JPH08319158A - 強誘電体材料およびこれを用いた強誘電体メモリ - Google Patents

強誘電体材料およびこれを用いた強誘電体メモリ

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JPH08319158A
JPH08319158A JP7121886A JP12188695A JPH08319158A JP H08319158 A JPH08319158 A JP H08319158A JP 7121886 A JP7121886 A JP 7121886A JP 12188695 A JP12188695 A JP 12188695A JP H08319158 A JPH08319158 A JP H08319158A
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JP
Japan
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ferroelectric
memory
titanium
band
rare earth
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JP7121886A
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Kaoru Miura
薫 三浦
Kenji Katori
健二 香取
Naohiro Tanaka
均洋 田中
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 疲労現象が起きにくい、特性の安定した寿命
の長い強誘電体材料および強誘電体メモリを提供する。 【構成】 鉛、チタンおよびジルコニウムの酸化物に、
ランタンを除く希土類元素の1種あるいは複数の元素が
ドープされて成る強誘電体材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強誘電体材料およびこ
れを用いた強誘電体メモリに係わる。
【0002】
【従来の技術】近年、FeRAMもしくはFRAM(Fe
rroelectric Random Access Memory)と呼称される強誘
電体不揮発性メモリの研究、開発が盛んである。この強
誘電体不揮発性メモリはそのキャパシタ部を構成する誘
電体が強誘電体膜に置き換えられた構造を有するもので
ある。
【0003】この強誘電体不揮発メモリは、キャパシタ
内部の強誘電体膜に反転可能な外部電場を与え、これに
より自発分極(Ps)を誘起させ、外部電場を除いてゼ
ロとしたときの残留分極(Pr)の向きを”0””1”
の情報に対応させてメモリするものである。
【0004】強誘電体メモリの強誘電体材料の1つとし
て、鉛、チタンおよびジルコニウムの酸化物、いわゆる
PZTがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PZT
を強誘電体材料として用いた強誘電体メモリでは、外部
電場の反転を繰り返すことにより、次第に残留分極(P
r)値の低下を招く、疲労現象がみられ、メモリの寿命
が短いという問題がある。
【0006】この疲労の原因としては、鉛原子の抜け
や、酸素原子の抜け等が従来考えられていたが、原因の
特定は未だなされていない。
【0007】本発明は、上述した疲労を抑制し、特性の
安定した強誘電体材料および強誘電体メモリを提供する
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、鉛、チタンお
よびジルコニウムの酸化物に、ランタンを除く希土類元
素の1種あるいは複数の元素がドープされて成ることを
特徴とする強誘電体材料である。
【0009】また本発明は、キャパシタ部分の誘電体膜
が、鉛、チタンおよびジルコニウムの酸化物に、ランタ
ンを除く希土類元素の1種あるいは複数の元素がドープ
されて成る強誘電体材料によって構成されたことを特徴
とする強誘電体メモリである。
【0010】
【作用】すなわち、本発明においては、本発明者等によ
って、上述したPZT強誘電体の疲労の原因が、酸素原
子が抜けることで残った酸素イオンの回りにあった電子
がチタンイオンの3d軌道に入るためであることを究明
したことに基づき、鉛、チタンおよびジルコニウムの酸
化物(PZT)からなる強誘電体材料において、ランタ
ンを除く希土類元素から1種あるいは複数の元素を選択
して酸化物(PZT)にドープすることにより、後述の
ように酸素が抜ける時に残る電子がチタンイオンの軌道
に入ることを防止し、その結果チタンイオンの軌道に電
子が入ることによって起こるPZTの疲労を抑制する。
【0011】
【実施例】本発明の実施例の説明に先立ち、本発明の概
要について説明する。
【0012】本発明による強誘電体材料は、ランタンを
除く希土類元素から1種あるいは複数の元素をPZTに
ドープするものである。
【0013】PZTの疲労の原因は、前述のように特定
されていなかったが、本発明者らは各軌道のエネルギー
バンドの計算により、疲労の原因が酸素原子が抜けるこ
とで残った酸素イオンの周囲にあった電子が、チタンイ
オンの3d軌道に入るためであることを見い出した。
