JPH083268A - 熱可塑性樹脂用の固形状改質剤組成物、及び該組成物を用いた熱可塑性ポリウレタン樹脂成形品の改質方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂用の固形状改質剤組成物、及び該組成物を用いた熱可塑性ポリウレタン樹脂成形品の改質方法

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JPH083268A
JPH083268A JP6159123A JP15912394A JPH083268A JP H083268 A JPH083268 A JP H083268A JP 6159123 A JP6159123 A JP 6159123A JP 15912394 A JP15912394 A JP 15912394A JP H083268 A JPH083268 A JP H083268A
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JP
Japan
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polyurethane resin
thermoplastic polyurethane
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modifier
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Application number
JP6159123A
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English (en)
Inventor
Hiroyoshi Yokota
博栄 横田
Junichi Watanuki
純一 綿貫
Takao Fukami
孝夫 深見
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Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ウレトジオン基とイソシアヌレート基とを含
有するポリイソシアネート化合物とヒドロキシル化合物
のモル比が特定の範囲から成る熱可塑性ポリウレタン樹
脂用の固形状改質剤組成物である。また、熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂にこの改質剤組成物を混合し熱間成形する
ことにより、改質剤組成物のウレトジオン基を反応させ
ることにより得られる、改質された熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂成形品の改質方法である。 【効果】 熱可塑性ポリウレタン樹脂に添加したあとも
室温〜50℃付近までは半永久的な貯蔵安定性を有す。
さらに、改質された熱可塑性ポリウレタン樹脂成形品の
製造方法は、製造機械の汚染性が低く、且つ得られた成
形品の耐熱性は熱硬化性ポリウレタン樹脂成形品に近い
性能が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂用の固形
状改質剤組成物及び、該改質剤組成物を用いた熱可塑性
ポリウレタン樹脂成形品の改質方法に関する。さらに詳
しくは、熱可塑性ポリウレタン樹脂を射出成形、押出し
成形するに際し、該改質剤組成物を添加することにより
成型品の硬度を保持し、耐熱性の向上を目的とする改質
された熱可塑性ポリウレタン樹脂成型品の改質方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリウレタン樹脂は、ゴム弾
性、耐摩耗性、耐薬品性、耐寒性、などの物性に優れて
おり、通常の熱可塑性樹脂を成型加工する方法により容
易に成型品を得る事ができる加工性に優れた素材であ
る。しかしながら熱可塑性であることから得られた成型
品の使用可能温度が限定される。例えば、硬度(Hs
A)80程度の熱可塑性ポリウレタン樹脂の場合、粘弾
性測定から見た貯蔵弾性率のプラトー領域は明確なもの
ではなく、常温付近から観察すると、その挙動は温度上
昇に伴い低下する傾向にある。この現象は、熱可塑性ポ
リウレタン樹脂が線状構造を有するものであり、ハード
セグメント部の水素結合力が温度上昇に伴い緩和され、
疑似的な架橋構造が分子内に存在しにくくなるためであ
る。すなわち熱可塑性ポリウレタン樹脂から得られる成
型品は耐熱性に限界があり、耐熱性を要求する用途への
展開は不可能であった。これらの欠点を改良する技術と
して特公平1−34539公報、特公昭64−8746
公報、特公昭60−43445公報などが提案されてい
る。これらは、いずれも溶融した熱可塑性ポリウレタン
樹脂に、実質的にNCO基を分子末端に有するポリイソ
シアネート化合物を添加し、直線状の熱可塑性ポリウレ
タン樹脂を形成する分子間にアロファネート結合などの
架橋構造を形成させ、熱硬化性ポリウレタン樹脂に近い
性能を有する、耐熱性および機械的性質に優れた成型品
を得る技術である。これら技術の問題点は、改質剤とし
て加えるポリイシシアネート化合物にあり、実質的にN
