JPH09188121A - 空調装置 - Google Patents

空調装置

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JPH09188121A
JPH09188121A JP18772896A JP18772896A JPH09188121A JP H09188121 A JPH09188121 A JP H09188121A JP 18772896 A JP18772896 A JP 18772896A JP 18772896 A JP18772896 A JP 18772896A JP H09188121 A JPH09188121 A JP H09188121A
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air
temperature
signal
compressor
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JP18772896A
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English (en)
Inventor
Hisashi Ieda
恒 家田
Shizuo Tsuchiya
静男 土屋
Akira Isaji
晃 伊佐治
Katsuya Kusano
勝也 草野
Satoru Kodama
悟 兒玉
Mitsuyo Oomura
充世 大村
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空調負荷に関係なく、常に冷凍サイクルの運
転効率を向上させる。 【構成】 ステップ125にて、空調負荷を表す外気温
度に応じて判定基準値aを決定する。そして、冷房運転
モード時にはステップ140にて、また暖房運転モード
時にはステップ230にて、圧縮機を駆動する電動モー
タへの入力電流IDCが判定基準値aよりも少ないか否
かを判定する。ここで大きい(NO)と判定されたと
き、すなわち電動モータでの消費電力が所定値を越える
と判定されたときは、ステップ210、280にて、上
記IDCが判定基準値aとなるようにインバータを制御
する。これによって、IDCは常に判定基準値aを越え
ない範囲に制御されるので、電動モータの消費電力は常
に所定値以下となり、冷凍サイクルの成績係数(CO
P)として所定の大きさを確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の目標温度と
実際の空調負荷とに応じて、冷凍サイクルの圧縮機の回
転数を制御することによって、室内への吹出風温度を調
節する空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような空調装置として例えば電気
自動車用空調装置がある。この電気自動車用空調装置で
は、冷凍サイクルの圧縮機を電動モータで回転駆動する
ように構成している。そして、この電動モータへの通電
量を調節して電動モータの回転数を調節することによっ
て、空調ダクト内に設けられた蒸発器または凝縮器での
冷房能力または暖房能力を調節し、車室内への吹出風温
度を制御するように構成している。
【0003】このような構成の空調装置では、例えば車
室内の急速冷房制御(以下、クールダウン制御という)
や急速暖房制御(以下、ウォームアップ制御という)を
行うとき、車室内の目標温度と実際の温度との偏差が大
きい初期においては、早急に車室内を冷房または暖房す
るために、電動モータへの通電量をほぼ最高として、圧
縮機回転数をほぼ最高回転数となるように制御してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】確かに、圧縮機回転数
を上げれば冷房能力または暖房能力は上がるが、その上
がり方は、圧縮機回転数が高くなる程少なくなる。つま
り、圧縮機の仕事量(この場合は電動モータの消費電
力)に対する冷房能力または暖房能力、すなわち冷凍サ
イクルの成績係数(以下、COPという)は、図21に
示す通り、圧縮機回転数が高くなる程(電動モータの消
費電力が多くなるほど)小さくなる。
【0005】このように従来の空調装置は、クールダウ
ン制御時またはウォームアップ制御時には、室内を急速
に冷房または暖房するために必要以上に圧縮機を回転さ
せてしまっており、その結果として、冷凍サイクルの運
転効率が悪くなっていたという問題があった。また、上
記のように、必要以上に圧縮機を回転させる結果、冷凍
サイクルの運転効率が悪くなるといった問題は、クール
ダウン制御時またはウォームアップ制御時だけでなく、
それ以外のときにも起こり得る可能性はある。
【0006】そこで、本発明は上記問題に鑑み、所定の
目標温度に応じて、冷凍サイクルの圧縮機の回転数を制
御することによって、室内温度を調節する空調装置にお
いて、冷凍サイクルの運転効率の向上を図ることを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1〜6記載の発明では、空調負荷に応じた信
号を発生する手段から与えられる空調負荷に応じて、判
定基準値決定手段が判定基準値を決定する。そして、判
定手段によって、駆動手段の消費動力に関連する信号が
上記判定基準値よりも大きいか小さいかを判定し、大き
いと判定されたときは、実際の消費動力が上記判定基準
値となるように、圧縮機の回転数を制御するように構成
したことを特徴としている。
【0008】これによると、駆動手段の消費動力を確実
に上記判定基準値を越えない範囲に制御できる。従っ
て、クールダウン制御やウォームアップ制御を行うと
き、あるいはそれ以外のときでも、冷凍サイクルの運転
を常に効率よく行うことができ、冷凍サイクル運転効率
を向上できる。また、請求項7〜9記載の発明では、空
調負荷に関連する信号として、特に、温度設定手段(5
6、56a、56b)により設定された室内目標温度に
注目し、この室内目標温度に応じて、判定基準値決定手
段(ステップ125)により判定基準値を決定してい
る。
【0009】そのため、使用者により、室内目標温度が
変更された場合には、この室内目標温度の変更に直ちに
追従して、判定基準値を変更することにより、圧縮機の
回転数を制御できる。従って、冷房起動直後のクールダ
ウン制御や暖房起動直後のウォームアップ制御時に、室
温の目標温度への到達時間を短縮できる。また、請求項
8記載の発明では、空調ユニット(1)が、空気通路
(2)内の空気を暖房時には加熱し、冷房時には冷却す
るように構成されており、判定基準値決定手段(ステッ
プ125)は、暖房時に、室内目標温度の上昇に従って
判定基準値を上昇させるように構成された暖房用判定基
準値マップと、冷房時に室内目標温度の低下に従って判
定基準値を上昇させるように構成された冷房用判定基準
値マップとを有していることを特徴としている。
【0010】このように、暖房用、冷房用のそれぞれ専
用の判定基準値マップを有しているから、暖房モード、
冷房モードそれぞれに適合した、圧縮機の回転数制御を
独立に行うことができる。また、請求項9記載の発明で
は、請求項7または8に記載の空調装置において、外気
温度に応じた信号を発生する信号手段(46)を備え、
判定基準値決定手段(ステップ125)は、判定基準値
を、温度設定手段(56、56a、56b)による室内
