JPH08329500A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、サスペンションバネがレンズホルダ
ーまたはダンパーベースに対して容易に固定され得るよ
うにした、光ピックアップ装置を提供することを目的と
する。 【構成】対物レンズ１１を保持するレンズホルダー１２
と、該レンズホルダーのコイル巻回部に巻回されたフォ
ーカシング用コイル１２ａ及びトラッキング用コイル１
２ｂと、該レンズホルダーを固定配置されたダンパーベ
ース１３に対してフォーカシング方向及びトラッキング
方向に移動可能に支持するサスペンションバネ１４とを
含んでいる、光ピックアップ装置１０において、上記サ
スペンションバネが、ダンパーベース１３（ベース部１
３ａ）のサスペンションバネ取付部２０，２１，３０及
び３１に対して、該サスペンションバネ取付部２０，２
１，３０及び３１に形成された溝２０ｃ，２０ｄ内にカ
シメ固定されるように、光ピックアップ装置１０を構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ディスクの信号を記
録及び／または再生するために使用される光ピックアッ
プ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、このような光ピックアップ装置
は、例えば図５及び図６に示すように、構成されてい
る。即ち、図５及び図６において、光ピックアップ装置
１は、対物レンズ２を保持するレンズホルダー３と、該
レンズホルダー３に備えられたコイルボビンに巻回され
たフォーカシング用コイル３ａ及びトラッキング用コイ
ル３ｂと、該レンズホルダー３を固定配置されたダンパ
ーベース４に対してフォーカシング方向Ｆ及びトラッキ
ング方向Ｔに移動可能に支持するサスペンションバネ５
とを含んでいる。

【０００３】上記サスペンションバネ５は、図示の場
合、それぞれレンズホルダー３の両側にて、その側面と
ダンパーベース４とを貫通してはんだ付け５ａされ、機
械的に固定され且つ電気的に接続されて、レンズホルダ
ー３の側面とダンパーベース４との間を連結するよう
に、全体として二対、計四本のサスペンションバネ５が
配設されている。この場合、共振防止としてシリコンを
主成分とするゲル状ダンピング材５ｂ，５ｂが充填硬化
されており、ダンピング材５ｂ，５ｂによって制振が行
われ、これにより、レンズホルダー３は、片持ちに支持
されて傾斜することなく、フォーカシング方向Ｆ及びト
ラッキング方向Ｔに関して、有害な振動が抑制さ、平行
移動され得るようになっている。

【０００４】他方、ダンパーベース４に対して、２本の
ヨーク８が固定配置されている。このヨーク８は、二つ
の端部８，８が、それぞれレンズホルダー３をトラッキ
ング方向に垂直な水平方向から間隔を開けて挟むように
配設されている。さらに、該端部８，８のレンズホルダ
ー３に対向した内面には、マグネット９ａ，９ｂが備え
られている。

【０００５】このように構成された光ピックアップ装置
１においては、レンズホルダー３のコイル巻回部に巻回
された各コイルの巻線は、それぞれサスペンションバネ
５を介して、外部の駆動電圧供給源に接続される。これ
により、外部から、各コイル３ａ，３ｂに駆動電圧が供
給されることにより、フォーカシング用コイル３ａまた
はトラッキング用コイル３ｂに磁界が発生し、その磁束
が、ヨーク８及びマグネット９ａ，９ｂにより形成され
且つ該コイル３ａ，３ｂを通過する磁束と相互に作用す
ることにより、該レンズホルダー３が、フォーカシング
方向Ｆ及びトラッキング方向Ｔに移動され得る。かくし
て、レンズホルダー３に取り付けられた対物レンズ２
が、フォーカシング方向Ｆ及びトラッキング方向Ｔに関
して適宜に移動せしめられ得るようになっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成の光ピックアップ装置１においては、各サスペ
ンションバネ５は、サスペンションバネ５の両端を貫通
する貫通孔をレンズホルダー３およびダンパーベース４
に設け、サスペンションバネ５の両端を貫通した後、は
んだ付け５ａされている。このため、ハンダ付け工程が
必要になり、作業性があまり良くないという問題があっ
た。

