JPH08326823A - 位置依存型ダンパ - Google Patents

位置依存型ダンパ

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JPH08326823A
JPH08326823A JP15388795A JP15388795A JPH08326823A JP H08326823 A JPH08326823 A JP H08326823A JP 15388795 A JP15388795 A JP 15388795A JP 15388795 A JP15388795 A JP 15388795A JP H08326823 A JPH08326823 A JP H08326823A
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piston
compression
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 減衰効果を高めるために、静的な釣合位置か
ら伸長側と圧縮側に変位した場合の減衰力特性を、前者
では伸側がソフトで圧側がハードに、また、後者の場合
には伸側がハードで圧側がソフトになるように、それぞ
れ独立して任意に設定することができるようにする。 【構成】 圧縮動作時においてのみピストン8でハード
の減衰力を発生するオイルダンパAと、逆に伸長動作時
においてのみピストン8でハードの減衰力を発生するオ
イルダンパBを並列に組み合わせて一組とし、これらオ
イルダンパA,Bのシリンダ1側にピストン8を迂回す
るオイルの流れ用のバイパス油路22を、前者のオイル
ダンパAにあってはピストン8の中立位置の近傍から圧
縮側に亙って、また、後者のオイルダンパBに対しては
反対に伸長側へと亙ってそれぞれ形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種振動体の動きを
速やかに減衰するための位置依存型のオイルダンパに関
し、さらに詳しくは、ピストンの中立位置近傍における
発生減衰力をソフトに保つと共に、当該中立位置近傍を
挟んで両側での発生減衰力を自動的にハードに切り換え
得るようにした、特に、乗り物などのシート用サスペン
ションへの使用に好適な位置依存型ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の位置依存型のオイルダン
パとしては、例えば、図5に示すようなものが知られて
いる。
【0003】すなわち、このオイルダンパJは、シリン
ダa内をピストンbで二つの作動油室U,Lに区画し、
当該ピストンbに伸側減衰力発生バルブcと作動油室U
側に向って開く圧側背面バルブdをそれぞれ配設してい
る。
【0004】シリンダaは、アウターシェルeと互いに
協同してこれら両者の間にリザーバ室Rを構成し、この
リザーバ室Rと作動油室Lとの間にベースバルブfが介
装してある。
【0005】ベースバルブfには、上記したピストンb
側のバルブ類と対応して圧側減衰力発生バルブgと作動
油室L側に向って開くチェックバルブhをそれぞれ配設
している。
【0006】一方、シリンダaにおける中立位置Xの近
傍におる壁面を外方に膨出してバイパス油路iを形成
し、このバイパス油路iの部分をピストンbが摺動する
ときにのみ、当該バイパス油路iを通して作動油室U,
Lを互いに連通するようにしてある。
【0007】かくして、オイルダンパJが外部からの振
動を受けてシリンダaとピストンbが、図示の相対位置
関係(通常の使用状態である1Gの状態)からバイパス
油路iを越えて作動油室U側(伸長側)または作動油室
L側(圧縮側)に変位したとする。
【0008】すると、バイパス油路iの一方端の開口部
がピストンbにより塞がれて、当該バイパス油路iによ
る両作動油室U,Lの連通が遮断される。
