JPH08315958A - 固体放電装置の製造方法 - Google Patents

固体放電装置の製造方法

Info

Publication number
JPH08315958A
JPH08315958A JP11990495A JP11990495A JPH08315958A JP H08315958 A JPH08315958 A JP H08315958A JP 11990495 A JP11990495 A JP 11990495A JP 11990495 A JP11990495 A JP 11990495A JP H08315958 A JPH08315958 A JP H08315958A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
film
forming
conductive film
insulating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11990495A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Yamada
高幸 山田
Takeshi Nakamura
毅 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP11990495A priority Critical patent/JPH08315958A/ja
Publication of JPH08315958A publication Critical patent/JPH08315958A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】電離効率がよく、且つ、電極破壊を起こしにく
い固体放電装置を製造する方法を提供する。 【構成】基板上に絶縁膜を形成する工程と、その上に第
1の導電膜を形成する工程と、その上に帯状のレジスト
膜を形成し、そのレジスト膜をマスクとして第1の導電
膜をパターニングすることにより第1の電極を形成する
工程と、第1の電極をマスクとして絶縁膜の一部をサイ
ドエッチングする工程と、基板上に第2の導電膜を形成
する工程と、上記レジスト膜を剥離することにより第2
の導電膜をリフトオフする工程と、第2の導電膜上に第
1の電極と平行に延びる帯状のレジスト膜を形成する工
程と、そのレジスト膜をマスクとして第2の導電膜をパ
ターニングすることにより第2の電極を形成する工程
と、第2の電極の表面を電解液中で陽極酸化して第2の
電極の表面に酸化被膜を形成する工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電現象を利用して空
気を電離しイオンを発生させる放電装置の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の画像形成装置にお
ける感光体等の帯電器、除電器として、コロトロンある
いはスコロトロンと呼ばれる方式の放電装置が広く用い
られている。図17は、従来のコロトロン方式の放電装
置の概要図である。
【0003】図17に示すように、この方式の放電装置
10は、断面がコの字状の細長いシールドケース13の
両端部に絶縁ブロック11を設け、この両端の絶縁ブロ
ック11の間にタングステン等の金属製の放電ワイヤ1
2を張架し、この放電ワイヤ12を放電電極とし放電ワ
イヤ12とシールドケース13との間に高電圧を印加す
ることにより、放電電極の周囲にコロナ放電を発生させ
て空気を電離しイオンを発生させるタイプのものであ
る。
【0004】しかしながら、このタイプの放電装置の放
電ワイヤ12には、放電しやすいように径の細い金属線
が用いられるため、張架時に切れやすいという問題があ
る。また、このタイプの放電装置は、コロナ放電時の放
電ワイヤ12の振動によってイオンの発生量にむらを生
じ易く、長期間に亘る使用によって放電ワイヤが伸び振
動が大きくなると、イオン発生量のむらが一層顕著にな
るという問題がある。また、放電ワイヤ12の振動によ
り放電電極12とシールドケース13あるいは感光体等
との間にアーク放電が起こり易くなり、時にはアーク放
電によって放電装置が破壊することもある。そのため、
放電ワイヤ12とシールドケース13あるいは感光体等
との間に十分な間隔を空ける必要があり、放電装置を小
型化することが難しい上、放電ワイヤ12とシールドケ
ース13との間に高電圧を印加せざるを得ないという問
題がある。
【0005】このような問題を解決するため、放電ワイ
ヤを用いずに、固体回路によって放電装置を構成する固
体放電装置が数多く提案されている。例えば、特開昭5
4−53537号公報、特開昭60−169863号公