【０００７】本発明は、以上の点に鑑み、サスペンショ
ンバネがレンズホルダーまたはダンパーベースに対して
容易に固定され得るようにした、光ピックアップ装置を
提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、対物レンズを保持するレンズホルダーと、該レン
ズホルダーのコイル巻回部に巻回されたフォーカシング
用コイル及びトラッキング用コイルと、該レンズホルダ
ーを固定配置されたダンパーベースに対してフォーカシ
ング方向及びトラッキング方向に移動可能に支持するサ
スペンションバネとを含んでいる、光ピックアップ装置
において、上記サスペンションバネが、レンズホルダー
及びダンパーベースの少なくとも一方のサスペンション
バネ取付部に対して、該サスペンションバネ取付部に形
成された溝内にカシメ固定されていることを特徴とす
る、光ピックアップ装置により、達成される。

【０００９】

【作用】上記構成によれば、サスペンションバネが、そ
の一端または両端にて、レンズホルダー及び／またはダ
ンパーベースに対して、サスペンションバネ取付部の溝
内にカシメ固定されているので、その取付作業は、サス
ペンションバネの端部を上記溝内にカシメるだけの簡単
な作業によって行なわれ得る。従って、従来のようなハ
ンダ付け作業が不要になるので、サスペンションバネの
取付時の作業性が向上せしめられ得ることになる。

【００１０】

【実施例】以下、この発明の好適な実施例を図１乃至図
５を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下に述べる
実施例は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に
好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲
は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載
がない限り、これらの態様に限られるものではない。

【００１１】図１は、本発明による光ピックアップ装置
の一実施例を示している。即ち、図１において、光ピッ
クアップ装置１０は、対物レンズ１１を保持するレンズ
ホルダー１２と、該レンズホルダー１２に備えられたコ
イル巻回部に巻回されたフォーカシング用コイル１２ａ
及びトラッキング用コイル１２ｂと、該レンズホルダー
１２を固定配置されたダンパーベース１３に対してフォ
ーカシング方向Ｆ及びトラッキング方向Ｔに移動可能に
支持するサスペンションバネ１４とを含んでいる。

【００１２】上記レンズホルダー１２は樹脂成形され、
一端に対物レンズ１１を保持すると共に、対物レンズ１
１以外は上記コイル巻回部を形成する中空部とされ、フ
ォーカシング用コイル１２ａ及びトラッキング用コイル
１２ｂが巻回されている。

【００１３】また、上記ダンパーベース１３は板金等金
属板を打抜いて形成され、先端には取付用穴１３ｃ，１
３ｃが設けられ、ほぼ中央には折り曲げ一体形成された
ヨーク１７が設けられ、他端には上記サスペンションバ
ネ１４の端部が取り付けられる樹脂性のベース部１３ａ
がネジ１３ｂ止めされている。

【００１４】上記サスペンションバネ１４は、図示の場
合、それぞれレンズホルダー１２の両側にて、その上面
とダンパーベース１３（ベース部１３ａ）の上面との間
を連結するように、設けられているが、該レンズホルダ
ー１２の両側の下面とダンパーベース１３（ベース部１
３ａ）の下面との間を連結するサスペンションバネも備
えられており、全体として二対、計四本のサスペンショ
ンバネ１４が配設されている。これにより、レンズホル
ダー１２は、傾斜することなく、フォーカシング方向Ｆ
及びトラッキング方向Ｔに関して、平行移動され得るよ
うになっている。

【００１５】さらに、上記各サスペンションバネ１４
は、その両端或いは一方特に、ダンパーベース１３（ベ
ース部１３ａ）に近い側が好ましいが、図示の場合、そ
の両端部分に、制振部１４ａを備えている。この制振部
１４ａは、一側から真っ直に延び且つやや大きな直径を
有する拡大部と、該拡大部の根元付近から、該拡大部を
包囲するように螺旋状に形成された環状部と、この拡大
部及び環状部全体を覆うように備えられた制振材とから
構成され、滴下された液状の制振材は、表面張力によっ
て、拡大部を中心に包囲し且つ周縁が環状部に沿って位
置するように、制振部に対してほぼ円弧状に付着・硬化
するように構成されている。

