JPH08319342A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JPH08319342A
JPH08319342A JP12644995A JP12644995A JPH08319342A JP H08319342 A JPH08319342 A JP H08319342A JP 12644995 A JP12644995 A JP 12644995A JP 12644995 A JP12644995 A JP 12644995A JP H08319342 A JPH08319342 A JP H08319342A
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epoxy resin
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JP12644995A
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Miki Hirai
未希 平井
Mitsuru Yamamoto
充 山本
Norio Kobayashi
紀男 小林
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ビスフェノール型エポキシ樹脂、ケトン樹脂
とを、加水分解性シリル化合物及びアルミニウムトリス
アセチルアセトネートの存在下に硬化反応させる。 【効果】 硬化物の電気的特性並びに機械的特性に優れ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気電子部品用、塗料
用、成形材料用、複合材用硬化性樹脂組成物に関する。
詳しくは高絶縁性、機械特性、経済性、耐水耐湿性、防
食性に優れた硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性樹脂、特にエポキシ樹脂は耐熱
性、電気特性、機械強度や接着性に優れた樹脂であり、
塗料、接着剤、IC封止、積層板等広く用いられている
樹脂である。
【0003】特に積層板に求められている信号処理の高
速化、消費電力の低減を達成するため、エポキシ樹脂硬
化物による低誘電率化、低誘電正接化の電気的特性の検
討がなされている。しかしエポキシ樹脂の持つ接着性
が、分子内の水酸基に所以すると言われており、またこ
の水酸基は電気伝導性を増長させていることからエポキ
シ樹脂の特徴である接着性と電気的特性は相反する面を
持っている。
【0004】そこで従来より、例えば特開昭60-26
498号公報には、積層板用樹脂組成物としてエポキシ
樹脂、シラノール化合物及び有機金属化合物を必須成分
として用いる技術が知られている
【0005】
【発明が解決しようと課題】しかし、上記特開昭60-
26498号公報に記載された組成物は、ある程度の低
誘電率化、低誘電正接化は達成できるものの、エポキシ
基同士の反応によって重合が行われる為、重合終了時に
おいて水酸基の生成は避けられず現在要求されている電
気的特性に及ばず、また、当該硬化反応においては充分
な高分子量化ができないために接着性、耐熱性等の機械
的特性に劣るという課題を有していた。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、水酸基
の生成を全く伴わないエポキシ化合物の硬化反応が可能
で電気的特性に優れ、接着性や耐熱性等の機械的特性に
優れる硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、エポキシ樹脂を硬化させ
るに際し、多官能性ケトン化合物を硬化剤として用い、
シラノール若しくは加水分解性シリル化合物と有機金属
化合物を触媒として使用することにより高分子量で、か
つ、全く水酸基の生成を伴わずに硬化反応させることが
できることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、(A)エポキシ樹脂、
(B)多官能性カルボニル化合物、(C)シラノール化
合物若しくは加水分解性基を有するシリル化合物、及
び、(D)有機金属化合物を含有することを特徴とする
硬化性樹脂組成物に関する。
【0009】エポキシ樹脂(A)としては、特に制限さ
れるものではないが、例えばビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ
樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ジグリシジル
オキシナフタレン、ナフトールノボラックのポリグリシ
ジルエーテル等のナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロ
ペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹
脂、アルコールエーテル型エポキシ樹脂、臭素型エポキ
シ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポ
キシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール
A型エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定され
るものではなく、1種もしくは2種以上のものが使用さ
れる。これらの中でも特に積層板用途としてはビスフェ
ノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂
とフェノールノボラックとの共重合体、ビスフェノール
