JPH08327868A - レンズ鏡筒 - Google Patents

レンズ鏡筒

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JPH08327868A
JPH08327868A JP7130542A JP13054295A JPH08327868A JP H08327868 A JPH08327868 A JP H08327868A JP 7130542 A JP7130542 A JP 7130542A JP 13054295 A JP13054295 A JP 13054295A JP H08327868 A JPH08327868 A JP H08327868A
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lens barrel
rotating
optical axis
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fixed
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Yuji Inohara
祐治 猪原
Hitoshi Imanari
均 今成
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回動部材の回動範囲を制限するための部材を
光軸方向から装着できるようにして、作業を単純化して
作業性を改善し、かつ、自動化を容易にするレンズ鏡筒
を提供する。 【構成】 カメラ本体のレンズ取付部に装着される固定
部材2と、この固定部材2に装着されて、回動可能に支
持される回動部材8と、回動部材8の回動範囲を規制す
る規制部材として、固定部材側に設けられる第1部材2
eと、回動部材側に設けられる第2部材21とを備え
る。第2部材21は、それが設けられるべき回動部材8
の取付部8eに光軸方向に着脱可能に取り付けられる。
第1部材2eは、固定部材に設けられる。上記第1部材
2eと第2部材21とが、相互に当接することで回動部
材8の回動を規制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基端側がカメラ本体の
レンズ取付部に固定可能に装着される固定部材と、この
固定部材に、光軸方向に装着されると共に回動可能に支
持される回動部材とを有するレンズ鏡筒に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レンズ鏡筒としては、カメラ本体
に連結される固定筒と、この固定筒と、回転可能に嵌め
込んだ回転環とを有するものがある。このようなレンズ
鏡筒では、回転環が光軸方向に移動することを防ぐため
の抜け止め環が設けられている。また、回転環と固定筒
には、回転環の回動範囲を制限するための部材が設けら
れている。すなわち、回転環には、その一端に、半径方
向に突出する突起が設けられ、固定筒には、この突起を
係止するブロック材が半径方向にねじ止めされて設けら
れる。
【0003】また、この種のレンズ鏡筒として、実公平
5−31606号公報に開示されるものがある。同公報
に開示されるものは、レンズ鏡筒本体と、それに回動可
能に装着されるフォーカシング環と、レンズ鏡筒本体に
ビス止めされる外装用外枠とを有する。そして、このレ
ンズ鏡筒では、フォーカシング環の回動制限のため、フ
ォーカシング環の半径方向に取り付けられる制限ねじ
と、外枠内周部に設けられて、上記制限ねじの頭部分を
係止する制限突起とが、制限部材として設けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、製品の組立を
行なうに際し、基本となる部品に、順次他の部品を取り
付けることが行なわれる。この際、組立作業の単純化、
および、容易化を図る上からは、なるべく同一方向から
部品を装着し、取付作業を行なえることが望ましい。具
体的には、レンズ鏡筒の場合、筒状体、環状体等につい
ては、それらの大部分が光軸方向から取り付けられる。
従って、それらと共に取り付けられる関連する部品につ
いても、同様に光軸方向から取り付けられる構造となっ
ていれば好ましい。特に、組立の自動化について考慮す
ると、作業機の動作の単純化を図る上でも、同一方向か
ら組み立てられるようにすることが望まれる。
【0005】しかし、上記の従来技術においては、例え
ば、制限用のブロック部材、制限ねじ等の制限部材を取
り付ける際に、半径方向から作業を行なう必要がある。
