JPH08332699A - 複合多層フィルム - Google Patents

複合多層フィルム

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JPH08332699A
JPH08332699A JP14145395A JP14145395A JPH08332699A JP H08332699 A JPH08332699 A JP H08332699A JP 14145395 A JP14145395 A JP 14145395A JP 14145395 A JP14145395 A JP 14145395A JP H08332699 A JPH08332699 A JP H08332699A
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JP
Japan
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layer
ethylene
film
transparency
sealing
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JP14145395A
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English (en)
Inventor
Eiji Mizuhara
栄治 水原
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラスチックフィルム包装材料を用いて、深
絞りした容器に、焼き豚やハンバーグ等の食品を充填
し、蓋材で真空包装した後、温水中で加熱処理を行える
イージーピールシーラント材料を提供する。 【構成】 シール層がエチレン−メタクリル酸共重合体
20〜85重量%、ポリプロピレン15〜80重量%か
らなる複合多層フィルム。 【効果】 各種の食品包装において、温水による加熱処
理後も、優れた耐熱性、耐油性、透明性及びイージーピ
ール性を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は汎用のポリオレフィン系
樹脂フィルムとヒートシール可能で、温水中で加熱殺菌
処理を行っても透明性を維持し、開封口を確保するに十
分な耐熱性を有し、流通過程における密封性にも優れ、
且つ開封時には容易に剥離できることを目的とした食品
包装用複合多層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品包装においては完全密封性があり、
且つ開封時には容易に開封できる特性(以下イージーピ
ール性)を持った包装材料が広く使用されている。プラ
スチック包装材料を用いて、イージーピール性を得るた
めの方法は、大きく分けて次の三つの方法がある。第1
の方法は、相手側のシール層とヒートシールする層を予
めある程度薄くしておき、開封時にこの層を相手シール
層に剥離させることによって開封する方法である。次
に、第2の方法として、シール層を異樹脂からなる混合
物とし、相手側のシール層とのシール強度を適度に制御
する方法である。最後に、第3の方法として、シールす
べき材料を別々の樹脂とし、ヒートシールにより疑似的
に密着させて、開封時にその界面から開封する方法であ
る。しかし、第3の方法は密封性が十分得られないこと
が多かった。
【0003】さて、最近では、食習慣の変化から、家庭
で手軽に調理できる調理済み食品が広く普及し始めてい
る。これらの食品は、真空パックした包装物を温水中で
加熱殺菌或いは加熱調理した上で、販売される。これら
の食品は、小売店でのディスプレイ効果や消費者が予め
内容食品を確認できるように、加熱処理後のフィルムの
透明性は大変重要である。又包装材料が易開封性をもっ
ているにも拘わらず、開封口が温水に曝されたことによ
り融着していては、折角のイージーピール機能が無意味
なものとなってしまう。従って、開封口が融着しないだ
けの耐熱性も併せて必要である。又、食品包装の場合に
は、単にイージーピール性があるというだけでは不十分
であり、開封した時に剥離面に繊維状になったシール層
が残っている(以下ヒゲの現象という)と、商品価値を
落とすことになり良くない。更には、ハンバーグ等の食
品においては、中身やタレに油脂分が多く含まれている
が、この油脂分によってシール層が侵され、輸送途中等
に破袋するようであってはいけない。この意味で、シー
ル層材料には充分な耐油性も必要とされる。
【0004】ところが、上述の易開封に関する従来の各
技術はそれぞれ次の様な問題点があった。第1の方法の
場合、内容物やそれに付随する各種の油脂分によって、
薄く設けたシール層が侵されデラミネーションを生じ、
シールの信頼性に欠ける。又、相手シール層も単一樹脂
に限定されることが多く、汎用性にも欠ける。次に、第
2の方法の場合も、多くの場合混合系の配合が良くない
と、加熱処理の前段階、即ちフィルム自体の透明性が良
くなかったり、温水加熱処理時の水分や油分により、シ
ール層が白濁するという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の加熱
殺菌処理を行う際に使用される食品包装フィルムにおけ
る易開封性シール層の問題点である透明性、耐油性及び
耐熱性の不足を同時に解決するために種々の検討の結果
なされたもので、その目的とするところは、ヒートシー
ルすべき相手材料として汎用のポリオレフィン系樹脂群
から幅広く選択出来、温水中での加熱殺菌処理後も優れ
