JPH08332225A - 注射器 - Google Patents

注射器

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JPH08332225A
JPH08332225A JP7164801A JP16480195A JPH08332225A JP H08332225 A JPH08332225 A JP H08332225A JP 7164801 A JP7164801 A JP 7164801A JP 16480195 A JP16480195 A JP 16480195A JP H08332225 A JPH08332225 A JP H08332225A
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JP
Japan
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outer cylinder
injection
syringe
injection port
plug
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Application number
JP7164801A
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English (en)
Inventor
Keinosuke Isono
啓之介 磯野
Hiroshi Motobayashi
博志 本林
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
Original Assignee
Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外筒の成形が極めて簡単にでき、滅菌等が簡
単にできると共に、注射時の取扱や汚染等に対する安全
性が十分に確保される予め液充填された注射器を提供。 【構成】 先端部に注射針が取り付けられる射出口を有
した外筒と、ガスケットが取り付けられて上記外筒に挿
入されるプランジャーとからなり、また上記外筒内の先
端奥部に栓体を配して上記射出口を塞ぎ該栓体とガスケ
ットとの間に注射剤が液密充填される注射器において、
上記外筒は熱可塑性樹脂の成形物であり、上記栓体は、
上記射出口から一定間隔あけて上記ガスケット側に設け
られ、上記栓体と射出口との間の上記外筒部分の内側壁
には、上記外筒のほぼ軸方向に延びる凸条リブが形成さ
れ、上記栓体が射出口まで達する際に、上記凸条リブに
より上記栓体の外周壁が弾性変形して上記注射剤が射出
口に流通する空隙が形成されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、予め注射剤が充填され
た注射器に関するものであり、より詳細には、外筒の射
出成形が簡単で、注射剤を外筒内に液密に充填して滅菌
処理が簡単にでき、また注射剤に第二成分の薬剤を簡単
且つ無菌的に混合操作して注射可能状態とすることがで
きる注射器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、医療事故を未然に防止するため
に、また院内感染等を極力防止するために、予め滅菌又
は無菌状態で外筒内に薬剤又は薬液等の注射剤が充填さ
れたプレフィールドシリンジと一般に称される注射器が
提案されている。また、かかるプレフィールドシリンジ
には二医薬成分以上の注射剤がその注射時まで分離して
充填されている多成分用注射器も提案されている。
【0003】従来、このような注射器には、先端部に注
射針が取り付けられる射出口を有した外筒及びガスケッ
トを有したプランジャー以外に、上記外筒内の先端奥部
に配せられ上記射出口を塞ぐ栓体を有し、その栓体とガ
スケットとの間に注射液が液密充填されたものが提案さ
れている(実開平2−51560号公報)。このような
注射器では所定量の注射液がほぼ満杯(充填室にエア等
の侵入が殆どない状態)に外筒に液密に充填することが
できる。また、蒸気滅菌等も極めて容易であり、滅菌時
にガスケットをある程度、摺動可能とすれば、充填室内
