JPH08317976A - 注射器 - Google Patents

注射器

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JPH08317976A
JPH08317976A JP7152486A JP15248695A JPH08317976A JP H08317976 A JPH08317976 A JP H08317976A JP 7152486 A JP7152486 A JP 7152486A JP 15248695 A JP15248695 A JP 15248695A JP H08317976 A JPH08317976 A JP H08317976A
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JP
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injection
outer cylinder
plunger
syringe
locking
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JP7152486A
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English (en)
Inventor
Keinosuke Isono
啓之介 磯野
Hiroshi Motobayashi
博志 本林
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 注射剤の滅菌が簡単且つ確実にでき、また二
成分の混合された注射剤がその使用時に無菌的に外筒内
に簡単に提供できる注射器を提案。 【構成】 注射針が取付られる射出口が形成された外筒
と、該外筒内を液密に摺動するガスケットが先端に取付
けられたプランジャーと、上記外筒内に予め液密に充填
されて蒸気滅菌がなされた注射剤とからなる注射器にお
いて、上記注射剤の通路口があるハウジングを具えた除
菌フィルタが設けられて、また上記除菌フィルタの通路
口が上記射出口に無菌的に脱抜可能に接続され、上記射
出口が接続される除菌フィルタの通路口と反対側の通路
口に、上記注射剤と混合する第二成分の薬剤の容器と連
通するための連通手段が設けられ、上記プランジャーの
引き戻し時に、該プランジャー側には上記外筒との間に
係止関係を有する係止部が形成されていることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、予め注射剤が充填され
た注射器に関するものであり、より詳細には、注射剤の
滅菌処理が簡単かつ確実になされ、また使用時に混合さ
れる二成分系の注射剤の無菌的な提供が極めて容易にな
される予め注射剤が充填された注射器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】最近、医療事故を未然に防止するため
に、また院内感染等を極力防止するために、予め滅菌又
は無菌状態で外筒内に薬剤又は薬液等の注射剤が充填さ
れたプレフィールドシリンジと一般に称される注射器が
提案されている。また、かかるプレフィールドシリンジ
には二医薬成分以上の注射剤がその注射時まで分離して
充填されている多成分用注射器も提案されている。
【0003】従来、このような注射器には、先端部に注
射針が取り付けられる射出口を有した外筒及び液密に外
筒に挿入されるガスケットを有したプランジャー以外
に、上記射出口を塞ぎ液密に挿入されて上記外筒内の先
端奥部に配せられる栓体を有し、その栓体とガスケット
との間に注射液が液密充填されたものが提案されている
(実開平2−51560号公報)。このような注射器で
は所定量の注射液がほぼ満杯(充填室にエア等の侵入が
殆どない状態)に外筒に液密に充填することができる。
また、蒸気滅菌等も極めて容易であり、滅菌時にガスケ
ットをある程度、摺動可能とすれば、充填室内に圧もか
からない状態でスムーズに滅菌できる方法等が採用でき
る(特開平5−253296号公報、特開平5−305
140号公報)。
【0004】また、プレフィールドシリンジとしては、
2以上の注射成分が別々に充填される多成分用注射器も
提案されている(特開平2−5973号公報)。かかる