報、特開昭60−181763号公報、特開昭64−2
075号公報、特開平4−238056号公報等が挙げ
られる。
【0006】図18は、これら従来の固体放電装置の一
般的な構成を示す断面図である。図18に示すように、
この固体放電装置100は、対向電極2の外周を高純度
アルミナ等からなる誘電体1で均一な厚さに覆い、誘電
体1表面の対向電極2と対向する位置に放電電極3を配
置することにより構成される。このような固体放電装置
100を、例えば電子写真方式の複写機の帯電器として
使用する場合は、固体放電装置100の放電電極3が、
導電性支持体6aと光導電層6bとを備えた感光体6と
対向するように感光体6の近傍に固体放電装置100を
配備し、放電電極3と対向電極2との間に交流電源4に
よって交流電圧を印加すると共に放電電極3と導電性支
持体6aとの間に直流電源5によって直流電圧を印加す
る。このようにすることにより、放電電極3と対向電極
2との間に放電現象が起こり空気が電離してイオンが発
生する。発生したイオンは感光体6の光導電層6bに引
き寄せられ、光導電層6bが帯電する。
【0007】このような固体放電装置は、前記の放電ワ
イヤ方式の放電装置より信頼性が向上し、ある程度小型
化することも可能であるが、これらの従来の固体放電装
置には、次に説明するように、高い電離効率を得ること
が難しいという問題がある。図19は、従来の固体放電
装置における放電時の電気力線を示す模式図である。
【0008】図19に示すように、対向電極2と放電電
極3との間に高電圧が印加されると、放電電極3から誘
電体1の中を通って対向電極2に向かう電気力線7a
と、放電電極3から一旦、大気中にしみ出してから誘電
体1の中に入り誘電体1の中を通って対向電極2に向か
う電気力線7bとの2種類の電気力線が発生する。この
2種類の電気力線のうち、大気中にしみ出して空気を電
離させる電気力線7bのみが放電領域8を形成し、この
放電領域8において放電が起こり空気が電離される。一
方、電気力線7aは空気の電離に寄与しない。ところ
で、空気の比誘電率は誘電体1の比誘電率より小さいた
め、大気中にしみ出す電気力線7bは、電離に寄与しな
い電気力線7aより極めて少ない。そのため、このタイ
プの固体放電装置の電離効率を上げることは難しい。
【0009】これらの従来例とは別に、特開平5−94
077号公報及び特開平5−94078号公報には、放
電電極と対向電極との間に印加する電圧を低減し電離効
率を向上させるために、放電電極と対向電極とを微小間
隔で対向させた帯電装置が提案されている。しかしなが
ら、放電電極と対向電極との間隔を小さくすると、放電
が生じ始める時の印加電圧と、全路絶縁破壊が生じ始め
る時の印加電圧との差が小さくなり、つまり、放電に適
した印加電圧の範囲が狭くなって全路絶縁破壊が起き易
くなるため、全路絶縁破壊を起こさないように放電を制
御することが極めて困難であり、放電開始電圧の低減化
にも限界があった。また、これら二つの公報には、絶縁
基板上に形成された放電電極を絶縁膜で被覆することに
よって全路絶縁破壊による電極の破壊が防止され、長期
間に亙り安定した放電を行える旨が記載されているが、
放電電極を絶縁膜で被覆した場合には、両電極間に介在
する絶縁膜により電極間の容量が増加して放電が生じ難
くなるだけでなく、放電電極の近傍における電界が集中
する部位に絶縁膜が存在するため、その部位で放電が行
われず、つまり、絶縁膜の表面で放電を発生させなけれ
ばならないので、印加電圧を高めざるを得ないという問
題が生じる。
【0010】このように、従来技術によっては、放電開
始電圧の低減化、すなわち電離効率の向上と全路絶縁破
壊による電極破壊の防止という相反する要求を満たすこ
とができない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、先に出願した特願平7−******号明細書にお
いて、放電電極と、この放電電極に対向する対向電極と
から成り、放電電極には、対向電極に対向する側に電界
集中部を形成すると共に、対向電極には、放電電極に対
向する側に絶縁膜を設けることにより、電離効率がよ
く、且つ、電極破壊を起こしにくい固体放電装置につい
て開示した。
【0012】図1は、このような固体放電装置の一実施
態様の一部断面図である。図1に示すように、固体放電
装置100は、絶縁性の基板上200に、互いに平行に
延びる放電電極201と対向電極203とが形成されて
いる。放電電極201の対向電極203と対向する側の
端縁201aには、鋭利なエッジ状の電界集中部204
が形成され、対向電極203の放電電極201と対向す
る側は絶縁膜202で覆われている。
【0013】また、この固体放電装置100の放電電極
201の端縁201aと対向電極203の端縁203a
