JPH08321423A - 樹脂モールドトランス - Google Patents
樹脂モールドトランスInfo
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- JPH08321423A JPH08321423A JP12785695A JP12785695A JPH08321423A JP H08321423 A JPH08321423 A JP H08321423A JP 12785695 A JP12785695 A JP 12785695A JP 12785695 A JP12785695 A JP 12785695A JP H08321423 A JPH08321423 A JP H08321423A
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Abstract
トランスに関し、コアクラックを防止した樹脂モールド
トランスを安価に提供することを目的とするものであ
る。 【構成】 閉磁路を構成するE形磁心1の巻線5を組み
込む磁脚に少なくとも一個以上の磁気ギャップ部3を構
成してなるトランス本体と、このトランス本体を充填材
6で覆うように構成された樹脂モールドトランスにおい
て、コイルボビン4とE形磁心1の隙間および中央磁脚
2の突き合わせ面の磁気ギャップ部3の少なくとも一部
を充填材6が入らない非充填部8とし、この非充填部8
に応力が発生しないことを利用し、磁心1に加わる応力
を著しく緩和するとともに、他の部分からの発生応力の
逃げ場とし、フェライトコアでのクラック発生を防止す
るものである。
Description
る樹脂モールドトランスに関するものである。
ーズに対応するため、樹脂充填ケーシング技術が多く利
用されるようになってきた。
としては図14に示すものが一般的である。
り説明する。図14は従来のトランスの断面図である。
図14において1はE形磁心、2はE形磁心1の中央磁
脚、3は中央磁脚2の突き合わせ部に形成される磁気ギ
ャップ部、4はコイルボビン、5は巻線、6は樹脂から
なる充填材、7はケースである。
ン4に巻線5を巻装し、中央磁脚2の突き合わせ面に磁
気ギャップ部3を有するE形磁心1を組み込んでトラン
ス本体を完成させる。次に一面に開口部を有するケース
7に充填材6を充填した状態で予め準備しておき、この
準備されたケース7に上記トランス本体を上方から組み
込んだ後、充填材6を構成する樹脂を乾燥硬化させて完
成させる。
来の構成においては、コイルボビン4とE形磁心1との
隙間および中央磁脚2の突き合わせ面の磁気ギャップ部
3の全てに充填材6が封入されているため、充填材6に
発生する応力の逃げ場がなくなり、全ての力が一般的に
はフェライトコアで形成されるE形磁心1に加わる。
フェライトコアのため、物体が高温になったとき、つま
り、工程内では充填材6の加熱硬化時およびトランスの
実使用状態において、外足磁脚の根元部分にクラックA
が入る。
およびインダクタンスの変化による電気性能の異常ある
いはクラックA部分からの磁気漏れによる映像信号・機
器妨害等の市場品質の長期劣化の可能性を有するもので
あった。
ルドの従来技術としては、実開昭56−51320号公
報のようにコアの形状を工夫したもの、実開昭56−1
9016号公報のように樹脂モールド樹脂面とコア底部
に空隙を設けたもの、実公昭60−8410号公報等に
示されているように絶縁ケースを工夫したもの等がある
が、いずれも上記従来例に示す図14と同じく、コイル
ボビンと磁心との隙間の全てに充填材が封入されている
構造としているため応力緩和の効果もおのずと限界を有
するものであった。
コの字コアの突き合わせ面に各一個形成されて計二個形
成されており、左右の磁脚の線膨脹率は同一となり、従
来例の図14に示すような磁脚間の膨脹率のアンバラン
スは発生しにくいため、比較的コアクラックは発生しに
くい構造を前提としており、本従来例図14に示すよう
な構成の場合は、上記公知例の従来技術の延長ではコア
