JPH08327359A - 磁気抵抗効果素子、地磁気方位センサ、及び磁気抵抗効果素子の着磁方法 - Google Patents

磁気抵抗効果素子、地磁気方位センサ、及び磁気抵抗効果素子の着磁方法

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JPH08327359A
JPH08327359A JP7130880A JP13088095A JPH08327359A JP H08327359 A JPH08327359 A JP H08327359A JP 7130880 A JP7130880 A JP 7130880A JP 13088095 A JP13088095 A JP 13088095A JP H08327359 A JPH08327359 A JP H08327359A
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JP
Japan
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magnetic field
magnetoresistive effect
effect element
magnetoresistive
film
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JP7130880A
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English (en)
Inventor
Naoko Kawamura
尚古 川村
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Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 互いに略平行な複数の磁界検出部1a乃至1
fを備えるようにパターニングされた磁気抵抗効果膜1
を有してなる磁気抵抗効果素子を用いて地磁気の方位を
検知する地磁気方位センサの測定精度を向上する。 【構成】 地磁気方位センサに用いられる磁気抵抗効果
素子を、磁気抵抗効果膜1の各磁界検出部の幅W1乃至
W6がそれぞれ異なるように形成する。そして、この磁
気抵抗効果膜1に、予め交流減磁界を印加して、各磁界
検出部毎に交互に逆方向に着磁しておく。これにより、
磁界が正方向Cから加わったときと、負方向Dから加わ
ったときとで、磁気抵抗効果膜の抵抗値の変化が同じと
なる。したがって、磁界印加方向によって抵抗値の変化
が異なることに起因する測定誤差が無くなり、測定精度
が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、互いに略平行な複数の
磁界検出部を備えるようにパターニングされた磁気抵抗
効果膜を有してなる磁気抵抗効果素子と、このような磁
気抵抗効果素子を用いた地磁気方位センサと、このよう
な磁気抵抗効果素子の着磁方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、カラー陰極線管において、電子
銃から出射された電子ビームの軌道が地磁気によって曲
げられ、蛍光面上でのビーム到達位置すなわちランディ
ングが変化することがある。特に高精細度陰極線管にお
いては、ランディングの変化に対する余裕度が小さいた
めに、地磁気によるランディングの変化が色純度の劣化
等の問題を引き起こしてしまうことがある。これを補正
するために、通常、カラー陰極線管には、ランディング
補正コイルが取り付けられている。そして、地磁気の方
位に応じて自動的に、ランディング補正コイルにランデ
ィング補正に必要な最適電流を流すことにより、電子ビ
ームの軌道を制御して、ランディングの変化を防止する
ようにしている。ここで、ランディング補正を行うに
は、地磁気の方位を正確に検出する必要があり、この検
出のために地磁気方位センサが使用されている。
