ROMに記憶された図示しないメンバーシップ関数
およびルールに基づいて、上記ステップ250、260
で算出したDn およびDdot における目標増加回転数Δ
f(rpm) を算出する。その後、ステップ190にジャン
プする。
【0053】また、上記ステップ230にてNOと判定
されたとき、すなわち圧縮機消費電力が上記所定電力以
上のときは、ステップ280にジャンプしてΔfを0に
セットした後、ステップ190の処理を行う。こうする
ことによって、圧縮機21の目標回転数は4秒前の回転
数fn-1 に固定されるので、IDCも第2の所定値a2
に固定される。
【0054】また、上記ステップ220にて暖房スイッ
チ55bがオンされていないと判定されたときは、ステ
ップ290にて圧縮機21の運転を停止して送風モード
とする。なお、上記各ステップは、それぞれの機能を実
現する手段を構成する。また、本実施例のマイクロコン
ピュータは、以上説明した図4の制御処理以外にも、モ
ータ10、四方弁26、電磁弁28、室外ファン29に
ついても図示しないプログラムに基づいて制御処理を行
う。
【0055】ところで、車室内がかなり高温となってい
る状態でキースイッチをオンし、冷房スイッチ55aを
オンして風量設定レバー53をオフ以外の位置にする
と、冷凍サイクル20は冷房運転モードとなってクール
ダウン制御が始まる。このとき、圧縮機21の回転数、
インバータ31への入力電流IDC、車室内温度、およ
び冷房用室内熱交換器11を通過した直後の空気温度T
Eは、時間とともに図8に示すように変化する。
【0056】一方、図4のステップ140および210
が設けられていない従来の制御方法でクールダウン制御
を行うと、上記圧縮機回転数、IDC、車室内温度、お
よびTEは、時間とともに図9に示すように変化する。
なお、図8、9中に記されている目標室温は、温度設定
レバー56の位置によって決定される。ここで、図8と
図9との違いを分かり易くするために、図10に、図8
の圧縮機回転数とIDCを一点鎖線で、図9の圧縮機回
転数とIDCを実線で示した。また図10には、本実施
例制御での冷凍サイクル20のCOPを一点鎖線で、従
来制御での上記COPを実線でそれぞれ示した。
【0057】これら図8〜10からも分かるように、従
来制御では、クールダウン制御初期時の、TEOとTE
との偏差(=En )が大きいときに、この偏差En の大
きさに応じて目標回転数fn を決定し、この目標回転数
fn に合わせてインバータ31への入力電流IDCを制
御するため、IDCが第1の所定値a1 を越えてしま
い、圧縮機消費電力が所定電力を越えてしまって、その
結果、COPが小さくなってしまう。
【0058】それに対して本実施例制御では、上記偏差
En が大きくて、目標回転数fn が高くても、インバー
タ31に入力される電流IDCを常に監視し、このID
Cが第1の所定値a1 を越えないように制限しているの
で、IDCを図中斜線部分で示す量だけ節約でき、ひい
ては圧縮機消費電力を節約でき、その結果、COPを従
来制御の場合に比べて大きくすることができる。
【0059】ここで、本実施例制御では従来制御に比べ
て圧縮機消費電力が少なくなっているが、図8、9から
も分かるように、車室内温度が目標室温になるまでの時
間としては、両者ほとんど差がない。つまり、冷房能力
の面からみても、本実施例制御では所定の冷房能力を確
保することができる。また図示はしていないが、ウォー
ムアップ制御の場合も、本実施例制御では従来制御に比
べてIDCを節約でき、ひいては圧縮機消費電力を節約
でき、その結果、COPを大きくすることができる。ま
たこのときも、所定の暖房能力を確保できる。
【0060】次に本発明の第2実施例を説明する。本実
施例は、冷房運転時には内外気切換ドア7が内気吸入口
5を開けて外気吸入口6を閉じるいわゆる内気循環モー
ドとなることに着目し、以下説明する構成を採用してい
る。以下、本実施例の構成を、第1実施例と異なる部分
のみ説明する。
【0061】まず本実施例では、冷房用室内熱交換器1
1の吸込側における空調ダクト2内に、この吸込側の空
気温度を検出する吸込温度センサ45が設けられてお
り、図11に示すように、制御装置40にこの吸込温度
センサ45からの信号も入力される。次に、本実施例に