【0009】これにより、オイルダンパJは、伸長側或
いは圧縮側への変位の何れの場合にあっても、伸長動作
に伴って作動油室U内のオイルを作動油室Lへとピスト
ンbに設けた伸側減衰力発生バルブcを押し開いて押し
出し、当該伸側減衰力発生バルブcを通るオイルの流動
抵抗で伸側減衰力を発生する。
【0010】また、これと併せて、ピストンロッドの退
出体積分に相当する量のオイルをリザーバ室Rからベー
スバルブfのチェックバルブhを開いて作動油室Lへと
吸込み、シリンダa内の容積増加に伴うオイルの不足分
を補う。
【0011】それに対して、圧縮動作の際には、上記と
は逆に、作動油室L内のオイルを作動油室Uへとピスト
ンbに設けた圧側背面バルブdを押し開いて押し出し、
当該圧側背面バルブdを押し開くオイルの流動抵抗で作
動油室L内のオイル圧力を上昇させる。
【0012】しかも、上記と併せて、ピストンロッドの
浸入体積分に相当する量のオイルをリザーバ室Rへとベ
ースバルブfの圧側減衰力発生バルブgを押し開いて押
し出し、これら圧側背面バルブdと圧側減衰力発生バル
ブgとの相乗作用によるオイルの流動抵抗で圧側減衰力
を発生する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記した
従来タイプにおける位置依存型のオイルダンパJにあっ
ては、シリンダaとピストンbの相対関係が中立位置X
から伸長側或いは圧縮側の何れの側に変位した場合にあ
っても、同一の伸側減衰力発生バルブcと同じく同一の
圧側背面バルブdおよび圧側減衰力バルブgが働いて減
衰作用を行うことになる。
【0014】その結果、オイルダンパJの伸縮動作に伴
う伸側および圧側減衰力特性は、上記伸長側或いは圧縮
側への変位に関係なく両者の場合で同一の特性となり、
これら伸側および圧側減衰力特性をそれぞれの場合に応
じて独立して任意に設定することができない。
【0015】しかし、この種の制振用オイルダンパにあ
っては、振動理論上からシリンダaとピストンbが中立
位置Xの状態である静的な釣合位置を境にして伸長側に
変位した場合には、伸側減衰力がソフトで圧側減衰力が
ハードとなり、圧縮側に変位した場合には、逆に伸側減
衰力がハードで圧側減衰力がソフトになることがオイル
ダンパとしての制振効果を高める上で望ましい。
【0016】その点において、伸長側或いは圧縮側への
変位に関係なく伸側および圧側減衰力特性が同一の特性
となる上記従来例のオイルダンパJでは、充分な減衰作
用を発揮し得ないという不都合な点を有する。
【0017】したがって、この発明の目的は、静的な釣
合位置から伸長側と圧縮側に変位した場合の伸側および
圧側減衰力特性をそれぞれ独立して任意に設定すること
のできる新規の構成を備えた位置依存型ダンパを提供す
ることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、この発
明において、圧縮動作時にのみピストンでハードの減衰
力を発生するオイルダンパと、逆に伸長動作時において
のみピストンでハードの減衰力を発生するオイルダンパ
を並列に組み合わせて一組とし、これらオイルダンパの
シリンダ側にピストンを迂回するオイル流れ用のバイパ
ス油路を、前者のオイルダンパにあってはピストンの中
立位置近傍から圧縮側に亙って、また、後者のオイルダ
ンパに対しては反対に伸長側へと亙ってそれぞれ形成す
ることにより達成される。
【0019】
【作用】すなわち、上記のように構成することによっ
て、両オイルダンパは、外部からの振動を受けて互いに
同期しつつ伸縮動作を行い、通常の使用状態である1G
の状態から伸長側または圧縮側に変位する。
【0020】そして、伸長側に変位したときには、前者
のオイルダンパのピストンのみがバイパス油路を越えて
当該バイパス油路をもたないシリンダの壁面と対向し、
逆に圧縮側に変位した場合には、後者のオイルダンパの
