JPH08330203A - 荷電ビーム描画データ作成装置及び荷電ビーム描画システム - Google Patents

荷電ビーム描画データ作成装置及び荷電ビーム描画システム

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JPH08330203A
JPH08330203A JP7136583A JP13658395A JPH08330203A JP H08330203 A JPH08330203 A JP H08330203A JP 7136583 A JP7136583 A JP 7136583A JP 13658395 A JP13658395 A JP 13658395A JP H08330203 A JPH08330203 A JP H08330203A
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JP7136583A
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Kinya Kamiyama
欣也 上山
Koichi Moriizumi
幸一 森泉
Makoto Sugano
誠 菅野
Hironobu Taoka
弘展 田岡
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 荷電ビーム描画装置に入力すべき描画データ
の作成時に微小図形の発生を低減して、寸法精度の劣化
を防止する。 【構成】 設計レイアウトデータを図形データ処理領域
単位で分割し(S1)、各図形データ処理領域毎に、X
及びY方向に関する重複除去/白黒反転処理を実行する
(S2A、S2B)。更に、微小図形寸法値を基準とし
て、各図形データ処理領域毎に、X及びY方向に関する
図形データ処理結果判定・選択機能を実施する(S
3)。これは、重複除去/白黒反転処理後の基本図形の
寸法が微小図形寸法値以下の場合には微小図形と判断
し、例えばその様な微小図形の総和をX及びY方向につ
いて求めて両者を比較し、小さい値をとる方に関して重
複除去/白黒反転処理を施した図形データを選択する。
この図形データに対して更に所定の処理(S4、S5)
を施して、描画データの作成を完了する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、寸法精度の劣化を引き
起こす微小図形の発生を大幅に低減する荷電ビーム描画
データ作成装置及び荷電ビーム描画システムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】電子ビーム描画は、その微細加工性能及
び制御性の高さから、半導体デバイス、特に大規模集積
回路(LSI回路)の製造に用いられるマスクの作製に
広く用いられている。
【0003】電子ビーム描画の描画方式を分類すると、
ラスタスキャン型とベクタスキャン型の2種類に分ける
ことができる。ラスタスキャン型は、装置構成の単純さ
及び描画データの作成の容易さから、従来より広くマス
ク作成に用いられている。しかし、ラスタスキャン型に
は、描画速度が、描画図形の大きさ、及び描画位置を指
定するための最小グリッドサイズ(アドレスユニットサ
イズ)に大きく依存するという問題点がある。実際に、
64Mbitダイナミックランダムアクセスメモリ(D
RAM)のように微細なアドレスユニット(描画図形を
表わすことができる最小の単位に該当)を必要とする場
合のマスク作製にこのラスタスキャン型を適用した場合
は、描画時間が長すぎるために、ラスタスキャン型では
描画不可能となる場合がある。
【0004】そこで、近年、ベクタスキャン型の1方式
である可変成形型が注目されている。この可変成形型の
描画方式では、描画図形の大きさに合わせて電子ビーム
を成形し、必要な領域のみに対して電子ビーム照射を行
う方式である。そのため、この描画方式によれば、描画
速度を大きくすることができ、しかもアドレスユニット
サイズをより小さなサイズに設定することができる。よ
って、64MDRAM以降のデバイスのマスク作成、及
び1GDRAM以降のデバイス開発に用いられる電子ビ
ーム直接描画には、可変成形型が主流になると考えられ
ている。
【0005】尚、可変成形型の描画方式には上記のよう
な好ましい特徴がある反面、描画データの作成において
は、ラスタスキャン型と比較して、処理が複雑で、その
ため処理時間が長くなるという問題点がある。
【0006】以下、可変成形型の描画方式に用いる描画
データ作成手順、及び描画手順について説明する。
【0007】図26に示したのは、LSI回路の設計パ
ターンデータ(設計レイアウトデータ)の一部であり、
通常は多角形(各頂点の座標データのら列)で表現され
ている。上述のように、この設計パターンデータを可変
成形型電子ビーム描画装置で描画するためには、先ず、
設計パターンを長方形、正方形、三角形、台形等の基本
的な図形(以後、総称して基本図形ないし台形と呼ぶ)
へ分割する必要がある。図27、図28は、図26の多
角形の各頂点から分割線をそれぞれ水平方向、垂直方向
に挿入して、図26の多角形を2つの基本図形へ分割し
たときの例を示している。
【0008】次に、上述のように基本図形に分割されて
処理された描画データを用いて、実際に描画する手順に
ついて、以下に説明する。
【0009】まず、水平方向に分割した図27の描画デ
ータに示す斜線部のパターンデータが電子ビーム描画装
置に入力されると、電子ビーム描画装置は、電子ビーム
成形用偏向器により、幅WS1、高さHS1の大きさを
持った電子ビームを形成する。
【0010】次に、電子ビーム描画装置内の電子ビーム
照射位置指定用偏向器により、上記電子ビームが図27
に示す照射位置(x1,y1)へ移動され、レジスト感
光に必要な露光量に対応する時間だけ、マスク基板やシ
リコンウェハ等の試料上に塗布されたレジスト上へ照射
される。次に、図27に示す描画データの破線部の図形
が電子ビーム描画装置へ入力され、同様に電子ビーム描
画が実行される。これをLSI回路内のすべてのパター
ンについて順次繰り返していくことによって、LSI回
路内の全パターンの描画が行われる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した可変成形型の
描画方式においては、描画データの作成上、次のような
2つの問題点がある。
【0012】(1)その一つは、設計レイアウトデータ
から、可変成形型電子ビーム描画装置にとって描画可能
な基本図形への分割処理(以後、台形分割処理と呼ぶ)
の際に生じる問題点である。この問題点について、その
詳細を以下に説明する。
【0013】図26に示した設計レイアウトデータが、
電子ビーム描画データ(以後、単に描画データと称す)
に変換されて、この描画データを用いてマスク上に描画
され、その後レジスト現像を行って形成されたマスク上
のレジストパターンを、図29に示す。そこで、このレ
ジストパターンの幅Wmで定められる部分のパターン寸
法精度に着目し、その精度劣化要因について考える。た
だし、ここでは、レジスト現像等のパターン形成プロセ
ス条件等に関する要因は考慮しないものとする。
【0014】図26に示した設計レイアウトデータが、
図27のように水平方向の分割線で分割されている場合
には、図29の幅Wmの寸法に影響を与える要因は、図
27の斜線部の図形に合わせて形成された電子ビームの
成形精度、すなわち、幅WS1に相当する部分の電子ビ
ームの寸法精度のみである。
【0015】これに対して、図28に示すように垂直方
向の分割線で設計レイアウトデータが分割されている場
合には、図29の幅Wmの寸法に影響を与える要因は、
図28に示した斜線部に対応する電子ビームの照射位置
(x1,y1)の精度と、破線部に対応する電子ビーム
の照射位置(x2,y2)の精度及びその成形精度(幅
WS2)である。なお、この場合には、上記斜線部に対