クラックを完全に防止することはできないものであっ
た。
に必要な量産ばらつきを考慮した余裕のあるコアクラッ
ク防止技術によって量産移行時の生産品質トラブル、市
場品質トラブル等のロスを削減できる樹脂モールドトラ
ンスを安価に提供することを目的とするものである。
に本発明は、閉磁路を構成するE形磁心の巻線を組み込
む磁脚に少なくとも一個以上の磁気ギャップ部を構成し
てなるトランス本体と、この本体を充填材で覆うように
構成された樹脂モールドトランスにおいて、コイルボビ
ンとE形磁心の隙間および中央磁脚の突き合わせ面の磁
気ギャップ部の少なくとも一部を充填材が入らない非充
填部としたことを特長としたものである。
ないため、E形磁心に加わる応力を著しく緩和できると
ともに、他の部分からの発生応力の逃げ場ができるため
フェライトコアのクラックを防止できるものである。
ランスを図1〜図3により説明する。
従来と同一の構成部分には同一番号を付して詳細な説明
を省略して説明する。図1において従来例と大きく異な
る点は、コイルボビン4とE形磁心1の隙間および中央
磁脚2の突き合わせ面の磁気ギャップ部3を充填材6が
入らない非充填部8としたことである。また、図2にお
いては、巻線を巻装するコイルボビン4の鍔の最外周部
とE形磁心1の外足磁脚の内側コーナー部の隙間部分に
充填材阻止部9を設けたことである。さらに図3におい
ては、E形磁心1の外足磁脚2aの内側コーナー部に樹
脂10を塗布して充填材阻止部を形成したことである。
ず、コイルボビン4に巻線5を巻装する。次に中央磁脚
2の突き合わせ面に磁気ギャップ部3を有するE形磁心
1を組み込んでトランス本体を完成させる。その際、図
3に示すようにE形磁心1の外足磁脚2aの内側コーナ
ー部に樹脂10を塗布して図2の充填材阻止部9を形成
する。次に一面に開口部を有するケース7に充填材6を
充填した状態で予め準備しておき、この準備されたケー
ス7に上記トランス本体を上方から組み込んだ後、樹脂
を乾燥硬化させて完成させる。その結果、図1に示すよ
うにコイルボビン4とE形磁心1の隙間および中央磁脚
2の突き合わせ面の磁気ギャップ部3の部分に充填材が
入らない非充填部8が形成されることになる。
非充填部8においては充填材6が入っていないため応力
は発生しない。このため、E形磁心1に加わる応力を著
しく緩和できるとともに、非充填部8が他の部分からの
発生応力の逃げ場となるためフェライトコアからなるE
形磁心1のクラックを防止できる。
て図4のようにコイルボビンの鍔の最外周部に樹脂10
を塗布してもよく、鍔にリブを形成してもよい。
鍔を覆うように巻線の外装紙11を巻いて端面を磁心1
に当接させ充填材を阻止することも可能である。
を図6により説明する。
成部分には同一番号を付して詳細な説明を省略して説明
すると、図6において図2と異なる点はE形磁心1の中
央磁脚2のコーナー部とコイルボビン4の隙間部分に充
填材阻止部9aを設けたことである。
材阻止部9aを設けるための具体的手段を示した第2の
実施例の具体的展開例であり、図7はE形磁心1の中央
磁脚2のコーナー部外周に粘着テープ12を巻いて充填
材6の流入を阻止したもの、図8はE形磁心1の中央磁
脚2のコーナー部に樹脂リング13を取り付けて充填材
6の流入を阻止したもの、図9はE形磁心1の中央磁脚
2のコーナー部外周に樹脂10を塗布して充填材6の流
入を阻止したもの、図10は中央磁脚を挿入するコイル
ボビン4の挿入口の内径周囲に樹脂10を塗布して充填
材6の流入を阻止したものである。
ば、中央磁脚2とコイルボビン4の隙間部分および中央
磁脚2の突き合わせ面の磁気ギャップ部3においては、
充填材6が入っていないため応力は発生しない。このた
め、E形磁心1に加わる応力を著しく緩和できることと
なり、磁心1を構成するフェライトコアのクラックを防
止できる。
性の悪い空気が隙間に存在することとなり、現実的には
熱伝導性が悪くなり、樹脂モールドのねらいである温度
低減効果が少なくなることが懸念されるが、本実施例の