型エポキシ樹脂とノボラック型エポキシ樹脂との混合物
であることが低粘度である点、耐熱性、並びに本発明の
効果が顕著である点から好ましい。また、これらのエポ
キシ樹脂のエポキシ当量は特に制限されるものではない
が、通常100〜1000g/当量であることが好まし
い。
【0010】多官能性カルボニル化合物(B)として
は、特に制限されるものではなく、例えば、アセチルア
セトン、アセト酢酸エステル、アセチルアセトフェノ
ン、3−メチルアセチルアセトネート、ジピバロイルメ
タン、パラホルムアルデヒド、シクロヘキサノン型ケト
ン樹脂、アセトフェノン型ケトン樹脂、ポリアクリル酸
エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、
ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられるがこの範囲
ではなく、1種または2種以上のものが使用される。こ
れらの中でもエポキシ基との反応性に優れる点からジケ
トン化合物であることが好ましく、特にアセチルアセト
ンが好ましい。
【0011】シラノール化合物若しくは加水分解性シリ
ル化合物(C)としては、特に制限されるものではな
く、低分子量のシラン系化合物、高分子量のポリシロキ
サン系化合物の何れであってもよい。
【0012】具体的には、低分子量のシラン系化合物と
しては、例えば、トリメチルシラノール、トリフェニル
シラノール、ジフェニルシランジオール、トリエチルシ
ラノール、1,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)
ベンゼン等のシラノール化合物、メチルトリメトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシ
シラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルイソプ
ロポキシシラン、トリメチルイソブトキシシラン、トリ
メチル−1−メチルプロポキシシラン、トリメチルブト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリ
エトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェ
ニルジメトキシシラン、ジフェニルメチルエトキシシラ
ン、メチルフェニルジエトキシシラン、メチルジメトキ
シシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、
ジメチルエトキシシラン、ジエトキシシラン、テトラメ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルビ
ニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、
ブチルトリメトキシシラン、トリメチルフェノキシシラ
ン、トリメチル−3−ヒドロキシフェノキシシラン、メ
チル−2−ヒドロキシフェノキシトリシラン、フェニル
トリメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラ
ン、トリメチルシクロヘキシロキシシラン、アリルトリ
エトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルトリメト
キシシラン、ヘキシロキシトリメチルシラン(?)、プ
ロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラ
ン、ジメチルフェニルエトキシシラン、トリプロピルメ
トキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、オクチロ
キシトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、ベンジルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキ
シシラン、ジフェニルビニルエトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、テ
トラフェノキシシラン、1,2−ビス(トリメチルシロ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(トリメチルシロキシ)
ベンゼン、1,4−ビス(トリメチルシロキシ)ベンゼ
ン、1,3−ジメトキシテトラメチルジシロキサン、
1,3−ジエトキシテトラメチルジシロキサン等の加水
分解性シリル化合物が挙げられる。これらの化合物にお
いて、比較的低温で顕著な触媒活性が得られる点からシ
ラノール化合物が好ましく、また、安定性の点からは加
水分解性シリル化合物が好ましい。
【0013】また、高分子量のポリシロキサン系化合物
としては、例えば直鎖状の加水分解性シリコーンとし
て、例えば信越化学(株)社製「KBM04」、「KBM
13」、「KBM22」、「KBM103」、「KBM
202」、「KBE04」、「KBE13」、「KBE
22」、「KBE103」、「KBE202」、「KB
M1003」、「KBE1003」、「KBC100
3」、「KBM303」、「KBM403」、東レ・ダ
ウコーニング・シリコーン(株)社製「SH6018」、
「QI3037」、「SH6020」、「SZ603
0」、「SH6040」、「SH60602」、「SZ
6070」、「SZ6072」、「SZ6300」、東
芝シリコーン社製「TSL8113」、「TSL812
3」、「TSL8380E」、チッソ(株)社製「サイラ
エースS210」、「サイラエースS220」、「サイ
