JPH08325317A - オレフィン低重合用触媒及びそれを用いたオレフィンの低重合方法 - Google Patents

オレフィン低重合用触媒及びそれを用いたオレフィンの低重合方法

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JPH08325317A
JPH08325317A JP13513695A JP13513695A JPH08325317A JP H08325317 A JPH08325317 A JP H08325317A JP 13513695 A JP13513695 A JP 13513695A JP 13513695 A JP13513695 A JP 13513695A JP H08325317 A JPH08325317 A JP H08325317A
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chromium
low polymerization
olefin
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JP13513695A
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Motohiro Oguri
元宏 小栗
Takamitsu Aoyama
隆充 青山
Hideyuki Mimura
英之 三村
Yasuyuki Koie
泰之 鯉江
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オレフィンの低重合反応、特にエチレンから
LLDPEの原料コモノマーとして有用な1−ヘキセン
を効率よく製造し得る工業的に有利な触媒系を提供す
る。 【構成】 クロム化合物、アルキル金属化合物及び下記
一般式(1) M(Ar)l (1) (式中、lは2〜4の整数である。Mは周期律表第II
B、IIIB又はIVB族の元素である。Arはアリー
ル基を表し、l個のArはそれぞれ同一又は異種アリー
ル基でもよい)で示されるルイス酸からなるオレフィン
低重合用触媒及びそれを用いたオレフィンの低重合方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クロム化合物、アルキ
ル金属化合物及びルイス酸からなるオレフィン低重合用
触媒、及びこれを用いたオレフィンの低重合方法に関す
る。さらに詳しくは、特にエチレンから線状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)の原料コモノマーとして有用な
1ーヘキセンを効率よく製造しうるエチレンの低重合用
触媒、及びこれを用いたエチレンの低重合方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エチレン等のオレフィンを低重合して1
−ヘキセンを製造する反応において、クロム触媒を用い
ることは公知である。例えば、米国特許第334784
0号明細書及び特開昭62−265237号公報には、
クロム化合物とポリヒドロカルビルアルミニウムオキシ
ドからなる触媒系が開示されている。また、特開平6−
239920号公報には、クロム化合物、ピロール含有
化合物、金属アルキル及びハライドからなる触媒系が開
示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、米国特
許第3347840号明細書及び特開昭62−2652
37号公報に記載の方法では、一定の物性を有するポリ
ヒドロカルビルアルミニウムオキシドを再現性よく合成
することが難しい、保存安定性に乏しい等、触媒の再現
性の点で問題があった。また低重合反応終了時に廃クロ
ム触媒の処理を必要とするが、主触媒金属であるクロム
は構造によっては極めて毒性が強い化合物を作る。それ
故、安全性の面から、クロム金属の使用量をできるだけ
少なくする必要があるが、前記記載の方法では触媒活性
が十分でなく、クロム金属を大量に用いなければならな
いという問題もあった。
【0004】また、特開平6−239920号公報に記
載の方法は、不安定なポリヒドロカルビルアルミニウム
オキシドを用いない点で優れており、触媒活性もかなり
改善されてはいるが、工業的な製造方法としてはまだ十
分なものではなかった。
【0005】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的はオレフィンの低重合反応、特にエチ
レンからLLDPEの原料コモノマーとして有用な1−
ヘキセンを効率よく製造し得る工業的に有利な触媒系を
提供することにある。また、上記オレフィン低重合反応
用触媒を用いて行うオレフィンの低重合方法に関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、クロム
化合物、アルキル金属化合物及び特定のルイス酸からな
る触媒を用いてオレフィンの低重合反応を行うと非常に
高い活性で低重合反応が進行することを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0007】即ち本発明は、クロム化合物、アルキル金
