JPH08326119A - トイレ脱臭機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 【構成】便槽内の臭気を取り入れる第１の空気取り入れ
口２と、トイレ室内の臭気を取り入れる第２の空気取り
入れ口３と、便座に着座時は第１の空気取り入れ口２か
ら便槽内の臭気を取り入れ、便座を離座後は第２の空気
取り入れ口３からトイレ室内の臭気を取り入れる機構１
０、１１とを備え、空気の流路内４には脱臭剤７が設置
され、さらにその脱臭剤７の近くには発熱体８が設けら
れ、流れる空気を暖めることができ、さらに、脱臭剤７
は吸着機能と酸化浄化機能を有し、非加熱時には吸着作
用で脱臭を行い、加熱時には吸着した臭気を酸化浄化作
用によって酸化浄化することにより脱臭剤の再生を間欠
的に行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、トイレ室内の悪臭を長
期間メンテナンスフリーで脱臭し、かつ冬季には足下暖
房を行い、トイレ室内環境を快適にする機器に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来、トイレ室内の暖房機の付加機能と
しての脱臭には、活性炭を主とする吸着剤によって臭気
成分を吸着除去する方法が多用されていた。また近年で
は便座一体型局部洗浄機に触媒式脱臭、暖房機能が付加
したものもある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の活性炭等による吸着では、吸着容量に限界が
有り、定期的に交換しなければならないという問題があ
った。また触媒式脱臭、暖房機能を付加した局部洗浄装
置は便槽内の臭気を直接吸引して脱臭を行うため、使用
者の着座中は臭気が拡散せず、脱臭効果があるが、使用
者が離座すると臭気が拡散しやすくなり脱臭効果が低減
したり、常時暖房運転していないと使用者のトイレ使用
中に充分な暖房感が得られないという問題があった。ま
たイニシャルコストも高いという問題があった。

【０００４】本発明は、従来の上記課題を解決するもの
で、使用者の着座時、便槽内臭気を直接吸引を行うため
トイレ室内に拡散させることなく脱臭し、使用者が離座
した後の臭気拡散および便槽以外を発生源とする臭気の
脱臭も同時に行い、冬季には足下暖房も行うことにより
トイレ室内環境を快適にするトイレ脱臭機構を提供する
ことを第１の目的とする。

【０００５】第２の目的は、使用者の着座時、便槽内臭
気の直接吸引のみを行うためトイレ室内に臭気を拡散さ
せることなく脱臭し、使用者が離座した後はトイレ室内
に拡散した臭気、および便槽以外を発生源とする臭気の
脱臭を行い、冬季には足下暖房も行うことによりトイレ
室内環境を快適にするトイレ脱臭機構を提供することを
第２の目的とする。

【０００６】第３の目的は、脱臭剤の交換不要のトイレ
脱臭機構を提供することである。

【０００７】第４の目的は、脱臭剤の吸着脱臭性能、再
生性能を高めたトイレ脱臭機構を提供することである。

【０００８】第５の目的は、脱臭剤の吸着脱臭性能、再
生性能をさらに高めたトイレ脱臭機構を提供することで
ある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、便槽内とトイ
レ室内の臭気を同時に取り入れる空気取り入れ口を具備
し、その空気流路内には脱臭剤が設置されていることを
特徴とするトイレ脱臭機構である。

【００１０】また、本発明は、便槽内の臭気を取り入れ
る第１の空気取り入れ口と、トイレ室内の臭気を取り入
れる第２の空気取り入れ口と、便座に着座時は第１の空
気取り入れ口から便槽内の臭気を取り入れ、便座を離座
後は第２の空気取り入れ口からトイレ室内の臭気を取り
入れる機構とを備え、空気の流路内には脱臭剤が設置さ
れていることを特徴とするトイレ脱臭機構である。

【００１１】本発明の第１の目的を達成するための第１
の手段は、たとえば、筐体と便槽内空気取り入れ口と、
トイレ室内空気取り入れ口と、空気流路と、ファンと、
前記ファンの駆動用モータと、脱臭剤と、発熱体と空気
吹き出し口からなる構造としたものである。

【００１２】また、第２の目的を達成するための第２の
手段は、たとえば筐体と便槽内空気取り入れ口と、トイ
レ室内空気取り入れ口と、空気流路と、ファンと、前記
ファンの駆動用モータと、脱臭剤と、発熱体と臭気取り
入れ口を前記便槽内臭気取り入れ口と前記トイレ室内臭
気取り入れ口のいずれか一方に切り替えるダンパと空気
吹き出し口からなる構造としたものである。