【0003】このように、地磁気の影響を補正する必要
があるカラー陰極線管のような機器において、地磁気方
位センサは非常に重要なセンサとなっている。また、地
磁気方位センサは、従来から用いられてきた磁石式の方
位計、すなわち磁気コンパスの代替として、携帯型の方
位計としても使用されている。
【0004】このように様々な用途に使用される地磁気
方位センサとしては、磁気抵抗効果素子を用いた地磁気
方位センサが、小型化及び低価格化等に適しているため
に注目を集めている。
【0005】磁気抵抗効果素子を用いた地磁気方位セン
サは、例えば、ギャップを介して円環状に組み合わされ
た4つの円弧状の強磁性体コアと、上記ギャップ内にそ
れぞれ配された4つの磁気抵抗効果素子と、上記4つの
強磁性体コアにそれぞれ巻回され、上記4つの磁気抵抗
効果素子にそれぞれバイアス磁界を印加するための励磁
用コイルとから構成される。
【0006】ここで、磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効
果により、垂直方向に印加される磁界の強さによって抵
抗値が変化する磁気抵抗効果膜を有しており、磁気抵抗
効果素子は、この磁気抵抗効果膜の抵抗変化から、磁気
抵抗効果膜に垂直に印加している地磁気の強さを検出す
る。そして、この地磁気方位センサでは、4つの磁気抵
抗効果素子によってそれぞれ検出された地磁気の強さに
基づいて、地磁気の方位を検出する。
【0007】ところで、このような地磁気方位センサに
使用される磁気抵抗効果素子の磁気抵抗効果膜は、磁気
抵抗効果素子近傍を拡大した図9に示すように、検出感
度を高めるために、バイアス磁界Hbに直交する部分が
多くなるようにパターニングされる。すなわち、磁気抵
抗効果膜11は、強磁性体コア12と強磁性体コア13
の間で複数回折り返され、互いに略平行な複数の磁界検
出部11a,11b,11c,11d,11e,11f
を備えるようにパターニングされる。ここで、各磁界検
出部11a乃至11fの幅W0はそれぞれ同一とされ、
各磁界検出部11a乃至11fはバイアス磁界Hbに直
交するように配される。そして、この磁気抵抗効果膜1
1の両端は電極14,15と接続されており、磁界を検
出する際に、この磁気抵抗効果膜11の抵抗変化が測定
される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気抵抗効
果素子は、例えば、図10に示すような特性を有してい
る。この図10において、縦軸は磁気抵抗効果素子の抵
抗値Rを示し、横軸は磁気抵抗効果素子の磁界検出部に
垂直に加わる磁界の強さHを示している。なお、磁気抵
抗効果素子の特性を示すこのような曲線は、一般にMR
特性曲線と呼ばれている。
【0009】ここで、磁気抵抗効果素子は、磁界が零の
位置を中心として、MR特性曲線が対称となっているこ
とが好ましい。すなわち、磁気抵抗効果素子は、磁界検
出部に正方向から磁界が加わっても負方向から磁界が加
わっても、磁界の強さと抵抗値の変化との関係が同一で
あることが好ましい。しかし、通常、磁気抵抗効果素子
のMR特性曲線は非対称となっており、磁界検出部に正
負どちらの方向から磁界が加わるかによって、磁界の強
さと抵抗値の変化との関係が異なるものとなってしまっ
ている。
【0010】したがって、磁界検出部に正方向から磁界
が加わったときと、磁界検出部に負方向から磁界が加わ
ったときとで、抵抗値の変化の差、すなわちオフセット
が生じる。そして、このようなオフセットは、地磁気の
方位を検出する際に、下記式(1)で示されるような角
度誤差を生じる。
【0011】 角度誤差=tan-1(オフセット) ・・・(1) 具体的には、例えば、10%のオフセットが生じている
場合には、地磁気の方位を検出する際に、約5.7°の
角度誤差が生じてしまう。そして、従来、上述のような
磁気抵抗効果素子を量産したときに、このようなオフセ
ットの大きさを制御することは難しく、現状では、オフ
セットを10%以下とすることさえ困難なものとなって
