JPH08319110A - 無機質縮合組成物の製造方法、安定性無機質縮合組成物及び積層体の製造方法 - Google Patents

無機質縮合組成物の製造方法、安定性無機質縮合組成物及び積層体の製造方法

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JPH08319110A
JPH08319110A JP7126602A JP12660295A JPH08319110A JP H08319110 A JPH08319110 A JP H08319110A JP 7126602 A JP7126602 A JP 7126602A JP 12660295 A JP12660295 A JP 12660295A JP H08319110 A JPH08319110 A JP H08319110A
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JP
Japan
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condensation composition
inorganic condensation
laminate
inorganic
composition according
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Application number
JP7126602A
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Inventor
Miyuki Miyazaki
幸 宮崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材上に耐擦傷性に優れた、防汚性が付与さ
れた、反射防止効果が高い多孔質の被膜が形成された積
層体を容易に製造するのに適した無機質縮合組成物の製
造方法を提供する。 【構成】 特定のテトラアルコキシシラン1モルに対し
て、特定量の塩基性水及び有機溶媒を混合して得られる
縮合組成物(A)と、特定のテトラアルコキシシラン1
モルに対して、特定量の酸性水及び有機溶媒を混合して
得られる縮合組成物(B)とを、A/B=0.4〜2.
4(重量比)で混合して得られる縮合組成物(C)、並
びに特定のアルキルアルコキシシランを、特定モル比で
混合することを特徴とする無機質縮合組成物の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材上に耐擦傷性に優
れた、防汚性が付与された多孔質の被膜を形成するのに
適した無機質縮合組成物の製造方法、基材上に耐擦傷性
に優れた、防汚性が付与された多孔質の被膜を形成する
のに適し、保存安定性のよい安定性無機質縮合組成物、
及び基材上に耐擦傷性に優れた反射防止効果の高い多孔
質の被膜が形成された積層体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスは、カラーテレビのブラウン管
や、自動車のフロントガラス、太陽電池などに広く用い
られているが、ガラス表面で外部光線が反射すると、映
り込みのために画像や内部物体が見え難くなったり、太
陽電池のエネルギー変換効率が低くなったりする。この
問題を解決するためにガラスに低屈折率の反射防止用多
孔質薄膜を積層させて積層体とし、外部光線の反射を低
減させる方法がある。この積層体を作製する方法として
は、例えば、水または有機溶媒で分散したコロイダルシ
リカにアルコキシシランを混合し、アルコールに溶解し
た混合液を加水分解し部分重縮合させたゾル溶液からな
る組成物を、ガラスに塗布、熱処理し、硬化時のシリカ
ゾルとコロイダルシリカの熱収縮の差異を利用して多孔
化された薄膜を形成させる方法(特開昭62−1704
4号公報)があるが、この方法には、コロイダルシリカ
をアルコキシシランに均一に分散させる工程が必要なこ
と、および分散をよくするために、高性能な装置を必要
とすることなどの問題点がある。
【0003】また、近年、透明プラスチック材料が、軽
量性、易加工性、耐衝撃性の特徴を生かし、ガラスに代
わって、光学レンズ、メガネレンズ、建築物の窓等に広
く利用されているが、耐擦傷性に乏しくハードコーティ
ング処理を必要としている。さらに、ガラス同様反射防
止薄膜を積層させて積層体とし、外部光線の反射を低減
させる必要がある。この積層体を作製する方法として
は、例えば、フッ素樹脂系の材料を透明プラスチック材
料に塗布、熱処理して薄膜を形成させる方法(特開平2
−123771号公報)があるが、このフッ素樹脂系の
材料は強度面で問題があり、メガネレンズ等の耐擦傷性
が要求される用途には用いにくいという問題点がある。
【0004】ところで、ガラスや透明プラスチックス材
料が外部光線を反射する原因は、光が媒体から別の物質
に入射される際、その屈折率の差により界面で反射する
からである。上記の場合では、媒体となる空気の屈折率
と基材であるガラスや透明プラスチックス材料の屈折率
が異なるため、その界面で光の反射および損失が起こ
る。
【0005】上記の光の反射および損失を軽減させるた
めに、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ
リング法などを用いて屈折率の異なる薄膜を多層積層さ
せる方法があった。この方法は膜厚制御や、広い波長範
囲で反射防止効果が得られる等の利点があるが、ある限
られた空間で薄膜を製造するため大面積の基材には適さ
ず、コストの点で工業的に不向きであり、また、複雑な
形状の基材には適用できないという問題点があった。
【0006】ある基材の反射率を0にするための薄膜の
積層条件は(1)、(2)式で表現される。 n1 =(no s 0.5 ・・・(1) n1 1 =(λ/4),(3λ/4),(5λ/4)・・・(2) no :空気の屈折率(no =1である)、ns :基材の
屈折率、n1 : 薄膜の屈折率、t1 :薄膜の膜厚、
λ:入射光波長 このように、基材の屈折率に応じて、積層する薄膜の屈
折率と膜厚を制御する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題点を解決するものであり、その目的は、基材上に耐擦
傷性に優れた、防汚性が付与された反射防止効果が高い
多孔質の被膜が形成された積層体を容易に製造するのに
適した無機質縮合組成物の製造方法を提供すること、基
材上に耐擦傷性に優れた、防汚性が付与された反射防止
効果が高い多孔質の被膜が形成された積層体を容易に製
造するのに適し、保存安定性のよい安定性無機質縮合組
成物を提供すること、及び基材上に耐擦傷性に優れた、
防汚性が付与された反射防止効果が高い多孔質の被膜が
形成された積層体を容易に製造し得る方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明1(請求項1記載
の発明を本発明1という。)の無機質縮合組成物の製造
方法に用いられる縮合組成物(A)は、一般式Si(O
R)4 (式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基)で表さ
れるテトラアルコキシシラン、塩基性水及び有機溶媒を
混合し、テトラアルコキシシランを部分加水分解、重縮
合させて得られる。
【0009】上記の一般式Si(OR)4 で表されるテ
トラアルコキシシランにおいて、Rは、炭素数が多くな
ると、縮合組成物(C)及び無機質縮合組成物の安定性
が低下して長期安定性が悪くなるので、炭素数1〜5の
アルキル基に限定され、例えば、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル
基、iso−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げら
れる。
【0010】Si(OR)4 で表されるテトラアルコキ
シシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、
テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブト
キシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ
−tert−ブトキシシラン、テトラ−n−ペントキシ
シラン、テトラ−iso−ペントキシシラン、テトラネ
オペントキシシランなどが挙げられ、加水分解、重縮合
における反応性の点から、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシランが好ましく、テトラエトキシシランが
特に好ましい。
【0011】上記塩基性水とは、塩基種によりpHが1
0.0〜12.0に調整された水をいう。塩基種は、水
のpHを10.0〜12.0に調整できるものであれ
ば、特に限定されず、例えば、アンモニア、水酸化アン
モニウム、水酸化カリウム等が挙げられ、pHの調整が
容易なので、アンモニアが好ましい。
【0012】塩基性水のpHは、低くなると、得られる
コロイダルシリカの分子量が低下し、反射防止被膜の形
成が困難となり、又、高くなると、得られる縮合組成物
(A)の安定性が低下するので、10.0〜12.0に
限定され、10.3〜11.5が好ましく、10.8〜
11.4が特に好ましい。
【0013】塩基性水は、少なくなると、得られるコロ
イダルシリカの分子量が低下して、積層体の反射防止性
が低下し、多くなると、縮合組成物(A)の安定性が低
下するので、Si(OR)4 で表されるテトラアルコキ
シシラン1モルに対して、2〜8モル添加され、3〜4
モル添加するのが好ましい。
【0014】有機溶媒は、Si(OR)4 で表されるテ
トラアルコキシシランおよび塩基性水と相溶性のあるも
のであれば特に限定されるものではなく、例えば、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、エトキシエチルアルコール、アリルアルコール等
が挙げられるが、得られる被膜の多孔性の向上の点か
ら、特にイソプロピルアルコールが好ましい。
【0015】有機溶媒の添加量は、少なくなると、縮合
組成物(A)の安定性が低下し、多くなると、得られる
コロイダルシリカの分子量が低下し、積層体の反射防止
性が低下するので、Si(OR)4 で表されるテトラア
ルコキシシラン1モルに対して10〜30モルに限定さ
れ、縮合組成物(C)及び無機質縮合組成物の安定性の
点から、テトラアルコキシシラン1モルに対して13〜
18モルが好ましい。
【0016】縮合組成物(A)の混合方法は、特に限定
されず、例えば、Si(OR)4 で表されるテトラアル
コキシシラン、塩基性水及び有機溶媒を、均質なものを
得るために、好ましくは、攪拌機に供給し混合する方法
が挙げられる。攪拌機としては、特に限定されるわけで
はなく、マグネチックスターラーのような簡便な攪拌機
で十分である。
【0017】縮合組成物(A)を混合する際の温度は、
低くなると、重縮合反応が不充分となり、高くなると、
縮合組成物(A)の安定性が低下するので、10〜30
℃で行うのが好ましく、20〜25℃が特に好ましい。
【0018】縮合組成物(A)を混合する際の時間は、
短くなると、加水分解、重縮合反応が不十分となり、長
くなると、縮合組成物(A)の安定性が低下するので、
1〜10時間が好ましく、2〜4時間が特に好ましい。
従って、縮合組成物(A)の混合は、10〜30℃で、
1〜10時間行うのが好ましく、20〜25℃で、2〜
4時間行うのが特に好ましい。
【0019】本発明1の無機質縮合組成物の製造方法に
用いられる縮合組成物(B)は、一般式Si(OR1
4 (式中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基)で表され