注射器は、注射器外筒内に2室を分ける仕切り栓体が設
けられ、また外筒の壁には半径方向外方への膨張部から
なるバイパスが設けられる。そして、その使用時、プラ
ンジャーの挿入操作により、仕切り栓体がバイパスに位
置したときに、異なる注射剤が収容された2室がバイパ
スを介して連通するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
多成分用注射器では、その製造時における第一及び第二
注射剤の充填時に問題が生じる。即ち、二成分系の従来
の注射器では、先ず、ガスケットと仕切栓体との間に注
射剤が充填され、高圧蒸気滅菌にかけられる。次に、射
出口等から上記注射剤と混合される抗生物質等の熱に弱
い第二成分の薬剤が仕切栓体を境に無菌的に充填され
る。かかる場合、薬剤の凍結乾燥等が同時に行われる
が、その減圧乾燥時に仕切栓体から第一成分である注射
剤が薬剤側に漏洩することがある。また、薬剤を射出口
から充填することも製造技術上、極めて困難である。更
に、使用時における第一成分と第二成分との注射剤を狭
い外筒内で充分に混合することができないことがある。
このため、無菌的に注射剤が混合された状態で外筒内に
確実にプレフィールドされる安全性が低く、課題となっ
ている。
【0006】従って、本発明の目的は、注射剤の滅菌が
簡単且つ確実にでき、また二成分の混合された注射剤が
その使用時に無菌的に外筒内に簡単に提供できる注射器
を提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、注射針が取付
られる射出口が形成された外筒と、該外筒内を液密に摺
動するガスケットが先端に取付けられたプランジャー
と、上記外筒内に予め液密に充填されて蒸気滅菌がなさ
れた注射剤とからなる注射器において、上記注射剤の通
路口があるハウジングを具えた除菌フィルタが設けられ
て、また上記除菌フィルタの通路口が上記射出口に無菌
的に脱抜可能に接続され、上記射出口が接続される除菌
フィルタの通路口と反対側の通路口に、上記注射剤と混
合する第二成分の薬剤の容器と連通するための連通手段
が設けられ、上記プランジャーの引き戻し時に、該プラ
ンジャー側には上記外筒との間に係止関係を有する係止
部が形成されていることを特徴とする注射器を提供する
ことにより、上記目的を達成したものである。
【0008】本発明は、上記プランジャーの基端に、回
動可能で、且つ該回動部が折り取り可能な係止バーが設
けられ、該係止バーには、上記外筒に係止する上記係止
部が形成されていることを特徴とすることができる。本
発明はまた、上記プランジャーには係止用切り欠き部が
形成され、上記プランジャーの挿通孔を有し、且つ上記
切り欠き部に挿入可能な該挿通孔の内周縁を有する係止
部材が上記外筒の基端部に取り付けられていることを特
徴とすることができる。
【0009】
【作用】上記注射器は外筒内で確実に第一成分である注
射剤が高圧蒸気滅菌され、また除菌フィルタが無菌的に
接続されている。除菌フィルタの無菌的な接続は、注射
剤の高圧蒸気滅菌時に除菌フィルタのハウジングを外筒
の射出口に接続しておけば容易に達成できる。また、除
菌フィルタの無菌的な接続は、かかる方法以外に予め注
射剤及び外筒を高圧蒸気滅菌した後、無菌的に除菌フィ
ルタを接続することによっても達成できる。従って、注
射剤の高圧蒸気滅菌時に第二成分等の薬剤が存在せず、
高圧蒸気滅菌処理を煩雑にすることはない。上記注射器
の使用の際、先ず除菌フィルタに設けられている連通手
段を第二成分薬剤の容器に接続することから始まる。第
二成分薬剤としてはバイアル内に収納された粉末、顆粒
等の抗生物質等が主に挙げられる。従って、連通手段
は、通常バイアルの口栓に刺針される連通針等がある。
このため、バイアル等の薬剤容器が机等に載置され、上
記注射器の連通手段である連通針等を容器内刺し込む。
これにより、除菌フィルタのハウジング内を介して容器
内を外筒内に連通させる。
【0010】連通した状態で、注射器のプランジャーを
押し込み、滅菌された注射剤を薬剤容器側に流入する。
薬剤容器内で注射剤と薬剤を十分に混合し、薬剤容器と
注射器を接続したまま転倒支持する。そして、上記プラ
ンジャーを外筒内から強制的に引き戻し、プランジャー
を上記係止部を介して外筒に係止させる。この場合、プ
ランジャーを混合注射剤の戻りより早くして外筒に係止