とは基板200に対して同一法線上に並んでおり、か
つ、放電電極201の端縁201aに形成された電界集
中部204は放電電極201を支持する基板200から
対向電極203に向かってオーバーハングした構造とな
っている。
【0014】このように構成された固体放電装置100
では、鋭利なエッジを持つ電界集中部204によって、
放電電極201と対向電極203との間に電気力線7を
集中的に通す広い放電領域8が形成され、低電圧で効率
よく空気を電離することができる。また、対向電極20
3の表面を絶縁膜202で覆うことにより、火花放電又
はアーク放電による電極破壊の発生が防止される。
【0015】しかしながら、このような固体放電装置を
どのようにしたら製造することができるかが問題とな
る。本発明は、このような、電離効率がよく、且つ、電
極破壊を起こしにくい固体放電装置を製造する方法を提
供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する第
1の本発明の固体放電装置の製造方法は、基板上に絶縁
膜を形成する工程と、その絶縁膜上に第1の導電膜を形
成する工程と、その第1の導電膜上に帯状のレジスト膜
を形成し、そのレジスト膜をマスクとして第1の導電膜
をパターニングすることにより第1の電極を形成する工
程と、第1の電極をマスクとして上記絶縁膜の一部をサ
イドエッチングする工程と、上記基板上に第2の導電膜
を形成する工程と、上記レジスト膜を剥離することによ
りレジスト膜の上に形成された第2の導電膜をリフトオ
フする工程と、上記基板上の第2の導電膜上に第1の電
極と平行に延びる帯状のレジスト膜を形成する工程と、
そのレジスト膜をマスクとして上記基板上の第2の導電
膜をパターニングすることにより第2の電極を形成する
工程と、第2の電極の表面を電解液中で陽極酸化して第
2の電極の表面に酸化被膜を形成する工程とを有するこ
とを特徴とする。
【0017】ここで、上記第1の電極の、前記第2の電
極と対向する側の辺を櫛形にパターニングすることが好
ましい。また、上記の目的を達成する第2の本発明の固
体放電装置の製造方法は、少なくともレジスト膜露光光
を透過する基板上に第1の導電膜を形成する工程と、第
1の導電膜を帯状のパターンの第1の電極に形成する工
程と、上記基板上に第1の絶縁膜を形成する工程と、第
1の絶縁膜上に第1の絶縁膜の材質と異なる材質の第2
の絶縁膜を形成する工程と、第2の絶縁膜上にポジ型レ
ジストを塗布し上記基板の裏面から光を照射することに
よりポジ型レジスト膜を第1の電極と同一のパターンに
露光してパターニングする工程と、上記基板上に第2の
電極を形成するための第2の導電膜を形成する工程と、
上記レジスト膜を剥離することにより第2の絶縁膜上の
第2の導電膜を第2の電極として残したまま上記レジス
ト膜上の第2の導電膜をリフトオフする工程と、第2の
絶縁膜上に残留した第2の電極をマスクとして第2の絶
縁膜の一部をサイドエッチングする工程と、第2の絶縁
膜上の第2の導電膜上に、所定の幅で長手方向に延びる
第2の電極のパターンのレジスト膜を形成しそのレジス
ト膜をマスクとして第2の導電膜から第2の電極を形成
する工程とを有することを特徴とする。
【0018】ここで、上記第2の電極の、上記第1の電
極と対向する側の辺を櫛形にパターニングすることが好
ましい。
【0019】
【作用】第1の本発明の固体放電装置の製造方法によれ
ば、上記のように、第1の導電膜をパターニングして第
1の電極を形成することにより第1の電極の端縁に鋭利
なエッジ状の電界集中部を形成することができ、また、
第2の電極を第1の電極に対し自己整合的に形成して第
1の電極の端縁と第2の電極の端縁とを基板に対して同
一法線上に並べることにより、第1及び第2の絶縁膜の
膜厚によって規定される両電極端縁間のエアーギャップ
を電極の全長に亘って高精度に保つことができ、しか
も、サイドエッチングによって第1の電極の一部をオー
バーハング構造として形成することにより両電極端縁間
に広い放電領域を形成することができる。これらの結
果、電離効率のよい固体放電装置を高歩留りで製造する
ことができる。
【0020】また、第1の本発明の固体放電装置の製造
方法によれば、上記のように、第2の電極を陽極酸化し
て第2の電極の表面に酸化被膜が形成され、この酸化被
膜により両電極間の空気の全路絶縁破壊が防止されるの
で電極破壊を起こしにくい固体放電装置が製造される。
ここで、上記第1の電極の、上記第2の電極と対向する
側の辺を櫛形にパターニングした場合は、第1の電極の
端縁の各櫛の歯の先端に形成される電界集中部が更に効
果的に電気力線を集中するので、更に電離効率のよい固
体放電装置となる。
【0021】一方、第2の本発明の固体放電装置の製造
