JPH08332451A - 積層体の製造方法 - Google Patents

積層体の製造方法

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Publication number
JPH08332451A
JPH08332451A JP7143645A JP14364595A JPH08332451A JP H08332451 A JPH08332451 A JP H08332451A JP 7143645 A JP7143645 A JP 7143645A JP 14364595 A JP14364595 A JP 14364595A JP H08332451 A JPH08332451 A JP H08332451A
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JP
Japan
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condensation composition
gas
condensation
mol
mixing
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Application number
JP7143645A
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English (en)
Inventor
Miyuki Miyazaki
幸 宮崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材上に反射防止性、撥水性に優れ、さら
に、耐擦傷性の高い被膜が形成された積層体の製造方法
を提供する。 【構成】 テトラアルコキシシラン、特定のpHの塩基
性水及び有機溶媒を特定量混合して得られる縮合組成物
(A)と、テトラアルコキシシラン、特定のpHの酸性
水及び有機溶媒を特定量混合して得られる縮合組成物
(B)とを、特定の重量比で混合して得られる縮合組成
物(C)、並びに特定のアルキルアルコキシシランを、
特定量混合して固形分濃度1.0〜4.0重量%の縮合
組成物(D)を得る第1工程、上記縮合組成物(D)を
基材上に塗布する第2工程、および上記塗布物に、1×
10-4〜100Torrの圧力下でフッ素原子含有ガス
が励起されたグロー放電プラズマを接触させる第3工程
からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材上に反射防止性、
撥水性に優れ、さらに、耐擦傷性の高い被膜が形成され
た積層体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスは、カラーテレビのブラウン管
や、自動車のフロントガラス、太陽電池の光取り入れ部
材などに広く用いられているが、このガラス表面で外部
光線が反射すると、映り込みのために画像や内部物体が
見え難くなったり、太陽電池のエネルギー変換効率が低
くなったりする。
【0003】また、近年、透明プラスチック材料が、軽
量性、易加工性、耐衝撃性の特徴を生かし、ガラスに代
わって、光学レンズ、メガネレンズ、建築物の窓、ショ
ーウインドウ等に広く利用されているが、耐擦傷性に乏
しくハードコーティング処理を必要としている。さら
に、ガラス同様外部光線の反射のため光学的障害が問題
となっている。
【0004】この問題を解決するために、ガラスおよび
プラスチック基材に反射防止膜を単層で積層させること
が知られているが、得られた積層体は被膜の機械的強度
に問題があったり、また、大気中の塵、水滴、油滴等が
付着し易いものであった。
【0005】これらの問題を解決する方法として、特開
昭61−247743号公報には、特定のフッ素含有シ
リコーン化合物2種類とシリコーン化合物との3成分か
らなる組成物を、溶媒中で加水分解、重縮合させてゾル
液としたものを、プラスチック基材上に塗布し、一定温
度で乾燥、硬化させて、反射防止性、防汚性、耐擦傷性
を有する積層体を製造する方法が開示されている。
【0006】しかし、上記の積層体は、十分な耐擦傷性
を得ようとすると、配合組成の影響により反射防止性が
低下したり、また、製造時に加熱による乾燥、硬化工程
が必要なので、プラスチック基材によっては、反り等の
変形や溶融等が起こるという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題点を解決するものであり、その目的は、基材上に反射
防止性、撥水性に優れ、さらに、耐擦傷性の高い被膜が
形成された積層体の製造方法を提供することにある。ま
た、さらに、保存安定性のよい縮合組成物を使用した積
層体の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明1(請求項1記載
の発明を本発明1という。)の積層体の製造方法で用い
られる縮合組成物(A)は、一般式Si(OR)4 (式
中、Rは炭素数1〜5のアルキル基)で表されるテトラ
アルコキシシラン、塩基性水及び有機溶媒を混合し、テ
トラアルコキシシランを部分加水分解、重縮合させて得
られる。
【0009】上記の一般式Si(OR)4 で表されるテ
トラアルコキシシランにおいて、Rは、炭素数が多くな
ると、縮合組成物(C)及び縮合組成物(D)の長期安
定性が悪くなるので、炭素数1〜5のアルキル基に限定
され、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペ
ンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。
【0010】Si(OR)4 で表されるテトラアルコキ
シシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、
テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブト
キシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ
−tert−ブトキシシラン、テトラ−n−ペントキシ
シラン、テトラ−iso−ペントキシシラン、テトラネ
オペントキシシランなどが挙げられ、加水分解、重縮合
における反応性の点から、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシランが好ましく、テトラエトキシシランが
特に好ましい。
【0011】上記塩基性水とは、塩基種によりpHが1
0.0〜12.0に調整された水をいう。塩基種は、水
のpHを10.0〜12.0に調整できるものであれ
ば、特に限定されず、例えば、アンモニア、水酸化アン
モニウム、水酸化カリウム等が挙げられ、pHの調整の
容易さ、及び不純物が混入し難いことなどからアンモニ
アが好ましい。
【0012】塩基性水のpHは、低くなると、得られる
コロイダルシリカの分子量が低下し、反射防止被膜の形
成が困難となり、又、高くなると、得られる縮合組成物
(A)の安定性が低下するので、10.0〜12.0に
限定され、10.3〜11.5が好ましく、10.8〜