CO基を分子末端に有するため、湿度に対する影響が大
きく長期間貯蔵するとNCO基と水分が反応しポリイソ
シアネート化合物中のNCO含量が低下し、原料の白濁
などが懸念される。そこでこれらのポリイソシアネート
化合物を貯蔵する場合には、充分な窒素パージが必要と
されている。通常のポリイソシアネート化合物は高粘度
の液状物であり、取扱いに際し作業環境の悪化、成形機
の汚染などが問題となる。また、ポリイソシアネート化
合物は、常温で液状のため消防法の適用範囲内にあり危
険物第4類に属すものである。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
従来の問題点を解決するために鋭意検討した結果、改質
剤組成物が固形状であり、熱可塑性ポリウレタン樹脂の
改質に有効であり、具体的には硬度変化を示すことな
く、モジュラス、抗張力、耐熱性などを改質することが
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0004】即ち、本発明は、イソシアネート成分がヘ
キサメチレンジイソシアネートであり、ウレトジオン基
とイソシアヌレート基とを含有するポリイソシアネート
化合物とヒドロキシル化合物のモル比がNCO/OH=
0.90〜1.10の範囲から成る熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂用の固形状改質剤組成物が提供される。また本発
明により、熱可塑性ポリウレタン樹脂100重量部に請
求項1記載の改質剤組成物0.05〜30重量部を混合
し熱間成形することにより改質剤組成物のウレトジオン
基を反応させることにより得られる、改質された熱可塑
性ポリウレタン樹脂成形品の改質方法が提供される。
【0005】まず、本発明の改質剤組成物に含有される
化合物について詳しく述べる。該化合物の、ポリイソシ
アネート化合物は、ヘキサメチレンジイソシアネート又
は、一部ウレタン化したヘキサメチレンジイソシアネー
トから誘導されるものであり、ウレトジオン基と、イソ
シアヌレート基を含有するものである。ウレトジオン基
とイソシアヌレート基を同時に含有する化合物を得るた
めに効果的な触媒としては、例えばトリエチルホスフィ
ン、ジブチルエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホ
スフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブ
チルホスフィン、トリアミルホスフィン、トリベンジル
ホスフィン、ベンジルメチルホスフィンなどの燐系化合
物が好ましく、反応温度は、通常50〜90℃の範囲で
ある。
【0006】ウレトジオン基を有する二量体とイソシア
ヌレート基を有する三量体の含有率は、示差屈折率計検
出によるゲルパーミェーションクロマトグラフィー(以
下、GPCと略す。)の各ピークの面積百分率によって
求められる。本発明において、ウレトジオン基を有する
二量体とイソシアヌレート基を有する三量体の好ましい
含有率は、ウレトジオン基を有する二量体が10%以
上、イソシアヌレート基を有する三量体が60%以下が
好ましく、さらに好ましくは、ウレトジオン基を有する
二量体が15〜40%、イソシアヌレート基を有する三
量体が15〜40%である。
【0007】一部ウレタン化に用いられる活性水素含有
化合物としては例えば、1,4−ブタンジオール、1,
3−ブタンジオール1,6−ヘキサンジオール、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、
ビスフェノール、トリメチロールプロパン、ポリエチレ
ンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリ
コール、ポリカプロラクトングリコール、ポリテトラメ
チレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
【0008】ポリイソシアネート化合物に含有するウレ
トジオン基は、加熱により解離して活性なNCO基を発
生することは公知であり、その熱解離温度は約150℃
程である。ウレトジオン基と、イソシアヌレート基を含
有するヘキサメチレンジイソシアネート系のポリイソシ
アネート化合物を用い熱可塑性ポリウレタン樹脂の改質
剤を合成するにあたり、該ポリイソシアネート化合物の
NCO基と反応させるヒドロキシル化合物とは通常の熱
可塑性ポリウレタン樹脂を構成する公知の鎖長延長剤、
長鎖ポリオールを使用することができる。例えば、1,
4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
ネオペンチルグリコール、ビスフェノール、トリメチル
プロパン、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチ
レンアジペートジオール、ポリカプロラクトンジコー
ル、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げ
られる。
【0009】ポリイソシアネート化合物とヒドロキシル
化合物とのモル比は、NCO/OH=0.90〜1.1