ピストンのみがバイパス油路をもたないシリンダの壁面
と対向する。
【0021】これにより、両オイルダンパが共に伸長側
に変位した状態で伸長動作した際には、前者のオイルダ
ンパは、ピストンがシリンダ側のバイパス油路をもたな
い壁面と対向して相対変位するとはいえ、もともと圧縮
動作時にのみハードの減衰力を発生して伸長動作時には
減衰力を発生しない構造となっているので殆ど抵抗なく
伸長動作する。
【0022】それに対して、伸長動作時にのみハードの
減衰力を発生する構造になっている後者のオイルダンパ
は、シリンダ側のバイパス油路とピストンが互いに対向
状態を保ったまま伸長動作する。
【0023】そのために、当該オイルダンパは、本来の
伸側減衰力を発生することなくバイパス油路を通して流
れるオイルの流動抵抗でソフトの伸側減衰力を発生し、
かくして、これら前者のオイルダンパと後者のオイルダ
ンパとでトータルとしての伸側発生減衰力をソフトに保
つ。
【0024】一方、上記の状態から反転して圧縮動作す
ると、後者のオイルダンパは、この場合にあっても、依
然としてシリンダ側のバイパス油路とピストンを対向状
態に保ったまま圧縮動作するために、前記伸長動作時と
同様にしてソフトの圧側減衰力を発生するに過ぎない。
【0025】しかし反面、今度は、前者のオイルダンパ
がピストンをシリンダ側のバイパス油路をもたない壁面
と対向させつつ圧縮動作して本来の圧側減衰力を発生
し、これら前者のオイルダンパと後者のオイルダンパと
でトータルとしての圧側発生減衰力をハードに保つ。
【0026】また、両オイルダンパが中立位置からそれ
ぞれ圧縮側に変位して伸縮動作したときには、上記で述
べた伸長側への変位時とは逆に両オイルダンパが作用的
に互いに入れ換わって動作する。
【0027】すなわち、伸長動作時において、前者のオ
イルダンパは、もともと圧縮動作時にのみハードの減衰
力を発生する構造となっているうえに、しかも、シリン
ダ側のバイパス油路とピストンが互いに対向して動作す
ることになるために殆ど抵抗なく伸長動作する。
【0028】それに対して、伸長動作時にのみハードの
減衰力を発生する構造になっている後者のオイルダンパ
は、ピストンがシリンダ側のバイパス油路をもたない壁
面と対向して伸長動作することから本来の伸側減衰力を
発生し、これら前者のオイルダンパと後者のオイルダン
パとでトータルとしての伸側発生減衰力をハードに保
つ。
【0029】また、上記の状態から反転して圧縮動作す
ると、前者のオイルダンパは、この場合にあっても、依
然としてシリンダ側のバイパス油路とピストンを対向状
態に保ったまま圧縮動作するために、前記伸長動作時と
同様に殆ど抵抗なく圧縮動作する。
【0030】一方、後者のオイルダンパは、ピストンが
シリンダ側のバイパス油路をもたない壁面と対向して圧
縮動作するとはいえ、圧縮動作側には減衰力を殆ど発生
しない構造となっているために、これら前者のオイルダ
ンパと後者のオイルダンパによる圧側発生減衰力はトー
タルでソフトとなる。
【0031】かくして、両オイルダンパを並列に組み合
わせて一組とすることにより、静的な釣合位置から伸長
側に変位した場合には、伸側ソフトで圧側のみハードの
減衰力特性を、また、圧縮側に変位した場合には、伸側
のみハードで圧側ソフトの減衰力特性となる。
【0032】そして、伸長側或いは圧縮側に変位したと
きの圧側減衰力特性と伸側減衰力特性は、両オイルダン
パのシリンダ側に設けるバイパス油路の位置と、それぞ
れのオイルダンパにおける圧側発生減衰力と伸側発生減
衰力を任意に選ぶことで互いに相手側に何等の影響をも
与えることなく設定される。
【0033】したがって、各オイルダンパにおけるバイ
パス油路の位置と圧側および伸側発生減衰力とを個々に
独立して設定することで、より優れた減衰作用をもつ位
置依存型ダンパとすることができる。
【0034】
【実施例】以下、この発明の好ましい実施例について説
