JPH08320041A - ブッシュ及び車両用サスペンションの取付構造 - Google Patents

ブッシュ及び車両用サスペンションの取付構造

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Publication number
JPH08320041A
JPH08320041A JP12841395A JP12841395A JPH08320041A JP H08320041 A JPH08320041 A JP H08320041A JP 12841395 A JP12841395 A JP 12841395A JP 12841395 A JP12841395 A JP 12841395A JP H08320041 A JPH08320041 A JP H08320041A
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JP
Japan
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outer cylinder
cylinder
bush
wall
inner cylinder
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Application number
JP12841395A
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English (en)
Inventor
Kenji Kawagoe
健次 川越
Yoshihiro Kawabe
喜裕 川辺
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08320041A publication Critical patent/JPH08320041A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2204/00Indexing codes related to suspensions per se or to auxiliary parts
    • B60G2204/40Auxiliary suspension parts; Adjustment of suspensions
    • B60G2204/41Elastic mounts, e.g. bushings
    • B60G2204/4104Bushings having modified rigidity in particular directions
    • B60G2204/41042Bushings having modified rigidity in particular directions by using internal cam surfaces

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Springs (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブッシュの回転方向に応じて剛性を確実に切
り換える。 【構成】 筒状部材で形成された外筒1と内筒2を同軸
的に配設するとともに、外筒1と内筒2の間に弾性部材
3を介装したブッシュにおいて、弾性部材3の所定の位
置で外筒1側から凹状に形成した凹部3aと外筒1の内
周との間に画成された空隙5と、外筒1の内周から空隙
5へ向けて径方向に突設された突起4とを備え、前記凹
部3aは、外筒1と内筒2の相対運動に応じて突起4に
接離可能な内壁3Rbと、突起4から周方向へ所定の角
度だけ離れた内壁3Bnとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用サスペンション
などに採用されるブッシュの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用サスペンションを構成するサスペ
ンションアーム、リンク等のピボット部にはゴムブッシ
ュが採用されており、円筒状の外筒と内筒との間に接着
あるいは圧入したゴムのせん断歪みによってアーム、リ
ンク等の相対回転運動を行うとともに、所定のバネ定数
に応じた反力を付与している。