いる。そのため、このようなオフセットが、地磁気の方
位を検出する際の誤差の大きな原因となっている。
【0012】そこで、本発明は、従来のこのような実情
に鑑みて提案されたものであり、磁界印加方向の違いに
よるオフセットが制御された磁気抵抗効果素子と、この
ような磁気抵抗効果素子を用いた地磁気方位センサと、
このような磁気抵抗効果素子を作製するために磁気抵抗
効果素子を着磁する方法とを提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、磁気抵抗効果
素子のオフセットは、磁気抵抗効果膜の各磁界検出部の
磁化方向に依存しており、磁気抵抗効果膜の各磁界検出
部の磁化方向のばらつきが、磁気抵抗効果素子のオフセ
ットの原因となっていることを見い出し、本発明を成す
に至った。
【0014】すなわち、本発明に係る磁気抵抗効果素子
は、互いに略平行な複数の磁界検出部を備えるようにパ
ターニングされた磁気抵抗効果膜を有してなる磁気抵抗
効果素子であって、上記磁気抵抗効果膜の各磁界検出部
の磁化方向が、それぞれ所定の方向とされていることを
特徴とするものである。
【0015】ここで、前記磁気抵抗効果膜の各磁界検出
部の幅は、各磁界検出部毎に異なっていてもよい。この
とき、前記磁気抵抗効果膜の各磁界検出部の磁化方向
は、各磁界検出部毎に交互に逆方向とされていることが
好ましい。
【0016】また、本発明に係る地磁気方位センサは、
互いに略平行な複数の磁界検出部を備えるようにパター
ニングされた磁気抵抗効果膜を有してなる磁気抵抗効果
素子を用いて地磁気の方位を検知する地磁気方位センサ
であって、上記磁気抵抗効果膜の各磁界検出部の磁化方
向が、それぞれ所定の方向とされていることを特徴とす
るものである。
【0017】ここで、前記磁気抵抗効果膜の各磁界検出
部の幅は、各磁界検出部毎に異なっていてもよい。この
とき、前記磁気抵抗効果膜の各磁界検出部の磁化方向
は、各磁界検出部毎に交互に逆方向とされていることが
好ましい。
【0018】また、本発明に係る磁気抵抗効果素子の着
磁方法は、互いに略平行な複数の磁界検出部を備えるよ
うにパターニングされた磁気抵抗効果膜を有してなる磁
気抵抗効果素子の着磁方法であって、上記磁気抵抗効果
膜の各磁界検出部の幅を各磁界検出部毎に異なるように
形成しておき、上記磁気抵抗効果膜に交流減磁界を印加
して、各磁界検出部毎に交互に逆方向に着磁することを
特徴とするものである。
【0019】
【作用】本発明に係る磁気抵抗効果素子では、磁気抵抗
効果膜の各磁界検出部の磁化方向が、それぞれ所定の方
向とされている。したがって、本発明に係る磁気抵抗効
果素子では、磁気抵抗効果膜の各磁界検出部の磁化方向
のばらつきがなく、磁気抵抗効果素子のオフセットが制
御されている。特に、磁気抵抗効果膜の各磁界検出部の
磁化方向が、各磁界検出部毎に交互に逆方向とされてい
るときには、磁気抵抗効果膜の各磁界検出部の磁化方向
が対称的になるため、磁気抵抗効果素子のMR特性曲線
が対称となる。したがって、磁界検出部に正負どちらの
方向から磁界が加わっても、磁界の強さと抵抗値の変化
との関係は同じものとなり、磁界の印加方向によるオフ
セットは零となる。
【0020】また、本発明に係る地磁気方位センサにお
いても、磁気抵抗効果膜の各磁界検出部の磁化方向が、
それぞれ所定の方向とされている。したがって、本発明
に係る地磁気方位センサにおいても、磁気抵抗効果膜の
各磁界検出部の磁化方向のばらつきがなく、磁気抵抗効
果素子のオフセットが制御されている。そして、本発明
に係る地磁気方位センサでは、このようにオフセットが
制御されているため、予めオフセットの大きさを考慮す
ることが可能となり、オフセットに起因する地磁気の方
位の角度誤差を無くすことができる。特に、磁気抵抗効
果膜の各磁界検出部の磁化方向が、各磁界検出部毎に交
互に逆方向とされているときには、磁気抵抗効果膜の各
磁界検出部の磁化方向が対称的になるため、磁気抵抗効