方法によれば、上記のように、第1の電極をパターニン
グした後、基板の裏面からの露光により、第1の電極を
マスクとして第2の電極を形成することにより、第2の
電極の端縁に鋭利なエッジ状の電界集中部を形成するこ
とができ、また、第2の電極を第1の電極に対し自己整
合的に形成するため第1の電極の端縁と第2の電極の端
縁とを基板に対して同一法線上に並び、第1及び第2の
絶縁膜の膜厚によって規定される両電極端縁間のエアー
ギャップを電極の全長に亘って高精度に保つことがで
き、しかも、サイドエッチングによって第2の電極の一
部をオーバーハング構造として形成することにより両電
極端縁間に広い放電領域を形成することができる。これ
らの結果、電離効率のよい固体放電装置を高歩留りで製
造することができる。
【0022】また、第2の本発明の固体放電装置の製造
方法によれば、上記のように、第1の絶縁膜が第1の電
極を覆い、この絶縁膜により両電極間の空気の全路絶縁
破壊が防止されるので電極破壊を起こしにくい固体放電
装置が製造される。ここで、上記第2の電極の、上記第
1の電極と対向する側の辺を櫛形にパターニングする
と、第2の電極の端縁の各櫛の歯の先端に形成される電
界集中部が効果的に電気力線を集中させるので、更に電
離効率のよい固体放電装置となる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
2〜図8は、第1の本発明の固体放電装置の製造方法の
一実施例の工程図である。図2に示すように、ガラス、
セラミック等の絶縁性の基板200上に絶縁膜210を
形成する。
【0024】次に、絶縁膜210の上に第1の導電膜を
着膜する。次に、フォトリソグラフィ法を用いて、第1
の導電膜の上に帯状のレジスト膜212を形成し、レジ
スト膜212をマスクとして第1の導電膜をパターニン
グすることにより、上記の帯状のレジスト膜212の形
状と同じ形状の第1の電極201を形成する。絶縁膜2
10は、スパッタリング法、CVD(Chemical
VaporDeposition)法等により、Si
2 を着膜して形成する。絶縁膜210としては、Si
2 の他、SiNx 、Si34 、Al23 、あるい
はその他の金属酸化物等、その表面にイオンが付着して
帯電するものであればよい。絶縁膜210の膜厚は、
0.5μm以下では放電領域が微小になり過ぎて電離効
率が悪化し、また、10μm以上では放電電圧が高くな
ったり製造時のスループットが悪化したりするので、
0.5〜10μmの範囲内、望ましくは1〜5μmの範
囲内の厚さとする。
【0025】第1の導電膜としては、Ta、W、Al、
Ni等の導電性材料を用い、0.5〜2μmの膜厚に着
膜する。次に、図3に示すように、第1の電極201を
マスクとして絶縁膜210の一部を等方的エッチング法
によりサイドエッチングする。等方的エッチング法とし
ては、例えば、ふっ酸等による湿式法やChemica
l Dry Etching法等を用い、第1の電極2
01の両端が庇状にオーバーハングした形状となるまで
十分にエッチング除去する。
【0026】なお、このサイドエッチングは、エッチン
グ量が制御可能で所望形状のオーバーハング構造に形成
することのできるエッチング法であればどのようなエッ
チング法でもよく、必ずしも等方的エッチング法に限定
されるものではない。このように第1の電極201の端
縁201aの一部がオーバーハング構造となっているた
め、図1に示すように、端縁201aには電気力線を放
電領域8に集中させ電離効率を向上させる電界集中部2
04が形成される。
【0027】次に、図4に示すように、基板200上に
第2の導電膜213をスパッタリング法により形成す
る。第2の導電膜213としては、Ta、W、Al等の
導電性材料を用い、0.5〜1μmの膜厚に着膜する。
なお、第2の導電膜213は第1の電極201とは異な
る材質を用いることが望ましい。このようにして形成さ
れた第2の導電膜213の端縁213aと第1の電極2
01の端縁201aとは自己整合的に位置決めされ、両
端縁213a,201aは基板200に対して同一法線
上に並んでいる。その結果、両端縁213a,201a
間のエアギャップGは絶縁膜210の膜厚及び第2の導
電膜213の膜厚によって正確に決定される。
【0028】放電装置の性能にとって、このエアギャッ
プGの距離を、放電電極201及び対向電極203の長
手方向の全長に亘って一定に保つことが極めて重要であ
るが、第1の本発明の製造方法によって、このエアギャ
ップGの精度をナノメートルレベルの高精度に保つこと
ができる。次に、図5に示すように、レジスト膜212
(図4参照)を剥離することにより、レジスト膜212
の上の第2の導電膜213がリフトオフされる。
【0029】次に、リフトオフされずに残っている第2
