JPH08325642A - 高周波焼入れ方法 - Google Patents

高周波焼入れ方法

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JPH08325642A
JPH08325642A JP7131248A JP13124895A JPH08325642A JP H08325642 A JPH08325642 A JP H08325642A JP 7131248 A JP7131248 A JP 7131248A JP 13124895 A JP13124895 A JP 13124895A JP H08325642 A JPH08325642 A JP H08325642A
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JP
Japan
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core
workpiece
work
coil
quenching
Prior art date
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Pending
Application number
JP7131248A
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English (en)
Inventor
Takashi Tachibana
尚 立花
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08325642A publication Critical patent/JPH08325642A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

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  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 共通の焼入れコイルを使用して長さの異なる
ワークの焼入れ処理を施すにあたり、ワークの一端面へ
の焼入れ硬化層の突き抜けを防止する。 【構成】 最大長さのワークW1の長さに合わせて枠状
に形成された焼入れコイル1のうち、処理対象ワークW
1またはW2の一端面2よりも反ワーク側であって且つそ
の一端面2に近接した位置に断面略コ字状のコア9を配
置して焼入れ処理を施す。コア9は高透磁率部材で形成
されているとともに、開口部9aが反ワーク側を向くよ
うに焼入れコイル1に装着されていて、処理対象ワーク
1またはW2の長さに応じてそのコア9を焼入れコイル
1に沿ってスライド移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長さの異なる複数種類
の軸状のワークの外周面に高周波焼入れ処理を施すにあ
たり、その処理対象ワークの長さの違いにかかわらず共
通仕様の焼入れコイルを用いて高周波焼入れ処理を施す
ようにした方法に関する。
【0002】
【従来の技術】処理対象ワークの長さの違いにかかわら
ず共通仕様の焼入れコイルを用いて高周波焼入れ処理を
施すようにした方法が特公平5−14765号公報等で
知られている。
【0003】例えば特公平5−14765号公報では、
図9〜11に示すように、直径寸法dが共通で長さ寸法
a,b(a>b)のみが相違する二種類の軸状のワーク
21,W22について、それぞれの円筒外周面の表層部に
高周波焼入れ処理を施すにあたり、長尺側のワークW21
を取り囲むようにその長尺なワークW21の長さに合わせ
て略鞍形状で且つ枠状に形成された共通仕様の焼入れコ
イル51を用意し、長短いずれのワークW21,W22を処
理する場合でも、処理対象となるワークW21,W22の一
端面52にセラミック等からなる絶縁物53を押し当て
ながらそのワークの軸心を回転中心としてワークW21
22を回転させる一方、焼入れコイル51に所定の高周
波電流を流してその高周波誘導加熱により焼入れ処理を
施すようにしている。なお、図9,10における54は
ワークW21,W22の表層部に形成された焼入れ硬化層を
示し、また55は絶縁物53を支持している支持体を示
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高周波焼入れ処理を必
要とするワークWの一端面に例えば図12に示すような
センタ穴3が形成されている場合に、その焼入れ硬化層
5の末端がワークWの外周面上で終わるようにして、図
13に示すように焼入れ硬化層5がセンタ穴3が形成さ
れた一端面2側まで突き抜けてセンタ穴3に及ぶことが
一切許容されないことがある。これは、焼入れ硬化層5
がセンタ穴3にまで及ぶとその部分から破損することが