に圧もかからない状態でスムーズに滅菌できる方法等が
採用できる(特開平5−253296号公報、特開平5
−305140号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
注射器では、注射時に射出口と充填室とを連通させるた
めに、両端に刺針部を有する両端刺型注射針が使用され
る。かかる注射針は射出口の装着時に外筒内の栓体を一
旦刺針するため、注射針の取扱に対する耐汚染性が失わ
れるおそれがある。また注射時の現場で注射針の装着手
続が必要となるため、操作上の汚染に対する安全性も低
める。また、従来の注射器に使用される外筒は、高価な
ガラス製の外筒であるが、かかる外筒はプラスチック製
のものと異なり、成形が容易でなく、使用後の消却処理
に手間がかかるるという問題がある。
【0005】更に、二医薬成分型の注射器にあっては、
抗生物質等の熱に弱い薬剤が高圧蒸気滅菌ができないた
め、無菌操作によって注射器の外筒内に充填しなければ
ならない。しかも、既に高圧蒸気滅菌をした第一成分で
ある薬液を充填した状態で外筒に第二成分である薬剤を
無菌充填しなければならないという製造上の煩雑さがあ
る。また、第二成分の薬剤の充填に際しては、凍結乾燥
等を行うが、かかる乾燥時に二成分を分ける栓体の隙間
から第一成分の薬液が漏れでることがある。このため、
無菌的な注射液が外筒内に確実にプレフィールドする安
全性も低く、問題となっている。
【0006】従って、本発明の目的は、外筒の成形が極
めて簡単にでき、滅菌等が簡単にできると共に、注射時
の取扱や汚染等に対する安全性が十分に確保される予め
液充填された注射器を提供することにある。本発明の目
的はまた、注射剤の充填及び滅菌が簡単且つ確実になさ
れ、注射剤に第二成分の薬剤を簡単且つ無菌的に混合操
作して注射可能状態製に容易にセットすることができる
注射器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、先端部に注射
針が取り付けられる射出口を有した外筒と、ガスケット
が取り付けられて上記外筒に挿入されるプランジャーと
からなり、また上記外筒内の先端奥部に栓体を配して上
記射出口を塞ぎ該栓体とガスケットとの間に注射剤が液
密充填される注射器において、上記外筒は熱可塑性樹脂
の成形物であり、上記栓体は、上記射出口から一定間隔
あけて上記ガスケット側に設けられ、上記栓体と射出口
との間の上記外筒部分の内側壁には、上記外筒のほぼ軸
方向に延びる凸条リブが形成され、上記栓体が射出口ま
で達する際に、上記凸条リブにより上記栓体の外周壁が
弾性変形して上記注射剤が射出口に流通する空隙が形成
されることを特徴とする注射器を提供することにより、
上記目的を達成したものである。
【0008】本発明は、その上記凸条リブが上記外筒の
先端奥部に向かって徐々に隆起したテーパ頂部となって
いることを特徴とする。本発明はまた、上記凸条リブに
おいて、凸条リブ頂部の最大高さ(S)が上記外筒の内
径(L)の1/20〜1/5倍であることを特徴とす
る。本発明は更に、上記凸条リブが上記外筒の内壁面に
所定間隔を置いて複数形成され、上記凸条リブ同士の間
隔(W)が該凸条リブ頂部の最大高さ(S)に対して
0.3〜8倍であることを特徴とする。
【0009】本発明は、その上記栓体には外筒の内周壁
と液密性を高める複数の周条弾性リブが半径方向に向け
て形成され、挿入最先端側に位置する周条弾性リブは、
他の周条弾性リブより径が小さく、且つ幅広に形成され
ることを特徴とするものである。本発明の上記外筒の射
出口が形成される肩部の内壁には、突起部又は溝部が形
成され、上記突起部又は溝部は、上記空隙に流れる上記
注射剤を上記射出口に導く通路を形成してなることを特
徴とする。
【0010】本発明はまた、先端部に注射針が取り付け
られる射出口を有した外筒と、ガスケットが取り付けら
れて上記外筒に挿入されるプランジャーとからなり、ま
た上記外筒内の先端奥部に栓体を配して上記射出口を塞
ぎ該栓体とガスケットとの間に注射剤が液密充填される
注射器において、上記外筒は熱可塑性樹脂の成形物であ
り、上記栓体は、上記射出口から一定間隔あけて上記ガ