ラエースS230」、「PS080」、「PS08
4」、「PS085」、「PS088」、「PS08
6」、「PS094」、「PS095」、「B240
6」等が挙げられ、また、珪素原子上に水酸基を有する
ラダー型の加水分解性シリコーンとして、昭和電工(株)
社製「GR−100」、「GR−650」、「GR−9
08」、「GR−950等が挙げられる。
【0014】また、高分子量のポリシロキサン系化合物
として、珪酸ソーダを原料として誘導されるポリシロキ
サン類を用いてもよい。原料となる珪酸ソーダは粉体、
フレーク状等いかなる形態であっても良い。また水溶液
として用いても良く、この場合水ガラス1号、水ガラス
2号、水ガラス3号、メタケイ酸ナトリウム1種、2種
どれを用いてもよいが、中でも水ガラス3号が好まし
い。
【0015】上記した珪酸ソーダから誘導されるポリシ
ロキサン類は、その活性が良好である点から加水分解性
のものであることが好ましく、具体的には、珪酸ソーダ
を高分子量化したもの、或いは、水ガラスをアルキル化
またはシリル化して用いることが好ましい。アルキル
化、シリル化する際、原料ポリシロキサン類中の全水酸
基をアルキル化若しくはシリル化してもよいが、組成物
の保存安定性と触媒活性とのバランスの点から全水酸基
の数の40〜90%がアルキル化若しくはシリル化する
ことが好ましい。
【0016】珪酸ソーダから誘導されるポリシロキサン
類をアルキル化する場合、用いるアルキル化剤はアルコ
ール類、フェノール類を用いる。アルコール化合物とし
て第一アルコール、第二アルコール、第三アルコールが
挙げられる。詳しくはメタノール、エタノール、1−プ
ロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−
ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−
ペンタノール、3−ペンタノール、1,1−ジメチル−
1−プロパノール、1,2−ジメチル−1−プロパノー
ル、シクロペンタノール、2−エチル−2−プロパノー
ル、アリルアルコール、ベンジルアルコール等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではなく、1種または
2種以上のものが使用される。フェノール化合物として
は、フェノール、カテコール、レゾルシノール、ハイド
ロキノン、フロログルシノール、o−クレゾール、m−
クレゾール、p−クレゾール、1−ナフトール、2−ナ
フトール、サリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸
エチル等が挙げられるがこの範囲ではなく、1種または
2種以上のものが使用される。
【0017】また、珪酸ソーダから誘導されるポリシロ
キサン類をシリル化する場合、トリメチルクロロシラ
ン、トリメチルブロモシラン、ジメチルクロロシラン、
エトキシトリメチルシラン、メトキシトリメチルシラ
ン、プロポキシトリメチルシラン、ジメチルビニルクロ
ロシラン、エトキシジメチルビニルシラン、メトキシジ
メチルビニルシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、
エトキシジメチルフェニルシラン、メトキシジメチルフ
ェニルシラン、ジビニルメチルクロロシラン、トリフェ
ニルクロロシラン、エトキシトリフェニルシラン、メト
キシトリフェニルシラン、ジフェニルメチルクロロシラ
ン、エトキシジフェニルメチルシラン、メトキシジフェ
ニルメチルシラン、ジメチルアリルエトキシシラン、ジ
メチルアリルメトキシシラン、3−アクリロキシプロピ
ルジメチルシラン、3−アクリロキシプロピルジメチル
メトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルエ
トキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルシ
ラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシ
ラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシ
ラン、グリシジルジメチルクロロシラン、エトキシグリ
シジルジメチルシラン、ヘキサメチルジシロキサン等が
挙げられる。
【0018】以上、詳述した高分子量のポリシロキサン
系化合物として用いるシラノール化合物若しくは加水分
解性シリル化合物としては、その分子量は特に制限され
るおもものではないが、重量平均分子量(Mw)が50
0〜10,000の範囲が好ましく、さらには触媒活性
の点から2,000〜4,000の範囲が最も好ましい。
【0019】次に、有機金属化合物(D)としては、特
に限定されるものではないが、アルミニウム、ジルコニ
ウム、チタン、鉄、クロム、銅、マンガン、ニッケル、
バナジウム、亜鉛、コバルト、スズ、モリブデン等の金
属に有機基が結合、配位している化合物が挙げられる
が、この範囲ではなく1種または2種以上のものが使用
される。これらの中でも特に、有機系アルミニウム化合
物、有機系ジルコニウム化合物、有機系チタン化合物
が、触媒活性がより高まり好ましい。
【0020】有機系アルミニウム化合物として、具体的
には、トリエチルアルミニウム、アルミニウムトリメト
キシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニ
ウムトリエトキシド、アルミニウムジエトキシイソプロ
ポキシド、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウム
トリフェノキシド、アルミニウムトリ(パラメトキシ)
フェノキシド、アルミニウムトリクレゾキシド、アルミ
ニウムトリブトキシド、アルミニウムトリアセテート、
アルミニウムトリブチレート、アルミニウムトリ(トリ
フルオロ)アセテート、アルミニウムモノステアレー
ト、アルミニウムヒドロキシステアレート、アルミニウ
ムオレエート、アルミニウムレジエート、アルミニウム
オクテート、アルミニウムベンゾエート、アルミニウム
トリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリス(3
−メチル)アセチルアセトネート、アルミニウムトリス
アセチルアセトフェノエート、アルミニウムトリスアセ
チルアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセ
テート、アルミニウムトリスサリチルアルデヒダド、ア
ルミニウムジエチルマロネート、アルミニウムトリスプ
ロピルアセトアセテート等が挙げられるがこの範囲では
なく、1種もしくは2種以上のものが使用される。
【0021】有機系ジルコニウム化合物として、具体的
にはジルコニウムアセテート、ジルコニウムテトラエト
キシド、ジルコニウムテトラプロポキシド、ジルコニウ
ムテトラブトキシド、ジルコニウムテトラ−t−ブトキ
シド、ジルコニウムテトラベンジルオキシド、ジルコニ
ウム(トリイソプロポキシ)アセトキシド、ジルコニウ
ムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムテトララ
ウリレート、ジルコニウムトリス2−アミノエトキシ
ド、
【0022】また、有機系チタニウム化合物として、具
体的には、チタニウムテトラメトキシド、チタニウムテ
トラプロポキド、チタニウムテトラエトキシド、チタニ
ウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラブトキ
シド、チタニウム−2−エチルヘキソオキシド、チタニ
ウムビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシ
ド、チタニウムテトラアセチルアセトネート、酸化チタ
ンアセチルアセトネート、チタニウムテトラエチルアセ
トアセテート、チタニウムジイソプロポキシドビス
(2,4−ペンタンジオネート)等が挙げられるがこの
範囲ではなく、1種または2種以上を併用して用いるこ
とができる。
【0023】上記した(A)〜(D)の各成分の配合割
合は、特に制限されるものではないが、エポキシ樹脂
(A)と、多官能性ケトン化合物(B)と、シラノール
化合物若しくは加水分解性基を有するシリル化合物
(C)と、有機金属化合物(D)との存在比が、重量基
準で(A)〜(D)の合計100重量部に対して、
(A)成分が10〜98重量部、(B)成分が1〜90
重量部、(C)成分が0.1〜90重量部、(D)成分
が0.01〜5.0重量部であることが好ましい。ま
た、特にエポキシ樹脂(A)と多官能性ケトン化合物
(B)との使用割合は、上記範囲内で、かつ、エポキシ
樹脂(A)中のエポキシ基と多官能性ケトン化合物
(B)のカルボニル基とが当量となる割合で用いること
が好ましい。
【0024】本発明の組成物はその用途に応じ、その
他、難燃剤、難燃助剤、安定剤、表面処理剤、無機充填
剤等の添加剤を加えてもよく、難燃剤として、臭素化ビ
スフェノール型エポキシ樹脂、難燃助剤としては三酸化
アンチモン、赤リン等、安定剤としてポリエーテルエス
テル化合物、ポリエーテルエステルアミド系化合物、表
面処理剤としてはシランカップリング剤、無機充填剤と
してはガラス繊維、炭素繊維、タルク等を挙げることが
できる。
【0025】本発明の組成物は、電気積層板用、IC封
止剤用、注型用、複合材用、塗料用として用いることが
できるが、とりわけその電気的特性が良好である点から
電気積層板用として極めて有用である。
【0026】本発明の組成物から電気絶縁基板を製造す
るには、上記した(A)〜(D)の各成分を必須成分と
し、メチルエチルケトン、エチレングリコール等の有機
溶剤に均一に溶解してワニスを調製し、基材に含浸した
後、加熱成形することによって得られる。基材としては
特に制限されず、ガラス繊維、ポリエステル繊維、アル
ミナ繊維、ポリアミド繊維等の有機、無機繊維からなる
織布、紙、マットあるいはこれらの組み合わせからなる
基材が挙げられる。また、加熱成形する方法としては、
具体的には基材含浸後、加熱乾燥して得たプリプレグを
熱プレス成形する方法が挙げられる。
【0027】
【実施例】次に、実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0028】合成例1 30%硫酸水溶液115gとTHF80gをフラスコに
入れ、28℃においてメカニカル攪拌でよく混合する。
この混合溶媒を攪拌しながら、あらかじめ5倍に希釈し
ておいた水ガラス3号600gを混合溶媒中に1時間で
滴下する。滴下後さらにTHF400gを添加し均一に
する。そしてトリメチルクロロシラン39gを約10分
で滴下する。その後も28℃の温度を保ち、2時間攪拌
する。シリル化反応終了後エバポレーターを用いて、減
圧下において30〜40℃でTHFを留去し生成物を析
出させる。これを濾過後、300gの水で2回洗浄し濾
過する。洗浄後は60℃で15時間真空乾燥する。そし
て得られたサンプルは59gであり収率が95%であっ
た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)で測定した結果、重量平均分子量(Mw)は2,6
00であり、分子量分布の広がり(Mw/Mn)は1.
