JP2012132206A - 建物の防火換気の構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】換気に伴う火災の急速な拡大を抑制することが可能な建物を提供すること。
【解決手段】外張りされた断熱材の内側に形成され、それぞれの環境特性に基づきそれぞれ独立して換気される経路を持つ複数の換気大区域と、換気されない閉領域と、換気大区域の換気を行う換気構造部と、少なくとも換気大区域と閉領域との間に配置される防火構造部とにより構成される防火性能を有する事を特徴とする建物の防火換気の構造。
【選択図】図6

Description

本発明は、建物屋内の換気区域と屋内の防火区画とが同一化する事により、火災拡大の抑制力を有する建物の防火換気の構造に関するものである。更に詳しく述べれば、火災時での換気による酸素供給と燃焼ガスの排気が、室内火災から始まる火災を屋内火災にまで拡大させる要因となる、換気と火災との相反作用を解消する防火換気を、一般的建物に適応する方法を示している。更に、住宅において優れた換気効率を持つが、反面で、換気と室内火災の相反が鋭く現れるが故に、換気防火の概念を典型的に具現化する、センターダクト方式の防火換気を本願の範疇に含むものとしてその方法にも関するものである。
本願では居住者が避難しえる時間を確保できることを前提に、換気が室内火災を助長することを最小限に抑え、かつ、室内火災の拡大を抑制するという観点で火災と換気の関係を防火換気として捉えている。
本発明がいう防火換気の意味するところは、防火に抗しない建物の換気を意味する。詳しく述べれば、換気の機能と室内火災の防火とが相反して、換気が室内火災を助長してしまうことを防止することを目的とした言葉である。換気と防火が相反することを防ぐという意味合いは、察しえるのではないかと考える。
本発明は換気と室内火災が鋭く相反して現れる、屋内全体の換気と室内火災拡大の抑制に関するものである。本発明は、これまで曖昧であった躯体内通気や換気、及び室内換気の問題に関して一つの明確な解答を与えるものである。
気密性が高まり、建材等から放散される揮発性有機物質を建物からの排出する基準が作られてから久しいが、建物の換気の有効性はそれに留まるものではない。建物の換気不良による弊害は、古くは結露、カビを始め、酸欠に至るまで様々な事例が数多報告されている。その為に床下や小屋裏の躯体内の換気は、構造躯体の耐久性向上や、室内への温熱的な作用効果などからも必要性が広く認められている。さらには、換気の効用も最近においては居住者の健康維持のみならずその増進にも有効であり、近年では換気は産業的にも知的生産性向上の大きな一つの要としても捉えられている。
それらの探求を大きく見れば、換気自体の有無、すなわち換気が通常に機能している状態、又は機能していない状態の換気そのものに関するものであった。しかし、換気といえども単独で成り立つわけでもなく、換気の効果が発揮されるのは建物の気密性能が前提になるように、建物との係りは深い。換気設備のみ設置すれば換気が行われているかのごとくの錯覚をする場合が多いが、もし換気されていても換気自体が弊害になる場合もある。
その端的な場合が、屋内火災拡大と換気の関係である。特に、規模の小さな建物である住宅においては室内火災は屋内全体の火災へと拡大する可能性が高い。それ故住宅においては、火災源が室内であっても、室内のみ又は室内間の火災拡大としてのみ捉えるのではなく、屋内全体の火災拡大と換気との関係の観点も含まれていなくてはならない。
換気と室内火災の関係は、火災時における新鮮空気の供給と汚染空気の排気という換気本来の機能に見られる。それは、火災現場にいる人は酸素を必要とし、燃焼ガスの排気も必要であり、しかし、それは家財、家屋の燃焼においてもそうであるという現象である。結果として、日常的な換気による新鮮空気の供給と非常時においても人は酸素を必要とする事が、火災の助長をもたらす。特に、屋内全体を通気または換気する場合には、急速な火災の拡大を伴うことになり、換気と室内火災抑制とが鋭く相反して現れ、居住者の生命や財産にとって大きな危機となる。非常時である室内火災時には、換気と室内火災抑制とが明確に相反することになるのである。このことは、平常時には健康的で快適な生活に有用なものが、非常時には安全の確保という事では大きな問題を残すことを意味している。
ところで、換気という言葉に他の言葉を複合化したものは多い。例えば、自然換気、機械換気、通気換気、熱交換気、ハイブリッド換気、第何種換気、置換換気、パーソナル換気など、換気の動力源、目的、手法、機器、範囲などの言葉を添えることによって、換気のある側面や換気の特徴を示している。防火換気という言葉も然りである。
なお、防火換気という言葉を使用した従来技術としては、主に隣家火災からの延焼を防ぐ為の軒裏の換気と防火に関する出願が多いが、例えば特開平11−137704「軒裏の防火換気構造」がある。しかし、当該出願は軒裏換気のために、積層した防火版に通風換気用の溝を設けて、通気可能でかつ火炎の侵入を防ぐというものであり、他の防火換気に関する先行技術と同じように、建物の屋内全体の換気と換気対象空間の防火の構造を示したものではない。よって、本願の防火換気とは、全く異なる意味での防火換気といえる。
建物の利用者、特に住宅の居住者が高齢化してゆく社会にとっては、高齢者は火災への対処を迅速に取り難く、危険に曝される度合いが高くなる。前述した様に、これまでは、換気の効用として、例えば湿気対策、よってダニ・カビ対策、シックハウス防止策、などの換気不良を直すことによりもたらされる効用が述べられる事が多かった。しかし、その様な防御的なレベルを超えて、換気による健康的で快適な生活が可能になり、さらにはその増進も可能になるという換気の積極的な面が認識され始めた現在においては、室内火災を換気が助長するなどという事が有ってはならない。換気が室内火災を助長する場合には、直接的な生命と財産への危害をもたらすことから、健康的であっても快適であっても、その前提となる安全・安心を欠くことになる。安全は、何事に関しても前提的要件として必須であることは論を待たない。
従来の技術において、建物、特に住宅の換気を室内のみならず床下や小屋裏をも換気することによって、屋内全体を換気しようとする提案は多い。床下、小屋裏を換気する目的を挙げてみると、一つは、躯体に発生するカビとそれによる木材の腐朽の防止によって躯体の耐久性を確保しようとするもの。また、躯体内の温熱的改善による室内への悪影響の排除を目的とするもの等がある。ただし、その多くは、外気を床下換気口などから直接導入して通気させることを持って換気と称する場合が殆どであり、室内と同じ空気質を用いての給気による換気ではない。ただし、屋内空間全体を通気、換気するという考え方は明確に有している。
外気を直接に床下換気口から導入して壁内を通して小屋裏へと通気させて、小屋裏から屋外へ排気する躯体内の換気の方法は通気工法といわれ、木造在来工法の一領域を形成している。例えば、その矢先となった特開平01−137042「建物の壁構造」、及び特開2007−291751「木造建築物の常時開放通気と通気及び通気制御の専用ゾーン別通気構造から構成される断熱通気構造体と同構造体のハイブリッド通気及び通気制御の方法」等が挙げられる。
しかし、外気を直接に床下から導入して屋内に通気させる方法は温度差等を利用した自然通気であれ、機械を用いた強制通気であれ、思惑とは反対に、自然状態ではない冷房時には通気の逆流や床下結露等の温熱的に大きな問題を含むと共に、地表近くの多量の土埃やカビの胞子、浮遊菌などを含んだ汚染された空気を直接躯体内に持ち込むために、かえって床下、壁内、小屋裏に好ましくない状態をもたらしてしまうことが少なくなかった。事実、幾つかの専門誌では、外気を直接に床下換気口から取り入れる通気工法によって激しい床下の結露とそれに伴うカビの増殖が幾度となく報じられている。この様な通気工法は、直接外気通気工法と表現することができるが、特徴は外気の床下からの直接的外気導入による屋内全体の、又は少なくとも床下、壁内、小屋裏である構造躯体内の通気による換気にある。
一方、この様な直接外気通気工法に対して、前述したような外気を直接導入することの問題を解決しようとした提案として、特開2003−193577「建物の換気システム」が挙げられる。当該出願では、床下、小屋裏が床下換気口を経由して外気を直接屋内に導入するのではなく、機械換気による室内換気と同じ様に換気されている。ただし、そこには、外気清浄や熱交換による熱回収などは述べられておらず、更には次に述べるような防火に関しては触れられていない。
直接外気通気工法であれ、それを否定した間接的で機械的な通気工法であれ、通気工法の宿命的ともいえる問題として、常に室内火災の急速な拡大が挙げられていた。それは、通気がもたらす煙突効果によって、家の中の火の廻りが通気工法でない場合よりも速くなることが、懸念されていたからである。
この様な問題に対しては、例えば通気層が火災時に火炎の伝播経路となり、また、煙突の役割をすることを防止することを目的とした特開2004−162517「建造物の壁体、及び建造物、並び防火方法」や、同じような考えの特開平8−135038「家屋」がある。しかし、直接外気通気において躯体内の床下や小屋裏を連通させることの弊害の認識や対策に関しては、詳細な説明はない。単に通気層内のみに力点が置かれて、通気層が火災拡大の原因になることを防ぐことに終始して、屋内全体の火炎拡大の防止には力点が置かれていない。