スケット側に設けられ、上記栓体と射出口との間の上記
外筒部分の内側壁には、上記外筒のほぼ軸方向に延びる
凸条リブが形成され、上記栓体が射出口まで達する際
に、上記凸条リブにより上記栓体の外周壁が弾性変形し
て上記注射剤が射出口に流通する空隙が形成され、上記
射出口に脱抜可能に無菌的に接続される通路口が形成さ
れたハウジングを有してなる除菌フィルタを具備し、該
除菌フィルタは射出口が接続される通路口と反対側の通
路口に、上記注射剤と混合する第二成分の薬剤容器と連
通するための連通針が設けられることにより、上記第二
の目的を達成したものである。
【0011】
【作用】上記注射器にあっては、その製造時に外筒は簡
単に射出成形される。即ち、樹脂成形物である外筒を射
出成形する場合、外筒の先端内壁に形成される凸条リブ
を容易に形成することができる。凸条リブは軸方向に形
成され外筒の先端奥部に向かうものであるため、射出成
形時の型外しが容易にできる。更に、凸条リブが先端奥
部に向かって徐々に頂部が隆起してテーパ状に形成され
ると、外筒成形物は型外し時の歪み等の影響を受け難
い。また上記注射器の組立に際しては、外筒内に先ず栓
体を挿入し、注射剤を充填し、ガスケットを嵌めて高圧
蒸気滅菌を行う。尚、注射針は一般的なものが用いられ
予め外筒の射出口に取り付けて蒸気滅菌をしても良い。
従って、注射剤の高圧蒸気滅菌は簡単になされ、両端刺
型注射針等を取り付ける場合と相違して、通常の注射針
を既に外筒に滅菌装着しておくことができる。
【0012】次に、上記注射器の使用時においては、図
1の注射器の状態のプランジャーを押し込むと、外筒の
奥部の栓体は注射剤を介してプランジャーに押圧され
る。栓体の押圧移動と共に、栓体の外周部には上記凸条
リブが食い込み、図4に示す如く凸条リブにより、栓体
の外周壁と外筒の内周壁との間に空隙が形成される。か
かる空隙は注射剤のバイパス路となり、注射剤が射出口
に流通可能となる。この場合、栓体が完全に先端部に到
達する前に、注射剤の射出口への流通が可能となっても
良い。即ち、栓体は注射剤を介してガスケットにより外
筒の奥部に完全に押し込まれる構造でも良く、また最終
的にガスケットと接触して完全に先端奥部に押し込まれ
る構造でも良い。従って、栓体が凸条リブの食い込みに
抗して、スムースに先端奥部まで移動するためには、凸
条リブが上記のようにテーパ状であることが作用上、望
ましい。
【0013】また、上記注射器の栓体における開放機構
に加えて、射出口に上記除菌フィルタを組み合わせた場
合は、二医薬成分型の注射器が容易に提供できる。即
ち、上記注射器にあっては、その組立時に外筒内に栓体
を挿入し、注射剤を充填し、また射出口に除菌フィルタ
を脱抜可能に取り付けて高圧蒸気滅菌を行う。尚、外筒
内の注射剤を先に滅菌した後、除菌フィルタの通路口を
無菌的に射出口に取り付けても良い。かかる注射器の使
用に際しては、除菌フィルタの連通手段を介して第二成
分である薬剤の容器を接続した後、プランジャーを押し
込むと、栓体が上述の如く開放され外筒内の注射剤は射
出口を通過して、更に除菌フィルタを通過して薬剤容器
内へと流入する。そして、薬剤容器内の薬剤と混合攪拌
後、プランジャーを引き戻して再び除菌フィルタを通過
させて注射剤を外筒内に戻す。これにより、注射剤は第
二成分と確実に混合し、無菌状態で外筒内に供給される
こととなる。かかる状態で、射出口から通路口を外して
注射針に差し替えて二医薬成分系の注射が可能となる。
またかかる場合、注射液を定型薬剤容器、例えばバイア
ル内に流入させる際、バイアル内のエアは除菌フィルタ
によりエアロックされるため、流入後バイアル内が陽圧
に維持される。このため、攪拌混合後、バイアルを転倒
させた時、混合注射液は下方に位置し、バイアル内の陽
圧に押されてスムーズに外筒内に戻る。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る注射器の好ましい実施例
を添付図面を参照しながら詳述する。図1は本発明の注
射器の第一実施例の側面図、図2は図1のI−I線に沿
った注射器の断面図、図3は、図1の注射器のプランジ
ャーを途中まで押し込んだ状態を示す断面図、図4は、
図3のII−II線に沿った注射器の断面図、図5は、