0の範囲から選ばれるものであり、より好ましくは、
0.95〜1.05である。この範囲を外れると固形状
の反応物は得難くなる。本発明の固形状改質剤組成物は
流動性がなく、取扱い易い。合成時の反応温度はウレト
ジオン基の解離温度よりも低い温度条件である。即ち1
50℃以下、より好ましくは140℃以下である。合成
装置としては、通常の熱可塑性ポリウレタン樹脂を合成
するに用いる公知の機械を使用することができる。具体
的には単軸、二軸押出し機、ニーダーのような混練り槽
を有する混合装置などが挙げられる。簡易的な合成法と
しては、所定量の反応液を容器に仕込みハンドミキサー
で強制的に攪拌し、離型紙上に流し込み恒温乾燥機内に
て静止状態で高分子化させる方法が可能である。
【0010】本発明に係る熱可塑性ポリウレタン樹脂と
は、通常使用されている有機ジイソシアネート、ポリオ
ール、鎖長延長剤を反応して合成されるものである。本
発明に使用する熱可塑性ポリウレタン樹脂を構成する有
機ジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレ
ンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネ
ート等の芳香族イソシアネートや、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシ
レンジイソシアネート等の脂環式または脂肪族イソシア
ネートなどが挙げられる。
【0011】本発明に使用する熱可塑性ポリウレタン樹
脂を構成するポリオールとしては、エステル系、エーテ
ル系、ラクトン系、カーボネート系のポリオール等が挙
げられる。エステル系のポリオールとしては、例えばエ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブテ
ンジオール、1,3−ブテンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオールな
どの多価アルコールと、例えばアジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレ
イン酸などの脂肪酸、もしくは芳香族カルボン酸から得
られるポリエステルジオールが挙げられる。エーテル系
のポリオールとしては、例えばポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメ
チレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテ
ルグリコールなどのポリアルキレンエーテルジオールが
挙げられる。ラクトン系のポリオールとしては、たとえ
ばポリカプロラクトングリコール、ポリプロピオラクト
ングリコール、ポリバレロラクトングリコール等があげ
られる。カーボネート系のポリオールとしては、例えば
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、メチルペンタンジオール、メチルオク
タンジオール、1,9−ノナンジオールなどの多価アル
コールと、例えばジエチルカーボネート、ジプロピレン
カーボネート等との脱アルコール反応により得られるポ
リカーボネートジオールが挙げられる。
【0012】本発明に使用する熱可塑性ポリウレタン樹
脂を構成する鎖長延長剤とは、例えば、エチレングリコ
ール、ポロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−
ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ネオペンチ
ルグリコール、メチルオクタンジオール、1,9−ノナ
ンジオール等が挙げられる。本発明に係る熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂の製造方法は、押出し機を使用する連続合
成方法、または混練り槽を有するニーダーのようなバッ
チ合成方法など、通常使用される製造用機械を使用して
行なわれる。
【0013】熱可塑性ポリウレタン樹脂100重量部に
対し固形状改質剤組成物0.05〜30重量部を溶融含
有させて熱間成形することにより得られる改質された熱
可塑性ポリウレタン樹脂成形品の製造方法としては、通
常の熱可塑性樹脂を成型加工する射出成形機、押出し成
形機などを使用することができる。成形温度、射出条件
及び押出し条件は改質剤を添加することによっても何ら
変化することなく成形品を得ることができる。必要によ
り、同時に使用する熱可塑性ポリウレタン樹脂と熱可塑
性ポリウレタン樹脂の改質剤と共に、各種添加剤を加え
ることが出来る。例えば、成形品の着色を目的とした染
料、顔料、成形品の保形性及び曲げ強さの向上を目的と
したガラス繊維などの無機フィラー、その他、難燃性向
上剤、電気絶縁性向上剤、防カビ剤などである。これら
添加剤は必要に応じて、改質された熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂成形品を得る際に使用することが出来る。
【0014】
【発明の効果】本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂の固