果素子のMR特性曲線が対称となる。したがって、磁界
検出部に正負どちらの方向から磁界が加わっても、磁界
の強さと抵抗値の変化との関係は同じものとなり、磁界
の印加方向によるオフセットは零となる。
【0021】また、本発明に係る磁気抵抗効果素子の着
磁方法においては、磁気抵抗効果膜の各磁界検出部の幅
を各磁界検出部毎に異なるように形成しておき、磁気抵
抗効果膜に交流減磁界を印加することにより、各磁界検
出部毎に交互に逆方向に着磁される。したがって、本発
明に係る磁気抵抗効果素子の着磁方法によれば、磁気抵
抗効果膜の各磁界検出部の磁化方向を、各磁界検出部毎
に交互に逆方向とすることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発
明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の
要旨を逸脱しない範囲で、形状、材質、寸法等を任意に
変更することが可能であることは言うまでもない。
【0023】まず、本発明を適用した磁気抵抗効果素子
の一実施例について説明する。
【0024】本実施例の磁気抵抗効果素子は、図1に示
すように、互いに略平行な6つの磁界検出部1a,1
b,1c,1d,1e,1fを備えた磁気抵抗効果膜1
と、磁気抵抗効果膜1の両端に接続された電極2a,2
bとからなる。ここで、磁気抵抗効果膜1は、各磁界検
出部1a乃至1fが直列に連なるようにパターニングさ
れている。なお、本実施例では、磁界検出部の数を6つ
としたが、磁界検出部の数は増減が可能であり、通常、
2〜20程度の範囲から選択される。
【0025】そして、上記磁気抵抗効果膜の各磁界検出
部の長さLは、各磁界検出部1a乃至1fでほぼ同じ長
さとされる。具体的には、通常、磁界検出部1a乃至1
fの長さLは、0.5〜5mm程度の範囲内とされる。
【0026】一方、磁気抵抗効果膜1の各磁界検出部1
a乃至1fの幅W1,W2,W3,W4,W5,W6
は、一方の端部の磁界検出部1aから他方の端部の磁界
検出部1fに向けてだんだんと広くなるように形成され
る。すなわち、第1の磁界検出部1aの幅W1に対し
て、第2の磁界検出部1bの幅W2、第3の磁界検出部
1cの幅W3、第4の磁界検出部1dの幅W4、第5の
磁界検出部1eの幅W5、及び第6の磁界検出部1fの
幅W6は、下記式(1−1)乃至(1−5)に示すよう
な幅とされる。
【0027】 W2=W1+1×δ ・・・(1−1) W3=W1+2×δ ・・・(1−2) W4=W1+3×δ ・・・(1−3) W5=W1+4×δ ・・・(1−4) W6=W1+5×δ ・・・(1−5) ここで、各磁界検出部1a乃至1fの幅W1乃至W6
は、5μm<W1且つW6<50μmの範囲内とされ、
隣り合う磁界検出部の幅の差δは、0.1〜1μmの範
囲内とされる。
【0028】また、磁気抵抗効果膜1の各磁界検出部1
a乃至1fの間隔Wはほぼ一定とされ、本実施例におい
ては、それぞれ約20μmとした。
【0029】このような磁気抵抗効果膜1の各磁界検出
部1a乃至1fは、その大きさが充分に小さいため、そ
れぞれが単磁区構造となっている。そして、本実施例で
は、これら磁界検出部1a乃至1fの磁化方向を、各磁
界検出部1a乃至1f毎に交互に逆方向となるようにし
た。すなわち、本実施例の磁気抵抗効果膜1は、第1、
第3及び第5の磁界検出部1a,1c,1eの磁化方向
が図1中矢印Aで示すように上を向き、第2、第4及び
第6の磁界検出部1b,1d,1fの磁化方向が図1中
矢印Bで示すように下を向くように、各磁界検出部1a
乃至1fが着磁されている。
【0030】このような磁気抵抗効果素子では、各磁界
検出部1a乃至1fの磁化方向が、各磁界検出部1a乃
至1f毎に交互に逆方向とされているため、磁気抵抗効
果素子全体としては、磁化方向の偏りがなくなってい
る。したがって、この磁気抵抗効果素子では、磁界検出
部1a乃至1fに図1中矢印Cで示すように正方向から