明する。
【0035】図1と図2は、この発明において、互いに
一組とし並列に組み合わせて使用されるそれぞれのオイ
ルダンパA,Bを示している。
【0036】図1におけるオイルダンパAは、シリンダ
1と、当該シリンダ1を取り巻いて同芯に配置したにア
ウターシェル2とを有し、これらシリンダ1とアウター
シェル2の上端はベアリング3とシール4を納めたシー
ルケース5によって密封されている。
【0037】アウターシェル2の下端は、ボトムキャッ
プ6で密閉されていると共に、シリンダ1の下端には、
ベースバルブ7が嵌着して設けてあり、シリンダ1は、
この下端に嵌着したベースバルブ7を介してボトムキャ
ップ6の内面にセンターリングして押付けられている。
【0038】これにより、アウターシェル2は、シリン
ダ1との間にリザーバ室Rを区画形成すると共に、リザ
ーバ室Rは、ベースバルブ7を介してシリンダ1の下部
に通じることになる。
【0039】シリンダ1内には、ピストン8が摺動自在
に挿入されていて、このピストン8でシリンダ1内を上
部作動油室Uと下部作動油室Lとに区画している。
【0040】ピストン8から上方に向って延びるピスト
ンロッド9は、ベアリング3とシール4およびシールケ
ース5を貫通して外部へと突出し、このピストンロッド
9の上端とボトムキャプ6を通して振動する二部材間に
装着される。
【0041】ピストン8は、軸方向に貫通する伸側ポー
ト10と圧側ポート11を有し、伸側ポート10の下端
には、下部作動油室L側へと向って開くチェックバルブ
12が、また、圧側ポート11の上端には、圧側背面バ
ルブ14がそれぞれ設けられている。
【0042】ピストン8と同様にベースバルブ7にも、
軸方向に貫通する伸側ポート16と圧側ポート17が設
けられており、伸側ポート16の上端には、下部作動油
室L側に向って開くチェックバルブ18が、また、圧側
ポート17の下端には、圧側減衰力発生バルブ19がそ
れぞれ配設してある。
【0043】かくして、オイルダンパAは、ピストン8
側の圧側背面バルブ14とベースバルブ7側の圧側減衰
力発生バルブ19とが作用する圧縮動作時においての
み、これら圧側背面バルブ14と圧側減衰力発生バルブ
19との協同作用でハードの減衰力を発生するオイルダ
ンパとして働くことになる。
【0044】一方、上記オイルダンパAと組み合わせて
使用されるもう一方のオイルダンパBは、これまで述べ
てきたオイルダンパAと比べて、シリンダ1に設けたバ
イパス油路22の配設位置とピストン8の伸側および圧
側ポート10,11に配設した各バルブの種類を異に
し、その他の点では全く同一の構成をとっている。
【0045】すなわち、オイルダンパBにあっては、図
2にみられるように、シリンダ1に対してスリット20
とカバー21とでつくるバイパス油路22を中立位置X
の近傍から伸長側に亙って形成してある。
【0046】そして、ピストン8における伸側ポート1
0の下端には、チェックバルブ12の代わりに伸側減衰
力発生バルブ13が、また、圧側ポート11の上端に
は、圧側背面バルブ14の代わりに上部作動油室U側に
向って開くチェックバルブ15がそれぞれ配設してあ
る。
【0047】これにより、当該オイルダンパBは、伸長
作動時にピストン8側の伸側減衰力発生バルブ13でハ
ードの減衰力を発生すると共に、圧縮作動時にはベース
バルブ7側の圧側減衰力発生バルブ19でソフトの減衰
力を発生し、先に述べたオイルダンパAとは逆に、伸長
動作時においてのみハードの減衰力を発生するオイルダ
ンパとして働くことになる。
【0048】次に、これらオイルダンパA,Bを互いに
一組とし並列に組み合わせて使用した場合の作動につい
て説明する。
【0049】静的な釣合位置である中立位置Xの近傍
での伸縮動作時。
【0050】伸長動作時において、オイルダンパAは、
上部作動油室U内のオイルをバイパス油路22と併せて