以上、換気と防火についての幾つかの先行技術を概括的に見てきたが、本発明と従来技術との相違を明確にする為に「発明を実施するための形態」の記述において必要な限り再説する。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、火災の急拡大を抑制することが可能な建物の防火換気の構造を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る建物の防火換気の構造は、
外張りされた断熱材の内側に配置され、それぞれの環境特性に基づきそれぞれ独立して換気される複数の換気大区域と、
換気されない閉領域と、
前記換気大区域の換気を行う換気構造部と、
少なくとも前記換気大区域と前記閉領域との間に配置される防火構造部と、を有することを特徴とする。
本発明では、平常時には、各換気大区域がそれぞれの環境特性に基づきそれぞれ独立して換気される。したがって、たとえば、ある各換気大区域が、立地環境や天候などにより、居住者にとって不快となる環境になった場合でも、他の換気大区域に影響を及ぼすことがない。そのため、居住者は、常に快適に過ごすことができる。
さらに本発明では、従来は通気されていた領域を、換気されない閉領域とした。しかも、少なくとも換気大区域と閉領域との間には、防火構造部を配置した。これらの構造は、上述した平常時における独立した各換気大区域の換気を、何ら妨げることはない。本発明では、上述した構造であるために、少なくとも火災発生源となった部屋が密閉された空間となる。ここで、密閉とは、防火構造部によって火災の広がりを防止すること、および、火災発生時に、換気構造部が各換気大区域の換気を防止することにより、火災の急拡大を促す大気が火災発生源の換気大区域へ流入することを実質的に防止すること、さらに、閉領域が空気の流通を行わないことである。これらが一体的に作用することによって、火災の拡大時間を遅らせる効果がある。
このため、火災発生時に、居住者が避難するのに十分な時間を確保することができ、消防車等が到着した時点における火災の進み具合も、最低限に抑えることができる。とりわけ、非常時に居住者が迅速な避難をすることが困難な高齢化社会においては、火災の拡大時間を遅らせることにより、居住者の安全を確保する意味でも重要となる。
前記換気構造部は、給気部および排気部を有し、前記給気部および前記排気部は、それぞれの前記換気大区域に配置され、それぞれの前記換気大区域を独立して換気されることが好ましい。好ましくは、少なくとも前記給気部および前記排気部は、火災の発生に伴い閉鎖する第1防火ダンパーを有する。好ましくは、前記換気大区域の少なくとも1区域に火災感知器が設置され、前記火災感知器が火災の発生を感知した場合に、前記換気構造部が、前記換気大区域の換気を停止する。
換気構造部は、給気および排気を機械的に行う方式で、換気性能に優れている。このため、平常時には優れた換気効果を発揮する。一方で、平常時には換気のために、給気部および排気部は、換気大区域にとって実質的に穴の空いた構造であるが、火災感知器が火災の発生を感知した時には、第1防火ダンパーが閉鎖することにより、換気大区域は穴の塞がれた密閉空間となる。このため、シンプルな構成で密閉空間を作り出すことができ、火災の急拡大を防止することができる。
前記防火構造部は、前記換気大区域を構成する内壁と前記断熱材との間に配置されても良い。前記防火構造部は、前記換気大区域同士の間に配置されても良い。
前記防火構造部は、同一の材料で構成されても良い。前記防火構造部は、12mm以上の厚さを有する石膏ボードで構成されても良い。
前記換気大区域は、床下、住居室、屋根裏、および地下室の少なくとも一つであっても良い。
前記換気大区域は、前記換気大区域内が間仕切りでさらに分割された換気小区域を有し、前記換気小区域には、それぞれに前記給気部および前記排気部が配置され、前記換気構造部により換気が行われても良い。前記防火ダンパー、前記火災感知器は、前記換気小区域にも設置されても良い。前記防火構造部は、前記換気小区域同士の間に配置されることが好ましい。
前記閉領域は、外壁の内部、前記間仕切り内の空間、および階間懐の少なくとも一つであっても良い。特に、外壁の内部は、従来では空気が流通していたが、本発明では空気が流通しないことから、明確な断熱層として作用し、更なる断熱効果がある。
前記換気構造部は、前記換気大区域同士を貫き前記換気大区域への給気を一体的に行うセンターダクト部を有し、前記センターダクト部が防火性能を有することが好ましい。好ましくは、換気されない閉領域は、センターダクト部を囲う外周部に形成される空間を含む。好ましくは、前記センターダクト部は、第2防火ダンパーを少なくとも1つ有し、前記第2防火ダンパーは、火災によるセンターダクト内の温度上昇によって閉鎖し、前記センターダクト部による給気を停止する。
換気構造部がセンターダクト部を有することにより、平常時における換気効率は、大変優れたものとなり、居住者の快適性が増す。一方で、センターダクト部は、換気大区域を貫く構造である。したがって、センターダクト部も防火性能を有するようにすること、センターダクト部を囲う外周部に形成される空間が換気されない閉領域であること、および火災の発生に伴い第2防火ダンパーが閉鎖することにより、火災発生時に、上述した換気大区域を密閉することが可能となり、火災の急拡大を防止することができる。
それぞれ空気質を異にする床下、室内、小屋裏、または地下室がある場合は地下室を独立した換気区域としてつくり、区域内でそれぞれの空気を混合することなく独立に清浄な熱交換された給気で換気することによって、適切な区域毎の換気が行える一方で、換気区画の防火区画化と換気システム自動停止装置及び防火ダンパーの設置により、区画の防火と換気の停止との相乗によって、室内火災の拡大防止に効果が発揮される。それによって、室内火災に対しても安全な屋内全体の換気として、躯体内の通気や換気が内在していた室内火災拡大の速さに対する不安や脅威を解消した、安心できて且つ健康的な室内空気環境をつくる換気が得られる。なお、本発明の効果は、これに限定されず、本明細書の他の欄において述べている効果を有する。
図1は、外張り断熱された建物、及び換気大区域と小区域の概念図である。 図2は、換気区域での換気方法を示す概念図である。 図3は、セントラル式第一種熱交換換気システムと防火の区画を示す概念図である。 図4は、自動停止シーケンスの概念図である。 図5は、センターダクト式の換気の概念図である。 図6は、センターダクト換気方式の換気区域と防火区域の概念図である。 図7は、センターシャフトの水平断面図である。 図8は、センターシャフトとセンターダクトの防火区画貫通部の詳細図である。 図9は、防火ダンパー付き給排気グリルの断面図である。
第1実施形態
本発明の課題は、建物、特に住宅の室内及び床下、小屋裏、地下室がある場合には地下室などの躯体内を室内と同じ空気質の給気で、各空間の空気を混合せずにそれぞれの環境特性に合わせて区分された換気を行う事と、屋内全体の換気と相反する室内火災の急所である室内火災の急激な拡大の抑制することである。
より詳しく述べるなら、先ずは、内部環境の特性を異にする床下と室内と小屋裏の連通をなくし、床下、室内、小屋裏、又は地下室がある場合には地下室を、独自の換気区域とし、それぞれに独立した区域内換気経路を有する換気区域と、換気されない閉じられた区域とで屋内全体の換気の構造をつくること、そして、その換気構造を物理的に区分する区画を構成する構造体への防火性能の付与及び換気に関連した防火設備類の設置により、室内火災の急速な拡大を抑制することにある。
更には、屋内全体の換気方式として高い換気効率を有するセントラルダクト(センターダクト)方式が、換気と室内火災拡大とが一般的な換気方式よりも更に強く相反して、火災の急激な拡大が懸念されることから、本願においては、センターダクト式の換気と室内防火に関する問題点の解決も範疇に含んでいる。
本願の建物の防火換気が実現する要件である換気が計画的に機能するには、それなりの建物の性能を前提としている。換気の最も基本的な給排気が計画的に行なわれるには建物の高い気密性が必要となるように、換気と防火との関係においても、建物の防火的性能を、本願の場合には室内の防火性能を必要としている。多くの場合、特定の室内に火災源があることを想定すれば、他室への火災拡大の防止、さらには室内から床下、小屋裏への火災の拡大の防止は、屋内全体の換気との関連で考えなければならない。そのためには、本願の前提である屋内全体の換気を、それ自体の目的を損なわずに防火、火災拡大との関連で考える必要がある。それが本発明に言う換気区域、換気区画の概念であり、それに連動して防火区域、防火区画へと展開する大本の概念である。その概念を如何に実現するかが本発明である。単なる換気設備の防火的側面に関する発明ではなく、建物の防火的要素との合体で成り立つ防火換気であることから、本発明を建物の防火換気の構造と題している所以である。
更に本発明においては、高い換気効率を有する換気方式であるセンターダクト式の屋内全体の換気と屋内火災の抑制に関しても具体的技術を開示している。従来のセンターダクト式の換気方法は、直接外気通気工法の換気の質を遥かに越えたものとして評価されているものの、通気工法と同じように屋内火災の拡大には謂わば無防備になり易いという課題を有し、急速な火災拡大が懸念されるからである。
以下、本願の実施の形態にかかる建物、特に住宅の防火換気の構造を図面に基づいて説明する。
