JPH08323347A - トリクロロエチレン含有排水処理方法ならびに処理装置 - Google Patents

トリクロロエチレン含有排水処理方法ならびに処理装置

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JPH08323347A
JPH08323347A JP7160055A JP16005595A JPH08323347A JP H08323347 A JPH08323347 A JP H08323347A JP 7160055 A JP7160055 A JP 7160055A JP 16005595 A JP16005595 A JP 16005595A JP H08323347 A JPH08323347 A JP H08323347A
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JP
Japan
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photocatalyst
trichlorethylene
waste water
wastewater
trichloroethylene
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JP7160055A
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Ryuji Masuda
竜司 増田
Kazuhiro Kitamura
一浩 北村
Koichi Kawashima
孝一 川島
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Nippon Muki Co Ltd
Original Assignee
Nippon Muki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 トリクロロエチレン含有排水を封入もしくは
通過させる容器内に、織布に担持した光触媒を配置する
と共に該光触媒に光を照射するための光源を備えたトリ
クロロエチレン含有排水処理装置を用いて、トリクロロ
エチレン含有排水中のトリクロロエチレンを、前記織布
に担持した光触媒により分解して該排水を浄化する。 【効果】 織布に担持した光触媒によりトリクロロエチ
レンを分解して排水を浄化する方法であるため、高効率
でかつ繰り返し処理しても性能が低下しないといった効
果を有する。また、織布を構成する繊維一本一本に均一
にかつ強固なTi−O−Si結合で光触媒の酸化チタン
を接合した場合、光触媒の剥離や脱落がなく、長期にわ
たり高効率を維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光触媒を用い、光を照
射することにより排水中に存在するトリクロロエチレン
を高効率で分解し、排水を浄化する、排水処理方法と、
それを利用した処理装置に関する。さらに詳しくは、脱
脂工程等で使用済みのトリクロロエチレンを高濃度含有
する排水、あるいは活性炭吸着法を用いたトリクロロエ
チレンの回収法において水蒸気置換を行った後のトリク
ロロエチレン含有排水の処理に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トリクロロエチレン含有排水を使
用する方法としては、活性炭吸着法や曝気処理法あるい
はこれらを併用した方法が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記活
性炭吸着法では、トリクロロエチレンの濃度は数mg/
l程度までしか低下せず、水質汚濁防止法による排出基
準値0.1mg/lをクリアできず地下水汚染問題が解
決しない。また、活性炭の吸着能が飽和に達すると交換
や洗浄をしなければならないといった欠点を有する。さ
らに、活性炭の劣化時期の把握が困難であり吸着後の廃
活性炭の処理の問題や、装置が大がかりになるといった
問題を有していた。また、曝気処理法では、0.1mg
/l以下の低濃度を実現することが可能であるが、大気
中にトリクロロエチレンが放出されるため、人体への発
ガン性や難分解性のため環境へ蓄積されること等の影響
を無視できないといった欠点があった。また、活性炭吸
着法および曝気処理法の問題点を解決するものとして、
半導体を触媒として用いた光分解法、具体的には酸化チ
タン粉体を液中に分散させてこれに有害物質を含む溶液
を流し込み光を照射して分解処理を行う方法があるが、
この方法では粉体と液体を分離するために下流側にろ過
膜を設ける必要があり、圧力損失が高くなるといった欠
点を有するため、実用化には至っていない。本発明は、
これらの従来技術の欠点を解消し、トリクロロエチレン
を分解して排水を浄化する、排水処理方法と、これを利
用した処理装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意検討の結果、織布に担持した光触媒
を用いた酸化反応を利用することにより、トリクロロエ
チレンを高効率で分解できることを見いだし、本発明を
完成させた。即ち、本発明のトリクロロエチレン含有排
水処理方法は、トリクロロエチレン含有排水中のトリク
ロロエチレンを、織布に担持した光触媒により分解して
該排水を浄化することを特徴とする。また、本発明のト
リクロロエチレン含有排水処理装置は、トリクロロエチ
レン含有排水を封入もしくは通過させる容器内に、織布
