JPH0832702B2 - チエニルエチルアミン類の製造方法 - Google Patents

チエニルエチルアミン類の製造方法

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JPH0832702B2
JPH0832702B2 JP62326633A JP32663387A JPH0832702B2 JP H0832702 B2 JPH0832702 B2 JP H0832702B2 JP 62326633 A JP62326633 A JP 62326633A JP 32663387 A JP32663387 A JP 32663387A JP H0832702 B2 JPH0832702 B2 JP H0832702B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 この発明はチエニルエチルアミン類の製造方法に関す
る。
〔発明の背景および開示〕
さらに詳しくは、この発明は式 で示されるチエニルエチルアミン類の新規合成方法に関
する。
この新規方法は下記一般構造(II)で示されるニトリ
ルの接触水素化を含む。
(先行技術) 式(I)(ただし、R′は水素である)で示される化
合物は文献においてよく知られており、製薬業界と同様
に化学業界でも誘導体製造における中間体として使用さ
れる(例えばFR−A−2397417および2358150)。
式(I)(ただし、R′はR基と同じ)で示される化
合物は新規であり、この発明の別の態様を構成する。
式(I)(ただし、R′は水素である)で示される化
合物の製造方法は文献に記載されている。例えば下記の
ものがある。
リチウムおよびアルミニウムの二重水素化物[グロノ
ビッツおよびザンドベルク、「アルキブ・フォル・ケ
ム」(ARKIV For Kem)、1970年、32巻、217−227頁]
または電解方法(FR−A−2415671)による2−もしく
は3−ベータ−ニトロビニルチオフェン類の還元、 3−(3−チエニル)プロピオンアジドのクルティウ
ス減成[カンパイニュおよびマッカーティー、「ジャー
ナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ
ー」(J.Am.Chem.Soc.)、1954年、76巻、4466−4467
頁]、 3−(2−チエニル)プロピオンアミドのホフマン減
成[バーガーおよびエッソウ、「ジャーナル・オブ・ザ
・ケミカル・ソサエティー」(J.Chem.Soc.)、1938、2
100−2104頁]、 直接的[ブリックおよびブルックハルター、「ジャー
ナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ
ー」(J.Am.Chem.Soc.)、1942年、64巻、477−480頁]
またはフタルイミド中間体(FR−A−2299332)による
2−ハロエチルもしくは2−アリールスルホニルオキシ
エチルチオフェン類のアミノ化。
クルティウスまたはホフマン減成におけるプロピオン
アジド類もしくはアミド類の場合原材料の入手が困難で
あるか、またはリチウムおよびアルミニウムの水素化物
の場合試薬が高価および/または危険なため使用に適さ
ないか、または収率が不充分であるため、これらの方法
は全部工業的規模での使用が困難である。
同様に、2−(2−チエニル)エチルアミンおよび2
−(3−チエニル)エチルアミンは、リチウムおよびア
ルミニウムの水素化物[コンパイニュおよびマッカーテ
ィー、「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル
・ソサエティー」(J.Am.Chem.Soc.)、1954年、76巻、
4466−4467頁]または還流下ブタノール中ナトリウム
[ブリックおよびブルックハルター、「ジャーナル・オ
ブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー」(J.A
m.Chem.Soc.)、1942年、64巻、477−480頁]によるチ
オフェンアセトニトリルの還元により製造され得ること
が知られているが、これらの方法もまた上記問題点を呈
している。
2−(2−チエニル)エチルアミンは2−チオフェン
アセトニトリルの電気化学的還元により得られたが、最