第一実施例における注射器の外筒の先端の肩部内壁面を
示した斜視図である。
【0015】図1〜図5に示す第一実施例の注射器1
は、先端部に注射針7が取り付けられる射出口2Aを有
した外筒2と、ガスケット4が取り付けられて外筒2に
嵌入されるプランジャー3とからなり、また外筒2内の
先端奥部に栓体5を配して射出口2Aを塞ぎ栓体5とガ
スケット4との間に注射剤6が液密充填されている。注
射器1の外筒2は熱可塑性樹脂の成形物であり、栓体5
は、射出口2Aから一定間隔あけてガスケット4側に設
けられ、栓体5と射出口2Aとの間の外筒2部分の内側
壁には、外筒2の軸方向に延びる凸条リブ11、11・
・・が形成され、栓体5が射出口2Aに達する際に、凸
条リブ11、11・・・により栓体5の外周壁が弾性変
形して注射剤6が射出口2Aに流通する空隙が形成され
る。
【0016】本実施例の注射器1を更に説明すると、本
実施例の注射器1の外筒2は、熱可塑性樹脂の成形物
で、射出成形により成形される。外筒2に凸条リブ11
を形成するため、このようなプラスチック筒であること
が好ましい。使用されるプラスチック材としては、例え
ば、低密度或は高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブタジエン−1等のポリオレフィン類、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、
ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアルコール、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体、アクリロニトリル共
重合体、ポリエチレンテレフタレート等を挙げることが
できる。特に、ポリオレフィン類は汎用性及び薬剤に影
響を与えない点で好ましく、更には非晶質の環状のオレ
フィンコポリマー等の高いガラス転移温度を有し比重が
1.0〜1.1のものが望ましい。具体的には、光デイ
スク基板、光学レンズなどの材料として最近用いられて
いる商標名ゼオネックス(日本ゼオン株式会社)、商標
名アペル(三井石油化学工業株式会社)等のポリオレフ
ィン系樹脂である。
【0017】ガスケット4及び栓体5は外筒2の内壁と
液密を保つ程度の弾性体を有するものであれば良い。具
体的にはゴム製のガスケット及びゴム栓が用いられる。
図1及び図2に示す如く栓体5は、射出口2Aから一定
間隔あけてガスケット4側に設けられ、ガスケット4と
栓体5との間の外筒2内には注射剤6が滅菌状態で充填
される。滅菌は高圧蒸気滅菌がなされており、これ以外
にも無菌充填などが可能であるが、滅菌を確実にするに
は高圧蒸気滅菌が望ましい。
【0018】栓体5と射出口2Aとの間の外筒2の内壁
面には、複数の凸条リブ11が外筒2の軸方向に向かっ
て形成される。即ち、凸条リブ11は外筒2の成形時の
型抜き方向とほぼ同一の方向に向けて形成される。ま
た、凸条リブ11の数は、少なくとも3以上、好ましく
5以上である。上記範囲の数を下回ると、栓体5の凸条
リブ11内での摺動性が安定しない。また凸条リブ11
は外筒2の先端奥部に向かって徐々に隆起したテーパ頂
部11Aとなっている。テーパは必ずしも必要ではな
い。しかし、かかるテーパ頂部11Aの形成は、成形の
型抜き時に型などの影響を受けず、スムースに型を抜く
ことができ、また、注射器1の使用時に栓体5が外筒2
の奥深くスムースに挿入することができる。
【0019】外筒2の内径(L)は12mmであり、栓
体5は外筒2内を液密に摺動するため、栓体5の周条弾
性リブ部5A、5Aの径は内壁外筒2の内径より若干太
めに形成されている。凸条リブ11は一定間隔を置いて
12本形成される。また、凸条リブ頂部11Aの最大高
さ(S)は1mmである。凸条リブ頂部11Aの最大高
さ(S)は、外筒の内径(L)によって好ましい範囲が
決定され、凸条リブ頂部11Aの最大高さ(S)が外筒
の内径(L)の1/20〜1/5倍であることが好まし
い。凸条リブ頂部11Aの最大高さ(S)が上記範囲を
下回ると、外筒2の外周壁と栓体5の内周壁との間に充
分な空隙12ができないおそれがあり、上記範囲を上回