応する電子ビームの成形精度(幅WS1)は、上記の要
因とはならない。従って、図28のケースでは、図27
のように水平方向の分割線によって分割された場合と比
較して、レジストパターン寸法精度に影響する要因が2
点も多くなる。
【0016】実際に、図27、及び図28に示すような
分割方法の異なる描画データを用いて複数のレジストパ
ターンを形成し、得られたマスク上のレジストパターン
の寸法を測定した結果を、図30、図31に示す。この
内、図31は、図27に示した描画データを用いた場
合、即ち1ショットの電子ビームの照射によって図29
に示した幅Wmの部分のレジストパターンを形成した場
合のレジストパターン寸法のばらつきを示している。他
方、図31は、図28に示した描画データを用いた場
合、即ち、図29の幅Wmの部分のレジストパターンを
照射位置の異なる((x1,y1),(x2,y2))
2ショットの電子ビーム照射で形成した場合の結果であ
る。両図中、Wdは中心値を示している。
【0017】図30、図31から理解されるように、1
ショットの電子ビーム照射によりレジストパターンが形
成された場合には、レジストパターン寸法のばらつきが
±0.025μm程度であるのに対し、2ショットの電
子ビーム照射でパターンが形成される場合には、レジス
トパターン寸法のばらつきが±0.075μm程度とな
る。従って、2ショットの電子ビーム照射の場合の方
が、1ショットの電子ビーム照射の場合よりも、レジス
タパターン寸法のばらつき、すなわち寸法精度の劣化が
著しくなることがわかる。つまり、レジストパターン寸
法の精度が、描画データ作成時の設計レイアウトデータ
の分割処理いかんによって大きく左右されるというわけ
である。この点が、可変成形型の描画データ作成上の問
題点の1つである。
【0018】(2)第2の問題点は、ショット位置の異
なる2ショット以上の電子ビーム照射で以てレジストパ
ターンが形成される場合において、その複数のショット
の中で、レジストパターンのエッジを形成するショット
が微小なサイズである場合には、形成されるレジストパ
ターン寸法の精度は、さらに劣化するという点である。
この点について、図32〜図35を用いて説明する。
【0019】図32は、1ショットの電子ビームで描画
する場合の描画図形の位置データの一例を示しており、
図33に示したグラフは、図32のようにビーム形状が
成形された電子ビームの強度分布を示したものである。
図33に示されるとおり、電子ビームの強度分布は完全
な矩形ではなく、そのエッジ部分x1,x2において、
すそを引いた状態になる。このエッジ部分での強度分布
のスロープ(以後、ビームシャープネスと呼ぶ)は、成
形ビームのサイズによって変化する。一般的には、成形
ビームのサイズが大きい程、電子ビーム内でのクーロン
反発が大きくなり、これが原因してビームシャープネス
は小さくなり、エッジ部分での強度分布は、なまった状
態になる。
【0020】図32に示す描画図形と同じサイズのパタ
ーンを、2ショットの電子ビームで以て照射する場合
で、かつ左側の電子ビームの1ショットで形成される部
分が微小なサイズであるような場合(図34参照)の電
子ビームの強度分布を、図35に示す。図35に示す場
合には、1ショットで描画する場合(図33)と比較し
てエッジ部分(左側のx1にあたる部分)での強度分布
が異なり、この結果、形成されるレジストパターンの寸
法に差が生じる。この場合には、このような問題点に加
えて、微小サイズの電子ビームを成形するのが、電流の
コントロールの観点からみて容易でなく、そのため電子
ビームの形状が不安定となり、この点がレジストパター
ン寸法の精度劣化を一層加速させる要因ともなるという
問題点も付随して生ずる。
【0021】図34に示すような、微小図形を含む2シ
ョットで以てレジストパターンを複数個作成し、各レジ
ストパターンの寸法を測定した結果を、パターン度数
(同一寸法のパターンが含まれる数に相当)として図3
6に示す。1ショットで描画した場合の結果(図30)
と比較して、この場合には寸法ばらつきが大きくなるこ
とに加えて、平均値にも差が生じる。この平均値の差
は、上述の微小図形の電子ビーム照射に起因するもので
ある。
【0022】以上に述べたような、レジストパターンの
寸法精度の劣化が顕著になる微小図形のサイズ、即ち微
小図形寸法値は、使用する電子ビーム描画装置や、レジ
ストの種類や、パターン形成プロセス方法や、条件等に
大きく依存するが、一般的には0.5μm以下である。
従って、微小図形寸法値を0.5μmに設定する場合に
は、微小図形とは、その幅方向又は高さ方向のいずれか
の辺の長さが0.5μm以下にある場合を意味している
こととなる。
【0023】次に、上述した2つの問題点(1),
(2)を踏まえて、従来の可変成形型電子ビーム描画装
置の描画データ作成装置における作成方法について検討
を加え、従来の描画データ作成装置が有している技術的
課題を顕出化することとする。
【0024】図37は、従来の描画データ作成装置にお
けるデータ処理フローを示す。
【0025】 まず、設計レイアウトデータは、描画
データ作成装置の重複除去機能により、図形間の重複を
除去する(ステップT1)。これは、電子ビームが同じ
領域に重ねて照射されることを防ぐために実施するもの
であり(OR処理)、可変成形型電子ビーム描画装置の
描画データ作成に必須の処理である。
【0026】この場合、重複除去処理の手法としては、
いろいろな手法が考えられるが、一般に用いられている
ものは、図38,図39に示すような、図形をストライ
プ状に分割する手法(以後、ストライプ法と呼ぶ)であ
る。ここでは、ストライプ法を図37のステップT1に
適用する場合について説明する。
【0027】まず、各図形の各頂点から固定された方向
(水平方向、あるいは垂直方向)に分割線を処理領域全
面に挿入し、ストライプを形成する。次に、各図形をス
トライプ境界で分割する。図38,図39の場合は、水
平方向に分割した場合を示している。
【0028】次に、分割された各図形の各辺に方向をつ
ける(ベクトル化)。方向のつけ方は、各頂点を辺に沿
って、右周りにみるか、左周りにみるかで決定する。図
38,図39の場合は、右周り(時計周り)に見た場合
である。
【0029】次に、不要ベクトル(図形重複部分)の削
除を行う。削除の方法について、以下に説明する。
【0030】まず、ストライプ毎に各ベクトルを座標値
でソーティングする。次に、ベクトルの方向に対応し
て、各ベクトルに数値を与える。例えば、上向きのベク
トルは1、下向きのベクトルは−1とする。この例を、
図38のストライプ5に関して示す。
【0031】次に、ストライプ毎に、各ベクトルに与え
られた数値(ベクトル方向値)を、ストライプが水平に
形成されている場合には、左から順番に加算していき、
合計が0となるベクトルを探索する。そして、加算を開
始したベクトルとベクトル方向値の加算結果が0となる
ベクトルとで以て、1つの図形を構成する。
【0032】このような処理例を、図39におけるスト
ライプ5に関して説明するならば、次の通りとなる。即
ち、左端のベクトルから加算を始め、2番目のベクトル
の加算段階では、ベクトル方向値の加算結果は2とな
り、3番目のベクトルの加算段階ではベクトル方向値の
加算結果は1となり、4番目のベクトルの加算段階でベ
クトル方向値の加算結果は0となる。よって、ストライ
プ5における左端のベクトルと、そこから数えて4番目
のベクトルとで図形が構成され、2番目、3番目の両ベ
クトルは不要ベクトルとして削除される。処理結果は、
図39に示すようになる。
【0033】以上の処理を全てのストライプ内のベクト
ルに対して行うことで、全図形の重複が除去される。
【0034】この手法を用いるときは、処理結果として
のデータは全て基本図形に分割されていることがわか
る。しかし、図39の分割結果から明らかな様に、既述
した問題点、つまり(1)高寸法精度が必要な部分の分