11.4が特に好ましい。
【0013】塩基性水は、少なくなると、得られるコロ
イダルシリカの分子量が低下して、積層体の反射防止性
が低下し、多くなると、縮合組成物(A)の安定性が低
下するので、Si(OR)4 で表されるテトラアルコキ
シシラン1モルに対して、2〜8モル添加され、3〜4
モル添加するのが好ましい。
【0014】有機溶媒は、Si(OR)4 で表されるテ
トラアルコキシシランおよび塩基性水と相溶性のあるも
のであれば特に限定されるものではなく、例えば、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、エトキシエチルアルコール、アリルアルコール等
が挙げられるが、得られる被膜の多孔性の向上の点か
ら、特にイソプロピルアルコールが好ましい。
【0015】有機溶媒の添加量は、少なくなると、縮合
組成物(A)の安定性が低下し、多くなると、得られる
コロイダルシリカの分子量が低下し、積層体の反射防止
性が低下するので、Si(OR)4 で表されるテトラア
ルコキシシラン1モルに対して10〜30モルに限定さ
れ、縮合組成物(C)及び縮合組成物(D)の安定性の
点から、テトラアルコキシシラン1モルに対して13〜
18モルが特に好ましい。
【0016】縮合組成物(A)の混合方法は、特に限定
されず、例えば、Si(OR)4 で表されるテトラアル
コキシシラン、塩基性水及び有機溶媒を、均質なものを
得るために、好ましくは、攪拌機に供給し混合する方法
が挙げられる。攪拌機としては、特に限定されるわけで
はなく、マグネチックスターラーのような簡便な攪拌機
で十分である。
【0017】縮合組成物(A)を混合する際の温度は、
低くなると、重縮合反応が不充分となり、高くなると、
縮合組成物(A)の安定性が低下するので、10〜30
℃で行うのが好ましく、20〜25℃が特に好ましい。
【0018】縮合組成物(A)を混合する際の時間は、
短くなると、加水分解、重縮合反応が不十分となり、長
くなると、縮合組成物(A)の安定性が低下するので、
1〜10時間が好ましく、2〜4時間が特に好ましい。
従って、縮合組成物(A)の混合は、10〜30℃で、
1〜10時間行うのが好ましく、20〜25℃で、2〜
4時間行うのが特に好ましい。
【0019】本発明1の積層体の製造方法で用いられる
縮合組成物(B)は、一般式Si(OR1 4 (式中、
1 は炭素数1〜5のアルキル基)で表されるテトラア
ルコキシシラン、酸性水及び有機溶媒を混合し、テトラ
アルコキシシランを部分加水分解、重縮合させて得られ
る。
【0020】上記の一般式Si(OR1 4 で表される
テトラアルコキシシランにおいて、R1 は、炭素数が多
くなると、縮合組成物(C)及び縮合組成物(D)の長
期安定性が悪くなるので、炭素数1〜5のアルキル基に
限定され、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチ
ル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−
ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。
【0021】Si(OR1 4 で表されるテトラアルコ
キシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラ
ン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−
ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テ
トラ−tert−ブトキシシラン、テトラ−n−ペント
キシシラン、テトラ−iso−ペントキシシラン、テト
ラネオペントキシシランなどが挙げられ、加水分解、重
縮合における反応性の点から、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシランが好ましく、テトラエトキシシラ
ンが特に好ましい。
【0022】上記酸性水とは、酸性種によりpHが0〜
2.6に調整された水をいう。酸性種は、水のpHを、
0〜2.6に調整できるものであれば、特に限定され
ず、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等が挙げられ、塩酸、硝
酸が好ましく、塩酸が特に好ましい。
【0023】酸性水のpHは、低くなると、縮合組成物
(B)の安定性が低下することがあり、高くなると、ア
ルコキシシランの加水分解が不十分となるので、0〜
2.6に限定され、1.0〜1.7が好ましく、1.2
〜1.7が、特に好ましい。
【0024】酸性水の添加量は、少なくなると、テトラ
アルコキシシランの加水分解が不十分となり、更に、得
られる縮合組成物(D)の基材への塗布が困難となり、
多くなると、縮合組成物(B)の安定性が低下するの
で、Si(OR1 4 で表されるテトラアルコキシシラ
ン1モルに対して3〜8モルに限定され、4〜7モルが
好ましい。
【0025】上記有機溶媒は、Si(OR1 4 で表さ
れるテトラアルコキシシラン及び酸性水に相溶するもの
であれば、特に限定されず、例えば、縮合組成物(A)
の製造に用いられるものと同様のものが用いられ、有機
溶媒の添加量は、少なくなると、縮合組成物(B)の安
定性が低下し、又、多くなると、得られるコロイダルシ
リカの分子量が低下し、積層体の反射防止性が低下する
ので、Si(OR1 4 で表されるテトラアルコキシシ
ラン1モルに対して10〜30モルに限定され、縮合組
成物(C)及び縮合組成物(D)の安定性の点から、テ
トラアルコキシシラン1モルに対して13〜18モルが
特に好ましい。
【0026】縮合組成物(B)の混合方法は、特に限定
されず、例えば、Si(OR1 4で表されるテトラア
ルコキシシラン、酸性水及び有機溶媒を、均質なものを
得るために、好ましくは、攪拌機に供給し混合する方法
が挙げられる。攪拌機としては、特に限定されるわけで
はなく、マグネチックスターラーのような簡便な攪拌機
で十分である。
【0027】縮合組成物(B)を混合する際の温度は、
低くなると、重縮合反応の反応速度が低下し、高くなる
と、縮合組成物(B)の安定性が低下するので、10〜
30℃で行うのが好ましく、20〜25℃が特に好まし
い。
【0028】縮合組成物(B)を混合する際の時間は、
短くなると、重縮合反応が不十分となり、長くなると、
縮合組成物(B)の安定性が低下するので、1〜10時
間が好ましく、2〜4時間が特に好ましい。従って、縮
合組成物(B)の混合は、10〜30℃で、1〜10時
間行うのが好ましく、20〜25℃で、2〜4時間行う
のが特に好ましい。
【0029】本発明1で用いられる縮合組成物(C)
は、上記縮合組成物(A)及び縮合組成物(B)を、重
量比((A)/(B))=0.4〜2.4で混合して得
られる。
【0030】縮合組成物(A)が、少なくなると、得ら
れる被膜の多孔率が低下し、得られる積層体の反射防止
性が低下し、多くなると、得られる被膜と基材との密着
性が低下するので、縮合組成物(A)と縮合組成物
(B)の重量比((A)/(B))は、0.4〜2.4