【0003】車両用サスペンションに用いられるゴムブ
ッシュでは、車両の操縦性、安定性、乗心地などの面か
ら様々なバネ特性が要求され、例えば、回転方向に応じ
て剛性を変化させるものとして、実開昭56−4563
4号公報が知られている。
【0004】これは、図14に示すように、円筒状の外
筒91の内周に内筒92を配設するとともに、外筒91
から内筒92へ向けて板状の突起93及び93aが径方
向及び軸方向に沿って突設される一方、内筒92から外
筒91へ向けて突起94及び94aが径方向及び軸方向
に沿って突設される。
【0005】そして、外筒91と内筒92の間にはゴム
等の弾性部材96が介装され、弾性部材96のうち突起
93、93aと突起94が対向する位置には所定の空隙
95を形成する一方、突起93aと突起94aが対向す
る位置には空隙を形成せずに弾性部材96を充填する。
【0006】内筒92を固定した状態で外筒91を回動
させた場合、図15に示すように、所定のねじり角θa
以上で剛性、すなわち、回動に要するトルクを増大させ
るもので、図14において、図中R方向へ回動させた場
合と、図中L方向へ回動させた場合では、突起93、9
3aが突起94、94aの間で押圧する空隙95の数が
変化するため、ブッシュの剛性は図15に示すように回
動方向に応じて変化し、突起93a、94aの間で空隙
を挟まない外筒91をR方向へ回動させた場合の方が、
L方向へ回動させた場合よりも所定のねじり角θa以上
での剛性が大となるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のブッシュにおいては、図15に示したよう
に、所定のねじり角θaの前後では回転方向による剛性
の大小は逆転し、外筒91のR方向への回動では、所定
のねじり角θa以下では外筒91をL方向へ回動させた
場合より剛性は低いが、所定のねじり角θaを越えると
急激に剛性が増大し、逆にL方向では所定のねじり角θ
a以下ではR方向に比して剛性が高いが、所定のねじり
角θaを越えても剛性の増大はR方向に比して低くな
り、このようなブッシュを車両のサスペンションのロッ
ドなどに採用した場合には、剛性を向上させたい揺動方
向を上記R方向に設定した場合、所定のねじり角θa以
下ではL方向に比して剛性が低くなって、サスペンショ
ンの特性を設定しにくいという問題があり、また、外筒
及び内筒からそれぞれ突起を形成する必要があるため、
ブッシュの構造が複雑になって製造コストの増大を招く
という問題があった。
【0008】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、簡易な構成でありながらブッシュの回動方
向に応じて剛性を切換可能なブッシュ及び簡易な構造で
ありながら伸縮方向の変化に応じて剛性を切換可能な車
両用サスペンションを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、筒状部材
で形成された外筒と内筒を同軸的に配設するとともに、
外筒と内筒の間に弾性部材を介装して外筒と内筒の相対
運動に応じて反力を付与するブッシュにおいて、前記弾
性部材の所定の位置で外筒側または内筒側から凹状に形
成した凹部と外筒または内筒との間に画成された空隙
と、前記外筒の内周または内筒の外周から前記空隙へ向
けて径方向に突設された突起とを備え、前記凹部は、外
筒と内筒の相対運動に応じて前記突起に接離可能な第1
の内壁と、前記突起から周方向へ所定の角度だけ離れた
第2の内壁とを備える。
【0010】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記弾性部材に形成された凹部を複数配設すると
ともに、これら複数の凹部と外筒または内筒との間に形
成された複数の空隙内へ前記突起をそれぞれ突設する。
【0011】また、第3の発明は、車輪を回転自在に支
持するアクスルと、基端を揺動自由に車体で支持される
一方、他端で連結した前記アクスルを揺動自由に支持す
る連結部材と、前記連結部材と車体及びアクスルの少な
くとも一方との間に、筒状部材で形成された外筒と内筒
を同軸的に配設するとともに、外筒と内筒の間に弾性部
材を介装したブッシュとを備えた車両用サスペンション
において、前記ブッシュは、前記弾性部材の所定の位置
で外筒側または内筒側から凹状に形成した凹部と外筒ま