場合中足磁脚部2とコイルボビン4の隙間部分および中
央磁脚2の突き合わせ面の磁気ギャップ部3においての
み充填材6が入っていない構成で、コイルボビン4の鍔
部とE形磁心1の隙間には充填材6が入っているため熱
伝導性を大きく悪化させることなく、フェライトコアの
クラックの発生を防止できるものである。
を図11により説明する。
部分には同一番号を付して詳細な説明を省略して説明す
ると、同図において図2と異なる点は、E形磁心1の中
央磁脚2とコイルボビン4の隙間寸法tを樹脂が浸透し
ない程度に設定したことである。
ボビン4の隙間部分および中央磁脚2の突き合わせ面の
磁気ギャップ部3においては、充填材6が浸透しにくく
なるため発生応力は少なくなる。このため、E形磁心1
に加わる応力を緩和できることとなり、フェライトコア
のクラックを防止できる。
の隙間部分にも充填材6が若干入っているため、熱伝導
性を悪化させることなく、フェライトコアのクラックを
防止できるものである。
非充填部8を設ける手段として付加部材を取り付けた
り、加えたりしたが、本実施例の場合隙間寸法の設定だ
けでできるため付加材料費も不要で物作りも簡単にでき
るため、低コストで実施できるという特有の効果も得ら
れるものである。
を図12により説明する。
部分には同一番号を付して詳細な説明を省略して説明す
ると、図12において図2と異なる点は、E形磁心1の
中央磁脚2の磁気ギャップ部3にコイルボビン4と一体
化した膜14を形成したことである。
れば、コイルボビン4の形状設定だけで効果が得られる
ため、実施例3における隙間寸法設定のための技術検
討、金型寸法調整も不要となるとともにフェライトコア
のクラックも防止できるものである。
を図13により説明する。
部分には同一番号を付して詳細な説明を省略して説明す
ると、図13において図2と異なる点は、E形磁心1の
中央磁脚2の磁気ギャップ部3に柔らかい緩衝部材15
を挿入して構成したことである。
ば、非充填部を実施例1〜4のように空隙でなく柔らか
い緩衝部材15で構成しているため、熱伝導性を悪化さ
せることは皆無となるとともにフェライトコアのクラッ
クも防止できるものである。
ランスとして、ケース7に充填材6を樹脂充填するタイ
プで説明したが、ケース7を使用しないで金型を利用す
るインジェクションモールドタイプ等のトランスでも同
様の効果は得られる。
ック発生温度と従来例のコアクラック発生温度の実験結
果を(表1)に比較して示している。
充填材硬化温度T1(℃)は、充填樹脂の硬化条件を統
一するため、T1=90(℃)一定として樹脂モールド
トランスを完成した後、試料を恒温槽に入れて徐々に温
度をアップしていき、磁心1にクラックが入る温度を特
性値で検出し実測したものである。(表1)に示す温度
差ΔTが大きいほど温度ストレスに対して強く、コアク
ラックは発生しにくいといえるものであるが、実用上は
トランスの最高使用温度あるいは製造工程で樹脂の硬化
の際、トランスがさらされる最高温度でコアクラックが
発生しなければ問題はないものである。その温度は、一
般的には最高130℃程度であり、10℃のマージンを
みても最高140℃あれば十分である。また、充填樹脂
の熱硬化条件は90℃以上が一般的であり、最低90℃
とみなすと、トランスが受ける温度ストレスは温度差Δ
T=50(K)となり、ΔT≧50(K)であれば生産
上および実使用上においてコアクラックの発生はなくな
る。
においては、全てΔT≧50(K)のデータを示してお
り、コアクラックの発生を防止する優れた効果が得られ
ることが確認された。
るE形磁心の巻線を組み込む磁脚に少なくとも一個以上
の磁気ギャップ部を構成してなるトランス本体と、この
トランス本体を充填材で覆うように構成された樹脂モー
ルドトランスにおいて、コイルボビンとE形磁心の隙間
および中央磁脚の突き合わせ面の磁気ギャップ部の少な
くとも一部を充填材が入らない非充填部としたことによ
り、 (1)生産上および実使用上においてフェライトコアの
クラックの発生を防止できる。