【００１３】また、第３の目的を達成するための第３の
手段は、たとえば脱臭剤を吸着機能と酸化浄化機能を有
するものとし、間欠的に脱臭剤の再生を行う構造とした
ものである。

【００１４】また、第４の目的を達成するための第４の
手段は、たとえば脱臭剤を少なくとも吸着機能を持つゼ
オライトと酸化浄化機能を持つ貴金属触媒とからなるも
のとしたものである。

【００１５】また、第５の目的を達成するための第５の
手段は、たとえば脱臭剤を少なくとも活性アルミナと珪
酸と、白金族金属およびゼオライトからなるものとした
ものである。

【００１６】

【作用】本発明は上記した第１の手段の構成により、便
槽内空気取り入れ口とトイレ室内空気取り入れ口とから
同時に便槽内およびトイレ室内の臭気を取り入れ、脱臭
剤を通して脱臭を行い清浄空気をトイレ室内に環流す
る。また冬季には発熱体に通電することにより足下暖房
を行う。

【００１７】また、第２の手段の構成により、使用者が
便座に着座時はトイレ室内発生臭気の大部分を占める便
槽内臭気を脱臭剤に通して脱臭を行い、清浄空気をトイ
レ室内に環流する。使用者の離座後は残った便槽内臭気
およびトイレ室内で便槽以外を発生源とする臭気を脱臭
剤に通して脱臭を行い、清浄空気をトイレ室内に環流す
る。また冬季には発熱体に通電し、足下暖房を行う。

【００１８】また、第３の手段の構成により、脱臭剤の
非加熱時には吸着作用によって脱臭を行い、一定時間脱
臭運転を行って脱臭性能の低下が起きる前に、脱臭剤を
加熱して吸着臭気成分を酸化浄化し再生することにより
脱臭剤の交換を不要とする。

【００１９】また、第４の手段の構成により、高い吸着
機能を有するゼオライトによって臭気を吸着脱臭するこ
とにより脱臭性能を高め、高い完全酸化機能を有する貴
金属触媒によって吸着した臭気を酸化浄化することによ
り速やかに脱臭剤の再生を行う。

【００２０】また、第５の手段の構成により、高い比表
面積、吸着機能を有する活性アルミナとゼオライトによ
って、吸着脱臭能力を高めることができる。また貴金属
触媒中でも特に高い完全酸化機能を有する白金族金属を
高い比表面積を有する活性アルミナに分散担持すること
により、加熱時により速やかに脱臭剤の再生を行うこと
ができる。

【００２１】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。

【００２２】本発明の第１実施例について図１を用いて
説明する。

【００２３】ファンの駆動用モータ６に通電することに
より起動したファン５によって便槽内空気取り入れ口２
とトイレ室内空気取り入れ口３とから、同時に筐体１の
内部にある空気流路４に取り入れられた臭気成分を含む
空気は、脱臭剤７を通過する際に臭気成分は吸着除去さ
れ清浄空気となり空気吹き出し口９を通じてトイレ室内
に環流される。また冬季にはその空気吹き出し口９に設
けられている発熱体８に通電することにより足下暖房を
行う。このようにトイレ室内臭気の主原因である便槽内
臭気をトイレ室内に拡散させることなく脱臭し、便槽内
以外の臭気も同時に脱臭し、かつ冬季には足下暖房も行
うことによりトイレ室内環境を快適にすることができ
る。

【００２４】次に本発明の第２実施例について図２を用
いて説明する。

【００２５】本実施例では、第１実施例の構造に加え
て、ダンパ１０、１１が設けられている。ダンパ１０は
便槽内空気取り入れ口２を開閉するためのものであり、
ダンパ１１はトイレ室内空気取り入れ口３を開閉するた
めのものである。さらに、使用者の着座、離座を検出す
るための、圧力センサ、光学センサ等のセンサ等（図示
省略）が設けられている。そして、使用者の着座時はそ
の着座をセンサにより検出し、ダンパ１０が開、ダンパ
１１が閉となり、ファンの駆動用モータ６に通電するこ
とにより起動したファン５によって、便槽内空気取り入
れ口２から筐体１の内部にある空気流路４に取り入れら
れた臭気成分を含む空気は、脱臭剤７を通過する。この
際に便槽内を発生源とする臭気はトイレ室内に拡散する
ことなくほとんど吸着除去される。また、使用者の離座
後はセンサがそれを検出し、ダンパ１０が閉、ダンパ１
１が開となり、トイレ室内空気取り入れ口３から空気流
路４に取り入れられた臭気成分を含む空気が、脱臭剤７
を通過して臭気成分は吸着除去され清浄空気となり空気
吹き出し口９を通じてトイレ室内に環流される。また冬
季には発熱体８に通電することにより足下暖房を行う。