たは内筒との間に画成された空隙と、前記外筒の内周ま
たは内筒の外周から前記空隙へ向けて径方向に突設され
た突起とを備え、前記凹部は、前記アクスルのリバウン
ド方向への変位に応じて前記突起に接離可能な第1の内
壁と、前記突起から周方向へ所定の角度だけ離れた第2
の内壁とを備える。
【0012】また、第4の発明は、前記第3の発明にお
いて、前記ブッシュの弾性部材に形成された凹部を複数
配設するとともに、これら複数の凹部と外筒または内筒
との間に形成された複数の空隙内へ前記突起をそれぞれ
突設する。
【0013】
【作用】したがって、第1の発明は、外筒と内筒を相対
的に回動させると、弾性部材の変形に応じた反力が発生
するが、空隙内に突出した突起と第1内壁が近接する方
向に外筒または内筒を回動させた場合、突起が第1内壁
と当接するため、弾性部材の変形に加えて突起が第1内
壁を押圧する反力が発生する一方、突起が第1内壁から
離れる方向に外筒または内筒を回動させた場合、突起は
第2内壁へ向けて変位するが、第2内壁の配設位置は周
方向へ所定の角度だけ離れているため、所定の回動角以
内では突起が第2内壁へ当接することなく弾性部材の変
形に応じた反力を発生し、ブッシュの回動方向に応じて
発生する反力、すなわち、剛性を切り換えることがで
き、突起が第1内壁を押圧する方向では剛とする一方、
逆方向では柔とすることができる。
【0014】また、第2の発明は、前記ブッシュには複
数の空隙が形成され、これら空隙内へそれぞれ突設され
た突起が第1内壁へそれぞれ当接する方向に外筒または
内筒を回動させると、弾性部材の変形に加えて複数の突
起がそれぞれの凹部を形成する第1内壁を押圧する反力
が生じ、この反力は突起が第1内壁から離れる方向へ回
動させた場合よりも大きく設定され、ブッシュの回動方
向に応じて発生する反力、すなわち、剛性を切り換える
ことができ、さらに、突起が第1内壁を押圧する方向の
剛性を増大することができる。
【0015】また、第3の発明は、アクスルと車体とを
連結する連結部材には、アクスル及び車体の少なくとも
一方との間に介装されたブッシュは、アクスルがバウン
ド方向へ変位する場合には、ブッシュ内部に設けた突起
が第1内壁から離れる方向に外筒または内筒が回動し
て、突起は第2内壁へ向けて変位するが、第2内壁の配
設位置は周方向へ所定の角度だけ離れているため、所定
の回動角以内では突起が第2内壁へ当接することなく弾
性部材の変形に応じた反力を発生する一方、アクスルが
リバウンド方向へ変位した場合には突起が第1内壁と当
接するため、弾性部材の変形に加えて突起が第1内壁を
押圧する反力が発生し、アクスルのストローク方向に応
じてサスペンションの剛性が切り換えられる。
【0016】また、第4の発明は、前記ブッシュには複
数の空隙が形成され、アクスルがリバウンド方向に変位
すると、これら空隙内へそれぞれ突設された突起が第1
内壁へそれぞれ当接する方向に外筒または内筒を回動さ
せると、弾性部材の変形に加えて複数の突起がそれぞれ
の凹部を形成する第1内壁を押圧する反力が生じ、この
反力はアクスルがバウンド方向へ変位する場合よりも大
きく設定され、アクスルのストローク方向に応じて発生
する反力、すなわち、剛性を切り換えることができ、さ
らに、アクスルのリバウンド方向の剛性を増大する一
方、アクスルのバウンド方向での剛性を低く設定するこ
とができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0018】図1〜図3に示すように、ブッシュ10を
構成する外筒1及び内筒2は共に円筒状部材で構成され
て、外筒1の内周に内筒2が同軸的に配設されて、図示
しないサスペンションを構成するロッド7が、外筒1の
所定の外周に取り付けられたものである。
【0019】外筒1の内周には内筒2へ向けて突起4が
外筒1の半径方向及び軸方向に沿って突設される。突起
4はほぼ台形状の断面に形成されて、内筒2と対峙する
端部4aと、円周方向に面した側面4Bn(図1の左
側)、4Rb(同じく右側)を備える。
【0020】突起4は端部4aと内筒2の外周との間に
所定の間隙を形成可能な高さを備えるとともに、図2に
示すように、外筒1の軸方向の全長より小なる所定の長
さを備えて、外筒1の内周で軸方向のほぼ中央に配設さ
れる。
【0021】そして、外筒1の内周と内筒2の外周との