に限定され、縮合組成物(C)の安定性及び被膜と基材
の密着性の向上のため、1.5〜2.3が好ましい。
【0031】縮合組成物(A)と縮合組成物(B)を混
合する際の温度は、低くなると、コロイダルシリカとシ
リカゾルの重縮合が困難となり、得られる積層体の反射
防止性が低下し、高くなると、得られる縮合組成物
(C)の安定性が低下するので、−10〜30℃で行う
のが好ましく、−8〜25℃が特に好ましい。
【0032】縮合組成物(A)と縮合組成物(B)を混
合する時間は、短かくなると、コロイダルシリカとシリ
カゾルの重縮合が困難となり、得られる積層体の反射防
止性が低下し、又、長くなると、縮合組成物(C)の安
定性が低下するので、0.5〜4時間が好ましく、特に
1〜2時間が好ましい。従って、縮合組成物(A)と縮
合組成物(B)の混合は、−10〜30℃で、0.5〜
4時間行うのが好ましく、−8〜25℃で、1〜2時間
行うのが特に好ましい。
【0033】縮合組成物(A)と縮合組成物(B)を混
合する方法は、特に限定されず、例えば、縮合組成物
(A)及び縮合組成物(B)を、均質なものを得るため
に、好ましくは、攪拌機に供給し攪拌混合する方法が挙
げられる。攪拌機としては、特に限定されるわけではな
く、マグネチックスターラーのような簡便な攪拌機で十
分である。
【0034】本発明1の積層体の製造方法の第1工程
は、次いで、上記のようにして得られた縮合組成物
(C)と一般式(R2 n Si(OR3 4-n で表され
るアルキルアルコキシシランを、混合して縮合組成物
(D)を得る。
【0035】上記一般式(R2 n Si(OR3 4-n
で表されるアルキルアルコキシシランにおいて、R2
よびR3 は、炭素数が多くなると、縮合組成物(D)の
長期安定性が悪くなるので、炭素数1〜5のアルキル基
に限定され、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブ
チル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso
−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。ま
た、nは1〜3の整数である。
【0036】(R2 n Si(OR3 4-n で表される
アルキルアルコキシシランとしては、特に限定されず、
例えば、モノメチルトリメトキシシラン、モノメチルト
リエトキシシラン、モノメチルトリ−n−プロポキシシ
ラン、モノメチルトリ−iso−プロポキシシラン、モ
ノメチルトリ−n−ブトキシシラン、モノメチルトリ−
sec−ブトキシシラン、モノメチルトリ−tert−
ブトキシシラン、モノメチルトリ−n−ペントキシシラ
ン、モノメチルトリ−iso−ペントキシシラン、モノ
メチルトリネオペントキシシラン、エチルトリエトキシ
シラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチ
ルジ−iso−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブ
トキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、
ジメチルジ−tert−ブトキシシラン、ジメチルジ−
n−ペントキシシラン、ジメチルジ−iso−ペントキ
シシラン、ジメチルジネオペントキシシラン、ジエチル
ジエトキシシラン、トリメチルモノメトキシシラン、ト
リメチルモノエトキシシラン、トリメチルモノ−n−プ
ロポキシシラン、トリメチルモノ−iso−プロポキシ
シラン、トリメチルモノ−n−ブトキシシラン、トリメ
チルモノ−sec−ブトキシシラン、トリメチルモノ−
tert−ブトキシシラン、トリメチルモノ−n−ペン
トキシシラン、トリメチルモノ−iso−ペントキシシ
ラン、トリメチルモノネオペントキシシラン、トリエチ
ルエトキシシランなどが挙げられ、反応性の点からモノ
メチルトリエトキシシランが好ましい。
【0037】縮合組成物(C)と混合する(R2 n
i(OR3 4-n で表されるアルキルアルコキシシラン
の量は、少なくなると、得られる積層体の撥水性が低く
なり(接触角が90度程度)、多くなると、反射防止性
および耐擦傷性が低下するので、縮合組成物(C)の製
造に用いられたテトラアルコキシシランの合計1モルに
対して、0.1〜2モルに限定され、被膜の均一性の点
から0.1〜0.5モルが好ましい。
【0038】縮合組成物(D)の混合方法は、特に限定
されず、例えば、縮合組成物(C)と(R2 n Si
(OR3 4-n で表されるアルキルアルコキシシラン
を、攪拌機に供給し混合し製造する方法が挙げられる。
攪拌機としては、特に限定されるわけではなく、マグネ
チックスターラーのような簡便な攪拌機で十分である。
【0039】縮合組成物(D)を混合する際の温度は、
低くなると、重縮合反応の反応速度が低下し、高くなる
と、縮合組成物(D)の安定性が低下するので、10〜
30℃で行うのが好ましく、20〜25℃が特に好まし
い。
【0040】縮合組成物(D)を混合する際の時間は、
短くなると、重縮合反応が不十分となり、長くなると、
縮合組成物(D)の安定性が低下するので、1〜4時間
が好ましく、2〜3時間が特に好ましい。従って、縮合
組成物(D)の混合は、10〜30℃で、1〜4時間行
うのが好ましく、20〜25℃で、2〜3時間行うのが
特に好ましい。
【0041】本発明1で用いられる縮合組成物(D)
は、その固形分濃度が低くなると、塗布効率が低くなり
生産性が悪くなり、その固形分濃度が高くなると、シラ
ノール基同士が溶媒中で接近し、重縮合反応が早くな
り、この傾向は環境温度が高くなると顕著となり、例え
ば、温度管理のできない環境下で塗布剤として使用する
と経時的に縮合組成物が変化し、長期保存ができないと
いう問題が起こる可能性があるので、その固形分濃度は
1.0〜4.0重量%に限定され、1.5〜2.5重量
%が好ましい。なお、本発明1でいう固形分濃度とは、
縮合組成物(D)中のSi原子が全てSiO2 になると
考えた場合の縮合組成物(D)中の該SiO 2 の重量百
分率である。
【0042】本発明1で用いられる縮合組成物(D)
は、縮合組成物(C)と一般式(R2n Si(O
3 4-n で表されるアルキルアルコキシシランとを、
上記の割合で混合しただけで、その固形分濃度が1.0
〜4.0重量%になる場合は、そのまま第2工程に使用
されるが、その固形分濃度が4.0重量%を超える場合
には、固形分濃度が1.0〜4.0重量%になるように
有機溶媒を添加して希釈した後、第2工程に使用され
る。
【0043】上記の希釈方法は、特に限定されないが、
例えば、縮合組成物(D)と有機溶媒を攪拌機に供給し
混合する方法が挙げられる。攪拌機としては、特に限定
されるわけではなく、マグネチックスターラーのような
簡便な攪拌機で十分である。
【0044】上記有機溶媒としては、上記縮合組成物
(D)と相溶するものであれば特に限定されず、例え
ば、縮合組成物(A)の製造に用いられるものと同様の
ものが用いられるが、特にイソプロピルアルコールが好
ましい。
【0045】本発明1の積層体の製造方法の第2工程