そのため、レンズ鏡筒を組み立てる際に、組立方向の同
一化が図りにくいという問題がある。すなわち、作業性
が悪く、自動化もしにくいという問題がある。
【0006】本発明の目的は、回動部材の回動範囲を制
限するための部材を光軸方向から装着できるようにし
て、作業を単純化して作業性を改善し、かつ、自動化を
容易にしたレンズ鏡筒を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明の一態様によれば、基端側がカメラ本体のレ
ンズ取付部に固定可能に装着される固定部材と、この固
定部材に、光軸方向に装着されると共に回動可能に支持
される回動部材と、回動部材の回動範囲を規制する規制
部材とを備えるレンズ鏡筒において、上記規制部材は、
固定部材側に設けられる第1部材と、回動部材側に設け
られる第2部材とで構成され、第1部材および第2部材
の少なくとも一方は、それが設けられるべき固定部材ま
たは回動部材に光軸方向に着脱可能に取り付けられ、当
該第1部材または第2部材が着脱可能に設けられる固定
部材または回動部材は、当該第1部材または第2部材を
取り付けるための取付部を有し、上記第1部材と第2部
材とが、相互に当接することで回動部材の回動を規制す
ることを特徴とするレンズ鏡筒が提供される。
【0008】固定部材は、装着された回動部材の抜けを
阻止するための抜け防止部を有し、回動部材は、抜け防
止部による抜け阻止を回避して、当該回動部材を固定部
材に着脱するための着脱部を有する構造とすることがで
きる。この場合、少なくとも回動部材は、筒状体で構成
され、固定部材の外周に嵌められる構造とすることがで
きる。
【0009】抜け防止部は、固定部材の先端側で、半径
方向に突出する突出部で構成され、突出部の先端と内接
する仮想円周の半径が、回動部材の内周半径より大きい
構造とすることができる。
【0010】上記突出部は、その円周方向の側面が第2
部材と当接する位置に設けられ、上記第1部材としても
機能する構成とすることができる。
【0011】また、上記取付部は、例えば、回動部材に
設けられ、かつ、上記着脱部とは異なる角度位置に配置
される。この場合、上記取付部は、回動部材の端面に開
口して、光軸方向に延びる貫通孔で構成でき、この貫通
孔は、回動部材の端面の複数箇所に設けられることがで
きる。
【0012】上記第2部材は、例えば、断面L形状の係
止片で構成されることができる。この場合、係止片の一
端が、他端が内周側に延びる姿勢で上記取付部に装着さ
れる。
【0013】上記第1部材および第2部材の少なくとも
一方の、第1部材および第2部材との当接部分に、緩衝
部材を設けることができる。具体的には、例えば、上記
係止片の他端側に、緩衝部材を装着することができる。
【0014】また、上記第1部材および第2部材のう
ち、取付部に取り付けられなかった、他方の部材は、例
えば、それが設けられるべき固定部材または回動部材
に、予め一体的に設けられることができる。
【0015】
【作用】本発明では、固定部材と、この固定部材に光軸
方向に装着されると共に回動可能に支持される回動部材
とに、回動部材の回動範囲を規制する規制部材を設け
る。具体的には、規制部材は、固定部材側に第1部材を
設け、回動部材側に第2部材を設ける。第1部材および
第2部材の少なくとも一方は、それが設けられるべき固
定部材または回動部材に光軸方向に着脱可能に取り付け
られる。取付は、当該第1部材または第2部材が着脱可
能に設けられる固定部材または回動部材に設けられた、
当該第1部材または第2部材を取り付けるための取付部
について行なわれる。なお、他の部材については、予め
それが取り付けられるべき固定部材または回動部材に一
体的に設けることができる。従って、規制部材は、回動
部材と同様に、光軸方向から装着でき、作業の同一方向
化を達成することができる。
【0016】なお、本発明では、取付部に取り付ける
際、ねじを用いずに、押し込み動作で、行なうようにす
ることができる。その場合には、ねじを用いないので、
ねじを回転させるための回転運動を必要としない。従っ
て、取付のために、作業性を悪くすることはない。
【0017】また、第1部材および第2部材の少なくと
も一方の、第1部材および第2部材との当接部分に、緩
衝部材を配置する場合には、回動部材が回動して、第1
部材と第2部材とが当接した際の衝撃を緩衝する。その
ため、従来、制限部材の当接の際に発生していた衝突音
の発生を抑制することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。実