形状改質剤組成物は、ヘキサメチレンジイソシアネート
系のポリイソシアネート化合物から誘導されるものであ
り、ポリイソシアネート化合物中にウレトジオン基と、
イソシアヌレート基を同時に含有する該ポリイソシアネ
ート化合物とヒドロキシル化合物との反応から得られる
ものである。該改質剤組成物に含まれるウレトジオン基
は室温において極めて安定である。また固形状であるた
め、通常の熱可塑性樹脂と同様に紙袋に入れて保管する
ことができ、且つ水分に対する影響が無いために保管が
しやすい。さらに、熱可塑性ポリウレタン樹脂に添加し
たあとも室温〜50℃付近までは半永久的な貯蔵安定性
を有し、さらに、本発明の改質された熱可塑性ポリウレ
タン樹脂成形品の製造方法によって、従来技術に比べ製
造機械の汚染性が低く、且つ耐熱性は従来の熱可塑性ポ
リウレタン樹脂成形品に比べ高く、熱硬化性ポリウレタ
ン樹脂成形品に近い性能が得られる。
【0015】
【実施例】本発明について実施例、比較例及び参考例に
更に詳細に説明するが、本発明はこれらによりなんら限
定されるものではない。実施例、比較例及び参考例にお
いて部はすべて重量部を意味し、%はすべて重量%を意
味する。
【0016】なお本発明で使用した熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂及び試薬類等を下記に示す。 ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI):日本ポリウレタン工業製 トリオクチルホスフィン :キシダ化学品 トリアミルホスフィン :キシダ化学品 リン酸 :キシダ化学品 プロピレングリコールメチルエーテルアセテート:キシダ化学品 パラトルエンスルホン酸メチル :キシダ化学品 ジブチルアミン :キシダ化学品 1,4−ブタンジオール :東ソー製 1,6−ヘキサンジオール :宇部興産製 ポリヘキサンアジペートジオール(平均分子量2000) :日本ポリウレタン工業製 ポリカプロラクトングリコール(平均分子量2000) :ダイセル化学工業製 熱可塑性ポリウレタン樹脂A;パラプレンP−480 :日本ポリウレタン工業製 熱可塑性ポリウレタン樹脂B;パラプレンP−433 :日本ポリウレタン工業製
【0017】〔改質剤組成物の合成〕 実施例1 攪拌機、温度計、窒素シール管及び冷却器のついた反応
器に、HDIを3000部とトリオクチルホスフィン
6.0部を仕込み、攪拌機を作動させ55℃に加熱し8
時間反応させたのち停止触媒としてリン酸1.9部を加
え、反応を停止させNCO含量42.1%の淡黄色の液
体を得た。未反応のHDIは薄膜蒸留により除去しNC
O含量23.2%の反応生成液を得た。反応生成液をG
PCにより分析した結果、ウレトジオン基を有する二量
体の含有率が32%、イソシアヌレート基を有する三量
体の含有率が44%であった。また、赤外線吸収スペク
トル、核磁気共鳴スペクトルにより、反応生成物はNC
O基、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基の存在が
確認された。この反応生成液をポリイソシアネート化合
物Aとする。
【0018】次に、ポリイソシアネート化合物Aをニー
ダーに80部仕込み、80℃に温度調節したのち、1,
4−ブタンジオール20部を仕込み、樹脂化したのちに
自己粉砕し、パウダー状の反応物を得た。この反応物を
改質剤Aとする。この改質剤Aに含まれるウレトジオン
基の解離により発生する活性なNCO基含量は12.4
%であった。
【0019】〔改質剤組成物の添加による熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂の改質〕熱可塑性ポリウレタン樹脂A10
0部に対し、改質剤Aを5部添加しドライブレンド後、
シリンダー温度180℃に加熱した射出成型機を用い、
試験片及びブロックを作成した。この試験片とブロック
について各性能試験を行った。その結果を表1に示す。
【0020】〔改質剤組成物の合成〕 実施例2 攪拌機、温度計、窒素シール管及び冷却器のついた反応
器にHDIを2987.4部と1,3−ブタンジオール
12.6部を仕込み、撹拌しながら65℃で3時間反応
させNCO含量49.3%の淡黄色の反応生成液を得
た。次いでこの反応生成液に触媒としてトリアミルホス
フィン6.0部を仕込み、攪拌機を作動させ系内温度5
5℃に加熱し22時間反応させたのち停止触媒であるパ
ラトルエンスルホン酸メチル5.5部を加え反応を停止
させNCO基含量30.3%の淡黄色の液体を得た。未
反応のHDIは薄膜蒸留により除去しNCO基含量1
8.7%の反応生成液を得た。反応生成液をGPCによ
り分析した結果、ウレトジオン基を有する二量体の含有
率が20%、イソシアヌレート基を有する三量体の含有
率が20%であった。また、赤外線吸収スペクトル、核
磁気共鳴スペクトルにより、反応生成物はNCO基、ウ
レトジオン基及びイソシアヌレート基の存在が確認され
た。この反応生成液をポリイソシアネート化合物Bとす
る。
【0021】次に、ポリイソシアネート化合物Bをニー
ダーに79.2部仕込み系内温度80℃に温度調節した
のち、1,6−ヘキサンジオール20.8部を仕込み樹