間にはゴム等で構成された弾性部材3が介装される。外
筒1と内筒2は弾性部材3を介して相対変位可能に結合
され、弾性部材3は外筒1と内筒2の相対変位に応じた
反力を付与する。なお、弾性部材3の剛性は突起4の剛
性より小なる所定値に設定される。
【0022】そして、弾性部材3には突起4を取り囲む
ように凹部3aが形成され、この凹部3aと外筒1の内
周との間に空隙5が画成される。この空隙5は、突起4
の配設位置近傍で弾性部材3の外周(外筒1側)をほぼ
扇状断面にくぼませるとともに、軸方向に配設された凹
状の凹部3aと外筒1の内周との間の空間から構成され
る。
【0023】外筒1と凹部3aとの間に画成される空隙
5は、外筒1から内筒2へ向けて径方向に配設された一
対の内壁3Rb、3Bnと凹部3aによって画成され、
第1内壁としての内壁3Rbは突起4と接離可能な位置
に配設される一方、第2内壁としての内壁3Bnは突起
4からブッシュ10の周方向に所定の角度だけ離れた位
置に配設されて、外筒1と弾性部材3の凹部3aとを接
続する。
【0024】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0025】ブッシュ10の内筒2を固定して外筒1に
設けたロッド7を回動させる場合を考え、図1におい
て、ロッド7の時計回りの回動をバウンド方向とし、反
時計回りの回動をリバウンド方向とする。
【0026】ロッド7をバウンド方向へ回動させた場
合、図4に示すように、外筒1は図中バウンド方向へ回
動して突起4が側面4Rbを内壁3Rbから離れる方向
へ変位するため、弾性部材3は突起4と当接することな
く外筒1と内筒2の相対運動に応じたせん断力が反力と
して発生する。
【0027】一方、ロッド7をリバウンド方向へ回動さ
せた場合は、図5に示すように、突起4の側面4Rbが
内壁3Rbを押圧しながら弾性部材3を変形させるた
め、弾性部材3のせん断力に加えて、突起4が内壁3R
bを押圧する力がブッシュ10の反力として発生し、バ
ウンド方向に比して大きな反力を付与する。
【0028】したがって、ブッシュ10の反力=剛性、
すなわち、回動に要するトルクは図6に示すように、バ
ウンド方向よりもリバウンド方向で大となり、かつ、回
動角度に比例する剛性は前記従来例のように逆転するこ
とはなく、常時リバウンド方向の剛性を大とすることが
でき、回動方向に応じて弾性部材3のバネ定数を切り換
えることになる。
【0029】こうして、バウンド方向またはリバウンド
方向のどちらか一方で弾性部材3を押圧する突起4を、
空隙5の内周に形成したため、簡易な構成でありながら
回転方向に応じてブッシュ10の剛性を確実に切り換え
ることができ、前記従来例のように複数の突起をブッシ
ュ10の内部に形成する必要がなくなって製造コストの
増大を抑制でき、さらに、このようなブッシュ10を車
両のサスペンションに用いた場合、ロッド7の回動方向
に応じて剛性を切り換えることが可能となって、所望の
運動特性を容易に得ることができるのである。
【0030】図7は第2の実施例を示し、マルチリンク
式の車両のフロントサスペンションに前記第1実施例の
ブッシュを適用したものである。
【0031】アクスル18は図示しない車輪を回転自在
に支持するもので、このアクスル18は下部をロアリン
ク12と、上部をサードリンク13及びアッパーリンク
11とそれぞれ連結して図中上下方向に揺動可能に支持
されるとともに、アクスル18の上部にはコイルスプリ
ング16を備えたショックアブソーバ17が連結されて
アクスル18に加わる荷重を支持する。
【0032】アッパーリンク11は外側の端部でサード
リンク13の上端と揺動自在に連結される一方、基端は
前記第1実施例と同様に構成されたブッシュ23を介し
て図示しない車体に連結され、アクスル18のバウンド
またはリバウンド方向への変位に呼応して揺動する。た
だし、アクスル18の図中上方への変位をバウンド方
向、下方への変位をリバウンド方向とする。
【0033】ここで、ブッシュ23は、前記第1実施例
のブッシュ10と同じく回動方向に応じて剛性を切り換
えるもので、アッパーリンク11がリバウンド方向へ回
動するとブッシュ23の剛性はバウンド方向に比して増
大する。
【0034】図示しない車体に取り付けられるサスペン
ションメンバー14と連結するロアリンク12の基端に
も前記第1実施例と同様に構成されたブッシュ21が介