磁界が加わったときと、磁界検出部1a乃至1fに図1
中矢印Dで示すように負方向から磁界が加わったときと
で、抵抗値の変化の差、すなわちオフセットが生じるよ
うなことがない。
【0031】つぎに、上述のような磁気抵抗効果素子の
着磁方法の一実施例について説明する。
【0032】上述したように、この磁気抵抗効果素子
は、6つの磁界検出部1a乃至1fを有しており、これ
らの磁界検出部1a乃至1fは、第1、第3及び第5の
磁界検出部1a,1c,1eの磁化方向が図1中矢印A
で示すように上を向いており、第2、第4及び第6の磁
界検出部1b,1d,1fの磁化方向が図1中矢印Bで
示すように下を向いている。
【0033】このように各磁界検出部1a乃至1fを着
磁する際は、図2に示すように、磁気抵抗効果膜1に対
して、誘導コイル3を用いて、各磁界検出部1a乃至1
fの長軸方向Eに平行な交流減磁界を印加する。ここ
で、磁気抵抗効果膜1に印加される交流減磁界は、図3
に示すように、磁界の強さHのピーク値がだんだんと減
少していく交流磁界である。そして、この交流減磁界の
各ピーク値HW1,HW2,HW3,HW4,HW5,HW6の大き
さは、磁界検出部1a乃至1fの幅W1乃至W6によっ
て決定され、磁界検出部1a乃至1fの磁化方向が交互
に逆方向となるように、磁界検出部1a乃至1fの幅W
1乃至W6に応じて設定される。
【0034】このように磁気抵抗効果膜1に対して交流
減磁界を印加することにより、この磁気抵抗効果膜1
は、第1、第3及び第5の磁界検出部1a,1c,1e
の磁化方向が図1中矢印Aで示したように上を向き、第
2、第4及び第6の磁界検出部1b,1d,1fの磁化
方向が図1中矢印Bで示したように下を向くように、各
磁界検出部1a乃至1fが着磁される。
【0035】つぎに、上述のような磁気抵抗効果素子を
用いた地磁気方位センサの一実施例について説明する。
【0036】本実施例の地磁気方位センサは、図4に示
すように、パーマロイ等からなる4つの円弧状の強磁性
体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 を円環状に組合せ、90
゜間隔でギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 を設けると共
に、これらのギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 内にそれ
ぞれ上述のような磁気抵抗効果素子M1 ,M2 ,M3
4 を配置してなるものである。ここで、この地磁気方
位センサの等価回路は、図5に示す通りである。
【0037】この地磁気方位センサにおいて、各磁気抵
抗効果素子M1 ,M2 ,M3 ,M4は、例えば、磁気抵
抗効果素子M1 近傍を拡大した図6に示すように、強磁
性体コアK1 と強磁性体コアK4 の間に後述するように
印加されるバイアス磁界HBに対して、各磁界検出部1
a乃至1fが直交するように配される。
【0038】ここで、図4に示したように、ギャップG
1 ,G2 ,G3 ,G4 内に配された磁気抵抗効果素子M
1 ,M2 ,M3 ,M4 は、X軸方向の磁界を検出するた
めの2つの磁気抵抗効果素子M1 及び磁気抵抗効果素子
3 と、X軸方向と直交するY軸方向の磁界を検出する
ための2つの磁気抵抗効果素子M2 及び磁気抵抗効果素
子M4 とに分類される。そして、これらの磁気抵抗効果
素子M1 ,M2 ,M3,M4 は、定電位電源VCCに接続
されており、この定電位電源VCCから、これらの磁気抵
抗効果素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 に、センス電流が供
給される。
【0039】一方、強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K
4 には、それぞれ励磁用コイルC1,C2 ,C3 ,C4
が巻回されており、ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4