脂化したのちに自己粉砕し、パウダー状の反応物を得
た。この反応物を改質剤Bとする。改質剤B中に含まれ
る、ウレトジオン基の解離により発生する活性なNCO
基含量は9.2%であった。
【0022】〔改質剤組成物の添加による熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂の改質〕熱可塑性ポリウレタン樹脂A10
0部に対し、改質剤Bを5部添加した以外は、実施例1
と同様に行った。その結果を表1に示す。
【0023】〔改質剤組成物の合成〕 実施例3 ニーダー系内にポリヘキサンアジペートグルコール(平
均分子量2000)43.3部、1,4−ブタンジオー
ル9.7部を仕込み、系内温度80℃に温度調節したの
ち、実施例1により得たポリイソシアネート化合物A4
7部を仕込み、樹脂化したのち自己粉砕しパウダー状の
反応物を得た。この反応物を改質剤Cとする。反応物中
に含まれる、ウレトジオン基の解離により発生する活性
なNCO基含量は7.2%であった。
【0024】〔改質剤組成物の添加による熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂の改質〕熱可塑性ポリウレタン樹脂A10
0部に対し、改質剤Cを5部添加した以外は、実施例1
と同様に行った。その結果を表1に示す。
【0025】〔改質剤組成物の合成〕 実施例4 ニーダー系内にポリカプロラクトングリコール(平均分
子量2000)43.3部、1,4−ブタンジオール
9.7部を仕込み、系内温度80℃に温度調節したの
ち、実施例1により得たポリイソシアネート化合物A4
7部を仕込み、樹脂化したのち自己粉砕し、パウダー状
の反応物を得た。この反応物を改質剤Dとする。反応物
中に含まれる、ウレトジオン基の解離により発生する活
性なNCO基含量は7.3%であった。
【0026】〔改質剤組成物の添加による熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂の改質〕熱可塑性ポリウレタン樹脂B10
0部に対し、改質剤Dを5部添加した以外は、実施例1
と同様に行った。その結果を表1に示す。
【0027】実施例5 〔改質剤組成物の添加による熱可塑性ポリウレタン樹脂
の改質〕熱可塑性ポリウレタン樹脂B100部に対し、
改質剤Dを2.5部添加した以外は実施例1と同様に行
った。その結果を表1に示す。
【0028】比較例1 熱可塑性ポリウレタン樹脂A100部を、シリンダー温
度180℃に加熱した射出成型機を用い、試験片及びブ
ロックを作成した。この試験片とブロックについて各性
能試験を行った。その結果を表2に示す。
【0029】比較例2 熱可塑性ポリウレタン樹脂B100部を、シリンダー温
度180℃に加熱した射出成型機を用い、比較例1と同
様に行った。その結果を表2に示す。
【0030】〔性能試験〕 (1)引張り物性 JIS K6301に準じて厚さ2mm、12cm×1
2cmの各試験片を測定した。 (2)粘弾性測定 プラトー領域の温度範囲を、厚さ2mm、幅5mmの各
試験片を用い、動的粘弾性測定装置(オリエンテック
製)にて110ヘルツで貯蔵弾性率を測定することによ
り求められるゴム領域の温度範囲を測定した。 (3)ビカット軟化点 ビカット軟化点測定法に準じて荷重1Kgにて各試験片
を測定した。 (4)圧縮永久歪 JIS K6301に準じて厚さ17mm、直径29m
mの円柱形状の圧縮永久歪み測定用ブロックを作成し、
70℃×22時間後に測定した。 (5)硬さ試験 JIS K6301に準じて各試験片の硬さを測定し
た。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソシアネート成分がヘキサメチレンジ
    イソシアネートで有り、ウレトジオン基とイソシアヌレ
    ート基とを含有するポリイソシアネート化合物とヒドロ
    キシル化合物のモル比がNCO/OH=0.90〜1.
    10の範囲から成る熱可塑性ポリウレタン樹脂用の固形
    状改質剤組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリウレタン樹脂100重量部
    に請求項1記載の改質剤組成物0.05〜30重量部を
    混合し熱間成形することにより改質剤組成物のウレトジ
    オン基を反応させることにより得られる、改質された熱
    可塑性ポリウレタン樹脂成形品の改質方法。
JP6159123A 1994-06-17 1994-06-17 熱可塑性樹脂用の固形状改質剤組成物、及び該組成物を用いた熱可塑性ポリウレタン樹脂成形品の改質方法 Pending JPH083268A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH09316423A (ja) * 1996-05-28 1997-12-09 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd ラミネート用接着剤組成物、およびそれを用いたラミネートフィルムの製造方法
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