あるためである。
【0005】しかしながら、図9,10に示した従来の
方法では、絶縁物53が押し付けられているワーク
21,W22の一端面52まで加熱されることになるため
に焼入れ硬化層54がその一端面52まで突き抜けてし
まうおそれがあり、上記のような要請に応えることがで
きない。
【0006】また、従来の方法では、長さの短いワーク
22を連続的に処理する場合に、絶縁物53を固定して
いる支持体55が焼入れコイル51によって加熱され、
その熱が絶縁物53を介してワークW22に伝わり、図1
3の場合と同様に品質上のトラブルが生じやすいほか、
支持体55の熱膨張のためにその支持体55とワークW
22との間に挾まれている絶縁物53が破損するおそれが
あり、耐久性の面でも問題を残している。
【0007】したがって、上記のような要請に応えるた
めには、各ワークW21,W22の長さに応じた専用の焼入
れコイル51をそれぞれ用意して、処理対象ワーク
21,W22の種別に応じてその都度焼入れコイルを交換
しなければならず、結果的には段取り替え工数の増大と
コイル投資金額の高騰を招くこととなって好ましくな
い。
【0008】本発明は以上のような課題に着目してなさ
れたもので、処理対象ワークの長さの違いにかかわらず
共通仕様の焼入れコイルを使用しながらも、そのワーク
の一端面への焼入れ硬化層の突き抜けを防止できるよう
にした方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、長さの異なる複数種類の軸状のワークの外周面に高
周波焼入れを施すにあたり、最大長さのワークを取り囲
むようにその最大長さのワークの長さに合わせて略鞍形
状で且つ枠状に形成された共通の焼入れコイルを処理対
象となるワークの外周に配置するとともに、その焼入れ
コイルに対して処理対象ワークの軸心を回転中心として
該処理対象ワークを回転させて高周波焼入れを施すよう
にした方法であって、前記焼入れコイルのうち処理対象
ワークの一端部に相当する部分に、高透磁率部材からな
る断面略コ字状のコアをその開口部が反ワーク側を向く
ように装着して焼入れ処理を施すことを特徴としてい
る。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の構成に加えて、前記コアは、焼入れコイルのうち処理
対象ワークの一端面よりも反ワーク側であって且つその
一端面に近接した位置に装着されていることを特徴とし
ている。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の構成に加えて、前記コアは、その略コ字状の
内部空間を嵌合部位として焼入れコイルの外周に摺動可
能に嵌合されているとともに、処理対象ワークの長さに
応じて前記コアを焼入れコイルに沿ってスライド移動さ
せることを特徴としている。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の構成に加えて、前記焼入れコイルとコアとの摺動面同
士のうちコア側には位置決め用の突起部が形成されてい
て、焼入れコイル側には前記突起部と係合する切欠き溝
が形成されていることを特徴としている。
【0013】
【作用】請求項1に記載の発明によると、長さの大きい
方のワークの焼入れ処理にあたって焼入れコイルに高周
波電流を流すと、焼入れコイルからワーク側に向かって
磁力線が発生してワークの表層部が急速に加熱されるこ
とになる。その一方、焼入れコイルのうちコアが装着さ
れている部分では、コア自体が透磁率の高い物質で形成
されているために、焼入れコイルで発生した磁力線は空
気を透過してワーク側に達するよりも透磁率の高いコア
内部をより多く通るようになり、その磁力線はコアのコ
字状断面形状部を磁路として反ワーク側に向かう磁力線
のループを形成する。したがって、ワークのうちコアに
対応する部分では、該ワークに届く磁力線が他の部位と
比べて相対的に少なくなって加熱の度合が緩慢になるこ
とから、その部分では焼入れ硬化層の深さが相対的に浅
いものとなる。
【0014】また、共通の焼入れコイルを使用して長さ
の短いワークを焼入れ処理する場合には、そのワークの
長さに合わせてコアの位置を変えることにより上記と同
様の機能が発揮され、ワークのうちコアに対応する部分
の焼入れ硬化層の深さが相対的に浅いものとなる。
【0015】このように長さの異なる複数種類のワーク
について、予め最大長さのワークに合わせて形成した共
通の焼入れコイルを用いて焼入れ処理を行ったとして
も、それぞれのワークの一端部についてはコアの機能に
より焼入れ硬化層の深さを相対的に浅いものとすること
ができ、その一端面にセンタ穴がある場合でも焼入れ硬
化層の一端面側への突き抜けを防止できるようになる。
【0016】請求項2に記載の発明によると、コアが、
焼入れコイルのうち処理対象ワークの一端面より反ワー