本実施形態は、建物の断熱方法を外張り断熱(外断熱)とし、換気システムは、少なくとも外気浄化装置と全熱交換器を装着したセントラル式(ダクト式)の第一種換気装置で構成されることを前提としている。外断熱は、外壁のみを外断熱としたものもあるが、ここでは少なくとも屋根及び外壁を外断熱した建物をいう。外断熱とは、建物の断熱層の位置もしくはその工法を指す。建物に断熱層を設け、建物を外気から断熱して、建物に貯められた熱(または冷却した状態)を逃がさないようにする方式である。基礎は内断熱である場合もある。また、セントラル式換気とは、給気又は排気のいずれかを、又はその両方をダクトを用いて換気装置による排気又は給排気を行なう方式をいう。
本発明は、
・外張り断熱の建物であること、
・換気システムが少なくとも外気浄化装置、ダクト式第一種全熱交換型換気扇、ダクト、給排気グリルから構成されていること、
・ 換気が屋内の大部の空間、すなわち床下、室内、小屋裏、地下室がある場合には地下室が、換気対象空間として、室内と同じ給気で行われている。
事を前提としている。
本発明は、外張り断熱された建物の換気が、浄化された外気をセントラル式第一種熱交換型換気システムによって、室内(住居室)の換気だけではなく、室内への給気の空気質と同じ空気で床下、小屋裏(屋根裏)の躯体内の換気をも行うことを前提としている。以下、本明細書におけるセントラル式第一種全熱交換型換気システムについて説明を行う。住宅建物の換気の方法には、複数のタイプがあり、一般的な住宅では、第1種と第3種換気方式が主に利用されている。第1種換気方式は、ファンなどの機械動力による強制換気によって、給気も排気も行うものであり、換気性能に優れている。自然換気に対して強制換気または機械換気という。本発明では、主として第1種換気方式を想定している。また、熱交換に関しては、湿気と温度の両方を交換する全熱交換器を用いることを前提としている。
本発明の課題を解決する為に必要な最初の要件は、換気区域の構成とその区画、及び、換気区画構造の防火性能の付与によって、換気区域と防火区域とが一致する屋内空間の区域構造にある。
換気に関しては、外気浄化装置を介して外気を清浄した後にセントラル式(ダクト式)第一種全熱交換型換気装置により、室内のみならず床下と小屋裏を換気することが本出願の前提であるが、さらに本発明においては、床下、室内、小屋裏、または地下室がある場合は地下室はそれぞれ独特の空気特性を有するが為に、床下、室内、小屋裏を独立した換気経路を持つ換気区域として設け、換気区域相互間の干渉の弊害を排除すべく、換気区域間の空気の流通を生じさせる連通構造を無くして、それぞれの空間の空気が干渉しないように独立させて換気する。
そして、換気区域の独立を実現するのに必要な区画になる構造体を不燃材を用いて構成することにより室内火災における防火の区画が可能になる。
すなわち、床下、室内、小屋裏、または地下室がある場合は地下室の換気対象空間をそれぞれ独立した区域内換気経路を有する区域として区画しかつ換気区画を成す構造体に防火性能を付与することにより、建築的措置として概念的には別である換気区域、防火区域を合体することにより防火換気の建築的側面を形成している。
更に、換気を停止して室内火災の助長を防ぐ為に、換気システムの自動停止装置の一部である火災センサーである感知器を区画内に設置し、更に防火区画を貫通する換気用給排気グリルの裏面に防火ダンパーを設置して、換気区画に火炎が通過する穴を作らないようにすることで防火換気の設備的面を形成している。
課題解決の手段は、この建築的な区画の防火性能と設備的な防火性能との相乗効果により、屋内全体の換気と室内火災の急速な拡大の防止という相反する課題を解決することができる。本発明の構造では防火換気を構成する換気と室内防火を両立する事が可能である。
更には、小規模な建物である住宅において合理的な換気方法であるセンターダクト式の換気方式は、屋内全体の換気方式として高い換気効率を有するが、換気と室内火災拡大とが一般的な換気方式よりも更に強く相反して、火災の急激な拡大が懸念されることから、本発明により優れた換気性能と防火性能を兼ね備えた防火換気としてのシステムに発展させることもできる。
本実施形態の最優先の事項は、少なくとも図1に示す屋根101と外壁102とが外張り断熱され、外気浄化装置とセントラル式第一種全熱交換型換気システムによる換気を行う建物103において、外断熱断熱材8に包囲される屋内空間が、それぞれ独立した換気経路を有する換気大区域としての床下1、室内2、室内3、小屋裏4+5から構成され(室内2と室内3とは、互いに独立した区域である)、かつ、換気されない閉じられた区域を併せ持ったことを特徴とする建物の換気の区域構造である。
本実施形態において、換気される換気大区域と換気されない閉じられた区域を明確に区分することは、換気大区域の環境的特性に適した状態を明確にし、相互の悪影響を無くす為には重要な要件となっている。換気大区画である床下1、室内2および3、小屋裏4,5、地下室がある場合は地下室の特性により区分される理由は、それらの空気の混合が生活に好ましい空気環境を作りだすものではないことにある。混合を避ける為には独立した換気大区域の確保と、壁内及び階間の懐の空間を換気されない閉じられた区域、すなわち他の床下や小屋裏との連通路とならない様な区域として明確に設定しておくことが重要である。この換気構造は、後の防火の区画の考え方に発展してゆく。
なお、換気区画という言葉を建築的な意味合いで用いている先行技術としては、例えば特開2002−098381「セントラル換気装置」があるが、そこでの換気区画とは、当該出願のセントラル換気装置が効果を発揮しえる範囲を示しているのであって、本願の屋内全体の換気を区分する意味での、更には防火区域を念頭においた区画としての換気区域ではない。
また、火災に関する区画としては防火区画が一般的に使用されているが、その概念は本願の概念と類似しているが、換気との関係を如何に捉えているかが異なり、特に換気と防火の相反に関しての明確な規定は無い。火災に対処する区画という意味では、例えば特開2010−119516「建物及び建物の設計装置」において消火区画という言葉が使われている。当該出願の区画とは消火ガス放出部が消火をカバーする範囲を区画としており、また、換気装置との連動による消火ガス排気のための換気区画にも言及しているが、本願に言う防火区画や換気区画とは全く異なるものである。
図1は、外張り断熱の建物と換気大区域と換気小区域の換気区域を示した建物の概略縦断面図である。地下室は図示していない。ここでは、換気区域又は換気区画に区分することの新規性、有効性を述べる。外張り断熱材8を用いることは、建物において有効であるが、外張り断熱ではなく充填断熱の場合には、例えば断熱材が2階天井上に来るために小屋裏は本実施形態にいう換気の対象にはならず、全く生活に使用できない空間となる。充填断熱の場合の小屋裏は、単なる外気による自然換気であり、本実施形態の様な機械換気により室内と同じ空気質を給気する換気ではない。
換気区域及び換気区画は、本願においては重要な意味を有するが、その概念を先ずは、内断熱の断熱方法を用いている例から検討してみる。
充填断熱の場合には、床下と小屋裏を連通させること、すなわち耐久性維持のために床下や小屋裏などの躯体内の通気や換気を考える余地は無い。その点が耐久性に関する充填断熱の欠点として批判されることが多いが、躯体内の通気や換気を考える事が元々困難な工法であり、困難であることに比例して、躯体内の環境には無頓着な場合が少なくない。床下や小屋裏の劣悪な環境が頻繁に指摘されている。
充填断熱がその様な屋内全体の換気の難しさを背景に持ちつつも、床下を換気の部分としたものとして特開平08−075225「ダクト式全館一括空調システムの制御方法」が挙げられる。当該出願の4図に示される2番目の実施例においては、床下空間が示されているが、階段下に設けられた機械室の床下以外の大部分の床下は、換気の対象空間としてではなく、排気の為のスペースとして扱われており、本実施形態に示される換気大区域とは全く意味を異にする。
また、前掲の特開2003−193577「建物の換気システム」においては、床下、室内、小屋裏が区画されているが、当該出願の図1に見るように小屋裏と2階室内、1階室内と1〜2懐とが実質的に連通しており、空気の流通が行われているために本実施形態にいう、それぞれの区画内の換気経路を独立に形成するという要件を満たしてはいない。
本願の図1に示すように、建物103は、それぞれ独立した換気経路を有する換気大区域としての床下1、室内2および3、小屋裏4+5から構成されている。換気大区域は、それぞれ換気小区域を有しても良く、換気小区域は、たとえば3室に区画された二階室3等で構成している。すなわち、二階室3の換気小区画は全体として換気大区域である室内に包含されている。階段室などの縦方向に繋がる区域も室内としての換気大区画に包含されることになる。また、使用小屋裏4は、物入れや機械室に供される。破線9は1.4mの高さを示すラインである。本発明においては使用されない未使用小屋裏5も換気の対象となる。使用小屋裏4と未使用小屋裏5とで、換気大区画である小屋裏を構成している。使用目的によって使用小屋裏4を室内の換気大区域に含める場合もある。
このように、換気大区域が換気の対象となるのに対して、壁内7や懐(階間懐)6などにおいては、換気は行われない。壁内7や懐6は換気されない閉じられた区域として、小屋裏(4+5)と室内2および室内3の換気大空間を分離しており、かつ閉鎖されることによって、床下1と小屋裏(4+5)とを連通させない。