【００２６】このように使用者の着座時は、トイレ室内
臭気の主原因である便槽内臭気を集中して脱臭剤７でト
イレ室内に拡散させることなく脱臭し、使用者の離座後
は便槽内以外の臭気や、使用者が離座して僅かに拡散し
た便槽内臭気や、便槽以外を発生源とする臭気等を集中
して脱臭剤７で脱臭し、かつ冬季には足下暖房も行うこ
とによりトイレ室内環境を快適にすることができる。

【００２７】次に本発明の第３実施例について説明す
る。

【００２８】本発明の第１、第２実施例に示す構成にお
いて、脱臭剤７の材料を常温においては吸着機能を有し
発熱体による加熱時には酸化浄化機能を有するものとし
たものである。これによって、ある一定時間上記第１お
よび第２実施例に示す脱臭運転を行って、脱臭剤７の吸
着能力の低下が起きる前に、近傍に配置されている発熱
体８に通電することによって発熱体８からの輻射熱で脱
臭剤７を加熱することにより脱臭剤７に吸着された臭気
成分は酸化浄化され、脱臭剤７は再生される。このよう
に間欠的に脱臭剤７を再生することで、長期間にわたっ
て脱臭剤７の交換が不要となる。

【００２９】次に、本発明の第４実施例について説明す
る。

【００３０】本発明の第１、第２実施例に示す構成にお
いて、脱臭剤７を高い吸着機能を有するゼオライトと加
熱時には高い酸化浄化機能を有する貴金属触媒からなる
ものとする。ある一定時間上記第１および第２実施例に
示す脱臭運転を行って、脱臭剤７のゼオライトの吸着能
力の低下が起きる前に、近傍にある発熱体８に通電する
ことによって発熱体８からの輻射熱で脱臭剤７の貴金属
触媒を加熱することにより脱臭剤７に吸着された臭気成
分は貴金属触媒の酸化作用で酸化浄化され、脱臭剤７は
再生される。このように間欠的に脱臭剤７を再生するこ
とで、長期間にわたって脱臭剤７の交換が不要となる。

【００３１】次に本発明の第５実施例について説明す
る。

【００３２】本発明の第１および第２実施例に示した脱
臭剤７として次のようなものを使用する。すなわち、活
性アルミナ粉末１０００ｇ、珪酸含有率３０ｗｔ％のコ
ロイダルシリカ２６００ｇ、水１２００ｇ、ゼオライト
９００ｇ、塩化白金酸をＰｔとして８ｇ、塩化パラジウ
ムをＰｄとして２ｇを加え、ボールミルを用いて充分に
混合してスラリーを調製した。このスラリーを例えばス
プレー、ディップ、ロールコート等の方法で基材に塗
布、焼成して触媒被覆層を形成する。このようにして得
られた高比表面積多孔質触媒被覆層をもつ触媒体を脱臭
剤７とした。この構成にすることで通常脱臭運転時は脱
臭剤７に形成された高比表面積多孔質触媒被覆層中の優
れた吸着能を持つゼオライト、Ｐｔ，Ｐｄを吸着媒とし
て臭気成分の吸着脱臭を行い、再生時には２００℃〜５
００℃に加熱することによって比表面積の高い活性アル
ミナに分散担持されたＰｔ、Ｐｄが活性化され、化学反
応による臭気成分の酸化分解を速やかに行い、脱臭剤７
を再生する。

【００３３】なお再生時の温度は２００℃未満ではＰ
ｔ、Ｐｄが充分に活性化されず、再生が不十分となり、
５００℃を越えると加熱再生型脱臭部付近の温度が高く
なり危険であることや、再生時のエネルギー消費が増大
する。