ク側であって且つその一端面に近接した部分に装着され
ていることにより、処理対象ワークの一端面に近い部分
ほどその焼入れ硬化層の深さを一段と小さくすることが
できる。
【0017】請求項3に記載の発明によると、コアが焼
入れコイルに対して摺動可能に嵌合されていることか
ら、処理対象ワークの長さに応じてコアを焼入れコイル
に沿ってスライド移動させることによりその位置を容易
に変更することができる。
【0018】請求項4に記載の発明によると、コア側の
突起部と焼入れコイル側の切欠き溝との係合によってコ
アが位置決めされ、コアの位置決め精度と位置再現性が
向上するようになる。
【0019】
【実施例】図1の(A),(B)は本発明の一実施例を
示す図であって、図2,3に示すようにその全長a,b
(a>b)のみが異なる長短二種類の軸状のワーク
1,W2を共通の焼入れコイル1を用いて焼入れ処理す
る場合の例を示している。
【0020】前記二種類のワークW1,W2は、いずれも
その一端面2にセンタ穴3が形成されているとともに、
他端部には大径軸部4が一体に形成されていて、その大
径軸部4を除いた円筒面の表層部に焼入れ硬化層5を形
成するものである。この場合、図12,13にも示した
ように、焼入れ硬化層5がセンタ穴3にまで及ぶことが
ないように、そのセンタ穴3が形成された一端面2にま
で焼入れ硬化層5が突き抜けないことが品質管理の上で
絶対条件とされる。
【0021】前記焼入れコイル1は、図1のほか図4に
示すように、加熱導体として機能する一対のストレート
部6,6と、そのストレート部6,6の一端にあってス
トレート部6,6同士を相互に接続している略半円弧状
のブリッジ部7と、同じくストレート部6,6の他端に
あって略四分の一円弧状をなすブリッジ部8とにより全
体として略鞍形状で且つ枠状のものとして形成されてい
て、その焼入れコイル1の全長は処理対象ワークW1
2のうち長さの最も大きいワークW1を取り囲むことが
できるようにそのワークW1の長さに合わせて設定され
ている。
【0022】そして、後述するように、前記焼入れコイ
ル1によるワークW12の焼入れ処理時には、処理対象
ワークW1またはW2の一端面2側に焼入れコイル1のブ
リッジ部8が位置するようにその処理対象ワークW1
たはW2の周囲に焼入れコイル1が配置される。
【0023】また、前記焼入れコイル1のストレート部
6には珪素材等の高透磁率部材からなる断面略コ字状の
コア9が摺動可能に嵌合保持されている。このコア9
は、図1のほか図5に示すように、焼入れコイル1が処
理対象ワークW1またはW2の外周に位置決めされた場合
に、そのコア9の開口部9aが反ワーク側を指向するよ
うに装着されている一方、長さの大きいワークW1の焼
入れ処理時には、図1の(A)に示すように側面視でそ
のワークW1の一端面2とブリッジ部8との間の位置決
め位置P1にコア9が位置するようにそのコア9の位置
が調整されるとともに、長さの小さいワークW2の焼入
れ処理時には、図1の(B)に示すように、そのコア9
がワークW2の一端面2よりも反ワーク側であって且つ
そのワークW2の一端面2に最も近接した位置P2となる
ように位置調整される。
【0024】そして、前記焼入れコイル1のストレート
部6のうち前記各位置決め位置P1,P2となる部分には
図6,7に示すように切欠き溝10が形成されている一
方、各コア9の内周面には前記切欠き溝10に対応する
突起部11が形成されており、前記各位置決め位置
1,P2にて焼入れコイル1側の切欠き溝10と突起部
11とが係合することによってコア9が各位置決め位置
1,p2に位置決めされるようになっている。
【0025】なお、前記コア9が珪素材で形成されてい
る場合には、空気と比べてその透磁率が約1000倍以
上に及ぶとされている。
【0026】したがって、図1の(A)に示すように、
長さの大きいワークw1について焼入れ処理を施すにあ
たっては、処理対象となるワークw1を焼入れコイル1
のストレート部6,6間に配置してそのワークw1を焼
入れコイル1で取り囲むようにし、そのワークw1の大
径軸部4側を図示外のチャック等で把持するとともに、
そのワークw1の一端面2のセンタ穴3にセンタ12を
係合させて、実質的にワークw1を両持ち支持させる。
【0027】この時、前記センタ12の内部には図9に
示すように冷却水通路13が形成されていて、この冷却
水通路13内を冷却水が循環するようになっており、こ
れによってセンタ12の過熱が防止される。
【0028】また、焼入れコイル1のストレート部6の
うちその処理対象となるワークw1の長さに応じた位置
であるところの位置決め位置P1には断面略コ字状のコ
ア9がその開口部9aを反ワーク側に向けて固定保持さ
れており、図6,7に示すようにストレート部6側の切
欠き溝10とコア9側の突起部11との係合によってコ