ここで、壁内7や懐6などにおいては換気は行われないという本願の換気区域の考えを、外断熱した建物が通気工法を行う場合の床下や壁内及び小屋裏などの通気、換気と比較検討する。これまでの、例えば前掲の特開平01−137042「建物の壁構造」や特開2007−291751「木造建築物の常時開放通気と通気及び通気制御の専用ゾーン別通気構造から構成される断熱通気構造体と同構造体のハイブリッド通気及び通気制御の方法」などの通気工法や、外気を床下から直接導入する通気工法ではなく、室内換気と同様な換気を行う特開2009−168316「建築物の換気構造」などにおいては、床下1と壁内7と懐6と未使用小屋裏5とが一体的に連通する空間として扱われていた。
本実施形態においてはそれらと明確に異なる。本発明では、壁内を通気路又は換気通路とした床下と小屋裏との連通を行わない。それぞれの換気大区域の温熱的な特徴や浮遊物質、臭い等の空気の質が異なるからである。よって、一般的に言えば、壁内通気を設けて床下や小屋裏と連通させることは、本発明の換気区域の概念には相当しない。
また、外壁内7は本実施形態においては空気が流通しないことから明確な断熱層として作用し、通気が行われていた状態と比べ、更なる断熱効果が期待できる。その原理は、静止空気と、外気を内壁に通した時の表面の総合熱伝達率の中の対流熱伝達率とが異なる為に生じる熱移動量の差にある。たとえば、夏期の室内冷房は、通気層の室内側面に接する空気を冷却し、床下へと流れ落ちる下降気流を発生させ冷房エネルギーのロスを生じさせる。床下換気口が開放されている時には、換気口から屋外へと冷気は流出する。また、室内が冷房されていなくとも、床下換気口が開放されている場合には、床下面が外気温よりも低い地面の温度に冷やされており、湿った温度の高い空気が流れ込む時には床下結露の現象が容易に生じる。
これに対して、本実施形態に示す換気されない閉じられた区域の場合には、空気層が断熱層として機能し、空気層内においては多少の対流があるものの、下降気流となって床下に流出することは無い。閉じた空気層は、夏期及び冬季においても断熱層として機能することになる。
図1に、横架材10を概念的に示しているが、換気区画を設ける場合には横架材10が実際には区画材としての役割をなす。また、建築物の耐震性の観点から2階以上の床を構面とする為に剛床にすることが少なくなく、横架材との関係から、換気区画を作りやすい場合が多々ある。
換気区域に区分するに当たっては、前述したとおり、それぞれの換気区画が互いに異なる空気環境を形成し、それらを混合しないことが必要である。床下についてみれば、通気工法における床下は、外気を換気口から直接導入する為に夏季には湿気や真菌、細菌、塵埃などが直接入り、決して快適な環境とはいえなかった。また、外気を直接には導入しない前掲の特開2003−193577「建物の換気システム」のような場合にも、空気浄化と全熱交換を行なわない換気では床下の結露やカビの発生の問題、床下の塵埃堆積などの問題は解決されてはいない。特に夏期の多湿な外気の湿気を減少させないで床下に導入することは、機械換気といえども結露の問題を抱えることになることから、湿気の交換により屋内に給気の湿度を下げる必要がある。特に、近年では普通に見かけられるようになったべた基礎の場合はそうである。
本実施形態では、それらの問題への基本的対策として、外張り断熱と空気清浄及び全熱交換換気により、外気清浄及び温度と湿気を含めた全熱交換換気が既に行なわれていることを前提としている。
床下1を独立した換気区域とする理由は、夏季には室内で冷却除湿を行っていても温度の低い地中の影響を受けて相対湿度が高くなる空間になることが挙げられる。更にコンクリートが乾燥するまでの数年間に放出される湿気により相対湿度が更に増したり、また、漏水などにより何らかの原因で湿度が更に高くなった場合などには、室内の湿度よりも多少高いが床下の湿度よりも低い給気で換気されることにより湿度の上昇を抑えることができる。この効果によって、床下換気口から外気を直接導入する換気方法が持つ床下結露、そしてカビの発生の危険を回避することが可能である。一方、冬季においては室内に比べ相対的に温度が低くなり室内温熱に好ましくない影響を直接与えないようにする事が挙げられる。しかし、何といっても本発明の床下換気の最大の効果は、特に夏期の降雨時とその後の高湿時において、通気工法や一般の床下換気口の換気では到底不可能な結露問題の解消の効果として端的に現れる。
また、冬季においては、床下空間が地中熱の影響を受けるとしても、室内の暖房温度よりも高くなることはない。高くなれば、暖房は不要である。室内に比べて温度の低い床下空間を熱交換気を通した給気で換気することは、床下の加温となり床下空間の温度を押し上げることになる。本発明においては室温よりも多少低いが床下空間よりも高い温度の給気が行われ、床面の冷たさを緩和する方向に作用することにより暖房のみではなく換気によっても快適な空間に近づくことになる。以上の理由から、床下空間の好ましくない特性を改善する為に、床下を一つの換気区域として考える事の効能があるといえる。
また、小屋裏(4+5)を一つの換気大区画とする理由は、夏季には直射日光により屋根面の受熱とそこからの熱移動よる小屋裏空間の温度上昇、更に小屋裏の構造部材の蓄熱により温度が下がり難い区域となることが挙げられる。一方、冬季には小屋裏の気温が外気と室内との温度勾配の中間点にある事から、室内よりも冷えた状態となり、床下を独立させたのと同じ理由により小屋裏も独立した換気大区域として扱うことを提案している。
室内2および3が独立した換気大区画である事が必要な理由は、床下1や小屋裏(4+5)の温熱的影響を大きく受けないことが必要であるためでもあるが、逆に、室内の汚染された空気を床下や小屋裏に持ち込まないことからも必要である。
図示しない地下室は、住宅のような小規模でかつ潤沢な予算が小さい場合には、建設が難しいのが一般的である。防水、断熱、シロアリ対策など一つ間違えればその被害は地上に建つものとは異なる。また、カビの発生も頻繁に見かける空間である。地中の温度や湿気、地下水が床下基礎へ影響するよりも、遥かに強い影響をあたえる。このため、万が一を想定して地下室の換気を別系統で行なう必要がある。地下室が、一概に室内と同じ換気大区域の一部であるとは言い得ない理由である。その為、本実施形態においては、明確に地下室がある場合には地下室を換気大区域としている。
以上述べたように、換気対象空間の空気質が、換気大区域である床下1、室内2および3、小屋裏(4+5)、地下室がある場合には地下室において異なっており、かつ或る換気大区域で使用された空気を他の換気大区域に移送する事とは、換気の温熱環境面や衛生面からして好ましいことではない。排気される空気の質が異なり、それを連通させ空気を流通させては換気大区画の空気質に更に混乱した要素が入ってしまうからである。それを回避するのが、本願における換気大区域という概念であり、それぞれの区域内換気経路を有し、換気大区画によって区分されて具現化される。更にいえば、本実施形態においては、直接的な外気の屋内での通気、及び床下と小屋裏との連通をせずに、構造躯体の耐久性や衛生性の確保の為に、外気浄化装置を介して外気を清浄した後に第一種全熱交換型換気装置により室内のみならず床下と小屋裏を換気することが目的である。
尚、外張り断熱の断熱方法を用い、かつ外気浄化装置とセントラル式第一種全熱交換型換気システムの使用を前提に、開閉式床下換気口、開閉式小屋裏換気口などの外気に室内を開放しえる開口部や採光のための開口部を有した外張り断熱の家であっても、床下換気口や小屋裏換気口を閉じた場合には本発明が適応しえる状態が想定できることから、それらの建物にも本発明は適用可能である。
図2は、セントラル式(ダクト式)第一種全熱交換型換気システムの給気グリルと排気グリルを配して、それぞれの換気区域が独立した換気経路を形成することを概念的に示したものである。換気大区域としての床下1、室内2および3、小屋裏(4+5)である。なお、小屋裏は、使用小屋裏4、未使用小屋裏5で構成されている。なお、破線9は物置として小屋裏を使用する場合の天井高さを示している。使用小屋裏4を室内の換気大区域に組み込むか、小屋裏の換気大区域に組み込むかは、使用目的による。
床下1、室内2および3、小屋裏(4+5)には、必要に応じ、それぞれに給気グリル27と排気グリル28とが設けられており、それぞれ給気分岐24、排気分岐25へとダクトで連結されている。外気吸気ダクト21は、外気取り入れのフード(図示せず)から外気を吸気して、外気浄化装置22をへてセントラル式第一種全熱交換型換気装置23へと空気を送る。排気ダクト26は、セントラル式第一種全熱交換型換気装置23からの空気を屋外の排気フード(図示せず)に送ることで排気をしている。
それぞれの換気大区域の換気に関して説明を加える。
換気大区域である床下1の換気経路は、床下内で完結している。床下1の空気は壁内を通ることもなければ、小屋裏(4+5)へと流通することもない。外気が床下1に直接入ることも無い。床下1の給気グリル27と排気グリル28の位置は、換気効率を考慮して、床下1の形状、人通口や束などの配置により決めればよい。また、換気回数はホルムアルデヒド発散に必要な換気量を考慮しなくても済む条件を整えれば、居室ではないことから経験上0.2〜0.3回/時間程度でよい。風量調整は、グリルについている調整弁で行える。