割、及び(2)微小なサイズの図形の発生という問題点
に関しては、何らその対策が考慮されていない。従っ
て、図37のステップT1によって、結果的に、上述し
た2つの問題点(1),(2)に起因した寸法精度の劣
化が生じ得る。
【0035】 次の工程は、使用するレジストのタイ
プ(ポジ、ネガ)、及び設計の際のレイアウトの仕方に
よって、図37に示すように、2つのフロー(T2),
(T2A,T2B)に分岐する。
【0036】即ち、設計の際に入力した領域以外の部分
に電子ビームを照射しなければならない場合には、図形
の白黒反転処理(ステップT2)が必要になる。この白
黒反転処理も、上述した図形間の重複除去処理方法と同
様の手法で処理することができる。そこで、図形の白黒
反転処理方法について、図40,図41を用いて以下に
説明する。
【0037】図形の重複除去後の各辺がベクトルに分割
されている状態から処理を開始する。まず白黒反転する
領域(枠)を設定し、この枠に相当する図形(長方形)
を各ストライプに従ってベクトル分割し、重複除去処理
の場合と同様に、各ベクトルにベクトル方向値を設定す
る。
【0038】次に、白黒反転領域内に含まれるベクトル
の方向を反転する。図38、図39との関係では、重複
除去時に、上向きに設定されたベクトルは下向きに、下
向きに設定されたベクトルは上向きにする。この状態を
図40に示す。
【0039】以後の処理は、重複除去処理と同じであ
る。各ストライプに対して、白黒反転枠上のベクトルか
ら、ベクトル値の加算を始めて、加算値が0となるベク
トルのペアーを探索し、図形を形成していく。白黒反転
処理された状態を、図41に示す。
【0040】白黒反転処理がなされた場合もまた、重複
除去処理の場合と同様に、(1)高寸法精度が必要な部
分の分割、及び(2)微小なサイズの図形の発生に関し
ては、何らかの対策を施すことが考慮されていないこと
がわかる。
【0041】他方、白黒反転処理が必要でない場合は、
上記の対策を施すことは可能である。即ち、高寸法精度
が必要な部分の分割、及び微小なサイズの図形の発生を
考慮した方法としては、図37に示すように、重複除去
処理の結果、基本図形に分割された図形を再度多角形化
し(ステップT2A)、この多角形を一つずつ、高寸法
精度が必要な部分の分割、及び、微小図形の発生を考慮
しながら再度分割する手法をとること(ステップT2
B)が可能である。
【0042】しかしながら、この処理方法(T2A,T
2B)を、前述の白黒反転処理が必要な場合にも適用す
ることはできない。なぜなら、白黒反転処理された図形
群を再度多角形化すると、全図形が連結され、膨大な頂
点数を持つ1つの多角形となってしまい、事実上、以後
の処理、すなわち基本図形への再分割処理が不可能とな
ってしまうからである。
【0043】よって、従来方法では、白黒反転処理が必
要な場合には、上述の(1)図形分割、及び(2)微小
図形発生による寸法精度の劣化の問題に対して、何らの
対策も施されていなかった。
【0044】再び図37を参照することとして、基本図
形データが生成され格納されると(ステップT3)、次
にステップT4の描画フィールド境界分割機能が実行さ
れる。この機能は、電子ビーム描画装置が電子ビームの
偏向のみで描画できる領域(以後、これを描画フィール
ド領域と呼ぶ)に分割する機能である。その後、ステッ
プT5の各種描画装置に入力できるデータ構造にフォー
マッティングする、電子ビーム描画データフォーマッテ
ィング機能が実行され、これにより電子ビーム描画デー
タが生成される。ここに例として挙げた可変成形型電子
ビーム描画装置は、描画フィールド領域の大きさを、通
常2.5mm以下の任意の値に設定できる。
【0045】本発明は、特に白黒反転処理が必要な場合
に、従来技術によれば寸法精度の劣化が著しく発生して
しまう点に着眼して、そのような寸法精度の劣化を引き
起こす要因である微小図形の発生を大幅に低減すること
が可能な描画データ作成装置を提供しようとするもので
ある。
【0046】又、この発明は、重複除去処理に伴い生ず
る問題点の解決のみを対象とすることも可能であり、更
にこの発明は、白黒反転処理が不必要な場合でも、より
好ましい新たな技術を提供しようとするものである。
【0047】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
荷電ビーム描画装置に入力する描画データ信号を設計レ
イアウトデータ信号より作成する荷電ビーム描画データ
作成装置であって、図形データ処理領域寸法を与える信
号を入力する入力手段と、前記設計レイアウトデータ信
号で与えられる領域を、前記入力手段が与える前記図形
データ処理領域寸法で定まる図形データ処理領域を一単
位として領域分割する図形データ処理領域分割手段とを
備えている。
【0048】請求項2に係る発明は、請求項1記載の荷
電ビーム描画データ作成装置において、前記入力手段は
更に微小図形寸法値を与える信号をも入力し、前記図形
データ処理領域毎に、前記設計レイアウトデータ信号で
与えられる領域の水平方向及び垂直方向のそれぞれに関
して、前記設計レイアウトデータ信号に対して所定の図
形演算処理を実行し、当該図形データ処理領域内に基本
図形のデータ信号を与える図形データ処理結果を生成す
る図形データ処理結果生成手段と、前記図形データ処理
領域毎に、前記水平方向及び垂直方向のそれぞれに関し
て、前記図形データ処理結果中に含まれる前記基本図形
のデータ信号の内で微小図形を与えるものを前記入力手
段が与える前記微小図形寸法値の信号に基づき判定して
前記微小図形が荷電ビーム描画に与える影響度を表す微
小図形評価値を求め、前記水平方向及び垂直方向に関す
る前記微小図形評価値を比較してその値が少ない方の方
向に関する前記図形データ処理結果を選択する図形デー
タ処理結果判定・選択手段とを更に備えている。
【0049】請求項3に係る発明では、請求項2記載の
荷電ビーム描画データ作成装置において、前記図形デー
タ処理結果生成手段は、前記所定の図形演算処理とし
て、前記設計レイアウトデータ信号中の重複部分の除去
処理及び白黒反転処理を実行する重複除去/白黒反転処
理手段を備えている。
【0050】請求項4に係る発明では、請求項3記載の
荷電ビーム描画データ作成装置において、前記図形デー
タ処理結果判定・選択手段は、前記水平方向及び垂直方
向のそれぞれに関して、前記基本図形の辺の寸法値の少
なくとも一つが前記微小図形寸法値以下にあるときに当
該基本図形のデータ信号は前記微小図形を与えると判定
する微小図形判定手段を備えている。
【0051】請求項5に係る発明では、請求項4記載の
荷電ビーム描画データ作成装置において、前記図形デー
タ処理結果判定・選択手段は、前記水平方向及び垂直方
向のそれぞれに関して、前記微小図形判定手段の判定結
果に応じて前記微小図形の個数を累算してその総和を前
記微小図形評価値として出力する微小図形評価値算出手
段を更に備えている。
【0052】請求項6に係る発明では、請求項4記載の
荷電ビーム描画データ作成装置において、前記図形デー
タ処理結果判定・選択手段は、前記水平方向及び垂直方
向のそれぞれに関して、前記微小図形判定手段の判定結
果に応じて前記微小図形の長辺の長さを累算してその総
和を前記微小図形評価値として出力する微小図形評価値
算出手段を更に備えている。
【0053】請求項7に係る発明では、請求項4記載の
荷電ビーム描画データ作成装置において、前記図形デー
タ処理結果判定・選択手段は、前記水平方向及び垂直方
向のそれぞれに関して、前記微小図形判定手段の判定結
果に応じて前記微小図形の面積を算出してその値を累算
し、前記微小図形の面積の総和を前記微小図形評価値と
して出力する微小図形評価値算出手段を更に備えてい
る。
【0054】請求項8に係る発明では、請求項4記載の
荷電ビーム描画データ作成装置において、前記図形デー
タ処理結果判定・選択手段は、前記水平方向及び垂直方