【００３４】なお本実施例では白金族金属としてＰｔ、
Ｐｄを使用しているが、他の白金属金属でも同様の効果
が期待できる。

【００３５】

【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
便槽内とトイレ室内の臭気を同時に取り入れる空気取り
入れ口を具備し、空気流路内に脱臭剤を設置すること
で、便槽内臭気を直接吸引を行うためトイレ室内に拡散
させることなく脱臭し、使用者が離座した後の臭気拡散
および便槽以外を発生源とする臭気の脱臭も同時に行う
ことが出来るという実用上大きな効果が得られる。

【００３６】また、便槽内とトイレ室内の臭気の双方を
取り入れる空気取り入れ口を具備し、便座に着座時は便
槽内の臭気を取り入れ、便座を離座後はトイレ室内の臭
気を取り入れる機構を有し、空気流路内に脱臭剤を設置
することで使用者が便座に着座時はトイレ室内発生臭気
の大部分を占める便槽内臭気を脱臭剤に通して脱臭を行
い、清浄空気をトイレ室内に環流する。使用者の離座後
は残った便槽内臭気およびトイレ室内で便槽以外を発生
源とする臭気を脱臭剤に通して脱臭い清浄空気をトイレ
室内に環流するいう実用上大きな効果が得られる。

【００３７】また、発熱体を設けるとともに、脱臭剤を
吸着機能と酸化浄化機能を有するものとし、非加熱時に
は吸着作用で脱臭を行い、加熱時には吸着した臭気を酸
化浄化作用によって酸化浄化することにより脱臭剤の再
生を間欠的に行うものとすることにより脱臭剤の交換を
不要としたトイレ脱臭機構を提供できる。また冬季には
発熱体に通電し、足下暖房を行うことによりトイレ室内
環境を快適にするトイレ脱臭機構を提供できる。

【００３８】また、脱臭剤を少なくともゼオライトと貴
金属触媒からなる構成とすることで脱臭性能、再生性能
を高めたトイレ脱臭機構を提供することができる。

【００３９】また、脱臭剤を少なくとも活性アルミナ
と、珪酸と、白金族金属およびゼオライトからなるもの
とすることで脱臭性能、再生性能をさらに高めたトイレ
脱臭機構を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の構成図

【図２】同第２実施例の構成図

【符号の説明】

１．筐体 ２．便槽内空気取り入れ口 ３．トイレ室内空気取り入れ口 ４．空気流路 ５．ファン ６．モータ ７．脱臭剤 ８．発熱体 ９．空気吹き出し口 １０．ダンパ １１．ダンパ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 隆弘 大阪府大阪市城東区今福西６丁目２番61号 松下精工株式会社内 (72)発明者 田代 義和 大阪府大阪市城東区今福西６丁目２番61号 松下精工株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 便槽内とトイレ室内の臭気を同時に取り
   入れる空気取り入れ口を具備し、その空気流路内には脱
   臭剤が設置されていることを特徴とするトイレ脱臭機
   構。
2. 【請求項２】 便槽内の臭気を取り入れる第１の空気取
   り入れ口と、トイレ室内の臭気を取り入れる第２の空気
   取り入れ口と、便座に着座時は第１の空気取り入れ口か
   ら便槽内の臭気を取り入れ、便座を離座後は第２の空気
   取り入れ口からトイレ室内の臭気を取り入れる機構とを
   備え、空気の流路内には脱臭剤が設置されていることを
   特徴とするトイレ脱臭機構。
3. 【請求項３】 空気流路内に配置された前記脱臭剤の近
   くには発熱体が設けられ、流れる空気を暖めることがで
   き、さらに、前記脱臭剤は吸着機能と酸化浄化機能を有
   し、非加熱時には吸着作用で脱臭を行い、加熱時には吸
   着した臭気を酸化浄化作用によって酸化浄化することに
   より脱臭剤の再生を間欠的に行うことを特徴とする請求
   項１または請求項２記載のトイレ脱臭機構。
4. 【請求項４】 脱臭剤が少なくともゼオライトと貴金属
   触媒からなる請求項１、請求項２、または請求項３記載
   のトイレ脱臭機構。
5. 【請求項５】 脱臭剤が少なくとも活性アルミナと、珪
   酸と、白金族金属およびゼオライトからなる請求項１、
   請求項２、請求項３、または請求項４記載のトイレ脱臭
   機構。