施例の説明に当たり、まず、レンズ鏡筒の構造の概要を
説明し、ついで、規制部材の構造について説明し、その
後、レンズ鏡筒と全体の構造および動作について説明す
る。
【0019】図1は、本発明の実施例のレンズ鏡筒の断
面図である。本発明のレンズ鏡筒は、図1に示すよう
に、図示されていないカメラボディのメスマウントに装
着するためのオス側の固定マウント1と、固定マウント
1と一体の固定部2と、光軸方向に回転させることでズ
ーミングを行なうズーム環3と、組立調整後にズーム環
3と一体に回転するようにズーム環3に固定される調整
部材4と、レンズ群L1、L2の移動を制御するカム機
構を構成するカム環5と、カム環5に連動してレンズ群
L1をズーム移動させるオスヘリコイド部材6と、レン
ズ群L1の保持枠7と、図示されていない駆動ギアによ
って光軸回りに回転する駆動環8と、固定部2にビス1
2で位置決めされ固定される直進連動キー10と、レン
ズ群L2を保持する保持部材11とを有する。
【0020】次に、レンズ鏡筒の他の部分について、図
1を参照して説明する。
【0021】図1において、固定マウント1には、バヨ
ネット1aが設けられている。固定部2には、その内径
部分に突きでた3カ所の直進キー2aと、光軸回りに設
けられる、ズーミングの範囲をカバーする角度溝として
機能する案内溝2bと、固定部2の先端部分に設けられ
た案内溝2cとが設けられる。
【0022】ズーム環3は、その内径側の3か所で突出
し、それぞれ案内溝2bに係合しているピン3aと、ズ
ーム環3の前端部の内径側に突きでた直進キー3bとを
有する。調整部材4には、内径側に設けられたメスヘリ
コイドねじ4aが設けられる。ここで、15は、ズーム
環3と調整部材4とは、調整後に固定する接着テープで
ある。また、20は、接着テープ15で固定後にズーム
環3と調整部材4に被せるゴムリングである。
【0023】カム環5は、右外側に設けられた直進案内
溝5aと、外径側に設けたオスヘリコイドねじ5bと、
カム環5の左外周部分に設けられたカム突起5cと、内
径部分に設けられた凹状のカム溝5dとを有する。オス
ヘリコイド部材6は、外径左部分に設けられるヘリコイ
ドねじ6aと、内径部分に設けられるカムフォロアー6
b、6cと、外径の右側部分に設けられる直進案内溝6
dとを有する。
【0024】レンズ群L1の保持枠7は、内径部分に設
けたメスヘリコイドねじ7aと、外径右側部分に設けら
れた係合用のキー7bとを有する。駆動環8は、駆動環
8と一体で光軸方向に延びた連動用のキー8aと、内径
部分に設けた駆動用のギヤ8bとを有する。レンズ群L
2を保持する保持部材11は、外径部分に設けられ、カ
ム溝5dに係合する連動突起11aと、直進連動キー1
0と係合する案内溝11bとを有する。
【0025】以上の構造によれば、ズーム環3を光軸回
りに回動させると、ズーム環3と一体に固定される調整
部材4およびカム環5が光軸回りに回転する。カム突起
5cが光軸回りに回転することになるので、カム突起5
cを挟むように係合するカムフォロワー6b、6cと、
固定部2の直進キー2aに係合する直進溝6dの作用
で、オスヘリコイド部材6が光軸方向に前後移動する。
これにより、オスヘリコイド部材6にねじ係合するレン
ズ群L1の保持枠7も、一体に光軸方向にズーミング移
動することになる。一方、レンズ群L2の保持部材11
は、カム環5の内径カム溝5dに係合する連動突起11
aと、直進連動キー10と係合する案内溝11bとの作
用によって、カム環5が回転すると、光軸方向に移動す
る。これにともなって、レンズ群L2が、光軸方向にズ
ーミング移動する。
【0026】レンズ群L1は、合焦レンズ群でもあり、
保持枠7が回動すると、ヘリコイドねじ7a、6aの駆
動作用で光軸方向移動を行い、合焦動作を行う。係合用
のキー部分7bが駆動環8の連動用のキー部分8aと回
転連動するので、合焦動作を行う場合に、駆動環8が回
転する。駆動環8は、固定部2の案内溝2cによって光
軸回りに回転のみ可能に拘束される。AFのためにモー
タとギヤで駆動する場合は、駆動環8に設けられたギヤ
8bと不図示の駆動ギアとによって、光軸回りに回転す
る。
【0027】次に、固定部材である固定部2に回動部材
である駆動環8を装着し、さらに、規制部材を装着する
構成について、図2以下の各図を参照して説明する。
【0028】図2に、固定部2に、駆動環8を、光軸に
沿って嵌め込む状態をレンズ鏡筒の正面側から見た状態
を示す。また、図3に、図2の状態から駆動環8を時計