るテトラアルコキシシラン、酸性水及び有機溶媒を混合
し、テトラアルコキシシランを部分加水分解、重縮合さ
せて得られる。
【0020】上記の一般式Si(OR1 4 で表される
テトラアルコキシシランにおいて、R1 、炭素数が多く
なると、縮合組成物(C)及び無機質縮合組成物の安定
性が低下して長期安定性が悪くなるので、炭素数1〜5
のアルキル基に限定され、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペン
チル基、iso−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙
げられる。
【0021】Si(OR1 4 で表されるテトラアルコ
キシシランは、特に限定されず、例えば、テトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポ
キシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テト
ラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシ
ラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラ−n
−ペントキシシラン、テトラ−iso−ペントキシシラ
ン、テトラネオペントキシシランなどが挙げられ、加水
分解及び重縮合における反応性の点からテトラメトキシ
シラン、テトラエトキシシランが好ましく、特に、テト
ラエトキシシランが好ましい。
【0022】上記酸性水は、酸性種によりpHが0〜
2.6に調整された水をいう。酸性種は、水のpHを、
0〜2.6に調整できるものであれば、特に限定され
ず、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等が挙げられ、塩酸、硝
酸が好ましく、塩酸が特に好ましい。
【0023】酸性水のpHは、低くなると、縮合組成物
(B)の安定性が低下することがあり、高くなると、ア
ルコキシシランの加水分解が不十分となるので、0〜
2.6に限定され、1.0〜1.7が好ましく、1.1
〜1.2が、特に好ましい。
【0024】酸性水の添加量は、少なくなると、テトラ
アルコキシシランの加水分解が不十分となり、更に、得
られる無機質縮合組成物の基材への塗布が困難となり、
多くなると、縮合組成物(B)の安定性が低下するの
で、Si(OR1 4 で表されるテトラアルコキシシラ
ン1モルに対して3〜8モルに限定され、4〜7モルが
好ましい。
【0025】上記有機溶媒は、Si(OR1 4 で表さ
れるテトラアルコキシシラン及び酸性水に相溶するもの
であれば、特に限定されず、例えば、縮合組成物(A)
の製造に用いられるものと同様のものが用いられ、有機
溶媒の添加量は、少なくなると、縮合組成物(B)の安
定性が低下し、又、多くなると、得られるコロイダルシ
リカの分子量が低下し、積層体の反射防止性が低下する
ので、Si(OR1 4 で表されるテトラアルコキシシ
ラン1モルに対して10〜30モルに限定され、縮合組
成物(C)及び無機質縮合組成物の安定性の点から、テ
トラアルコキシシラン1モルに対して13〜18モルが
特に好ましい。
【0026】縮合組成物(B)の混合方法は、特に限定
されず、例えば、Si(OR1 4で表されるテトラア
ルコキシシラン、酸性水及び有機溶媒を、均質なものを
得るために、好ましくは、攪拌機に供給し混合する方法
が挙げられる。攪拌機としては、特に限定されるわけで
はなく、マグネチックスターラーのような簡便な攪拌機
で十分である。
【0027】縮合組成物(B)を混合する際の温度は、
低くなると、重縮合反応の反応速度が低下し、高くなる
と、縮合組成物(B)の安定性が低下するので、10〜
30℃で行うのが好ましく、20〜25℃が特に好まし
い。
【0028】縮合組成物(B)を混合する際の時間は、
短くなると、重縮合反応が不十分となり、長くなると、
縮合組成物(B)の安定性が低下するので、1〜10時
間が好ましく、2〜4時間が特に好ましい。従って、縮
合組成物(B)の混合は、10〜30℃で、1〜10時
間行うのが好ましく、20〜25℃で、2〜4時間行う
のが特に好ましい。
【0029】本発明1で用いられる縮合組成物(C)
は、上記縮合組成物(A)及び縮合組成物(B)を、重
量比((A)/(B))=0.4〜2.4で混合して得
られる。
【0030】縮合組成物(A)が、少なくなると、得ら
れる被膜の多孔率が低下し、得られる積層体の反射防止
性が低下し、多くなると、得られる被膜と基材との密着
性が低下するので、縮合組成物(A)と縮合組成物
(B)の重量比((A)/(B))は、0.4〜2.4
に限定され、縮合組成物(C)の安定性及び被膜と基材
の密着性の向上のため、1.5〜2.3が好ましい。
【0031】縮合組成物(A)と縮合組成物(B)を混
合する際の温度は、低くなると、コロイダルシリカとシ
リカゾルの重縮合が困難となり、得られる積層体の反射
防止性が低下し、高くなると、得られる縮合組成物
(C)の安定性が低下するので、−10〜30℃で行う
のが好ましく、−8〜25℃が特に好ましい。
【0032】縮合組成物(A)と縮合組成物(B)を混
合する時間は、短かくなると、コロイダルシリカとシリ
カゾルの重縮合が困難となり、得られる積層体の反射防
止性が低下し、又、長くなると、縮合組成物(C)の安
定性が低下するので、0.5〜4時間が好ましく、特に
1〜2時間が好ましい。従って、縮合組成物(A)と縮
合組成物(B)の混合は、−10〜30℃で、0.5〜
4時間行うのが好ましく、−8〜25℃で、1〜2時間
行うのが特に好ましい。
【0033】縮合組成物(A)と縮合組成物(B)を混
合する方法は、特に限定されず、例えば、縮合組成物
(A)及び縮合組成物(B)を、均質なものを得るため
に、好ましくは、攪拌機に供給し攪拌混合する方法が挙
げられる。攪拌機としては、特に限定されるわけではな
く、マグネチックスターラーのような簡便な攪拌機で十
分である。
【0034】本発明1の無機質縮合組成物の製造方法
は、次いで、上記のようにして得られた縮合組成物
(C)と一般式(R2 n Si(OR3 4-n で表され
るアルキルアルコキシシランを、混合して無機質縮合組
成物を得る。
【0035】上記一般式(R2 n Si(OR3 4-n
で表されるアルキルアルコキシシランにおいて、R2
よびR3 は、炭素数が多くなると、無機質縮合組成物の
長期安定性が悪くなるので、炭素数1〜5のアルキル基
に限定され、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブ
チル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso
−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。な
お、nは1〜3の整数を示す。
【0036】(R2 n Si(OR3 4-n で表される
アルキルアルコキシシランは、特に限定されず、例え
ば、モノメチルトリメトキシシラン、モノメチルトリエ
トキシシラン、モノメチルトリ−n−プロポキシシラ
ン、モノメチルトリ−iso−プロポキシシラン、モノ
メチルトリ−n−ブトキシシラン、モノメチルトリ−s
ec−ブトキシシラン、モノメチルトリ−tert−ブ
トキシシラン、モノメチルトリ−n−ペントキシシラ
ン、モノメチルトリ−iso−ペントキシシラン、モノ
メチルトリネオペントキシシラン、エチルトリエトキシ
シラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチ
ルジ−iso−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブ
トキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、
ジメチルジ−tert−ブトキシシラン、ジメチルジ−
n−ペントキシシラン、ジメチルジ−iso−ペントキ
シシラン、ジメチルジネオペントキシシラン、ジエチル
ジエトキシシラン、トリメチルモノメトキシシラン、ト
リメチルモノエトキシシラン、トリメチルモノ−n−プ
ロポキシシラン、トリメチルモノ−iso−プロポキシ
シラン、トリメチルモノ−n−ブトキシシラン、トリメ
チルモノ−sec−ブトキシシラン、トリメチルモノ−
tert−ブトキシシラン、トリメチルモノ−n−ペン
トキシシラン、トリメチルモノ−iso−ペントキシシ
ラン、トリメチルモノネオペントキシシラン、トリエチ
ルエトキシシランなどが挙げられ、反応性の点からモノ
メチルトリエトキシシランが好ましい。
【0037】縮合組成物(C)と混合する(R2 n
i(OR3 4-n で表されるアルキルアルコキシシラン
の量は、少なくなると、得られる積層体の撥水性が低く
なり(接触角が80度程度)、多くなると、反射防止性
および耐擦傷性が低下するので、縮合組成物(C)の製
造に用いられたテトラアルコキシシランの合計1モルに
対して、0.1〜2モルに限定され、被膜の均一性の点
から0.1〜0.5モルが好ましい。
【0038】無機質縮合組成物の混合方法は、特に限定
されず、例えば、縮合組成物(C)と(R2 n Si
(OR3 4-n で表されるアルキルアルコキシシラン
を、攪拌機に供給し混合し製造する方法が挙げられる。
攪拌機としては、特に限定されるわけではなく、マグネ
チックスターラーのような簡便な攪拌機で十分である。
【0039】無機質縮合組成物を混合する際の温度は、
低くなると、重縮合反応の反応速度が低下し、高くなる
と、無機質縮合組成物の安定性が低下するので、10〜
30℃で行うのが好ましく、20〜25℃が特に好まし
い。
【0040】無機質縮合組成物を混合する際の時間は、
短くなると、重縮合反応が不十分となり、長くなると、
無機質縮合組成物の安定性が低下するので、1〜4時間
が好ましく、2〜3時間が特に好ましい。従って、無機
質縮合組成物の混合は、10〜30℃で、1〜4時間行
うのが好ましく、20〜25℃で、2〜3時間行うのが
特に好ましい。
【0041】本発明2(請求項2記載の発明を本発明2
という。)は、請求項1記載の製造方法で得られる固形
分濃度1.0〜4.0重量%の安定性無機質縮合組成物
である。
【0042】本発明2の安定性無機質縮合組成物は、そ
の固形分濃度が低くなると、塗布効率が低くなり生産性
が悪くなり、その固形分濃度が高くなると、シラノール
基同士が溶媒中で接近し、重縮合反応が早くなり、この
傾向は環境温度が高くなると顕著となり、例えば、温度
管理のできない環境下で塗布剤として使用すると経時的
に安定性無機質縮合組成物が変化し、長期保存ができな
いという問題が起こる可能性があるので、その固形分濃
度は1.0〜4.0重量%に限定され、1.4〜2.5
重量%が好ましい。なお、本発明2でいう固形分濃度と
は、安定性無機質縮合組成物中のSi原子が全てSiO
2 になると考えた場合の安定性無機質縮合組成物中の該
SiO2 の重量百分率である。
【0043】本発明2の安定性無機質縮合組成物を製造
するには、本発明1の無機質縮合組成物を、その固形分
濃度が1.0〜4.0重量%になるように、有機溶媒を
添加して希釈する。
【0044】上記有機溶媒としては、上記無機質縮合組
成物と相溶するものであれば特に限定されず、例えば、
縮合組成物(A)の製造に用いられるものと同様のもの
が用いられるが、特にイソプロピルアルコールが好まし
い。
【0045】本発明3(請求項3記載の発明を本発明3
という。)は、請求項1記載の無機質縮合組成物又は請
求項2記載の安定性無機質縮合組成物を基材上に塗布
し、硬化させることを特徴とする積層体の製造方法であ
る。
【0046】上記の基材としては、上記の無機質縮合組
成物又は安定性無機質縮合組成物の塗布が可能な基材で
あれば特に限定されず、例えば、ケイ酸ガラス、ケイ酸
アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、
鉛石灰ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガラス等の
ケイ酸塩ガラス等からなる無機基材、ポリカーボネー
ト、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポ
リエステル、ポリウレタン、三酢酸セルロース等からな
る有機基材が挙げられる。
【0047】無機基材においては、ケイ酸ガラス、ケイ
酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラスが好ましい。有機
基材においては、ポリカーボネート、アクリル樹脂が好
ましい。また、基材の形状は、特に限定されるものでは
ない。
【0048】上記の無機質縮合組成物又は安定性無機質
縮合組成物の塗布方法は、特に限定されず、例えば、刷
毛、スプレーコート、ディップコート、スピンコート、
ロールコート、流し塗り等による塗布方法等が挙げられ
る。なお、塗布は、大気中の湿度が高いと、得られる被
膜が白濁するので、大気中の相対湿度50%以下で行う
のが好ましく、30%以下で行うのが特に好ましい。
【0049】上記の無機質縮合組成物又は安定性無機質
縮合組成物を基材上に塗布する際、膜厚は、特に限定さ
れないが、反射防止効果を得たい波長と、以下の関係と
なる被膜が得られる様に無機質縮合組成物又は安定性無
機質縮合組成物を塗布することは、反射防止効果の向上
を図ることができ、好適である。
【0050】d=(1/4+m/2)×λ/n d:被膜の膜厚 λ:反射防止効果を得たい波長 n:被膜の屈折率 m:0又は自然数
【0051】また、上記の無機質縮合組成物又は安定性
無機質縮合組成物を塗布する際、基材が有機基材の場
合、基材にコロナ放電処理等の前処理を施すと、塗液の
濡れ性が向上し、美観に優れた積層体が得られ易くな
る。
【0052】上記硬化方法としては、特に限定されず、
室温にて自然乾燥してもよいし、加熱乾燥してもよい。
例えば、該無機質縮合組成物又は安定性無機質縮合組成
物を上記の方法でケイ酸ガラスの表面に被覆し、室温で
自然乾燥を行った後、60〜300℃の温度で硬化させ
ると、該無機質縮合組成物又は安定性無機質縮合組成物
中のシリコンマトリックスとコロイダルシリカの収縮率
の差により多孔質の反射防止被膜が形成された積層体が
得られる。また、例えば、プラスチック製品の表面に被
覆し、室温で自然乾燥を行った後、60〜150℃の温
度で硬化させると、反射防止被膜が形成された積層体が
得られる。
【0053】本発明4(請求項4記載の発明を本発明4
という。)は、有機溶媒の沸点が60℃以上である請求
項1記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性
無機質縮合組成物を無機基材上に塗布し、10〜60℃
で放置した後、超臨界状態の二酸化炭素で超臨界乾燥
し、次いで80〜600℃に加熱して硬化させることを
特徴とする積層体の製造方法である。
【0054】換言すると、本発明4は、本発明3の積層
体の製造方法における、請求項1記載の無機質縮合組成
物又は請求項2記載の安定性無機質縮合組成物を有機溶
媒の沸点が60℃以上であるものに限定し、また、基材
を無機基材に限定し、更に、硬化方法を、塗布された基
材を10〜60℃で放置した後、超臨界状態の二酸化炭
素で超臨界乾燥し、次いで80〜600℃に加熱して硬
化させることを特徴とする積層体の製造方法である。
【0055】本発明4で使用される有機溶媒の沸点が6
0℃以上である無機質縮合組成物又は安定性無機質縮合
組成物は、本発明1または2で使用される有機溶媒の全
てが、1気圧下での沸点が60℃以上である有機溶媒だ
けが使用されて製造されたものである。
【0056】上記の有機溶媒の沸点が低くなると、無機
質縮合組成物又は安定性無機質縮合組成物を基材上に塗
布した直後から被膜からの有機溶媒の気化が進行し、二
酸化炭素による超臨界乾燥工程を経る前に被膜が緻密化
していく傾向にあり、得られる被膜の多孔質化が図りに
くい。従って、有機溶媒の1気圧下での沸点が60℃以
上のものに限定され、1気圧下での沸点が90〜200
℃が好ましい。
【0057】上記の1気圧下での沸点が60℃以上の有
機溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、エ
トキシエチルアルコール、アリルアルコール等が挙げら
れるが、得られる被膜の多孔性の向上の点から、イソプ
ロピルアルコール、エトキシエチルアルコールが好まし
い。
【0058】上記の無機基材としては、上記の無機質縮
合組成物又は安定性無機質縮合組成物が塗装可能な無機
基材であれば、特に限定されず、例えば、本発明3の説
明で例示したものが挙げられる。また、基材の形状は特
に限定されない。
【0059】本発明4の製造方法は、上記の無機質縮合
組成物又は安定性無機質縮合組成物を無機基材上に塗布
し、塗布された基材を放置した後、更に、超臨界状態の
二酸化炭素で超臨界乾燥する。
【0060】上記の、塗布された基材を放置する際の温
度は、低くなると、コロイダルシリカとシリカゾルの重
縮合が不十分となり、得られる反射防止被膜の強度が低
くなり、温度が高くなると、有機溶媒の気化が進みす
ぎ、被膜の緻密化が生じ、超臨界状態の二酸化炭素によ
る処理の効果が低くなるので、10〜60℃に限定さ
れ、20〜30℃が好ましい。
【0061】また、塗布された基材を放置する際の時間
は、短くなると、コロイダルシリカとシリカゾルの重縮
合反応が進行せず、得られる被膜の強度が低くなり、時
間が長くなると被膜中の有機溶媒の気化が進行し過ぎ、
被膜の反射防止効果が低くなるので、10分〜2時間が
好ましく、0.5〜1時間が特に好ましい。
【0062】本発明4で使用される超臨界状態の二酸化
炭素とは、臨界温度以上及び臨界圧力以上にある二酸化
炭素をいう。なお、二酸化炭素の臨界温度は、31.0
5℃、臨界圧力は7.38MPaである。
【0063】超臨界状態の二酸化炭素で超臨界乾燥する
際の条件は、二酸化炭素の超臨界状態を実現できる条件
であれば、効果は変わらないので特に限定されない。
【0064】上記の超臨界状態の二酸化炭素で超臨界乾
燥するとは、超臨界状態の二酸化炭素に、塗布された基
材上に形成された被膜中の水、有機溶媒を拡散させた
後、二酸化炭素の圧力を減圧し、乾燥させることであ
る。
【0065】本発明4の製造方法は、上記のようにして
超臨界乾燥された塗布物を、次いで、加熱し、基材上に
反射防止性の被膜が形成された積層体を得る。上記の加
熱方法は、特に限定されず、例えば、オーブンで加熱す
る方法が挙げられる。
【0066】上記の硬化工程の加熱温度は、低くなる
と、得られる被膜の強度が低くなり、加熱温度が高くな
ると、被膜の緻密化が生じ、得られる被膜の反射防止効
果が低くなるので、80〜600℃に限定され、100
〜300℃が特に好ましい。
【0067】本発明5(請求項5記載の発明を本発明5
という。)は、有機溶媒の沸点が60℃以上である請求
項1記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性
無機質縮合組成物を有機基材上に塗布し、10〜60℃
で放置した後、超臨界状態の二酸化炭素で超臨界乾燥
し、次いで80〜120℃に加熱して硬化させることを
特徴とする積層体の製造方法である。
【0068】換言すると、本発明5は、本発明4の積層
体の製造方法における、無機基材の代わりに有機基材を
用い、更に、本発明4の積層体の製造方法における硬化
工程の加熱温度を、80〜600℃とすることの代わり
に、80〜120℃とすることの他は、本発明4の積層
体の製造方法と同様である。
【0069】上記の有機基材としては、上記の無機質縮
合組成物又は安定性無機質縮合組成物が塗装可能な有機
基材であれば、特に限定されず、例えば、本発明3の説
明で例示したものが挙げられる。また、基材の形状は特
に限定されない。
【0070】上記の硬化工程の加熱温度は、低くなる
と、得られる被膜の強度が低くなり、加熱温度が高くな
ると、有機基材が変形し易くなるので、80〜120℃
に限定され、90〜100℃が好ましい。
【0071】本発明6(請求項6記載の発明を本発明6
という。)は、本発明3において硬化方法が、請求項1
記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機
質縮合組成物が基材に塗布された面に、1×10-4〜1
00Torrの圧力下で不活性ガスが励起されたグロー
放電プラズマを接触させることを特徴とする積層体の製
造方法である。
【0072】本発明6において、請求項1記載の無機質
縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機質縮合組成物
を基材上に塗布する工程までは、本発明3と同様であ
る。また、使用される基材の種類、上記の無機質縮合組
成物又は安定性無機質縮合組成物の塗布方法、基材上に
塗布する際の膜厚も本発明3と同様である。上記上記の
無機質縮合組成物又は安定性無機質縮合組成物の硬化に
おいて、例えば、加熱のような通常の硬化方法では、多
孔質の被膜中に未反応のアルコキシ基や有機溶媒が残存
し、相対的に硬化温度が低いほど残存量が多くなる傾向
にあり、プラスチック等の高温で硬化できない基材で
は、反射防止効果の耐久性が十分でない。そこで、本発
明5では、以下詳細に述べる放電プラズマを接触させる
ことにより、残存アルコキシ基や有機溶媒を除去し、硬
化をさらに進める。
【0073】本発明6の積層体の製造方法に使用され
る、不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、ネオ
ン、キセノン等の希ガスや窒素ガスが単独又は混合して
使用される。
【0074】本発明6の積層体の製造方法において、不
活性ガスと共に、必要に応じて、酸素原子含有ガスが使
用されてもよい。上記の酸素原子含有ガスとしては、例
えば、酸素、オゾン、水蒸気、一酸化窒素、二酸化窒
素、一酸化炭素、二酸化炭素等が挙げられ、これらは単
独又は混合して使用される。不活性ガスと酸素原子含有
ガスとの混合ガスを使用することにより、残存アルコキ
シ基や有機溶媒がより効果的に除去される。また、酸素
原子含有ガスに対して、50%以下の体積比で4フッ化
炭素(CF 4 )、6フッ化炭素(C2 6 )、フッ化プ
ロピレン(C3 6 )等のフッ化炭素ガスを混合して使
用すると、フッ素によって酸化性が向上するので好まし
い。
【0075】不活性ガス、および必要に応じて添加され
る酸素原子含有ガスは、プラズマに励起される。励起手
段としては、例えば、直流電流を印加してプラズマ分
解する方法、高周波を印加してプラズマ分解する方
法、マイクロ波放電によってプラズマ分解する方法、
電子サイクロトロン共鳴によってプラズマ分解する方
法、熱フィラメントによる加熱によって熱分解する方
法等が挙げられる。
【0076】プラズマ処理時の処理圧力は、低くなる
と、高価な真空チャンバーや真空排気装置が必要とな
り、更には、大面積の基材を処理する場合、処理容器を
大きくしたり、真空排気装置を大出力のものにする必要
があり、又、高くなると、本発明7で開示するような特
別の方法を使用しない限り、熱プラズマとなり、ついに
はアーク放電に移行してしまうので、耐熱性の低い基材
には不適当であるので、1×10-4〜100Torrに
限定される。この圧力は、励起手段によって変わるが、
装置が簡便で、比較的処理圧力が高い状態でもグロー放
電プラズマの発生可能な直流電流印加又は高周波印加可
能な1×10-2〜100Torrが好ましい。なお、酸
素原子含有ガスが使用される場合は、不活性ガスと酸素
原子含有ガスとの混合ガスの圧力が1×10-4〜100
Torrの範囲の圧力とされる。
