JPH08327111A - 調理室用換気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 冬場は暖かく、夏場は換気によって温度が下
げられた天井裏空間から調理室に空気を供給（給気）す
る特に戸建住宅を含む平屋、２階立ての家屋に有効な調
理室用換気装置を提供する。 【構成】 冬場は建物の外壁ａ１に設けた換気装置３を
非作動状態に維持する。戸建住宅を含む平屋、２階建の
家屋の天井裏空間ａは隣室の暖房効果で暖められてお
り、レンジフードファン１の作動と共に給気部２で暖か
い天井裏空間ａの空気が調理室Ｂに給気されて室内暖房
の低下を抑制する。夏場（冬場以外の季節）ではマンシ
ョン等の集合住宅、高層ビル等と異なって天井裏空間ａ
は直射日光で加熱されており、換気装置３を開放して天
井裏空間ａを流通良くして温度が下げられた空気を給気
して、調理室Ｂの冷房効果の低下を抑える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、レンジフードファンの
作動に伴う負圧化解消のために外気を給気する調理室用
換気装置、更に詳しくは戸建住宅を含む平屋、２階立て
の家屋等に特に有効な調理室用換気装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】今日、省エネ、防音、断熱等の要望によ
って建物の気密化はより進行する傾向にあり、このよう
な建物事情下にあっては調理に伴う燃焼廃ガス、調理
臭、蒸気等の排気のためにレンジフードファンを運転す
ると、調理室は負圧になり、場合によってはストーブ、
風呂の煙突からの逆流による爆発や、不完全燃焼による
災害が起きる危険性がある。このようなことから旧来、
レンジフードファンによる燃焼廃ガス、調理臭、蒸気等
の排気に伴なう調理室負圧化防止のためにレンジフード
ファンの作動に伴って外気を給気する給排気式のレンジ
フードファンが提供されている。給排気式レンジフード
ファンは、燃焼廃ガス、調理臭、蒸気等を排気する排気
ダクトと負圧化防止のために外気を給気する給気ダクト
を共に建物の外壁まで配管し、そこで開口している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、斯様な給排気
式のレンジフードファンは、作動に伴って外気を直接給
気することから、冬場では冷気を給気し、また夏場では
高温の暖気を給気することになり、共に室内空調を阻害
してしまう。また、風路確保のために給気ダクトを建物
外まで配管施工することから、施工コストが高騰し且つ
施工工事も面倒となり、更にダクトスペースを別途に確
保する必要が生じる。

【０００４】本発明は、従来事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、冬場は暖かく、夏場は換気に
よって温度が下げられた天井裏空間から調理室に空気を
供給（給気）することによって前記問題点を一掃する特
に戸建住宅を含む平屋や２階建の家屋に有効な調理室用
換気装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた技術的手段は、請求項１は、建物の外壁に天井
裏空間への換気装置を設けると共に、調理室の天井にレ
ンジフードファンでの排気に伴って天井裏空間を給気ダ
クトとして給気する給気部を設け、冬場以外の季節に天
井裏空間が所定温度よりも高い時に前記換気装置を作動
させて天井裏空間を換気し且つ冬場では前記換気装置を
作動させない切替制御可能な制御部を設けたことを要旨
とする。更に、請求項２は、請求項１記載の給気部をレ
ンジフードファンの作動・停止に連動して開閉するよう
にしたことを要旨とする。また、請求項３は、請求項１
または２記載の給気部をレンジフードファンの天板部に
立設した幕板背後の天井に設けたことを要旨とする。

【０００６】

【作用】上記技術的手段によれば下記の作用がある。 （請求項１）冬場には建物の外壁に設けた換気装置は開
かない。戸建住宅を含む平屋や２階建の家屋の天井裏空
間は隣室（調理室、リビングルーム等生活空間として使
用する室）の暖房効果によって暖められている。そのた
め、レンジフードファンの作動と共に給気部から暖かい
天井裏空間の空気が給気され、調理室の室内暖房の低下
を低く抑える。また、コールドドラフトが発生する危険
温度差になるようなことがあっても外気に比べて暖かい
天井裏空間の空気を室内に給気するので、室内の温度を
若干低下させるが、コールドドラフトの発生を抑制でき
る。一方、冬場以外の季節、特に夏場には戸建住宅を含
む平屋や２階建の家屋の天井裏空間はマンション等の集
合住宅、高層ビルと異なって直射日光で加熱されてい
る。そのため、所定設定温度まで天井裏温度が上昇する
と自動的に換気装置を開放して天井裏空間の流通良くし
て温度を下げ、その空気を調理室に給気して、冷房効果
の低下を抑える。 （請求項２）冬場のレンジフードファン非作動時に室内
暖房を天井裏空間に逃がさず、夏場のレンジフードファ
ン非作動時に室内冷房を天井裏空間に逃がさない。（請
求項３）そして、給気部を調理室内部から見えないよう
に幕板で隠す。