目標温度と、信号手段(46)による外気温度の両方に
応じて決定することを特徴としている。
【0011】従って、請求項1〜6による冷凍サイクル
運転効率の向上を図るという作用効果と、請求項7、8
による室温の目標温度への到達時間短縮という作用効果
とを合わせ奏することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)図1〜10は第1実施形態を示すもの
で、本発明を電気自動車用空調装置として用いたもので
ある。図1の空調ユニット1における空調ダクト2は、
車室内に空気を導く空気通路を構成するもので、一端側
に内外気切換手段3および送風手段4が設けられ、他端
側に車室内へ通ずる複数の吹出口14〜16が形成され
ている。
【0013】上記内外気切換手段3は、車室内の空気
(内気)を吸入する内気吸入口5と、車室外の空気(外
気)を吸入する外気吸入口6とが形成された内外気切換
箱内に、各吸入口5、6を選択的に開閉する内外気切換
ドア7が設けられ、この内外気切換ドア7が、その駆動
手段(図示しない、例えばサーボモータ)によって駆動
される構成である。
【0014】上記送風手段4は、上記内気吸入口5また
は外気吸入口6から上記各吹出口14〜16に向かっ
て、空調ダクト2内に空気流を発生させるもので、具体
的には、スクロールケーシング8内に遠心式多翼ファン
9が設けられ、このファン9が、その駆動手段であるモ
ータ10によって駆動される構成である。また、ファン
9よりも空気下流側における空調ダクト2内には冷房用
室内熱交換器11が設けられている。この冷房用室内熱
交換器11は、後述する冷凍サイクル20の一部を構成
する熱交換器であり、後述する冷房運転モード時に、内
部を流れる冷媒の蒸発作用によって、空調ダクト2内の
空気を除湿、冷却する蒸発器として機能する。なお、後
述する暖房運転モード時にはこの冷房用室内熱交換器1
1内には冷媒は流れない。
【0015】また、冷房用室内熱交換器11よりも空気
下流側における空調ダクト2内には暖房用室内熱交換器
12が設けられている。この暖房用室内熱交換器12
は、冷凍サイクル20の一部を構成する熱交換器であ
り、後述する暖房運転モード時に、内部を流れる冷媒の
凝縮作用によって、空調ダクト2内の空気を加熱する凝
縮器として機能する。なお、後述する冷房運転モード時
にはこの暖房用室内熱交換器12内には冷媒は流れな
い。
【0016】また、空調ダクト2内のうち、暖房用室内
熱交換器12と隣接した位置には、ファン9から圧送さ
れてくる空気のうち、暖房用室内熱交換器12を流れる
量とこれをバイパスする量とを調節するエアミックスド
ア13が設けられている。なお、このエアミックスドア
13は、制御装置40(図2)によって、後述する冷房
運転モード時には、ファン9からの圧送空気の全てが暖
房用室内熱交換器12をバイパスする位置に制御され、
後述する暖房運転モード時には、ファン9からの圧送空
気の全てが暖房用室内熱交換器12を通過する位置に制
御される。
【0017】また、上記各吹出口14〜16は、具体的
には、車両フロントガラスの内面に空調空気を吹き出す
デフロスタ吹出口14と、車室内乗員の上半身に向かっ
て空調空気を吹き出すフェイス吹出口15と、車室内乗
員の下半身に向かって空調空気を吹き出すフット吹出口
16である。また、これらの吹出口の空気上流側部位に
は、これらの吹出口を開閉するドア17〜19が設けら
れている。
【0018】ところで、上記冷凍サイクル20は、上記
冷房用室内熱交換器11と暖房用室内熱交換器12とで
車室内の冷房および暖房を行うヒートポンプ式冷凍サイ
クルで、これらの熱交換器11、12の他に、冷媒圧縮
機21、室外熱交換器22、冷房用減圧装置23、暖房
用減圧装置24、アキュムレータ25、および冷媒の流
れを切り換える四方弁26を備え、これらが冷媒配管2
7で接続された構成となっている。また、図中28は電
磁弁、29は室外ファンである。
【0019】上記冷媒圧縮機21は、電動モータ30に
よって駆動されたときに冷媒の吸入、圧縮、吐出を行
う。この電動モータ30は、冷媒圧縮機21と一体的に
密封ケース内に配置されており、インバータ31により
制御されることによって回転速度が連続的に可変する。
また、このインバータ31は、制御装置40(図2)に
よって通電制御される。
【0020】この制御装置40には、図2に示すよう
に、冷房用室内熱交換器11における空気冷却度合い
(具体的には熱交換器11を通過した直後の空気温度)
を検出する通過後空気温度センサ41、圧縮機21の回
転数を検出する圧縮機回転数センサ42、インバータ3
1に入力される電流量を検出する入力電流センサ43、
および圧縮機21の吐出側における高圧を検出する高圧
センサ44からの各信号が入力される。
【0021】また、制御装置40には、上記各センサ4
1〜44からの各信号の他に、車室内の空気温度を検出
する内気温センサ45、外気温度を検出する外気温セン
サ46、および車室内に照射される日射量を検出する日
射センサ47からの各信号が入力されるとともに、車室
内前面に設けられたコントロールパネル51の各レバ
ー、スイッチからの信号も入力される。
【0022】このコントロールパネル51は、図3に示
すように、各吹出モードの設定を行う吹出モード設定レ
バー52、車室内へ吹き出される風量を設定する風量設
定レバー53、内外気切換モードを設定する内外気切換
レバー54、冷凍サイクル20を冷房運転モードにする
冷房スイッチ55aと暖房運転モードにする55bとか
らなる冷暖房モード設定スイッチ55、および車室内へ
の吹出風温度を調節する温度設定レバー56を備える。
【0023】また、図2の制御装置40の内部には、図
示しないCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイ
クロコンピュータが設けられ、上記各センサ41〜47
からの信号およびコントロールパネル51からの各信号
は、ECU内の図示しない入力回路を経て、上記マイク
ロコンピュータへ入力される。そして、このマイクロコ
ンピュータが後述する所定の処理を実行し、その処理結
果に基づいてインバータ31等の上記各駆動手段を制御
する。なお、制御装置40は、自動車の図示しないキー
スイッチがオンされたときに、図示しないバッテリーか
ら電源が供給される。
【0024】ところで、車室内乗員によって上記冷房ス
イッチ55aがオンされたときは、上記マイクロコンピ
ュータが四方弁26、電磁弁28を制御し、冷凍サイク
ル20が冷房運転モードとなる。このモードのときの冷
媒の流れは、圧縮機21→室外熱交換器22→冷房用減
圧装置23→冷房用室内熱交換器11→アキュムレータ
25→圧縮機21の順である。
【0025】また、車室内乗員によって上記暖房スイッ
チ55bがオンされたときは、上記マイクロコンピュー
タが四方弁26、電磁弁28を制御し、冷凍サイクル2
0が暖房運転モードとなる。このモードのときの冷媒の
流れは、圧縮機21→暖房用室内熱交換器12→暖房用
減圧装置24→室外熱交換器22→電磁弁28→アキュ
ムレータ25→圧縮機21の順である。
【0026】次に、上記マイクロコンピュータが行うイ
ンバータ31の制御処理について、図4を用いて説明す
る。まず、キースイッチがオンされて制御装置40に電
源が供給され、さらに風量設定レバー53がオフ以外の