床下1の換気大区域は、人通口や束などにより視覚的にも空間的にも独立的に区画されない一体的な空間を作りやすい。人通口は、床下の点検・維持の為に設けられるが、それは以前には構造的理由から細かく区画されていた基礎の作り方とは著しく異なるものである。基礎の強度の確保は、べた基礎、更には地中張りや耐圧版方式の採用で、より堅牢な基礎構造が可能となったが、換気という観点からも好ましいものである。基礎の湿気溜まり、すなわち局所的に相対湿度が高くなる場所は、局所的に温度が低い場所であるのが一般的であるが、基礎外断熱はその様な懸念を先ずは断熱の方法によって解決している。本願においては、基礎外断熱を用いた例で図示されている。
冬季には外気温に影響された地表及びその近くの地中の温度により、基礎外周部が基礎内部に比較して温度が低くなる。一方では、冬季の絶対湿度が低く、又、基礎外断熱においては床下温度が自然室温でも露天温度よりも高くなるように設計されていることから、床下が結露する事は殆ど無い。更に、本願が示している室内と同じ給気による床下の換気を行う事は、全熱交換により供給される給気が室温よりも多少低めの温度ではあるが、床下換気区域の温度上昇や床下の乾燥に役立ち、万が一の湿気溜まりによるカビの発生を抑制できる。
これに対して、一般的な床下、壁内、小屋裏を連通する直接外気通気工法では冬季には床下と小屋裏の換気口は閉じており、床下と小屋裏は連通しているが、換気は行われないために、本願が示す換気の効用は無いものと考えられる。無論、換気口が閉鎖している時に床下内と小屋裏を換気する事は可能であり、それは丁度、前掲の特開2009−168316「建築物の換気構造」に見る換気の構造になるが、それでも本願で示したような換気大区域区分の一つとしての床下の換気にはなっておらず、更には建物全体を床下、室内、小屋裏の特性に基づいて区分された換気区域から構成される建物の換気の構造にはならない事は明らかである。
ところで、冬季の暖房を目的として、床下と小屋裏を壁内の狭い空間を通路として結び、床下の暖気を家中に分配しようとする提案は多い。基礎空間又は基礎スラブ内に発熱原を設置する場合には、床下空間は必然的に暖房されるが、その多くは在来軸組み工法であれば自然にできてしまう躯体内の空気の流通を利用しての屋内全体の暖房方式である。換気という観点から見れば、意図せずとも本発明で排除している床下・壁内・小屋裏への空気の流通と、床下・壁内・小屋裏の連通、壁内の連通路としての利用になっているといえる。例えば、特開2004−271122「床暖房装置とそれに使用される蓄熱体および蓄熱体の製造方法」においては、熱交換換気機器からの給気が先ず床下の蓄熱体に送風され、床下で加温された空気が壁体内を通って室内に暖気を供給し、さらに、部屋に供給されない暖気は壁体を解して部屋を暖めつつ小屋裏へと上昇し、小屋裏に設けられた排気口を経て熱交換換気機器に戻るという経路が示されている。壁内の連通路はこの場合には、いわば室内を暖める暖房ダクトと暖気を上部に送る通路の役割を持つが、床下空間を利用しての暖房方式は本発明とは換気の観点からは、相容れるものではない。当該発明を換気の観点から見れば、床下の空気を室内にそのまま持ち込む事であり、また、床下の空気を壁内を通して小屋裏に持ち込み、それぞれに異なる環境特性の空気を暖房の為に混合していることになり、本発明にいう換気とは著しく意味を異にしている。ただし、熱の移動が空気の流通、対流ではなく、伝導で行なわれる場合には床下に発熱器を設置する暖房方法は本発明においても可能であるが、外気温度の変動や立ち上がり速さなどは、空気の流通を利用した場合よりも遥かに鈍くなる。連通路を持たない本願の様な独立した換気大区域からなる換気構造では、使い難い暖房方法といえる。ここにも、床下、小屋裏をそれぞれ独立した換気大区画として考えるか否か、連通させるか独立させるかで大きな違いが生じることが示されている。
図2に示す室内の給気グリル27と排気グリル28の設置には、一般的なクリーンゾーンとダーティーゾーンのゾーニング手法で設置計画が行われており、その観点で多くのグリルが配置されたものである。
換気の最重要の対象である室内の換気大領域に関しての本願の特長は、室内を囲む換気されない間仕切り7’と外壁7内の空気層と階間の懐6と、室内2および室内3の換気大区域とが一体となって、床下1と小屋裏(4+5)の換気大区域を分離していることである。一般に、室内の温熱と空気の環境は、室内換気大区域が面する屋外や床下、及び小屋裏からの影響を外乱として受けるが、本願の換気区分の考えは、直接外気通気工法や内断熱の小屋裏のような把握しにくい影響を少なくし、いわば整理された外乱として扱うことを可能にする。逆に言えば、床下や小屋裏の換気の悪影響が小さくなるような状態で室内の換気が行える為に、専ら室内のことのみを考えて換気を計画すれば良いことになる。その意味では、床下や小屋裏の影響よりも屋外の影響に重点を置いた換気が可能になるともいえる。何故なら換気は空気質は勿論のこと、室内温熱環境にも大きな相互作用を有しているからである。
室内の温熱環境に大きな影響を与える屋外からの作用に対しては、前述したように、特に外壁については、外壁内を換気されない閉ざされた非換気空間とすることにより閉鎖された空気層が形成されることによって、屋外からの温熱的影響をより小さくする事が出来る。
また、屋外からの冬期の作用の一つに、開口部の熱的な弱さに伴うコールドドラフトと換気の関係がある。それと共に暖房の方法や発熱体の位置などもが問題となる。本願で言及する範疇ではないが、従来の給気グリルの位置は、第一種換気、第二種換気、第三種換気の全ての給気グリルは、部屋の外周に配置される。第二種と第三種の換気は、直接に外気を吸気するために必然的にその様になるが、第一種換気の場合は、ゾーニングという計画手法から給気グリルが外周に配置される様になる。給気グリルが建物の外周に設置されることは、室内の換気効率からすれば甚だ不合理な方法である。全館空調方式はその典型であるが、給気グリルから出る暖気は開口部面を這って下降しコールドドラフトを解消することはない。開口部の性能が格段に進歩した今日においては、多少の暖房の工夫でコールドドラフトの影響を小さくできることから、室内に汚染源対策に重点を置いた換気計画が可能になっている。
図2の2階に示されるような室内の換気大区域を構成する換気小区域(図2では三室に区画される室内3で示している)は換気の対象であるが、何処を換気小区画とするか、しないかを決める要因は、人と換気経路との関係で定まる。室内の全ての空間が対象となるわけではない。たとえば、押入れ等は換気を行わないし、また、換気の排気経路になる場合のウォークイン・クローゼットなどには給気を行わない。しかし、それらは換気の要否の強弱で決められているに過ぎないのであって、室内の換気大区画は、室内の全体を包含すると考える方が合理的であり、現実にも合致している。また、室内空間の一部として部屋が仕切られていたとしても、温熱的、換気的観点からすれば、室内は連続した一つの大きな空間、それ故換気大区域と考える方が実態に即しており、場合によっては意識的に連続した大空間とすることも少なくない。このような意味から、室内全体を換気が行われる大きな空間と捉える事は、自然である。また、全館空調であっても、この様な室内空間の連続性を考慮し得ない場合は空調としての機能が果たせないことからも明らかである。
充填断熱による建て方では無用な長物とも見られやすい小屋裏の換気大空間の特長は、夏期及び冬季に厳しい屋外温熱環境におかれることが特徴である。夏期の直射日光による屋根外面の受熱は大きい。例えば、自然室温状態の小屋裏の気温上昇と蓄熱を利用して、小屋裏空気を膨張させ密度を下げて浮力を作り、その力で小屋裏空気を小屋裏換気口から排気し、壁内と床下に生じる負圧により同時に床下換気口から外気を取り入れるという直接外気通気工法が成り立つ可能性を与えるほどに、大きな熱量を受ける。ただし、通気がどれ程の排熱効果をもたらし、且つ実際の室内での体感効果に有意なほどに有効かという点に関しては疑問がもたれる。さらに、一方では蓄熱の作用は夜中まで継続し、自然室温での外気通気のみによる躯体内の冷却は極めて困難であり、夜中も暑いという現象すら生み出すことも既に周知の事である。この様な現象が生じる原因は、直射日光をも含めて屋外の熱をいったん小屋裏に取り入れて、その熱エネルギーで通気させ排熱するという矛盾にある。熱をいったん小屋裏に入れて、その熱で通気させるとは奇妙なことであり、そもそも最初から入れなければ、出す必要も無いと考えるほうが自然である。
しかし、直射日光の影響のみならず、伝熱による熱の侵入を避ける事はできず、夏季の小屋裏の気温は、相当外気温と室内気温とがつくる温度勾配の間に位置する。
冬季の場合にも小屋裏の温度が外気温と室内温度の勾配の間に位置することは同じである。
本願における小屋裏外気通気を行わない外張り断熱の建物の場合にも、程度の差こそあれ、同じような小屋裏の環境特性の傾向を示すことから、小屋裏(4+5)を一つの換気大区域として考えなければならない。
図2に示されるように、同じ小屋裏に位置する空間でも二通りある。使用小屋裏4と非使用小屋裏5とでは様子は異なる。小屋裏であることから外部からの影響は同じであるが、使用小屋裏4の場合は多少とも室内に近い環境になりえる。これに対して非使用小屋裏5は、人が出入りしない小屋裏であり、人為的操作が加わらずに外界、使用小屋裏、室内の相互作用が環境特性を決める空間となる。一方、使用小屋裏4は使用の程度や頻度、重要度などによって使用小屋裏を室内の換気大区域に含めることも可能であり、使用状況に即して換気計画が行われる区画になる場合もある。特に、小屋裏部屋として用いる場合には、明確に室内として換気大区域に含めなければならない。