させるため、除菌フィルタを境にして外筒内側が負圧と
なるようにする。従って、混合注射剤が通過抵抗のある
除菌フィルタを5〜30秒間かけて強制的に通過して外
筒内に戻ってくる。このため、除菌フィルタを介して混
合注射剤を外筒内に素早く戻す作業ができると共に、作
業者者はプランジャーを引き戻し保持するための労力が
軽減され操作が安定する。外筒内に混合注射剤が戻った
後、除菌フィルタの通路口を外筒の射出口から外し、注
射針と差し替える。これにより、除菌フィルタによりほ
ぼ完全に無菌処理された二成分の混合注射剤が無菌的に
外筒内に提供されることとなる。
【0011】また、薬剤容器が凍結乾燥等で完全なかた
ちでの滅菌処理が保証されていなくても、除菌フィルタ
はそのフィルタ機能により、外筒内に戻り供給される際
に混合注射剤が極めて高い無菌性を保証する。また、注
射剤を第二成分である薬剤のバイアル容器に流入させた
場合、バイアル内のエアは除菌フィルタのエアロックに
より外筒側の流入が阻止されるため、バイアル内は陽圧
となる。そして、かかる陽圧は、混合注射剤を再び除菌
フィルタを介して戻す付勢となる。このため、混合薬剤
は、外筒内の負圧と相まって除菌フィルタに多少の抵抗
があってもスムーズに戻る作用がありその処理を容易に
する。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係る注射器の好ましい実施例
を添付図面を参照しながら詳述する。図1は本発明の注
射器の第一実施例の断面図、図2は第一実施例の注射器
の要部断面図、図3は第一実施例の注射器を薬剤容器に
接続、流入した状態を示す断面図、図4は第一実施例の
注射器のプランジャーを引き戻して外筒に係止した状態
を示す断面図、図5は第一実施例の注射器を用いて注射
を開始する際の状態を示す断面図である。
【0014】図1乃至図5に示す如く、本実施例の注射
器1は、注射針7が取付られる射出口2Aが形成された
外筒2と、外筒2内を液密に摺動するガスケット4が先
端に取付けられたプランジャー3と、外筒2内に予め液
密に充填されて蒸気滅菌がなされた注射剤6とからな
る。また、注射器1は、注射剤6の通路口8Aがあるハ
ウジング8を具えた除菌フィルタ10が設けられて、ま
た除菌フィルタ10の通路口8Aが射出口2Aに無菌的
に脱抜可能に接続され、射出口2Aが接続される除菌フ
ィルタ10の通路口8Aと反対側の通路口9Aに、注射
剤6と混合する第二成分の薬剤32のバイアル31と連
通するための連通針16が設けられ、プランジャー3の
引き戻し時に、プランジャー3側には外筒2との間に係
止関係を有する係止バー20の係止部24が形成されて
いる。
【0013】プランジャー3の基端面3Aに、回動可能
で、且つ回動部23が折り取り可能な係止バー20が設
けられ、係止バー20には、外筒2に係止する係止部2
4が形成されている。
【0015】更に、本実施例の注射器1について詳しく
説明すると、注射器1は、外筒2内の先端奥部に栓体5
を配して射出口2Aを塞ぎ、栓体5とガスケット4との
間に注射剤6が液密充填されている。栓体5は、射出口
2Aから一定間隔あけてガスケット4側に設けられ、栓
体5と射出口2Aとの間の外筒2部分の壁には、バイパ
ス孔11、11、11が設けられると共に、外筒2部分
の外側からバイパス孔11を覆うカバー部材12が設け
られ、バイパス孔11とカバー部材12とは、栓体5が
射出口2Aまで達する際に注射剤6が射出口2Aに流通
するバイパスとなる。
【0016】注射器1の外筒2は、ガラス筒又はプラス
チック筒でもよい。しかし、外筒2にバイパス孔11等
を形成するため、またカバー部材12を固着するためプ
ラスチック筒であることが好ましい。使用されるプラス
チック材としては、例えば、低密度或は高密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブタジエン−1等のポリオ
レフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩
化ビニリデン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
ビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、アクリロニトリル共重合体、ポリエチレンテレフタ
