JPH0833066B2 - ファサード固定部の補強に用いられるブラケット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、請求項１の上位概念に記載の形式の、ファ
サード固定部の補強に用いられるブラケットに関する。

従来のボード構造においては、外側シェルと、内側の
支持側コンクリートシェルとが、コンクリートに埋め込
まれたシェル結合用鋼アンカを介して結合されており、
この場合、両シェルの間には中空室が形成されている。
大抵の場合、この中空室には、遮音のための遮音材ボー
ドが充填されている。天候の影響とシェル結合用鋼アン
カの腐食とにより、ファサード固定部に対する安全性の
リスクが生ぜしめられる。このリスクは、固定部の補強
を必要とする。このような補強を目的として、管状のブ
ラケットを使用することが公知である。このブラケット
は、外側シェルに設けられた孔を通して挿入されて、支
持側コンクリートシェルの環状溝に嵌め込まれる。この
管内には、ウェブが溶接されていて、このウェブを介し
て、ブラケット固定用アンカを用いて、支持側コンクリ
ートシェルに管を緊定して固定することが可能である。
支持側コンクリートシェルにおける緊定時に、管状のブ
ラケットの斜めに延びる端縁部によって、支持負荷を受
け止めるための外側シェルの予荷重が得られる。

ファサード固定部を補強するためのこのような公知の
ブラケットの欠点は、支持側コンクリートシェルに、ブ
ラケットの横断面に対応して環状溝を形成しなければな
らないことにある。さらに、支持側コンクリートシェル
におけるブラケットの固定と、外側シェルのための予荷
重とが組み合わされることに基づき、外側シェルの個別
の予荷重を得ることはできない。さらに、この予荷重は
ブラケットの傾斜緊定によって達成されるものである。
この傾斜緊定は、外側シェルの孔における、線接触にし
か基づかない片側の支持を生ぜしめる。

本発明の課題は、外側シェルの予荷重を得るための、
外側シェルの中央で作用する面支持が可能になるよう
な、しかも簡単に組付け可能な、ファサード固定の補強
に用いられるブラケットを提供することである。

この課題は、請求項１に記載された特徴によって達成
される。

本発明によるブラケットは、既存のファサード固定
部、つまり塗壁や化粧ボード等を設けるための外側シェ
ルをシェル結合用鋼アンカによって内側の支持側コンク
リートシェルに固定した部分を補強するために役立つ。
すなわちこのためには、外側シェルを貫通して支持側コ
ンクリートシェルにこのブラケットを固定することによ
り、外側シェルの付加的な支持が得られなければならな
い訳である。本発明によるブラケットをコンクリートシ
ェルと外側シェルとの間に設けられた遮音材ボードにも
空間が設けられる。ブラケットをコンクリートシェルに
ブラケット固定用アンカを介して固定したのちには、支
持体によって外側シェルが支持アームに緊定され、ひい
ては支持される。これにより外側シェルの本来の固定部
が負荷軽減される。

本発明によるブラケットがアングル形に形成されてい
ることにより、フランジが比較的長いにもかかわらず、
このブラケットは、支持側コンクリートシェルに対する
支持体として、外側シェルに設けられた小さな孔を通し
て組付けのために押し込むことができる。このブラケッ
トは支持側コンクリートシェルに、ブラケット固定用ア
ンカによって固定されて、ブラケットの支持アームが、
外側シェルに設けられた孔に整合合致するようになって
いる。支持アームの長孔に挿入された支持体は、長孔に
おいて外側シェルの中央に対して位置決めされた後、支
持アームに支持されたナットを介して、外側シェルの孔
の内壁に向かって予荷重をかけられる。これにより、外
側シェルによって支持体とブラケットとを介して生ぜし
められる支持負荷は、支持側コンクリートシェルに導入
されて、支持側コンクリートシェルと外側シェルとを結
合する本来のファサード固定手段である古いシェル結合
用鋼アンカが後になって故障した場合に、外側シェルの
沈み込みが阻止される。この支持体が、支持アームに設
けられた長孔内でシフト可能であることに基づき、内側
の支持側コンクリートシェルに対する、外側シェルを形
成するボードの種々異なる間隔を補償することができ
る。

ねじ山付きピンと、このねじ山付きピンの端面に装着
された、支持アームの長手方向に対して横方向に湾曲し
た支持プレートとによって形成された支持体は、外側シ
ェルに設けられた孔の内壁における面接触を可能にす
る。これにより、熱膨張による付加的な負荷が生じた時
に場合によっては孔を破損させるような緊張ピークが回
避される。

著しく大きな予荷重によって、または、外側シェルの
孔において支持アームが不正確な軸線平行方向に向けら
れていることによって、支持体が支持アームと外側シェ
ルの孔壁との間に緊定される時に若干傾動して、不都合
な歪みモーメントが支持体に対して作用する。このよう
な歪みモーメントと傾動とを回避するために、本発明の
別の構成では、支持部が板を介して支持アームに支持さ
れていて、この板の、支持アームに対する支持面が、支
持アームの長手方向に湾曲している。この板を支持アー
ムにロックして位置決めするために、この板の支持面は
中央ウェブによって分割されていて、この中央ウェブ
は、支持アームの長孔に係合している。

支持体が比較的大きく傾斜した位置を取ると、場合に
よっては、この板は支持アームにおいて、特に風圧力に
基づく振動負荷によって滑脱する恐れがある。従って、
板の湾曲した支持面と、支持アームの支持面とが、支持
アームの長孔に対して横方向に配置された歯付きリブを
備えていると有利である。湾曲のための曲率半径（Ｒ）
としては、支持体の全長にほぼ相当する寸法が好まし
い。