大収率は僅か25%であった[ヘルツおよびツァイ、「ジ
ャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエテ
ィー」(J.Am.Chem.Soc.)、1955年、77巻、3529−3531
頁]。
チエニルアセトニトリルの接触水素化については報告
されなかったが、一般的には硫黄および特にチオフェン
がかなりの程度まですべての水素化触媒を不活化するこ
とが知られている。
例えばニッケル触媒は急速に不活化し[久保田等、
「ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・ケミストリー(Ja
p.J.Chem.)、2巻、45頁、1925年]、不活化に対して
最も抵抗性のあることが知られている硫化触媒でも急速
に不活化する。同様に、200℃および200気圧下で二硫化
モリブデンを用いた場合、チオフェンからチオランへの
変換速度は低い[コーレイ等、「ジェイ・ソク・ケム・
インド」(J.Soc.Chem.Ind.)、62巻、116頁、1943
年]。
モジンゴ[ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミ
カル・ソサエティー」(J.Am.Chem.Soc.)67巻、2092頁
(1945年)]は70%の収率でチオフェンをチオランに変
換することができたが、基質に対して200%のパラジウ
ムを使用したためこの方法を工業的規模で使用すること
はできなかった。
またラネーニッケルはエタノール中80℃でチオフェン
を硫化水素およびブタンに分解することも知られている
[ハウプトマン等、「ケミカル・レビューズ」(Chem.R
ev.)、62巻、347頁(1962年)およびハータフ、「チオ
フェン・アンド・イッツ・デリバティブズ」(Thiophen
e and its derivatives)、167および168頁(1952
年)、インターサイエンス・パブリッシャーズ、ニュー
ヨーク、「ザ・ケミストリー・オブ・ヘテロサイクリッ
ク・コンパウンズ」シリーズ中]。
最後に、2−ベーター−ニトロビニルチオフェンの接
触水素化が痕跡量のみのチエニルエチルアミンをもたら
すことが知られている[フライドリンおよびリトビン、
「ヒミーア・ゲテロツィクリーチェスキー・サエディニ
ェーニエ」(KHIMIYA G.SOED.)1967年、3巻、22
頁]。この反応はまたFR−A−2508456に開示されてい
る。
(発明の記載) ニッケルまたはコバルトベース触媒を用いることによ
り、チオフェンアセトニトリルを水素化して非常に高収
率でチエニルエチルアミンを得ることが可能であること
が判った。
同様に、この型の水素化を行うことにより第1チエニ
ルエチルアミンおよび/または第2チエニルエチルアミ
ンが得られること、およびこの反応では2種のアミンの
いずれか一方またはチエニルエチルアミンおよびジ(チ
エニルエチル)アミンの容易に分離可能な混合物を得る
ことを指向し得ることが判った。
すなわち、この発明は、下式(I) R−NH−R′ [式中、 Rは、 基を表し、 R′は、水素原子またはRと同じ基を表す] で示されるチエニルエチルアミン類およびそれらの酸付
加塩の製造方法であって、式 (II) で示されるチエニルアセトニトリルの溶液を大気圧ない
し100バール(105〜107Pa)の圧力および15℃〜80℃の
温度でニッケルまたはコバルトベース触媒の存在下に水
素化することを特徴とする方法に関するものであり、こ
うして得られた生成物は所望によりそれらの酸付加塩に
変換され得る。
圧力は好ましくは1〜6MPaであり得る。
この水素化に適した触媒は特にラネーニッケル、ホウ
化ニッケル[パウル等、「インダストリアル・アンド・
エンジニアリング・ケミストリー」(Ind.Eng.Che
m.)、44(5)、1006頁(1952年)]、不活性支持体
(base)付ニッケル触媒、漆原ニッケル[ハタ、「漆原
触媒」、東大出版、東京、1971年」]および同様なコバ
ルト触媒である。
使用される触媒の量は基質に対して2〜30重量%のオ
ーダーである。
基質の濃度は広範囲に変化し得る。経済的理由により
20〜40%(w/v)の濃度で行なわれる。
基質は一度で、または反応の進行に従い、反応媒質中
に導入され得る。
溶媒は完全に標準有機溶媒またはニトリルを溶解し得