方向に回転させた状態を示す。なお、図2および図3で
は、駆動環の装着に関係する部分を重点的に示し、他の
部分については、省略してある。
【0029】固定部2は、図1に示すように、固定マウ
ント1に一体的に設けられ、レンズ鏡筒のほぼ中間部分
で、駆動環8を回動自在に支持する。図2−図6に示す
ように、固定部2は、マウント1に連結されている基端
側に、筒状体部2gを有する。筒状体部2gの先端側に
は、その筒状体部2gの開口端から光軸に沿って先端側
に突出する駆動環支持部2fを有する。駆動環支持部2
fは、開口端の円周に沿って、3ヵ所に、120度ずつ
配置される。駆動環支持部2fの先端には、さらに、半
径方向の外周向きに突出部2eが設けられている。突出
部2eは、駆動環8が装着された場合に、その抜け止め
部として機能するほか、駆動環8の回動範囲を規制する
ための規制部材の一部を構成する。突出部2eの先端部
の高さは、本実施例では、筒状体部2gの肉厚と同じ高
さとしてある。この突出部2eと筒状体部2gとで、駆
動環8を支持する。従って、筒状体部2g、駆動環支持
部2fおよび突出部2eの断面を見ると、図4に示すよ
うに、凹形状となっている。
【0030】駆動環8は、例えば、プラスチックで形成
され、図2に示すように、光軸と直交する面で円環を構
成する部分を有する。図2−図4、および、図6に示す
ように、駆動環8の先端側端面の内周側には、突出部2
eの先端面で支持される段部8gが環状に設けられてい
る。突出部2eは、この段部8gを支持しつつ回動す
る。駆動環8には、段部8gと同様に、図4−図6に示
すように、段部8hが設けられている。この段部8h
は、筒状体部2gで支持される。また、駆動環8の内周
側の3ヵ所に、120度の角度間隔で、光軸方向に延び
る直進溝8fが設けられている。直進溝8fは、固定部
2に対する着脱を行なうための着脱部として設けられて
いる。直進溝8fの深さは、後述するように、固定部2
に設けられる突出部2eが、直進溝8fを相対的に通過
できる大きさに設定される。すなわち、図4に示すよう
に、駆動環8を固定部2に装着する際、突出部2eを避
けて装着するために、直進溝8fが設けられている。す
なわち、突出部2eと直進溝8fとは、キーとキー溝の
ような関係となっている。そして、駆動環8を、図3に
示すように、例えば、時計方向に回動させると、駆動環
8は、3ヵ所にある突出部2eが段部8gと係合するた
め、駆動環8の抜けが防止される。
【0031】また、その端面8cには、後述する係止部
材の第2部材を構成する係止片21を取り付けるための
取付部として機能する貫通孔8e,8eが設けてある。
これらの貫通孔8e,8eは、上記直進溝8fとは、異
なる角度位置に設けられている。また、貫通孔8e,8
eと光軸とのなす鋭角θは、係止片21の可動角度範
囲、すなわち、駆動環8の回動許容角度範囲に対応し
て、その角度が設定される。また、貫通孔8eは、開口
断面が長方形状となっている。これによって後述するよ
うに、係止片21を薄型に形成することができる。
【0032】係止片21は、図7−図9に示すように、
断面L字形状の部材で構成される。具体的には、例え
ば、金属片を目的の形状に打ち抜き、それをL字形状に
折り曲げることにより形成することができる。係止片2
1は、もちろん、金属片に限らず、プラスチック片、セ
ラミック片で形成してもよい。また、係止片21は、図
5および7に示すように、一端側が二つに分割されてい
る。これは、バネ性を持たせるためである。そして、そ
の分割された端部の両側の外側面は、わずかに突出した
係止部21dがそれぞれ設けられている。この係止部2
1dは、図5に示すように、係止片21の先端を貫通孔
8eに挿通して、反対側の開口端に突出させたとき、貫
通孔8eの開口端に係合して、係止片21自体の抜けを
阻止する。また、係止片21の他端側では、凹部21c
が両外側に設けてある。これは、後述する緩衝部材22
を装着した際の抜け止めのための係合部として用いられ
る。
【0033】係止片21は、上述した突出部2eとで、
規制部材を構成する。すなわち、突出部2eが、固定部
材である固定部2側に設けられる第1部材となり、係止
片21が、回動部材である駆動環8側に設けられる第2
部材となる。ところで、本実施例では、突出部2eは、
3ヵ所に設けられているが、それらの全てが規制部材と
して働くわけではない。この例では、図3に示すよう
に、2ヵ所の突出部2e(A)および2e(B)が規制
部材として働く。すなわち、隣接する突出部間に取付部