【0077】グロー放電プラズマ処理に要する投入電力
は、電極面積や形状等によって変わるが、低すぎると、
プラズマ密度が小さくなって処理時間がかかり、高すぎ
ると、基材のダメージが大きくなるので、一般的には、
10〜200Wが好ましい。
【0078】次に、図に基づいて、プラズマ処理方法に
ついて説明する。図1は、本発明で使用されるプラズマ
処理装置の一例を示す一部を断面で示す説明図である。
本装置は、電源部1、処理容器2、対向する金属製の上
部電極4と金属製の下部電極5の間のプラズマ処理部3
から構成されている。電源部1は10〜30kHzの周
波数が印加可能とされている。プラズマは、電極に高電
圧を印加することにより発生するが、印加電圧は、5〜
40kV/cm程度になるよう電圧印加するのが好まし
い。
【0079】処理容器2は、油回転真空ポンプからなる
排気装置(図示せず)によって排気口10から排気可能
とされている。処理容器2は、ガラス製であるが、電極
との絶縁がとれていれば金属製でも構わない。グロー放
電プラズマによるプラズマ処理部3は、平行平板型の対
向する金属製の上部電極4と金属製の下部電極5の間の
空間である。電極配置構造としては、平行平板型以外に
も、同軸円筒型、円筒対向平板型、球対向平板型、双曲
面対平板型でも複数の細線からなる場合でも構わない。
電極配置構造が、平行平板型、同軸円筒型、局面対向平
行型の場合、直流電流や高周波は容量結合形式で印加さ
れる。又、高周波印加の場合、外部電極を用いて誘導形
式で印加可能である。
【0080】図1の装置において、不活性ガスは、ガス
導入管7を経て多孔構造の上部電極4から供給されても
よいし、又は処理容器2の側面に設けられたガス導入管
8から、プラズマ処理部3に供給される。
【0081】また、必要に応じて酸素原子含有ガスが使
用される場合は、酸素原子含有ガスは、ガス導入管7を
経て多孔構造の上部電極4から、不活性ガスは、ガス導
入管8から、それぞれ、プラズマ処理部3に供給され
る。なお、図1においては、上部電極4は、その内部が
ガスの通路とされた、多孔性の電極とされている。この
ように上部電極4がガス導入口と電極を兼ね、且つ多孔
構造からなると、酸素原子含有ガスをプラズマ処理部3
に均一に供給して、均一な処理を行うために好ましい
が、例えば、ガスを攪拌状態で供給したり、ガスを高速
で吹きつけることにより、酸素原子含有ガスをプラズマ
処理部3に均一に供給可能であれば、多孔構造とせずと
もよい。
【0082】また、酸素原子含有ガスが使用される場合
は、不活性ガスは酸素原子含有ガスと混合して上部電極
4から導入しても構わないが、均一に処理するには、上
述のように、酸素原子含有ガスをガス導入管7を経てガ
ス導入と電極を兼ねる多孔構造の上部電極4から、不活
性ガスをガス導入管8から、導入するのが好ましい。な
お、ガス導入管8の処理容器2内の先端部は、図1に示
したように、多数の穴の開いたリング状とし、その穴か
らガスが処理容器2内に供給される方が、不活性ガスと
酸素原子含有ガスが均一に混合され易いので好ましい。
【0083】また、不活性ガス及び酸素原子含有ガス
は、図示しないが、それぞれマスフローコントローラー
で流量制御されて供給されるのが好ましい。
【0084】対向する上部電極4と下部電極5間の距離
は、処理圧力、処理する基材の厚み等により適宜決定さ
れるが、長すぎるとプラズマ密度が低下し高電力が必要
となるため、基材が電極間に装着可能な範囲でなるべく
短くするのがよい。
【0085】無機質組成物が塗布された基材6は、電極
上または両電極の間の空間に取り付けられる。図1にお
いては、下部電極5上に取り付けられている。
【0086】また、過剰の不活性ガスや酸素原子含有ガ
スは、処理容器2のガス出口9から排出される。また、
処理容器2内に不活性ガスや酸素原子含有ガスを導入す
る際に、処理容器2内に残存する空気を排気口10から
排気するようにするのが好ましい。
【0087】本装置によって実際にプラズマ処理するに
は、前記の無機質縮合組成物又は安定性無機質縮合組成
物が塗布された基材6を下部電極5上に塗布された膜面
を上側にして取り付けた後、処理容器2内を1×10-3
Torr以下に排気口10より真空排気する。次いで、
不活性ガスをマスフローコントローラーで流量を調節し
ながら、ガス導入管8からプラズマ処理部3へ導入し
て、ガス圧が1×10-4〜100Torrとなるように
調節する。次いで、処理容器2内のガス圧が安定した時
点で、上部電極4に高電圧を印加し発生した不活性ガス
のグロー放電プラズマを上記の無機質縮合組成物又は安
定性無機質縮合組成物が塗布された基材6の膜面に接触
させることによりプラズマ処理する。
【0088】また、不活性ガスと共に酸素原子含有ガス
を使用する場合は、無機質縮合組成物又は安定性無機質
縮合組成物が塗布された基材6を下部電極5上に塗布さ
れた膜面を上側にして取り付けた後、処理容器2内を1
×10-3Torr以下に排気口10より真空排気する。
次いで、酸素原子含有ガスをマスフローコントローラー
で流量を調節しながら、ガス導入管7を通し多孔性の上
部電極4からプラズマ処理部3へ導入し、同時に不活性
ガスをマスフローコントローラーで流量を調節しなが
ら、ガス導入管8からプラズマ処理部3へ導入して、ガ
ス圧が1×10-4〜100Torrとなるように調節す
る。次いで、処理容器2内のガス圧が安定した時点で、
上部電極4に高電圧を印加し発生した不活性ガスと酸素
原子含有ガスとからなる混合ガスのグロー放電プラズマ
を無機質縮合組成物又は安定性無機質縮合組成物が塗布
された基材6の膜面に接触させることによりプラズマ処
理する。
【0089】本発明6におけるプラズマによる硬化処理
は、特に基材を加熱したり、冷却したりする必要はな
く、室温下で十分である。また、プラズマ処理時間は、
無機質縮合組成物又は安定性無機質縮合組成物が塗布さ
れた被膜の厚みや投入電力によって異なるが、被膜の厚
みが厚くなると処理時間を長くする必要があり、投入電
力が高ければ、プラズマ処理時間は短かくて済む傾向が
あるが、一般に、処理時間が短くなると、被膜の耐擦傷
性および耐久性が十分に得られなくなり、逆に、処理時
間が長すぎても被膜の耐擦傷性および耐久性の向上には
限界があるので、10秒〜10分が好ましい。
【0090】本発明7(請求項7記載の発明を本発明7
という。)は、本発明3において硬化方法が、請求項1
記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機
質縮合組成物が塗布された基材を、少なくとも一方の対
向面に固体誘電体が配設された対向する金属電極間に配
置し、不活性ガスの大気圧近傍の圧力下で、金属電極間
に高電圧を印加し、発生したガスの放電プラズマを該無
機質縮合組成物又は安定性無機質縮合組成物が塗布され
た面に接触させることを特徴とする積層体の製造方法で
ある。
【0091】本発明7において、請求項1記載の無機質
縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機質縮合組成物
を基材上に塗布する工程までは、本発明3と同様であ
る。また、使用される基材の種類、上記の無機質縮合組
成物又は安定性無機質縮合組成物の塗布方法、基材上に
塗布する際の膜厚も本発明3と同様である。請求項1記
載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機質
縮合組成物の硬化において、例えば、加熱のような通常
の硬化方法では、多孔質の被膜中に未反応のアルコキシ
基や有機溶媒が残存し、相対的に硬化温度が低いほど残
存量が多くなる傾向にあり、プラスチック等の高温で硬
化できない基材では、反射防止効果の耐久性が十分でな
い。そこで、本発明7では、以下詳細に述べる放電プラ
ズマを接触させることにより、残存アルコキシ基や有機
溶媒を除去し、硬化をさらに進める。
【0092】本発明7の積層体の製造方法に使用され
る、不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、ネオ
ン、キセノン等の希ガスや窒素ガスが単独又は混合して
使用されるが、準安定状態で寿命が長いため、放電プラ
ズマが発生し易いヘリウムがより好ましい。不活性ガス
としてヘリウム以外のガスを使用する場合は、アセトン
やメタノール等の蒸気ガス、メタン、エタン等の炭化水
素ガスを2体積%以下の割合で混合するのが好ましい。
【0093】本発明7の積層体の製造方法において、不
活性ガスと共に、必要に応じて、酸素原子含有ガスが使
用されてもよい。上記の酸素原子含有ガスとしては、例
えば、酸素、オゾン、水蒸気、一酸化窒素、二酸化窒
素、一酸化炭素、二酸化炭素等が挙げられ、これらは単
独又は混合して使用される。不活性ガスと酸素原子含有
ガスとの混合ガスを使用することにより、残存アルコキ
シ基や溶剤がより効果的に除去される。また、酸素原子
含有ガスに対して、50%以下の体積比で4フッ化炭素
(CF 4 )、6フッ化炭素(C2 6 )、フッ化プロピ
レン(C3 6 )等のフッ化炭素ガスを混合して使用す
ると、フッ素によって酸化性が向上するので好ましい。
【0094】上記不活性ガスと酸素原子含有ガスとの混
合ガスにおいて、酸素原子含有ガスの割合は、ガスの種
類によって異なるが、酸素原子含有ガスの割合が多くな
ると、高電圧の印加によってアーク放電を起こし易いの
で、10体積%以下が好ましく、更に、好ましくは、
0.1〜5体積%である。
【0095】本発明7で使用される不活性ガスの圧力
は、大気圧近傍とされる。具体的には、100〜800
Torrとされ、圧力調整が容易で装置が簡便で済むた
め、700〜780Torrの範囲が好ましい。なお、
酸素原子含有ガスが使用される場合は、不活性ガスと酸
素原子含有ガスとの混合ガスの圧力が大気圧近傍とされ
る。
【0096】プラズマ処理する際に、基材を加熱した
り、冷却したりする必要はなく、室温で十分である。ま
た、処理時間は、ガス組成や投入電力によって異なる
が、5秒程度で屈折率の経時変化が少ない積層体が得ら
れる。なお、酸素原子含有ガスとフッ化炭素ガスとの混
合ガスを用いる場合、処理時間を1分以上とすると、多
孔質の無機質膜がエッチングされ易いので、それ以下と
するのが好ましい。
【0097】以下に本発明7の積層体の製造方法のプラ
ズマ処理工程について説明する。図2は、本発明7に使
用されるプラズマ処理装置の一例を示す一部を断面で示
す説明図である。この装置は、電源部1、処理容器2、
上部電極4、下部電極5から構成されている。電源部1
は、kHz台の周波数が印加可能とされるが、耐熱性の
低い基材の処理には、基材への影響が少ない10〜35
kHzの周波数が好ましい。放電プラズマ形成は、高電
圧印加によって行うが、印加電圧が低くなると、プラズ
マ密度やセルフバイアスが小さくなるため、処理時間が
かかり、高くなると、アーク放電に移行する挙動を示す
ので、電界強度5〜50kV/cm程度になるように電
圧印加するのが好ましい。
【0098】処理容器2は、ガラス製であるが、アクリ
ル樹脂やポリカーボネート等のプラスチック製でも構わ
ず、電極との絶縁がとれているならば、ステンレスやア
ルミニウム等の金属でも構わない。
【0099】処理容器2内に一対の対向する平行平板型
の上部電極4と下部電極5が配設されている。電極配置
構造としては、平行平板型以外にも、同軸円筒型、円筒
対向平板型、球対向平板型、双局面対平板型でも、ま
た、複数の細線からなる場合でも構わない。電極の材質
は、金属であれば、特に限定されず、例えば、ステンレ
ス、真鍮等の多成分系の金属でも、銅、アルミニウム等
の純金属でも良い。
【0100】本発明7においては、上部電極4と下部電
極5の少なくとも一方の対向面に固体誘電体11が配設
される。図2の装置においては、下部電極5の上に固体
誘電体11が配設されている。固体誘電体11は、相対