の導電膜213上に第1の電極201と平行に延びる帯
状のレジスト膜214を形成する。レジスト膜214が
第2の導電膜213上を確実に覆うよう、第1の電極2
01の一部の上にもレジスト膜214を形成する。次
に、図6(a)に示すように、レジスト膜214をマス
クとして、第2の導電膜213をパターニングして第2
の電極203を形成する。
【0030】図6(b)は、パターニングされた後の第
1の電極201と第2の電極203とを示す平面図であ
る。図6(b)に示すように、第1の電極201の端縁
201aと第2の電極203の端縁203aとは自己整
合的に位置決めされているため、平面図上では両端縁2
01a,203aは重なって見える。
【0031】次に、図7(a)に示すように、第1の電
極201上にレジスト膜215を形成し、第1の電極2
01の長手方向の2辺のうち第2の電極203と対向す
る辺を櫛形にパターニングする。図7(b)は、このよ
うにパターニングされた後の第1の電極201と第2の
電極203とを示す平面図である。
【0032】図7(b)に示すように第1の電極201
の端縁201aを櫛形にパターニングすることにより、
各櫛の歯の先端には電界を更に効果的に集中させる電界
集中部204が形成され、両電極201,203間の放
電領域8(図7(a)参照)に電気力線が高密度で集中
して、電離効率を一層向上させることができる。最後
に、図8(a)に示すように、第2の電極203を電解
液中で陽極酸化し、第2の電極203の表面に電極破壊
防止用の絶縁膜として働く酸化被膜202を形成するこ
とにより固体放電装置100が完成する。
【0033】図8(b)は、陽極酸化後の第1の電極2
01と酸化被膜202に覆われた第2の電極203とを
示す平面図であり、第1の電極と第2の電極とが自己整
合的に位置決めされているため、第1の電極201の端
縁201aと酸化被膜202の端縁は重なって見える。
図9は、本実施例によって製造された固体放電装置10
0の斜視図である。
【0034】図9に示すように、固体放電装置100
は、基板200上に櫛形の第1の電極201の端縁20
1aと、絶縁膜202に覆われた第2の電極203の端
縁203aとがエアギャップGを隔てて対向し、且つ互
いに平行に延びた形状に形成されている。櫛形の第1の
電極201の端縁201aは鋭利なエッジを有する電界
集中部204を形成している。
【0035】次に、第2の本発明の一実施例について説
明する。図10〜図16は、第2の本発明の固体放電装
置の製造方法の一実施例の工程図である。図10に示す
ように、レジスト膜露光光を透過するガラス等の絶縁性
の基板300に、スパッタリング法によりTa、W、A
l等の導電性材料を用いて、第1の導電膜を0.5〜1
μmの膜厚に形成し、次にこの第1の導電膜を帯状のパ
ターンの第1の電極301にパターニングする。
【0036】次に、基板300上全体に第1の絶縁膜3
02を形成し、更にその上に第2の絶縁膜312を形成
する。第1及び第2の絶縁膜としては、スパッタリング
法、CVD法等によりSiO2 、SiNx 、Si3
4 、Al23 等を着膜して形成する。ただし、第1の
絶縁膜と第2の絶縁膜とはそれぞれ別の材質を用いる必
要がある。第1の絶縁膜302の膜厚は0.5〜2μm
とする。第2の絶縁膜312の膜厚は電極間のエアギャ
ップを規定するものであり、膜厚が0.5μm以下では
放電領域が微小となり過ぎて電離効率が悪化し、また、
膜厚が10μm以上では放電電圧が高くなったり製造時
のスループットが悪化するので、第2の絶縁膜312の
膜厚は、0.5〜10μm、望ましくは1〜5μmとす
る。
【0037】次に、図11に示すように、第2の絶縁膜
312上にポジ型レジスト膜314を塗布し、基板30
0の裏面から光を照射することによりポジ型レジスト膜
314を第1の電極301と同一のパターンに露光して
パターニングする。次に、スパッタリング法により基板
300上全体に第2の導電膜313a,313bを形成
する。第2の導電膜313a,313bとしては、T
a、W、Al、Ni等の導電性材料を用いる。
【0038】次に、図12に示すように、ポジ型レジス
ト膜314(図11参照)を剥離することによりポジ型
レジスト膜314上の第2の導電膜313aをリフトオ
フする。一方、第2の絶縁膜312上の第2の導電膜3
13bはリフトオフされずに残る。ここで、ポジ型レジ
スト膜314のパターンは第1の電極301と同一であ
るため、第2の導電膜313bと第1の電極301とは
自己整合的に形成される。従って、第2の導電膜313
bの端縁313cと第1の電極301の端縁301aと
は基板に対して同一法線上に並ぶ。
【0039】次に、図13に示すように、第2の導電膜
313bをマスクとして第2の絶縁膜312の一部を等