レート等を挙げることができる。特に、ポリオレフィン
類は汎用性及び薬剤に影響を与えない点で好ましく、更
には非晶質の環状のオレフィンコポリマー等の高いガラ
ス転移温度を有し比重が1.1以下の軽量なものが望ま
しい。具体的には、光デイスク基板、光学レンズなどの
材料として最近用いられている商標名ゼオネックス(日
本ゼオン株式会社)、商標名アペル(三井石油化学工業
株式会社)等のポリオレフィン系樹脂である。
【0017】ガスケット4及び栓体5は外筒2の内壁と
液密を保つ程度の弾性体を有するものであれば良い。具
体的にはゴム製のガスケット及びゴム栓が用いられる。
栓体5は、射出口2Aから一定間隔あけてガスケット4
側に設けられ、ガスケット4と栓体5との間の外筒2内
には注射剤6が滅菌状態で充填される。滅菌は高圧蒸気
滅菌がなされており、これ以外にも無菌充填などが可能
であるが、滅菌を確実にするには高圧蒸気滅菌が望まし
い。栓体5と射出口2Aとの間の外筒2の壁面には、少
なくとも1以上のバイパス孔11、11・・が形成さ
れ、バイパス孔11は長孔に形成され、栓体5の液密幅
Wより長い径Lを有している。バイパス孔11は、外筒
2の外壁に液密に固着されるカバー部材12に覆われ、
カバー部材12は円筒状の樹脂成形物からなっている。
また、ここでのカバー部材12は、バイパス孔11を覆
うだけでなく、外筒2の高圧滅菌時の栓体5が位置する
部分も外筒2を介して覆っている。尚、本実施例では、
カバー部材12を円筒状にして好ましいものとしている
が、バイパス孔11を覆う限り、カバー部材12の形状
は弧状に曲げられたプレートであっても良い。
【0018】除菌フィルタ10には一対のハウジング
8、9が設けられ、各ハウジング8、9はそれぞれ通路
口8A、9Aが形成される。ハウジング8は、通路口8
Aが細長く形成され、通路口8Aは無菌状態で射出口2
Aに接続部材13を介して接続される。ハウジング8に
は、除菌フィルタ10の周縁を挟んで反対側のハウジン
グ9が熱融着される。また除菌フィルタ10は図示しな
い支持ネットにより両面から支持され、除菌フィルタ1
0の押出側であるハウジング9の通路口9Aにはバイア
ル31の接続用の連通針16が取り付けられる。尚、連
通針16には汚染防止用のキャップ17が取り付けられ
る。
【0019】ハウジング8、9及び連通針16は熱融着
可能な樹脂成形物からなり、ハウジング8、9は除菌フ
ィルタ10を挟んで互いに液密に固着され、連通針16
は液密に通路口9Aに挿入固着される。尚、注射器1の
本体及び除菌フィルタ10は、射出口2Aと通路口8A
が接続部材13で接続された後、高圧蒸気滅菌にかけら
れ接続部が無菌化される。但し、本体のみを高圧蒸気滅
菌した後に、通路口8Aを無菌的に接続部材13を介し
て接続しても良い。高圧蒸気滅菌には一般的なオートク
レーブが使用され、オートクレーブ内は、例えば、不活
性ガスで置換した後に100乃至130℃の温度で行
う。
【0020】除菌フィルタ10はメンブレンフィルタか
らなるが、一般的なスクリーンタイプ、デプスタイプ、
アニソトロピックタイプ等の一般フィルタ等も使用でき
る。またフィルタ10の膜の孔径は、0.6μm以下、
好ましくは0.45μm以下、更に好ましくは0.22
μm以下である。上記範囲内の孔径であれば、細菌の通
過をほぼ完全に阻止し、更に0.45μm以下では細菌
の破片等の毒性成分の除去ができ、0.22μm以下で
は破片等の毒性成分を殆ど除去しうる。
【0021】除菌フィルタ10は親水性であり、本実施
例においては、親水化処理したポリビニリデンフロライ
ドが用いられ、注射剤6中の溶質物の付着をさけてい
る。除菌フィルタ10は本実施例のものに限ることは無
く、例えば、酢酸セルロース、セルロースエステル、硝
酸セルロース、再生セルロース等セルロース系膜、ナイ
ロン等を中心としたポリアミド系膜、粉末或は分散媒中
のフッ化エチレン系樹脂等から製造されるテフロン系
膜、ポリスチレン、フタル酸等からなるビニル系膜、結
晶性ポリプロピレン等を融解押出し急速延伸等して得ら
れるポリオレフィン系膜、アクリル系膜、ポリカーボネ
ート系膜、塩化ビニリデン系膜等を挙げることができ
る。
【0022】また図2に示す如く、係止バー20はプラ
スチック成形バーであり、その基端部21は、プランジ