ア9が位置決めされる。したがって、図1の(A)に示
すように、処理対象ワークW1と焼入れコイル1との相
対位置決めがなされたときには、側面視においてワーク
1の一端面2とブリッジ部8との間にコア9が位置す
ることになる。
【0029】この状態で、前記処理対象となるワークW
1をそのワークW1の軸心を回転中心として所定速度で回
転させながら焼入れコイル1に通電させて高周波電流を
流すと、図2に示すようにワークW1の大径軸部4を除
く円筒外周面の表層部に焼入れ処理が施されて焼入れ硬
化層5が形成される。
【0030】この時、ワークW1の一端面2に近い部分
では、図5に示すように、焼入れコイル1のストレート
部6に、高透磁率部材よりなる断面略コ字状のコア9が
その開口部9aが反ワーク側を向くようにして装着され
ているために、コア9以外の部分では焼入れコイル1か
ら発生した磁力線がその焼入れコイル1のストレート部
6とワークW1との間の隙間の空気を通ってその焼入れ
コイル1とワークW1との間で磁力線のループを形成す
るのに対して、前記コア9が装着されている部分では焼
入れコイル1から発生した磁力線が空気を透過してワー
クW1側に達するよりも透磁率の高いコア9の内部をよ
り多く通ろうとするために、図5に示すように磁力線は
コア9のコ字状断面形状部を磁路として反ワーク側に向
かう磁力線のループLを形成する。その結果、ワークW
1のうちコア9に近い部分すなわちワークW1の一端面2
に近い部分ほど焼入れコイル1側から届く磁力線が他の
部位よりも少なくなって加熱の度合が緩慢となることか
ら、その部分では焼入れ硬化層5の深さが相対的に浅い
ものとなり、同時にワークW1を支持しているセンタ1
2の過熱も防止されることになる。
【0031】より詳しくは、図1,5のほか図12に示
すように、センタ穴3が形成されている処理中のワーク
1の一端部では、その一端面2がコア9に最も近い位
置関係にあるために、一端面2に近付くにしたがって焼
入れ硬化層5の深さが漸次小さいものとなってその焼入
れ硬化層5の一端面2側への突き抜けが防止され、焼入
れ硬化層5がセンタ穴3に及ぶのを防止するという所期
の要請に応えることができる。
【0032】一方、長さの小さいワークW2を焼入れ処
理するにあたっては、図1の(B)に示すように、共通
の焼入れコイル1を使用することを前提とした上で、先
の場合と同様にセンタ12と図示外のチャックとで処理
対象となるワークW2を両持ち支持させるとともに、コ
ア9を焼入れコイル1のストレート部6に沿ってスライ
ドさせてその処理対象ワークW2の長さに合わせた位置
決め位置P2に位置決め固定する。
【0033】このコア9のスライド移動にあたっては、
例えば図6に示すようにNC制御方式のコア移動装置の
ハンド14のフィンガー15にてコア9を把持した上で
所定位置まで移動させるものとする。
【0034】このように処理対象ワークW2の長さに合
わせてコア9を移動させることにより、図1の(B)に
示すように側面視においてはコア9は処理対象ワークW
2の一端面2よりも反ワーク側であって、且つその一端
面2に最も近接した位置に位置することになる。
【0035】そして、先の場合と同様に、処理対象ワー
クW2を回転させながら焼入れコイル1に高周波電流を
流して焼入れ処理を行うと、図5,12に示したように
上記の場合と全く同様にして処理対象ワークW2のうち
コア9に近い部分では、そのコア9によりワークW2
へ届く磁力線の遮断効果が発揮されて、ワークW2の一
端面2に近付くにしたがって焼入れ硬化層5の深さが漸
次小さくなってその焼入れ硬化層5の一端面2側への突
き抜けが防止される。
【0036】このように本実施例によれば、長さの異な
るワークW1,W2について共通の焼入れコイル1を使用
して焼入れ処理を施すにあたり、その焼入れコイル1に
装着されているコア9を処理対象となるワークW1,W2
の長さに合わせてスライドさせることにより、いずれの
ワークW1,W2についても焼入れ硬化層5がそのワーク
1,W2の一端面2まで突き抜けるのを確実に防止する
ことができるようになる。
【0037】また、図5に示したコア9を、その開口部
9aがワークW1,W2側に向くように上記と逆向きに装
着することにより、磁力線のループLがワークW1,W2
側に発生することから、これによってワークW1,W2
おける焼入れ硬化層5の深さを局部的に大きくすること
もまた可能となる。
【0038】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、長さの
異なる数種類のワークについて予め最大長さのワークに
合わせて形成した共通の焼入れコイルを用いて焼入れ処
理を施すにあたり、焼入れコイルのうち処理対象ワーク
の一端部に相当する部分に高透磁率部材からなる断面略
コ字状のコアを装着して処理を行うようにしたことによ
り、いずれのワークについてもその一端部での焼入れ硬