に配置される各磁気抵抗効果素子M1 ,M2 ,M3 ,M
4 に対してバイアス磁界HBを印加するようになってい
る。すなわち、励磁用コイルC1 ,C2 ,C3 ,C4
供給される交流バイアス電流IB により、X軸方向の磁
界を検出するための磁気抵抗効果素子M1 及び磁気抵抗
効果素子M3 には、それぞれ互いに逆方向のバイアス磁
界が印加され、同様に、Y軸方向の磁界を検出するため
の磁気抵抗効果素子M2 及び磁気抵抗効果素子M3
も、それぞれ互いに逆方向のバイアス磁界が印加され
る。すなわち、磁気抵抗効果素子M1 及び磁気抵抗効果
素子M2 には、バイアス磁界HB が印加され、磁気抵抗
効果素子M3 及び磁気抵抗効果素子M4 には、バイアス
磁界−HB が印加される。
【0040】つぎに、以上のような構成の地磁気方位セ
ンサで地磁気の方位を検出する原理について説明する。
【0041】図7は、磁気抵抗効果素子のMR特性曲線
を示しており、縦軸は磁気抵抗効果素子の抵抗値Rを示
し、横軸は磁気抵抗効果素子の磁界検出部に垂直に加わ
る磁界の強さHを示している。なお、縦軸は、磁気抵抗
効果素子の抵抗値を示しているので、縦軸の値は磁気抵
抗効果素子に直流電流を流したときの出力電圧に相当す
ることとなる。
【0042】ここで、この磁気抵抗効果素子は、上述し
たように、磁界検出部に正方向から磁界が加わったとき
と、磁界検出部に負方向から磁界が加わったときとで、
抵抗値Rの変化は同じであり、MR特性曲線は磁界が零
の位置を中心として対称となっている。
【0043】この図7に示すように、磁気抵抗効果素子
の抵抗値Rは、磁界が零のときに最大となり、大きな磁
界が印加されたときに最大で3%程度小さくなる。そこ
で、地磁気方位センサでは、このような特性を有する磁
気抵抗効果素子によって磁界の強さHを抵抗値Rとして
検出し、この抵抗値Rに基づいて地磁気の方位を検知す
る。
【0044】ここで、磁気抵抗効果素子には、上述した
ように、バイアス磁界HB (又は−HB )が印加され
る。これにより、MR特性曲線の傾きが大きい部分を利
用することが可能となるので、磁気抵抗効果素子の出力
を向上することができる。そして、このようにバイアス
磁界HB (又は−HB )を印加しているときに、地磁気
方位センサに地磁気HE が入ってくると、X軸方向の磁
界を検出するための磁気抵抗効果素子M1 及び磁気抵抗
効果素子M3 に加わる磁界の強さは、磁気抵抗効果素子
1 に加わる磁界が(HB +HE )となり、磁気抵抗効
果素子M3 に加わる磁界が(−HB +HE )となる。
【0045】このとき、磁気抵抗効果素子M1 には交流
バイアス磁界HB が印加されているので、磁気抵抗効果
素子M1 に印加される磁界は図7中線H1 で示すように
変化し、この磁界の変化が図7中線V1 で示すような電
圧変化として出力される。一方、磁気抵抗効果素子M3
には交流バイアス磁界−HB が印加されているので、磁
気抵抗効果素子M3 に印加される磁界は図7中線H3
示すように変化し、この磁界の変化が図7中線V3 で示
すような電圧変化として出力される。
【0046】そして、図7中線V1 で示したような磁気
抵抗効果素子M1 からの出力と、図7中線V3 で示した
ような磁気抵抗効果素子M3 からの出力との差が、X軸
方向の磁界についての差動信号VX として取り出され
る。同様に、Y軸方向の磁界を検出するための磁気抵抗
効果素子M2 及び磁気抵抗効果素子M4 についても、磁
界の変化が電圧変化として出力され、Y軸方向の磁界に
ついての差動信号VY が取り出される。
【0047】そして、これらの差動信号は地磁気HE
方位により変化し、それぞれHE sinθ、HE cos
θに比例しており、X軸方向の差動信号VX 及びY軸方
向の差動信号VY の出力電圧と、地磁気の方位θの関係
は、図8に示すようになる。したがって、X軸方向の差
動信号VX と、Y軸方向の差動信号VY とから、地磁気