コイルボビンの隙間部分に充填材阻止部を設ける場合に
は、 (2)熱伝導性を大きく悪化させることなく、フェライ
トコアのクラックの発生を防止できる。
の隙間寸法を樹脂が浸透しない程度に設定した場合に
は、 (3)付加部品が不要となり、材料費が低減でき、物作
りも簡単にできる。
部にコイルボビンと一体化した膜を形成した場合には、 (4)寸法設定の技術検討、金型寸法調整が不要とでき
る。
部に柔らかい緩衝部材を挿入した場合には、 (5)熱伝導性を悪化させることが皆無とできる。もの
である。
る第1の実施例の断面図
断面図
断面図
ンの断面図
Claims (13)
- 【請求項1】 閉磁路を構成するE形磁心の巻線を組み
込む磁脚に少なくとも一個以上の磁気ギャップ部を構成
してなるトランス本体と、このトランス本体を充填材で
覆うように構成された樹脂モールドトランスにおいて、
コイルボビンとE形磁心の隙間または中央磁脚の突き合
わせ面の磁気ギャップ部の少なくとも一部を充填材が入
らない非充填部とした樹脂モールドトランス。 - 【請求項2】 巻線を巻装するコイルボビンの鍔の最外
周部とE形磁心の外足磁脚の内側コーナー部の隙間部分
に充填材阻止部を設けた請求項1記載の樹脂モールドト
ランス。 - 【請求項3】 E形磁心の外足磁脚の内側コーナー部に
樹脂を塗布して充填材阻止部を形成した請求項2記載の
樹脂モールドトランス。 - 【請求項4】 コイルボビンの鍔の最外周部に樹脂を塗
布して充填材阻止部を形成した請求項2記載の樹脂モー
ルドトランス。 - 【請求項5】 コイルボビンの鍔を覆うように巻線の外
装紙を巻いて充填材阻止部とした請求項2記載の樹脂モ
ールドトランス。 - 【請求項6】 E形磁心の中央磁脚のコーナー部とコイ
ルボビンの隙間部分に充填材阻止部を設けた請求項1記
載の樹脂モールドトランス。 - 【請求項7】 E形磁心の中央磁脚のコーナー部外周に
粘着テープを巻いて充填材阻止部とした請求項6記載の
樹脂モールドトランス。 - 【請求項8】 E形磁心の中央磁脚のコーナー部に樹脂
リングを取り付けて充填材阻止部とした請求項6記載の
樹脂モールドトランス。 - 【請求項9】 E形磁心の中央磁脚のコーナー部外周に
樹脂を塗布して充填材阻止部を形成した請求項6記載の
樹脂モールドトランス。 - 【請求項10】 中央磁脚を挿入するコイルボビンの挿
入口の内径周囲に充填材阻止部を形成した請求項6記載
の樹脂モールドトランス。 - 【請求項11】 E形磁心の中央磁脚とコイルボビンの
隙間寸法を樹脂が浸透しない程度に設定した請求項1記
載の樹脂モールドトランス。 - 【請求項12】 E形磁心の中央磁脚の磁気ギャップ部
にコイルボビンと一体化した膜を形成した請求項1記載
の樹脂モールドトランス。 - 【請求項13】 E形磁心の中央磁脚の磁気ギャップ部
に柔らかい緩衝部材を挿入して構成した請求項1記載の
樹脂モールドトランス。
Priority Applications (1)
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JPH08321423A true JPH08321423A (ja) | 1996-12-03 |
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JP12785695A Expired - Fee Related JP3602193B2 (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | 樹脂モールドトランス |
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- 1995-05-26 JP JP12785695A patent/JP3602193B2/ja not_active Expired - Fee Related
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