する電極の対向面の全面に配設される必要がある。一部
でも、対向面が露出しているとプラズマ処理時にアーク
放電が生じる。
【0101】固体誘電体11としては、例えば、ポリフ
ルオロエチレン(PTFE)やポリエチレンテレフタレ
ート(PET)等のプラスチック;シリカ、パイレック
スガラス、アルミナ、酸化チタン等のガラスやセラミッ
クスなどが用いられ、シート状でも、フィルム状でも構
わない。しかし、厚みが薄くなると、高電圧印加時に絶
縁破壊が起こってアーク放電が生じやすくなり、厚くな
ると、放電しにくくなるので、0.05〜4mmの厚み
が好ましい。
【0102】図2の装置において、不活性ガスは、ガス
導入管7を経て多孔構造の上部電極4から供給されても
よいし、又は処理容器2の側面に設けられたガス導入管
8から、プラズマ処理部3に供給される。
【0103】また、必要に応じて酸素原子含有ガスが使
用される場合は、酸素原子含有ガスは、ガス導入管7を
経て多孔構造の上部電極4から、不活性ガスは、ガス導
入管8から、それぞれ、プラズマ処理部3に供給され
る。なお、図2においては、上部電極4は、その内部が
ガスの通路とされた、多孔性の電極とされている。この
ように上部電極4がガス導入口と電極を兼ね、且つ多孔
構造からなると、酸素原子含有ガスをプラズマ処理部3
に均一に供給して、均一な処理を行うために好ましい
が、例えば、ガスを攪拌状態で供給したり、ガスを高速
で吹きつけることにより、酸素原子含有ガスをプラズマ
処理部3に均一に供給可能であれば、多孔構造とせずと
もよい。
【0104】また、酸素原子含有ガスが使用される場合
は、不活性ガスは酸素原子含有ガスと混合して上部電極
4から導入しても構わないが、均一に処理するには、上
述のように、酸素原子含有ガスをガス導入管7を経てガ
ス導入と電極を兼ねる多孔構造の上部電極4から、不活
性ガスをガス導入管8から、導入するのが好ましい。な
お、ガス導入管8の処理容器2内の先端部は、図2に示
したように、多数の穴の開いたリング状とし、その穴か
らガスが処理容器2内に供給される方が、不活性ガスと
酸素原子含有ガスが均一に混合され易いので好ましい。
【0105】また、不活性ガス及び酸素原子含有ガス
は、図示しないが、それぞれマスフローコントローラー
で流量制御されて供給されるのが好ましい。
【0106】図2のプラズマ処理装置を用いて、無機質
組成物が塗布された基材6を、プラズマ処理するには、
上記の基材6を固体誘電体11の上に配置し、不活性ガ
ス又は必要に応じて不活性ガスと酸素原子含有ガスとの
混合ガスを供給し大気圧近傍の圧力とし、金属電極間に
電圧を印加し、放電プラズマを発生させて、該プラズマ
を上記の基材6に接触させる。このようにして、残存ア
ルコキシ基や有機溶媒を除去し硬化を進行させる。
【0107】なお、この例では、基材6は、配置された
片面(図2中では上面)のみが、処理されているが、基
材の両面の処理が必要であれば、基材6を上部電極4と
下部電極5の間に浮かせる必要がある。
【0108】また、上部電極4と下部電極5の間の距離
は、供給されるガス流量、印加電圧の大きさ、固体誘電
体の材質及び厚み、並びに基材の厚み等によって、適宜
決定されるが、距離が小さくなると未使用のガスが多く
なり非能率的であり、大きくなると、電極空間のガスの
均一性が損なわれ易くなるので、1〜20mmが好まし
い。
【0109】また、過剰の不活性ガスや酸素原子含有ガ
スは、処理容器2のガス出口9から排出される。また、
処理容器2内に不活性ガスや酸素原子含有ガスを導入す
る際に、処理容器2内に残存する空気を排気口10から
排気するようにするのが好ましい。
【0110】本発明8(請求項8記載の発明を本発明8
という。)は、本発明3において硬化方法が、請求項1
記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機
質縮合組成物が基材に塗布された面に、コロナ放電プラ
ズマを接触させることを特徴とする積層体の製造方法で
ある。
【0111】本発明8において、請求項1記載の無機質
縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機質縮合組成物
を基材上に塗布する工程までは、本発明3と同様であ
る。また、使用される基材の種類、無機質縮合組成物又
は安定性無機質縮合組成物の塗布方法、無機質縮合組成
物又は安定性無機質縮合組成物を基材上に塗布する際の
膜厚も本発明3と同様である。上記の無機質縮合組成物
又は安定性無機質縮合組成物の硬化において、例えば、
加熱のような通常の硬化方法では、多孔質の被膜中に未
反応のアルコキシ基や有機溶媒が残存し、相対的に硬化
温度が低いほど残存量が多くなる傾向にあり、プラスチ
ック等の高温で硬化できない基材では、反射防止効果の
耐久性が十分でない。そこで、本発明8では、以下詳細
に述べるコロナ放電プラズマを接触させることにより、
残存アルコキシ基や有機溶媒を除去し、硬化をさらに進
める。
【0112】本発明8の積層体の製造方法に使用され
る、励起させるガスとしては、空気、アルゴンおよびこ
れらの混合ガスが用いられるが、取扱い易さの点で空気
が好ましい。励起ガスとしてアルゴンを使用する場合
は、アセトンやメタノール等の蒸気ガス、メタン、エタ
ン等の炭化水素ガスを2体積%以下の割合で混合する必
要がある。
【0113】コロナ放電処理装置は一般的に、高周波発
振器、電極、処理台からなる。高周波発振器はkHz台
の周波数が印加可能とされる。電極に印加する高電圧の
周波数は特に限定されないが、5〜120kHzの周波
数が好ましい。放電プラズマ形成は高電圧印加によって
行うが印加電圧が低くなるとプラズマ密度が小さくなる
ため処理に時間がかかり、高くなるとアーク放電に移行
する挙動を示すので、20〜60kVが好ましい。
【0114】上記電極は高周波電源の出力を放電現象に
変えるところである。電極に使用される材質は、特に限
定されるものではないが、例えばステンレス、アルミニ
ウム、クオーツ等が処理基材に応じて選ばれる。
【0115】上記処理台は電極による放電現象を均一且
つ安定的に行うため、電極に対して一定の距離の位置に
おかれ、電極の種類により誘電体が被覆されたものと金
属のものがある。上記誘電体の材質としては、セラミッ
クス、シリコンゴム等が挙げられ、上記金属としては、
鉄、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。
【0116】上記処理台と電極との距離は印加電圧の大
きさ及び基材の厚み等により適宜決定されるが、距離が
短くなると処理操作が不便となり、長くなるとアーク放
電に移行し易いので1〜20mmが好ましい。
【0117】本発明9(請求項9記載の発明を本発明9
という。)は、本発明3において硬化方法が、請求項1
記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機
質縮合組成物が塗布された基材を、相対湿度70%以上
の環境下に置くことを特徴とする積層体の製造方法であ
る。
【0118】本発明9において、請求項1記載の無機質
縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機質縮合組成物
を基材上に塗布する工程までは、本発明3と同様であ
る。また、使用される基材の種類、無機質縮合組成物又
は安定性無機質縮合組成物の塗布方法、無機質縮合組成
物又は安定性無機質縮合組成物を基材上に塗布する際の
膜厚も本発明3と同様である。上記の無機質縮合組成物
又は安定性無機質縮合組成物の硬化において、例えば、
加熱のような通常の硬化方法では、多孔質の被膜中に未
反応のアルコキシ基やシラノール基が残存し、相対的に
硬化温度が低いほど残存量が多くなる傾向にあり、プラ
スチック等の高温で硬化できない基材では、反射防止効
果の耐久性が十分でない。そこで、本発明9では、以下
詳細に述べる相対湿度70%以上の環境下に置くことに
より、未反応のアルコキシ基の加水分解、及び未反応の
シラノール基の重縮合を行って、硬化をさらに進める。
【0119】本発明9において、上記の相対湿度70%
以上の環境下としては、好ましくは、相対湿度80%以
上、更に好ましくは、相対湿度95%以上の環境下がよ
い。この相対湿度が70%未満では、残存アルコキシ基
や残存シラノール基の引き続く反応が不十分となり、硬
化を進めることができない。
【0120】上記の相対湿度70%以上の環境下に置く
際の温度は、特には限定されないが、温度が低くなる
と、処理に時間がかかり、温度が高くなると有機質基材
では基材の変形が起こり易くなるので、40〜100℃
が好ましく、50〜90℃が特に好ましい。
【0121】上記の相対湿度70%以上の環境下に置く
際の時間は、相対湿度にもよるが、時間が短くなると、
残存アルコキシ基や残存シラノール基の引き続く反応が
不十分となり、時間が長すぎても時間に応じた効果が得
られなくなるので、通常50〜1200時間が好まし
く、100〜1000時間がより好ましい。
【0122】本発明10(請求項10記載の発明を本発
明10という。)は、本発明3において硬化方法が、請
求項1記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定
性無機質縮合組成物が塗布された基材を、相対湿度70
%以上の環境下に置き、次いで該基材を温度60℃以
上、相対湿度70%未満の環境下に置くことを特徴とす
る積層体の製造方法である。
【0123】本発明10において、請求項1記載の無機
質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機質縮合組成
物が塗布された基材を、相対湿度70%以上の環境下に
置く工程までは、本発明9と同様である。本発明9の積
層体の製造方法によって、経時変化がなく耐久性に優れ
た多孔質の被膜が形成された積層体が得られる。しか
し、この工程だけでは、多孔質の被膜の微細孔内に水が
残存し易く、樹脂基材等においては基材と被膜との密着
性が必ずしも十分ではない場合がある。
【0124】このことを改善するために、本発明10の
積層体の製造方法は、上記の相対湿度70%以上の環境
下に置く工程に次いで、該基材を温度60℃以上、相対
湿度70%未満の環境下に置く工程を取る。本工程の温
度は、低くなると基材と被膜との密着性向上効果がなく
なるので、60℃以上で基材の溶融温度以下であり、好
ましくは80℃以上である。本工程の相対湿度は、高く
なると残存水を気化させることができなくなり基材と被
膜との密着性向上効果がなくなるので、70%未満であ
り、好ましくは50%未満であり、特に好ましくは30
%未満である。本工程による密着性向上効果が特に見ら
れる基材は、基材と被膜との密着性が比較的強固でない
基材であり、例えば、ポリカーボネート基材である。
【0125】
【作用】本発明1の無機質縮合組成物の製造方法は、縮
合組成物(A)では、テトラアルコキシシランの重縮合
がかなり進みコロイダルシリカが形成されており、縮合
組成物(B)では、アルコキシシランの重縮合が比較的
進まず、シリカゾルの段階で抑えられており、この両者
の混合物である縮合組成物(C)は、コロイダルシリカ
とシリカゾルの混合物となっている。この縮合組成物
(C)とアルキルアルコキシシランとの混合物である無
機質縮合組成物では、主にシリカゾルとアルキルアルコ
キシシランが重縮合し、アルキル基を有するシリカゾル
とコロイダルシリカの混合物となる。得られた無機質縮
合組成物を、基材上に塗布し、硬化させると、シリカゾ
ルとコロイダルシリカの収縮率の差異により多孔化され
た被膜を得ることができる。
【0126】本発明2の安定性無機質縮合組成物は、上
記の本発明1の効果を全て奏する。さらに、無機質縮合
組成物の濃度が1.0〜4.0重量%に限定されている
ので、保存安定性が優れている。
【0127】本発明3の積層体の製造方法は、請求項1