使用小屋裏が、例えば単なる物置や収納スペースとして用いられる場合には、その環境は、未使用小屋裏に近い場合もある。
未使用小屋裏の環境は、例えば冬季の結露の問題も発生させる。木材が多く使われる小屋組みや塗り材から放出される新築時の湿気は、温度の低い物体に接触して結露する場合がある。例えば、外気と繋がるダクトや天窓に結露が生じることは少なくない。換気機器が外気を吸い込んで小屋裏内で結露するという現象すら発生する。
一方、夏季においては、熱溜りとなり直下の階の天井や壁上部を熱する。直下の階の天井や壁の放射は、冷房されていても不快さを与え、夜間まで続く現象が見られる。
上記の様な冬季や夏季の未使用小屋裏がもたらす現象を緩和するには、清浄され、全熱交換されてほぼ室内の温湿度に近くなった空気で換気することが有効である。本発明は、小屋裏、特に未使用小屋裏5をも換気大区域として捉え、換気計画に基づいて給排気グリルを設置し、室内とほぼ同様な換気を行うことを特長としている。ただし、換気回数は人や揮発性有機物が関与しないことから、床下と同じように上0.2〜0.3回/時間程度の換気を行うことが好ましい。
図3は、セントラル式第一種熱交換型換気システムを用いた場合の換気区画と防火区画の例であり、換気区域を物理的に区分する換気区画を不燃材料で作ることにより、換気区画に防火性を付与したものの概念図である。不燃材41は天井面の不燃材の張設状態を、また不燃材42は壁面の不燃材の張設状態を示している。不燃材42は、本実施例においては原則として天井の不燃材を超えて、壁勝ちに施工されており、その天端は横架材に止められる。防火区画された換気区画は、階間の懐空間を分割し、換気されない閉じられた空間にする。
室内火災拡大の抑制は、居住者が避難する時間、消防車が到着する時間などが確保される為に行なわれる対策であるが、室内面の壁面と天井面で、或る程度の室内火災の拡大が防げられることから、床面には一般的に不燃材を用いない。しかし、1階床や2階床、小屋裏床に不燃材を床仕上げの下下地の一部として敷設すれば、防火性の向上に効果がある。特に、2階以上の床に関しては床構面を形成する材と床の変形による不燃材の破損等を考慮する必要があり、重装備な床構造となる場合もある。
換気区域が換気大区域及び小区域に区分される事は、重要である。特に1階と2階の室内と壁体内の換気されない閉じられた空間とで分離される事は、重要である。構造躯体内の空気の流通が無くされる事、すなわち、床下と小屋裏を結ぶ連通路の閉鎖や階間懐の壁内空間との連通を遮断する事は、室内火災の拡大抑制には有効である。
火炎の拡大の抑制には、連通を無くしておく事は決定的に重要であるが、反面、通気や連通を無くすことによる構造躯体の耐久性低下に関する懸念も生じる。しかし、本願においては、躯体内の従来の通気を、明確に本願の換気に置き換えることにより、且つ、それも外気清浄され、全熱交換された給気による換気として行われていることで解決されている。この意味で本願は、従来の外気通気の衛生的、温熱的難点と室内火災の拡大抑制という二つの問題の解決策を提案している。
これまで述べたように、換気の今後の問題の一つに室内火災の換気による助長を防止することが挙げられるが、その理由は、換気が火災を起している室内に酸素を供給し、燃焼ガスを排気するという火災には都合の良い条件を作り出すからである。さらに、屋内全体の換気をする場合、また、床下、室内、小屋裏に連通部がある場合には火災の拡大は急速である。居住者が避難する時間、消防車が到着するまでの時間を確保するには、室内の火災による熱と煙の拡大を抑制しなければならない。
壁や天井の室内面を不燃材料で構成して防火性を向上させること自体は周知の技術であるが、本発明は、換気と防火との関係において換気区画の概念と防火区画の概念とを合致させることにより、換気と防火の相反現象の問題を解決している。換気区域の中には、床下1、室内2、換気小区画としての室内3、小屋裏4間の空気の流通を起こしてしまう通気路をなくし、換気されない閉じられた空間を防火的に明確に設けることが必要である。このことにより、これまでの屋内全体の通気や換気が行なってきた連通方式による各空間の特性の異なる空気の混合、すなわち屋内空間全体への衛生的、温熱的拡散を防止して、換気区域を空間の環境的特性に応じた区分が明確にできると共に、室内火災の拡大防止にも極めて有効な対策を可能とする。
防火性能を担う不燃材は、例えば総計厚さ12mm以上になる様に石膏ボードを張る事が好ましい。ただし、一般面の部分以外の継ぎ目やコーナー部、点検口、不燃面材の支持材などは求められる防火性能を満足するように個々のケースで定められなければならないが、それらは本願の換気区域の特性に準じて設けられることになる。
換気区画を防火区画化するためには、給排気グリルの開口を火災時に閉鎖する必要がある。図9は、防火ダンパー付きの給排気グリルの断面図である。給排気グリルが一般的にはプラスチック製であり軟化、溶融、燃焼温度は高温を発する火災時には防火性能はまったく無い。そのため、グリルの開口を閉鎖する為に一般的には防火ダンパーをグリルの裏面に設けている。防火ダンパーの弁は1.5mm以上の鉄製又はステンレス製で、ヒューズが溶けてバネ仕掛けで弁が閉じる機構が一般的である。ヒューズの溶融温度は72度から数段階あるが、一般的な居住環境では72度が選択されている。
更に防火区画化された換気区画の防火性を十全なものにするためには、防火用不燃面材を貫通する全ての開口が防火設備を備えていることが好ましい。例えば、電気のコンセント、スイッチやダウンライトの穴などへの対策である。それは丁度、内断熱の場合の気密性の確保を行なう為に気密性のある設備類を使用したのと同じ様な配慮が室内火災の火炎侵入防止という観点で必要となる。また、天井点検口も然りであって、点検口枠の素材や密閉性、蓋板の防火性に関しても天井面の防火性と同様な性能が求められる。要は、室内全体の防火区画面で防火的欠損が無いように区画を作ることが必要とされる。
また、火災時に換気が酸素の供給と低酸素化した燃焼ガスを排出し、室内の火災を助長するような現象が換気と防火の相反として指摘されるが、室内で発生する火災の煙や熱の感知により換気装置が自動停止するようなメカニズムは、有効である。特開2009−168316「建築物の換気構造」の請求項には、外気に関してであるが、吸気される外気の煙を感知し換気を自動的に停止するような機能が上げられている。本願での換気自動停止装置の原理は、近年普及してきた家庭用の熱、または煙用の感知器を利用し、感知と同時に換気電源にOFF信号を出すリレーを備えた物で換気自動停止装置に連動している。感知器の設置は、少なくとも換気大区域毎に設置するか、さらには各換気小区画に設けられて、自動停止装置と連動するように設置されることが望ましい。
図3に示すように、換気自動停止装置は、ON信号を発するA接点を有する感知器51、ON信号ライン52を有し、B接点を有するリレーユニット53は感知器51からのON信号を受けてOFF信号を換気システムに発する。換気装置内の制御回路は、OFF信号を受けて換気システムを停止させる。換気装置内に制御回路が組み込まれている機種は既に市場にあることから、後は制御回路にOFFの信号を送ることを考えればよい。その換気装置の自動停止のシーケンスを概念的に示したのが図4である。
A接点を持つ火災感知器51が煙又は高温度を感知すると、ON信号がリレーユニット53に送られる。リレーユニット53でON信号がB接点によりOFF信号に変換され、換気装置内の制御回路が信号を受けて換気装置を停止させる。単純な回路であるが、換気大区画又は換気小区画内に設けられた感知器51とライン52は、火災時の煙又は温度の感知によって、換気による室内火災の拡大を抑制する有効な手段であり、換気自体で採り得る簡便で効果的な方法といえる。
室内火災時の酸素供給の停止は、室内の気密性能にもよるが、換気装置を停止することによりその分の燃焼を抑制する事ができる。この事は、火災を起こしている室内のみではなく、火災が拡大してゆく空間に対しても同じ効果がある。また、換気システムの停止による酸素の供給の停止は、後述する様に火炎の侵入の阻止を目的とした給気グリルの防火ダンパーの閉鎖状態にも或る程度期待しえるが、その場合には当該グリルからの給気が減少する分、他の換気区域での給気量が多くなるように変化する。防火ダンパーは、それが設置された部分でしか酸素供給を減少することしか出来ない点が換気システムの停止と大きく異なる点である。だが、室内火災が面的に拡大していない状態においては、防火ダンパーとの併用は効果的である。
上述してきたように、本実施例は、外張り断熱され、外気浄化装置とセントラル式第一種熱交換型換気システムによる換気を行う建物において、断熱材に囲われた屋内空間がそれぞれの環境特性に基づいた区域内経路を有する換気大区域としての床下、室内、小屋裏、又は地下室がある場合には地下室からなり、更に、換気されない閉じられた区域を含んで構成される屋内の換気構造であって、かつ、換気区域及び換気されない閉じられた区域を区画する構造体に防火性能を付与して防火区画とする建物である。
また、換気大区域内が単一の区域または分割された小区域から成り、それぞれに給排気グリルを配置して区域内換気経路を形成する換気区域とする。