属化合物及び下記一般式(1) M(Ar)l (1) (式中、lは2〜4の整数である。Mは周期律表第II
B、III1B又はIVB族の元素を表し、Arはアリ
ール基からなる群より選ばれた1種以上を表す)で示さ
れるルイス酸からなるオレフィン低重合用触媒、及びこ
の触媒の存在下にオレフィンを低重合する方法に関す
る。
【0008】次に、本発明について更に詳しく説明す
る。
【0009】本発明において使用されるルイス酸は、下
記一般式(1) M(Ar)l (1) (式中、lは2〜4の整数である。Mは周期律表第II
B、IIIB又はIVB族の元素を表し、Arはアリー
ル基からなる群より選ばれる1種以上を表す)で示され
る。
【0010】アリール基としては、特に限定するもので
はないが、例えば、フェニル基、トリフルオロメチルフ
ェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル
基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル
基、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。
【0011】上記一般式(1)で示されるルイス酸とし
ては、トリス(2−フルオロフェニル)ボロン、トリス
(3−フルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオ
ロフェニル)ボロン、トリス(2,4−ジフルオロフェ
ニル)ボロン、トリス(2,5−ジフルオロフェニル)
ボロン、トリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボロ
ン、トリス(2,4,5−トリフルオロフェニル)ボロ
ン、トリス(2,4,6−トリフルオロフェニル)ボロ
ン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、ビス
(ペンタフルオロフェニル)亜鉛、トリス(ペンタフル
オロフェニル)アルミニウム、テトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ゲルマニウム、テトラキス(ペンタフル
オロフェニル)スズ、トリス(4−トリフルオロメチル
フェニル)ボロン、トリフェニルボロン、ジフェニル亜
鉛、トリフェニルアルミニウム、テトラフェニルゲルマ
ニウム、テトラフェニルスズ等が挙げられる。
【0012】これらのうち入手の容易さ及び活性の面か
らトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンが好ましく
用いられる。これらのルイス酸は単独で使用し得るのみ
ならず、二種以上を混合して用いることも可能である。
【0013】ルイス酸の使用量は、低重合反応活性を向
上させるため、クロム化合物1モルに対して1〜2,0
00当量であり、好ましくは2〜1,500当量、より
好ましくは10〜1,000当量である。ルイス酸の使
用量がクロム化合物1モルに対して2,000当量を越
える場合には触媒活性が増加せず経済的に好ましくな
い。
【0014】本発明で使用されるクロム化合物として
は、特に限定するものではないが、例えば、下記一般式
(2) CrAmn (2) (式中、mは1〜6の整数であり、nは0〜4の整数で
ある。Aは炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ
基、カルボキシル基、β−ジケトナート基、β−ケトエ
ステル基及びアミド基、ハロゲン原子、硝酸基、硫酸基
並びに酸素からなる群より選ばれた1種以上を表し、B
は窒素含有化合物、リン含有化合物、ヒ素含有化合物、
アンチモン含有化合物、酸素含有化合物及び硫黄含有化
合物からなる群より選ばれた1種以上を表す)で示され
る化合物が好適なものとして用いられる。
【0015】炭素数1〜20のアルキル基としては、特
に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル
基、ブチル基、アリル基又はトリメチルシリルメチル基
等が挙げられる。炭素数1〜20のアルコキシ基として
は、特に限定するものではないが、例えば、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基等が挙げ
られる。炭素数1〜20のカルボキシル基としては、特
に限定するものではないが、例えば、アセテート基、プ
ロピオネート基、ブチレート基、ネオペンタノエート
基、2ーエチルヘキサノエート基、オキシ−2−エチル
ヘキサノエート基、ジクロロエチルヘキサノエート基、
ラウレート基、ステアレート基、ベンゾエート基、又は
ナフテノエート基等が挙げられる。炭素数1〜20のβ
−ジケトナート基としては、特に限定するものではない
が、例えば、アセチルアセトナート基、トリフルオロア
セチルアセトナート基、ヘキサフルオロアセチルアセト
ナート基、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘ
プタジオネート基、ベンゾイルアセトナート基等が挙げ