【０００７】

【発明の効果】本発明は以上のように構成したから下記
の利点がある。 （請求項１）建物の外壁に天井裏空間の換気装置を設け
ると共に、調理室の天井にレンジフードファンの排気に
伴って天井裏空間を給気ダクトとして給気する給気部を
設け、冬場以外の季節に天井裏空間が所定温度よりも高
い時に前記換気装置を作動させて天井裏空間を換気し且
つ冬場に前記換気装置を作動させないようにしたから、
冬場は天井裏空間の暖かい空気を、夏場（冬場を以外の
季節）は換気により温度が下げられた低い温度の天井裏
空間の空気を調理室に給気することができる。従って、
冬場も夏場（冬場以外の季節）も調理室の室内空調の悪
化を抑制して給気が行え、特に戸建住宅を含む平屋や２
階建の家屋の調理室にとって最適な換気装置を提供す
る。その上、コールドドラフトが発生する温度差になる
と、外気に比べて暖かい天井裏空間の空気を室内に給気
するので、室内の温度を若干低下させるものの、コール
ドドラフトによって室内暖房が阻害を受けることもなく
なる。しかも、給気ダクトのダクト工事を全く不要とす
るものであるから、施工コストの大幅な削減を図ること
ができ、且つダクトスペースの確保も不要である。更
に、レンジフードファンの作動に伴って建物外から天井
裏空間内に外気が導入されることになるので、天井裏の
防湿、結露防止、カビの発生等が防止され建物の寿命、
保全にも有効である。 （請求項２）レンジフードファン非作動時には天井裏空
間の空気が調理室に全く入らないから、日常の調理室の
空調温度を維持し、快適に使用できる。 （請求項３）そして、給気部が調理室の利用者から見え
ず、内装性を害することもない。

【０００８】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１乃至図３は第１実施例を、また図４は第２実
施例を各々示している。まず、第１実施例について説明
すると、符号Ａは戸建住宅、ａはその天井裏空間、１は
レンジフードファンを示している。

【０００９】レンジフードファン１は、フード本体11の
前方開放部を着脱可能な前板21で被蓋し、内部に排気装
置31を、またその排気装置31をその前方から仕切板41と
フィルター51とで覆い、排気装置31に連絡して排気ダク
ト61を室外に配管し、また天板部71上には排気ダクト61
を隠す幕板81を立設した構造のものを図示しており、幕
板81背後の調理室Ｂの天井ｂ部分もしくはそれ以外の調
理室Ｂの天井ｂ部分に給気部２を設け、排気装置31の作
動に伴う調理室Ｂの負圧化解消のために天井裏空間ａの
空気が自ずと給気されるようにしてある。

【００１０】給気部２は、図２に示すように天井ｂの開
口42口縁裏面に裏打補強した補強桟ｂ’にネジ100 止め
される給気筒12と、その給気筒12に取付けられる化粧パ
ネル22と、フィルタ32等とから形成されている。

【００１１】給気筒12は、中央部に交差部12ｂが形成さ
れるように十字状、放射状等の脚片12ｂ’を設けた筒体
12ａの下端から天井ｂ面に当接するフランジ12ｃを周設
し、そのフランジ12ｃを天井ｂにネジ100 止めし、前記
脚片12ｂ’間を通孔12ｄとしている。

【００１２】化粧パネル22は、前記給気筒12を室内側か
ら被覆する程度の深さ、大きさを有する皿状に形成して
ある。また、化粧パネル22は、前記給気筒12の交差部12
ｂと同様の交差部22ｂを交差部12ｂの鉛直方向延長上に
形成するように底部の殆どの部分を十字状、放射状等の
脚片22ｂ’で形成して、その脚片22ｂ’間を通気孔22ｄ
としており、交差部22ｂを貫通する取付ネジ200 を前記
給気筒12の交差部12ｂに螺合締結して給気筒12に取付け
られている。