る無水または水性溶媒の混合物であり、反応中水素添加
せず、この方法の経済面の妥協点に達するほど望ましく
ない副産物を生成することはないものである。
溶媒は好ましくはアルコール、特に低級アルコール、
例えばメタノールまたはエタノールまたはアルコキシ−
2−エタノールもしくは−2−プロパノールなどである
か、またはヒドロアルコール性媒質中で処理することも
できる。同じくエーテル類、例えばテトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、エチレングリコールまたは他のグリコ
ール類のエーテル類および脂肪族エーテル類も適してい
る。
反応媒質は好適には溶媒により酸性にされ得る。溶媒
はカルボン酸単独または別の溶媒との混合物(ただし触
媒を攻撃しないものとする)、特に酢酸およびC1−C4
有する脂肪族アルコール、例えばエタノールを75:25の
割合で含む混合物であり得る。
計算量の水素が吸収された場合、低温で通過する第1
チエニルエチルアミンを留出し、次に温度を高めてジ
(チエニルエチル)アミンを留出する。また2種のアミ
ンをそれらの塩の溶解度差に基づいて分離することもで
きる。2−(2−チエニル)エチルアミン塩酸塩の水に
対する溶解度は非常に高いが、ジ(2−チエニルエチ
ル)アミン塩酸塩は不溶性である。
有利に第1チエニルエチルアミンを生成するために
は、使用されるチエニルアセトニトリルに対して0.1%
〜15%の範囲の量の塩基、例えばアルカリ金属水酸化
物、特にNaOH、LiOHまたはアルカリ土類金属水酸化物、
アンモニア、式HON(R1)4(式中、R1はC1−C4アルキルを
表す)で示される水酸化第四アンモニウム、アルカリ金
属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、カリウムもしくはセ
シウムの存在下に水素化を行う。こうして水素化により
80%を越える収率で第1アミンを得ることができる。場
合により、適切な塩基を選択することによって、第1ア
ミンを殆ど全部得ることが可能である。
こうして得られたチエニルエチルアミンは、アミンの
溶液を好ましくは同じ溶媒に溶かした酸で処理すること
によりそれらの酸付加塩に変換され得る。
したがってこの発明によると、従来の技術と比較して
非常に簡単で容易な手順による第1チエニルエチルアミ
ン、例えば2−(2−チエニル)エチルアミンの工業的
規模での製造が可能になるため、特に製薬業界において
非常に有用な合成中間体の利用が可能となる。
同様にこの発明により、これまで単離されたことがな
かった第2チエニルエチルアミン類、例えばジ(2−
(2−チエニル)エチル)アミンおよびジ(2−(3−
チエニル)エチル)アミン並びにそれらの塩類を得るこ
とが可能となる。
すなわち、この発明の別の態様は、式(I)(ただ
し、R′はRと同じ基である)で示される化合物および
それらの付加塩に関する。
またこれらの生成物は興味深い薬理特性を有する化合
物の製造における有用な中間体である。
例えば、アルキル化、次いで4級化合物化(quaterni
sation)することにより、抗菌活性を有する化合物が得
られる。
以下、非限定的実施例によりこの発明を説明する。
〔実施例〕
実施例1 2−(2−チエニル)エチルアミン 50gの2−チエニルアセトニトリル、200mlのエタノー
ル、2.5mlの10N水酸化ナトリウムおよび10gのラネーニ
ッケルを磁気撹拌器を備えた500mlの水素化装置中に導
入する。水素化反応は30バール(3MPa)の圧力下50℃で
行なわれる。
次いで触媒を濾過し、アルコールを濃縮し、チエニル
エチルアミンを90℃/15mmHg(2kPa)で蒸発させる。
こうして38gの目的生成物が得られ(収率74%)、そ
の特性は文献の記載と一致している。
実施例2 2−(2−チエニル)エチルアミン 実施例1記載の方法に従い、15〜22バール(1.5〜2.2
MPa)の圧力で10gのラネーニッケル、2.5mlの水および
3.5gのK2CO3の存在下200mlのエタノール中50gの2−チ
エニルアセトニトリルを水素化することにより、44.95g
の2−(2−チエニル)エチルアミンが得られる。収率
87%。
実施例3 2−(2−チエニル)エチルアミン 実施例1記載の方法に従い、26〜40バール(2.6〜4MP
a)の圧力下で50gの2−チエニルアセトニトリル、200m