本発明の実施例を図面につき説明する。

第１図は支持アームとフランジとを溶接により互いに
結合したブラケットを、組付けられた状態で示した図で
あり、 第２図は、支持体を、板を介して支持アームに装着さ
れた状態で示した図である。

第３図は、板を示した斜視図である。

第４図は、支持アームとフランジとを、リベット留め
されたピンを介して互いに結合したブラケットを示した
斜視図である。

第５図は、第４図のブラケットを組付けた状態で示し
た図である。

このブラケットは、互いに内外に直角に嵌め込まれて
溶接またはリベット留めによって結合された２つの断面
Ｕ字形成形材から成っている。この場合、一方の長めの
成形ストリップはフランジ１として、支持側コンクリー
トシェル２における支持部を形成し、他方の短めの成形
ストリップは、外側シェル４に用いられる支持アーム３
を形成する。支持側コンクリートシェル２における支持
を改善するために、フランジ１の底部ウェブ５には、外
側の両端部の領域に、支持プレート6,7が溶接されてい
る。

ブラケットを取り付けるために、外側シェル４には孔
８が加工成形されており、この孔を通して、ブラケット
が差し込まれ、支持側コンクリートシェル２に装着され
る。ブラケット固定用アンカ９によって、ブラケットは
コンクリートシェルに固定されて、支持アームが外側シ
ェルに設けられた孔８と整合合致するようになってい
る。次いで支持アーム３に設けられた長孔10に、支持体
12の、螺合したナット13を有するねじ山付きピン11が差
し込まれ、ねじ山付きピン11の端面に溶接された支持プ
レート14が、外側シェル４の中央に位置するまで、この
長孔内で移動させられる。ナット13を回転することによ
って、支持体12は孔８の内壁に対して予荷重をかけられ
る。孔の内壁において面接触を達成するために、この支
持プレート14は、支持アームの長手方向に対して横方向
に、孔８の半径に相当する曲率半径で湾曲している（第
４図および第５図参照）。

今や、外側シェル４の負荷は支持体12とブラケットと
を介して、支持側コンクリートシェル２に導入される。
このことは、支持側のシェルと外側シェルとを結合す
る。本来の固定手段である古いシェル結合用鋼アンカが
後になって故障した場合、外側シェル４が沈み込んでし
まうのを阻止する。次いでこの外側シェル４には、塗壁
または化粧ボードを設けることができる。

第２図に示した支持体12は、支持アーム３に板15を介
して支持されている。この板は、湾曲した支持面16を有
しているので、支持体12の傾動緊張が生じるおそれはな
い。支持体12が著しい傾斜位置を取る場合に板が滑脱す
るのを阻止するために、板15の湾曲した支持面16と、支
持アーム３の支持面17とが、長孔10に対して横方向に配
置された歯付きリブ18を備えている。

第３図から分かるように、板15の湾曲した支持面16
は、長孔10に対して係合する、隆起した中央ウェブ19に
よって分割されている。このような中央ウェブ19によっ
て、板15が支持アームに位置調整されて接触することが
保証される。支持体12のねじ山付きピン11は、板15の孔
20を通って挿入されるので、ナット13は、支持体12を支
持するための板15に載置される。板15の湾曲した支持面
16の曲率半径Ｒは、支持体12の全長にほぼ相当する。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ファサード固定部の補強に用いられるブラ
   ケットであって、支持側コンクリートシェルに固定可能
   なフランジと、外側シェルに設けられた孔に係合して、
   かつ外側シェルを支持する支持アームとが設けられてい
   る形式のものにおいて、 成形ストリップとして形成されたフランジ（１）と、同
   じく成形ストリップとして形成された支持アーム（３）
   とが、互いに直角に結合されており、支持アーム（３）
   に支持体（12）が配置されていて、該支持体が、外側シ
   ェル（４）に設けられた孔（８）に緊定可能であって、
   さらに支持アーム（３）に設けられた長孔（10）におい
   て、この支持アームの長手方向にシフト可能であること
   を特徴とする、ファサード固定部の補強に用いられるブ
   ラケット。
2. 【請求項２】支持体（12）が、ねじ山付きピン（11）
   と、該ねじ山付きピンの端面に装着された支持プレート
   （14）とによって形成されており、該支持プレートが、
   支持アーム（３）の長手方向に対して横方向に湾曲して
   いる、請求項１記載のブラケット。
3. 【請求項３】フランジ（１）と支持アーム（３）とが、
   互いに内外に嵌め込まれた断面Ｕ字形成形材として構成
   されており、該断面Ｕ字形成形材が、溶接、ねじ、ピ
   ン、またはこれに類似のものによって互いに固く結合さ
   れている、請求項１記載のブラケット。
4. 【請求項４】支持体（12）が支持アーム（３）に、板
   （15）を介して支持されていて、該板の、支持アームに
   対する支持面（16）が、支持アームの長手方向に湾曲し
   ている、請求項１記載のブラケット。
5. 【請求項５】前記湾曲した支持面の曲率半径（Ｒ）が、
   支持体（12）の全長にほぼ相当している、請求項４記載
   のブラケット。
6. 【請求項６】板（15）の湾曲した支持面（16）が、中央
   ウェブ（19）によって分割されていて、該中央ウェブ
   が、支持アーム（３）の長孔（10）に係合している、請
   求項４記載のブラケット。
7. 【請求項７】板（15）の湾曲した支持面（16）と、支持
   アーム（３）の支持面（17）とが、支持アームの長孔
   （10）に対して横方向に配置された歯付きリブ（18）を
   備えている、請求項４記載のブラケット。