は、上記縮合組成物(D)を基材上に塗布する。
【0046】上記の基材としては、縮合組成物(D)の
塗装が可能な基材であれば特に限定されず、例えば、ケ
イ酸ガラス、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラ
ス、カリ石灰ガラス、鉛石灰ガラス、バリウムガラス、
ホウケイ酸ガラス等の無機基材、ポリカーボネート、ア
クリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレ
タン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
等の有機基材が挙げられる。
【0047】無機基材においては、ケイ酸ガラス、ケイ
酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラスが好ましい。有機
基材においては、ポリカーボネート、アクリル樹脂が好
ましい。また、基材の形状は、特に限定されるものでは
ない。
【0048】縮合組成物(D)の塗布方法は、特に限定
されず、例えば、刷毛、スプレーコート、ディップコー
ト、スピンコート、ロールコート、流し塗り等による塗
布方法等が挙げられる。なお、塗布は、大気中の湿度が
高いと、得られる被膜が白濁するので、大気中の相対湿
度50%以下で行うのが好ましい。
【0049】縮合組成物(D)を基材上に塗布する際、
膜厚は、特に限定されないが、反射防止効果を得たい波
長と、下式の関係となる被膜が得られるように縮合組成
物(D)を塗布することは、反射防止効果の向上を図る
ことができ、好適である。 nd=λ(1/4+m/2) ただし、d:被膜の膜厚。λ:反射防止効果を得たい波
長。n:被膜の屈折率。m:0又は自然数。
【0050】また、縮合組成物(D)を塗布する際、基
材が有機基材の場合、基材にコロナ放電処理等の前処理
を施すと、塗液の濡れ性が向上し製膜性がよくなる。
【0051】本発明1の積層体の製造方法の第3工程
は、上記塗布物に、1×10-4〜100Torrの圧力
下でフッ素原子含有ガスが励起されたグロー放電プラズ
マを接触させて、塗膜中のアルキルアルコキシシランの
アルキル基をフッ素化する。
【0052】本発明1の製造方法の第3工程では、第2
工程で得られた塗布物に、フッ素原子含有ガスが励起さ
れたグロー放電プラズマを接触させることにより、プラ
ズマの高エネルギーによって塗膜の乾燥、硬化を促進さ
せるとともに、プラズマ中のフッ素原子含有ガスの励起
種によって表面のアルキルアルコキシシランのアルキル
基をフッ素化させる。
【0053】従って、この第3工程において、第2工程
で得られた塗布物に、まず、不活性ガスのみが励起され
たプラズマを接触させて、塗膜の乾燥、硬化し、次い
で、その硬化膜にフッ素原子含有ガスが励起されたグロ
ー放電プラズマを接触させて、塗膜中のアルキルアルコ
キシシランのアルキル基をフッ素化するという2段階の
プラズマ処理を行っても構わないが、この場合は工程が
幾分複雑になる。
【0054】上記フッ素原子含有ガスとしては、例え
ば、4フッ化炭素(CF4 )、4フッ化2炭素(C2
4 )、6フッ化炭素(C2 6 )等のフッ化炭素ガス;
2フッ化炭素水素(C2 4 2 )、3フッ化炭素水素
(CHF3)等のフッ化炭化水素ガス;1塩素化3フッ化
炭素(CClF3)等の塩素化フッ化炭素ガス;6フッ化
硫黄ガス(SF6 )などが挙げられ、安全かつプラズマ
中でHF等の有害ガスを発生しないCF4 、C2 6
特に好ましい。これらのフッ素原子含有ガスは、単独で
用いてもよいが、不活性ガスと混合して使用してもよ
い。
【0055】上記不活性ガスとしては、He、Ne、A
r、Xe等の希ガスやN2 ガスの1種または2種以上が
挙げられる。上記不活性ガスのフッ素原子含有ガスに対
する混合割合は、使用するガスの種類によって変わる
が、一般的に50体積%以下が好ましい。不活性ガスが
過剰に使用されると、不活性ガスの励起種が処理面に多
量に衝突し被膜が除去されてしまう恐れがある。
【0056】上記フッ素原子含有ガスをプラズマによっ
て励起させる方法としては、例えば、直流電流を印加
してプラズマ分解する方法、高周波を印加してプラズ
マ分解する方法、マイクロ波放電によってプラズマ分
解する方法、電子サイクロトロン共鳴によってプラズ
マ分解する方法、熱フィラメントによる加熱によって
熱分解する方法等が挙げられる。
【0057】プラズマ処理時の処理圧力は、低くなる
と、高価な真空チャンバーや真空排気装置が必要とな
り、更には、大面積の基材を処理する場合、処理容器を
大きくしたり、真空排気装置を大出力のものにする必要
があり、又、高くなると、本発明2で開示するような特
別の方法を使用しない限り、熱プラズマとなり、ついに
はアーク放電に移行してしまうので、耐熱性の低い基材
には不適当であるので、1×10-4〜100Torrに
限定される。この圧力は、励起手段によって変わるが、
装置が簡便で、比較的処理圧力が高い状態でもグロー放
電プラズマの発生可能な直流電流印加又は高周波印加可
能な1×10-2〜100Torrが好ましい。
【0058】グロー放電プラズマ処理に要する投入電力
は、電極面積や形状等によって変わるが、低すぎると、
プラズマ密度やセルフバイアスが小さくなって処理時間
がかかり、高すぎると、基材のダメージが大きくなるの
で、一般的には、30〜200Wが好ましい。
【0059】上記フッ素化する際のフッ素原子含有ガス
の流量としては、後述するプラズマ処理装置の処理容器
のガス圧が1×10-4〜100Torrの圧力になるよ
うな流量であれば特に限定されない。
【0060】次に、図に基づいて、プラズマ処理方法に
ついて説明する。図1は、第2工程で得られた塗布物を
フッ素化するのに用いられるプラズマ処理装置の一例を
示す一部を断面で示す模式図である。本装置は、電源
1、処理容器2、対向する金属電極4、5の間のプラズ
マ処理部3から構成されている。電源1は10〜30k
Hzの周波数が印加可能とされている。プラズマは、電
極に高電圧を印加することにより発生するが、印加電圧
は、5〜40kV/cm程度になるよう電圧印加するの
が好ましい。
【0061】処理容器2は、油回転真空ポンプからなる
排気装置(図示せず)によって排気口10から排気可能
とされている。処理容器2は、ガラス製であるが、電極
との絶縁がとれていれば金属製でも構わない。グロー放
電プラズマによるプラズマ処理部3は平行平板型の対向
する金属電極4、5の間の空間である。電極配置構造と
しては、平行平板型以外にも、同軸円筒型、円筒対向平
板型、球対向平板型、双曲面対平板型でも複数の細線か
らなる場合でも構わない。電極配置構造が、平行平板
型、同軸円筒型、局面対向平行型の場合、直流電流や高
周波は容量結合形式で印加される。又、高周波印加の場
合、外部電極を用いて誘導形式で印加可能である。
【0062】図1においては、上方の金属電極4は、ガ
スを均一に供給し均一な処理面を得るために、その内部
がガスの通路とされた、多孔性の電極とされている。し
かし、他の方法でガスを均一に供給できれば、無孔の電
極でも構わない。
【0063】対向する金属電極4、5間の距離は、処理