lのエタノール、5mlの水、12.5gの水酸化テトラメチル
アンモニウム(メタノール中20%溶液)および10gのラ
ネーニッケルを水素添加装置に導入することにより、3
2.5gの2−(2−チエニル)エチルアミンが得られる。
収率65%。
実施例4 2−(2−チエニル)エチルアミン 実施例1記載の方法に従い、26〜40バール(2.6〜4MP
a)の圧力下で50gの2−チエニルアセトニトリル、200m
lのエタノール、10mlの水、5gの水酸化リチウムおよび1
0gのラネーニッケルを水素添加器に導入することによ
り、35.9gの2−(2−チエニル)エチルアミンが得ら
れる。収率69.7%。
実施例5 2−(2−チエニル)エチルアミン 実施例1記載の方法に従い、28〜40バール(2.8〜4MP
a)の圧力下で50gの2−チエニルアセトニトリル、200m
lのイソプロパノール、5mlの水、4gの炭酸カリウムおよ
び10gのラネーニッケルを水素添加器に導入する。40.7g
の2−(2−チエニル)エチルアミンが得られる。収率
79%。
実施例6 2−(2−チエニル)エチルアミン 50gの2−チエニルアセトニトリル、200mlのメタノー
ル、10gのラネーニッケルおよび1gの水酸化ナトリウム
を500mlの水素化オートクレーブ中に導入する。実施例
1記載の方法に従い、18〜40バール(1.8〜4MPa)の圧
力下50℃で水素化後、41.3gの2−(2−チエニル)エ
チルアミンを蒸留する。収率81%。
実施例7 2−(2−チエニル)エチルアミン 実施例1記載の方法に従い、26〜50バール(2.6〜5MP
a)の圧力下、10gのラネーニッケルおよび3gのK2CO3
存在下に150mlの2−エトキシエタノール中50gの2−チ
エニルアセトニトリルを水素化することにより、32.1g
の2−(2−チエニル)エチルアミンが得られる。収率
62.5%。
実施例8 2−(2−チエニル)エチルアミン 実施例1記載の方法に従い、15〜40バール(1.5〜4MP
a)の圧力下、10gのラネーニッケルおよび2.5mlの水酸
化カリウム40%溶液の存在下200mlのエタノール中50gの
2−チエニルアセトニトリルを水素化することにより、
25.4gの2−(2−チエニル)エチルアミンが得られ
る。収率49%。
実施例9 2−(2−チエニル)エチルアミン 実施例1記載の方法に従い、23〜50バール(2.3〜5MP
a)の圧力下、10gのラネーニッケルおよび6gのCs2CO3
存在下200mlのエタノール中50gの2−チエニルアセトニ
トリルを水素化することにより、26.5gの2−(2−チ
エニル)エチルアミンが得られる。収率51.5%。
実施例10 2−(2−チエニル)エチルアミン 80gの2−チエニルアセトニトリル、120mlのメタノー
ル、16gのラネーニッケルおよび4mlの10N水酸化ナトリ
ウム溶液を500mlのオートクレーブ中に導入する。20〜4
0バール(2〜4MPa)の圧力下50℃で水素化後、触媒を
濾過し、溶媒を濃縮する。2−(2−チエニル)エチル
アミンを90℃/15mmHg(2kPa)で蒸留する。46.6gの目的
生成物が得られる。収率56.5%。
実施例11 2−(2−チエニル)エチルアミン 50gの2−チエニルアセトニトリル、200mlのメタノー
ル、10gのラネーニッケル、10mlの水および5gのK2CO3
500mlのオートクレーブ中に導入する。水素吸収が終了
するまで3バール(300kPa)の一定圧力下50℃で混合物
を水素化する。
反応媒質をクロマトグラフィーにより分析すると、2
−(2−チエニル)エチルアミンの収率は79%である。
実施例12 2−(2−チエニル)エチルアミン 実施例1記載の方法に従い、14〜40バール(1.4〜4MP
a)の圧力下、10gの漆原コバルトの存在下に200mlのエ
タノール中50gの2−チエニルアセトニトリルを水素化
することにより、31gの2−(2−チエニル)エチルア
ミンが得られる。収率60%。
実施例13 2−(2−チエニル)エチルアミン 実施例1記載の方法に従い、10gのラネーニッケルの
存在下に100mlのメタノールおよび100mlの液体アンモニ
ア中50gの2−チエニルアセトニトリルを水素化する。
理論量の水素が吸収されるまで、31〜55バール(3.1〜
5.5MPa)の圧力下50℃で水素化が行なわれる。37.8gの