方的エッチング法、例えばふっ酸等による湿式法やケミ
カルドライエッチング(Chemical Dry E
tching)法等を用いて、サイドエッチングするこ
とにより、第2の導電膜313bの一部が第2の絶縁膜
312を越えて庇状にオーバーハングした構造に形成さ
れる。サイドエッチングによって第2の絶縁膜312が
除去された跡には空所9が形成される。この空所9に、
図1に示したような広い放電領域8が形成され、この放
電領域8がイオン発生にとって有効に作用する。また、
このオーバーハング構造によって、後に第2の電極30
3となる第2の導電膜313bの端縁303aに、電気
力線を放電領域8に集中させ電離効率を高める電界集中
部304が形成される。
【0040】なお、このサイドエッチングは、エッチン
グ量が制御可能で所望のオーバーハング構造を形成する
ことのできるエッチング法であればどのようなエッチン
グ法でもよく、必ずしも等方的エッチング法に限定され
るものではない。次に、図14(a)に示すように、リ
フトオフされずに残っている第2の導電膜313bを第
2の電極303にパターニングするため、第2の導電膜
313b(図13参照)上にレジスト膜315を形成
し、レジスト膜315をマスクとして第2の導電膜31
3bをパターニングして第2の電極303が得られる。
【0041】このようにして、本実施例においても、対
向電極と放電電極との間のエアギャップの精度を電極の
長手方向の全長に亘ってナノメートルレベルの高精度に
保つことができる。図14(b)は、パターニングされ
た後の第2の電極303と第1の電極301とを示す平
面図である。本実施例においては、第2の電極303の
第1の電極301と対向する側の長手方向の一辺が櫛形
に形成される。
【0042】図14(b)に示すように、第2の電極3
03の各櫛の歯の先端に電界集中部304が形成され、
両電極301,303間の放電領域8に更に高密度で電
気力線が集中する。このようにして固体放電装置が完成
する。尚、本実施例では、基板の裏面からの露光により
対向電極と放電電極とを自己整合的に形成するため、基
板の材質がレジスト膜露光光を透過するものに限定され
る点が第1の実施例と異なる。
【0043】本実施例の変形として、帯状にパターニン
グした第1の電極301上に第1の絶縁膜302を形成
するに先立ち(図10参照)、第1の電極301を陽極
酸化処理して第1の電極301の表面に酸化被膜による
絶縁層を形成させて第1の電極301を覆う絶縁膜を2
層構造とすることが好ましく、この場合、絶縁膜のピン
ホールに起因する不良品の発生を効果的に減少させるこ
とができる。
【0044】図15は、本実施例によって製造され、複
写機及びレーザビームプリンタの帯電器として使用され
る固体放電装置の構成図である。図15に示すように、
この帯電器400は、本実施例によって製造された、長
手方向に延びた櫛形にパターニングされた多数の電極を
有する固体放電装置100で構成されている。この帯電
器400には、幅数mm、長さ20〜30cmの基板2
00上に数百〜数千本の電極が集積されている。このよ
うに多数の電極を配列することにより、帯電むらを起こ
りにくくすることができ、また、これら多数の電極のう
ちに若干の欠陥部分があっても放電性能が平均化される
ため画質欠陥には至らないという利点も生じる。
【0045】図16は、本実施例によって製造された固
体放電装置を帯電器として使用する場合の模式断面図で
ある。図16に示すように、この帯電器400は、第1
の電極301、第1の絶縁膜302、第2の絶縁膜31
2、及び第2の電極303を備えた固体放電装置100
と、交流電源4と、直流電源5とから構成されている。
固体放電装置100は、導電性支持体6a及び光導電層
6bを備えた感光体6の近傍に配設されている。
【0046】このような帯電器400の第2の電極30
3を放電電極とし、第1の電極301を対向電極とし、
両電極間に周波数1MHz、振幅500〜1000V、
正弦波形の交流電源4を接続することにより電極303
の端縁の電界集中部304で連続的に放電が起こり、空
気が電離してイオンが発生する。発生したイオンは、直
流電源5による放電電極303と導電性支持体6aとの
間の印加電圧により、感光体6の光導電層6bに引き寄
せられ、光導電層6bが帯電する。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の固体放電
装置の製造方法によれば、電離効率がよく、且つ、電極
破壊を起こしにくい固体放電装置を高歩留りで製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体放電装置の一実施態様の一部断面図であ
る。
【図2】固体放電装置の製造方法の一実施例の工程図で