【００１３】フィルタ32は、化粧パネル22における全通
気孔22ｄを覆うことができる面積を有する平板状に形成
してなり、外周に桟32ａを備え、前記取付ネジ200 を挿
通させた状態で桟32ａ部分を化粧パネル22の給気孔22ｄ
回りに残置された底部内面縁部分に載置してセットされ
ている。

【００１４】これにより給気は給気筒12の脚片12ｂ’間
の通孔12ｄ、フィルタ32、化粧パネル22の脚片22ｂ’間
の通気孔22ｄを経て調理室Ｂに供給される。

【００１５】また、戸建住宅Ａの天井裏空間ａに臨む外
壁ａ１部分には換気装置３が設けられている。

【００１６】換気装置３は、図３に示すように電動ガラ
リであり、詳細には外壁ａ１の換気口13に嵌合固定する
外枠23に複数のガラリ体33…を支軸43で高さ方向平行状
に枢着してその支軸43をガラリ体33…開き時の支点と
し、支点よりも天井裏空間ａ側のガラリ体33…の部分を
枢軸53でコネクティングロッド63に枢着してその枢軸53
をガラリ体33…開き時の作用点とし、ギヤーモータ73の
回転駆動軸73ａに直結するクランク軸73ｂを動力伝達杆
83を介して前記コネクティングロッド63の下端に連結し
た構造になっている。

【００１７】そして、この換気装置３のギヤーモータ73
は、天井裏空間ａに設けた温度センサー４を介して制御
部（コントローラ）５に連係されており、その制御部５
で夏場（冬場以外の季節）に天井裏空間ａが所定温度
（例えば２５度）になると駆動して天井裏空間ａを換気
し且つ冬場に夏場と同条件でも駆動しないように人為的
に切替られるようになっている。また、換気装置３は、
ギヤーモータ73の正または逆方向の１回転でガラリ体33
…を開閉するようになっており、制御部５からの出力信
号によってギヤーモータ73が１／２回転してガラリ体33
…を開き、その出力信号がなくなるとギヤーモータ73が
正または逆方向に１／２回転してガラリ体33…を閉じる
ようになっている。尚、制御部５からの出力信号がなく
なるとすぐさまガラリ体33…を閉じるものではなく、出
力信号がなくなっても所定時間ガラリ体33…を開けっ放
しにしたり、出力信号がなくなった後、温度センサー４
が所定の低下温度（例えば２０度）を感知するまでガラ
リ体33…を開けっ放しにするようにする。

【００１８】次に、この第１実施例の調理用換気装置の
作用を説明すると、冬場、夏場（冬場以外の季節）共に
レンジフードファン１が作動すると調理室Ｂの負圧化に
伴って天井裏空間ａから給気部２を経て調理室Ｂ内の給
気される。冬場には換気装置３は作動せず開かない、隣
室（調理室、リビングルーム等生活空間として使用する
室）の暖房設備で暖められた天井裏空間ａの空気を調理
室Ｂ内に給気して、調理室Ｂの暖房効果の低下を低く抑
える。調理室Ｂへの給気に伴う天井裏空間ａへの外気の
導入は、隙間風で行われる。一方、夏場（冬場以外の季
節）には制御部５が手動で切り替えられ、天井裏空間ａ
の温度が設定温度である例えば２５度になると、自動的
に換気装置３が作動してガラリ体33…を開けて天井裏空
間ａの流通を良くし、天井裏空間ａの温度を下げる。そ
のため、温度が比較的低くなった天井裏空間ａから給気
され、調理室Ｂの冷房効果の低下を低く抑えることがで
き、直射日光で天井裏空間ａが加熱され易い戸建住宅Ａ
を含む平屋、２階建の家屋に特に有効である。

【００１９】次に第２実施例について説明すると、この
実施例は給気部２をレンジフードファン１の作動・停止
に連動して開閉するようにしたものである。

【００２０】給気部２は、図４に示すように天井ｂの開
口42口縁裏面に裏打補強した補強桟ｂ’にネジ止めされ
る給気筒12と、その給気筒12に取付けられる化粧パネル
22と、その化粧パネル22内を昇降動するシャッタ52と、
そのシャッタ52を昇降動させる手段62等から形成されて
いる。

【００２１】給気筒12は、空気取り入れ用スリット12
ｅ’を有する逆向き有底筒状の本体12ｅの下端から天井
ｂ面に当接するフランジ12ｆを周設し、そのフランジ12
ｆを天井ｂにネジ300 止めすると共に、フランジ12ｆ先
端に弾性係合片12ｇを室内に向けて形成している。