ピストン8の伸側ポート10からチェックバルブ12を
開いて下部作動油室Lに流しながら伸長動作する。
【0051】一方、オイルダンパBは、上部作動油室U
内のオイルをバイパス油路22からのみ下部作動油室L
へと向って流生しながら上記オイルダンパAと同期して
伸長動作する。
【0052】また、これらと併せて、オイルダンパA,
Bは、シリンダ1からピストンロッド9が退出していく
のに伴い、当該ピストンロッド9の退出体積分に相当す
る量のオイルをリザーバ室Rからベースバルブ7のチェ
ックバルブ18を開いてそれぞれ下部作動油室Lに吸い
込み、そのときにシリンダ1内に生じるオイルの不足分
を補償する。
【0053】これにより、オイルダンパAは、ピストン
8の伸側ポート10を通るオイルの流動抵抗でソフトの
減衰力を発生しつつ、また、オイルダンパBは、殆ど減
衰力を発生することなくそれぞれ伸長動作してトータル
としての伸側減衰力をソフトの状態に保つ。
【0054】それに対して、圧縮動作時にあっては、上
記とは逆に、オイルダンパAが、下部作動油室L内のオ
イルをバイパス油路22からのみ上部作動油室Uへと流
しながら圧縮動作すると共に、オイルダンパBが、下部
作動油室L内のオイルをバイパス油路22と併せてピス
トン8の圧側ポート11からチェックバルブ15を開い
て上部作動油室Uへと流しながら互いに同期して圧縮動
作する。
【0055】そして、これらと併せて、両オイルダンパ
A,Bは、ピストンロッド9の浸入体積分に相当する量
のオイルを下部作動油室Lからベースバルブ7の圧側減
衰力発生バルブ19を押し開いてそれぞれリザーバ室R
に押し出し、そのときにシリンダ1内に生じるオイルの
過剰分を補償する。
【0056】これにより、両オイルダンパA,Bは、主
としてベースバルブ7の圧側減衰力発生バルブ19を通
るオイルの流動抵抗でソフトの減衰力を発生し、トータ
ルとしての圧側減衰力をソフトの状態に保ちつつ圧縮動
作することになる。
【0057】かくして、中立位置Xの近傍での伸縮動作
時には、伸側および圧側減衰力が共にソフトの減衰力特
性となる。
【0058】中立位置Xから伸長側に変位したときの
伸縮動作時。
【0059】オイルダンパA,Bが同期して伸長側に変
位したときには、一方のオイルダンパAのピストン8が
シリンダ1側のバイパス油路22をもたない壁面と対向
して相対変位を行うだけで、他方のオイルダンパBは、
依然としてシリンダ1側のバイパス油路22とピストン
8が対向した状態を保って伸縮動作する。
【0060】これにより、伸長動作時において、オイル
ダンパAは、上部作動油室U内のオイルをピストン8の
伸側ポート10からチェックバルブ12を開いて、ま
た、オイルダンパBは、バイパス油路22を通してそれ
ぞれ下部作動油室Lに流す。
【0061】その結果、オイルダンパA,Bは、オイル
ダンパB側のバイパス油路22を通るオイルの流動抵抗
でトータルとしての伸側減衰力をソフトの状態に保ちつ
つ伸長動作する。
【0062】また、上記と併せてオイルダンパA,B
は、ピストンロッド9の退出体積分に相当する量のオイ
ルをリザーバ室Rからベースバルブ7の伸側ポート16
に設けたチェックバルブ18を開いて下部作動油室Lに
吸い込み、シリンダ1内のオイルの不足分を補う。
【0063】それに対して、上記の状態から圧縮動作に
移ると、オイルダンパAは、ピストン8の圧側ポート1
1から圧側背面バルブ14を押し開いて下部作動油室L
内のオイルを上部作動油室Uに押し出しつつ圧縮動作す
る。
【0064】また、オイルダンパBは、依然としてシリ
ンダ1側のバイパス油路22とピストン8が対向したま
ま下部作動油室L内のオイルを当該バイパス油路22か
らのみ上部作動油室Uに流して圧縮動作する。
【0065】しかも、これらと併せて、オイルダンパ
A,Bは、ピストンロッド9の浸入体積分に相当する量
のオイルを下部作動油室Lからベースバルブ7の圧側減