【００１６】さらに、上記ダンパーベース１３（ベース
部１３ａ）ならびにレンズホルダー１２の上下面の両側
に、光ピックアップ装置１０全体の厚さを極力抑えるべ
く段落して、それぞれサスペンションバネ取付部２０，
２１及び３０，３１が設けられている。尚、該サスペン
ションバネ取付部２０，２１及び３０，３１は、上記ダ
ンパーベース１３ならびにレンズホルダー１２の上下面
の両側に段落して形成されることに限定されず、設計値
によっては、同一面でも良く、又片側だけに段落して形
成されても良く、ダンパーベース１３及びレンズホルダ
ー１２の何れかに段落して形成する等、設計値に応じ、
適宜形成されるものである。

【００１７】このサスペンションバネ取付部２０，２１
及び３０，３１は、互いに対称に構成されているので、
以下、サスペンションバネ取付部２０について説明す
る。即ち、サスペンションバネ取付部２０は、図４に示
すように、側方に向いた段部２０ａと、該段部２０ａの
側壁２０ｂの前後に設けられ且つ側方に開放した溝部２
０ｃ，２０ｄと、該側壁２０ｂの前後方向の中央から側
方に向かって段部２０ａの中心付近まで延びる突条部２
０ｅと、該突条部２０ｃの先端にて上方に突出したボス
部２０ｆとから構成されている。

【００１８】ここで、上記溝部２０ｃは、側壁２０ｂの
前縁にて、側壁２０ｂの上方及び前方を閉鎖することに
より構成されている。また、上記溝部２０ｄは、側壁２
０ｂの後縁にて、側壁２０ｂの上方及び後方を閉鎖する
ことにより構成されている。さらに、上記側壁２０ｂの
前後方向の中央付近には、プリント基板１５（後述）に
電気的に導通された端子２０ｇが露出している。

【００１９】これに対して、該サスペンションバネ１４
の他端１４ａは、横方向に拡大されることにより、ほぼ
方形に形成されていると共に、その中心付近に係合穴１
４ｂを備えている。この方形の他端１４ａの長さは、上
記溝部２０ｃ，２０ｄの間隔より僅かに長く選定されて
いる。

【００２０】これにより、該サスペンションバネ１４の
他端１４ａの中央部を上方に湾曲させた状態で、他端１
４ａをダンパーベース１３（ベース部１３ａ）のサスペ
ンションバネ取付部２０の溝部２０ｃ，２０ｄの間に挿
入すると、該他端１４ａは、湾曲した状態のまま、前縁
及び後縁がそれぞれ上記溝部２０ｃ，２０ｄに係合し、
前後方向の中央部が突条部２０ｅに当接すると共に、他
端１４ａの係合穴１４ｂ内に、ボス部２０ｆが嵌入する
ことにより、カシメ固定され且つ挿入方向に関して所定
位置に位置決めされ得ることになる。このとき、サスペ
ンションバネ１４の他端１４ａは、その側縁が、サスペ
ンションバネ取付部２０の側壁２０ｂに露出した端子２
０ｇに当接することにより、該端子２０ｇに対して電気
的に接続され得ることとなり、ダンパーベース１３（ベ
ース部１３ａ）の端面に取付けられたプリント基板１５
及びサスペンションバネ１４を介して上記フォーカシン
グ用コイル１２ａ及びトラッキング用コイル１２ｂの巻
線は、外部の駆動電圧供給源に接続される。

【００２１】さらに、ダンパーベース１３に対して、ヨ
ーク１７が固定配置されている。このヨーク１７は、横
から見たとき、Ｕ字形の形状を有しており、二つのヨー
ク１７，１７が、それぞれレンズホルダー１２をトラッ
キング方向に垂直な水平方向から間隔を開けて挟むよう
に配設されている。さらに、該ヨーク１７，１７のレン
ズホルダー１２に対向した内面には、マグネット１８，
１８が備えられている（図３参照）。

【００２２】本発明による光ピックアップ装置１０は、
以上のように構成されており、レンズホルダー１２のコ
イル巻回部に巻回された各コイル１２ａ，１２ｂの巻線
は、それぞれサスペンションバネ１４及びプリント基板
１５を介して、外部の駆動電圧供給源に接続される。こ
れにより、外部から、各コイル１２ａ，１２ｂに駆動電
圧が供給されることにより、フォーカシング用コイル１
２ａまたはトラッキング用コイル１２ｂに磁界が発生す
る。そして、各コイル１２ａ，１２ｂによる磁束が、ヨ
ーク１７及びマグネット１８，１８により形成され且つ
該コイル１２ａ，１２ｂを通過する磁束と相互に作用す
ることにより、該レンズホルダー１２に対して、フォー
カシング方向Ｆ及びトラッキング方向Ｔの力が作用す
る。かくして、レンズホルダー１２に取り付けられた対
物レンズ１１が、フォーカシング方向Ｆ及びトラッキン
グ方向Ｔに関して適宜に移動せしめられ得るようになっ
ている。