向のそれぞれに関して、前記微小図形判定手段の判定結
果に応じて前記微小図形の長辺の長さとその短辺の長さ
との比として与えられるアスペクト比を算出して当該ア
スペクト比の値を累算し、前記アスペクト比の総和を前
記微小図形評価値として出力する微小図形評価値算出手
段を更に備えている。
【0055】請求項9に係る発明では、請求項3記載の
荷電ビーム描画データ作成装置において、前記入力手段
は、前記微小図形寸法値を与える信号を複数の微小図形
寸法値領域に渡って指定すると共に、前記複数の領域の
各々に対して前記微小図形の寸法の重要度を示す重み付
けを与える信号を設定し、前記図形データ処理結果判定
・選択手段は、前記水平方向及び垂直方向のそれぞれに
関して、前記基本図形の辺の寸法値の少なくとも一つが
前記複数の微小図形寸法値領域の何れに該当するか否か
を判定することにより前記微小図形か否かを判定する微
小図形判定手段と、前記水平方向及び垂直方向のそれぞ
れに関して、前記微小図形判定手段が前記微小図形であ
ると判定した結果に応じて、対応する前記微小図形寸法
値領域に設定された前記重み付けを与える信号に基づき
前記微小図形評価値を算出する微小図形評価値算出手段
とを備えている。
【0056】請求項10に係る発明では、請求項2記載
の荷電ビーム描画データ作成装置において、前記図形デ
ータ処理結果生成手段は、前記所定の図形演算処理とし
て、前記設計レイアウトデータ信号中の重複部分の除去
処理を実行する重複除去処理手段を備えている。
【0057】請求項11に係る発明は、荷電ビーム描画
装置に入力する描画データ信号を設計レイアウトデータ
信号より作成する荷電ビーム描画データ作成装置であっ
て、微小図形寸法値を与える信号を入力する入力手段
と、前記設計レイアウトデータ信号で与えられる領域の
水平方向及び垂直方向のそれぞれに関して、前記設計レ
イアウトデータ信号に対して所定の図形演算処理を実行
し、当該図形データ処理領域内に基本図形のデータ信号
を与える図形データ処理結果を生成する図形データ処理
結果生成手段と、前記水平方向及び垂直方向のそれぞれ
に関して、前記図形データ処理結果中に含まれる前記基
本図形のデータ信号の内で微小図形を与えるものを前記
微小図形寸法値の信号に基づき判定して、前記微小図形
が荷電ビーム描画に与える影響度を表す微小図形評価値
を求め、前記水平方向及び垂直方向に関する前記微小図
形評価値同士を比較してその値が少ない方の方向に関す
る前記図形データ処理結果を選択する図形データ処理結
果判定・選択手段とを備えている。
【0058】請求項12に係る荷電ビーム描画システム
は、与えられた設計レイアウトデータ信号より描画デー
タ信号を作成する荷電ビーム描画データ作成装置と、前
記描画データ信号に基づき荷電ビーム描画を行いレジス
トパターンを形成する荷電ビーム描画装置とを備え、前
記荷電ビーム描画データ作成装置は、図形データ処理領
域寸法を与える信号と微小図形寸法値を与える信号とを
入力する入力手段と、前記設計レイアウトデータ信号で
与えられる領域を、前記図形データ処理領域寸法を与え
る信号で定まる図形データ処理領域を一単位として領域
分割する図形データ処理領域分割手段と、前記図形デー
タ処理領域毎に、前記設計レイアウトデータ信号で与え
られる領域の水平方向及び垂直方向のそれぞれに関し
て、前記設計レイアウトデータ信号に対して所定の図形
演算処理を実行し、当該図形データ処理領域内に基本図
形のデータ信号を与える図形データ処理結果を生成する
図形データ処理結果生成手段と、前記図形データ処理領
域毎に、前記水平方向及び垂直方向のそれぞれに関し
て、前記図形データ処理結果中に含まれる前記基本図形
のデータ信号の内で微小図形を与えるものを前記入力手
段が与える前記微小図形寸法値の信号に基づき判定して
前記微小図形が荷電ビーム描画に与える影響度を表す微
小図形評価値を求め、前記水平方向及び垂直方向に関す
る前記微小図形評価値を比較してその値が少ない方の方
向に関する前記図形データ処理結果を選択・出力する図
形データ処理結果判定・選択手段と、前記図形データ処
理結果判定・選択手段が出力する前記図形データ処理結
果に基づき前記描画データ信号を作成する描画データ信
号作成手段とを備えている。
【0059】
【作用】請求項1に係る発明では、図形データ処理領域
分割手段が行う分割により生じた各図形データ処理領域
内の設計レイアウトデータ信号から描画データ信号が作
成される。
【0060】請求項2に係る発明では、各図形データ処
理領域毎に次の処理が実行される。即ち、図形データ処
理結果生成手段は、水平方向に関する図形演算処理を行
って水平方向に関する図形データ処理結果を生成すると
ともに、垂直方向に関する図形演算処理を行って垂直方
向に関する図形データ処理結果をも生成する。更に、図
形データ処理結果判定・選択手段は、水平方向に関する
図形データ処理結果内に微小図形が含まれるかを判定し
てその微小図形評価値を求めるとともに、垂直方向に関
する図形データ処理結果内に微小図形が含まれるかを判
定してその微小図形評価値を求め、水平方向に関する微
小図形評価値と垂直方向に関する微小図形評価値との比
較・大小関係の判定を行う。このとき、垂直方向に関す
る微小図形評価値のほうが少ない値である場合には、図
形データ処理結果判定・選択手段は、垂直方向に関する
図形データ処理結果を選択する。この選択された図形デ
ータ処理結果から作成される描画データは、微小図形に
よる影響の少ない高品質なものとなる。
【0061】請求項3に係る発明では、図形データ処理
結果判定・選択手段は、重複除去/白黒反転処理時に生
じる微小図形の発生がより少ない図形データ処理結果を
選択する。
【0062】請求項4に係る発明では、図形データ処理
結果判定・選択手段は、(基本図形の辺の寸法値の少な
くとも一つ)≦(微小図形寸法値)の関係を判断基準と
して、微小図形か否かを判定する。
【0063】請求項5に係る発明では、図形データ処理
結果判定・選択手段は、微小図形の個数の総和を以て微
小図形の影響度を評価する。
【0064】請求項6に係る発明では、図形データ処理
結果判定・選択手段は、微小図形の長辺の長さの総和を
以て微小図形の影響度を評価する。
【0065】請求項7に係る発明では、図形データ処理
結果判定・選択手段は、微小図形の面積を以て微小図形
の影響度を評価する。
【0066】請求項8に係る発明では、図形データ処理
結果判定・選択手段は、微小図形のアスペクト比の総和
を以て微小図形の影響度を評価する。
【0067】請求項9に係る発明では、微小図形寸法値
領域毎に設定された重み付けによって、よりきめ細かな
微小図形評価値の算出が実行される。
【0068】請求項10に係る発明では、重複除去処理
により生じる微小図形の発生数がより少ない図形データ
処理結果が図形データ処理結果判定・選択手段により選
択される。
【0069】請求項11に係る発明では、図形データ処
理結果判定・選択手段は、微小図形の発生がより少ない
図形データ処理結果を選択する。
【0070】請求項12に係る発明では、図形データ処
理領域毎に、水平方向及び垂直方向に関して図形演算処
理が図形データ処理結果生成手段により行われ、何れの
図形データ処理結果を用いるかは、微小図形評価値を基
準として図形データ処理結果判定・選択手段により選択
される。そして、図形データ処理領域毎に、選択された
高品質な図形データ処理結果より描画データが作成さ
れ、この描画データに基づき荷電ビーム描画が行われ
る。
【0071】
【実施例】図1は、以下に述べる各実施例1〜5に共通
な、荷電ビーム描画データ作成装置のシステム構成を示
すブロック図である。
【0072】同図において、1は荷電ビーム描画装置で
あり、例えば電子ビーム描画装置がその典型例である。
荷電ビーム描画装置は、荷電ビーム描画データ(信号)
V1の入力を受けて描画を行う。尚、荷電ビーム描画デ
ータ(信号)V1を以後、単に描画データ(信号)V1