として設けられた貫通孔8e,8eを挾む位置にある突
出部2e(A)および2e(B)が規制部材の第1部材
となる。
【0034】緩衝部材22は、全体として角筒形状に設
けられ、筒内部に、係止片21の他端が挿通される。こ
の緩衝部材22は、例えば、ゴム等の弾性を有する材料
で形成される。この緩衝部材22の内部には、上記係止
片21の凹部21cと係合する凸部22aが設けられて
いる。緩衝部材22に係止片21を挿通すると、凹部2
1cに凸部22aが嵌め込まれ、凹部21cに対して相
対的に突出する突出部21bが凸部22aを係止して、
抜けを防止する。
【0035】この緩衝部材22を係止片21に取り付け
ることにより、係止片21が、突出部2eの側面に当接
した際の衝撃音の発生を抑圧することができる。係止片
21と突出部との衝撃音の発生が気にならない場合に
は、この緩衝部材22の取付を省略してもよい。
【0036】次に、固定部2への駆動環8の装着と、規
制部材による回動範囲を制限する動作について説明す
る。
【0037】まず、駆動環8を固定部2に装着する。こ
れは、図2に示すように、各突出部2eが対応する各直
進溝8fに嵌まるように位置決めして、駆動環8を光軸
に沿ってカメラボディ方向に押し込む。これにより、各
突出部2eが対応する直進溝8fに沿って相対的に変位
して、駆動環8の先端側まで移動して、駆動環8の段部
8hが筒状体部2gと係合して、止まる。この状態で、
駆動環8は、突出部2eと筒状体部2gとで回動可能に
支持される。ここで、駆動環8を、例えば、図3に示す
ように、時計方向に回動させる。この状態では、駆動環
8は、その段部8gが、3ヵ所の突出部2eに係止され
て、抜けが防止される。
【0038】次に、この状態で、2ヵ所設けられている
各貫通孔8e(A),8e(B)に、図3に、仮想線で
示すように、それぞれ係止片21を装着する。この係止
片21には、上述したように、弾性部材22が予め装着
してある。このような係止片21を貫通孔8eに装着す
るには、二つに分割された先端21aを、互いに接近す
る方向に、若干、押し縮めつつ、貫通孔8eの内に挿通
して、貫通孔8eの他端側に突出させる。これにより、
係止片21は、図5および図6に示すように、係止部2
1dが貫通孔8eの開口端に係合して、係止片21自体
の抜けを阻止する。
【0039】このようにして、駆動環8と規制部材とが
固定部2に装着されることになる。図3に示すように、
この状態で、駆動環8が時計方向に回動したとき、突出
部2e(A)は、貫通孔8e(A)に取り付けられる係
止片21を係止する。一方、駆動環8が反時計方向に回
動したとき、突出部2e(B)は、貫通孔8e(B)に
取り付けられる係止片21を係止する。すなわち、貫通
孔8e(A)と突出部2e(B)とのなす角θの範囲
で、係止片21の動き、すなわち、駆動環8の回動を許
容する。
【0040】このとき、係止片121に弾性部材22が
装着されている場合には、係止片21が突出部2eと当
接しても、当接時の衝撃を弾性部材22が吸収するの
で、金属的な音等の衝撃音の発生を抑圧することができ
る。
【0041】なお、駆動環8を取り外す場合には、上記
装着の場合と逆の手順を経ることにより行なえる。
【0042】このように、上記実施例では、固定部2
に、駆動環8を光軸方向に押し込むことで装着でき、さ
らに、駆動環8を回動させた後、係止片21を貫通孔8
eに押し込むことで、簡単に、駆動環の装着と、規制部
材の装着が行なえる。しかも、この際の、組立動作は、
光軸方向のみで行なえる。すなわち、光軸方向の押し込
み動作と、光軸回りの回転動作とで、連続する組立を行
なえる。従って、組立工程が単純化でき、そのため、自
動化も容易となる。
【0043】上記実施例では、係止片21を回動部材で
ある駆動環8に装着しているが、固定部2側に装着する
ようにしてもよい。その場合には、駆動環8側に、突出
部2eに相当する部分を設けて、規制部材を構成すれば
よい。また、固定側および回動側の両者共、係止片を装
着する構造としてもよい。ただし、係止片を一方のみと
し、他方は、当該部材と一体的に設けることにすれば、
組み立てる部品の点数を少なくすることができて好まし
い。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、回動部材の回動範囲を
制限するための部材を光軸方向から装着できるようにし
て、作業を単純化して作業性を改善し、かつ、自動化を
容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すレンズ鏡筒の断面図であ