に担持した光触媒を配置すると共に該光触媒に光を照射
するための光源を備えたことを特徴とする。
【0005】前記光触媒としては、酸化チタンや酸化亜
鉛など数多くのものが提案されているが、分解効率や安
全性、安定性の点から酸化チタンが好ましい。該酸化チ
タンはルチル形、アナターゼ形、あるいはこれらの共存
形のいずれでもかまわないが、低エネルギの光に反応さ
せるにはルチル形が適しており、また、反応の活性を高
めるためにはアナターゼ形が適している。この光触媒の
担持方法としては、取扱い性や分解効率の点から、織布
を構成する繊維表面に膜状に担持するのが好ましい。
【0006】また、前記光触媒に、白金、パラジウム、
ロジウム、金、銀、銅等の貴金属あるいはそれらの貴金
属の硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩等を担持させてもよい。こ
の貴金属の担持方法としては、光析出法、詳しくは金属
イオン水を吹き付けるか、金属イオン水にディップした
後光を照射する方法、あるいは金属イオン水にディップ
した状態で光を照射する方法によって光還元メッキによ
り固定化する方法を用いれば容易である。
【0007】前記光触媒の担持体として織布を選んだの
は、取扱い性や通水性、強度等の点から選択したもの
で、織布の中でも前記酸化チタンと強固な結合(Ti−
O−Si結合)を形成することができ、かつ耐薬品性、
耐光性に優れた酸化珪素を含む無機質繊維で構成された
織布が好ましい。ここでいう酸化珪素を含む無機質繊維
とは、例えば石英ガラス、高石英ガラス、Eガラス、C
ガラス、Sガラス、Aガラス等、光を透すならばどのよ
うな組成でもかまわないが、経済性からEガラス繊維が
好ましい。また、織布の目付け(g/m2 )は、いくら
のものでもかまわないが、取扱い性や分解効率の関係か
ら、通常100〜900g/m2 のものを用いる。ま
た、構成する無機質繊維の平均繊維径は特に限定される
ものではないが、製造可能でしかも被処理排水との接触
面積を確保して効率を得るため5〜20ミクロンが好ま
しい。さらに、織布の打込み密度、厚さ、引張強度は特
に限定されるものではないが、被処理排水に対する強度
の観点から、各々タテ、ヨコ共に10〜80本/25m
m、0.01〜2.0mm、5kgf/20mm巾以上
が好ましい。
【0008】前記Ti−O−Si結合は、加熱により酸
化チタンとなる酸化チタンの前駆体と有機物樹脂との溶
液を出発原料として用いることで得られる。かかる酸化
チタンの前駆体としては、チタンアルコキシド、チタン
塩化物、チタン硫化物、チタン酢酸塩等が使用できる
が、有機物樹脂との相溶性の関係から、アルコール類を
相溶性溶媒として用いる場合はチタンアルコキシド、水
を相溶性溶媒として用いる場合はチタン塩化物、チタン
硫化物、チタン酢酸塩を選択することが好ましい。しか
し、前記前駆体と有機物樹脂とが相溶する場合はどの組
み合わせを選択してもかまわない。
【0009】また、有機物樹脂としては、アクリル系、
オレフィン系等が一般的であるが、製造工程中の焼成工
程で酸化分解することが必要であるため、分解温度が2
00℃以上かつ焼成温度以下の樹脂であって、さらに該
酸化チタンの前駆体との相溶性があればよく、モノマー
の種類や分子量によって限定されるものではない。上記
したように、選定された前駆体と有機物樹脂とを相溶性
のある溶媒に溶解してなる溶液を酸化チタン光触媒製造
用の出発原料とする。即ち、この出発原料から光触媒を
得るためには、担持体となるガラス繊維等の酸化珪素を
含む無機質繊維で構成される織布をこの原料液にディッ
プするか、あるいは、この原料液を塗布、スプレーする
等して、乾燥した後、焼成すればよい。この乾燥は、1
50℃以下で30分以上行うことが好ましい。また、液
担持後乾燥まで及び乾燥後焼成までの昇温速度は10℃
/分以下が好ましい。また、最終焼成工程は織布の耐熱
性を考慮して行う必要があるが、550℃以下の温度で
焼成することが好ましい。
【0010】また、光源は、低圧水銀灯や殺菌灯あるい
はブラックライト蛍光灯等を用いるとよいが、反応速度
を考慮しなければ一般蛍光灯でもかまわない。
【0011】排水処理装置に用いる反応容器は、排水を
バッチ式で処理する封入型でも、あるいは循環式で処理
する流通型でもかまわないが、前者の封入型の場合には
排水を攪拌する装置を、また循環式の場合には循環ポン
プ等を具備した方が望ましい。
【0012】さらに、前記排水処理装置の構造として
は、例えば反応容器をプラスチック類、ホウ珪酸塩ガラ
スあるいは石英ガラス等による透明容器として内部に光
触媒を配置し該反応容器の外側に設置した光源から光を
照射するいわゆる外部照射型にしてもよく、また、該反
応容器を特に透明容器にすることなく該反応容器内に光
源と光触媒を配置するいわゆる内部照射型にしてもよ
い。
【0013】
【作用】酸化チタン系の光触媒は400nm以下の波長
の光により容易に励起される。ここで、励起された光触
媒は水を分解し、ヒドロキシラジカル(・OH)を生成
する。このヒドロキシラジカルは高い酸化力を有し、式
1に示すように有害なトリクロロエチレン(C2HC
3)を無害なCO2とHClおよびH2Oとに分解す
る。 C2HC13+6[・OH]→2CO2+3HCl+2H2O・・・(式1)
【0014】また、本発明のうちTi−O−Si結合を
形成した光触媒担持織布は、強固な結合で酸化チタンと
無機質繊維とを接合してあるため、光触媒が脱落するこ