と称す。
【0073】荷電ビーム描画データ作成装置2は、CP
U3を中心として構成されるコンピュータと同コンピュ
ータの外部に付設された外部メモリ7とから成る。上記
コンピュータは、CPU3の他に、ディスプレイ装置
4、キーボードやマウス等の入力装置5、ROMやRA
Mからなる内部メモリ6を備える。
【0074】以下の各実施例で述べる各機能は、主とし
てCPU3の機能である。尚、上記両装置1,2からな
る装置を、荷電ビーム描画システムと総称する。
【0075】(実施例1)以下、本発明の第一実施例
を、図1を適宜参照しつつ説明する。
【0076】図2は、本発明の第一実施例を説明するた
めの、荷電ビーム描画データ作成装置2(主としてCP
U3)が行うデータ処理フローである。第一実施例の特
徴は、入力された設計レイアウトデータ(信号)を図
形データ処理領域単位に分割する図形データ処理領域分
割機能(ステップS1)と、重複除去/白黒反転処理
を上記図形データ処理領域単位で水平(X)方向および
垂直(Y)方向の各ストライプ毎にそれぞれ実施する図
形データ処理結果生成機能(ステップS2A、S2B)
と、上記X,Y方向のストライプで実施した重複除去
/白黒反転処理の結果(図形データ処理結果)を図形デ
ータ処理領域単位で比較評価・判定・選択する図形デー
タ処理結果判定・選択機能(ステップS3)を備える点
にある。ステップS4,S5は、従来例(図37)と同
一である。以下、具体的な処理フローを各機能別に説明
する。
【0077】 先ずは、ステップS1の機能につい
て。従来技術の課題の中で述べたように、重複除去/白
黒反転処理は図形演算処理の一つとして行われ、それ
は、一般的にストライプ法によって実施される。しか
し、その手法は設計レイアウトデータの各図形の各頂点
に対し分割線を生成するものであるため、各頂点の配置
状況が処理後の図形データの品質(微小図形の発生)を
左右することになる。具体例を、図3〜図6に示す。
【0078】先ず、一例として、図3に示すような設計
レイアウトデータを重複除去/白黒反転処理する場合を
考えることとする。この場合、従来技術は、X方向のス
トライプ(図4参照)もしくは、Y方向のストライプ
(図5参照)のどちらか一方を選択していた。このよう
な方法では、図4,図5から明らかなように、各頂点の
配置が処理後の図形データの品質に大きく影響を与え、
さらには、微小図形の発生が避けられない状況をもたら
す。
【0079】そこで、この問題点を解決するために、こ
の実施例1では、図2のステップS1において、入力装
置5によって入力された設計レイアウトデータ(位置座
標のデータを与える信号)と図形データ処理領域寸法を
与えるデータ(信号)とに基づき、CPU3が図形デー
タ処理領域分割機能を実行する。例えば、CPU3は、
図6に示すように、設計レイアウトデータ(信号)で与
えられる領域である設計レイアウトデータ領域11を、
図形データ処理領域寸法で規定される任意の図形データ
処理領域12単位に分割する。そして、CPU3は、以
下に述べるように、図形データ処埋領域12単位で、重
複除去/白黒反転処理を実施する。このステップS1の
機能をCPU3にもたせることにより、重複除去/白黒
反転処理時に、図形の各頂点が他の図形データの分割に
影響を与える領域を抑えることができ、従って微小図形
の発生数が低減され、結果として描画データの品質を向
上させることができる。
【0080】 次に、CPU3は、上記図形データ処
理領域12単位で、X方向のストライプでの重複除去/
白黒反転処理(ステップS2A)およびY方向のストラ
イプでの重複除去/白黒反転処理(ステップS2B)を
実施する。このとき処理方法は、両ステップS2A,S
2B共、ストライプ法を用いるものであり、従来技術で
述べた方法による。一つの図形データ処理領域12に対
してX,Y方向のそれぞれに関する上記処理を行った結
果の一例を、図7〜図9に対す。
【0081】そして、それぞれの重複除去/白黒反転処
理結果(以後、それを、図形データ処理領域内の基本図
形の位置データ信号を与える図形データ処理結果とも称
す)に対して、次の図形データ処理結果判定・選択機能
により、微小図形に対する評価値を算出し、比較・選択
することによって微小図形の発生数を低減させ、さらな
る高品質な描画データを作成することができる。
【0082】 そこで、次に、ステップS3の図形デ
ータ処理結果判定・選択機能を具体的に説明する。図1
0〜図12は、図2の図形データ処理結果判定・選択機
能の処理手順を示すフローチャートである。但し、図1
0中のBL1は、図11と図12とを連続して完結した
フローチャートを作成するための便宜上の境界線であ
る。
【0083】先ずステップS31において、入力装置5
は微小図形寸法値を与えるデータ(信号)を入力し、こ
れを受けてCPU3は、当該値を与えるデータを内部メ
モリ6に格納する。微小図形寸法値は、前述した通り、
使用する描画装置やプロセス条件等に大きく依存する
が、この例では、一般的な値として0.5μmという値
に設定される。従って、基本図形の少なくとも一辺の値
が0.5μm以下ならば、それは微小図形と認識され
る。
【0084】次に、CPU3は、ステップS2Aで求め
たX方向についての図形データ処理結果、つまりある図
形データ処理領域12を単位として、当該領域12内を
X方向について分割し、白黒反転処理して得られた各基
本図形の位置座標データ(そのデータを基本図形データ
1と称す)を、当該領域12をファイル単位として、外
部メモリ7に格納する(ステップS32)。同様に、C
PU3は、ステップS2Bで求めたY方向に関する図形
データ処理結果を基本図形データ2として外部メモリ7
へ格納する(ステップS33)。
【0085】次に、CPU3は、当該図形データ処理結
果判定・選択機能の核心部をなすプログラムの実行へと
移る。先ず、ステップS34において、CPU3は、図
形データ処理結果の判定対象となるべき一つの図形デー
タ処理領域12に関する、基本図形データ1及び基本図
形データ2をそれぞれ外部メモリ7から読み出し、それ
らを内部メモリ6に格納する。
【0086】そして、CPU3は、内部メモリ6内の必
要なデータをフェッチして、微小図形寸法値を判断基準
とした微小図形評価値を、基本図形データ1及び基本図
形データ2の各々について算出する(ステップS35
A,S35B)。ここで微小図形評価値とは、微小図形
が描画に与える影響度をある指標で数値化したものであ
り、その値が大きいほど微小図形が描画に与える影響度
が大きい。微小図形評価値の算出方法については後述す
る。
【0087】次にCPU3は、ステップS35A,S3
5Bによってそれぞれ得られた微小図形評価値VAL
1,VAL2を比較し(ステップS36)、微小図形評
価値の小さい方の図形データ処理結果を選択し、それを
内部メモリ6へ出力する(ステップS37A,S37
B)。そして、CPU3は、これらの処理(S34〜S
37A,S37B)を未処理の図形データ処理領域12
が無くなるまで実施する(ステップS38)。
【0088】次に、前述した微小図形評価値VAL1,
VAL2の算出方法を、図13に示すフローチャートを
用いて説明する。即ち、CPU3は、入力された基本図
形の各々に対して、その幅寸法又はその高さ寸法のいず
れかが与えられた微小図形寸法値以下の寸法を有するか
否かを判定し(S351〜S353)、そのような寸法
を有すると判定したときには、その基本図形を微小図形
として認識し、当該図形データ処理領域内の全ての基本
図形に対して微小図形の個数を累算して(ステップS3
54)、得られた微小図形の総数を微小図形評価値(V
AL1,VAL2)として出力する(ステップS35
5)。
【0089】この処理の具体例を、前述した図7〜図9
の一例を用いて以下に説明する。図6において分割され
た図形データ処理領域12の1つが図7であるとして、
以後、この図形データ処理領域12に着目して説明す