おけるマイクロコンピュータが行うインバータ31の制
御処理を、図12を用いて説明する。なお、第1実施例
と同じ処理を行う部分については第1実施例と同じ符号
を付した。
【0062】まずステップ110にて各イニシャライズ
および初期設定を行い、ステップ120にて上記各セン
サ41〜45、およびコントロールパネル51の各レバ
ー、スイッチからの信号を読み込む。その後ステップ1
25にて、上記ステップ120で読み込んだ入力電流セ
ンサ43の検出値IDCに基づいて、上記数式1から圧
縮機消費電力PWを算出する。
【0063】そして、次のステップ130にて冷房スイ
ッチ55aがオンされているか否かを判定し、オンされ
ていると判定されたときはステップ135にて、後述す
るステップ141にて用いる第1の所定値b1 を決定す
る。ここで、このステップ135での上記第1の所定値
b1 の決定方法について説明する。
【0064】まず、内気循環モードのときにおける圧縮
機消費電力PWと冷房能力の関係は図13の曲線のよう
になる。またこの関係は、冷房用室内熱交換器11の吸
込側における空気温度Tinによって変化し、例えばTin
=T1 のときには図中実線、Tin=T2 のときには図中
一点鎖線、Tin=T3 のときには図中二点鎖線のように
なる(T1 >T2 >T3 )。また図13の直線は、冷凍
サイクル20のCOPが所定の高い値αであることを意
味している。
【0065】従って本実施例では、この図13の関係を
ROMに記憶しており、ステップ120で読み込んだ吸
込温度センサ45の検出値Tinによって決まる上記曲線
と、COP=αである上記直線との交点で定まる圧縮機
消費電力PWを上記b1 として決定している。例えば、
Tin=T1 のときにはb1 =PW1、Tin=T2 のとき
にはb1 =PW2、Tin=T3 のときにはb1 =PW3
である。
【0066】そしてステップ141では、上記ステップ
125で算出した圧縮機消費電力PWが第1の所定値b
1 より少ないか否かを判定する。ここで少ないと判定さ
れたときは、COPが上記αよりも大きいということな
ので、ステップ150以降の処理を行う。反対に多いと
判定されたときは、COPが上記α以下となってしまう
ということなので、ステップ210以降の処理を行うこ
とによって、圧縮機消費電力を第1の所定値b1 以下に
制限し、COPをαに維持する。
【0067】また、暖房スイッチ220がオンされてい
るときはステップ225にて、後述するステップ231
にて用いる第2の所定値b2 を決定する。この第2の所
定値b2 の決定方法は、上記第1の所定値b1 の決定方
法と同じ考え方であり、図13の縦軸を暖房能力に置き
換えた関係(ROMに記憶されている)基づいて第2の
所定値b2 を決定する。この暖房時の場合、上記縦軸を
暖房能力に置き換えた関係において、内気循環モード時
には、吸込空気温度Tinの関係はT1 <T2 <T3 とな
る。また外気導入モード時には、Tinは所定値(例えば
T1 )で一定となる。
【0068】そして次のステップ231にて、上記ステ
ップ125で算出した圧縮機消費電力PWが第2の所定
値b2 より少ないか否かを判定する。ここで少ないと判
定されたときはステップ240以降の処理を行う。反対
に多いと判定されたときは、ステップ280以降の処理
を行うことによって、圧縮機消費電力を第2の所定値b
2 以下に制限し、COPをαに維持する。
【0069】以上説明した第2実施例では、COP=α
となる圧縮機消費電力PWを所定値b1 、b2 として算
出し、冷凍サイクル20のCOPを常にαとなるように
圧縮機消費電力を制御しているので、冷凍サイクル20
を効率良く運転することができる。もちろん本実施例に
おいても、所定の冷房能力および暖房能力を確保できる
ことは言うまでもない。
【0070】しかも本実施例では、吸込温度Tinに応じ
て上記所定値b1 、b2 を求めているので、冷凍サイク
ル20をより効率良く運転することができる。次に、本
発明の第3実施例を説明する。第3実施例も第2実施例
と同様、冷房運転時には内気循環モードとなることに着
目してなされたものである。以下、本実施例の構成を、
上記第1、第2実施例と異なる部分のみ説明する。
【0071】まず本実施例では、上記第2実施例と同