装され、ロアリンク12がリバウンド方向へ回動すると
ブッシュ21の剛性はバウンド方向に比して増大する。
【0035】そして、ロアリンク12の途中には車体前
後方向でのアクスル18の位置決めを行うテンションロ
ッド20の一端が連結される。このテンションロッド2
0は基端に設けたブッシュ22を介してテンションロッ
ドブラケット15に取り付けられ、ブッシュ22は上記
ブッシュ21、23と同様にして、ロアリンク12がリ
バウンド方向へ回動するとブッシュ22の剛性はバウン
ド方向に比して増大する。なお、テンションロッドブラ
ケット15は図示しない車体に結合される。
【0036】回動方向に応じて剛性が切り換えられるブ
ッシュ21、22、23によって、フロントサスペンシ
ョンの剛性はショックアブソーバのストローク方向に応
じて切り換えられ、サスペンションの剛性は図8に示す
ように、リバウンド方向では剛性を大きく設定する一
方、リバウンド方向の剛性を低く設定して、同一の荷重
移動量ΔWのときのストローク量はバウンド方向で大と
なる。
【0037】このようなフロントサスペンションによっ
て旋回を行うと、図9に示すように、左右車輪の荷重移
動に応じて旋回外側車輪(以下、外輪)ではバウンド方
向へ、内側車輪(以下内輪)ではリバウンド方向へスト
ロークするが、このとき、回動方向に応じて剛性が変化
するブッシュ21〜23によって、サスペンションの剛
性は図8に示すように設定されるため、バウンド方向に
ストロークする外輪側のストロークぼ方が内輪側に比し
て大となって、車体は外輪側を沈ませるようにロール
し、旋回にロールに加えて車体前方を沈ませるため、旋
回中の車両の安定性を確保して運転者に旋回操作中の安
定感を与えることができ、運転性を向上させることがで
きるのである。
【0038】また、加減速時の車体のピッチ運動では、
ブッシュ21〜23によってサスペンションのリバウン
ド側の剛性をバウンド側に比して大きく設定したため、
減速時では図10(A)に示すように車体前方が沈みや
すくなって、減速度に応じたノーズダイブが発生する一
方、加速時ではリバウンド側の剛性が大きいために車体
前方の浮き上がりが図10(B)のように抑制されてス
クワットが低減される。すなわち、加減速時のピッチセ
ンタは、制動時に車体後方へ移動する一方、加速時では
車体前方へ移動する。
【0039】このため、加速中のスクワットを抑制しな
がら減速中のノーズダイブを発生させることで、運転者
が体感する前後方向の加速度に応じたピッチ運動を行う
ことができ、車両の運転性を向上させることが可能とな
るのである。
【0040】図11は第3の実施例を示し、前記第1実
施例における突起4及び空隙5を内筒2側から形成した
もので、その他の構成は前記第1実施例と同様である。
【0041】突起40は内筒2の外周から外筒1に向け
た径方向へ突設される一方、空隙50は、突起40の配
設位置近傍で内筒2側から弾性部材3を扇状断面にくり
抜いた溝状の凹部30aによって画成される。
【0042】外筒1と凹部30aとの間に画成される空
隙50は、外筒1から内筒2へ向けて径方向に配設され
た一対の内壁30Rb、30Bnと凹部30aによって
画成され、第1内壁としての内壁30Rbは突起40と
接離可能な位置に配設される一方、第2内壁としての内
壁30Bnは突起40からブッシュ10の周方向に所定
の角度だけ離れた位置に配設されて、外筒1と弾性部材
3の凹部30aとを接続する。
【0043】この場合も前記第1実施例と同様に、内筒
2を固定して外筒1をバウンド方向へ回動させると、内
壁30Rbが突起40から離れるとともに、内壁30B
nは突起40へ向けて変形するが、内壁30Rbに対し
て所定の角度を備えるために突起40に当接することは
なく、弾性部材3の変形のみによる反力を発生する。
【0044】一方、外筒1をリバウンド方向へ回動させ
ると、内壁30Rbが突起40を押圧するため、弾性部
材3の変形に加えて内壁30Rbが突起40を押圧する
反力が発生するため、ロッド7のバウンド方向とリバウ
ンド方向の回動で剛性を切り換えることができ、図6に
示したように、バウンド方向の剛性を低く設定する一
方、リバウンド方向の剛性を大きく設定することができ
るのである。
【0045】図12は第4の実施例を示し、ブッシュ1
0’は、前記第1実施例の突起4及び空隙5に、前記第