る。このデータにX,Y方向のストライプで重複除去/
白黒反転処理が実施されると、それぞれ図8、図9に示
すような結果になる。次に、図形データ処理結果判定・
選択機能によって、先ず微小図形評価値が算出される
が、図8の場合には微小図形13が10個存在し、図9
の場合には微小図形は存在しない。結果として、微小図
形評価値VAL1,VAL2はそれぞれ10,0とな
り、出力データとしては、Y方向のストライプに関する
図9のデータ(基本図形データ2)が選択される。
【0090】以上のように、本実施例1では、重複除去
/白黒反転処理時に、図形の各頂点が他の図形データの
分割に影響を与える領域を抑えることができ、かつX,
Y方向のストライプでそれぞれ重複除去/白黒反転処理
を実施し、それらの結果を比較・判定・選択する機能を
有することとしているので、微小図形の発生の大幅な低
減を実現し、結果として高品質な描画データを作成する
ことができる。
【0091】(実施例1の応用例1)実施例1の一つの
応用例として、図2のステップS1として述べた図形デ
ータ処理領域分割機能は、実施例1の荷電ビーム描画デ
ータ作成装置(図1の2)から切り離して、単独の機能
として、例えば図37に示したような従来の描画データ
作成装置の処理手順内に付加することも可能である。そ
のような応用例を、図14の描画データ作成フローに示
す。同図中、ステップT1〜T5,T2A,T2Bは従
来例と同一のステップである。
【0092】これにより、重複除去処理時に生ずる微小
図形の発生を低減することができ、そのため白黒反転処
理が必要な場合にそのステップT2を実施しても、それ
により生ずる微小図形の発生が抑制され、結果としてレ
ジストパターン寸法精度の劣化を低減できる。又、白黒
反転処理を必要としない場合に行うステップT2A,T
2Bの処理も、その前にステップS1を行って、ステッ
プT1で生ずる微小図形の発生数を予め低減しているの
で、より容易に行えるという利点もある。
【0093】(実施例1の応用例2)本実施例1は、特
に白黒反転処理を必要とする場合に有効であり、その場
合の例として説明がなされたが、白黒反転処理を必要と
しない場合でも、重複除去処理後の処理を図2のステッ
プS3の図形データ処理結果判定・選択機能によって処
理することにより、微小図形の発生を低減させることが
できる。即ち、この応用例2は、図37のステップT2
A、T2Bの部分を図2のステップS3で置換したもの
に該当しており、本応用例2の具体的な処理手順の一例
を図15に示す。
【0094】図15の処理は、図37のステップT2
A,T2Bと比較して、次のような利点を有する。即
ち、本応用例2は、処理手順をシンプル化し、かつ従来
行われていた方法をそのまま踏襲しつつ展開することが
できるので、処理時間のより一層の短縮化を図ることが
できるメリットを有する。
【0095】(実施例1の応用例3)更に、実施例1の
技術的思想は、上記の白黒反転処理や重複除去処理のみ
ならず、ストライプ法を用いた各種の図形演算処理、例
えば重複部分のみの出力処理(AND処理)等に対して
も、図形データ処理領域分割機能や図形データ処理結果
判定・選択機能を適用して処理することにより、実施例
1と同様の効果が得られる。
【0096】(実施例2)上記実施例1で述べた図形デ
ータ処理結果判定・選択機能においては、微小図形評価
値は、微小図形の総数で以て与えられていたが、本実施
例2では、それに代えて、図16のフローチャートに示
すように、微小図形評価値を微小図形の長辺の長さの総
和として算出することとしている(ステップS354
A,S355A)。その他の点は、実施例1と同様であ
る。
【0097】これにより、より精度の高い微小図形評価
を実施することができ、結果として、実施例1と比較し
てより高品質な描画データが得られる。その理由は、図
17に模式的に説明する通りである。即ち、図17の2
つの図形データの内、上側に図示されたものは2つの微
小図形3A,3Bを有しており、4つの微小図形3C,
3D,3E,3Fを有する下側に図示された図形データ
よりも微小図形の個数は小さい。しかし、前者は微小図
形3A,3Bの各長辺は微小図形3C〜3Fの各長辺よ
りも長い。このことは、微小図形の存在領域の拡大によ
り、寸法精度の劣化をより一層もたらすことを意味して
いる。従って、微小図形の個数の総和を尺度とするより
も、微小図形の長辺の総和を尺度として微小図形評価値
を求めた方が、適切な図形データを選択・出力できるこ
とを意味する。本方法によれば、図17のケースでは後
者の図形データが選択されるので、より好ましい結果が
得られる。
【0098】(実施例3)実施例2では、上記図形デー
タ処理結果判定・選択機能において、微小図形評価値を
微小図形の長辺の長さの総和で以て算出していたが、本
実施例3では、図18のフローチャートに示すように、
微小図形評価値を微小図形の面積の総和として算出する
こととしている(ステップS354B,S355B)。
これにより、上記実施例2と同等の効果が得られる。
【0099】(実施例4)実施例3では、上記図形デー
タ処理結果判定・選択機能において、微小図形評価値を
微小図形の面積の総和として算出していたが、本実施例
4では、図19のフローチャートに示すように、微小図
形評価値を微小図形のアスペクト比(長辺の長さ/短辺
の長さ)の総和として算出することとしている(ステッ
プS354C,S355C)。これにより、上記実施例
2及び3と同等又はそれ以上の効果が得られる。
【0100】ここで、図20は、実施例4が実施例2及
び3よりも優れた一面を有する点を模式的に示すための
ものであり、同図中、dは微小図形寸法値である。実施
例2によれば、高さh1,高さh2の図形データは同等
に評価されることとなる。叉、実施例3によれば、高さ
h1の微小図形の方が面積が小さくなるので、当該図形
データが選択されることになるが、より幅の狭い領域が
水平方向に拡がって形成されている程、形成されるレジ
ストパターン寸法精度の劣化が大きくなるので、当該高
さh1の図形データを選択するのは適切でない。この場
合は、高さh2の図形データを選択すべきである。この
点、アスペクト比で判断する実施例4によれば、高さh
2の図形データが選択されるので、実施例4は実施例2
及び3よりも優れていると言える。
【0101】(付記)尚、実施例1〜実施例4の少なく
とも2つの組合せを用いて微小図形評価値を算出するよ
うにしても良い。
【0102】(実施例5)実施例1〜4では、上記図形
データ処理結果判定・選択機能において、固定値として
与えられた微小図形寸法値以下の寸法を有する基本図形
を微小図形と判定していたが、微小図形寸法値以下の寸
法を有し、かつその寸法が小さい基本図形ほど、電子ビ
ームの形状の制御の困難性の観点からみて、実際の描画
パターンの寸法制御が難しくなる。
【0103】そこで、本実施例5では、図21〜図23
のフローチャートに示すように、微小図形寸法値を複数
の寸法領域で指定し、かつそれぞれの領域ごとに微小図
形の寸法値の重要度を示す重みづけを設定することとし
ている(ステップS31A)。これによって、実施例1
〜実施例4と比較してさらに精度の高い微小図形評価を
実施でき、結果として、より高品質な描画データが得ら
れる。
【0104】尚、ステップS35AD,S35BDは、
実施例1〜実施例4で述べたいずれのものを用いても良
く、又はそれらの組合せであっても良い。例えば、実施
例1の方法を用いるときは、個数、即ち1に重み付けを
乗算して累積し(図24参照)、又、実施例2〜実施例
4のそれぞれを用いるときには、それぞれ長さ、面積、
アスペクト比に重み付けを乗算して累算し、微小図形評
価値を算出する。
【0105】微小図形寸法値領域の指定方法と重み付け
の指定方法の一例を、図24に示す。ここでは、0.1
以下,0.1よりも大きく0.2以下,0.2よりも大
きく0.3以下,0.3よりも大きく0.4以下,0.