衰力発生バルブ19を押し開いてリザーバ室Rに押し出
し、シリンダ1内のオイルの過剰分を補償する。
【0066】これにより、圧縮動作時にあっては、オイ
ルダンパAが圧側背面バルブ14とベースバルブ7の圧
側減衰力発生バルブ19との協同作用でハードの減衰力
を発生するのと共に、オイルダンパBがベースバルブ7
の圧側減衰力発生バルブ19でソフトの圧側減衰力を発
生し、両オイルダンパA,Bは、トータルとしての圧側
減衰力をハードの状態に保って圧縮動作する。
【0067】かくして、伸長側に変位したときには、伸
側がソフトで圧側がハードの減衰力特性となる。
【0068】中立位置Xから圧縮側に変位したときの
伸縮動作時。
【0069】オイルダンパA,Bが同期して圧縮側に変
位した場合には、前記とは逆に、オイルダンパAのピス
トン8がシリンダ1側のバイパス油路22と対向して相
対変位を行うのに対し、他方のオイルダンパBのピスト
ン8がシリンダ1側のバイパス油路22をもたない壁面
と対向して相対変位を行う。
【0070】これにより、圧縮動作時において、両オイ
ルダンパA,Bは、下部作動油室L内のオイルをベース
バルブ7の圧側減衰力発生バルブ19からリザーバ室R
に押し出してオイルの体積補償を行いつつ、かつ、オイ
ルダンパAが下部作動油室L内のオイルをバイパス油路
22から、また、オイルダンパBがピストン8の圧側ポ
ート11からチェックバルブ15を開いてそれぞれ上部
作動油室Uに流す。
【0071】かくして、両オイルダンパA,Bは、主と
してベースバルブ7の圧側減衰力発生バルブ19による
オイルの流動抵抗で圧側減衰力をソフトの状態に保ちつ
つ圧縮動作する。
【0072】それに対して、上記の状態から伸長動作に
移ると、オイルダンパAは、依然としてシリンダ1側の
バイパス油路22とピストン8が対向したまま、上部作
動油室U内のオイルを当該バイパス油路22から下部作
動油室Lに向って流しつつ伸長動作する。
【0073】また、オイルダンパBは、ピストン8の伸
側ポート10から伸側減衰力発生バルブ13を押し開い
て上部作動油室U内のオイルを下部作動油室Lに押し出
しつつ伸長動作する。
【0074】しかも、これらと併せて、オイルダンパ
A,Bは、ピストンロッド9の退出体積分に相当する量
のオイルをリザーバ室Rからベースバルブ7の伸側ポー
ト16に設けたチェックバルブ18を開いて下部作動油
室Lに吸い込み、シリンダ1内のオイルの不足分を補
う。
【0075】これにより、伸長動作時にあっては、オイ
ルダンパAが殆ど減衰力を発生することなく、オイルダ
ンパBのみがピストン8の伸側減衰力発生バルブ13で
ハードの減衰力を発生し、両オイルダンパA,Bは、ト
ータルとしての伸側減衰力をハードの状態に保って伸長
動作する。
【0076】その結果、伸長側に変位したときには、上
記圧縮側への変位時とは逆に伸側がハードで圧側がソフ
トの減衰力特性となる。
【0077】かくして、伸長側或いは圧縮側に変位した
ときの圧側減衰力特性と伸側減衰力特性は、オイルダン
パA,Bのシリンダ1に設けるバイパス油路22の位置
と、オイルダンパAにおけるピストン8の圧側背面バル
ブ14とベースバルブ7の圧側減衰力発生バルブ19、
および、オイルダンパBにおけるピストン8の伸側減衰
力発生バルブ13のそれぞれのバルブ特性とによって決
まる。
【0078】しかも、これらバイパス油路22のそれぞ
れの設置位置と各バルブ13,14および19のバルブ
特性は、互いに他に対して何等の影響をも与えることな
く設定可能である。
【0079】したがって、それぞれのバイパス油路22
の設置位置と、伸側減衰力発生バルブ13,圧側背面バ
ルブ14および圧側減衰力発生バルブ19のバルブ特性
を個々に独立して設定し、それによって、より優れた減
衰作用をもつ位置依存型ダンパとすることが可能にな
る。
【0080】なお、これまで述べた図1,2のオイルダ