所定風量の位置に設定されると、図4のルーチンが起動
され、ステップ110にて各イニシャライズおよび初期
設定を行う。そして次のステップ120にて、上記各セ
ンサ41〜47、およびコントロールパネル51の各レ
バー、スイッチからの信号を読み込む。
【0027】そして、次のステップ125にて、ROM
に記憶された図5の特性より、外気温センサ46が検出
した外気温に応じて、後述するステップ140および2
30で用いる判定基準値aを決定する。ところで、人間
のだいたいの感覚からいうと、外気温度が例えば15
(℃)以上のときには冷房運転モードに設定され、それ
以下のときには暖房運転モードに設定されるのが一般的
と思われる。
【0028】本実施の形態では、このような前提にたっ
て、判定基準値aを、冷房運転モード時には、外気温度
が高くなるに応じて大きな値となるように決定し、暖房
運転モード時には、外気温度が低くなるに応じて大きな
値となるように決定している。具体的には、外気温度が
10〜20(℃)のときには最低値一定とし、20〜4
0(℃)のときには、外気温度が高くなる程大きな値と
して決定し、−10〜10(℃)のときには、外気温度
が低くなる程大きな値として決定し、40(℃)以上お
よび−10(℃)以下のときには最高値一定としてい
る。すなわち、空調負荷が大きくなる程、判定基準値a
を大きな値として決定し、逆に空調負荷が小さくなる
程、判定基準値aを小さな値として決定している。
【0029】そして、次のステップ130にて、コント
ロールパネル51の冷房スイッチ55aがオンされてい
るか否かを判定する。このステップ130にてオンされ
ていると判定されたときは、次のステップ140にて、
入力電流センサ43が検出したインバータ31への入力
電流IDCが、上記判定基準値aより少ないか否かを判
定する。
【0030】ここで、圧縮機消費電力PWは下記数式1
のように表せるため、このステップ140では、このP
Wが所定電力より少ないか否かを判定していることにな
る。なお、この所定電力とは、冷凍サイクル20のCO
Pが所定値以上となり、かつ冷房能力の大きさ自体も所
定値以上となるような電力である。
【0031】
【数1】PW=(IDC)×(バッテリー電圧)×(イ
ンバータ効率) このステップ140にて、IDCが判定基準値aよりも
少ないと判定されたとき、すなわち圧縮機消費電力が上
記所定電力よりも少ないときは、次のステップ150に
て、下記数式2より、車室内への目標吹出温度TEOを
決定する。
【0032】
【数2】TEO=Kset ×Tset −Kr ×Tr −Kam×
Tam−Ks ×Ts −C なお、Tset は温度設定レバー56の設定位置によって
決定された設定温度、Tr は内気温センサ45が検出し
た内気温度、Tamは外気温センサ46が検出した外気温
度、Ts は日射センサ47が検出した日射量である。ま
た、Kset 、Kr 、Kam、およびKs はゲインであり、
Cは定数である。
【0033】そして、次のステップ160にて、上記目
標吹出温度TEOと、通過後空気温度センサ41が検出
した実際の空気温度TEとの偏差En を、下記数式3に
基づいて算出する。
【0034】
【数3】En =TEO−TE ここで、本実施の形態では、上記したように、冷房運転
モード時には、暖房用室内熱交換器12に冷媒が流れな
いし、またエアミックスドア13の位置も、ファン9か
らの圧送空気の全てが暖房用室内熱交換器12をバイパ
スする位置に制御されるので、通過後空気温度センサ4
1が検出する温度TEは、実際に車室内に吹き出される
空気温度とみなしても良い。つまり、上記数式3から求
められるEn は、目標吹出温度TEOと、実際に室内に
吹き出される空気の温度との偏差に相当する温度とみな
しても良い。
【0035】そして、次のステップ170にて、下記数
式4に基づいて偏差変化率Edot を算出する。
【0036】
【数4】Edot =En −En-1 ここで、上記En は4秒毎に更新されるため、En-1 は
En に対して4秒前の値となる。次にステップ180に
て、ROMに記憶された図6のメンバーシップ関数と図
7のルールとに基づいて、上記ステップ160、170
で算出したEn およびEdot における目標増加回転数Δ
f(rpm) を算出する。ここで、この目標増加回転数Δf
とは、4秒前の目標回転数fn-1 (rpm) に対して増減す
る圧縮機21の回転数のことである。
【0037】具体的には、図6(a)で求まるCF1と
図6(b)で求まるCF2とから、下記数式5に基づい
て入力適合度CFを求め、さらにこの入力適合度CFと
図7のルール値とから、下記数式6に基づいてΔfを算
出する。
【0038】
【数5】CF=CF1×CF2
【0039】
【数6】Δf=Σ(CF×ルール値)/ΣCF そして、次のステップ190にて、圧縮機21の目標回
転数fn を下記数式7に基づいて算出する。
【0040】
【数7】fn =fn-1 +Δf そして、次のステップ200にて、圧縮機回転数センサ
42が検出する圧縮機回転数が上記目標回転数fn とな
るように、インバータ31へ入力する電流を制御する。
このようにインバータ31を通電制御することによっ
て、冷房用室内熱交換器11を通過した直後の実際の空
気温度が上記目標吹出温度TEOに近づくことになる。
その後、再びステップ120に戻る。
【0041】例えば、En =−2.5(℃)、Edot =
−0.35(℃/4秒)とすると、図6(a)よりNB
=0、NS=0.5、ZO=0.5、PS=0、PB=
0となり、図6(b)よりNB=0、NS=0.5、Z
O=0.5、PS=0、PB=0となる。従って、上記
数式6の分母であるΣCFは、0.5×0.5+0.5
×0.5+0.5×0.5+0.5×0.5=1とな
り、上記数式6の分子であるΣ(CF×ルール値)は、
0.5×0.5×80+0.5×0.5×100+0.
5×0.5×150+0.5×0.5×0=82.5と
なる。これらの結果から、Δf=82.5となる。従っ
て、圧縮機回転数fn は、4秒前の回転数fn-1 よりも
82.5(rpm) だけ増加する。
【0042】なお、図7のルール表でブランクになって
いるところは、上記数式5、6の計算を行わない。ま
た、ΣCF=0のときはΔf=0とする。また、上記ス
テップ140にてNOと判定されたとき、すなわち圧縮
機消費電力が上記所定電力以上のときは、ステップ21
0にジャンプしてΔfを0にセットした後、ステップ1
90の処理を行う。こうすることによって、圧縮機21
の目標回転数は4秒前の回転数fn-1 に固定されるの
で、IDCも上記判定基準値aに固定される。
【0043】一方、ステップ130にて冷房スイッチ5
5aがオンされていないと判定されたときは、今度はス
テップ220にて暖房スイッチ55bがオンされている
か否かを判定する。ここでオンされていると判定された
ときは、ステップ230にて、上記ステップ140と同
じ判定処理を行う。ここで、判定基準値aより少ないと
判定されたときは、ステップ240にて、上記数式2よ
り求めた目標吹出温度TEOと、図示しないマップとに
基づいて、圧縮機21の吐出側の目標高圧PCOを決定
する。そして、次のステップ250にて、上記目標高圧
PCOと、高圧センサ44が検出した実際の高圧PCと
の偏差Dn を、下記数式8に基づいて算出する。
【0044】