【0014】このエネルギーバンドの計算結果により、
PZTにおいて起きている様々な現象を説明することが
可能となった。
【0015】例えば、PZTにランタンをドープしたい
わゆるPLZTは、PZTに較べて疲労するまでの寿命
が長く、疲労特性が優れているが(K.Amanuma et al.,J
pn.J.Appl.Phys.,Vol.33,p5211(1994)参照)、これまで
はその理由は明らかでなかった。
【0016】これもエネルギーバンドの計算結果に基づ
いて考えると、説明が可能となる。図1Aに、PZT中
に存在するPbTiO3 のフェルミレベル付近でのエネ
ルギーバンドの概念図を示す。また図1Bに、PbTi
3 のPb2+をLa3+に置換したもののフェルミレベル
付近でのエネルギーバンドの概念図を示す。図1Aおよ
び図1Bにおいて、縦軸はエネルギーレベル、横軸は状
態密度を表している。
【0017】図1Aにおいては、フェルミレベルEF
すぐ上にチタンの3dバンドが存在しているが、図1B
においては、フェルミレベルEF とチタンの3dバンド
との間にランタンの4fバンドが存在している。従っ
て、図1Bに示したPbTiO3 のPb2+をLa3+に置
換したものでは、酸素原子が抜けるときに残った電子が
チタンの3dバンドに入らずに、ランタンの4fバンド
に入ることになる。
【0018】疲労の現象は、図1Aに示すようにフェル
ミレベルEF のすぐ上にチタンの3dバンドが存在して
いるために、酸素原子が抜けるときに残った電子が、チ
タンの3dバンドに入ってしまうことが原因と考えられ
る。これに対し、図1Bの場合にはフェルミレベルEF
の上にLaの4fが存在していることによって疲労の現
象が起きにくくなると考えられる。
【0019】このように考えると、ランタンに限らず、
電子が入る余地のある4f準位を有する原子であれば、
疲労を抑制することができることがわかる。従って、電
子が入る余地のある4f準位を有している、希土類元素
であれば疲労を抑制する効果を有するものである。
【0020】続いて、本発明による強誘電体材料と強誘
電体メモリの実施例について説明する。この実施例は、
強誘電体メモリとして、図2に断面図を示すスタック型
構造の不揮発性メモリを形成する場合の例である。この
例においては、半導体基板1の局部酸化いわゆるLOC
OSによって形成した素子分離絶縁層2によって分離さ
れた領域に、ソース領域5とドレイン領域6が形成さ
れ、ゲート絶縁膜3を介してゲート電極4が設けられた
MISトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジス
タ)が形成され、これの上に、層間絶縁層7を介して、
下部電極8が形成され、これの上に強誘電体層9を挟ん
で、上部電極10が形成されて成る。そして、図示の例
ではコンタクトホール12を通じて、ドレイン領域6と
上部電極10とに配線13が接続された構造を有する。
【0021】この構成において下部電極8と上部電極1
0との間に電位差により電界をかけることにより、強誘
電体層9に自発分極Psを発生させ、前述したように、
電界を除いた後の残留分極Prの向きによって”0””
1”の情報をメモリする。
【0022】この図2に示すスタック型構造の不揮発メ
モリの製法の工程図を図3A〜図3Fに示す。図3Aに
示すように、シリコンからなる半導体基板1上の素子形
成部内にLOCOSにより、SiO2 からなる素子分離
絶縁層2を形成する。
【0023】次に図3Bに示すように、素子形成部の半
導体基板1表面を熱酸化して、SiO2 による、ゲート
絶縁膜3を形成する。この、ゲート絶縁膜3上に多結晶
シリコンを形成し、この多結晶シリコンをパターンエッ
チングして、ゲート電極4を形成する。さらにゲート電
極4をマスクとして、半導体基板1に不純物のイオン注
入によりソース領域5およびドレイン領域6を形成す
る。
【0024】図3Cに示すように、表面を覆って全面的
にSiO2 等の層間絶縁層7を形成する。この層間絶縁
層7に全面的に白金等からなる金属層を形成し、パター
ンエッチングして下部電極8を形成する。
【0025】図3Dに示すように、同様に下部電極8上
に、希土類元素例えばNdをドープしたPb(Zr,T
i)O3 からなる強誘電体および白金等の金属層を順次
全面的に積層形成し、これらをパターンエッチングし
て、それぞれ強誘電体層9および上部電極10を形成す
る。
【0026】図3Eに示すように、全体を覆ってSiO
2 からなる層間絶縁層11を積層形成させる。
【0027】図3Fに示すように、ドレイン領域6上の
層間絶縁層7と、上部電極10の上の層間絶縁層11に
それぞれコンタクトホール12を穿設する。さらに蒸着
などによりAlによる配線13を被着形成し、エッチン
グにより必要な部分のみ残す。
【0028】このようにして、図2に示した強誘電体メ
モリを形成することができる。
【0029】また図4に本発明の強誘電体材料の作製に
用いるスパッタ装置の一例の概略構成図(上面図)を示
す。図4のスパッタ装置は、真空ポンプPが結合されて
高密度に保持されるチェンバー20内に、4つのイオン
源21a、21b、21c、21dおよび、これらのイ
オン源に対応した、例えばPb,Ti,Zr,およびド