ャー3の基端面3Aに固着される。係止バー20は、折
り曲げ部22を介して基端部21と回動部23とに分け
られ、回動部23は、図2の状態から150度回動する
と基端部21からの折り取りが可能となっている。ま
た、回動部23の所定の先端側面には係止部24が形成
され、係止部24は外筒2の基端2Bに係脱可能になっ
ている。
【0023】尚、外筒2及び除菌フィルタ10は、包装
材により無菌包装され、包装材は所定の大きさに裁断さ
れた可撓性のチューブ状樹脂シートの両端部をヒートシ
ールして形成される。樹脂シートは、低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、塩素化
ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系エラスト
マー、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂等を用いることができる。尚、本実施例の
好ましい包装材は柔軟性に優れ破袋強度の大きなポリエ
チレン及びポリエステルのラミネートシールである。ま
た、滅菌は、外筒2及び除菌フィルタ10を包装材内に
収納した後、充填注射剤6と共に包装材内を高圧蒸気滅
菌することができる。また、充填注射剤6を高圧蒸気滅
菌した後、包装材内に注射器本体を収納し、両端部等を
滅菌ガスが透過性のシールをしてエチレンオキサイドガ
ス滅菌をして包装材内の滅菌してもよい。また、ガス滅
菌以外に、ガンマー線滅菌等のその他の公知の滅菌方法
を用いても良い。本実施例においては、上記ガス滅菌が
なされる。
【0024】図3に示す如く本実施例に使用されるバイ
アル31は、ガラス瓶からなり、薬剤32はゴム密栓3
3を有した取出口34から無菌的に充填される。尚、薬
剤容器は、本実施例の如くガラス製のバイアル31に限
ることはなく、プラスチック製の容器でもよく、また非
定型性のバックや可撓性のボトル等であってもよい。本
実施例では第二成分の薬剤32は粉末の抗性物質であ
る。しかし、本実施例にあっては、薬剤32を粉末に限
る必要はなく液剤であっても良い。また具体的な液剤と
しては、アミノ酸の一種であるグルタミン酸がある。特
に、グルタミン酸水溶液を100℃に加熱すると一部ヒ
ロリドン化し変質してしまうので、高圧蒸気滅菌ができ
ない。このように水溶液の状態で滅菌できない薬剤も対
象となる。
【0025】次に、上記注射器1の使用について説明す
る。図1の示す状態で、先ず包装材等を取り除き、連通
針16からキャップ17を取り外し、バイアル31のゴ
ム栓33に連通針16を刺針しバイアル31と除菌フィ
ルタ10及び外筒2とを接続する。図2に示す如く係止
部材20の回動部23を少し回動させ、係止部24を外
筒2の基端部2Bから外す。バイアル31を机などに載
置してプランジャー3を外筒2内に押し込み図3に示す
状態とする。即ち、栓体5がバイパス孔12の位置に注
射剤6を介して押し込まれ、バイパス孔12は外筒2の
厚み分だけ、カバー部材22と栓体5の外壁面との間に
空隙を形成する。そして、バイパス孔12の長径Lが栓
体5の液密幅Wより大きいことから、その空隙は、注射
剤6の充填側と射出口2Aとを連通するバイパスとな
る。次に図3の状態まで押し込み、注射剤6をバイアル
31内に完全に流入し、第二成分である薬剤と完全に混
合する。この場合、除菌フィルタ10にはエアロック作
用が働くため、エアの置換は起こらずバイアル31内は
陽圧化状態となる。混合後、図4に示す如く、バイアル
31を転倒、プランジャー3を引き戻す。
【0026】図4の状態で、除菌フィルタ10の透過抵
抗により、外筒2内側が負圧で、バイアル31内が陽圧
となる。そして、プランジャー3の係止部24を介して
プランジャー3を外筒2に係止して保持する。プランジ
ャー3の保持により、手等での保持操作が不要で、5乃
至30秒程度の間、待つことによりバイアル31内の注
射剤が通過抵抗のある除菌フィルタを介して強制的に素
早く戻りを完了する。そして、除菌フィルタ10の通路
口8を外筒2の射出口2Aから外し、注射針7と差し替
える。これにより、除菌フィルタ10によりほぼ完全に
無菌処理された二成分の混合注射剤が無菌的に外筒内に
提供されることとなる。尚、注射器1の保存時に、プラ
ンジャー3の係止部24により、外筒2内へのプランジ