2−(2−チエニル)エチルアミンが得られる。収率74
%。
実施例14 2−(2−チエニル)エチルアミン 50gの2−チエニルアセトニトリル、200mlのエタノー
ルおよび酢酸(1:3)混合物並びに10gのラネーニッケル
を500mlの水素化オートクレーブ中に導入する。8〜32
バール(0.8〜3.2MPa)の圧力下50℃で水素化後、触媒
を濾過し、溶媒を濃縮する。残留物を水に溶解し、水酸
化ナトリウムにより塩基性化し、エーテルで抽出する。
エーテルを濃縮し、2−(2−チエニル)エチルアミン
を蒸留する。26.3gの目的生成物が得られる。収率51
%。
実施例15 2−(2−チエニル)エチルアミン 実施例1記載の方法に従い、1.8gのNi2Bの存在下酢酸
(225ml)およびエタノール(75ml)の混合物中で18.7g
の2−チエニルアセトニトリルを水素化する。この反応
は24〜31バール(2.4〜3.1MPa)の圧力下65℃で行なわ
れる。水素吸収の終了後、クロマトグラフィーは収率75
%を示す。
実施例16 2−(3−チエニル)エチルアミン 50gの3−チエニルアセトニトリル、200mlのエタノー
ル、2.5mlの10N水酸化ナトリウム溶液および10gのラネ
ーニッケルを500mlのオートクレーブ中に導入する。理
論量の水素が吸収されるまで22〜40バール(2.2〜4MP
a)の圧力下50℃で混合物を水素化する。次に、触媒を
濾過し、アルコールを濃縮し、95−100℃/15mmHgで2−
(3−チエニル)エチルアミンを蒸留する。こうして4
1.6gの目的生成物が得られる。収率81%。
実施例17 2−(3−チエニル)エチルアミン 50gの3−チエニルアセトニトリル、200mlのエタノー
ル、5mlの水、10gのラネーニッケルおよび3gのK2CO3を5
00mlの水素化オートクレーブ中に導入する。理論量の水
素が吸収されるまで20〜40バール(2〜4MPa)の圧力下
50℃で混合物を水素化する。触媒を濾過し、溶媒を濃縮
し、95−100℃/15mmHgで2−(3−チエニル)エチルア
ミンを蒸留する。こうして35gの目的生成物が得られ
る。収率68%。
実施例18 ジ((2−チエニル)エチル)アミン塩酸塩 50gの3−チエニルアセトニトリル、200mlのエタノー
ルおよび10gのラネーニッケルを500mlのオートクレーブ
中に導入する。理論量の水素が吸収されるまで17〜50バ
ール(1.7〜5MPa)の圧力下50℃で混合物を水素化す
る。触媒を濾過し、溶媒を濃縮し、残留物を200mlの2N
塩酸に溶かす。不溶性第2アミンの塩酸塩を濾過し、ア
セトンでリンスし、50℃で乾燥して一定重量にする。4
3.2gのジ((2−チエニル)エチル)アミン塩酸塩が得
られる。mp=244℃(220℃から分解)、元素分析値は正
確。収率79%。
実施例19 ジ(2−(3−チエニル)エチル)アミンおよび2−
(3−チエニル)エチルアミン 50gの3−チエニルアセトニトリル、200mlのエタノー
ルおよび10gのラネーニッケルを500mlのオートクレーブ
中に導入する。理論量の水素が吸収されるまで20〜40バ
ール(2〜4MPa)の圧力下50℃で混合物を水素化する。
触媒を濾過し、溶媒を濃縮し、残留物をウォータージェ
ットポンプ、次いで風力ポンプにより蒸留する。4.5gの
2−(3−チエニル)エチルアミンおよび37.05gのジ
(2−(3−チエニル)エチル)アミンを得、前者を15
mmHg、95−100℃で蒸留し(収率9%)、後者を128−13
5℃/3mmHg(400Pa)で蒸留する(収率78%)。NMRによ
るジ(2−(3−チエニル)エチル)アミンの特徴は、
プロトン(=2.8、6.8、7.1ppm、1.1ppmでNH、CDCL
3中)および炭素13(30.7ppmで−CH2−CH2−N、50.1pp
mで−CH2−CH2−N、121、125および128ppmでチオフェ
ンのメチン、140.4ppmで3位において炭素置換、CDCL3
中)である。
実施例20 2−(3−チエニル)エチルアミンおよびジ(2−(3
−チエニル)エチル)アミン 実施例19記載の方法に従い、50gの3−チエニルアセ
トニトリルを理論量の水素が吸収されるまで21〜56バー
ル(2.1〜5.6MPa)の圧力下50℃で10gのラネーニッケル
の存在下に200mlのジオキサン中で水素化する。38.3gの