ると、栓体5の摺動性が悪くなる。
【0020】また凸条リブ11は外筒2の内壁面に所定
間隔を置いて複数形成されるが、凸条リブ11、11同
士の間隔(W)は、凸条リブ頂部11Aの最大高さ
(S)に対して0.3〜8倍の間隔であることが望まし
い。凸条リブ11の同士の間隔(W)が上記範囲を下回
ると、栓体5の摺動性が悪くなり上記範囲を上回ると外
筒2の外周壁と栓体5の内周壁との間に充分な空隙12
ができないおそれがある。
【0021】図5に示す如く、本実施例の外筒2の射出
口2Aが形成される肩部13の内壁には、複数の突起部
14が形成され、突起部14により、外筒2の内側壁と
栓体5の外周壁との空隙12を流れる注射剤6を射出口
2Aに導くための通路15、15が形成される。かかる
通路15は、必ずしも必要はないが、栓体5が完全に肩
部13の内周面に密着して注射剤6の流出通路が塞がれ
るのを防止している。従って、突起部14を形成する代
わりに、肩部13の内壁面に溝状部を形成して射出口2
Aまでの通路を確保しても良い。
【0022】次に、上記注射器1の製造方法を説明する
と、先ず、射出成形により外筒2と共に凸条リブ11、
及び突起部14を正確に形成する。この場合、凸条リブ
11が外筒2の軸方向でしかもテーパ状に形成されるた
め、外筒2を歪ませることなく正確に型抜き成形でき、
特に、上述の非晶質のポリオレフィンにおいて正確な成
形ができる。注射剤6が外筒2に充填され、充填後、外
筒2にガスケット4を取り付ける。更にプランジャー3
をガスケット4に取り付け、注射針7を射出口2Aに取
り付ける。その後、かかる状態で、注射器1を高圧蒸気
滅菌して注射剤6を滅菌する。尚、プランジャー3及び
注射針7は、高圧蒸気滅菌後に無菌的に取り付けても良
い。
【0023】次に、本実施例の注射器1を用いて注射す
る場合は、図1の注射器の状態から図3に示す如く栓体
5を摺動させ、栓体5の外周壁と外筒2の内周壁との間
に空隙12を形成する。かかる状態で、外筒2、射出口
2A及び注射針7内のエアを追い出した後、注射針を患
者に刺針する。そして、プランジャー3を更に押し込
み、栓体5を完全に外筒2の奥まで摺動させて注射処理
を完了する。従って、注射器1は滅菌処理などが極めて
容易となり、また注射器1に両端刺型の注射針を用いな
いため、注射器1には予め注射針を取り付けることがで
き、作業現場での汚染事故を少なくすることができる。
【0024】尚、上記実施例では、栓体5は液密用の周
条弾性リブ5Aを2つ有しているが、液密性が保持され
る限り、このような周条弾性リブ5Aを有していなくて
も良い。しかし、本実施例では、周条弾性リブ5Aが上
記外筒2の凸条リブ11との間で、有効に空隙12を形
成させるため、また栓体5がスムースに凸条リブ11に
食い込むようにするため、図6に示すゴム栓体16を用
いることができる。即ち、図6に示すゴム栓体16に
は、大径周条弾性リブ17、17の他に先端に小径な比
較的幅広の周条弾性リブ18が形成される。周条弾性リ
ブ17と周条弾性リブ18との径と幅の比は、凸条リブ
11のテーパ頂部11Aの程度にもよるが、径の比が
1.1〜1.4倍程度、幅が0.8〜0.3倍程度が望
ましい。このような栓体16にあっては、図7に示す如
く小径の周条弾性リブ18は正確に先端奥部まで半径方
向に圧縮されて歪んで栓体16を軸方向に正確に案内
し、大径の周条弾性リブ17は、外筒2の基端部方向に
屈曲して容易に空隙を形成する。
【0025】次に、図8乃至図10に従って本発明の第
二実施例の注射器について説明する。 図8は本発明の
注射器の第二実施例の側断面図である。図9は第二実施
例の注射器から注射剤をバイアル内に流入させる状態を
示す要部断面図である。図10は第二実施例における注
射器に混合した注射液を再び外筒内に戻す状態を示す要
部断面図である。図8乃至図10に示す注射器31は、
先端部に注射針が取り付けられる射出口2Aを有した外
筒2と、ガスケット4が取り付けられて外筒2に挿入さ
れるプランジャー3とからなり、また外筒2内の先端奥
部に栓体5を配して射出口2Aを塞ぎ栓体5とガスケッ
ト4との間に注射剤6が液密充填される注射器であり、
また上記凸条リブ11、11・・が外筒2の所定の内壁