ャー3の不用意な押し込み防止となる。
【0027】この場合、バイアル31内が凍結乾燥、無
菌充填等で完全なかたちでの滅菌処理が保証されていな
くても、除菌フィルタ10はそのフィルタ機能により、
外筒2内に戻り供給される際に混合注射剤が極めて高い
無菌性を保証する。また、注射剤を第二成分である薬剤
のバイアル31に流入させた場合、バイアル31内のエ
アは除菌フィルタ10のエアロックにより外筒2側の流
入が阻止されるため、バイアル10内は陽圧となる。そ
して、かかる陽圧は、混合注射剤を再び除菌フィルタ1
0を介して戻す付勢となる。このため、混合注射剤は、
外筒2内の負圧と相まって除菌フィルタ10に多少の抵
抗があってもスムーズに戻る作用がある。尚、上記実施
例では、注射剤6の滅菌充填方法として栓体4にバイパ
ス孔11を設ける形態を採った。しかし、プランジャー
3を押し込むことにより、外筒2内と射出口2Aとが連
通可能なものでれば上記形態に限る必要はない。また、
上記実施例では、除菌フィルタ10と射出口2Aとに弾
性の接続部材13を設けたが、無菌的に接続可能で、注
射針7との取り替えができる限り、どのような接続部材
であってもよく、また除菌フィルタ10と射出口2Aを
直接接続させてもよい。
【0028】図6〜図8は、第一実施例の注射器1の変
形例を示したものである。図6は、変形例の注射器の断
面図、図7の(A)及び(B)は、図6の注射器のプラ
ンジャーに係止部材が取り付けられた図、図8の(A)
〜(C)は、外筒2の基端面に取り付けられる係止部材
の平面図である。かかる変形例の注射器40は、連通針
16を備えた除菌フィルタ10を有し、除菌フィルタ1
0の通路口8Aが無菌的に外筒2の射出口2Aに脱抜可
能に取り付けられ、無菌用シール部26を有した包装材
25が設けられる点は、第一実施例と同様である。ここ
で、相違する点は、プランジャー3の係止部が、プラン
ジャー3に形成された切り欠き41と成っている点であ
る。即ち、プランジャー3には係止用切り欠き部41が
形成され、プランジャー3の挿通孔43を有し、且つ切
り欠き部41に挿入可能な挿通孔43の内周縁を有する
係止部材42が外筒2の基端フランジ2Bに取り付けら
れている。
【0029】更に説明すると、図7に示す如く、プラン
ジャー3は、軸部3Bの所定の位置に係止用切り欠き部
41が形成される。プランジャー3の先端3Cにはガス
ケット4が螺合して取り付けられ、軸部3Bはガスケッ
ト4に対して少し回動可能になっている。図8に示す如
く、係止部材42には中央に矩形状の挿通孔43が形成
され、挿通孔43には断面形状が十字の軸部3Bが、プ
ランジャー3にガスケット4を取り付ける前に挿入され
ている。係止部材42の外周縁部44は折り曲げられ、
外筒の基端フランジ2Bはその外周縁44に抱持され
る。従って、係止部材42は図8(A)に示す外筒の基
端フランジ2Bに係着される。また、プランジャー3の
引き戻しにより、プランジャー3の切り欠き部41が図
7に示す如く係止部材42の位置し、図8(B)のプラ
ンジャーの軸部3Bの状態から、その軸部3Bを45度
回動して図8(C)の状態にしたとき、切り欠き部41
に係止部材42の係止孔43の内周縁が挿入される。
【0030】このような構成においても、実施例1の注
射器と同様に、混合注射剤6を再び外筒2内に戻す際
に、プランジャー3を引き戻し、その軸部3Bを回動
し、切り欠き部41に係止部材42の係止孔43の周縁
部を挿入されることにより、外筒2にプランジャー3を
係止させることができる。従って、このような構成にあ
る注射器40にあっても、第一実施例と同様な作用効果
を奏することができる。尚、上記実施例においては、係
止部材42の係止孔43を矩形状としたが、これに限る
必要はなく、プランジャー3の切り欠き部41に係止孔
43の周縁が一部挿入可能なもであれば良い。また上記
実施例では、係止部材42を外筒2の基端フランジ2B
に曲げ外周縁部44を介して係着したが、完全に接着剤
等で接着することもできる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明の注射器は、
上記注射剤の通路口があるハウジングを具えた除菌フィ
ルタが設けられて、また上記除菌フィルタの通路口が上
記射出口に無菌的に脱抜可能に接続され、上記射出口が