【数8】Dn =PCO−PC ここで、本実施の形態では、上記したように、暖房運転
モード時には、エアミックスドア13の位置が、ファン
9からの圧送空気の全てが暖房用室内熱交換器12を通
過する位置に制御されるので、高圧センサ44にて高圧
PCを検出するということは、実際に車室内に吹き出さ
れる空気温度に関連した物理量を検出することに相当す
る。つまり、上記数式8から求められるDn は、目標吹
出温度TEOと、実際に室内に吹き出される空気の温度
との偏差に相当する物理量とみなしても良い。
【0045】そして、次のステップ260にて、下記数
式9に基づいて偏差変化率Ddot を算出する。
【0046】
【数9】Ddot =Dn −Dn-1 ここで、上記Dn は4秒毎に更新されるため、Dn-1 は
Dn に対して4秒前の値となる。次にステップ270に
て、ROMに記憶された図示しないメンバーシップ関数
およびルールに基づいて、上記ステップ250、260
で算出したDn およびDdot における目標増加回転数Δ
f(rpm) を算出する。その後、ステップ190にジャン
プする。
【0047】また、上記ステップ230にてNOと判定
されたとき、すなわち圧縮機消費電力が上記所定電力以
上のときは、ステップ280にジャンプしてΔfを0に
セットした後、ステップ190の処理を行う。こうする
ことによって、圧縮機21の目標回転数は4秒前の回転
数fn-1 に固定されるので、IDCも上記判定基準値a
に固定される。
【0048】また、上記ステップ220にて暖房スイッ
チ55bがオンされていないと判定されたときは、ステ
ップ290にて圧縮機21の運転を停止して送風モード
とする。なお、上記各ステップは、それぞれの機能を実
現する手段を構成する。また、第1実施形態のマイクロ
コンピュータは、以上説明した図4の制御処理以外に
も、モータ10、四方弁26、電磁弁28、室外ファン
29についても図示しないプログラムに基づいて制御処
理を行う。
【0049】上記のような構成の第1実施形態におい
て、外気温度がかなり高く、その結果として車室内がか
なり高温となっているとき、すなわち空調負荷がかなり
大きいときに、キースイッチをオンし、冷房スイッチ5
5aをオンして風量設定レバー53をオフ以外の位置に
すると、冷凍サイクル20は冷房運転モードとなってク
ールダウン制御が始まる。このとき、圧縮機21の回転
数、インバータ31への入力電流IDC、車室内温度、
および冷房用室内熱交換器11を通過した直後の空気温
度TEは、時間とともに図8に示すように変化する。
【0050】一方、図4のステップ140および210
が設けられていない従来の制御方法でクールダウン制御
を行うと、上記圧縮機回転数、IDC、車室内温度、お
よびTEは、時間とともに図9に示すように変化する。
なお、図8、9中に記されている目標室温とは、温度設
定レバー56の位置によって決定される温度のことであ
る。
【0051】ここで、図8と図9との違いを分かり易く
するために、図10に、図8の圧縮機回転数とIDCを
一点鎖線で、図9の圧縮機回転数とIDCを実線で示し
た。また、図10には、第1実施形態による冷凍サイク
ル20のCOPを一点鎖線で、従来での上記COPを実
線でそれぞれ示した。これら図8〜10からも分かるよ
うに、従来制御では、クールダウン制御初期時の、TE
OとTEとの偏差(=En )が大きいときに、この偏差
En の大きさに応じて目標回転数fn を決定し、この目
標回転数fn に合わせてインバータ31への入力電流I
DCを制御するため、IDCが結果的に上記判定基準値
aを越える程の大きな値となり、圧縮機消費電力が所定
電力を越えてしまって、その結果、COPが小さくなっ
てしまう。
【0052】それに対して、第1実施形態の制御では、
外気温度に応じて判定基準値aを決定し、この判定基準
値aと、インバータ31に入力される電流IDCとを常
に比較し、このIDCが判定基準値aを越えないように
制限している。従って、上記偏差En が大きくて、目標
回転数fn が高くても、上記IDCは判定基準値aを越
えないので、IDCを図中斜線部分で示す量だけ節約で
き、ひいては圧縮機消費電力を節約でき、その結果、C
OPを従来制御の場合に比べて大きくすることができ
る。
【0053】また、図示はしていないが、外気温度がか
なり低く、空調負荷がかなり大きいときに行われるウォ
ームアップ制御時も、第1実施形態の制御では従来制御
に比べてIDCを節約でき、ひいては圧縮機消費電力を
節約でき、その結果、COPを大きくすることができ
る。また、クールダウン制御時やウォームアップ制御時
のような空調負荷が大きいとき以外でも、第1実施形態
では外気温度に応じて判定基準値aを決定し、上記ID
Cがこの判定基準値aを越えないように制限するので、
冷凍サイクル20のCOPを所定値以上とすることがで
き、かつ冷暖房能力の大きさ自体も所定値以上とするこ
とができる。 (第2実施形態)第2実施形態は、上記第1実施形態に
対して、マイクロコンピュータが行うインバータ31の
制御処理の一部のみで相違している。以下、この相違部
分のみを、図11、12を用いて説明する。
【0054】図11に示すように、ステップ120の処
理を終えたら、次のステップ123にて、温度設定レバ
ー56の設定位置によって決定される設定温度Tset
と、内気温センサ45が検出した内気温Tr との偏差
(Tset −Tr )を算出する。そして、次のステップ1
25にて、判定基準値aを決定する。なお、このステッ
プ125では、ROMに記憶された図12の特性より、
上記偏差に応じて判定基準値aを決定する。
【0055】第2実施形態においても、空調負荷が大き
いとき(Tset −Tr がかなり高いとき、またはかなり
低いとき)に、判定基準値aは大きな値として決定さ
れ、空調負荷が小さいときには、判定基準値aは小さな
値として決定される。従って、上記第1実施形態と同様
の効果を奏する。 (第3実施形態)図13〜図18は第3実施形態を示す
もので、図13に示す空調ダクト2内の暖房用室内熱交
換器として、温水を熱源として空気を加熱する暖房用室
内熱交換器61を用いている。したがって、冷凍サイク
ル20の他に、暖房用室内熱交換器61への温水循環用
の温水回路60を組み合わせている。
【0056】冷凍サイクル20は、冷媒流れを逆転させ
る方式でないため、圧縮機21の吐出側に図1の四方弁
26を備えていない。冷凍サイクル20には、圧縮機2
1、室外熱交換器22、冷房用減圧手段23、暖房用減
圧手段24、冷房用室内熱交換器11、アキュムレータ
25、および冷媒−温水熱交換器62がそれぞれ冷媒配
管によって接続されたものである。
【0057】そして、冷房用減圧手段23と室内熱交換
器11との直列回路をバイパスする回路に電磁弁28を
設けるとともに、暖房用減圧手段24にも並列に電磁弁
28aを設けている。室外熱交換器22は、冷房モード
時には電磁弁28aの開弁により凝縮器として機能し、
暖房モード時には電磁弁28aの閉弁により暖房用減圧
手段24を通して減圧後の低圧冷媒が流入し、蒸発器と
して機能する。
【0058】冷房用減圧手段23は、冷房モード時に室
外熱交換器22からの高圧冷媒を減圧膨張させて、室内
熱交換器11に流入させる。従って、室内熱交換器11
は、冷房モード時には蒸発器として機能するものであっ
て、暖房モード時には電磁弁28の開弁により冷媒が流