圧力、処理する基材の厚み等により適宜決定されるが、
長すぎるとプラズマ密度が低下し高電力が必要となるた
め、基材が電極間に装着可能な範囲でなるべく短くする
のがよい。
【0064】縮合組成物(D)が塗布された基材6は、
電極上または両電極の間の空間に取り付けられる。図1
においては、下方の金属電極5上に取り付けられてい
る。
【0065】フッ素原子含有ガスおよび不活性ガス(不
活性ガスは、前述のように使用しなくてもよい)は、そ
れぞれマスフローコントローラー(図示せず)で流量制
御されプラズマ処理部3に導入される。フッ素原子含有
ガスは、ガス導入管7を通り多孔性の金属電極4から供
給され、不活性ガスはガス導入管8から供給される。ガ
ス導入管8の処理容器2内の先端部は、図1に示したよ
うに、多数の穴の開いたリング状とし、その穴からガス
が処理容器2内に供給される方が、不活性ガスとフッ素
原子含有ガスが均一に混合され易いので好ましい。な
お、未使用のガスはガス出口9から排出される。
【0066】処理時間は、被膜の厚みや投入電力によっ
て適宜決定されるが、被膜の厚みが厚ければ、長くする
必要があり、投入電力が高ければ、短くて済む傾向があ
るが、一般的には、5秒〜10分が好ましい。処理時間
が短すぎると、被膜の耐擦傷性及びフッ素化が不十分と
なり、また、あまり長時間かけて処理しても、被膜の耐
擦傷性及びフッ素化が著しく向上することはない。
【0067】アルキルアルコキシシランのアルキル基の
フッ素化処理には、基材を加熱したり、冷却したりする
必要は、特にはなく、室温下で十分である。
【0068】本装置によって実際にフッ素化するには、
第2工程によって縮合組成物(D)が塗布された基材6
を下方の金属電極5上に取り付けた後、処理容器2内を
1×10-3Torr以下に真空排気する。次いで、フッ
素原子含有ガスをマスフローコントローラーで流量を調
節しながら、ガス導入管7を通し多孔性の金属電極4か
らプラズマ処理部3へ導入し、同時に必要に応じて、不
活性ガスをマスフローコントローラーで流量を調節しな
がら、ガス導入管8からプラズマ処理部3へ導入して、
ガス圧が1×10-4〜100Torrとなるように調節
する。次いで、処理容器2内のガス圧が安定した時点
で、金属電極4に高電圧を印加し発生したフッ素原子含
有ガスのグロー放電プラズマを縮合組成物(D)が塗布
された基材6に接触させることにより、アルキルアルコ
キシシランのアルキル基をフッ素化し、基材上に、反射
防止性、撥水性、耐擦傷性に優れた被膜を有する積層体
を得る。
【0069】本発明2(請求項2記載の発明を本発明2
という。)の積層体の製造方法は、本発明の第1工程お
よび第2工程の後、第3工程として、上記塗布物を少な
くとも一方の対向面に固体誘電体が配設された対向する
金属電極間に配置し、10体積%以下のフッ素原子含有
ガスと残部が不活性ガスからなる混合ガスの大気圧近傍
の圧力下で、金属電極間に電圧を印加し、発生したガス
の放電プラズマを該縮合組成物(D)の塗布面に接触さ
せて、塗膜中のアルキルアルコキシシランのアルキル基
をフッ素化する。
【0070】本発明2の製造方法の第3工程では、第2
工程で得られた塗布物に、フッ素原子含有ガスが励起さ
れたプラズマを接触させることにより、プラズマの高エ
ネルギーによって塗膜の乾燥、硬化を促進させるととも
に、プラズマ中のフッ素原子含有ガスの励起種によって
表面のアルキルアルコキシシランのアルキル基をフッ素
化させる。
【0071】従って、この第3工程において、第2工程
で得られた塗布物に、まず、不活性ガスのみが励起され
たプラズマを接触させて、塗膜の乾燥、硬化し、次い
で、その硬化膜にフッ素原子含有ガスが励起されたプラ
ズマを接触させて、塗膜中のアルキルアルコキシシラン
のアルキル基をフッ素化するという2段階のプラズマ処
理を行っても構わないが、この場合は工程が幾分複雑に
なる。
【0072】上記フッ素原子含有ガスとしては、例え
ば、4フッ化炭素(CF4 )、4フッ化2炭素(C2
4 )、6フッ化炭素(C2 6 )等のフッ化炭素ガス;
2フッ化炭素水素(C2 4 2 )、3フッ化炭素水素
(CHF3)等のフッ化炭化水素ガス;1塩素化3フッ化
炭素(CClF3)等の塩素化フッ化炭素ガス;6フッ化
硫黄ガス(SF6 )などが挙げられ、安全かつプラズマ
中でHF等の有害ガスを発生しないCF4 、C2 6
特に好ましい。
【0073】上記不活性ガスとしては、He、Ne、A
r、Xe等の希ガスやN2 ガスの1種または2種以上が
挙げられるが、準安定状態で寿命が長いため、フッ素原
子含有ガスを励起するのに有利なHeガスが好ましい。
不活性ガスとしてHe以外のガスを使用する場合は、ア
セトンやメタノール等の蒸気ガス、メタン、エタン等の
炭化水素ガスを2体積%以下の割合で混合するのが好ま
しい。
【0074】上記フッ素原子含有ガスと不活性ガスとの
割合は、フッ素原子含有ガスの割合が10体積%を超え
ると、高電圧を印加しても放電プラズマが発生しなくな
るので、10体積%以下に限定され、0.3〜5体積%
が好ましい。
【0075】本発明2で用いられるプラズマ処理時の圧
力は、大気圧近傍とされる。大気圧近傍とは、具体的に
は、100〜800Torrのことであり、圧力調整が
容易であり装置が簡便になる700〜780Torrが
特に好ましい。
【0076】次に、図に基づいて、本発明2で用いられ
るプラズマ処理方法について説明する。図2は、第2工
程で得られた塗布物をフッ素化するのに用いられるプラ
ズマ処理装置の一例を示す一部を断面で示す模式図であ
る。なお、本装置において、図1に示した本発明1で用
いられたプラズマ処理装置と同一の装置には、同一の符
号を使用した。本装置は、電源1、処理容器2、少なく
とも一方の対向面に固体誘電体が配設されている対向す
る金属電極4、5の間のプラズマ処理部3から構成され
ている。図2においては、対向する金属電極は上方の電
極4と下方の電極5とされ、固体誘電体としては、下方
の電極5の上に固体誘電体11が配設されている。
【0077】電源1はkHz台の周波数電源を印加可能
とされているが、耐熱性の低い基材に撥水性を付与する
には10〜30kHzの低周波数を使用するのが好まし
い。プラズマ形成は、電極に電圧を印加することにより
発生するが、印加電圧は、小さくなるとプラズマ密度お
よびセルフバイアスが小さくなり、処理に時間が掛かり
非能率的であり、大きくなると誘電体が高温になりアー
ク放電に移行する挙動を示すので、電界強度5〜40k
V/cm程度になるよう電圧印加するのが好ましい。
【0078】処理容器2は、油回転真空ポンプからなる
排気装置(図示せず)によって排気口10から排気可能
とされているのが好ましい。処理容器2は、ガラス製で
あるが、電極との絶縁がとれていればステンレスやアル
ミニウム等の金属製でも構わない。放電プラズマによる
プラズマ処理部3は、平行平板型の対向する金属電極4
と金属電極5に配設された固体誘電体11の間の空間で
ある。電極配置構造としては、平行平板型以外にも、同
軸円筒型、円筒対向平板型、球対向平板型、双曲面対平
板型でも複数の細線からなる場合でも構わない。
【0079】電極の材質は、金属であれば、特に限定さ
れず、例えば、ステンレス、真鍮等の多成分系の金属で