様、冷房用室内熱交換器11の吸込側における空調ダク
ト2内に、この吸込側の空気温度を検出する吸込温度セ
ンサ45が設けられており、図11に示すように、制御
装置40にこの吸込温度センサ45からの信号も入力さ
れる。また、本実施例におけるマイクロコンピュータが
行うインバータ31の制御処理も、第2実施例と同様、
図12に示す通りであるが、本実施例では、ステップ1
35および225における所定値b1 、b2 の決定方法
が異なる。以下、このうちの第1の所定値b1 の決定方
法について図14を用いて説明する。第2の所定値b2
の決定方法についての説明は省略する。
【0072】図14の曲線は図13の曲線と同じである
が、図14の直線は図13の直線と異なる。この図14
の直線は、冷凍サイクル20のCOPの変化率ΔCOP
(=冷房能力の変化量/PWの変化量。図14の各曲線
上の接線)が所定の高い値βであることを意味してい
る。従って本実施例では、この図14の関係をROMに
記憶しており、ステップ120で読み込んだ吸込温度セ
ンサ45の検出値Tinによって決まる上記曲線と、ΔC
OP=βである上記直線との交点で定まる圧縮機消費電
力PWを上記b1 として決定している。
【0073】このようにして所定値b1 、b2 を決定
し、このb1 、b2 に基づいてインバータ31を制御す
る本実施例では、ΔCOP=βとなる圧縮機消費電力P
Wを所定値b1 、b2 として算出し、冷凍サイクル20
のΔCOPを常にβとなるように圧縮機消費電力を制御
しているので、冷凍サイクル20を効率良く運転するこ
とができる。
【0074】もちろん本実施例においても、所定以上の
冷房能力および暖房能力を確保できることは言うまでも
ない。しかも本実施例では、吸込温度Tinに応じて上記
所定値b1 、b2 を求めているので、冷凍サイクル20
をより効率良く運転することができる。 (変形例)上記各実施例は全て電気自動車用空調装置で
あったが、本発明は例えば室内用空調装置としても適用
することができる。
【0075】また上記各実施例では、請求項1記載の発
明でいう駆動手段を電動モータとしたものであったが、
これに限らず、電気エネルギー以外の他のエネルギーに
よって駆動される手段としても良い。この場合にも、上
記各実施例とほぼ同様の効果が得られる。また、上記第
2、第3実施例にさらに湿度センサを設け、図13、1
4の関係(例えば図中の実線、一点鎖線、二点鎖線)
を、吸込温度センサ45の値およびこの湿度センサの値
とに応じて変えるようにしても良い。この場合、上記関
係をより正確に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施例の全体構成図である。
【図2】上記第1実施例の制御系のブロック図である。
【図3】上記第1実施例のコントロールパネルの正面図
である。
【図4】上記第1実施例のインバータ制御処理手順を示
すフローチャートである。
【図5】上記第1実施例の温度設定レバーと目標温度T
EOとの関係を示す図である。
【図6】上記第1実施例の目標圧縮機回転数を求めるた
めのメンバーシップ関数である。
【図7】上記第1実施例の目標圧縮機回転数を求めるた
めのルール表である。
【図8】上記第1実施例における各制御量の時間的変化
を示すグラフである。
【図9】従来における各制御量の時間的変化を示すグラ
フである。
【図10】図8と図9の一部を重ね合わせたグラフであ
る。
【図11】本発明第2実施例の制御系のブロック図であ
る。
【図12】上記第2実施例のインバータ制御処理手順を
示すフローチャートである。
【図13】図12のステップ135における所定値b1
を決定するのに用いるマップである。
【図14】本発明第3実施例の上記所定値b1 を決定す
るのに用いるマップである。
【図15】圧縮機消費電力と冷凍サイクルのCOPとの
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…空調ユニット、2…空調ダクト(空気通路)、4…
送風手段、11…冷房用室内熱交換器(蒸発器)、12
…暖房用室内熱交換器(凝縮器)、20…冷凍サイク
ル、21…冷媒圧縮機、23…冷房用減圧装置(減圧手
段)、24…暖房用減圧装置(減圧手段)、30…電動