れないため、送風空気との間で熱交換を行わない。冷媒
−温水熱交換器62は、空調ダクト2の外部(車室外)
に配設され、圧縮機21からの高温高圧の吐出ガス冷媒
と温水回路60中の温水とを熱交換させて、温水を加熱
する熱交換器である。この冷媒−温水熱交換器62は、
冷房モード時、暖房モード時ともに凝縮器として機能す
る。
【0059】また、温水回路60は、上記暖房用室内熱
交換器61、冷媒−温水熱交換器62の他に、温水ポン
プ64、燃焼式ヒータ66がそれぞれ温水配管63によ
って接続されたものである。このうち、燃焼式ヒータ6
6は、燃料タンク67内の液体燃料を燃焼することによ
って温水を加熱するものである。そして、この燃焼式ヒ
ータ66への温水流れと上記冷媒−温水熱交換器62へ
の温水流れは、温水弁68、69によって切替えられ
る。
【0060】次に、図14により第2実施形態の制御系
の概略構成について、第1実施形態との相違部分を説明
すると、制御装置40への入力センサとして、暖房用室
内熱交換器61への温水入口側の温水配管63に設置さ
れ、温水温度を感知する水温センサ48を追加してい
る。そして、制御装置40により制御されるアクチュエ
ータとして、温水ポンプ64を追加している。
【0061】なお、図14では、制御装置40により制
御されるアクチュエータとして、内外気切換ドア7を駆
動する内外気モータ7a、吹出口ドア17〜19を駆動
する吹出モードドア17aを図示しているが、この両モ
ータ7a、17aは、図2に図示していないだけで、第
1実施形態でも装備している機器である。次に、空調装
置のコントロールパネル51を図15により説明する
と、本例のパネル51は、冷房、暖房、送風のモード切
換、吹出モードの切換、風量切換、内外気切換等を1つ
のオートスイッチ57の投入により自動的に行うオート
エアコン用のパネルとして構成されている。57aは空
調装置の作動を停止するためのオフスイッチである。
【0062】52aは、図3の吹出モード設定レバー5
2に対応する吹出モード設定スイッチで、吹出モードド
ア17aを制御してデフロスタモード以外の吹出モード
を手動設定するためのものである。53aは図3の風量
設定レバー53に対応する風量設定スイッチで、ファン
モータ10を制御して車室内への送風量を手動設定する
ためのものである。54aは図3の内外気切換レバー5
4に対応する内外気切換スイッチで、内外気モータ7a
を制御して車室内への内外気吸入を手動にて切り換える
ためのものである。
【0063】56a、56bは、図3の温度設定レバー
56に対応する温度設定手段をなす温度設定スイッチ
で、スイッチ56aは目標温度上昇用のスイッチであ
り、スイッチ56bは目標温度下降用のスイッチであ
る。そして、この両スイッチ56a、56bにより設定
された目標温度は温度表示部56cにてディジタル表示
される。
【0064】58はデフスロタスイッチで、吹出モード
ドア17aを制御してデフスロタモードを設定するとと
もに、空調装置をデフスロタ効果を発揮するための作動
状態に強制的に設定するものである。59は温水回路6
0の燃焼式ヒータ66の作動を手動操作にて強制的に停
止するための燃焼式ヒータオフスイッチである。次に、
上記構成において第3実施形態の作動を説明する。空調
装置の作動モードは、制御装置40により図16の特性
(ROMに記憶されたマップ)に従って決定される。図
16の横軸は、車室内への目標吹出温度TEO(前述の
数2参照)と、空調ダクト2内への吸込空気温度TIN
との偏差(TEO−TIN)である。ここで、吸込空気
温度TINは、下記の数式10にて求めた計算値であ
る。
【0065】
【数10】TIN=α×Tam+(1−α)Tr なお、αは、空調ダクト2内への吸込空気中の外気導入
率である。図16の特性により冷房モードが設定される
と、図13の冷凍サイクル20において、電磁弁28a
が開いて電磁弁28が閉じる。その結果、圧縮機10か
ら吐出された高温高圧のガス冷媒は、冷媒−温水熱交換
器62→電磁弁28a→室外熱交換器22→冷房用減圧
手段23→室内熱交換器11→アキュムレータ25→圧
縮機21の順で流れる。これによって、室内熱交換器1
1が蒸発器として機能し、空調ダクト2内の空気はこの
室内熱交換器11によって冷却される。
【0066】一方、図16の特性により暖房モードが設
定されると、電磁弁28aが閉じて電磁弁28が開く。
その結果、圧縮機10から吐出された高温高圧のガス冷
媒は、冷媒−温水熱交換器62→暖房用減圧手段24→
室外熱交換器22→電磁弁28→アキュムレータ25→
圧縮機21の順で流れる。このとき、冷媒−温水熱交換
器62における冷媒の凝縮熱によって加熱された温水が
暖房用室内熱交換器61内を流れ、空調ダクト2内の空
気はこの暖房用室内熱交換器61によって加熱される。
【0067】また、外気センサ46により感知される外
気温が所定温度(例えば、−10°C)以下となる寒冷
時には、冷凍サイクル20の運転が停止され、その代わ
りに温水回路60の燃焼式ヒータ66が自動的に運転さ
れ、この燃焼式ヒータ66で加熱された温水が暖房用室
内熱交換器61内を流れて、暖房を行う。次に、制御装
置40に内蔵のマイクロコンピュータにより行われるイ
ンバータ31の制御処理について、図17を用いて説明
する。図17において、図4と同一符号のステップは、
図4と同一または均等の処理を行うものであるため、説
明を簡略化する。
【0068】まず、電気自動車のキースイッチがオンさ
れて制御装置40に電源が供給され、さらにコントロー
ルパネル51のオートスイッチ57が投入されると、図
17のルーチンが起動され、ステップ110にて各イニ
シャライズおよび初期設定を行い、次のステップ120
にて、各センサ、スイッチ等からの信号を読み込む。そ
して、次のステップ130にて、図16の特性(判定マ
ップ)に基づいて、冷房モードか否かを判定する。この
ステップ130にて冷房モードと判定されたときは、次
のステップ125aにて、ROMに記憶された図18
(b)の特性(マップ)より、外気温センサ46が検出
した外気温、および乗員が温度設定スイッチ56a、5
6bを手動操作して設定する目標温度Tsetに応じ
て、冷房用の判定基準値aを決定する。
【0069】ここで、冷房用判定基準値aは、図18
(b)に示すように、外気温度が高くなる(冷房時の空
調負荷増大)に応じて大きな値となるように決定すると
ともに、目標温度Tsetが低くなるに応じて大きな値
となるように決定している。なお、判定基準値aは具体
的には図5、12のマップと同様に圧縮機モータ30の
インバータ31への電流制限値であり、単位はアンペア
(A)である。
【0070】図18(b)の冷房用判定基準値マップを
より具体的に説明すると、外気温が15°C以下のとき
に、一定の下限値(5.2A)を設け、逆に、外気温が
°C以下のときに、一定の上限値(13.2A)を設け
ている。そして、この下限値(5.2A)と上限値(1
3.2A)との間を、外気温および目標温度Tsetに
応じて、判定基準値aが変化するようになっている。
【0071】つまり、冷房時の空調負荷増大(外気温度
の上昇)に対応して、判定基準値aが増加するととも
に、目標温度Tset=25°Cを基準として、目標温
度Tsetの1°Cの低下につき、判定基準値aが1A
づつ上昇するようにしてある。上記した上限値(13.