【００２３】この場合、各サスペンションバネ１４は、
その他端１４ａが、ダンパーベース１３（ベース部１３
ａ）のサスペンションバネ取付部２０，２１，３０及び
に対して、図４に示すようにカシメ固定されると共に、
上記他端１４ａの側縁が、該取付部２０，２１内に露出
している端子２０ｇに当接されるので、ダンパーベース
１３に対して容易に取り付けられ得ることになる。さら
に、ボス部２０ｆの上に樹脂を塗布することにより、該
サスペンションバネ１４の他端１４ａは、図４に示すよ
うに、サスペンションバネ取付部２０，２１に対して、
固定保持され得ることになる。

【００２４】尚、上記実施例においては、サスペンショ
ンバネ１４は、その他端１４ａが、ダンパーベース１３
（ベース部１３ａ）のサスペンションバネ取付部２０，
２１，３０及び３１の溝部２０ｃ，２０ｄ内にカシメ固
定されているが、これに限らず、サスペンションバネ１
４は、その一端が、レンズホルダーのサスペンションバ
ネ取付部の溝部内にカシメ固定されるようにしてもよ
く、また一端及び他端の双方が、それぞれレンズホルダ
ー及びダンパーベースのサスペンションバネ取付部の溝
部内にカシメ固定されるようにしてもよいことは明らか
である。

【００２５】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、サ
スペンションバネが、その一端または両端にて、レンズ
ホルダー及び／またはダンパーベースに対して、サスペ
ンションバネ取付部の溝内にカシメ固定されているの
で、その取付作業は、サスペンションバネの端部を上記
溝内にカシメるだけの簡単な作業によって行なわれ得
る。従って、従来のようなハンダ付け作業が不要になる
ので、サスペンションバネの取付時の作業性が向上せし
められ得ることになる。

【００２６】かくして、本発明によれば、サスペンショ
ンバネがレンズホルダーまたはダンパーベースに対して
容易に固定され得るようにした、極めて優れた光ピック
アップ装置が提供され得ることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による光ピックアップ装置の一実施例を
示す概略斜視図である。

【図２】図１の光ピックアップ装置の平面図である。

【図３】図１の光ピックアップ装置の断面図である。

【図４】図１の光ピックアップ装置におけるサスペンシ
ョンバネを示し、（Ａ）は端部の取付前の状態を示す部
分拡大斜視図、（Ｂ）は取付後の状態を示す部分拡大斜
視図、及び（Ｃ）は部分拡大側面図である。

【図５】従来の光ピックアップ装置の一例を示す概略分
解斜視図である。

【図６】図５の光ピックアップ装置を組み付けた状態の
断面図である。

【符号の説明】

１０ 光ピックアップ装置 １１ 対物レンズ １２ レンズホルダー １２ａ フォーカシング用コイル １２ｂ トラッキング用コイル １３ ダンパーベース １３ａ ベース部 １４ サスペンションバネ １４ａ 他端 １４ｂ 係合穴 １５ プリント基板 １７ ヨーク １８ マグネット ２０，２１，３０，３１ サスペンションバネ取付
部 ２０ａ 段部 ２０ｂ 側壁 ２０ｃ，２０ｄ 溝部 ２０ｅ 突条部 ２０ｆ ボス部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 対物レンズを保持するレンズホルダー
   と、該レンズホルダーのコイル巻回部に巻回されたフォ
   ーカシング用コイル及びトラッキング用コイルと、該レ
   ンズホルダーを固定配置されたダンパーベースに対して
   フォーカシング方向及びトラッキング方向に移動可能に
   支持するサスペンションバネとを含んでいる、光ピック
   アップ装置において、 上記サスペンションバネが、レンズホルダー及びダンパ
   ーベースの少なくとも一方のサスペンションバネ取付部
   に対して、該サスペンションバネ取付部に形成された溝
   内にカシメ固定されていることを特徴とする、光ピック
   アップ装置。