20となった。
【0029】実施例1 合成例1で得たシロキサンサンプルを5重量部とビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社
製;EPICLON 850)65重量部、シクロヘキ
サノン型ケトン樹脂(日立化成;ハイラック222)3
0重量部とアルミニウムトリスアセチルアセトネート
(和光純薬工業社製)0.1重量部を混合し、注型用型
に流し込み100℃×1時間、150℃×2時間、18
0℃×2時間加熱を施し厚さ3mmの透明な硬化樹脂板
を得た。得られた樹脂板の物性を表1に示す。
【0030】実施例2 シロキサンサンプルの代わりにトリフェニルシラノール
を用いた以外は、実施例1と同様の操作を施し、厚さ3
mmの硬化樹脂板を得た。得られた樹脂板の物性値を表
1に示す。
【0031】実施例3 シクロヘキサノン型ケトン樹脂の代わりにアセトフェノ
ン型ケトン樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の操作
を施し、厚さ3mmの硬化樹脂板を得た。得られた樹脂
板の物性値を表1に示す。
【0032】実施例4 シクロヘキサノン型ケトン樹脂の代わりにアセチルアセ
トンを、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりにノ
ボラック型エポキシ樹脂を用いた以外は、実施例1と同
様の操作を施し、厚さ3mmの硬化樹脂板を得た。得ら
れた樹脂板の物性値を表1に示す。
【0033】実施例5 シロキサンサンプルの代わりにラダー型シロキサンGR
−950(昭和電工(株))を用いた以外は、実施例4と
同様の操作を施し、厚さ3mmの硬化樹脂板を得た。得
られた樹脂板の物性値を表1に示す。
【0034】比較例1 実施例1で用いたビスフェノールA型エポキシ樹脂(E
PICLON 1055)100重量部に対し、ジシア
ンジアミド2.2重量部、2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール0.2重量部を添加し、ホモミキサーにて強制
攪拌を行う。得られた混合物を注型用型に流し込み、1
50℃×1時間、180℃×2時間加熱を施し、厚さ3
mmの硬化樹脂板を得た。得られた樹脂板の物性値を表
1に示す。
【0035】比較例2 実施例1で用いたビスフェノールA型エポキシ樹脂10
0重量部に対し、2−エチル−4−メチルイミダゾール
1重量部を添加し、ホモミキサーにて強制攪拌を行う。
得られた混合物を注型用型に流し込み、150℃×1時
間、180℃×2時間加熱を施し、厚さ3mmの硬化樹
脂板を得た。得られた樹脂板の物性値を表1に示す。
【0036】比較例3 ジフェニルエトキシシランを3重量部とビスフェノール
A型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製;EPI
CLON 1055)60重量部、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製;EPI
CLON N−740)40重量部とアルミニウムトリ
スアセチルアセトネート(和光純薬工業社製)3重量部
を混合し、注型用型に流し込み100℃×1時間、15
0℃×2時間、180℃×2時間加熱を施し厚さ3mm
の透明な硬化樹脂板を得た。得られた樹脂板の物性を表
1に示す。
【0037】実施例6 実施例4に記載した配合物にアセチルアセトンを添加
し、不揮発分(NV)が65%になるように調製した。
この混合溶液を、基材であるガラスクロスWE−18K
−104−BZ2[日東紡(株)製]に含浸させ、160
℃、3分間乾燥させて樹脂分40%のプリプレグを作製
した。次いで得られたプリプレグを8枚重ね合わせ、銅
箔をセットし圧力40Kg/cm2、加熱温度170℃、
加熱時間120分の条件で硬化させて積層板を作製し
た。得られた積層板の物性値は表2に示す。
【0038】実施例7 実施例5に記載した配合物を用いた以外は、実施例6と
同様の操作を施し積層板を作製した。
【0039】比較例4 ビスフェノールA型エポキシ樹脂EPICLON 10
55(大日本インキ化学工業(株)製)100重量部をメ
チルエチルケトンで溶解させ、次いで予めメチルセロソ
ルブに溶解させておいたジシアンジアミド2.2重量