3実施例の突起40及び空隙50を加えたもので、各部
の構成は上記実施例と同様である。
【0046】外筒1のバウンド方向への回動では、空隙
5内の突起4が内壁3Rbが離れるとともに、空隙50
を画成する内壁30Rbが突起40から離れるため、空
隙5、50を変形させた弾性部材3に応じた反力が発生
する一方、外筒1のリバウンド方向への回動では、空隙
5内の突起4が弾性部材3の内壁3Rbを押圧するとと
もに、空隙50を構成する内壁30Rbが内筒2に設け
られた突起40を押圧するため、弾性部材3の弾性に突
起4、40を押圧する力が反力として加わり、ブッシュ
10’の剛性は図13に示すようになって、前記第1、
第3実施例に比してバウンド方向の剛性を低く設定する
一方、リバウンド方向の剛性を前記第1、第3実施例に
比して大きく設定することができ、このブッシュ10’
を前記第2実施例に示したサスペンションに適用すれ
ば、加速時のスクワットをさらに抑制する一方、制動時
には減速度に応じたノーズダイブを許容して運転性を向
上させる事ができるのである。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明は、空隙
内に突出した突起と第1内壁が近接する方向に外筒また
は内筒を回動させると、突起が第1内壁と当接して弾性
部材の変形に加えて突起が第1内壁を押圧する反力が発
生する一方、突起が第1内壁から離れる方向に外筒また
は内筒を回動させると、突起は第2内壁へ向けて変位す
るが、第2内壁の配設位置は周方向へ所定の角度だけ離
れているため、所定の回動角以内では突起が第2内壁へ
当接することなく弾性部材の変形に応じた反力を発生
し、ブッシュの回動方向に応じて発生する反力、すなわ
ち、剛性を切り換えることができ、突起が第1内壁を押
圧する方向の剛性を大きく設定できる一方、逆方向では
剛性を小さく設定することが可能となって、さらに、少
なくとも一つの突起を形成すればよいため、ブッシュの
構成を簡易にして製造コストの増大を抑制することがで
きる。
【0048】また、第2の発明は、前記ブッシュには複
数の空隙が形成され、これら空隙内へそれぞれ突設され
た突起が第1内壁へそれぞれ当接する方向に外筒または
内筒を回動させると、弾性部材の変形に加えて複数の突
起がそれぞれの凹部を形成する第1内壁を押圧する反力
が生じ、この反力は突起が第1内壁から離れる方向へ回
動させた場合よりも大きく設定され、ブッシュの回動方
向に応じて発生する反力、すなわち、剛性を切り換える
ことができ、さらに、突起が第1内壁を押圧する方向の
剛性を増大することが可能となる。
【0049】また、第3の発明は、アクスルのストロー
ク方向に応じてブッシュの剛性が切り換えられ、アクス
ルのバウンド方向では柔、アクスルのリバウンド方向で
は剛となるため、車両のフロントサスペンションに適用
すると、加速時の車体のスクワットを抑制する一方、減
速時では減速度に応じたノーズダイブを許容することが
でき、旋回時では旋回内輪側のリバウンド方向への浮き
上がりを抑制する一方、旋回外輪側をバウンド方向へ沈
み込ませることで、旋回時の荷重移動に応じて車体前方
を沈ませるような車体のロール運動を発生することがで
き、車両の安定性を向上させるとともに運転性を向上さ
せることが可能となるのである。
【0050】また、第4の発明は、ブッシュ内部に形成
された複数の空隙及び突起によってアクスルのストロー
ク方向に応じて発生する反力、すなわち、剛性の切り換
えるとともに、アクスルのリバウンド方向の剛性を増大
する一方、アクスルのバウンド方向での剛性を低く設定
することができ、フロントサスペンションに適用した場
合には、加速時の車体前部の浮き上がりをさらに抑制す
る一方、減速時のノーズダイブを発生させ、旋回時では
円滑な車体のロールを発生させて、車両の安定性を向上
させるとともに、運転性を向上させることが可能となる
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すブッシュの断面図。
【図2】同じく図1のA−A矢視断面図。
【図3】同じく図1のB−B矢視断面図。
【図4】同じくバウンド方向へ回動した場合のブッシュ
の断面図。
【図5】同じくリバウンド方向へ回動した場合のブッシ
ュの断面図。
【図6】ブッシュの剛性を示し、回転角とトルクの関係
を示すグラフ。