ジ(2−(3−チエニル)エチル)アミン(収率80.5
%)および6.6gの2−(3−チエニル)エチルアミン
(収率13%)が得られる。
実施例21 ジ(2−(3−チエニル)エチル)アミンおよび2−
(3−チエニル)エチルアミン 実施例19記載の方法に従い、20〜40バール(2〜4MP
a)の圧力下、7gのトリエチルアミンおよび10gのラネー
ニッケルの存在下に200mlのテトラヒドロフラン中50gの
3−チエニルアセトニトリルを水素化すると、35gのジ
(2−(3−チエニル)エチル)アミン(収率74%)お
よび9.4gの2−(3−チエニル)エチルアミン(収率18
%)が得られる。
実施例22 ジ(2−(2−チエニル)エチル)アミン 実施例19記載の方法に従い、20〜40バール(2〜4MP
a)の圧力下、ラネーニッケルの存在下に200mlのエタノ
ール中50gの2−チエニルアセトニトリルを水素化する
ことにより、38gのジ(2−(2−チエニル)エチル)
アミンが得られる。bp:125−130℃/2mmHg。収率80%。
実施例23 2−(2−チエニル)エチルアミンおよびジ(2−(2
−チエニル)エチル)アミン 実施例1記載の方法に従い、12バール(1.2MPa)の一
定圧力および25℃で3gのK2CO3および10gのラネーニッケ
ルの存在下に200mlの95%エタノール水溶液中50gの2−
チエニルアセトニトリルを水素化すると、40.3gの2−
(2−チエニル)エチルアミンが得られる。収率78.0
%。
実施例24 実施例1記載の方法に従い、20バール(2MPa)の一定
圧力および40℃で3gのK2CO3および5gのラネーニッケル
の存在下に200mlの95%エタノール水溶液中50gの2−チ
エニルアセトニトリルを水素化すると、39.9gの2−
(2−チエニル)エチルアミンが得られる。収率77%。
実施例25 0.6lの95%エタノール水溶液を3.5l水素添加装置中に
導入する。水素圧を20バール(2MPa)および温度を50℃
に固定する。投薬用ポンプを用いて、200gの2−チエニ
ルアセトニトリル溶液を8時間に亙って1lの95%エタノ
ール水溶液中に導入する。
水素吸収が完全に終了後、触媒を濾過し、溶媒を濃縮
し、2−(2−チエニル)エチルアミンを蒸留する。14
6.7gの目的生成物が得られる。収率71%。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 R−NH−R′ [式中、Rは、 基を表し、 R′は、Hである] で示されるチエニルエチルアミン類の製造方法であっ
    て、式 で示されるチエニルアセトニトリルの溶液を105〜107Pa
    の圧力および15℃〜80℃の温度でラネーニッケルおよび
    無機または有機の塩基の存在下に水素化することを特徴
    とする方法。
  2. 【請求項2】反応が脂肪族アルコール中で行なわれるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】反応媒質中のニトリル濃度が20〜40%(w/
    v)であり、基質に対する割合として、触媒濃度が2〜3
    0重量%であることを特徴とする、特許請求の範囲第1
    項記載の方法。
  4. 【請求項4】圧力が1〜6MPaであることを特徴とする、
    特許請求の範囲第1〜3項のいずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】塩基がNaOH、LiOHおよびK2CO3から選ばれ
    ることを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
  6. 【請求項6】塩基がNH3、KOH、Cs2CO3およびHON(R1)
    4(式中、R1はC1〜C4アルキルを表す)から選ばれるこ
    とを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載の方法。
  7. 【請求項7】使用される塩基の量が、使用されるチエニ
    ルアセトニトリルの量に対して0.1〜15%の範囲の割合
    であることを特徴とする、特許請求の範囲第1、5およ
    び6項のいずれか1項記載の方法。
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