られる。ハロゲン原子としては、特に限定するものでは
ないが、例えば、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素が挙げ
られる。
【0016】窒素含有化合物としては、特に限定するも
のではないが、例えば、アミン、ピリジン、アミド又は
ニトリル等が挙げられる。リン含有化合物としては、特
に限定するものではないが、例えば、ホスフィン、ホス
ファイト又はホスフィンオキシド等が挙げられ、酸素含
有化合物としては、特に限定するものではないが、例え
ば、エステル、エーテル、アルコール又はケトン等が挙
げられる。硫黄含有化合物としては、特に限定するもの
ではないが、例えば、二硫化炭素、スルフォン、チオフ
ェン又はスルフィド等が挙げられる。
【0017】上記一般式(2)で表されるクロム化合物
としては、特に限定するものではないが、例えば、クロ
ム(II)ジメチル、クロム(III)トリメチル、ク
ロム(IV)テトラメチル、クロム(III)トリス
(η−アリル)、二クロム(II)テトラキス(η−ア
リル)、クロム(IV)テトラキス(トリメチルシリル
メチル)、クロム(IV)テトラエトキシド、クロム
(IV)テトラキス(iso−プロポキシド)、クロム
(IV)テトラキス(tert−ブトキシド)、クロム
(II)ビス(アセテート)、クロム(III)トリス
(アセテート)、クロム(II)ビス(プロピオネー
ト)、クロム(III)トリス(プロピオネート)、ク
ロム(III)トリス(ブチレート)、クロム(II)
ビス(2−エチルヘキサノエート)、クロム(III)
トリス(2ーエチルヘキサノエート)、クロム(II
I)トリス(オキシ−2−エチルヘキサノエート)、ク
ロム(III)トリス(ジクロロエチルヘキサノエー
ト)、クロム(III)トリス(ネオペンタノエー
ト)、クロム(II)ビス(ネオペンタノエート)、ク
ロム(III)トリス(ラウレート)、クロム(II)
ビス(ラウレート)、クロム(III)トリス(ステア
レート)、クロム(II)ビス(ステアレート)、クロ
ム(III)トリス(ベンゾエート)、クロム(II)
ビス(ナフテノエート)、クロム(III)トリス(ナ
フテノエート)、クロム(II)オキザレート、クロム
(II)ビス(アセチルアセトナート)、クロム(II
I)トリス(アセチルアセトナート)、クロム(II
I)トリス(トリフルオロアセチルアセトナート)、ク
ロム(III)トリス(ヘキサフルオロアセチルアセト
ナート)、クロム(III)トリス(2,2,6,6−
テトラメチル−3,5−ヘプタジオネート)、クロム
(III)トリス(ベンゾイルアセトナート)、フッ化
第一クロム、フッ化第二クロム、塩化第一クロム、塩化
第二クロム、臭化第一クロム、臭化第二クロム、ヨウ化
第一クロム、ヨウ化第二クロム等が挙げられる。
【0018】さらに、トリクロロトリアニリンクロム
(III)、ジクロロビス(ピリジン)クロム(I
I)、ジクロロビス(4−エチルピリジン)クロム(I
I)、トリクロロトリピリジンクロム(III)、トリ
クロロトリス(4−イソプロピルピリジン)クロム(I
II)、トリクロロトリス(4−エチルピリジン)クロ
ム(III)、トリクロロトリ(4−フェニルピリジ
ン)クロム(III)、トリクロロ(1,4,7−トリ
メチル−1,4,7−トリアザシクロノナン)クロム
(III)、ジクロロジニトロシルビス(4−エチルピ
リジン)クロム(II)、ジクロロジニトロシルビス
(トリフェニルホスフィンオキシド)クロム(II)、
ジクロロビス(トリフェニルホスフィンオキシド)クロ
ム(II)、トリクロロトリス(トリフェニルホスフィ
ン)クロム(III)、トリクロロ[ビス(2−ジエチ
ルホスフィノエチル)−エチルホスフィン]クロム(I
II)、トリクロロ[ビス(2−ジエチルホスフィノエ
チル)−n−プロピルホスフィン]クロム(III)、
トリクロロ[ビス(2−ジエチルホスフィノエチル)−
シクロヘキシルホスフィン]クロム(III)、トリク
ロロ[1,1,1−トリス(ジエチルホスフィノメチ
ル)エタン]クロム(III)、トリクロロ[トリス
(2−ジエチルホスフィノエチル)ホスフィン]クロム
(III)、トリクロロビス(トリブチルホスフィン)
クロム(III)ダイマー、トリクロロトリス(ブチル
アセテート)クロム(III)、トリクロロトリス(エ
チルアセテート)クロム(III)、トリクロロトリス
(テトラヒドロフラン)クロム(III)、トリクロロ
トリス(ジオキサン)クロム(III)、トリクロロト
リス(iso−プロパノール)クロム(III)、トリ
クロロトリス(2−エチルヘキサノール)クロム(II
I)等が挙げられる。
【0019】これらのうち活性の面からクロム(II
I)トリス(2−エチルヘキサノエート)が好ましく用
いられる。また、上記クロム化合物はそれぞれ単独で使
用し得るのみならず、二種以上を混合して用いることも
可能である。
【0020】本発明において使用されるアルキル金属化
合物は、特に限定するものではないが、例えば、下記一
般式(3) M’Rpq (3) (式中、pは0<p≦3であり、qは0≦q<3であっ