記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機
質縮合組成物を基材上に塗布し、硬化させることによ
り、シリカゾルとコロイダルシリカの重縮合反応を進行
させ、シリカゾルとコロイダルシリカの収縮率の差異に
より多孔化された被膜を得ることができる。更に表面に
アルキル基を有するので表面エネルギーの低い被膜を得
ることができる。
【0128】本発明4および本発明5の積層体の製造方
法は、請求項1記載の無機質縮合組成物又は請求項2記
載の安定性無機質縮合組成物を、基材上に塗布、放置す
ることにより、シリカゾルとコロイダルシリカの重縮合
反応を進行させ、シリカゾルとコロイダルシリカの収縮
率の差異により多孔化され、また、表面にアルキル基を
有するので表面エネルギーの低い被膜を得ることができ
る。次いで、塗布物を放置した後、更に、被膜中に有機
溶媒、水を残存させた状態で、超臨界状態の二酸化炭素
で超臨界乾燥することにより、被膜に細孔を残しつつ、
被膜中の有機溶媒、水を完全に除去することが可能とな
る。更に、乾燥された塗布物を加熱することにより、基
材と被膜との結合が強固となる。
【0129】本発明6の積層体の製造方法は、請求項1
記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機
質縮合組成物を、基材上に塗布後、1×10-4〜100
Torr圧力下で不活性ガスが励起されたグロー放電プ
ラズマと接触させることにより、残存アルコキシ基や有
機溶媒を除去し、硬化させることにより、シリカゾルと
コロイダルシリカの収縮率の差異により多孔化された被
膜を得ることができる。よって、過酷な環境下において
も経時変化が少ない被膜が形成される。
【0130】本発明7の積層体の製造方法は、請求項1
記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機
質縮合組成物を、基材上に塗布後、大気圧近傍の放電プ
ラズマと接触させることにより、残存アルコキシ基や有
機溶媒を除去し、硬化させることにより、シリカゾルと
コロイダルシリカの重縮合反応を進行させ、シリカゾル
とコロイダルシリカの収縮率の差異により多孔化された
被膜を得ることができる。よって、過酷な環境下におい
ても経時変化が少ない被膜が形成される。
【0131】本発明8の積層体の製造方法は、請求項1
記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機
質縮合組成物を、基材上に塗布後、コロナ放電プラズマ
と接触させることにより、残存アルコキシ基や溶媒を除
去し、更に硬化させることにより、シリカゾルとコロイ
ダルシリカの収縮率の差異により多孔化された被膜を得
ることができる。よって、過酷な環境下においても経時
変化が少ない被膜が形成される。
【0132】本発明9の積層体の製造方法は、請求項1
記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機
質縮合組成物を、基材上に塗布後、高湿度環境下に置く
ことにより、残存アルコキシ基やシラノール基が除去さ
れ、膜の硬化が促進され、シリカゾルとコロイダルシリ
カの収縮率の差異により多孔化された被膜を得ることが
できる。よって、過酷な環境下においても経時変化が少
ない被膜が形成される。
【0133】本発明10の積層体の製造方法は、請求項
1記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無
機質縮合組成物を、基材上に塗布後、高湿度環境下に置
くことにより、残存アルコキシ基やシラノール基が除去
され、膜の硬化が促進され、シリカゾルとコロイダルシ
リカの収縮率の差異により多孔化された被膜を得ること
ができる。次いで、高温低湿度環境下に置くことによ
り、基材と被膜の結合が促進される。
【0134】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。なお、結
果に示した積層体に関する各物性の評価方法は次の通り
であった。
【0135】(1) 反射率 分光光度計(島津製作所社製、鏡面反射測定装置「入射
角5°」)を用いて、反射防止被膜を積層した積層体の
光線透過率を300〜800nmの範囲で測定し、その
最小の反射率Rminを求め、次式により片面最小反射率
(R)を測定する。 R=Rmin/2
【0136】(2) 鉛筆硬度 得られた積層体の反射防止被膜を、JIS K 540
0に準じて測定して評価した。
【0137】(3) 耐擦傷性試験 得られた積層体の反射防止被膜の表面を、ネルの布で、
1000g/cm2 の荷重をかけて、往復100回摩擦
し、表面の傷の有無を肉視した。 (判定基準) ○:傷は確認できなかった。 ×:傷が確認できたか、もしくは膜が剥離していた。
【0138】(4) 経時変化試験1 得られた積層体を60℃、相対湿度95%に設定した恒
温恒湿器中に1週間放置し、前記反射率と鉛筆硬度の測
定及び耐擦傷性試験を行い、経時変化を観察した。 (5) 経時変化試験2 得られた積層体を−40℃の雰囲気下に30分保持した
後、取り出し、その直後に80℃の雰囲気下に30分保
持する。これを1サイクルとして、次いで、取り出し、
その直後に再び−40℃の雰囲気下に置いて2サイクル
目を開始する。このような熱衝撃試験を210サイクル
行った。上記、熱衝撃試験の終了後、前記反射率と鉛筆
硬度の測定及び耐擦傷性試験を行い、経時変化を観察し
た。
【0139】(6) 密着性 得られた積層体の反射防止被膜を、JIS K 540
0に準じ、碁盤目テープ剥離試験を行い以下の判定基準
で評価した。 (判定基準) ○:全く剥離なし。 △:一部剥離あり。 ×:完全に
剥離した。
【0140】(7) 撥水性 蒸留水に対する被膜の接触角を接触角計(協和界面科学
社製、CA−DT型)により液滴法で測定した。
【0141】(8) 保存安定性 上記物性について、再現性のある積層体が得られる無機
質組成物の保存時間。
【0142】(実施例1〜5、比較例1〜14)表1お
よび表2にモル比で示したそれぞれ所定量のテトラエト
キシシラン、アンモニアによりpHが調整された塩基性
水およびイソプロピルアルコールを、マグネチックスタ
ーラーに供給、800rpmで2時間、20℃で混合
し、縮合組成物(A)を得た。
【0143】表1および表2にモル比で示したそれぞれ
所定量のテトラエトキシシラン、塩酸によりpHが調整
された酸性水、イソプロピルアルコールを、マグネチッ
クスターラーに供給、800rpmで2時間、20℃で
混合し、縮合組成物(B)を得た。
【0144】得られた縮合組成物(A)および縮合組成
物(B)を、表1および表2に示す重量比(縮合組成物
(A)/縮合組成物(B))で、マグネチックスターラ
ーに供給、800rpmで2時間、20℃で混合し、縮
合組成物(C)を得た。
【0145】得られた縮合組成物(C)と、縮合組成物
(C)を製造する際に使用したテトラエトキシシランの
合計1モルあたり、表1および表2に示したそれぞれ所
定のモル数のメチルトリエトキシシラン、メチルトリメ
トキシシランを、マグネチックスターラーに供給、80
0rpmで1時間、20℃で混合し、無機質縮合組成物
を得た。
【0146】積層体の製造:調製した無機質縮合組成物
に、表1および表2に示したスライドガラス(NAKA
RAI社製、S−2111、76mm×26mm×1m
m)またはポリカーボネート板(帝人社製、商品名「テ
イジンパンライト」、100mm×40mm×1mm。
なお、製膜性をよくするために、ポリカーボネート板に
は、予めコロナ放電処理を、電極と基材間の距離を5m
m、供給電力4.5kW、処理時間1秒の条件で行っ
た。)を浸漬し、300〜400mm/分の速度で引き
上げた後、室温で10分間乾燥させ、積層体を得た。得
られた積層体を用いて、前記測定法に基づき、各物性を
評価し、結果を表3に示した。
【0147】なお、表1および表2、並びに後述の表
4、6、8、10、13、16、19、22、25、2
8、31、34および37において、テトラアルコキシ
シランおよびアルキルアルコキシシランの種類欄のA
は、テトラエトキシシランを、Bはメチルトリエトキシ
シランを、Cはメチルトリメトキシシランを示す。ま
た、IPAはイソプロピルアルコールを示し、基材欄の
Pはポリカーボネート板を、Gはスライドガラスを示
す。
【0148】なお、比較例2は、無機質縮合組成物の調
製時、アルキルアルコキシシランの混合比が大きすぎる
ため、製膜できなかった。比較例4は、縮合組成物
(A)の調製時の塩基性水の添加量が多すぎるため、比
較例5は、縮合組成物(B)の調製時の酸性水の添加量
が少なすぎるため、および比較例10は、縮合組成物
(C)の調製時、縮合組成物(A)と縮合組成物(B)
の混合比が大きすぎるため、基材に塗布できなかった。
比較例6は、縮合組成物(B)の調製時の酸性水の添加
量が多すぎるため、無機質縮合組成物に基材を浸漬した
後、室温乾燥後、膜が白濁したので、各物性値の測定は
しなかった。また、比較例8は、縮合組成物(A)の調
製時の塩基性水溶液のpHが高すぎるため、および比較
例12は、縮合組成物(A)の調製時の有機溶剤量が少
なすぎるため、縮合組成物(A)がゲル化し縮合組成物
(C)を製造できなかった。比較例13は、縮合組成物
(A)の調製時の有機溶媒の量が多すぎるため、加水分
解、縮重合反応速度が極端に遅くなり、反応が不十分な
ため基材に塗装できなかった。比較例14は、縮合組成
物(B)の調製時の有機溶媒の量が多すぎるため、加水
分解、縮重合反応速度が極端に遅くなり、反応が不十分
なため基材に塗装できなかった。
【0149】
【表1】
【0150】
【表2】
【0151】
【表3】
【0152】(実施例6〜13、比較例15)実施例1
と同様にして、表4に示した条件で無機質縮合組成物を
調製した。実施例6〜12においては、得られた無機質
縮合組成物の固形分濃度が1.0〜4.0重量%の範囲
に入らない場合は、イソプロピルアルコールを添加して
表4に示した固形分濃度に調整して、安定性無機質縮合
組成物を得た。また、実施例13については、無機質縮
合組成物の固形分濃度を5.0重量%に、比較例15に
ついては、無機質縮合組成物の固形分濃度を0.5重量
%に調製した。
【0153】得られた安定性無機質縮合組成物及び無機
質縮合組成物を実施例1と同様にして基材に塗布し、室
温で10分間乾燥させ、積層体を得た。得られた積層体
を用いて、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果
を表5に示した。
【0154】なお、比較例15は、無機質縮合組成物の
固形分濃度が低いためうまく製膜できなかった。
【0155】
【表4】
【0156】
【表5】
【0157】(実施例14〜18、比較例16〜19)
比較例19に使用する有機溶媒がジエチルエーテル(沸
点1気圧下、35℃)である他は、実施例1と同様にし
て、表6に示した条件で無機質縮合組成物を調製した。
なお、イソプロピルアルコールの沸点は1気圧下、8
2.4℃である。
【0158】得られた無機質縮合組成物を実施例1と同
様にして基材に塗布し、10分間、23℃で放置した
後、二酸化炭素超臨界抽出用オートクレーブに供給し、
40℃、9.0MPaの二酸化炭素で処理し、次いで、
得られた乾燥塗布物を、オーブンに供給し、表6に示し
た温度条件で30分間加熱し積層体を得た。
【0159】得られた積層体を用いて、前記測定法に基
ずき、各物性を評価し、結果を表7に示した。
【0160】
【表6】
【0161】
【表7】
【0162】(実施例19〜24)実施例6と同様にし
て、表8に示した条件で安定性無機質縮合組成物を調製
した。得られた安定性無機質縮合組成物を実施例6と同
様にして基材に塗布し、23℃で放置した後、二酸化炭
素超臨界抽出用オートクレーブに供給し、40℃、9.