の方位θを算出することができる。
【0048】すなわち、X軸方向の差動信号VX と、Y
軸方向の差動信号VY との比であるVX /VY は、これ
らの出力がそれぞれHE sinθ、HE cosθに比例
することから、下記式(1−6)に示すように、tan
θで表わすことができる。
【0049】 VX/VY=HEsinθ/HEcosθ=sinθ/cosθ=tanθ ・・・(1−6) したがって、地磁気の方位θは下記式(1−7)で表さ
れる。
【0050】 θ=tan-1(VX/VY) ・・・(1−7) 以上のようにして、本実施例の地磁気方位センサによ
り、地磁気HE の方位θが検知される。そして、この地
磁気方位センサでは、上述したように、磁気抵抗効果素
子の磁界検出部に正方向から磁界が加わったときと、負
方向から磁界が加わったときとで、磁気抵抗効果素子の
抵抗値の変化は同じであり、オフセットが生じるような
ことはない。したがって、この地磁気方位センサでは、
高精度に地磁気を検出することができる。
【0051】なお、以上の説明では、磁気抵抗効果素子
の各磁界検出部の磁化方向を、各磁界検出部毎に交互に
逆方向となるようにしたが、各磁界検出部の磁化方向
は、それぞれ所定の方向とされていれば、交互に逆方向
となっていなくてもよい。
【0052】具体的には、例えば、磁気抵抗効果膜に交
流減磁界を印加して着磁するのではなく、磁界検出部の
長軸方向に平行な一定の強い磁界を印加して、全磁界検
出部の磁化方向が同じ方向となるように着磁してもよ
い。このように全磁界検出部の磁化方向が同じ方向とな
るように着磁した場合、オフセットは零とはならない
が、磁界検出部の磁化方向のばらつきがないため、オフ
セットは常に一定の値となる。したがって、このよう
に、全磁界検出部の磁化方向が同じ方向となるように着
磁した場合には、オフセットの値を予め考慮することに
より、オフセットに起因する誤差を無くすことができ
る。なお、このように全磁界検出部の磁化方向が同じ方
向となるように着磁する場合には、上述の磁気抵抗効果
素子のように各磁界検出部の幅を変える必要はなく、各
磁界検出部の幅を一定にしてもよい。
【0053】なお、本発明に係る磁気抵抗効果素子は、
上述のような地磁気方位センサに限らず、オフセットが
誤差の原因となるような機器において、広く有用である
ことは言うまでもない。
【0054】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る磁気抵抗効果素子では、磁界検出部の磁化方向
が所定の方向とされているため、磁界印加方向の違いに
よるオフセットが制御されている。したがって、本発明
に係る磁気抵抗効果素子によれば、磁気抵抗効果素子の
オフセットに起因する誤差を無くすことが可能となる。
【0055】また、本発明に係る地磁気方位センサで
は、磁気抵抗効果素子の磁界検出部の磁化方向が所定の
方向とされているため、磁界印加方向の違いによるオフ
セットが制御されている。したがって、本発明に係る地
磁気方位センサでは、磁気抵抗効果素子のオフセットに
起因する誤差が生じるようなことがなく、高精度に地磁
気の方位を測定することが可能となる。
【0056】また、本発明に係る磁気抵抗効果素子の着
磁方法では、容易に、磁気抵抗効果素子の磁界検出部の
磁化方向を、各磁界検出部毎に交互に逆方向にすること
ができる。したがって、本発明に係る磁気抵抗効果素子
の着磁方法によれば、磁界印加方向の違いによるオフセ
ットが生じるようなことがない磁気抵抗効果素子を提供
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気抵抗効果素子の一例を示
す平面図である。
【図2】磁気抵抗効果素子を着磁する様子を示す模式図
である。
【図3】交流減磁界の一例を示す図である。
【図4】本発明を適用した地磁気方位センサの一構成例
を示す平面図である。
【図5】図4に示す地磁気方位センサの等価回路図であ
る。