面に形成され、栓体5がプランジャー3の押し込みの際
により開放される点は、第一実施例と同様である。第二
実施例の注射器31は、射出口2Aに脱抜可能に無菌的
に接続される通路口8Aが形成されたハウジング8を有
してなる除菌フィルタ10を具備し、除菌フィルタ10
は射出口2Aが接続される通路口8Aと反対側の通路口
9Aに、注射剤6と混合する第二成分の薬剤容器(バイ
アル)32と連通するための連通針33が設けられてい
る。
【0026】本実施例を更に説明すると、注射器31の
本体部分において、上述した凸条リブ11によってプラ
ンジャー3の押し込み時に空隙12が形成される点は、
第一実施例の注射器1の構造と同様である。従って、こ
こでは、本体部分の部材及びその構成の詳しい説明を省
略する。除菌フィルタ10には一対のハウジング8、9
が設けられ、各ハウジング8、9はそれぞれ通路口8
A、9Aが形成される。ハウジング8は、通路口8Aが
細長く形成され、通路口8Aは無菌状態で射出口2Aに
接続部材34を介して接続される。ハウジング8には、
除菌フィルタ10の周縁を挟んで反対側のハウジング9
が熱融着される。また除菌フィルタ10は図示しない支
持ネットにより両面から支持され、除菌フィルタ10の
押出側であるハウジング9の通路口9Aにはバイアル3
2の接続用の連通針33が取り付けられる。尚、連通針
33には汚染防止用のキャップ40が取り付けられる。
【0027】ハウジング8、9及び連通針33は熱融着
可能な樹脂成形物からなり、ハウジング8、9は除菌フ
ィルタ10を挟んで互いに液密に固着され、連通針33
は液密に通路口9Aに挿入固着される。尚、注射器31
の本体及び除菌フィルタ10は、射出口2Aと通路口8
Aが接続部材34で接続された後、高圧蒸気滅菌にかけ
られ接続部が無菌化される。但し、本体のみを高圧蒸気
滅菌した後に、通路口8Aを無菌的に接続部材34を介
して接続しても良い。
【0028】除菌フィルタ10はメンブレンフィルタか
らなるが、一般的なスクリーンタイプ、デプスタイプ、
アニソトロピックタイプ等の一般フィルタ等も使用でき
る。またフィルタ10の膜の孔径は、0.6μm以下、
好ましくは0.45μm以下、更に好ましくは0.22
μm以下である。上記範囲内の孔径であれば、細菌の通
過をほぼ完全に阻止し、更に0.45μm以下では細菌
の破片等の毒性成分の除去ができ、0.22μm以下で
は破片等の毒性成分を殆ど除去しうる。
【0029】除菌フィルタ10は親水性であり、本実施
例においては、親水化処理したポリビニリデンフロライ
ドが用いられ、注射剤6中の溶質物の付着をさけてい
る。除菌フィルタ10は本実施例のものに限ることは無
く、例えば、酢酸セルロース、セルロースエステル、硝
酸セルロース、再生セルロース等セルロース系膜、ナイ
ロン等を中心としたポリアミド系膜、粉末或は分散媒中
のフッ化エチレン系樹脂等から製造されるテフロン系
膜、ポリスチレン、フタル酸等からなるビニル系膜、結
晶性ポリプロピレン等を融解押出し急速延伸等して得ら
れるポリオレフィン系膜、アクリル系膜、ポリカーボネ
ート系膜、塩化ビニリデン系膜等を挙げることができ
る。
【0030】図9に示す如く本実施例に使用されるバイ
アル32は、ガラス瓶からなり、薬剤35はゴム密栓3
6を有した取出口37から無菌的に充填される。尚、薬
剤容器は、本実施例の如くガラス製のバイアル32に限
ることはなく、プラスチック製の容器でもよく、また非
定型性のバックや可撓性のボトル等であってもよい。薬
剤35は粉末の抗性物質である。しかし、本実施例にあ
っては、薬剤35を粉末に限る必要はなく液剤であって
も良い。また具体的な液剤としては、アミノ酸の一種で
あるグルタミン酸がある。特に、グルタミン酸水溶液を
100℃に加熱すると一部ヒロリドン化し変質してしま
うので、高圧蒸気滅菌ができない。このように水溶液の
状態で滅菌できない薬剤も対象となる。
【0031】次に、本実施例の注射器31を用いて注射
を行うする場合は、図9に示す如く除菌フィルタ10の
連通針33をバイアル32のゴム栓36に刺針すると共
に、プランジャー3を少し押し込んで、栓体5を注射剤
6を介して凸条リブ11の位置まで移動し、栓体5の液