0MPaの二酸化炭素で処理し、次いで、得られた乾燥
塗布物を、オーブンに供給し、表8に示した温度条件で
30分間加熱し積層体を得た。
【0163】得られた積層体を用いて、前記測定法に基
ずき、各物性を評価し、結果を表9に示した。
【0164】
【表8】
【0165】
【表9】
【0166】(実施例25〜29、比較例20〜23)
実施例1と同様にして、表10に示した条件で無機質縮
合組成物を調製した。得られた無機質縮合組成物を実施
例1と同様にして基材に塗布し10分間、室温で乾燥し
た。次いで、上記無機質縮合組成物が塗布された膜面
に、高周波スパッタリング装置(日本真空技術社製、型
式SH−100)を用いて、表11に示す条件でプラズ
マ処理を行い積層体を得た。得られた積層体を用いて、
前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を表12に
示した。
【0167】
【表10】
【0168】
【表11】
【0169】
【表12】
【0170】(実施例30〜35)実施例6と同様にし
て、表13に示した条件で安定性無機質縮合組成物を調
製した。得られた安定性無機質縮合組成物を実施例6と
同様にして基材に塗布し10分間、室温で乾燥した。次
いで、上記安定性無機質縮合組成物が塗布された膜面
に、高周波スパッタリング装置(日本真空技術社製、型
式SH−100)を用いて、表14に示す条件でプラズ
マ処理を行い積層体を得た。得られた積層体を用いて、
前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を表15に
示した。
【0171】
【表13】
【0172】
【表14】
【0173】
【表15】
【0174】(実施例36〜40、比較例24〜27)
実施例1と同様にして、表16に示した条件で無機質縮
合組成物を調製した。得られた無機質縮合組成物を実施
例1と同様にして基材に塗布し10分間、室温で乾燥し
た。次に、図2に示した装置(金属電極80mmφ)に
おいて、表17に示す電極間距離の電極空間中に、固体
誘電体11として、厚み1mmの120×120mmの
正方形のポリテトラフルオロエチレンを装着した下部電
極上に、上記の無機質縮合組成物被膜が形成された基材
を設置し、1Torrまで油回転ポンプで排気した。
【0175】次いで、表17に示す酸素原子含有ガスを
所定のガス流量で多孔構造の上部電極4から、不活性ガ
スをガス導入管8から容器内に導入し、大気圧とした。
その後、表17に示す周波数で電圧を電極に印加し10
秒放置した。高電圧の印加に伴って放電プラズマの発光
が観察された。得られた積層体を用いて、前記測定法に
基づき、各物性を評価し、結果を表18に示した。
【0176】
【表16】
【0177】
【表17】
【0178】
【表18】
【0179】(実施例41〜46)実施例6と同様にし
て、表19に示した条件で安定性無機質縮合組成物を調
製した。得られた安定性無機質縮合組成物を実施例6と
同様にして基材に塗布し10分間、室温で乾燥した。次
に、図2に示した装置(金属電極80mmφ)におい
て、表20に示す電極間距離の電極空間中に、固体誘電
体11として、厚み1mmの120×120mmの正方
形のポリテトラフルオロエチレンを装着した下部電極上
に、上記の無機質縮合組成物被膜が形成された基材を設
置し、1Torrまで油回転ポンプで排気した。
【0180】次いで、表20に示す酸素原子含有ガスを
所定のガス流量で多孔構造の上部電極4から、不活性ガ
スをガス導入管8から容器内に導入し、大気圧とした。
その後、表20に示す周波数で電圧を電極に印加し10
秒放置した。高電圧の印加に伴って放電プラズマの発光
が観察された。得られた積層体を用いて、前記測定法に
基づき、各物性を評価し、結果を表21に示した。
【0181】
【表19】
【0182】
【表20】
【0183】
【表21】
【0184】(実施例47〜51、比較例28〜31)
実施例1と同様にして、表22に示した条件で無機質縮
合組成物を調製した。得られた無機質縮合組成物を実施
例1と同様に基材に塗布し、10分間、室温で乾燥し
た。
【0185】次に、上記無機質縮合組成物が塗布された
膜面に、コロナ放電処理装置(春日電機社製、型式HF
SS−103)を用いて、表23に示す条件でプラズマ
処理を行い積層体を得た。得られた積層体を用いて、前
記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を表24に示
した。
【0186】
【表22】
【0187】
【表23】
【0188】
【表24】
【0189】(実施例52〜57)実施例6と同様にし
て、表25に示した条件で安定性無機質縮合組成物を調
製した。得られた安定性無機質縮合組成物を実施例6と
同様に基材に塗布し、10分間、室温で乾燥した。
【0190】次に、上記安定性無機質縮合組成物が塗布
された膜面に、コロナ放電処理装置(春日電機社製、型
式HFSS−103)を用いて、表26に示す条件でプ
ラズマ処理を行い積層体を得た。得られた積層体を用い
て、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を表2
7に示した。
【0191】
【表25】
【0192】
【表26】
【0193】
【表27】
【0194】(実施例58〜63、比較例32〜36)
実施例1と同様にして、表28に示した条件で無機質縮
合組成物を調製した。得られた無機質縮合組成物を実施
例1と同様に基材に塗布し、10分間、室温で乾燥し
た。
【0195】次に、上記無機質縮合組成物が塗布された
基材を、表29に「硬化温湿度条件」として示した環境
下に置き、積層体を得た。得られた積層体を用いて、前
記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を表30に示
した。
【0196】
【表28】
【0197】
【表29】
【0198】
【表30】
【0199】(実施例64〜70)実施例6と同様にし
て、表31に示した条件で安定性無機質縮合組成物を調
製した。得られた安定性無機質縮合組成物を実施例6と
同様に基材に塗布し、10分間、室温で乾燥した。
【0200】次に、上記安定性無機質縮合組成物が塗布
された基材を、表32に「硬化温湿度条件」として示し
た環境下に置き、積層体を得た。得られた積層体を用い
て、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を表3
3に示した。
【0201】
【表31】
【0202】
【表32】
【0203】
【表33】
【0204】(実施例71〜76、比較例37〜43)
実施例1と同様にして、表34に示した条件で無機質縮
合組成物を調製した。得られた無機質縮合組成物を実施
例1と同様に基材に塗布し、10分間、室温で乾燥し
た。なお、表34および後述の表37の基材欄にMとし
て示したものは、アクリル樹脂板(三菱レーヨン社製、
商品名「アクリライトL−001」、100mm×40
mm×1mm。製膜性をよくするために、基材に予めコ
ロナ放電処理を電極間距離5mm、4.5kVで1秒間
行ったものを使用した。)である。
【0205】次に、上記無機質組成物が塗布された基材
を、表35に「硬化温湿度条件」として示した環境下
に置き、次いで「硬化温湿度条件」として示した環境
下に置いて積層体を得た。得られた積層体を用いて、前
記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を表36に示
した。
【0206】
【表34】
【0207】
【表35】
【0208】
【表36】
【0209】(実施例77〜83)実施例6と同様にし
て、表37に示した条件で安定性無機質縮合組成物を調
製した。得られた安定性無機質縮合組成物を実施例6と
同様に基材に塗布し、10分間、室温で乾燥した。
【0210】次に、上記安定性無機質縮合組成物が塗布
された基材を、表38に「硬化温湿度条件」として示
した環境下に置き、次いで「硬化温湿度条件」として
示した環境下に置いて積層体を得た。得られた積層体を
用いて、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を
表39に示した。
【0211】
【表37】
【0212】
【表38】
【0213】
【表39】
【0214】(実施例84)実施例1で得られた積層体
について、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果
を表40に示した。
【0215】(実施例85)実施例6で得られた積層体
について、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果
を表40に示した。
【0216】(比較例44)フッ素系樹脂(旭硝子社
製、商品名「サイトップ CTL−102A」)塗液中
に、ポリカーボネート板(帝人社製、商品名「テイジン
パンライト」、100mm×40mm×1mm。)を浸
漬し、200mm/分の速度で引き上げた後、80℃、
相対湿度10%の条件で1時間かけて乾燥し、基材の両
面に塗布された積層体を得た。得られた積層体を用い
て、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を表4
0に示した。
【0217】
【表40】
【0218】
【発明の効果】本発明1の無機質縮合組成物の製造方法
の構成は上記の通りであり、縮合組成物(A)及び
(B)を調製するのに、混合装置としてマグネチックス
ターラーなどのような簡便な攪拌機で十分であり、又、
無機質縮合組成物の製造も同様に、均一にコロイダルシ
リカをアルコキシシランに分散させるのが容易であるた
め、混合装置としてマグネチックスターラーなどのよう
な簡便な攪拌機で十分であり、高性能な装置を必要とし
ない。従って、この無機質縮合組成物の製造方法は製造
が容易であり、得られた無機質縮合組成物は基材上に塗
布し、硬化させると、耐擦傷性、多孔性だけでなく、表
面エネルギーの低い防汚性が付与された被膜を与えるこ
とができる。
【0219】本発明2の安定性無機質縮合組成物の構成
は上記の通りであり、上記の本発明1の効果を全て奏す
る。さらに、無機質縮合組成物の濃度が1.0〜4.0
重量%に限定されているので、保存安定性が優れてい
る。
【0220】本発明3の積層体の製造方法の構成は上記
の通りであり、請求項1記載の無機質縮合組成物又は請
求項2記載の安定性無機質縮合組成物を基材上に塗布
し、硬化させることにより、耐擦傷性、多孔性だけでな
く、表面エネルギーの低い防汚性が付与された被膜を与
えることができる。
【0221】本発明4および本発明5の積層体の製造方
法の構成は上記の通りであり、上述の本発明3の効果を
全て奏する。更に、本発明4および本発明5の製造方法
によると、請求項1記載の無機質縮合組成物又は請求項
2記載の安定性無機質縮合組成物を、基材上に塗布、放
置した後、被膜中に有機溶媒、水を残存させた状態で、
超臨界状態の二酸化炭素で超臨界乾燥するので、被膜に
細孔を残しつつ、被膜中の有機溶媒、水の除去を完全に
行うことが可能となり、次いで、乾燥された被膜を加熱
するので、基材と被膜との結合が強固となる。
【0222】本発明6の積層体の製造方法の構成は上記
の通りであり、上述の本発明3の効果を全て奏する。更
に、本発明6の製造方法によると、請求項1記載の無機
質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機質縮合組成