たイージーピール性と透明性を保持し、且つ流通過程に
おける密封性を併せ持つシール層を与える複合多層フイ
ルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、シール層がエ
チレン−メタクリル酸共重合体20〜85重量%及びポ
リプロピレン80〜15重量%からなることを特徴とす
る複合多層フィルムに関するものであり、好ましくはシ
ール層の厚みが、2〜100μmであり、共押出し方式
で製造される複合多層フィルムである。本発明に用いら
れるエチレン−メタクリル酸共重合体は、メタクリル酸
の酸含量が3〜15wt%で、190℃におけるMFR
が0.1〜15g/10分で、且つJIS K−721
5によって測定した場合の硬度(Dスケール)が30〜
60であるエチレン−メタクリル酸共重合体を利用する
ことが出来る。本発明において用いられるポリプロピレ
ンとしては、ポリプロピレンのホモポリマー及びエチレ
ン・プロピレン共重合体が含まれる。プロピレンのホモ
ポリマーは共重合体に比較し、やや透明性は落ちるが、
逆にイージーピール性を付与する効果は大きい。ポリプ
ロピレンとしてエチレン・プロピレン共重合体を採用す
る場合、そのエチレン含量は少ない方がよく、1〜5重
量%程度が好ましい。エチレンの含量が多くなるとシー
ルすべき相手のフィルムがアイオノマーの場合は比較的
影響を受けないが、ポリエチレンやエチレン酢酸ビニル
共重合体の場合イージーピール性を損なうことになる。
ポリプロピレンの230℃におけるMFRは0.1〜1
0g/10分程度と低い方が好ましい。ポリプロピレン
のMFRを高くすると、フィルムの透明性は向上する
が、剥離時のヒゲの現象が発生し易くなり、実用的では
ない。
【0007】本発明においては、エチレン−メタクリル
酸共重合体に対するポリプロピレンの配合割合は、使用
目的によっても異なるが、前者20〜85重量%、好ま
しくは25〜80重量%に対し、後者80〜15重量
%、好ましくは75〜20重量%の割合である。ポリプ
ロピレンの配合割合が前記範囲より少ないと易開封性の
改質効果は僅少であり、また前記範囲より多いとエチレ
ン−メタクリル酸共重合体本来の特性が損なわれるた
め、相手材のエチレン系シーラントとのシールが十部に
為されなくなり、好ましくない。本発明によるシール層
にはフィルムのブロッキング防止を目的として、粒子径
0.1〜2.0μmの酸化珪素、珪酸マグネシウム、或
いは珪酸アルミニウムから選ばれる無機充填剤を、本発
明によるシール層である熱可塑性樹脂組成物100重量
部に対して0.1〜5.0重量部添加しても良い。包装
する食品の種類及び形態により求められるシール強度は
変わってくるので、流通過程における密閉性と開封時の
イージーピール性のバランスを考え、シール強度を調整
する必要があるが、本発明で示した範囲内であれば、各
成分のMFR及び構成比率を調整することにより、その
目的を達成することができる。
【0008】本発明によるボイル適性に優れたイージー
ピール可能なシール層を有する複合多層フィルムとして
は、従来加熱処理を行う場合の食品包装に用いられてき
た層構成を採用する事ができる。例えば、最外層(A)
としてポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系樹脂、或いは6ナイロン、12ナイロン、66ナイ
ロン又はこれらの共重合体等のポリアミド樹脂、中間層
としてエチレン・ビニルアルコール共重合体やポリ塩化
ビニリデン等のガスバリアー層(B)、耐ピンホール性
付与層(C)としてポリアミド樹脂樹脂、及び本発明に
よるシール層(D)を、必要に応じて接着性樹脂層
(E)を設けて積層させて使用することができる。具体
的な層構成としては例えば、A/E/C/E/D、A/
E/C/B/E/D、A/E/B/C/E/D、A/E
/B/E/D、A/E/C/B/C/E/D、A/E/
B/C/B/E/D、又は最外層からエチレン・ビニル
アルコール共重合体層(ガスバリアー性付与層)、接着
性樹脂層、ポリアミド樹脂層、接着層及び本発明による
シール層からなる5層共押出しフィルム等の外層に、反
りの防止や印刷の目的でポリプロピレンをドライラミネ
ートした複合多層フィルム等々を採用し、実用に供する
事ができる。
【0009】本発明のシール層を有する複合多層フィル
ムに適する相手方のシール層の樹脂としては低密度ポリ
エチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、エチレ
ンメタクリル酸メチル共重合体、エチレン系アイオノマ
ー、エチレンプロピレン共重合体等が使用される。勿論
本シール層同志をシールして使用しても構わない。
【0010】
【実施例】600mm巾の6層共押出しT字型ダイスを
用い常法により複合多層フィルムを作成した。各層の構
成は最外層に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
30μm、以下順次接着性樹脂(AD層)15μm、
ポリアミド樹脂(6Ny)15μm、エチレン・ビニル
アルコール共重合体(EVOH)15μm、接着性樹脂
(AD層)15μm、及び本発明によるシール層60
μm或いは本発明によらないシール層60μmを配し
た。得られたフィルムの総厚みは150μmである。
【0011】シール層以外の層に使用した樹脂及びシー