となく長寿命で担持することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は本発明のトリクロロエチレン含有排水処理装
置の一実施例を示すもので、封入型外部照射型の一例で
ある。図中1は透明石英ガラスからなる反応容器を示
し、該反応容器1内にはアナターゼ形酸化チタンからな
る光触媒を担持した織布2が配置され、該反応容器1内
にトリクロロエチレン含有排水を封入して攪拌羽根3に
より攪拌するようにした。さらに、該反応容器1の近傍
に設けた光源4から光を照射してトリクロロエチレンを
分解し排水を浄化するように構成されている。
【0016】図2は流通型内部照射型のトリクロロエチ
レン含有排水処理装置の一例である。図中5は不透明ス
テンレスからなる反応容器を示し、該反応容器5内には
光触媒を担持した織布2と光源4とが配置され、該反応
容器5内に供給路6を介して排水貯蔵タンク7よりトリ
クロロエチレン含有排水が供給され、排水路8を介して
排水貯蔵タンク7に戻され、循環通過するように構成さ
れている。なお、図中9は循環用のポンプを示す。
【0017】次に、前記図1に示す装置の使用例に即
し、具体的な実施例を比較例と共に説明する。 (実施例1)反応容器1内に光触媒を3重量%担持した
Eガラス繊維製織布2(繊維径7μm,目付け490g
/m2 ,打込み密度タテ31本/25mm,ヨコ24本
/25mm,厚さ0.63mm,模紗織り)を30g配
置し、さらに、トリクロロエチレン含有排水450ml
を封入した。このときのトリクロロエチレン濃度をJI
S K0125「用水・排水中の低分子量ハロゲン化炭
化水素試験方法」の溶媒抽出・ガスクロマトグラフ法に
より測定したところ、500mg/lであった。なお、
光源4としては松下電器産業(株)製20W殺菌灯GL
−20を8本配置した。次いで、マグネチックスターラ
により攪拌しながら約2時間光照射を行ったところ、排
水中のトリクロロエチレン濃度は0.1mg/l以下と
低濃度になった。また、排水を随時入れ替えてこの操作
を10回繰り返し行っても分解効率が低下することな
く、同様の結果となった。
【0018】(比較例1)前記実施例1で用いた光触媒
を3重量%担持したEガラス繊維製織布2の代わりに活
性炭30gを入れた以外は前記実施例1と同様の方法で
試験を行ったところ、約2時間後のトリクロロエチレン
濃度は4mg/lとなった。また排水を随時入れ替えて
この操作を10回繰り返し行ったところ、回数を重ねる
毎に効率は低下し10回目ではトリクロロエチレンをほ
とんど除去できなかった。
【0019】上記、実施例1と比較例1の試験結果を表
1にまとめた。なお、表中の数字は試験後の排水中のト
リクロロエチレン濃度をmg/lで示したものである。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】このように、本発明によるトリクロロエ
チレン含有排水処理方法ならびに処理装置は、従来法と
異なり織布に担持した光触媒によりトリクロロエチレン
を分解して排水を浄化する方法であるため、高効率でか
つ繰り返し処理しても性能が低下しないといった効果を
有する。また、織布を構成する繊維一本一本に均一にか
つ強固なTi−O−Si結合で光触媒の酸化チタンを接
合した場合、光触媒の剥離や脱落がなく、長期にわたり
高効率を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトリクロロエチレン含有排水処理装置
の一例の封入型外部照射型のモデル図である。
【図2】本発明のトリクロロエチレン含有排水処理装置
の一例の流通型内部照射型のモデル図である。
【符号の説明】
1 透明石英ガラス反応容器 2 織布 3 攪拌羽根 4 光源 5 不透明ステンレス反応容器 6 供給路 7 排水貯蔵タンク 8 排出路 9 ポンプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリクロロエチレン含有排水中のトリク
    ロロエチレンを、織布に担持した光触媒により分解して
    該排水を浄化することを特徴とするトリクロロエチレン
    含有排水処理方法。
  2. 【請求項2】 前記光触媒は酸化チタンであることを特
    徴とする請求項1記載のトリクロロエチレン含有排水処
    理方法。
  3. 【請求項3】 前記光触媒をTi−O−Si結合層を介
    して酸化珪素を含む無機質繊維からなる織布に担持させ
    たものであることを特徴とする請求項2記載のトリクロ
    ロエチレン含有排水処理方法。
  4. 【請求項4】 トリクロロエチレン含有排水を封入もし
    くは通過させる容器内に、織布に担持した光触媒を配置
    すると共に該光触媒に光を照射するための光源を備えた
    ことを特徴とするトリクロロエチレン含有排水処理装
    置。
  5. 【請求項5】 前記光触媒は酸化チタンであることを特
    徴とする請求項4記載のトリクロロエチレン含有排水処
    理装置。
  6. 【請求項6】 前記光触媒をTi−O−Si結合層を介
    して酸化珪素を含む無機質繊維からなる織布に担持させ
    たものであることを特徴とする請求項5記載のトリクロ
    ロエチレン含有排水処理装置。
JP7160055A 1995-06-02 1995-06-02 トリクロロエチレン含有排水処理方法ならびに処理装置 Pending JPH08323347A (ja)

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