も、銅、アルミニウム等の純金属でも良い。
【0080】上方の電極4と下方の電極5の少なくとも
一方の対向面に配設される固体誘電体11は、対向する
電極の対向面の全面に配設される必要がある。一部で
も、対向面が露出しているとプラズマ処理時にアーク放
電が生じる。
【0081】固体誘電体11としては、例えば、ポリフ
ルオロエチレン(PTFE)やポリエチレンテレフタレ
ート(PET)等のプラスチック;シリカ、パイレック
スガラス、アルミナ、酸化チタン等のガラスやセラミッ
クスなどが用いられるが、フッ素原子含有ガスとの反応
性を考慮して選択する必要がある。また、固体誘電体1
1の形状は、シート状でも、フィルム状でも構わない。
しかし、厚みが薄くなると、高電圧印加時に絶縁破壊が
起こってアーク放電が生じやすくなり、厚くなると、放
電しにくくなるので、0.05〜4mmの厚みが好まし
い。
【0082】対向する金属電極4、5間の距離は、フッ
素原子含有ガスのガス流量、印加電圧の大きさおよび処
理する基材の厚み等により適宜決定されるが、短くなる
と、未使用の反応ガスが多くなり非能率であり、長くな
ると電極空間のガスの均一性が損なわれ易いので、1〜
20mmが好ましい。
【0083】縮合組成物(D)が塗布された基材6は、
固体誘電体上、電極上または固体誘電体と対向電極の間
の空間に取り付けられる。固体誘電体と対向電極の間の
空間に取り付ければ、基材6の表裏の両面が処理され
る。図2においては、縮合組成物(D)が塗布された基
材6は固体誘電体11の上に取り付けられている。
【0084】本装置において、フッ素原子含有ガスおよ
び不活性ガスは、それぞれマスフローコントローラー
(図示せず)で流量制御されプラズマ処理部3に導入さ
れる。フッ素原子含有ガスは、ガス導入管7を通り多孔
性の金属電極4から供給され、不活性ガスはガス導入管
8から供給される。なお、図2においては、上方の電極
4は、ガスを均一に供給するために、その内部がガスの
通路とされた、多孔性の電極とされている。このように
上方の電極4がガス導入口と電極を兼ね、且つ多孔構造
からなると、フッ素原子含有ガスをプラズマ処理部3に
均一に供給して、均一な処理を行うために好ましいが、
例えば、ガスを攪拌状態で供給したり、ガスを高速で吹
きつけることにより、フッ素原子含有ガスをプラズマ処
理部3に均一に供給可能であれば、多孔構造とせずとも
よい。
【0085】また、ガス導入管8の処理容器2内の先端
部は、図2に示したように、多数の穴の開いたリング状
とし、その穴からガスが処理容器2内に供給される方
が、不活性ガスとフッ素原子含有ガスが均一に混合され
易いので好ましい。また、不活性ガスはフッ素原子含有
ガスと混合して上方の電極4から導入しても構わない
が、均一性よく撥水性を付与するためには、フッ素原子
含有ガスを上方の電極4から導入し、不活性ガスはガス
導入管8から導入するのが好ましい。
【0086】このようにして、フッ素原子含有ガスおよ
び不活性ガスは流量コントロールされて導入され、10
体積%以下のフッ素原子含有ガス濃度の混合ガスとされ
てプラズマ処理部3に供給される。なお、未使用のガス
はガス出口9から排出される。
【0087】そして、上記の混合ガスの大気圧近傍の圧
力下で、金属電極間に電圧を印加し、発生したガスの放
電プラズマを該縮合組成物(D)の塗布面に接触させ
て、塗膜中のアルキルアルコキシシランのアルキル基を
フッ素化する。
【0088】アルキルアルコキシシランのアルキル基の
フッ素化処理には、基材を加熱したり、冷却したりする
必要は、特にはなく、室温下で十分である。
【0089】処理時間は、被膜の厚みや投入電力によっ
て適宜決定されるが、被膜の厚みが厚ければ、長くする
必要があり、投入電力が高ければ、短くて済む傾向があ
るが、一般的には、5秒〜10分が好ましい。処理時間
が短すぎると、被膜の耐擦傷性及びフッ素化が不十分と
なり、また、あまり長時間かけて処理しても、被膜の耐
擦傷性及びフッ素化が著しく向上することはない。
【0090】本装置によって実際にフッ素化するには、
第2工程によって縮合組成物(D)が塗布された基材6
を固体誘電体11上に取り付けた後、処理容器2内に残
存する空気を排気口10から排気する(ただし、この排
気処理は必ずしも、必要ではない)。次いで、フッ素原
子含有ガスをマスフローコントローラーで流量を調節し
ながら、ガス導入管7を通し多孔性の金属電極4から、
同時に、不活性ガスをマスフローコントローラーで流量
を調節しながらガス導入管8から、それぞれプラズマ処
理部3へ導入して、プラズマ処理部3のフッ素原子含有
ガスの濃度が10体積%以下の混合ガスからなるように
し、この混合ガスの圧力を大気圧近傍の圧力とする。次
いで、処理容器2内のガス圧が安定した時点で、金属電
極4と金属電極5の間に高電圧を印加し発生したフッ素
原子含有ガスの放電プラズマを、縮合組成物(D)が塗
布された基材6に接触させることにより、アルキルアル
コキシシランのアルキル基をフッ素化し、基材上に、反
射防止性、撥水性、耐擦傷性に優れた被膜を有する積層
体を得る。
【0091】
【作用】本発明1の方法によると、縮合組成物(A)の
製造条件下では、テトラアルコキシシランの重縮合が3
次元架橋で進行し、コロイダルシリカが形成されてお
り、縮合組成物(B)の製造条件下では、テトラアルコ
キシシランの重縮合が2次元架橋で進行し、シリカゾル
の段階で抑えられており、この両者の混合物である縮合
組成物(C)は、コロイダルシリカとシリカゾルの混合
物となる。この縮合組成物(C)に、アルキルアルコキ
シシランを混合した縮合組成物(D)では、主にシリカ
ゾルとアルキルアルコキシシランが重縮合し、アルキル
基を有するシリカゾルとコロイダルシリカの混合物とな
る。また、縮合組成物(D)の固形分濃度が1.0〜
4.0重量%に限定されているので、縮合組成物(D)
の保存安定性がよくなる。
【0092】縮合組成物(D)を基材上に塗布し、塗布
物に1×10-4〜100Torrの圧力下でフッ素原子
含有ガスが励起されたグロー放電プラズマを接触させ
て、塗膜表面のアルキルアルコキシシランのアルキル基
をフッ素化することにより、被膜に撥水性を生じせしめ
る。また、基材面上に高エネルギーのグロー放電プラズ
マを接触させることにより、乾燥、硬化を進行させ被膜
に耐擦傷性を生じせしめ、同時にコロイダルシリカとシ
リカゾルの重縮合を進行させる過程で、収縮率の差異に
より被膜を多孔化し、反射防止性を生じせしめる。
【0093】本発明2の方法によると、縮合組成物
(A)の製造条件下では、テトラアルコキシシランの重
縮合が3次元架橋で進行し、コロイダルシリカが形成さ
れており、縮合組成物(B)の製造条件下では、テトラ
アルコキシシランの重縮合が2次元架橋で進行し、シリ
カゾルの段階で抑えられており、この両者の混合物であ
る縮合組成物(C)は、コロイダルシリカとシリカゾル
の混合物となる。この縮合組成物(C)に、アルキルア
ルコキシシランを混合した縮合組成物(D)では、主に
シリカゾルとアルキルアルコキシシランが重縮合し、ア
ルキル基を有するシリカゾルとコロイダルシリカの混合
物となる。また、縮合組成物(D)の固形分濃度が1.