ル層として配合に使用した樹脂は次の通りである。 1)シール層以外の層に使用した樹脂 ・LLDPE:三井石油化学工業(株)製 ウルトゼックス 3520L ・AD層 :三井石油化学工業(株)製 アドマー NF500 ・6Ny :宇部興産(株)製 宇部ナイロン 1030B ・EVOH :(株)クラレ製 エバール EP-E154B ・AD層 :三井石油化学工業(株)製 アドマー NF550 2)シール層として配合に使用した樹脂 ・EMAA:三井デュポンポリケミカル(株)製 ニュークレル AN4901-1C ・EMAA:三井デュポンポリケミカル(株)製 ニュークレル 0908C ・PP :住友化学工業(株)製 住友ノーブレン S-131 ・PP :住友化学工業(株)製 住友ノーブレン FS-8611
【0012】得られた複合多層フィルムを20mm深絞
り圧空成形し、内容物としてハンバーグを充填し、外層
からポリプロピレン、ビニリデンコートポリエステル及
びシール層として直鎖状低密度ポリエチレンの3層で合
計80μmの蓋材で真空シールを行った。この際、包装
体の1つのコーナー部分を意図的にシールしないで、開
封口に相当する場所を作成した。更にこの包装体を沸騰
水中で30分間加熱処理した。こうして得られたサンプ
ルについて、透明性、耐熱性、耐油性及びシール性につ
いて調べた。尚、透明性等のこれらの特性は、次に記載
する方法で調べた。 (イ)透明性:サンプルから内容物を取り出し、台所用
中性洗剤とぬるま湯で洗浄した成形フィルムについて、
ヘイズを測定した。 (ロ)耐熱性:サンプルの隅に意図的に作成した未シー
ル部が、加熱殺菌処理により融着していないかどうかを
調べた。 (ハ)耐油性:得られたサンプルを各々20個ずつ段ボ
ールケースに入れ、1mの高さからコンクリート上に段
ボールケースの6面についてそれぞれ5回落下させて、
段ボールケースを開封し破袋しているものの個数を調べ
た。 (ニ)シール強度:オートグラフを用い、テストピース
幅15mm、剥離速度200mm/分で行った。
【0013】実験内容及び実験結果を表1にまとめた。
表中実施例1〜5は本発明による2種類の混合物をシー
ル層としたものであり、透明性、耐熱性、耐油性及びイ
ージーピール性のどの項目においても優れており、大変
バランスがとれている事を示している。比較例1〜3は
フィルムとしての透明性や耐油性が良くなく、シール強
度が弱いため、破袋が発生している。比較例4、5は耐
熱性が十分でなく、逆にシール強度は強すぎるため開封
が困難である。
【0014】 表 1 実 施 例 比 較 例 1 2 3 4 5 1 2 3 4 5 配合(重量%) EMAA (MFR1.5) 25 25 50 75 25 05 10 30 90 EMAA (MFR8.0) 50 10 60 PPランダム(MFR1.0) 75 50 25 10 95 90 05 PPホモ (MFR8.0) 75 15 90 05 10 評価項目 1透明性 ○ ○ ○ ○ ○ × × × ○ ○ 2耐熱性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × 3耐油性 ○ ○ ○ ○ ○ × × × ○ ○ 4シール性 ○ ○ ○ ○ ○ × × × × × ※EMAA、のMFRは190℃における値。 ※PP、のMFRは230℃における値。
【0015】評価基準 透明性:○ ボイル後のヘイズ値が10%未満である。 × ボイル後のヘイズ値が10%以上である。 耐熱性:○ 開封口の融着が起こらない。 × 開封口の融着が起こる。 耐油性:○ 破袋した個数が0〜2個である。 × 破袋した個数が3個以上である。 シール性:○ シール強度が100gf/15mm以上700gf
15mm未満である。 × シール強度が100gf/15mm未満又は700gf/15mm以
上である。
【0016】
【発明の効果】本発明によるシール層を持つ複合多層フ
ィルムを用いると、真空包装後加熱殺菌処理を行う包装
体においても、イージーピール性や透明性を損なうこと
無く、従来の欠陥である耐熱性や耐油性を補えるため、
定形のもののみならず、不定形で塊状の内容物を深絞り
や袋で真空包装を行う用途において好適に使用できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シール層がエチレン−メタクリル酸共重
    合体20〜85重量%及びポリプロピレン80〜15重
    量%からなることを特徴とする複合多層フィルム。
  2. 【請求項2】 シール層の厚みが、2〜100μmであ
    る請求項1記載の複合多層フィルム。
  3. 【請求項3】 共押出し方式で製造される請求項1又は
    2記載の複合多層フィルム。
JP14145395A 1995-06-08 1995-06-08 複合多層フィルム Pending JPH08332699A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012090710A1 (ja) * 2010-12-27 2012-07-05 三井・デュポンポリケミカル株式会社 押出しコーティング用樹脂組成物並びに積層フィルム及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012090710A1 (ja) * 2010-12-27 2012-07-05 三井・デュポンポリケミカル株式会社 押出しコーティング用樹脂組成物並びに積層フィルム及びその製造方法
JP5061267B2 (ja) * 2010-12-27 2012-10-31 三井・デュポンポリケミカル株式会社 押出しコーティング用樹脂組成物並びに積層フィルム及びその製造方法

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