接続される除菌フィルタの通路口と反対側の通路口に、
上記注射剤と混合する第二成分の薬剤の容器と連通する
ための連通手段が設けられ、上記プランジャーの引き戻
し時に、該プランジャー側には上記外筒との間に係止関
係を有する係止部が形成されているので、注射剤の滅菌
が簡単且つ確実にでき、また二成分の混合された注射剤
がその使用時に無菌的に外筒内に簡単に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の注射器の第一実施例の断面図である。
【図2】第一実施例の要部断面である。
【図3】第一実施例の注射器を薬剤容器に接続して注射
剤を薬剤容器内に注入し状態を示す断面図である。
【図4】第一実施例の注射器のプランジャーを引き戻し
た状態を示す断面図である。
【図5】第一実施例の注射器を用いて注射を開始する際
の状態を示す断面図である。
【図6】第一実施例の変形例である注射器の断面図であ
る。
【図7】(A)及び(B)は、図6の注射器のプランジ
ャーに係止部材が取り付けられた図である。
【図8】(A)〜(C)は、外筒2の基端面に取り付け
られる係止部材の平面図である。
【符号の説明】
1、40 注射器 2 外筒 2A 外筒の射出口 2B 外筒の基端フランジ 3 プランジャー 3A プランジャーの基端面 3B プランジャーの軸部 3C プランジャーの先端部 4 ガスケット 5 栓体 6 注射剤 7 注射針 8、9 ハウジング 8A、9A 通路口 10 除菌フィルタ 11 バイパス孔 12 カバー部材 13 接続部材 16 連通針 20 係止バー 21 係止バーの基端部 22 係止バーの折り曲げ部 23 係止バーの回動部 24 係止部 31 バイアル 32 薬剤 33 ゴム栓 41 切り欠き部 42 係止部材 43 係止孔 44 外周縁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 注射針が取付られる射出口が形成された
    外筒と、該外筒内を液密に摺動するガスケットが先端に
    取付けられたプランジャーと、上記外筒内に予め液密に
    充填されて蒸気滅菌がなされた注射剤とからなる注射器
    において、 上記注射剤の通路口があるハウジングを具えた除菌フィ
    ルタが設けられて、また上記除菌フィルタの通路口が上
    記射出口に無菌的に脱抜可能に接続され、 上記射出口が接続される除菌フィルタの通路口と反対側
    の通路口に、上記注射剤と混合する第二成分の薬剤の容
    器と連通するための連通手段が設けられ、 上記プランジャーの引き戻し時に、該プランジャー側に
    は上記外筒との間に係止関係を有する係止部が形成され
    ていることを特徴とする注射器。
  2. 【請求項2】 上記プランジャーの基端に、回動可能
    で、且つ該回動部が折り取り可能な係止バーが設けら
    れ、該係止バーには、上記外筒に係止する上記係止部が
    形成されていることを特徴とする請求項1記載の注射
    器。
  3. 【請求項3】 上記プランジャーには係止用切り欠き部
    が形成され、上記プランジャーの挿通孔を有し、且つ上
    記切り欠き部に挿入可能な該挿通孔の内周縁を有する係
    止部材が上記外筒の基端部に取り付けられていることを
    特徴とする請求項1記載の注射器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015509434A (ja) * 2012-03-08 2015-03-30 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニーBecton, Dickinson And Company 薬剤再構成系

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015509434A (ja) * 2012-03-08 2015-03-30 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニーBecton, Dickinson And Company 薬剤再構成系

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