ンパA,Bにあっては、バイパス油路22をシリンダ1
に穿ったスリット20とそれを覆うカバー21とで構成
したが、当該スリット20をシリンダ1に穿った上下の
油孔に代えてもよく、或いは図5の従来例と同じくシリ
ンダ1の壁面を外方に膨出させて形成するようにしても
よいことは勿論である。
【0081】ただし、バイパス油路22の構成に当っ
て、シリンダ1の壁面を外方に膨出して形成する手段は
加工が面倒で作るのに手数が掛り、また、図1,2のよ
うにスリット20或いは油孔とカバー21を用いる手段
は、当該カバー21の取り付けによってシリンダ1の真
円度に狂いが生じ、ピストン8の動きに支障をきたす恐
れがある。
【0082】図3,4の実施例は、これらの点を考慮に
入れて構成したもので、この実施例にあっては、カバー
21の上下端に内周面側にシール23をもつガイド24
を嵌着し、これらガイド24のシール23でシリンダ1
との間を油密に保ちつつ、当該カバー21をスプリング
25で所定の位置に保持するようにしている。
【0083】このものによれば、カバー21の加工が容
易になるだけでなく、その取り付けに当ってもシリンダ
1の真円度に何等の影響をも与えないので、オイルダン
パとしての作動性を良好に保つことができる。
【0084】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、一組
として用いる個々のオイルダンパのバイパス油路の位置
と、これに関連して一方のオイルダンパの圧側減衰力特
性と他方のオイルダンパの伸側減衰力特性とを適切に選
定することにより、これらオイルダンパが伸長側と圧縮
側に変位したときのそれぞれの減衰力特性を、互いに他
方に対して何等の影響も与えることなく独立して設定す
ることができる。
【0085】かくして、伸長側への変位時には伸側ソフ
トで圧側ハードの減衰力特性を、また、圧縮側への変位
時には逆に伸側ハードで圧側ソフトの減衰力特性をそれ
ぞれ発生して、制振効果に優れた位置依存型ダンパとす
ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である位置依存型ダンパの
一方のオイルダンパを示す縦断正面図である。
【図2】同上のオイルダンパと組み合わせて使用される
他方のオイルダンパを示す縦断正面図である。
【図3】同じく、この発明の他の実施例である位置依存
型ダンパの一方のオイルダンパを示す縦断正面図であ
る。
【図4】同上のオイルダンパと組み合わせて使用される
他方のオイルダンパを示す縦断正面図である。
【図5】従来例である位置依存型ダンパを示す縦断正面
図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 アウターシェル 7 ベースバルブ 8 ピストン 12,15,18 チェックバルブ 13 伸側減衰力発生バルブ 14 圧側背面バルブ 19 圧側減衰力発生バルブ 20 スリット 21 カバー 22 バイパス油路 A,B オイルダンパ L 下部作動油室 R リザーバ室 U 上部作動油室 X 中立位置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮動作時にのみピストンでハードの減
    衰力を発生するオイルダンパと、逆に伸長動作時におい
    てのみピストンでハードの減衰力を発生するオイルダン
    パを並列に組み合わせて一組とし、これらオイルダンパ
    のシリンダ側にピストンを迂回するオイル流れ用のバイ
    パス油路を、前者のオイルダンパに対してはピストンの
    中立位置近傍から圧縮側に亙って、また、後者のオイル
    ダンパに対しては反対に伸長側へと亙ってそれぞれ形成
    したことを特徴とする位置依存型ダンパ。
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