2A)は、圧縮機モータ30の上限消費電力(3800
W)÷車載バッテリ電圧(288V)から求めたもので
あり、また、上記した下限値(5.2A)は、圧縮機モ
ータ30の下限消費電力(1500W)÷車載バッテリ
電圧(288V)から求めたものである。
【0072】そして、次のステップ140にて、入力電
流センサ43が検出したインバータ31への入力電流I
DCが、上記冷房用判定基準値aより少ないか否かを判
定する。このステップ140にて、IDCが判定基準値
aよりも少ないと判定されたとき、すなわち圧縮機消費
電力が所定電力よりも少ないときは、次のステップ15
0にて、前述の数式2より、車室内への目標吹出温度T
EOを決定する。
【0073】そして、次のステップ160にて、上記目
標吹出温度TEOと、通過後空気温度センサ41が検出
した実際の空気温度TEとの偏差En を、前述の数式3
に基づいて算出する。ここで、本実施形態では、上記し
たように、冷房モード時には、暖房用室内熱交換器61
に温水が流れないし、また、エアミックスドア13の位
置も、ファン9からの送風空気の全てが暖房用室内熱交
換器61をバイパスする位置に制御されるので、通過後
空気温度センサ41が検出する温度TEは、実際に車室
内に吹き出される空気温度とみなしても良い。つまり、
数式3により求められるEn は、目標吹出温度TEO
と、実際に室内に吹き出される空気の温度との偏差に相
当する温度とみなしても良い。
【0074】そして、次のステップ170にて、前述の
数式4に基づいて偏差変化率Edotを算出する。次に、
ステップ180にて、ROMに記憶された図6のメンバ
ーシップ関数と図7のルールとに基づいて、上記ステッ
プ160、170で算出したEn およびEdot における
目標増加回転数Δf(rpm) を算出する。ここで、この目
標増加回転数Δfとは、4秒前の目標回転数fn-1 (rp
m) に対して増減する圧縮機21の回転数のことであ
る。
【0075】具体的には、図6(a)で求まるCF1と
図6(b)で求まるCF2とから、前述の数式5に基づ
いて入力適合度CFを求め、さらにこの入力適合度CF
と図7のルール値とから、前述の数式6に基づいてΔf
を算出する。そして、次のステップ190にて、圧縮機
21の目標回転数fn を前述の数式7に基づいて算出す
る。
【0076】次に、ステップ200にて、圧縮機回転数
センサ42が検出する圧縮機回転数が上記目標回転数f
n となるように、インバータ31へ入力する電流を制御
する。このようにインバータ31を通電制御することに
よって、冷房用室内熱交換器11を通過した直後の実際
の空気温度が上記目標吹出温度TEOに近づくことにな
る。その後、再びステップ120に戻る。
【0077】また、上記ステップ140にてNOと判定
されたとき、すなわち圧縮機消費電力が上記所定電力以
上のときは、ステップ210にジャンプしてΔfを0に
セットした後、ステップ190の処理を行う。こうする
ことによって、圧縮機21の目標回転数は4秒前の回転
数fn-1 に固定されるので、IDCも上記判定基準値a
に固定される。
【0078】一方、ステップ130にて冷房モードでな
いと判定されたときは、ステップ220に進み、ここで
暖房モードか否かを判定する。ここで、暖房モードと判
定されたときは、次のステップ125bにて、ROMに
記憶された図18(a)の特性(マップ)より、外気温
センサ46が検出した外気温、および乗員が温度設定ス
イッチ56a、56bを手動操作して設定する目標温度
Tsetに応じて、冷房用の判定基準値aを決定する。
【0079】ここで、暖房用判定基準値aは、図18
(a)に示すように、外気温度が低くなる(暖房時の空
調負荷増大)に応じて大きな値となるように決定すると
ともに、目標温度Tsetが高くなるに応じて大きな値
となるように決定している。図18(a)の暖房用判定
基準値マップをより具体的に説明すると、外気温が°C
以上のときに、一定の下限値(5.2A)を設け、逆
に、外気温が°C以下のときに、一定の上限値(13.
2A)を設けている。そして、この下限値(5.2A)
と上限値(13.2A)との間を、外気温および目標温
度Tsetに応じて、判定基準値aが変化するようにな
っている。
【0080】つまり、暖房時の空調負荷増大(外気温度
の低下)に対応して、判定基準値aが増加するととも
に、目標温度Tset=25°Cを基準として、目標温
度Tsetの1°Cの上昇につき、判定基準値aが1A
づつ上昇するようにしてある。次のステップ230に
て、前述のステップ140と同じ判定処理を行う。ここ
で、インバータ31への入力電流IDCが判定基準値a
より少ないと判定されたときは、ステップ240aに
て、前述の数式2により目標吹出温度TEOを求める。
そして、次のステップ240bにて、下記の数式11に
より、暖房用室内熱交換器61内温水の目標水温TWO
を求める。
【0081】
【数11】TWO=(TEO−TIN)/φ+TIN ここで、φはファン風量から算出される暖房用室内熱交
換器61の温度効率であり、TINは前述の吸込空気温
度である。そして、次のステップ250にて、上記目標
水温TWOと、水温センサ48が検出した実際の水温T
Wとの偏差Dn ′を、下記数式12に基づいて算出す
る。
【0082】
【数12】Dn ′=TWO−TW ここで、本実施形態では、暖房モード時には、エアミッ
クスドア13の位置が、ファン9からの送風空気の全て
が暖房用室内熱交換器61を通過する位置に制御される
ので、水温センサ48にて暖房用室内熱交換器61の水
温TWを検出するということは、実際に車室内に吹き出
される空気温度に関連した物理量を検出することに相当
する。つまり、上記数式12から求められるDn ′は、
目標吹出温度TEOと、実際に室内に吹き出される空気
の温度との偏差に相当する物理量とみなすことができ
る。
【0083】そして、次のステップ260にて下記数式
13に基づいて偏差変化率Ddot ′を算出する。
【0084】
【数13】Ddot ′=Dn ′−(Dn ′-1) ここで、上記Dn は4秒毎に更新されるため、(Dn ′
-1)はDn に対して4秒前の値となる。次にステップ2
70にて、ROMに記憶されたメンバーシップ関数およ
びルールに基づいて、上記ステップ250、260で算
出したDn ′およびDdot ′における目標増加回転数Δ
f(rpm) を算出する。その後、ステップ190に移行す
る。
【0085】また、上記ステップ230にてNOと判定
されたとき、すなわち圧縮機消費電力が上記所定電力以
上のときは、ステップ280にジャンプしてΔfを0に
セットした後、ステップ190の処理を行う。こうする
ことによって、圧縮機21の目標回転数は4秒前の回転
数fn-1 に固定されるので、IDCも上記判定基準値a
に固定される。
【0086】また、上記ステップ220にて暖房モード
でないと判定されたときは、ステップ290にて圧縮機
21の運転を停止する。次に、第3実施形態による特徴
的な作用効果を図19、図20により説明すると、図1
9、20の横軸は圧縮機21起動後の経過時間であり、
縦軸はインバータ入力電流、車室の室温、および圧縮機
回転数である。
【0087】図19(a)は、第1実施形態のごとく外
気温のみにより、判定基準値a(圧縮機のインバータ入
力電流の制限値)を決定する場合であり、これに対し
て、図19(b)は第3実施形態のごとく外気温および
室温の目標温度Tsetの両方に応じて判定基準値a
(圧縮機のインバータ入力電流の制限値)を決定する場
合である。なお、図19(a)、(b)の実験条件は、
外気温:0°C、走行速度:40km/h、外気導入
率:50%である。
【0088】いま、暖房モードにおいて、圧縮機21の
起動後、30分経過してから、乗員が例えば、目標温度
Tsetを25°Cから最高温度の32°Cに切り換え
た際(室温の急速上昇を希望した場合)に、第1実施形
態によると、外気温のみにより判定基準値a(圧縮機の
インバータ入力電流の制限値)を一義的に決定している
ので、目標温度Tsetを高くしても、判定基準値aは
変更されず、従って、圧縮機供給電力も変更されず、圧
縮機回転数も変更されない。
【0089】それ故、圧縮機吐出ガス冷媒の凝縮熱を暖