4よりも大きく0.5以下の5つの領域が、微小図形寸
法値領域として与えられている。同図中、Lは微小図形
と認識される基本図形の辺の長さを示しており、例え
ば、0.2〜0.3の範囲で指定される微小図形寸法値
の領域内に基本図形の辺長Lがあれば、重み付けは3と
なる。
【0106】(まとめ)以上のように、この発明の各実
施例によれば、図形データ処理領域分割機能を有するこ
とで、従来の重複除去/白黒反転処理時に、図形の各頂
点が他の図形データの分割に影響を与える領域を抑える
ことができ、加えてX,Y方向のストライプでそれぞれ
重複除去/白黒反転処理を実施し、それらの結果を比較
・判定・選択する図形データ処理結果判定・選択機能を
有することとしているので、微小図形の発生の大幅な低
減を実現し、結果として高品質な描画データを作成する
効果がある。
【0107】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、荷電ビー
ム描画装置により形成されるパターンの寸法精度の劣化
を抑止可能な描画データを作成することができる。
【0108】請求項2に係る発明によれば、所定の図形
演算処理時に生じる微小図形の発生を低減することがで
き、寸法精度の劣化を抑止可能な高品質な描画データを
作成することができる。
【0109】請求項3に係る発明によれば、従来、重複
除去/白黒反転処理時に図形の各頂点が他の図形データ
の分割に影響を与えていた領域を図形データ処理領域単
位での分割により抑えることができ、しかも、重複除去
/白黒反転処理時に生じる微小図形の発生を大幅に低減
することができ、結果として高品質の描画データを作成
することができる。
【0110】請求項4に係る発明によれば、図形データ
処理結果に対して微小図形の存否の判定を行うことがで
きる。
【0111】請求項5に係る発明によれば、精度の高い
微小図形評価を実施することができ、これにより寸法精
度の劣化を抑止可能な高品質の図形データ処理結果、従
って高品質な描画データを作成することができる。
【0112】請求項6に係る発明によれば、一層精度の
高い微小図形評価を実施することができ、これにより寸
法精度の劣化を大幅に抑止可能なより高品質な図形デー
タ処理結果、従ってより高品質な描画データを作成する
ことができる。
【0113】請求項7に係る発明によれば、一層精度の
高い微小図形評価を実施することができ、これにより寸
法精度の劣化を大幅に抑止可能なより高品質な図形デー
タ処理結果、従ってより高品質な描画データを作成する
ことができる。
【0114】請求項8に係る発明によれば、更に一層精
度の高い微小図形評価を実施することができ、これによ
り寸法精度の劣化を大幅に抑止可能なより一層に高品質
な図形データ処理結果、従ってより一層に高品質な描画
データを作成することができる。
【0115】請求項9に係る発明によれば、更に一層精
度の高い微小図形評価を実施することができ、これによ
り寸法精度の劣化を大幅に抑止可能なより一層に高品質
な図形データ処理結果、従ってより一層に高品質な描画
データを作成することができる。
【0116】請求項10に係る発明によれば、白黒反転
処理が不要な場合においても、重複除去処理時に生じる
微小図形の発生を低減して、寸法精度の劣化を防止でき
る高品質な描画データの作成を可能とする。
【0117】請求項11に係る発明によれば、所定の図
形演算処理時に生じる微小図形の発生を低減することが
でき、寸法精度の劣化を抑止可能な高品質な描画データ
を作成することができる。
【0118】請求項12に係る発明によれば、微小図形
の発生が格段に低減された好ましい図形データ処理結果
を得ることができ、高品質な描画データの作成を可能と
することができ、その結果、レジストパターンの寸法精
度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の各実施例に係る荷電ビーム描画デー
タ作成装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施例1における荷電ビーム描画デ
ータ作成装置の荷電ビーム描画データ作成フローを示す
図である。
【図3】 本発明の実施例1を説明するための具体例を
示す図である。
【図4】 本発明の実施例1を説明するための具体例を
示す図である。
【図5】 本発明の実施例1を説明するための具体例を
示す図である。
【図6】 本発明の実施例1を説明するための具体例を
示す図である。
【図7】 本発明の実施例1を説明するための具体例を
示す図である。
【図8】 本発明の実施例1を説明するための具体例を
示す図である。
【図9】 本発明の実施例1を説明するための具体例を
示す図である。
【図10】 本発明の実施例1における図形データ処理
結果判定・選択機能を説明するためのフローチャートで
ある。
【図11】 本発明の実施例1における図形データ処理
結果判定・選択機能を説明するためのフローチャートで
ある。
【図12】 本発明の実施例1における図形データ処理
結果判定・選択機能を説明するためのフローチャートで
ある。
【図13】 本発明の実施例1における図形データ処理
結果判定・選択機能中の微小図形評価値算出方法を説明
するためのフローチャートである。
【図14】 実施例1の変形例を示すフローチャートで
ある。
【図15】 実施例1の変形例を示すフローチャートで
ある。
【図16】 本発明の実施例2における微小図形評価値
算出方法を説明するためのフローチャートである。
【図17】 実施例2の効果を説明するための図であ
る。
【図18】 本発明の実施例3における微小図形評価値
算出方法を説明するためのフローチャートである。
【図19】 本発明の実施例4における微小図形評価値
算出方法を説明するためのフローチャートである。
【図20】 実施例4の効果を説明するための図であ
る。
【図21】 本発明の実施例5における図形データ処理
結果判定・選択機能を説明するためのフローチャートで
ある。
【図22】 本発明の実施例5における図形データ処理
結果判定・選択機能を説明するためのフローチャートで
ある。
【図23】 本発明の実施例5における図形データ処理
結果判定・選択機能を説明するためのフローチャートで
ある。
【図24】 本発明の実施例5における微小図形評価値
算出方法を説明するためのフローチャートである。
【図25】 微小図形寸法値の領域と重み付けとの関係
を示す図である。
【図26】 従来の可変成形型の描画データ作成手順を
説明するための設計レイアウトデータを示す図である。
【図27】 従来の可変成形型の描画手順を説明するた
めの電子ビーム描画データを示す図である。
【図28】 従来の可変成形型の描画手順を説明するた
めの電子ビーム描画データを示す図である。
【図29】 従来の可変成形型の描画データ作成におけ
る問題点を説明するためのマスク上のレジストパターン
を示す図である。
【図30】 従来の可変成形型の描画データ作成におけ
る問題点を説明するための1ショットの電子ビームで描
画された場合のマスク上のレジストパターン寸法のばら
つきを示す図である。
【図31】 従来の可変成形型の描画データ作成におけ
る問題点を説明するための2ショットの電子ビームで描
画された場合のマスク上のレジストパターン寸法のばら
つきを示す図である。
【図32】 従来の可変成形型の描画データ作成におけ
る問題点を説明するための1ショットの電子ビームで描
画された場合の描画図形を示す図である。
【図33】 図32に対応する電子ビームの強度分布を
示す図である。
【図34】 従来の可変成形型の描画データ作成におけ
る問題点を説明するための2ショットの電子ビームで描
画された場合の描画図形を示す図である。
【図35】 図34に対応する電子ビームの強度分布を
示す図である。
【図36】 従来の可変成形型の描画データ作成におけ
る問題点を説明するための2ショットの電子ビームで描
画された場合で、かつ微小サイズの電子ビームで描画さ
れた場合のマスク上のレジストパターン寸法のばらつき
を示す図である。
【図37】 従来の電子ビーム描画データ作成装置にお
ける電子ビーム描画データの作成フローを示す図であ
る。
【図38】 図形間の重複除去処理を説明するための図
である。
【図39】 図形間の重複除去処理を説明するための図
である。
【図40】 図形間の白黒反転処理を説明するための図
である。
【図41】 図形間の白黒反転処理を説明するための図
である。
【符号の説明】
1 荷電ビーム描画装置、2 荷電ビーム描画データ作
成装置、3 CPU、5入力装置、6 内部メモリ、7
外部メモリ、11 設計レイアウトデータ領域、12
図形データ処理領域、13 微小図形。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田岡 弘展 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電機 株式会社北伊丹製作所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電ビーム描画装置に入力する描画デー
    タ信号を設計レイアウトデータ信号より作成する荷電ビ
    ーム描画データ作成装置であって、 図形データ処理領域寸法を与える信号を入力する入力手
    段と、 前記設計レイアウトデータ信号で与えられる領域を、前
    記入力手段が与える前記図形データ処理領域寸法で定ま
    る図形データ処理領域を一単位として領域分割する図形
    データ処理領域分割手段とを、備えた荷電ビーム描画デ