密性を開放する。これにより、外筒2内の注射剤6の充
填部とバイアル32内とは、射出口2A、空隙12、ハ
ウジング8の通路口8A、除菌フィルタ10、ハウジン
グ9及び連通針33を介して連通する。図9の状態で、
外筒2内のガスケット4が外筒2深くプランジャー3に
より押し込まれると、上記連通により注射剤6はバイア
ル32内へと流入する。流入が完了すると、バイアル3
2内の薬剤35は注射剤6に溶解混合する。また、バイ
アル32内のエアは除菌フィルタ10によりエアロック
を受け、その結果、バイアル32内は注射剤6が流入し
た時、陽圧化状態となる。図10に示す如く、注射剤6
が薬剤35と混合されると、バイアル32が転倒され
る。これにより、バイアル32内の注射剤6は除菌フィ
ルタ10の通過が可能となり、この場合、外筒2内のプ
ランジャー3を軽く引き戻すだけで、除菌フィルタ10
に濾過された注射剤6が外筒2内に戻る。即ち、バイア
ル32内は、エアロックを受けたエアの存在により陽圧
化されているため、混合注射剤6が戻るように作用す
る。
【0032】次に、注射剤6が戻った外筒2の射出口2
Aから、通路口8Aを脱抜し、その代わりに図示しない
注射針を取り付け、患者に注射を行う。これにより、注
射液6は第二成分であるバイアル32内の薬剤35と十
分に混合され、無菌状態で外筒2内に再び供給され、現
場での二成分注射が簡単且つ無菌的にできる。上記第二
実施例では、除菌フィルタ10のハウジング8における
通路口8Aを接続部材34を介して射出口2Aに接続し
たが、直接射出口2Aと通路口8Aを無菌的に接続して
も良い。
【0033】上記第二の各実施例では、連通手段33ま
で除菌フィルタ10に接続したが、図11に示す如く連
通手段の薬剤容器を受ける部分に薬剤容器のホルダー5
0を設け、薬剤容器32、連通手段33、除菌フィルタ
10、及び外筒2が一体となった、予め薬剤容器を具備
する薬剤キット型シリンジとしても良い。尚、ホルダー
50は、菌汚染防止のケーシング52とケーシング52
の上部に摺動可能に取り付けられる保持キャップ51と
からなる。また、連通針33に対向して薬剤バイアル3
2が予めキャップ51により保持されるケーシング52
は連通針33側に取り付けられ、ケーシング52内は無
菌的に維持され、連通針33とゴム栓36面とを無菌状
態にしている。また、キャップ51の内面にはバイアル
32が支持され、外側に吊り下げ部が形成される。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明の注射器にお
いて、上記外筒は熱可塑性樹脂の成形物であり、上記栓
体は、上記射出口から一定間隔あけて上記ガスケット側
に設けられ、上記栓体と射出口との間の上記外筒部分の
内側壁には、上記外筒のほぼ軸方向に延びる凸条リブが
形成され、上記栓体が射出口まで達する際に、上記凸条
リブにより上記栓体の外周壁が弾性変形して上記注射剤
が射出口に流通する空隙が形成されるので、滅菌等が簡
単にできると共に、注射時の取扱や汚染等に対する安全
性が十分に確保される。また、本発明の注射器におい
て、更に、上記射出口に脱抜可能に無菌的に接続される
通路口が形成されたハウジングを有してなる除菌フィル
タを具備し、該除菌フィルタは射出口が接続される通路
口と反対側の通路口に、上記注射剤と混合する第二成分
の薬剤容器と連通するための連通針が設けられるので、
注射剤の充填及び滅菌が簡単且つ確実になされ、注射剤
に第二成分の薬剤を簡単且つ無菌的に混合操作して注射
可能状態に容易にセットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る注射器の第一実施例の断面図であ
る。
【図2】図1におけるI−I線に沿う断面図である。
【図3】第一実施例の注射器のプランジャーを途中まで
押し込んだ状態を示す断面図である。
【図4】図3におけるII−II線に沿う断面図であ
る。
【図5】第一実施例の注射器の肩部内面の斜視図であ
る。
【図6】第一実施例の注射器に用いられる栓体の変形例
を示した側面図である。
【図7】図6の栓体が外筒内の凸条リブに押し込まれた
状態を示す断面図である。