【００２２】化粧パネル22は、前記本体12ｅを室内側か
ら被覆する大きさの皿状を呈し、その開口縁を前記弾性
係合片12ｇに係脱可能に係合して本体12ｅをカバーする
ように被装され、テーパー状の周面には適宜間隔をおい
て給気孔22ｅが穿設されている。

【００２３】シャッタ52は、前記化粧パネル22の底部の
面積とほぼ同じ面積に形成すると共に周縁に弾性体52ａ
を嵌着固定してなり、その弾性体52ａが化粧パネル22の
底部の内面に載置（当接）するように下降した状態で給
気孔22ｅ、給気筒12内、空気取り入れ用スリット12ｅ’
が連通されて調理室Ｂに給気し、弾性体52ａが前記給気
筒12のフランジ12ｆに当接するように上昇した状態で給
気孔22ｅと給気筒12内との連通を遮断するようになって
いる。

【００２４】前記シャッタ52を昇降動させる手段62は、
前記本体12ｅの頂面に設けたギヤーモータ62ａと、その
ギヤーモータ62ａの回転軸62ｂにカップリング62ｃを介
して鉛直方向に垂設されたネジ棒62ｄと、そのネジ棒62
ｄを貫通状に螺合し且つ周面に前記シャッタ52を嵌合支
持する案内体62ｅとで形成されている。

【００２５】また、シャッタ52の所望位置には遊挿孔52
ｂが開孔され、フランジ12ｆに一端が止着されたガイド
棒62ｆがその遊挿孔52ｂに挿入されている。

【００２６】次に、この第２実施例の調理用換気装置
は、レンジフードファン１の作動に連動してギヤーモー
タ62ａが正回転し、シャッタ52がガイド棒62ｆでガイド
しながら下降して化粧パネル22の底部内面に周縁の弾性
体52ａを当接させる。これにより給気孔22ｅ、給気筒12
内、空気取り入れ用スリット12ｅ’が連通され、調理室
Ｂに給気する。レンジフードファン１の作動が停止する
と、ギヤーモータ62ａが逆回転し、シャッタ52をガイド
棒62ｆでガイドしながら上昇させて給気筒22ｅのフラン
ジ12ｆに周縁の弾性体52ａを当接させる。これにより給
気孔22ｅと給気筒12内との間が遮断され、給気されな
い。そして、第１実施例と同様に冬場には天井裏空間ａ
の暖かい空気を給気し、また夏場（冬場を除く季節）、
所定温度よりも高い時には、天井裏空間ａの空気を換気
による流通によって冷やし、その空気をレンジフードフ
ァン１の作動と共に調理室Ｂに給気する。故に、冬場、
夏場（冬場を除く季節）とも給気による室内空調の妨害
を低く抑え、レンジフードファン１非作動時には給気部
２が閉じて室内空調が天井裏空間ａに逃げず、省エネに
なるし、調理室Ｂを快適に使用することができる。

【００２７】また、本実施例では換気装置３として電動
ガラリを説明しているが、換気扇であっても良いもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の概略図。

【図２】給気部分の拡大断面図。

【図３】換気手段の拡大断面図。

【図４】第２実施例における給気部分の拡大断面図。

【符号の説明】

Ａ ：建物（戸建住宅） ａ１：外壁 ａ ：天井裏空間 ３ ：換気装置 Ｂ ：調理室 ｂ ：天井 ２ ：給気部 ５ ：制御部 １ ：レンジフードファン 71 ：天板部 81 ：幕板

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物の外壁に天井裏空間への換気装置を
   設けると共に、調理室の天井にレンジフードファンでの
   排気に伴って天井裏空間を給気ダクトとして給気する給
   気部を設け、冬場以外の季節に天井裏空間が所定温度よ
   りも高い時に前記換気装置を作動させて天井裏空間を換
   気し且つ冬場では前記換気装置を作動させない切替制御
   可能な制御部を設けたことを特徴とする調理室用換気装
   置。
2. 【請求項２】 前記給気部をレンジフードファンの作動
   ・停止に連動して開閉するようにしたことを特徴とする
   請求項１記載の調理室用換気装置。
3. 【請求項３】 前記給気部をレンジフードファンの天板
   部に立設した幕板背後の天井に設けたことを特徴とする
   請求項１または２記載の調理室用換気装置。