また、換気大区域である室内及び小屋裏の防火区画が、少なくとも外壁室内側面又は間仕切り壁の全面と天井全面とが不燃材を用いて構成され、また、換気小区域の小区画である間仕切り壁面と天井の一部又は全面が不燃材で構成されており、防火区画面に設けられる開口には防火ダンパーが設置され、且つ、所定の換気区域には室内火災用の煙又は熱感知器が設置されて、当該感知器が感知を発するON信号を自動停止用のリレーユニットが受信して、セントラル式第一種換気装置内の制御装置にOFF信号を送り換気システムを停止する感知器を備えた防火区画とする。
本実施形態では、平常時には、各換気大区域1,2,3,4+5がそれぞれの環境特性に基づきそれぞれ独立して換気される。したがって、たとえば、ある各換気大区域が、立地環境や天候などにより、居住者にとって不快となる環境になった場合でも、他の換気大区域に影響を及ぼすことがない。そのため、居住者は、常に快適に過ごすことができる。
さらに本実施形態では、従来は通気されていた領域を、換気されない閉領域6,7,7’とした。しかも、少なくとも換気大区域と閉領域との間には、防火構造部41,42を配置した。これらの構造は、上述した平常時における独立した各換気大区域の換気を、何ら妨げることはない。本実施形態では、上述した構造であるために、少なくとも火災発生源となった部屋が閉鎖された空間となる。ここで、閉鎖とは、防火構造部によって火災の広がりを防止すること、および、火災発生時に、換気構造部23,27,28が各換気大区域の換気を防止することにより、火災の急拡大を促す大気が火災発生源の換気大区域へ流入することを実質的に防止すること、さらに、閉領域が空気の流通を行わないことである。これらが一体的に作用することによって、火災の拡大時間を遅らせる効果がある。
このため、火災発生時に、居住者が避難するのに十分な時間を確保することができ、消防車等が到着した時点における火災の拡大具合も、最低限に抑えることができる。とりわけ、非常時に居住者が迅速な避難をすることが困難な高齢社会においては、火災の拡大時間を遅らせることにより、居住者の安全を確保する意味も重要となる。
換気構造部は、給気および排気を機械的に行う方式で、換気性能に優れている。このため、平常時には優れた換気効果を発揮する。一方で、平常時には換気のために、給気部および排気部は、換気大区域にとって実質的に穴の空いた構造であるが、火災感知器が火災の発生を感知した時には換気装置は停止し、また、第1防火ダンパーが閉鎖することにより、換気大区域は穴の塞がれた閉鎖空間となる。このため、シンプルな構成で閉鎖空間を作り出すことができ、火災の急速な拡大を防止することができる。
閉領域は、外壁の内部、間仕切り内の空間、および階間懐の少なくとも一つであっても良い。特に、外壁の内部は、従来では空気が流通していたが、本実施形態では空気が流通しないことから、明確な断熱層として作用し、更なる断熱効果がある。
第2実施形態
以下に示す以外は、上述した第1実施形態と同じであり、重複する説明を省略する。
室内換気経路の計画の方法としては、前述したごとくダーティーゾーンとクリーンゾーンとのゾーニングによる手法が一般的であるが、さらに換気効率をより向上させたセンターダクト方式の換気がある。センターダクト式換気に関する提案は、特開2009−168316「建築物の換気構造」によって行なわれた。図5はその概念図である。換気大区域への給気はセンターダクト30に設けられたセンターダクト給気口29から行われ、建物外周部に配置された排気口から汚染空気が排出される。センターダクトは、室内の換気大区域の中央近辺に設置されるのが一般的である。この方式は、センターダクト給気口29と排気口28とを結ぶ室内換気経路に特徴がある。すなわち、センターダクト給気口29から出る空気が速やかに排気口28に到達することにより、換気回数がこれまでの方式と同じであっても、換気の使命である汚染物質を拡散させずに、速やかに排出するという大きな利点を有する。これまでの換気計画には無い手法であり、換気効率が極めて高い換気方式である。
図5には示されていないが、特開2009−168316「建築物の換気構造」において述べられているようにセンターダクトを保護、又は、意匠的に処理する為にセンターダクトを囲むセンターシャフトが設けられるのが一般的である。しかし、センターダクトやセンターシャフトが室内火災に対してどの様な対策が採られているかは不明であるが、耐火建築物、準耐火建築物における竪穴区画の重要性を鑑みれば、それらに該当しない建物であっても、センターダクトやセンターシャフトを竪穴と考えて建築的、設備的な対策を講じておくべきものとして考えておかなければならない。
センターダクトやセンターシャフトは、室内換気大区域のほぼ中央に設けられる為に、火災に遭う確率が小さいとはいえない。開示されているセンターダクト式の換気方法を室内火災への対策という観点から見れば、これまでのセンターシャフトやセンターダクトでは、樹脂製の給気グリルやシャフト外周部から内部への火炎の侵入が生じやすく、またセンターダクトやセンターシャフト自体が燃える場合も想定される。更に、シャフトやダクトが竪穴になることから、その煙突効果により空気の動きが増大して火災を立体的に拡大するという心配もあった。本実施形態は、センターダクト式の換気方法の機能を何ら損ねることなく、室内火災に対しても安心できる防火換気としてのセンターダクト式の換気方法を開示している。その基本となるのは、第1実施形態にて前述した換気区域、換気区画と防火区画の概念と方法であり、それを踏まえることによって、室内火災にも対処したセンターダクト式の換気方法が防火換気となることが可能になる。
図6は、換気区画を防火区化する本願の発明をセンターダクト式の換気方法に適応したものである。センターシャフトの防火性は、非常に重要である。センターシャフトが煙突効果により、室内火災の拡大を助長するようなことがあってはならないからである。
その為に、センターシャフト(センターダクト)30は、外周面、シャフト下部と上部が図8の不燃材(防火性シーラント)とシャフト内上部の水平な不燃材43、図6のシャフト内下部のシャフトの底面44で囲われており、換気されない閉じられた空間となっている。本願において壁内を閉鎖された空間とした様に、センターシャフト30内もセンターダクトを除いて、シャフト内部の空間と床下、小屋裏、そして室内が連通しないように閉鎖した空間となっている。勿論、防火の観点からもそれらの内部は換気されず、換気区域にはなっていない。換気区域とそうでない区域を明確に分離することは従来見られなかった方法であるが、本発明においては換気区域と非換気区域とが一体となってそれぞれの役割分担に基づいて屋内全体の換気の空間構造をつくっている。
シャフト外周面に設けられる図7の点検口pは、開けば室内とシャフト内を連通することが可能であるが、点検時以外は常時閉鎖されていることから、連通していないと考えてよい。また、常時閉鎖の物理的工夫は、ドアクローザーなどの設備も考えられるが、特に住宅の場合は居住者が常に生活していることから、居住者による開閉に任せる場合もある。
図6のセンターシャフト外周面32は室内と同じか、それ以上の防火性能を有するように作られていることが好ましい。センターシャフトの外周は、不燃面材のコーナー部に継ぎ目からの火炎の侵入を防ぐ為に目地をずらして図7のm、nに見るように二重の面材で張られている。更に火炎の侵入を強固に防ぐには、継ぎ目にステンレス製のジョイナーを挟んでシャフトを組み上げても良い。
図7に示すように、センターシャフト30を裏面から支持する縦枠60と横枠61は、柱の二つ割程度の造作としては比較的大きな部材断面が要求される場合もある。木造準耐火建築物では木材の燃え代を見込んだ設計もされているが、それに該当しない建物の防火換気においても、十分な断面のシャフトの骨組みが必要である。
また、図7に示すセンターシャフトの点検口pはステンレス製の枠内に不燃面材が2層に張られている。アルミ製の枠は660℃程度で溶融する為に火災時の温度には耐えられず、防火区画を構成する部材としては不適切なことからステンレス製にしている。図7の仕上げ材62は、シャフトの仕上げ面であり、図7にセンターダクト30の位置を破線で示している。
図6に示すように、センターシャフト30の下部には不燃材44が張られ、センターダクト30はその不燃材面を貫通する。火炎は下方に向う事は少ないが、センターシャフト内では万一火炎が進入した場合、シャフト内で対流を起こし、高温の熱流が生じることも想定されために、シャフト下部からの熱の流出を防ぐように下部には不燃材44が張られている。一般的には最下の空間である床下空間に有るシャフトには防火対策は不要と考えられるが、高温な対流の流出を防ぐ観点からは、本願のようなシャフト下部の不燃材面が必要である。
図8は、センターダクト30が、換気装置が置かれる機械室直下の防火区画の天井面を貫通する部分(図6に示すVIII部拡大図)を示している。センターダクトは通常は加工、掃除、メンテナンスが行いやすいように可燃性の塩ビで作られている。本願においては2階天井面の不燃材と略同一の水平面でセンターシャフト内が不燃材43によって区画されており、さらにセンターダクトの当該面を貫通するセンターダクトの部分は、金属製で内部に防火ダンパーdが設けられている。例えば、センターダクトの貫通部の防火ダンパーは1.5mm厚さのステンレス製で、72℃でヒューズが溶融し、バネでダンパーが開いてセンターダクトを閉鎖して火炎のダクト内での上昇を阻止する。なお、ダクト全体が金属製の不燃のセンターダクトであっても、センターシャフト内の当該不燃材面を貫通する場合には、センターダクトの貫通部内に防火ダンパーを設ける事は、防火区画の観点から必要である。