部、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.06重量
部を加えて、不揮発分(NV)が55%になる混合溶液
を調製した。これを実施例11と同様のガラスクロスに
含浸させ160℃、3分間乾燥させて、樹脂分40%の
プルプレグを得た。得られたプリプレグを8枚重ね合わ
せ、銅箔をセットし圧力40Kg/cm2、加熱温度17
0℃、加熱時間120分の条件で硬化させて積層板を作
製した。得られた積層板の物性値は表2に示す。
【0040】比較例5 比較例3と同様の配合量の樹脂組成物に、メチルエチル
ケトンを加え不揮発分50重量%のワニスを得た。これ
を実施例11と同様の処理を施し、190℃で100分
間、40Kg/cm2の圧力で硬化を行い積層板を作製し
た。得られた積層板の物性値は表2に示す。
【0041】[吸水率、曲げ試験、誘電率、誘電正接]
JIS K−6911に準拠した。 [ソルトスプレー試験]上記実施例、比較例にて調製し
たワニスを、溶剤にて希釈し、冷間圧延鋼板にリン酸−
亜鉛処理を行ったものに塗布した。
【0042】JIS K−5400に準拠した。 [耐ハンダ性]試験片を260℃の溶融ハンダ上に浮か
せ、その試験片の外観、とくに”ふくれ”の有無を目視
判定により評価した。
【0043】◎…全く異常なし ○…若干の白化あり、ふくれなし ×…”ふくれ”発生
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、水酸基の生成を全く伴
わないエポキシ化合物の硬化反応が可能で電気的特性に
優れ、接着性や耐熱性等の機械的特性に優れる硬化性樹
脂組成物を提供できる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エポキシ樹脂、(B)多官能性カル
    ボニル化合物、(C)シラノール化合物若しくは加水分
    解性基を有するシリル化合物、及び、(D)有機金属化
    合物を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 シラノール化合物若しくは加水分解性基
    を有するシリル化合物(C)が、珪素原子上に水酸基を
    有するラダー型ポリシロキサンである請求項1記載の組
    成物。
  3. 【請求項3】 シラノール化合物若しくは加水分解性基
    を有するシリル化合物(C)が、水ガラスのアルキル化
    物である請求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 シラノール化合物若しくは加水分解性基
    を有するシリル化合物(C)が、水ガラスにシラノール
    と反応性を有するオルガノシラン系化合物を反応させた
    ものである請求項3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 多官能性カルボニル化合物(B)が、ジ
    ケトンである請求項1〜4の何れか1つに記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】 加水分解性基を有するシリル化合物がア
    ルコキシシリル化合物である請求項1〜5の何れか1つ
    に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 エポキシ樹脂(A)が、ビスフェノール
    型エポキシ樹脂またはノボラック型エポキシ樹脂である
    請求項1〜5の何れか1つに記載の組成物。
  8. 【請求項8】 有機金属化合物(D)が、有機アルミニ
    ウムである請求項1〜7の何れか1つに記載の組成物。
  9. 【請求項9】 エポキシ樹脂(A)と、多官能性ケトン
    化合物(B)と、シラノール化合物若しくは加水分解性
    基を有するシリル化合物(C)と、有機金属化合物
    (D)との存在比が、重量基準で(A)〜(D)の合計
    100重量部に対して、(A)成分が10〜98重量
    部、(B)成分が1〜90重量部、(C)成分が0.1
    〜90重量部、(D)成分が0.01〜5.0重量部で
    ある請求項1〜8の何れか1つに記載の組成物。
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