房熱源とする場合に、目標温度Tsetを高くしても、
外気温による判定基準値aによって、暖房能力が抑制さ
れ、室温が目標温度に到達するまでに要する時間が長く
かかってしまう。図19(a)の例では、目標温度切換
後に、目標温度への到達時間が40分強の時間を必要と
している。
【0090】これに対し、第3実施形態では、判定基準
値a(圧縮機のインバータ入力電流の制限値)を外気温
および室温の目標温度Tsetの両方に応じて決定して
いるから、図19(b)に示すように、圧縮機21の起
動後、30分経過してから、乗員が例えば、目標温度T
setを25°Cから最高温度の32°Cに切り換える
と、この目標温度Tsetの上昇に連動して直ちに、判
定基準値a(圧縮機のインバータ入力電流の制限値)が
増加する。
【0091】そのため、圧縮機供給電力が増大して、圧
縮機回転数が上昇するため、暖房能力が増大し、室温が
目標温度に到達するまでに要する時間を短縮できる。図
19(b)の例では、室温の目標温度到達時間を図19
(a)の例に対して12分短縮できることを示してい
る。 (第4実施形態)図20は第4実施形態による制御の考
え方を示すもので、図17の制御フローでは、ステップ
140、230において、判定基準値aとインバータ入
力電流IDCとの大小関係を判定して、インバータ入力
電流IDCが小さいときに、前述したステップ150〜
180またはステップ240a〜270によるファジイ
制御にてインバータ制御を行い、一方、インバータ入力
電流IDCが大きいときは、ステップ210、280に
て目標増加回転数Δfを0とする(換言すれば、圧縮機
回転数の上昇禁止)制御を行っている。
【0092】これに対し、第4実施形態では図20に示
すように、判定基準値aとインバータ入力電流IDCと
の大小関係を判定して、 「Aゾーン:IDC<判定基準値aの場合」 ファジイ制御にてインバータ制御 「Bゾーン:判定基準値a<IDC<判定基準値a+
1.0(A)の場合」 圧縮機回転数の上昇禁止制御 「Cゾーン:判定基準値a+1.0(A)<IDC<2
2(A)の場合」 圧縮機回転数の下降制御 「Dゾーン:22(A)<IDCの場合」 圧縮機停止の制御 以上の4つのゾーンに場合分けして、圧縮機21をきめ
細かく制御するようにしたものである。これにより、圧
縮機21の回転数をより的確に制御できる。 (他の実施形態)上記第1、第2実施形態では、ステッ
プ200にて、圧縮機回転数センサ42が検出する圧縮
機回転数が目標回転数fn となるように、インバータ3
1へ入力する電流を制御するようにしたが、高圧センサ
44が検出した高圧PCが目標高圧PCOとなるよう
に、インバータ31へ入力する電流を制御するようにし
ても良いし、入力電流センサ43が検出した入力電流I
DCが、所定の目標電流となるように、インバータ31
へ入力する電流を制御するようにしても良い。
【0093】第3実施形態では、冷凍サイクル20に、
温水式の暖房用室内熱交換器61を持つ温水回路60を
組み合わせた水加熱式のシステムについて説明したが、
図1に示す空気加熱式のヒートポンプシステムにも第3
実施形態を適用できることはもちろんである。同様に、
第1、第2実施形態を図13に示す水加熱式のシステム
に適用できることはもちろんである。
【0094】上記各実施形態は全て電気自動車用空調装
置であったが、本発明は例えば、住宅等の室内用空調装
置としても適用することができる。また上記各実施形態
では、請求項1記載の発明でいう駆動手段を電動モータ
としたものであったが、これに限らず、電気エネルギー
以外の他のエネルギーによって駆動される手段としても
良い。この場合にも、上記各実施の形態とほぼ同様の効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の全体構成図である。
【図2】上記第1実施形態における制御系のブロック図
である。
【図3】上記第1実施形態におけるコントロールパネル
51の正面図である。
【図4】上記第1実施形態におけるインバータ制御処理
手順を示すフローチャートである。
【図5】上記第1実施形態における外気温度と判定基準
値aとの関係を示すマップである。
【図6】上記第1実施形態における目標圧縮機回転数を
求めるためのメンバーシップ関数を示す図である。
【図7】上記第1実施形態における目標圧縮機回転数を
求めるためのルールを示す図表である。
【図8】上記第1実施形態における各制御量の時間的変
化を示すグラフである。
【図9】従来における各制御量の時間的変化を示すグラ
フである。
【図10】図8と図9の一部を重ね合わせたグラフであ
る。
【図11】本発明の第2実施形態におけるインバータ制
御処理手順の一部を示すフローチャートである。
【図12】上記第2実施形態における偏差(Tset −T
r )と判定基準値aとの関係を示すマップである。
【図13】本発明の第3実施形態の全体構成図である。
【図14】第3実施形態における制御系のブロック図で
ある。
【図15】第3実施形態におけるコントロールパネル5
1の正面図である。
【図16】第3実施形態における空調装置の冷房、送
風、暖房の自動切換の考え方を示すマップである。
【図17】第3実施形態におけるインバータ制御処理手
順を示すフローチャートである。
【図18】(a)、(b)は第3実施形態の暖房時、冷
房時における外気温度および目標温度と判定基準値aと
の関係を示すマップである。
【図19】(a)は第1実施形態における圧縮機起動後
における室温の変化挙動を示すグラフで、(b)は第3
実施形態における圧縮機起動後における室温の変化挙動
を示すグラフである。
【図20】本発明の第4実施形態による制御の考え方を
示す図表である。
【図21】圧縮機消費電力と冷凍サイクルのCOPとの
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…空調ユニット、2…空調ダクト(空気通路)、4…
送風手段、11…冷房用室内熱交換器(蒸発器)、12
…暖房用室内熱交換器(凝縮器)、20…冷凍サイク
ル、21…冷媒圧縮機、22…室外熱交換器(凝縮器、
蒸発器)、23…冷房用減圧装置(減圧手段)、24…
暖房用減圧装置(減圧手段)、30…電動モータ(駆動
手段)、40…制御装置、41…通過後空気温度セン
サ、42…圧縮機回転数センサ、43…入力電流センサ
(消費動力信号の発生手段、電流検出手段)、44…高
圧センサ、45…内気温センサ(室内温度検出手段)、
46…外気温センサ(空調負荷信号の発生手段)、47
…日射センサ、56…温度設定レバー(温度設定手
段)、56a、56b…温度設定スイッチ(温度設定手
段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草野 勝也 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 兒玉 悟 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 大村 充世 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動手段(30)によって駆動されたと
    きに冷媒を吸入、圧縮、吐出する圧縮機(21)、この
    圧縮機(21)からの冷媒を凝縮させる凝縮器(22、
    12)、この凝縮器(22、12)からの冷媒を減圧す
    る減圧手段(23、24)、およびこの減圧手段(2
    3、24)からの冷媒を蒸発させる蒸発器(11、2
    2)を備える冷凍サイクル(20)と、送風手段(4)
    が発生した空気流を室内に導く空気通路(2)内に、前
    記蒸発器(11)および前記凝縮器(12)のうちの少
    なくとも一方を配設した空調ユニット(1)とを備え、 所定の室内目標温度に応じて、前記圧縮機(21)の目
    標回転数を決定し、実際の圧縮機回転数が前記目標回転
    数となるように制御する空調装置において、 空調負荷に応じた信号を発生する第1信号手段(46、
    123)と、 前記駆動手段(30)の消費動力に応じた信号を発生す
    る第2信号手段(43 )と、前記第1信号手段(46、123)による空調負