【図8】第二実施例の注射器の断面図である。
【図9】第二実施例の注射器から注射剤をバイアル内に
流入させる状態を示す断面図である。
【図10】第二実施例における注射器に混合注射剤を再
び外筒内に戻す状態を示す断面図である。
【図11】第二実施例に付加されるバイアル部分の要部
断面図である。
【符号の説明】
1 注射器 2 外筒 2A 外筒の射出口 3 プランジャー 4 ガスケット 5 栓体 6 注射液 8、9 除菌フィルタのハウジン
グ 8A、9A 通路口 10 除菌フィルタ 11 凸条リブ 12 空隙(バイパス) 13 外筒の肩部 14 突起部 15 通路 16 栓体 17 大径周条弾性リブ 18 小径周条弾性リブ 31、 注射器 32 バイアル 33 連通針 34 接続部材 35 薬剤 36 ゴム栓体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部に注射針が取り付けられる射出口
    を有した外筒と、ガスケットが取り付けられて上記外筒
    に挿入されるプランジャーとからなり、また上記外筒内
    の先端奥部に栓体を配して上記射出口を塞ぎ該栓体とガ
    スケットとの間に注射剤が液密充填される注射器におい
    て、 上記外筒は熱可塑性樹脂の成形物であり、 上記栓体は、上記射出口から一定間隔あけて上記ガスケ
    ット側に設けられ、上記栓体と射出口との間の上記外筒
    部分の内側壁には、上記外筒のほぼ軸方向に延びる凸条
    リブが形成され、 上記栓体が射出口まで達する際に、上記凸条リブにより
    上記栓体の外周壁が弾性変形して上記注射剤が射出口に
    流通する空隙が形成されることを特徴とする注射器。
  2. 【請求項2】 上記凸条リブは上記外筒の先端奥部に向
    かって徐々に隆起したテーパ頂部となっていることを特
    徴とする請求項1記載の注射器。
  3. 【請求項3】 上記凸条リブ頂部の最大高さ(S)が上
    記外筒の内径(L)の1/20〜1/5倍であることを
    特徴とする請求項1又は2記載の注射器。
  4. 【請求項4】 上記凸条リブは上記外筒の内壁面に所定
    間隔を置いて複数形成され、上記凸条リブ同士の間隔
    (W)は、該凸条リブ頂部の最大高さ(S)に対して
    0.3〜8倍であることを特徴とする請求項1〜3の何
    れかに記載の注射器。
  5. 【請求項5】 上記栓体には外筒の内周壁と液密性を高
    める複数の周条弾性リブが半径方向に向けて形成され、
    挿入最先端側に位置する周条弾性リブは、他の周条弾性
    リブより径が小さく、且つ幅広に形成されることを特徴
    とする請求項1〜4の何れかに記載の注射器。
  6. 【請求項6】 上記外筒の射出口が形成される肩部の内
    壁には、突起部又は溝部が形成され、上記突起部又は溝
    部は、上記空隙に流れる上記注射剤を上記射出口に導く
    通路を形成してなることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれかに記載の注射器。
  7. 【請求項7】 上記請求項1〜6の何れかの記載の注射
    器において、上記射出口に脱抜可能に無菌的に接続され
    る通路口が形成されたハウジングを有してなる除菌フィ
    ルタを具備し、該除菌フィルタは射出口が接続される通
    路口と反対側の通路口に、上記注射剤と混合する第二成
    分の薬剤容器と連通するための連通針が設けられること
    を特徴とする注射器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008086893A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Fujifilm Corp 多孔質フィルターカートリッジ及びその製造方法
JP2015181811A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 テルモ株式会社 赤血球瀉血用具

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