て、しかもp+qは1〜3である。M’はリチウム、マ
グネシウム、亜鉛、ボロン又はアルミニウムである。R
は炭素数1〜10のアルキル基からなる群より選ばれた
1種以上を表し、Xは水素原子、アルコキシ基、アリー
ル基及びハロゲン原子からなる群より選ばれた1種以上
を表す)で示される化合物が挙げられる。
【0021】炭素数1〜10のアルキル基としては、特
に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基又はオク
チル基等が挙げられる。
【0022】アルコキシ基としては、特に限定するもの
ではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキ
シ基又はフェノキシ基等が挙げられる。アリール基とし
ては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル
基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、特に限定す
るものではないが、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素等
が挙げられる。
【0023】なお、上記一般式(3)において、M’が
Alで、pとqがそれぞれ1.5のとき、AlR1.5
1.5となる。このような化合物は、理論的には存在しな
いが、通常、慣用的にAl233のセスキ体として表
現されており、これらの化合物も本発明に含まれる。
【0024】上記一般式(3)で示されるアルキル金属
化合物としては、例えばn−ブチルリチウム、s−ブチ
ルリチウム、t−ブチルリチウム、ジエチルマグネシウ
ム、ジエチル亜鉛、トリエチルボラン、トリメチルアル
ミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−
n−オクチルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミ
ニウム、ジメチルエチルアルミニウム、ジエチルアルミ
ニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、
ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウ
ムフェノキシド、ジシクロヘキシルフェニルアルミニウ
ム、エチルアルミニウムエトキシクロリド、ジエチルア
ルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、
ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジシクロヘキシル
アルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロ
リド、エチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアル
ミニウムジクロリドが挙げられる。これらのうち入手の
容易さ及び活性の面からトリメチルアルミニウムやトリ
エチルアルミニウムが好ましく用いられる。これらのア
ルキル金属化合物は単独で使用し得るのみならず、二種
以上を混合して用いることも可能である。
【0025】アルキル金属化合物の使用量は、クロム化
合物1モルに対して0.1〜10,000当量であり、
好ましくは3〜3,000当量、より好ましくは10〜
1,000当量である。
【0026】本発明のオレフィンの低重合反応用触媒
は、前記のクロム化合物、アルキル金属化合物及びルイ
ス酸を原料として、溶媒中で接触させることにより調製
できる。接触方法は特に制限されないが、例えば、低重
合反応原料であるオレフィンの存在下にクロム化合物、
アルキル金属化合物及びルイス酸を接触させて触媒を調
製し、接触と同時に低重合反応を開始する方法、又はク
ロム化合物、アルキル金属化合物及びルイス酸を前もっ
て接触させて触媒を調製した後、オレフィンと接触させ
て低重合反応を行う方法が採られる。
【0027】これらのうち触媒活性の面から特に前者が
好ましく、具体的には(1)クロム化合物、アルキル金
属化合物、ルイス酸及びオレフィンをそれぞれ同時に独
立に反応系に導入する、(2)アルキル金属化合物及び
ルイス酸を含む溶液にクロム化合物及びオレフィンを導
入する、(3)クロム化合物を含む溶液にアルキル金属
化合物、ルイス酸及びオレフィンを導入する、(4)ア
ルキル金属化合物を含む溶液にクロム化合物、ルイス酸
及びオレフィンを導入する、(5)クロム化合物及びル
イス酸を含む溶液にアルキル金属化合物及びオレフィン
を導入する、といった方法により触媒を調製することが
できる。なお、これらの原料の混合順序は特に制限はさ
れない。
【0028】この触媒系を調製する際の、クロム化合物
の濃度は特に制限されないが、通常溶媒1リットルあた
り、0.001マイクロモル〜10モル、好ましくは
0.01マイクロモル〜1モルの濃度で使用される。ま
たここで用いられる溶媒としては、例えば、ブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカ
ン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、デカリン
等の脂環式炭化水素、及び塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素、ジクロロエタン等の塩素化炭化水素が
挙げられる。また反応原料のオレフィンそのもの、又は
反応生成物、例えば、1−ヘキセン、オクテン、デセ
ン、ドデセン等を溶媒として用いることもできる。これ
らの溶媒はそれぞれ単独で使用し得るのみならず、二種
以上を混合して用いることも可能である。ここで、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素
は、触媒系の活性を阻害することからあまり好ましくな
いが、低重合反応に差し支えない程度に含まれていても
よい。
【0029】また、クロム化合物、アルキル金属化合物
及びルイス酸を接触させる際の温度は通常−100〜2
50℃、好ましくは0〜200℃である。触媒系の調製
時間は特に制限されず、0分〜24時間、好ましくは0
分〜2時間である。なお、触媒調製のすべての操作は、
空気と水分を避けて行なうことが望ましい。また、触媒
調製原料及び溶媒は十分に乾燥しておくことが好まし
い。
【0030】このようにして調製された触媒系を用いて
オレフィンの低重合反応を行なう。本発明においてクロ
ム触媒の使用量は特に制限されないが、通常、前記溶媒
で希釈し、低重合反応液1リットルあたり、クロム化合
物が0.001マイクロモル〜10ミリモル、好ましく
は0.01マイクロモル〜5ミリモルの濃度で使用され
る。これより小さい触媒濃度では十分な活性が得られ
ず、逆にこれより大きい触媒濃度では、触媒活性が増加
せず経済的でない。
【0031】本発明において用いられるオレフィンとし
ては、特に限定するものではないが、例えば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−
デセン等のα−オレフィン類、2−ブテン、2−ペンテ
ン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、2−オクテン、3−
オクテン、4−オクテン等の内部オレフィン類、イソブ
チレン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、2−エチル−1−ヘキセン等の分岐オレフィン
類、及び1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ペ
ンタジエン、1,5−ヘキサジエン等のジオレフィン類
等が挙げられる。これらのうちα−オレフィン類が好適
であり、特にエチレンを低重合した場合、高活性で1−
ヘキセンを得ることができる。
【0032】本発明における低重合反応の温度は、通常
−100〜250℃であるが、好ましくは0〜200℃
である。反応圧力は、絶対圧で0〜300kg/cm2
であり、好ましくは0〜150kg/cm2である。ま
た、反応時間は温度や圧力に左右され、一概に決めるこ
とはできないが、通常、10分〜6時間である。また、
オレフィンは、前記の圧力を保つように連続的に供給し
てもよいし、反応開始時に前記圧力で封入して反応させ
てもよい。原料ガスであるオレフィンには、反応に不活
性なガス、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム等が含まれ
ても何ら差し支えない。なお、低重合反応のすべての操
作は、空気と水分を避けて行うことが望ましい。また、
オレフィンは十分に乾燥しておくことが好ましい。
【0033】本反応は、回分式、半連続式、連続式のい
ずれでも実施できる。低重合反応終了後、未反応エチレ
ンが分離され、次いで反応液に例えば、水、アルコー
ル、水酸化ナトリウム水溶液等の重合失活剤を添加して
反応を停止させる。失活した灰クロム触媒は公知の脱灰
処理方法、例えば、水又はアルカリ水溶液による抽出等
で除去した後、生成したオレフィンは、公知の抽出法や
蒸留法により反応液より分離される。また、副生するポ
リマーは、反応液出口で公知の遠心分離法や生成オレフ
ィンの蒸留分離の際の残渣として分離除去される。
【0034】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて更に詳細に
説明するが、これらの実施例は本発明の概要を示すもの
で、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 温度計、触媒フィード管及び攪拌装置を備えた内容積3
00mlのステンレス製耐圧反応容器を90℃で加熱真
空乾燥したのち窒素ガスで十分置換した。0.16mo
l/lのトリエチルアルミニウム/シクロヘキサン溶液
1.9ml、0.036mol/lのトリス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボロン/オクタン(エクソン社製炭化
水素、商品名Isopar−E)溶液5.6mlと乾燥
したシクロヘキサン90mlを反応容器胴側に仕込み、
エチレンで十分置換した。一方、触媒フィード管に0.