モータ(駆動手段)、40…制御装置、43…入力電流
センサ(物理量を求める手段、電流検出手段)、45…
吸込温度センサ、56…温度設定レバー(温度設定手
段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹尾 裕治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動手段によって駆動されたときに冷媒
    を吸入、圧縮、吐出する圧縮機、この圧縮機からの冷媒
    を凝縮させる凝縮器、この凝縮器からの冷媒を減圧する
    減圧手段、およびこの減圧手段からの冷媒を蒸発させる
    蒸発器を備える冷凍サイクルと、 送風手段によって発生した空気流を室内に導く空気通路
    内に、前記蒸発器あるいは前記凝縮器のうちの少なくと
    も一方を配設した空調ユニットと、 温度設定手段で設定された目標温度と実際の空調負荷と
    に応じて前記圧縮機の目標回転数を決定する目標回転数
    決定手段、および実際の圧縮機回転数が前記目標回転数
    となるように前記駆動手段を制御する駆動制御手段を備
    える制御装置とを備える空調装置において、 前記制御装置は、さらに、 前記駆動手段の消費動力に関連する物理量を求める手段
    と、 この手段によって求められた前記物理量が、所定値より
    も大きいか小さいかを判定する判定手段とを備え、 前記目標回転数決定手段は、 前記判定手段によって、前記求められた物理量が前記所
    定値よりも大きいと判定されたときは、実際の前記物理
    量が前記所定値となるような回転数に決定するように構
    成されたことを特徴とする空調装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動手段は電動モータであり、 前記物理量を求める手段は、この電動モータの消費電力
    に関連する物理量を求める手段であることを特徴とする
    請求項1記載の空調装置。
  3. 【請求項3】 前記物理量を求める手段は、前記電動モ
    ータに入力される電流量を検出する電流検出手段である
    ことを特徴とする請求項2記載の空調装置。
  4. 【請求項4】 前記物理量を求める手段は、前記電動モ
    ータの消費電力を算出する消費電力算出手段であること
    を特徴とする請求項2記載の空調装置。
  5. 【請求項5】 前記空気通路内に設けられた前記蒸発器
    または前記凝縮器の吸込側における空気温度を検出する
    吸込温度検出手段と、 この吸込温度検出手段によって検出された吸込温度に基
    づいて前記所定値を決定する所定値決定手段とを備える
    ことを特徴とする請求項4記載の空調装置。
  6. 【請求項6】 前記所定値決定手段は、前記所定値を、
    前記冷凍サイクルの成績係数が所定の大きさとなる値に
    決定するように構成されたことを特徴とする請求項5記
    載の空調装置。
  7. 【請求項7】 前記所定値決定手段は、前記所定値を、
    前記冷凍サイクルの成績係数の変化率が所定の変化率と
    なる値に決定するように構成されたことを特徴とする請
    求項5記載の空調装置。
  8. 【請求項8】 前記所定値決定手段は、前記吸込温度検
    出手段によって検出された吸込温度が高い程、前記所定
    値を大きな値として決定するように構成されたことを特
    徴とする請求項5記載の空調装置。
  9. 【請求項9】 前記冷凍サイクルはヒートポンプ式冷凍
    サイクルであり、 前記空気通路内に、前記蒸発器と前記凝縮器の両方が配
    設されたことを特徴とする請求項1ないし8いずれか1
    つ記載の空調装置。
  10. 【請求項10】 請求項2ないし8いずれか1つ記載の
    空調装置が電気自動車用であることを特徴とする電気自
    動車用空調装置。
  11. 【請求項11】 前記冷凍サイクルはヒートポンプ式冷
    凍サイクルであり、 前記空気通路内に、前記蒸発器と前記凝縮器の両方が配
    設されたことを特徴とする請求項10記載の電気自動車
    用空調装置。
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