ープ材料の希土類元素からなる、金属ターゲット22
a、22b、22c、22dが配置される。また、雰囲
気としての酸素ガスの供給部Oと、酸素をプラズマ化さ
せるマイクロ波の印加部Mとを有する構成である。
【0030】シリコンウエーハ23がホルダー24によ
り固定され、このシリコンウエーハ23上にイオン源2
1a、21b、21c、21dから出射されたアルゴン
ビームBが金属ターゲット22a、22b、22c、2
2dに照射され、各金属がシリコンウエーハ23上に飛
翔されて目的とする強誘電体膜が形成される。
【0031】次に本発明による強誘電体材料の電子状態
について説明する。図5AにPbTiO3 のPb2+のサ
イトを、La3+に置換した場合のフェルミレベルEF
近の状態密度を示し、図5Bに同じくPbTiO3 のP
2+のサイトをNd3+に置換した場合のフェルミレベル
F 付近の状態密度を示す。
【0032】図5Aの場合には、フェルミレベルEF
すぐ上にLaの4f準位が存在し、図5Bの場合には、
Ndの4f準位上をフェルミレベルEF が横切ってい
る。
【0033】Pb2+サイトをこのように希土類に置換し
た場合、フェルミレベルEF は、4f準位上あるいは4
f準位のすぐ上に存在する。そのため酸素イオンが酸素
原子として抜け出た場合でも、残った電子はチタンの3
d準位には存在せず、希土類の4f準位に存在すること
になる。
【0034】PZTの疲労の現象は、前述のように酸素
原子の抜けにより残った電子がチタンの3dバンドに入
るために起きるから、ランタンと同様に他の希土類も疲
労を抑制するのに有効である。
【0035】ここで希土類元素の種類は、4f準位に電
子が充分入るだけの余裕を持たせるために、出来るだけ
原子番号の小さい希土類をドープすることが好ましい。
【0036】本発明の強誘電体材料および強誘電体メモ
リは、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得
る。
【0037】
【発明の効果】上述の本発明による強誘電体材料および
強誘電体メモリによれば、ランタンを除く希土類元素を
PZTにドープすることにより、酸素原子が抜ける際に
残る電子がチタンの3dバンドに入らずに希土類の4f
バンドに入るため、チタンの3dバンドに電子が入るこ
とによりPZTが疲労する現象を抑制することができ
る。
【0038】疲労を抑制することにより、安定して長寿
命の強誘電体材料を得ることができ、この強誘電体材料
をキャパシター部分の誘電体膜に用いることにより、動
作やデバイス特性の安定した強誘電体メモリを得ること
ができる。
【0039】また、動作やデバイス特性の安定した強誘
電体メモリをコンピュータの記憶装置等に用いれば、電
源を切った後に電源を供給しなくても長時間の記憶が可
能となるようになり、これを利用して例えばコンピュー
タ内蔵の携帯用電子機器において記憶内容の保持が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A PZT中に存在するPbTiO3 のフェル
ミレベル付近でのエネルギーバンドの概念図である。 B PbTiO3 のPb2+をLa3+に置換したもののフ
ェルミレベル付近でのエネルギーバンドの概念図であ
る。
【図2】スタック型構造の不揮発メモリの断面図であ
る。
【図3】A〜F 図2に示した不揮発メモリの製造工程
図である。
【図4】本発明の強誘電体材料の作製に用いるスパッタ
装置の一例の概略図である。
【図5】A PbTiO3 のPb2+のサイトをLa3+
置換した場合のフェルミレベルE F 付近の状態密度であ
る。 B PbTiO3 のPb2+のサイトをNd3+に置換した
場合のフェルミレベルE F 付近の状態密度である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 素子分離絶縁層 3 ゲート絶縁膜 4 ゲート電極 5 ソース領域 6 ドレイン領域 7、11 層間絶縁層 8 下部電極 9 強誘電体膜 10 上部電極 12 コンタクトホール 13 配線 20 チェンバー 21a、21b、21c、21d イオン源 22a、22b、22c、22d 金属ターゲット 23 シリコンウエーハ 24 ホルダ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛、チタンおよびジルコニウムの酸化物
    に、 ランタンを除く希土類元素の1種あるいは複数の元素が
    ドープされて成ることを特徴とする強誘電体材料。
  2. 【請求項2】 キャパシタ部分の誘電体膜が、 鉛、チタンおよびジルコニウムの酸化物に、 ランタンを除く希土類元素の1種あるいは複数の元素が
    ドープされて成る強誘電体材料によって構成されたこと
    を特徴とする強誘電体メモリ。
JP7121886A 1995-05-19 1995-05-19 強誘電体材料およびこれを用いた強誘電体メモリ Pending JPH08319158A (ja)

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Cited By (5)

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