【図6】図4に示す地磁気方位センサの要部拡大平面図
である。
【図7】本発明を適用した磁気抵抗効果素子のMR特性
曲線の一例を示す図である。
【図8】差動信号の出力電圧と地磁気の方位との関係を
示す特性図である。
【図9】従来の地磁気方位センサの要部拡大平面図であ
る。
【図10】従来の磁気抵抗効果素子のMR特性曲線の一
例を示す図である。
【符号の説明】
1 磁気抵抗効果膜 1a,1b,1c,1d,1e,1f 磁界検出部 2a,2b 電極 M1 ,M2 ,M3 ,M4 磁気抵抗効果素子 K1 ,K2 ,K3 ,K4 強磁性体コア G1 ,G2 ,G3 ,G4 ギャップ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに略平行な複数の磁界検出部を備え
    るようにパターニングされた磁気抵抗効果膜を有してな
    る磁気抵抗効果素子において、 上記磁気抵抗効果膜の各磁界検出部の磁化方向が、それ
    ぞれ所定の方向とされていることを特徴とする磁気抵抗
    効果素子。
  2. 【請求項2】 前記磁気抵抗効果膜の各磁界検出部の幅
    が、各磁界検出部毎に異なることを特徴とする請求項1
    記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 【請求項3】 前記磁気抵抗効果膜の各磁界検出部の磁
    化方向が、各磁界検出部毎に交互に逆方向とされている
    ことを特徴とする請求項2記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 【請求項4】 互いに略平行な複数の磁界検出部を備え
    るようにパターニングされた磁気抵抗効果膜を有してな
    る磁気抵抗効果素子を用いて地磁気の方位を検知する地
    磁気方位センサにおいて、 上記磁気抵抗効果膜の各磁界検出部の磁化方向が、それ
    ぞれ所定の方向とされていることを特徴とする地磁気方
    位センサ。
  5. 【請求項5】 前記磁気抵抗効果膜の各磁界検出部の幅
    が、各磁界検出部毎に異なることを特徴とする請求項4
    記載の地磁気方位センサ。
  6. 【請求項6】 前記磁気抵抗効果膜の各磁界検出部の磁
    化方向が、各磁界検出部毎に交互に逆方向とされている
    ことを特徴とする請求項5記載の地磁気方位センサ。
  7. 【請求項7】 互いに略平行な複数の磁界検出部を備え
    るようにパターニングされた磁気抵抗効果膜を有してな
    る磁気抵抗効果素子の着磁方法であって、 上記磁気抵抗効果膜の各磁界検出部の幅を各磁界検出部
    毎に異なるように形成しておき、上記磁気抵抗効果膜に
    交流減磁界を印加して、各磁界検出部毎に交互に逆方向
    に着磁することを特徴とする磁気抵抗効果素子の着磁方
    法。
JP7130880A 1995-05-29 1995-05-29 磁気抵抗効果素子、地磁気方位センサ、及び磁気抵抗効果素子の着磁方法 Withdrawn JPH08327359A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006508528A (ja) * 2002-11-27 2006-03-09 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 磁気抵抗センサ素子及び磁気抵抗センサ素子の角度誤差を低減する方法

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JP2006508528A (ja) * 2002-11-27 2006-03-09 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 磁気抵抗センサ素子及び磁気抵抗センサ素子の角度誤差を低減する方法

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