ある。
【図3】固体放電装置の製造方法の一実施例の工程図で
ある。
【図4】固体放電装置の製造方法の一実施例の工程図で
ある。
【図5】固体放電装置の製造方法の一実施例の工程図で
ある。
【図6】固体放電装置の製造方法の一実施例の工程図で
ある。
【図7】固体放電装置の製造方法の一実施例の工程図で
ある。
【図8】固体放電装置の製造方法の一実施例の工程図で
ある。
【図9】固体放電装置の製造方法の一実施例によって製
造された固体放電装置の斜視図である。
【図10】固体放電装置の製造方法の他の実施例の工程
図である。
【図11】固体放電装置の製造方法の他の実施例の工程
図である。
【図12】固体放電装置の製造方法の他の実施例の工程
図である。
【図13】固体放電装置の製造方法の他の実施例の工程
図である。
【図14】固体放電装置の製造方法の他の実施例の工程
図である。
【図15】固体放電装置の製造方法の他の実施例によっ
て製造された、複写機及びレーザビームプリンタの帯電
器として使用される固体放電装置の構成図である。
【図16】固体放電装置の製造方法の他の実施例によっ
て製造された固体放電装置を帯電器として使用する場合
の模式断面図である。
【図17】従来のコロトロン方式の放電装置の概要図で
ある。
【図18】従来の一般的な固体放電装置の断面図であ
る。
【図19】従来の固体放電装置における放電時の電気力
線を示す模式図である。
【符号の説明】
1 絶縁体 2 対向電極 3 放電電極 4 交流電源 5 直流電源 6a 導電性支持帯 6b 光導電層 7 電気力線 8 放電領域 9 空所 10 放電装置 11 絶縁ブロック 12 放電ワイヤ 13 シールドケース 100 固体放電装置 200 基板 201 第1の電極 201a,203a 端縁 202,210 絶縁膜 203 第2の電極 204 電界集中部 212、214、215 レジスト膜 213 第2の導電膜 300 基板 301 第1の電極 301a,303a,313c 端縁 302 絶縁膜 303 第2の電極 304 電界集中部 312 第2の絶縁膜 313a,313b 第2の導電膜 314 ポジ型レジスト膜 315 レジスト膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に絶縁膜を形成する工程と、 該絶縁膜上に第1の導電膜を形成する工程と、 該第1の導電膜上に帯状のレジスト膜を形成し、該レジ
    スト膜をマスクとして前記第1の導電膜をパターニング
    することにより第1の電極を形成する工程と、 前記第1の電極をマスクとして前記絶縁膜の一部をサイ
    ドエッチングする工程と、 前記基板上に第2の導電膜を形成する工程と、 前記レジスト膜を剥離することにより前記レジスト膜の
    上に形成された前記第2の導電膜をリフトオフする工程
    と、 前記基板上の前記第2の導電膜上に前記第1の電極と平
    行に延びる帯状のレジスト膜を形成する工程と、 該レジスト膜をマスクとして前記基板上の第2の前記導
    電膜をパターニングすることにより第2の電極を形成す
    る工程と、 該第2の電極の表面を電解液中で陽極酸化して該第2の
    電極の表面に酸化被膜を形成する工程とを有することを
    特徴とする固体放電装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の電極の、前記第2の電極と対
    向する側の辺を櫛形にパターニングすることを特徴とす
    る請求項1記載の固体放電装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくともレジスト膜露光光を透過する
    基板上に第1の導電膜を形成する工程と、 該第1の導電膜を帯状のパターンの第1の電極にパター
    ニングする工程と、 前記基板上に第1の絶縁膜を形成する工程と、 該第1の絶縁膜上に該第1の絶縁膜の材質と異なる材質
    の第2の絶縁膜を形成する工程と、 該第2の絶縁膜上にポジ型レジストを塗布し前記基板の
    裏面から光を照射することにより該ポジ型レジスト膜を
    前記第1の電極と同一のパターンに露光してパターニン
    グする工程と、 前記基板上に第2の電極を形成するための第2の導電膜
    を形成する工程と、 前記レジスト膜を剥離することにより前記第2の絶縁膜
    上の前記第2の導電膜を残したまま前記レジスト膜上の
    前記第2の導電膜をリフトオフする工程と、 前記第2の絶縁膜上に残留した第2の導電膜をマスクと
    して前記第2の絶縁膜の一部をサイドエッチングする工
    程と、 前記第2の絶縁膜上の第2の導電膜上に所定の幅で長手
    方向に延びる第2の電極のパターンのレジスト膜を形成