0〜4.0重量%に限定されているので、縮合組成物
(D)の保存安定性がよくなる。
【0094】縮合組成物(D)を基材上に塗布し、塗布
物を少なくとも一方の対向面に固体誘電体が配設された
対向する金属電極間に配置し、10体積%以下のフッ素
原子含有ガスと残部が不活性ガスからなる混合ガスの大
気圧近傍の圧力下で、金属電極間に電圧を印加し、発生
したガスの放電プラズマを該縮合組成物(D)の塗布面
に接触させて、塗膜中のアルキルアルコキシシランのア
ルキル基をフッ素化することにより、被膜に撥水性を生
じせしめる。また、基材面上に高エネルギーの放電プラ
ズマを接触させることにより、乾燥、硬化を進行させ被
膜に耐擦傷性を生じせしめ、同時にコロイダルシリカと
シリカゾルの重縮合を進行させる過程で、収縮率の差異
により被膜を多孔化し、反射防止性を生じせしめる。
【0095】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。なお、結
果に示した積層体に関する各物性の評価方法は次の通り
であった。
【0096】(1) 反射率測定 反射率測定装置(島津製作所社製、鏡面反射測定装置、
入射角5度)を用いて、反射防止被膜を積層した積層体
の反射スペクトルを波長400〜800nmの範囲で測
定し、その最小反射率Rminを求め、次式により片面最
小反射率(R)を測定する。 R=Rmin/2
【0097】(2) 撥水性試験 蒸留水に対する被膜の接触角を、接触角計(協和界面科
学社製「CA−DT型」)により液滴法で測定した。
【0098】(3) 耐擦傷性試験 得られた積層体の被膜の表面を、ネルの布で、1000
g/cm2 の荷重をかけて、往復100回摩擦し、表面
の傷の有無を肉視した。 (判定基準) ○:傷は確認できなかった。 ×:傷が確認できたか、もしくは膜が剥離していた。 (4) 保存安定性 上記物性(1) 〜(3) について再現性のある積層体が得ら
れる縮合組成物(D)の保存時間。
【0099】(実施例1〜6、比較例1〜12)表1お
よび表2にモル比で示したそれぞれ所定量のテトラエト
キシシラン、アンモニアによりpHが調整された塩基性
水およびイソプロピルアルコールを、マグネチックスタ
ーラーに供給、800rpmで2時間、20℃で混合
し、縮合組成物(A)を得た。
【0100】表1および表2にモル比で示したそれぞれ
所定量のテトラエトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、塩酸によりpHが調整された酸性水、イソプロピ
ルアルコールを、マグネチックスターラーに供給、80
0rpmで2時間、20℃で混合し、縮合組成物(B)
を得た。
【0101】得られた縮合組成物(A)および縮合組成
物(B)を、表1および表2に示す重量比(縮合組成物
(A)/縮合組成物(B))で、マグネチックスターラ
ーに供給、800rpmで1時間、20℃で混合し、縮
合組成物(C)を得た。
【0102】得られた縮合組成物(C)と、縮合組成物
(C)を製造する際に使用したテトラアルコキシシラン
の合計1モルあたり、表1および表2に示したそれぞれ
所定のモル数のメチルトリエトキシシラン、メチルトリ
メトキシシランを、マグネチックスターラーに供給、8
00rpmで1時間、20℃で混合し、縮合組成物
(D)を得た。次いで、実施例1〜6及び比較例1〜1
0については、得られた縮合組成物(D)の固形分濃度
が1.0〜4.0重量%の範囲に入らない場合にはイソ
プロピルアルコールを加えて攪拌混合し、該固形分濃度
が表1および表2に示した固形分濃度となるように調整
した。比較例11は、該固形分濃度が0.5重量%、比
較例12は、該固形分濃度が5.0重量%となるように
した。
【0103】積層体の製造:上記のように濃度調整され
た縮合組成物(D)に、表1および表2に示したスライ
ドガラス(NAKARAI社製、S−2111、76m
m×26mm×1mm)またはポリカーボネート板(帝
人社製、商品名「テイジンパンライト」、100mm×
40mm×1mm。なお、製膜性をよくするために、ポ
リカーボネート板には、予めコロナ放電処理を、電極と
基材間の距離を5mm、供給電力4.5kW、処理時間
1秒の条件で行った。)を浸漬し、400mm/分の速
度で引き上げた後、室温で10分間放置し被膜が形成さ
れたスライドガラスまたはポリカーボネート板を得た。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】なお、表1および表2、並びに後述の表5
および表6において、テトラアルコキシシランおよびア
ルキルアルコキシシランの種類欄のAは、テトラエトキ
シシランを、Bはメチルトリエトキシシランを、Cはメ
チルトリメトキシシランを、Dはジメチルジエトキシシ
ランを示す。また、IPAはイソプロピルアルコールを
示し、基材欄のPはポリカーボネート板を、Gはスライ
ドガラスを示す。
【0107】なお、比較例2は、縮合組成物(B)の調
製時の酸性水の添加量が少なすぎるため、および比較例
6は、縮合組成物(A)と縮合組成物(B)の混合比が
大きすぎるため、塗布できなかった。また、比較例4
は、縮合組成物(A)の調製時の塩基性水のpHが高す
ぎるため、および比較例8は、縮合組成物(A)の調製
時の有機溶剤量が少なすぎるため、縮合組成物(A)が
ゲル化し縮合組成物(D)を製造できなかった。また、
比較例11は、縮合組成物(D)の固形分濃度が低いた
め、製膜できなかった。
【0108】図1に示した高周波容量結合型プラズマ処
理装置(金属電極4および5の直径80mm、金属電極
4と5の距離30mm)を使用し、上記の被膜が形成さ
れたスライドガラスまたはポリカーボネート板6を金属
電極5の上におき、処理容器2内を1×10-3Torr
まで排気した。次いで、処理容器2内に表3に示した所
定量の4フッ化炭素(CF4 )ガスをガス導入管7か
ら、ヘリウムガスをガス導入管8から(ただし、ヘリウ
ムガスは、実施例3においてだけ使用。他の各例はヘリ
ウムガス使用せず。)供給し、処理容器2内の圧力を表
3に示した所定の圧力に調整した後、電源1から表3に
示した所定の電力を3分間印加して、積層体を得た。
【0109】
【表3】
【0110】(比較例13)特開昭61−247743
号公報の実施例1に従い、 C6 132 4 Si(OCH3 3 50g (CH3 O)3 SiC2 4 6 122 4 Si(OCH3 3 40g Si(OCH3 4 10g を、tert−ブタノール2500gと混合したもの
に、1%塩酸水溶液16.5gを添加し、室温下で24
時間攪拌しながら反応させて、ゾル液を作製した。得ら
れたゾル液に実施例1に使用したものと同様のスライド
ガラスを浸漬し、750mm/分の速度で引き上げた
後、100℃で1時間乾燥させて積層体を得た。
【0111】実施例1〜6、比較例1、3、5、7、
9、10、12および13で得られた積層体を用いて、
前記の評価方法により各物性を評価し結果を表4に示し
た。
【0112】
【表4】
【0113】(実施例7〜14、比較例14〜27)縮
合組成物(D)を調製し、基材に塗布する工程までは、
表5および表6に示した配合組成および基材を用いたこ
との他は、実施例1と同様に行い、それぞれ被膜が形成
されたスライドガラスまたはポリカーボネート板を得
た。
【0114】
【表5】
【0115】
【表6】
【0116】なお、比較例21は、縮合組成物(A)の
調製時の塩基性水の添加量が多すぎるため、縮合組成物
(C)が白濁し塗布できなかった。また、比較例25
は、縮合組成物(A)の調製時の有機溶剤量が多すぎる
ため、縮合組成物(D)を塗布できなかった。
【0117】図2に示したプラズマ処理装置(金属電極
4および5の直径80mm)を使用し、金属電極4およ
び5の電極間距離を5mmとし、下方の金属電極5の上
に固体誘電体11として100mm×100mm×1m
mのポリテトラフルオロエチレンを配設し、この固体誘
電体11上に、上記の被膜が形成されたスライドガラス
またはポリカーボネート板6をおき、処理容器2内を1
0Torrまで排気した。次いで、処理容器2内に表7
に示した所定量の4フッ化炭素(CF4 )ガスをガス導
入管7から、ヘリウムガスをガス導入管8から供給し、
処理容器2内の圧力を表7に示した所定の圧力に調整し
た後、電源1から表7に示した所定の電圧および電流を
30秒間印加して、基材面上に0.1μmの被膜が形成
された積層体を得た。
【0118】
【表7】
【0119】実施例7〜14、比較例14〜20、22
〜24、26、27で得られた積層体を用いて、前記の
評価方法により各物性を評価し結果を表8に示した。
【0120】
【表8】
【0121】
【発明の効果】本発明1の積層体の製造方法の構成は上
記の通りであり、縮合組成物(A)、(B)、(C)及
び(D)を製造するのに、混合装置としてマグネチック
スターラーなどのような簡便な攪拌機で十分であり、高
性能な装置を必要としない。従って、この縮合組成物
(D)は製造が容易であり、得られた縮合組成物(D)
を基材上に塗布し、プラズマ処理することにより、基材
上に反射防止性、撥水性に優れ、さらに、耐擦傷性の高
い被膜が形成された積層体を容易に得ることができる。
また、本発明1の縮合組成物(D)は、その濃度が1.