    荷信号に応じて、判定基準値を決定する判定基準値決定
    手段(125)と、 前記第2信号手段(43)による消費動力信号が、前記
    判定基準値よりも大きいか小さいかを判定する判定手段
    (140、230)とを備え、 前記判定手段(140、230)によって、前記消費動
    力信号が前記判定基準値よりも大きいと判定されたとき
    は、実際の前記消費動力が前記判定基準値となるよう
    に、前記目標回転数を決定することを特徴とする空調装
    置。
  2. 【請求項2】 駆動手段(30)によって駆動されたと
    きに冷媒を吸入、圧縮、吐出する圧縮機(21)、この
    圧縮機(21)からの冷媒を凝縮させる凝縮器(22、
    12)、この凝縮器(22、12)からの冷媒を減圧す
    る減圧手段(23、24)、およびこの減圧手段(2
    3、24)からの冷媒を蒸発させる蒸発器(11、2
    2)を備える冷凍サイクル(20)と、 送風手段(4)が発生した空気流を室内に導く空気通路
    (2)内に、前記蒸発器(11)および前記凝縮器(1
    2)のうちの少なくとも一方を配設した空調ユニット
    (1)と、 所定の室内目標温度と、実際に室内に吹き出される空気
    の温度との偏差に応じて、前記圧縮機(21)の目標回
    転数を決定する目標回転数決定手段(150〜190、
    210、240〜280)、および実際の圧縮機回転数
    が前記目標回転数となるように前記駆動手段(30)を
    制御する駆動制御手段(200)を備える制御装置(4
    0)とを備える空調装置において、 前記制御装置(40)は、 空調負荷に応じた信号を発生する第1信号手段(46、
    123)と、 前記駆動手段(30)の消費動力に応じた信号を発生す
    る第2信号手段(43)と、 前記第1信号手段(46、123)による空調負荷信号
    に応じて、判定基準値を決定する判定基準値決定手段
    (125)と、 前記第2信号手段(43)による消費動力信号が、前記
    判定基準値よりも大きいか小さいかを判定する判定手段
    (140、230)とを備え、 前記判定手段(140、230)によって、前記消費動
    力信号が前記判定基準値よりも大きいと判定されたとき
    は、前記目標回転数決定手段(150〜190、21
    0、240〜280)により前記目標回転数を、実際の
    前記消費動力が前記判定基準値となるような回転数に決
    定することを特徴とする空調装置。
  3. 【請求項3】 前記判定基準値決定手段(125)は、
    前記第1信号手段(46、123)による空調負荷信号
    が大きいときに、前記判定基準値を大きな値として決定
    し、前記空調負荷信号が小さいときに、前記判定基準値
    を小さな値として決定することを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の空調装置。
  4. 【請求項4】 前記第1信号手段は、外気温度を検出す
    る外気温度検出手段(46)であることを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれか1つに記載の空調装置。
  5. 【請求項5】 室内の目標温度を設定する温度設定手段
    (56)と、 室内の温度を検出する室内温度検出手段(45)とを備
    え、 前記第1信号手段は、前記温度設定手段(56)によっ
    て設定された目標温度と、前記室内温度検出手段(4
    6)が検出した室内温度との偏差を算出する偏差算出手
    段(123)であることを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれか1つに記載の空調装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動手段は電動モータ(30)であ
    り、 前記第2信号手段は、この電動モータ(30)の消費電
    力に応じた信号を発生する手段(43)であることを特
    徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の空調
    装置。
  7. 【請求項7】 駆動手段(30)によって駆動されたと
    きに冷媒を吸入、圧縮、吐出する圧縮機(21)、この
    圧縮機(21)からの冷媒を凝縮させる凝縮器(22、
    12)、この凝縮器(22、12)からの冷媒を減圧す
    る減圧手段(23、24)、およびこの減圧手段(2
    3、24)からの冷媒を蒸発させる蒸発器(11、2
    2)を備える冷凍サイクル(20)と、 送風手段(4)が発生した空気流を室内に導く空気通路
    (2)内に、前記蒸発器(11)および前記凝縮器(1
    2)のうちの少なくとも一方を配設した空調ユニット
    (1)とを備え、 温度設定手段(56、56a、56b)により設定され
    た室内目標温度に応じて、前記圧縮機(21)の目標回
    転数を決定し、実際の圧縮機回転数が前記目標回転数と
    なるように制御する空調装置において、 前記駆動手段(30)の消費動力に応じた信号を発生す
    る信号手段(43)と、 前記温度設定手段(56、56a、56b)により設定
    された室内目標温度に応じて、判定基準値を決定する判
    定基準値決定手段(125)と、 前記信号手段(43)による消費動力信号が、前記判定
    基準値よりも大きいか小さいかを判定する判定手段(1
    40、230)とを備え、 前記判定手段(140、230)によって、前記消費動
    力信号が前記判定基準値よりも大きいと判定されたとき
    は、実際の前記消費動力が前記判定基準値となるよう
    に、前記目標回転数を決定することを特徴とする空調装
    置。
  8. 【請求項8】 前記空調ユニット(1)は、空気通路
    (2)内の空気を暖房時には加熱し、冷房時には冷却す
    るように構成されており、 前記判定基準値決定手段(125)は、暖房時に、前記
    室内目標温度の上昇に従って前記判定基準値を上昇させ
    るように構成された暖房用判定基準値マップと、冷房時
    に前記室内目標温度の低下に従って前記判定基準値を上
    昇させるように構成された冷房用判定基準値マップとを
    有していることを特徴とする請求項7に記載の空調装
    置。
  9. 【請求項9】 外気温度に応じた信号を発生する信号手
    段(46)を備え、 前記判定基準値決定手段(125)は、前記判定基準値
    を、前記温度設定手段(56、56a、56b)による
    室内目標温度と、前記信号手段(46)による外気温度
    の両方に応じて決定することを特徴とする請求項7また
    は8に記載の空調装置。
  10. 【請求項10】 電気自動車に搭載され、電気自動車の
    車室内を空調するように構成されていることを特徴とす
    る請求項1ないし9のいずれか1つに記載の空調装置。
JP18772896A 1995-11-06 1996-07-17 空調装置 Pending JPH09188121A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11240329A (ja) * 1998-02-23 1999-09-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 車載電装品制御装置
JP2013249000A (ja) * 2012-06-01 2013-12-12 Denso Corp 車両用空調装置
KR20140101182A (ko) * 2013-02-08 2014-08-19 한라비스테온공조 주식회사 히트 펌프 시스템 및 그 제어 방법
JP2016190515A (ja) * 2015-03-30 2016-11-10 富士重工業株式会社 車両用エアーコンディショナ装置

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