る。
【図2】実施例の固定部材に、駆動環を、光軸に沿って
嵌め込む状態をレンズ鏡筒の正面側から示す正面図であ
る。
【図3】実施例の固定部材に、駆動環を嵌め込んだ後、
外れないように駆動環を回動させた状態をレンズ鏡筒の
正面側から示す正面図である。
【図4】実施例の駆動環を固定部に嵌め込んだ状態を示
す部分断面図である。
【図5】係止片を駆動環に装着した状態を示す一部を破
断した拡大平面図である。
【図6】係止片を駆動環に装着した状態を示す拡大平面
図である。
【図7】本発明で用いられる係止片の一例を示す平面図
である。
【図8】本発明で用いられる係止片の一例を示す正面図
である。
【図9】本発明で用いられる係止片の一例を示す側面図
である。
【図10】上記係止片に装着される弾性部材の一例を示
す断面図である。
【主要部分の符号の説明】
2…固定部 2e…突出部 2f…駆動環支持部 8…駆動環 8c…端面 8e…貫通孔 8f…直進溝 8g…段部 21…係止片 22…緩衝部材

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基端側がカメラ本体のレンズ取付部に固定
    可能に装着される固定部材と、この固定部材に、光軸方
    向に装着されると共に回動可能に支持される回動部材
    と、回動部材の回動範囲を規制する規制部材とを備える
    レンズ鏡筒において、 上記規制部材は、固定部材側に設けられる第1部材と、
    回動部材側に設けられる第2部材とで構成され、第1部
    材および第2部材の少なくとも一方は、それが設けられ
    るべき固定部材または回動部材に光軸方向に着脱可能に
    取り付けられ、 当該第1部材または第2部材が着脱可能に設けられる固
    定部材または回動部材は、当該第1部材または第2部材
    を取り付けるための取付部を有し、 上記第1部材と第2部材とが、相互に当接することで回
    動部材の回動を規制することを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 【請求項2】請求項1において、 固定部材は、装着された回動部材の抜けを阻止するため
    の抜け防止部を有し、 回動部材は、抜け防止部による抜け阻止を回避して、当
    該回動部材を固定部材に着脱するための着脱部を有する
    ことを特徴とするレンズ鏡筒。
  3. 【請求項3】請求項2において、少なくとも回動部材
    は、筒状体で構成され、固定部材の外周に嵌められるこ
    とを特徴とするレンズ鏡筒。
  4. 【請求項4】請求項3において、 抜け防止部は、固定部材の先端側で、半径方向に突出す
    る突出部で構成され、突出部の先端と内接する仮想円周
    の半径が、回動部材の内周半径より大きいことを特徴と
    するレンズ鏡筒。
  5. 【請求項5】請求項4において、上記突出部は、その円
    周方向の側面が第2部材と当接する位置に設けられ、上
    記第1部材としても機能することを特徴とするレンズ鏡
    筒。
  6. 【請求項6】請求項3、4または5において、上記取付
    部は、回動部材に設けられ、かつ、上記着脱部とは異な
    る角度位置に配置されることを特徴とするレンズ鏡筒。
  7. 【請求項7】請求項6において、上記取付部は、回動部
    材の端面に開口して、光軸方向に延びる貫通孔であり、
    回動部材の端面の複数箇所に設けられることを特徴とす
    るレンズ鏡筒。
  8. 【請求項8】請求項7において、上記第2部材は、断面
    L形状の係止片で構成され、係止片の一端は、他端が内
    周側に延びる姿勢で上記取付部に装着されることを特徴
    とするレンズ鏡筒。
  9. 【請求項9】請求項8において、上記係止片の他端側に
    は、緩衝部材が装着されることを特徴とするレンズ鏡
    筒。
  10. 【請求項10】請求項1において、第1部材および第2
    部材のうち他方の部材は、それが設けられるべき固定部
    材または回動部材に、予め一体的に設けられることを特
    徴とするレンズ鏡筒。
  11. 【請求項11】請求項1または10において、第1部材
    および第2部材の少なくとも一方の、第1部材および第
    2部材との当接部分に、緩衝部材を有することを特徴と
    するレンズ鏡筒。
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