0〜4.0重量%に限定されているので、保存安定性が
優れている。
【0122】従って、本発明の積層体の製造方法を用い
て得られた積層体は、例えば、メガネレンズ、ゴーグ
ル、コンタクトレンズ等のメガネ分野;車の窓、インパ
ネメーター、ナビゲーションシステム等の自動車分野;
窓ガラス等の住宅・建築分野;太陽電池、光電池、レー
ザー等のエネルギー分野;ノートパソコン、電子手帳、
液晶テレビ、車載用テレビ、液晶ビデオ、プロジェクシ
ョンテレビ、光ファイバー、光ディスク等の電子情報機
器分野;照明グローブ、蛍光灯、鏡、時計等の家庭用品
分野;ショーケース、額、半導体リソグラフィー、コピ
ー機器等の業務用分野;液晶ゲーム機器、パチンコ台ガ
ラス、ゲーム機等の娯楽分野等の分野の材料に用いられ
得る。これらのうち、特に、メガネレンズ、車の窓、イ
ンパネメーター、ナビゲーションシステム、太陽電池、
光電池、レーザー、ノートパソコン、電子手帳、液晶テ
レビ、車載用テレビ、液晶ビデオ、プロジェクションテ
レビ、光ディスク、蛍光灯、液晶ゲーム機器等の材料に
好適に用いられ得る。
【0123】本発明2の積層体の製造方法の構成は上記
の通りであり、縮合組成物(A)、(B)、(C)及び
(D)を製造するのに、混合装置としてマグネチックス
ターラーなどのような簡便な攪拌機で十分であり、高性
能な装置を必要としない。従って、この縮合組成物
(D)は製造が容易であり、得られた縮合組成物(D)
を基材上に塗布し、プラズマ処理することにより、基材
上に反射防止性、撥水性に優れ、さらに、耐擦傷性の高
い被膜が形成された積層体を容易に得ることができる。
また、本発明2の縮合組成物(D)は、その濃度が1.
0〜4.0重量%に限定されているので、保存安定性が
優れている。また、プラズマ処理は、大気圧近傍で行わ
れるので、従来のプラズマ処理のような高い真空度にす
るための減圧工程が不必要であり、連続処理が行えるの
で生産性が優れている。
【0124】従って、本発明2の積層体の製造方法を用
いて得られた積層体は、上記の本発明1の積層体の製造
方法を用いて得られた積層体の利用分野と同様の利用分
野の材料に好適に用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明1の積層体の製造方法に用いられるプラ
ズマ処理装置の一例を示す一部を断面で示す模式図であ
る。
【図2】本発明2の積層体の製造方法に用いられるプラ
ズマ処理装置の一例を示す一部を断面で示す模式図であ
る。
【符号の説明】 1 電源 2 処理容器 3 プラズマ処理部 4 金属電極 5 金属電極 6 基材 7 ガス導入管 8 ガス導入管 9 ガス出口 10 排気口 11 固体誘電体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 183/04 PMQ C09D 183/04 PMQ G02B 1/11 G02B 1/10 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式Si(OR)4 (式中、Rは炭素
    数1〜5のアルキル基)で表されるテトラアルコキシシ
    ラン1モルに対して、pHが10.0〜12.0の塩基
    性水2〜8モル及び有機溶媒10〜30モルを混合して
    得られる縮合組成物(A)と、一般式Si(OR1 4
    (式中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基)で表される
    テトラアルコキシシラン1モルに対して、pHが0〜
    2.6の酸性水3〜8モル及び有機溶媒10〜30モル
    を混合して得られる縮合組成物(B)とを、A/B=
    0.4〜2.4(重量比)で混合して得られる縮合組成
    物(C)、並びに一般式(R2 n Si(OR3 4-n
    (式中、R2 およびR3 は炭素数1〜5のアルキル基、
    nは1〜3の整数)で表されるアルキルアルコキシシラ
    ンを、 縮合組成物(C)の製造に用いられたテトラアルコキシ
    シランの合計1モルに対して、該アルキルアルコキシシ
    ランを0.1〜2モル混合して得られる固形分濃度1.
    0〜4.0重量%の縮合組成物(D)を得る第1工程、 上記縮合組成物(D)を基材上に塗布する第2工程、お
    よび上記塗布物に、1×10-4〜100Torrの圧力
    下でフッ素原子含有ガスが励起されたグロー放電プラズ
    マを接触させて、塗膜中のアルキルアルコキシシランの
    アルキル基をフッ素化する第3工程からなることを特徴
    とする積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の第1工程および第2工程の
    後、上記塗布物を少なくとも一方の対向面に固体誘電体
    が配設された対向する金属電極間に配置し、10体積%
    以下のフッ素原子含有ガスと残部が不活性ガスからなる
    混合ガスの大気圧近傍の圧力下で、金属電極間に電圧を
    印加し、発生したガスの放電プラズマを該縮合組成物
    (D)の塗布面に接触させて、塗膜中のアルキルアルコ
    キシシランのアルキル基をフッ素化する第3工程からな
    ることを特徴とする積層体の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105461234A (zh) * 2014-09-30 2016-04-06 佛山市高明区(中国科学院)新材料专业中心 疏水自清洁减反射涂层及其制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105461234A (zh) * 2014-09-30 2016-04-06 佛山市高明区(中国科学院)新材料专业中心 疏水自清洁减反射涂层及其制备方法
CN105461234B (zh) * 2014-09-30 2018-04-27 佛山市高明区(中国科学院)新材料专业中心 疏水自清洁减反射涂层及其制备方法

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