化層の深さを漸減させて、その一端面側への焼入れ硬化
層の突き抜けを防止できることから、共通の焼入れコイ
ルを使用したままでコイルの交換を必要とすることなし
にそれぞれのワークについて所期の焼入れ硬化層のパタ
ーンを得ることができ、コイル交換のための段取り替え
工数を削減できるとともに、設備費を低減できる。ま
た、処理対象ワークを一端部を支持するためのセンタ等
も過熱されることがなく、設備の耐久性も併せて向上す
る。
【0039】請求項2に記載の発明によれば、コアが、
焼入れコイルのうち処理対象ワークの一端面よりも反ワ
ーク側であって且つその一端面に近接した位置に装着さ
れていることから、請求項1の記載の発明と同様の効果
に加えて、そのワークの一端面における焼入れ硬化層の
突き抜けをより確実に防止できるようになる。
【0040】請求項3に記載の発明によれば、焼入れコ
イルに摺動可能に嵌合されているコアを処理対象となる
ワークの長さに応じてスライド移動させることにより、
請求項1または2に記載の発明と同様の効果に加えて、
コアの位置調整や移動をきわめて容易に行える。
【0041】請求項4に記載の発明によれば、コア側の
突起部と焼入れコイル側の切欠き溝との係合によってコ
アが位置決めされるため、請求項3に記載の発明と同様
の効果に加えて、コアの位置決め精度が向上するととも
に位置の再現性が良いという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す工程説明図。
【図2】処理対象となるワークの破断説明図。
【図3】処理対象となるワークの破断説明図。
【図4】焼入れコイルの構造を示す要部斜視図。
【図5】図1の(A),(B)の右側面説明図。
【図6】図6の要部拡大図。
【図7】図6のA−A線に沿う断面図。
【図8】図1に示すセンタの拡大断面図。
【図9】従来の高周波焼入れ方法の一例を示す説明図。
【図10】従来の高周波焼入れ方法の一例を示す説明
図。
【図11】図9,10の高周波焼入れ方法で使用される
焼入れコイルの斜視図。
【図12】図2,3に示すワークの要部拡大図。
【図13】図12に示す焼入れ処理時に焼入れ硬化層が
一端面に突き抜けた状態を示す断面説明図。
【符号の説明】
1…焼入れコイル 2…一端面 5…焼入れ硬化層 6…ストレート部 9…コア 9a…開口部 10…切欠き溝 11…突起部 W1,W2…ワーク

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さの異なる複数種類の軸状のワークの
    外周面に高周波焼入れを施すにあたり、最大長さのワー
    クを取り囲むようにその最大長さのワークの長さに合わ
    せて略鞍形状で且つ枠状に形成された共通の焼入れコイ
    ルを処理対象となるワークの外周に配置するとともに、
    その焼入れコイルに対して処理対象ワークの軸心を回転
    中心として該処理対象ワークを回転させて高周波焼入れ
    を施すようにした方法であって、 前記焼入れコイルのうち処理対象ワークの一端部に相当
    する部分に、高透磁率部材からなる断面略コ字状のコア
    をその開口部が反ワーク側を向くように装着して焼入れ
    処理を施すことを特徴とする高周波焼入れ方法。
  2. 【請求項2】 前記コアは、焼入れコイルのうち処理対
    象ワークの一端面よりも反ワーク側であって且つその一
    端面に近接した位置に装着されていることを特徴とする
    請求項1記載の高周波焼入れ方法。
  3. 【請求項3】 前記コアは、その略コ字状の内部空間を
    嵌合部位として焼入れコイルの外周に摺動可能に嵌合さ
    れているとともに、処理対象ワークの長さに応じて前記
    コアを焼入れコイルに沿ってスライド移動させることを
    特徴とする請求項1または2記載の高周波焼入れ方法。
  4. 【請求項4】 前記焼入れコイルとコアとの摺動面同士
    のうちコア側には位置決め用の突起部が形成されてい
    て、焼入れコイル側には前記突起部と係合する切欠き溝
    が形成されていることを特徴とする請求項3記載の高周
    波焼入れ方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006318889A (ja) * 2005-04-14 2006-11-24 Nissan Motor Co Ltd 高周波焼入れ装置および高周波焼入れ方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006318889A (ja) * 2005-04-14 2006-11-24 Nissan Motor Co Ltd 高周波焼入れ装置および高周波焼入れ方法

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