    し該レジスト膜をマスクとして該第2の導電膜から第2
    の電極を形成する工程とを有することを特徴とする固体
    放電装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の電極の、前記第1の電極と対
    向する側の辺を櫛形にパターニングすることを特徴とす
    る請求項3記載の固体放電装置の製造方法。
JP11990495A 1995-05-18 1995-05-18 固体放電装置の製造方法 Withdrawn JPH08315958A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11990495A JPH08315958A (ja) 1995-05-18 1995-05-18 固体放電装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11990495A JPH08315958A (ja) 1995-05-18 1995-05-18 固体放電装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08315958A true JPH08315958A (ja) 1996-11-29

Family

ID=14773097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11990495A Withdrawn JPH08315958A (ja) 1995-05-18 1995-05-18 固体放電装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08315958A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6493529B1 (en) 1999-07-05 2002-12-10 Ricoh Company, Ltd. Charging device with walls surrounding the electrodes which reduce ozone emissions

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6493529B1 (en) 1999-07-05 2002-12-10 Ricoh Company, Ltd. Charging device with walls surrounding the electrodes which reduce ozone emissions

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3470031B2 (ja) 弾性表面波装置の製造方法
JPH08315958A (ja) 固体放電装置の製造方法
JP3033179B2 (ja) 電界放出型エミッタ及びその製造方法
EP0869529B1 (en) Discharge tube
JPH08315957A (ja) 固体放電装置の製造方法
KR100274865B1 (ko) 전계방사형 음극 및 그 제조방법
JP3175225B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JP3158736B2 (ja) 静電記録ヘッド
JPH03116737A (ja) 半導体装置の製造方法
JPS6025255A (ja) 半導体装置の製造方法
JP4014190B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JPH07220623A (ja) 冷陰極電極及びその製造方法
KR100569264B1 (ko) 전계방출 표시소자의 제조방법
JP3328856B2 (ja) 放電器及びそれを用いた記録ヘッド
JPH03118853A (ja) 電気集麈器
JPH07114109B2 (ja) プレーナ型冷陰極の製造方法
JPS61289365A (ja) 固体放電装置
JP3750362B2 (ja) 誘電体薄膜の形成方法
JPH07296719A (ja) ガス放電表示パネルの製造方法
JP4261577B2 (ja) コロナ予備電離電極
JPH11214951A (ja) 表面弾性波素子
KR100393040B1 (ko) 플라즈마표시소자의제조방법
JP2000188059A (ja) 電界放射型電子源
JPH10247004A (ja) 静電像形成装置用電荷発生制御素子
JPH09305002A (ja) 平面型固体放電装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020806