【図7】第2の実施例を示すサスペンションの斜視図。
【図8】サスペンションのストロークと荷重の関係を示
すグラフ。
【図9】旋回時の車両モデルのフロントビュー。
【図10】車両モデルのサイドビューで、(A)は制動
時を、(B)は加速時を示す。
【図11】第3の実施例を示すブッシュの断面図。
【図12】第4の実施例を示すブッシュの断面図。
【図13】ブッシュの剛性を示し、回転角とトルクの関
係を示すグラフ。
【図14】従来の例を示すブッシュの断面図。
【図15】同じくブッシュの剛性を示すグラフ。
【符号の説明】
1 外筒 2 内筒 3 弾性部材 3a 凹部 3Rb 内壁 3Bn 内壁 4 突起 5 空隙 7 ロッド 11 アッパーリンク 12 ロアリンク 13 サードリンク 18 アクスル 20 テンションロッド 30Rb、30Bn 内壁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状部材で形成された外筒と内筒を同軸
    的に配設するとともに、外筒と内筒の間に弾性部材を介
    装して外筒と内筒の相対運動に応じて反力を付与するブ
    ッシュにおいて、前記弾性部材の所定の位置で外筒側ま
    たは内筒側から凹状に形成した凹部と外筒または内筒と
    の間に画成された空隙と、前記外筒の内周または内筒の
    外周から前記空隙へ向けて径方向に突設された突起とを
    備え、前記凹部は、外筒と内筒の相対運動に応じて前記
    突起に接離可能な第1の内壁と、前記突起から周方向へ
    所定の角度だけ離れた第2の内壁とを備えたことを特徴
    とするブッシュ。
  2. 【請求項2】 前記弾性部材に形成された凹部を複数配
    設するとともに、これら複数の凹部と外筒または内筒と
    の間に形成された複数の空隙内へ前記突起をそれぞれ突
    設したことを特徴とする請求項1に記載のブッシュ。
  3. 【請求項3】 車輪を回転自在に支持するアクスルと、
    基端を揺動自由に車体で支持される一方、他端で連結し
    た前記アクスルを揺動自由に支持する連結部材と、前記
    連結部材と車体及びアクスルの少なくとも一方との間
    に、筒状部材で形成された外筒と内筒を同軸的に配設す
    るとともに、外筒と内筒の間に弾性部材を介装したブッ
    シュとを備えた車両用サスペンションにおいて、前記ブ
    ッシュは、前記弾性部材の所定の位置で外筒側または内
    筒側から凹状に形成した凹部と外筒または内筒との間に
    画成された空隙と、前記外筒の内周または内筒の外周か
    ら前記空隙へ向けて径方向に突設された突起とを備え、
    前記凹部は、前記アクスルのリバウンド方向への変位に
    応じて前記突起に接離可能な第1の内壁と、前記突起か
    ら周方向へ所定の角度だけ離れた第2の内壁とを備えた
    ことを特徴とする車両用サスペンションの取付構造。
  4. 【請求項4】 前記ブッシュの弾性部材に形成された凹
    部を複数配設するとともに、これら複数の凹部と外筒ま
    たは内筒との間に画成された複数の空隙内へ前記突起を
    それぞれ突設したことを特徴とする請求項3に記載の車
    両用サスペンションの取付構造。
JP12841395A 1995-05-26 1995-05-26 ブッシュ及び車両用サスペンションの取付構造 Pending JPH08320041A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003118339A (ja) * 2001-10-12 2003-04-23 Nissan Motor Co Ltd 車両用サスペンション装置
JP2012502849A (ja) * 2008-09-17 2012-02-02 ルノー・トラックス キャブサスペンションユニット及び同キャブサスペンションユニットを少なくとも2つ含む車両
EP3954556A1 (en) * 2020-08-11 2022-02-16 Volvo Truck Corporation Bushing for a suspension and vehicle comprising such a bushing

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