    ータ作成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の荷電ビーム描画データ作
    成装置において、 前記入力手段は更に微小図形寸法値を与える信号をも入
    力し、 前記図形データ処理領域毎に、前記設計レイアウトデー
    タ信号で与えられる領域の水平方向及び垂直方向のそれ
    ぞれに関して、前記設計レイアウトデータ信号に対して
    所定の図形演算処理を実行し、当該図形データ処理領域
    内に基本図形のデータ信号を与える図形データ処理結果
    を生成する図形データ処理結果生成手段と、 前記図形データ処理領域毎に、前記水平方向及び垂直方
    向のそれぞれに関して、前記図形データ処理結果中に含
    まれる前記基本図形のデータ信号の内で微小図形を与え
    るものを前記入力手段が与える前記微小図形寸法値の信
    号に基づき判定して前記微小図形が荷電ビーム描画に与
    える影響度を表す微小図形評価値を求め、前記水平方向
    及び垂直方向に関する前記微小図形評価値を比較してそ
    の値が少ない方の方向に関する前記図形データ処理結果
    を選択する図形データ処理結果判定・選択手段とを、更
    に備えた荷電ビーム描画データ作成装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の荷電ビーム描画データ作
    成装置において、 前記図形データ処理結果生成手段は、 前記所定の図形演算処理として、前記設計レイアウトデ
    ータ信号中の重複部分の除去処理及び白黒反転処理を実
    行する重複除去/白黒反転処理手段を備える、荷電ビー
    ム描画データ作成装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の荷電ビーム描画データ作
    成装置において、 前記図形データ処理結果判定・選択手段は、 前記水平方向及び垂直方向のそれぞれに関して、前記基
    本図形の辺の寸法値の少なくとも一つが前記微小図形寸
    法値以下にあるときに当該基本図形のデータ信号は前記
    微小図形を与えると判定する微小図形判定手段を備え
    る、荷電ビーム描画データ作成装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の荷電ビーム描画データ作
    成装置において、 前記図形データ処理結果判定・選択手段は、 前記水平方向及び垂直方向のそれぞれに関して、前記微
    小図形判定手段の判定結果に応じて前記微小図形の個数
    を累算してその総和を前記微小図形評価値として出力す
    る微小図形評価値算出手段を更に備える、荷電ビーム描
    画データ作成装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の荷電ビーム描画データ作
    成装置において、 前記図形データ処理結果判定・選択手段は、 前記水平方向及び垂直方向のそれぞれに関して、前記微
    小図形判定手段の判定結果に応じて前記微小図形の長辺
    の長さを累算してその総和を前記微小図形評価値として
    出力する微小図形評価値算出手段を更に備える、荷電ビ
    ーム描画データ作成装置。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の荷電ビーム描画データ作
    成装置において、 前記図形データ処理結果判定・選択手段は、 前記水平方向及び垂直方向のそれぞれに関して、前記微
    小図形判定手段の判定結果に応じて前記微小図形の面積
    を算出してその値を累算し、前記微小図形の面積の総和
    を前記微小図形評価値として出力する微小図形評価値算
    出手段を更に備える、荷電ビーム描画データ作成装置。
  8. 【請求項8】 請求項4記載の荷電ビーム描画データ作
    成装置において、 前記図形データ処理結果判定・選択手段は、 前記水平方向及び垂直方向のそれぞれに関して、前記微
    小図形判定手段の判定結果に応じて前記微小図形の長辺
    の長さとその短辺の長さとの比として与えられるアスペ
    クト比を算出して当該アスペクト比の値を累算し、前記
    アスペクト比の総和を前記微小図形評価値として出力す
    る微小図形評価値算出手段を更に備える、荷電ビーム描
    画データ作成装置。
  9. 【請求項9】 請求項3記載の荷電ビーム描画データ作
    成装置において、 前記入力手段は、前記微小図形寸法値を与える信号を複
    数の微小図形寸法値領域に渡って指定すると共に、前記
    複数の領域の各々に対して前記微小図形の寸法の重要度
    を示す重み付けを与える信号を設定し、 前記図形データ処理結果判定・選択手段は、 前記水平方向及び垂直方向のそれぞれに関して、前記基
    本図形の辺の寸法値の少なくとも一つが前記複数の微小
    図形寸法値領域の何れに該当するか否かを判定すること
    により前記微小図形か否かを判定する微小図形判定手段
    と、 前記水平方向及び垂直方向のそれぞれに関して、前記微
    小図形判定手段が前記微小図形であると判定した結果に
    応じて、対応する前記微小図形寸法値領域に設定された
    前記重み付けを与える信号に基づき前記微小図形評価値
    を算出する微小図形評価値算出手段とを備える、荷電ビ
    ーム描画データ作成装置。
  10. 【請求項10】 請求項2記載の荷電ビーム描画データ
    作成装置において、 前記図形データ処理結果生成手段は、 前記所定の図形演算処理として、前記設計レイアウトデ
    ータ信号中の重複部分の除去処理を実行する重複除去処
    理手段を備える、荷電ビーム描画データ作成装置。
  11. 【請求項11】 荷電ビーム描画装置に入力する描画デ
    ータ信号を設計レイアウトデータ信号より作成する荷電
    ビーム描画データ作成装置であって、 微小図形寸法値を与える信号を入力する入力手段と、 前記設計レイアウトデータ信号で与えられる領域の水平
    方向及び垂直方向のそれぞれに関して、前記設計レイア
    ウトデータ信号に対して所定の図形演算処理を実行し、
    当該図形データ処理領域内に基本図形のデータ信号を与
    える図形データ処理結果を生成する図形データ処理結果
    生成手段と、 前記水平方向及び垂直方向のそれぞれに関して、前記図
    形データ処理結果中に含まれる前記基本図形のデータ信
    号の内で微小図形を与えるものを前記微小図形寸法値の
    信号に基づき判定して、前記微小図形が荷電ビーム描画
    に与える影響度を表す微小図形評価値を求め、前記水平
    方向及び垂直方向に関する前記微小図形評価値同士を比
    較してその値が少ない方の方向に関する前記図形データ
    処理結果を選択する図形データ処理結果判定・選択手段
    とを、備えた荷電ビーム描画データ作成装置。
  12. 【請求項12】 与えられた設計レイアウトデータ信号
    より描画データ信号を作成する荷電ビーム描画データ作
    成装置と、 前記描画データ信号に基づき荷電ビーム描画を行いレジ
    ストパターンを形成する荷電ビーム描画装置とを備え、 前記荷電ビーム描画データ作成装置は、 図形データ処理領域寸法を与える信号と微小図形寸法値
    を与える信号とを入力する入力手段と、 前記設計レイアウトデータ信号で与えられる領域を、前
    記図形データ処理領域寸法を与える信号で定まる図形デ
    ータ処理領域を一単位として領域分割する図形データ処
    理領域分割手段と、 前記図形データ処理領域毎に、前記設計レイアウトデー
    タ信号で与えられる領域の水平方向及び垂直方向のそれ
    ぞれに関して、前記設計レイアウトデータ信号に対して
    所定の図形演算処理を実行し、当該図形データ処理領域
    内に基本図形のデータ信号を与える図形データ処理結果
    を生成する図形データ処理結果生成手段と、 前記図形データ処理領域毎に、前記水平方向及び垂直方
    向のそれぞれに関して、前記図形データ処理結果中に含
    まれる前記基本図形のデータ信号の内で微小図形を与え
    るものを前記入力手段が与える前記微小図形寸法値の信
    号に基づき判定して前記微小図形が荷電ビーム描画に与
    える影響度を表す微小図形評価値を求め、前記水平方向
    及び垂直方向に関する前記微小図形評価値を比較してそ
    の値が少ない方の方向に関する前記図形データ処理結果
    を選択・出力する図形データ処理結果判定・選択手段
    と、 前記図形データ処理結果判定・選択手段が出力する前記
    図形データ処理結果に基づき前記描画データ信号を作成
    する描画データ信号作成手段とを、備えた、荷電ビーム
    描画システム。
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GB9600335A GB2301759B (en) 1995-06-02 1996-01-08 Charged particle beam drawing system including charged particle beam drawing data production apparatus
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