18mmol/lのクロム(III)トリス(2−エチ
ルヘキサノエート)/シクロヘキサン溶液2.2mlを
仕込んだ。
【0035】反応容器を120℃に加熱し、攪拌速度を
1,000rpmに調整後、触媒フィード管にエチレン
を導入し、エチレン圧によりクロム化合物が反応容器胴
側に導入され、エチレンの低重合を開始した。反応容器
内の絶対圧力を40kg/cm2となるようにエチレン
ガスを吹き込み、以後、前記圧力を維持するように導入
し続け、これらの反応条件を保った状態で30分反応を
行なった。30分後、反応容器中に水酸化ナトリウム水
溶液を窒素で圧入することによって触媒を失活させて反
応を停止した。
【0036】反応容器を室温まで冷却し、次いで脱圧し
た。反応液及び回収した気体中に含まれる生成物をガス
クロマトグラフィーにより分析した。また、反応液に含
まれる固体分をろ紙を用いてろ別し、これを風乾後、減
圧下で乾燥(1mmHg、100℃)してその重量を測
定した。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】比較例1 実施例1において、トリス(ペンタフルオロフェニル)
ボロンを添加しなかったこと以外、実施例1と同様にし
て反応を行なった。結果を表1にあわせて示すが、1−
ヘキセンは生成せず、生成物はすべてポリマーであっ
た。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、クロム化合物、アルキ
ル金属化合物及び特定のルイス酸からなる触媒を用いて
オレフィンの低重合反応を行うと非常に高い活性で低重
合反応を行うことができる。特に原料オレフィンとして
エチレンを用いる場合にはLLDPEの原料コモノマー
として有用な1−ヘキセンを効率よく製造することがで
きる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロム化合物、アルキル金属化合物及び
    下記一般式(1) M(Ar)l (1) (式中、lは2〜4の整数である。Mは周期律表第II
    B、IIIB又はIVB族の元素を表し、Arはアリー
    ル基からなる群より選ばれた1種以上を表す)で示され
    るルイス酸からなるオレフィン低重合用触媒。
  2. 【請求項2】 ルイス酸がトリス(ペンタフルオロフェ
    ニル)ボロンであることを特徴とする請求項1に記載の
    オレフィン低重合反応用触媒。
  3. 【請求項3】 クロム化合物が下記一般式(2) CrAmn (2) (式中、mは1〜6の整数であり、nは0〜4の整数で
    ある。Aは炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ
    基、カルボキシル基、β−ジケトナート基、β−ケトエ
    ステル基及びアミド基、ハロゲン原子、硝酸基、硫酸基
    並びに酸素からなる群より選ばれた1種以上を表し、B
    は窒素含有化合物、リン含有化合物、ヒ素含有化合物、
    アンチモン含有化合物、酸素含有化合物及び硫黄含有化
    合物からなる群より選ばれた1種以上を表す)で示され
    る化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載のオレフィン低重合用触媒。
  4. 【請求項4】 アルキル金属化合物が下記一般式(3) M’Rpq (3) (式中、pは0<p≦3であり、qは0≦q<3であっ
    て、しかもp+qは1〜3である。M’はリチウム、マ
    グネシウム、亜鉛、ボロン又はアルミニウムを表し、R
    は炭素数1〜10のアルキル基からなる群より選ばれた
    1種以上を表し、Xは水素原子、アルコキシ基、アリー
    ル基及びハロゲン原子からなる群より選ばれた1種以上
    を表す)で示される化合物であることを特徴とする請求
    項1乃至請求項3のいずれかに記載のオレフィン低重合
    用触媒。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4に記載のオレフィ
    ン低重合用触媒の存在下で、オレフィンを低重合するこ
    とを特徴とするオレフィンの低重合方法。
  6. 【請求項6】 オレフィンがエチレンであり、主生成物
    が1−ヘキセンであることを特徴とする請求項5に記載
    のオレフィンの低重合方法。
JP13513695A 1995-06-01 1995-06-01 オレフィン低重合用触媒及びそれを用いたオレフィンの低重合方法 Pending JPH08325317A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8344198B2 (en) 2003-03-14 2013-01-01 Chevron Phillips Chemical Company Lp Process to decrease or eliminate corrosion from the decomposition of halide containing olefin catalysts

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