物を、基材上に塗布後、1×10-4〜100Torrの
圧力下で不活性ガスが励起されたグロー放電プラズマと
接触させるので、特に、耐擦傷性に優れた、過酷な環境
下においても経時変化のない多孔質の被膜が積層された
積層体を容易に製造することができる。また、本発明6
の積層体の製造方法において、不活性ガスと共に酸素原
子含有ガスを使用し、不活性ガスと共に酸素原子含有ガ
スが励起されたグロー放電プラズマを用いると、残存ア
ルコキシ基や有機溶剤がより効果的に除去されるので、
反射防止体等としての使用により適した積層体を容易に
製造することができる。
【0223】本発明7の積層体の製造方法の構成は上記
の通りであり、上述の本発明3の効果を全て奏する。更
に、本発明7の製造方法によると、請求項1記載の無機
質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機質縮合組成
物を基材上に塗布後、不活性ガスの大気圧近傍の放電プ
ラズマに接触させるので、特に、耐擦傷性に優れた、過
酷な環境下においても経時変化のない多孔質の被膜が積
層された積層体を容易に製造することができる。また、
本発明7の積層体の製造方法において、不活性ガスと共
に酸素原子含有ガスを使用し、不活性ガスと共に酸素原
子含有ガスが励起された放電プラズマを用いると、残存
アルコキシ基や溶剤がより効果的に除去されるので、反
射防止体等としての使用により適した積層体を容易に製
造することができる。
【0224】本発明8の積層体の製造方法の構成は上記
の通りであり、上述の本発明3の効果を全て奏する。更
に、本発明8の製造方法によると、請求項1記載の無機
質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機質縮合組成
物を基材上に塗布後、コロナ放電プラズマに接触させる
ので、特に、耐擦傷性に優れた、過酷な環境下において
も経時変化のない多孔質の被膜を与えるので、例えば、
反射防止体等として使用される積層体を容易に製造する
ことができる。
【0225】本発明9の積層体の製造方法の構成は上記
の通りであり、上述の本発明3の効果を全て奏する。更
に、本発明9の製造方法によると、請求項1記載の無機
質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機質縮合組成
物を基材上に塗布後、相対湿度70%以上の環境下に置
いて硬化処理を行うことにより、基材上に均一にコロイ
ダルシリカが分散された、アルコキシシランの重縮合組
成物からなる、耐擦傷性に優れ反射防止効果が高く、過
酷な環境下においても経時変化のない多孔質の被膜が形
成された積層体を得ることができるので、例えば、反射
防止体等として使用される積層体を容易に製造すること
ができる。
【0226】本発明10の積層体の製造方法の構成は上
記の通りであり、上述の本発明3の効果を全て奏する。
更に、本発明10の製造方法によると、請求項1記載の
無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機質縮合
組成物を基材上に塗布後、相対湿度70%以上の環境下
に置いて硬化処理を行い、次いで温度60℃以上、相対
湿度70%未満の環境下に置くことにより、基材上に均
一にコロイダルシリカが分散された、アルコキシシラン
の重縮合組成物からなる、耐擦傷性および基材との密着
性に優れた、反射防止効果が高く過酷な環境下において
も経時変化のない多孔質の被膜が形成された積層体を容
易に得ることができるので、例えば、反射防止体等とし
て使用される積層体を容易に製造することができる。ま
た、高温低湿度環境下に置く工程を有することにより、
基材と被膜の結合が促進される。
【0227】従って、本発明3〜10の積層体の製造方
法を用いて得られた積層体は、例えば、メガネレンズ、
ゴーグル、コンタクトレンズ等のメガネ分野;車の窓、
インパネメーター、ナビゲーションシステム等の自動車
分野;窓ガラス等の住宅・建築分野;太陽電池、光電
池、レーザー等のエネルギー分野;ノートパソコン、電
子手帳、液晶テレビ、車載用テレビ、液晶ビデオ、プロ
ジェクションテレビ、光ファイバー、光ディスク等の電
子情報機器分野;照明グローブ、蛍光灯、鏡、時計等の
家庭用品分野;ショーケース、額、半導体リソグラフィ
ー、コピー機器等の業務用分野;液晶ゲーム機器、パチ
ンコ台ガラス、ゲーム機等の娯楽分野等の分野の材料に
用いられ得る。これらのうち、特に、メガネレンズ、車
の窓、インパネメーター、ナビゲーションシステム、太
陽電池、光電池、レーザー、ノートパソコン、電子手
帳、液晶テレビ、車載用テレビ、液晶ビデオ、プロジェ
クションテレビ、光ディスク、蛍光灯、液晶ゲーム機器
等の材料に好適に用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマ処理装置の一例を示す一部を断面で示
す説明図。
【図2】プラズマ処理装置の一例を示す一部を断面で示
す説明図。
【符号の説明】
1 電源部 2 処理容器 3 プラズマ処理部 4 上部電極 5 下部電極 6 基材 7 ガス導入管 8 ガス導入管 9 ガス出口 10 排気口 11 固体誘電体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 1/10 G02B 1/10 Z 1/11 A

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式Si(OR)4 (式中、Rは炭素
    数1〜5のアルキル基)で表されるテトラアルコキシシ
    ラン1モルに対して、pHが10.0〜12.0の塩基
    性水2〜8モル及び有機溶媒10〜30モルを混合して
    得られる縮合組成物(A)と、一般式Si(OR1 4
    (式中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基)で表される
    テトラアルコキシシラン1モルに対して、pHが0〜
    2.6の酸性水溶液3〜8モル及び有機溶媒10〜30
    モルを混合して得られる縮合組成物(B)とを、A/B
    =0.4〜2.4(重量比)で混合して得られる縮合組
    成物(C)、並びに一般式(R2 n Si(OR3
    4-n (式中、R2 およびR3 は炭素数1〜5のアルキル
    基、nは1〜3の整数)で表されるアルキルアルコキシ
    シランを、縮合組成物(C)の製造に用いられたテトラ
    アルコキシシランの合計1モルに対して、該アルキルア
    ルコキシシランを0.1〜2モル混合することを特徴と
    する無機質縮合組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法で得られる固形
    分濃度1.0〜4.0重量%の安定性無機質縮合組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の無機質縮合組成物又は請
    求項2記載の安定性無機質縮合組成物を基材上に塗布
    し、硬化させることを特徴とする積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】 有機溶媒の沸点が60℃以上である請求
    項1記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性
    無機質縮合組成物を無機基材上に塗布し、10〜60℃
    で放置した後、超臨界状態の二酸化炭素で超臨界乾燥
    し、次いで80〜600℃に加熱して硬化させることを
    特徴とする積層体の製造方法。
  5. 【請求項5】 有機溶媒の沸点が60℃以上である請求
    項1記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性
    無機質縮合組成物を有機基材上に塗布し、10〜60℃
    で放置した後、超臨界状態の二酸化炭素で超臨界乾燥
    し、次いで80〜120℃に加熱して硬化させることを
    特徴とする積層体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3において硬化方法が、請求項1
    記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機
    質縮合組成物が基材に塗布された面に、1×10-4〜1
    00Torrの圧力下で不活性ガスが励起されたグロー
    放電プラズマを接触させることを特徴とする積層体の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3において硬化方法が、請求項1
    記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機
    質縮合組成物が塗布された基材を、少なくとも一方の対
    向面に固体誘電体が配設された対向する金属電極間に配
    置し、不活性ガスの大気圧近傍の圧力下で、金属電極間
    に高電圧を印加し、発生したガスの放電プラズマを該無
    機質縮合組成物又は安定性無機質縮合組成物が塗布され
    た面に接触させることを特徴とする積層体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項3において硬化方法が、請求項1
    記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機
    質縮合組成物が基材に塗布された面に、コロナ放電プラ
    ズマを接触させることを特徴とする積層体の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項3において硬化方法が、請求項1
    記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無機
    質縮合組成物が塗布された基材を、相対湿度70%以上
    の環境下に置くことを特徴とする積層体の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項3において硬化方法が、請求項
    1記載の無機質縮合組成物又は請求項2記載の安定性無
    機質縮合組成物が塗布された基材を、相対湿度70%以
    上の環境下に置き、次いで該基材を温度60℃以上、相
    対湿度70%未満の環境下に置くことを特徴とする積層
    体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001042155A1 (en) * 1999-12-13 2001-06-14 Nippon Sheet Glass Co., Ltd. Low-reflection glass article
JP2007196211A (ja) * 2005-09-21 2007-08-09 Seiko Epson Corp 光学製品の製造方法
JP2017058429A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 リコーイメージング株式会社 反射防止膜の製造方法

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