前述したように、センターシャフトと同じ様に、防火区画を十全なものにする為には、防火区画を貫通する給排気グリルについてもその裏面に防火措置が必要である。図9は、給排気グリルと裏面に用いる防火ダンパーの図である。給排気グリルの裏面の防火ダンパーの機能は、火災時の室内の火炎が室内の防火区画を超えて壁内や天井裏に及ばないようにするためである。グリルの開口から火炎を入れない為に、いわば防火戸的な設備である。その意味からすれば、必要とされる防火性のレベルによっては、防火ダンパー以降のダクトなどは可燃物であってもよいことがありえる。図9のe’は給排気ダクトであるが、このダクトを不燃や準不燃にするか、または可燃にするかは、防火性のレベルにより決まる。不燃ダクトにしておけば、火炎の侵入以外にも熱気の壁内や天井裏への侵入、拡散を抑制することが可能である。図9では、室内の不燃材42による防火区画、金属製、この場合はステンレス製のフランジとスリーブ部j、バネ仕掛けの防火ダンパーdが、示されている。
センターシャフトとセンターダクトの防火対策について述べたが、センターダクトとセンターシャフトだけに防火対策が施されていても不十分である。センターシャフトとセンターダクトが換気システムの一部として機能しかつ室内防火対策として有効である為には、屋内全体の換気の基本となる換気区域に屋内空間が分割され、かつ換気区画に防火性能が付与されていることが先ずは重要である。屋内全体が、換気区域により構成され、換気区画がそのまま防火区画になることは、換気される空間と換気されない空間の明確化、そして、それぞれの環境特性に基づいて、換気大区域である床下、室内、小屋裏がそれぞれの区域内に独自の換気経路を有し、また、それぞれが壁内やセンターシャフトで連通せず、互いの区域の空気を混合しないことを前提として成り立つ。センターシャフトやセンターダクトの換気が健康的で快適であることに加えて、火災にも安心できる室内火災への対処が効果的であるのは換気区画と防火区画とが一致することによる。換気装置の自動停止システムも、居住者に安心を与える大きな要素になっている。
このように、換気大区画である床下、室内、小屋裏、地下室がある場合には地下室への給気を行う外気浄化装置を併用したセントラル式第一種全熱交換型換気システムの給気ダクトを一本化し、床下、室内、小屋裏の換気大区域を貫いたセントラルダクトを設け、かつ、セントラルダクトを格納するセントラルシャフト設けられた換気方式において、センターシャフトの外周部を不燃材料で構成すると共にセンターシャフト内の空間を換気されない閉じられた区域として、床下、室内、小屋裏を常時連通することがなく、且つ、室内の換気大区画の天井面と略同一の水平面のセンターシャフト内部に不燃面材を張ってシャフト内の防火区画を形成し、当該不燃材面を貫通するセンターダクトの部分を不燃材で構成し、且つ、センターシャフトの当該不燃材面と略同一面に位置するようなセンターダクト内に防火ダンパーを有するセンターダクトであり、かつセンターシャフト外面に取り付けられる給気グリルの裏面に防火ダンパーを有するセンターシャフト並びにセンターダクトの構造を示した。
換気構造部がセンターダクト部(30+32+42)を有することにより、平常時における換気効率は、大変優れたものとなり、居住者の快適性が増す。一方で、センターダクト部は、換気大区域を縦に貫く構造である。したがって、センターダクト部も防火性能を有するようにすること、センターダクト部を囲う外周部に形成される空間が換気されない閉領域であること、および火災の発生に伴い第2防火ダンパーがd閉鎖することにより、火災発生時に、上述した換気大区域を閉鎖することが可能となり、火災の急拡大を防止することができる。
本発明は、屋内全体の換気と室内火災又は室内防火に関するものであるが、これまでも換気と室内火災の問題は、特に小規模な住宅においては大きな問題として本格的には取り上げられなかった。室内火災を助長する換気、及び、火災の急速な拡大を許してしまう換気空間のあり方などは、換気と防火の関係がもたらす典型的な問題である。しかし、既に居住者が高齢化しており、その傾向がさらに強まる今後の社会においては、室内火災からの非難動作や火災予防などの観点からしても、換気と防火の相反から生じる問題は正面から取り組まなければならない重要な社会的案件である。
本発明は換気区域と防火区域を同一化して、換気システム自動停止装置と連動させることによって、区画防火という建築的方法と換気停止や防火ダンパー等の設備的方法との相乗効果により、防火換気として、換気と防火の相反的問題の一つを解決している。
本願が対象とした屋内空間全体の換気は、居住者の健康的で快適生活を実現するのみならず、住宅の長期耐久性とも深く関係し、特に、センターダクト式の換気方法は、高齢化してゆく居住者の生活を豊かにするものとして、その換気効率の優秀な効能により、より一層の普及が予想されることから、今後の社会に適した換気方式と思われる。しかし、健康、快適以前の安全が損なわれては、その意味もなくなる。センターダクト方式は、一般的な換気方法と比較して換気と防火とが鋭く相反するからである。安全は非常時に顕在化するという稀なことへの対処であるが、安全は何事に関しても必ず前提になければならない。
この様な意味においても、本発明の実践的適用は急がれなければならない。
1…床下空間
2…1階室内
3…2階の換気小区画
4…使用小屋裏
5…未使用小屋裏
6…懐
7…空気層
8…外張り断熱材
9…1.4m高さライン
10…横架材
11…土台とべた基礎立ち上がり部
12…べた基礎のスラブ部
21…外気吸気ダクト
22…外気清浄装置
23…セントラル式第一種全熱交換型換気システム
24…給気分岐
25…排気分岐
26…排気ダクト
27…給気グリル
28…排気グリル
28’…防火ダンパー付き排気グリル
29…センターダクト給気グリル
29’…防火ダンパー付きセンターダクト給気グリル
30…センターダクト
31…センターダクト防火ダンパー部
32…センターシャフト外周部
41…防火天井不燃材又は防火天井下地不燃材
42…防火壁材不燃材又は防火壁下地不燃材
43…シャフト内上部の水平な不燃材
44…シャフト内下部のシャフトの底面
51…A接点感知器
52…ON信号ライン
53…B接点リレーユニット
a…フランジ
b…不燃ダクト
c…ボルト・ナット
d…防火ダンパー
e…ダクト
e’…排気用ダクト
f…床板
g…防火性シーラント
h…グリルカバー
i…ビス
j…フランジとスリーブ
61…横枠
60…縦枠
m…1層目不燃ボード
n…2層目不燃ボード
62…仕上げ材
p…防火性点検口
101…屋根
102…外壁
103…建物

Claims (10)

  1. 外張りされた断熱材の内側に配置され、それぞれの環境特性に基づきそれぞれ独立して換気される複数の換気大区域と、
    換気されない閉領域と、
    前記換気大区域の換気を行う換気構造部と、
    少なくとも前記換気大区域と前記閉領域との間に配置される防火構造部と、を有することを特徴とする建物の防火換気の構造。
  2. 前記防火構造部は、前記換気大区域を物理的に区分する区画を不燃材を用いて防火構造化したことを特徴とする請求項1に記載の建物の防火換気の構造。
  3. 前記換気されない閉領域が、外壁内の空間、間仕切り壁内の空間、階間の懐の空間の少なくとも一つである事を特徴とする請求項1または2に記載の建物の防火換気の構造。
  4. 前記換気大区域が、床下、室内、小屋裏である事を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の建物の防火換気の構造。
  5. 前記防火構造部は、前記換気大区域同士の間に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の建物の防火換気の構造。
  6. 前記換気構造部は、給気部および排気部を有し、
    前記給気部および前記排気部は、それぞれの前記換気大区域に配置され、それぞれの前記換気大区域を独立して換気することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の建物の防火換気の構造。
  7. 少なくとも前記給気部および前記排気部は、火災の発生に伴い閉鎖する第1防火ダンパーを有することを特徴とする請求項6に記載の建物の防火換気の構造。
  8. 前記換気大区域の少なくとも1区域に火災感知器が設置され、
    前記火災感知器が火災の発生を感知した場合に、前記換気構造部が、前記換気大区域の換気を停止することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の建物の防火換気の構造。
  9. 前記換気構造部は、前記換気大区域同士を貫き前記換気大区域への給気を一体的に行うセンターダクト部を有し、前記センターダクト部が防火性能を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の建物の防火換気の構造。
  10. 前記センターダクト部は、第2防火ダンパーを少なくとも1つ有し、
    前記第2防火ダンパーは、火災の発生に伴い閉鎖し、前記センターダクト部における給気を停止することを特徴とする請求項9に記載の建物の防火換気の構造。
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