JPH08315957A - 固体放電装置の製造方法 - Google Patents

固体放電装置の製造方法

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JPH08315957A
JPH08315957A JP11990395A JP11990395A JPH08315957A JP H08315957 A JPH08315957 A JP H08315957A JP 11990395 A JP11990395 A JP 11990395A JP 11990395 A JP11990395 A JP 11990395A JP H08315957 A JPH08315957 A JP H08315957A
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JP
Japan
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insulating film
conductive film
film
emitter electrode
discharge device
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JP11990395A
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English (en)
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Takayuki Yamada
高幸 山田
Takeshi Nakamura
毅 中村
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】電離効率がよく、且つ、電極破壊を起こしにく
い固体放電装置を製造する方法を提供する。 【構成】基板104上に第1の導電膜を着膜し、第1の
導電膜上に第1の絶縁膜を着膜し、第1の絶縁膜を島状
にパターニングし、第1の絶縁膜をマスクとして第1の
導電膜を、第1の絶縁膜の下面の一部がサイドエッチン
グされるまでエッチングし、第1の導電膜の表面に酸化
被膜112を形成することにより第1の導電膜に未酸化
の尖頭状のエミッタ電極103を形成し、エミッタ電極
103上及び第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜113を着
膜し、第2の絶縁膜113上に第2の導電膜を着膜し、
第1の絶縁膜を除去することによって第1の絶縁膜の上
に形成された第2の絶縁膜及び第2の導電膜をリフトオ
フし、第1の絶縁膜が除去されて形成された開口部のエ
ミッタ電極表面の酸化被膜を除去し、第2の導電膜をエ
ミッタ電極103を囲繞する形状にパターニングするこ
とにより対向電極101を形成し、対向電極101の表
面を絶縁膜102で被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電現象を利用して空
気を電離しイオンを発生させる放電装置の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の画像形成装置にお
ける感光体等の帯電器、除電器として、コロトロンある
いはスコロトロンと呼ばれる方式の放電装置が広く用い
られている。図19は、従来のコロトロン方式の放電装
置の概要図である。
【0003】図19に示すように、この方式の放電装置
10は、断面がコの字状の細長いシールドケース13の
両端部に絶縁ブロック11を設け、この両端の絶縁ブロ
ック11の間にタングステン等の金属製の放電ワイヤ1
2を張架し、この放電ワイヤ12をエミッタ電極とし放
電ワイヤ12とシールドケース13との間に高電圧を印
加することにより、エミッタ電極の周囲にコロナ放電を
発生させて空気を電離しイオンを発生させるタイプのも
のである。
【0004】しかしながら、このタイプの放電装置の放
電ワイヤ12には、放電しやすいように径の細い金属線
が用いられるため、張架時に切れやすいという問題があ
る。また、このタイプの放電装置は、コロナ放電時の放
電ワイヤ12の振動によってイオンの発生量にむらを生
じ易く、長期間に亘る使用によって放電ワイヤが伸び振
動が大きくなると、イオン発生量のむらが一層顕著にな
るという問題がある。また、放電ワイヤ12の振動によ
りエミッタ電極12とシールドケース13あるいは感光
体等との間にアーク放電が起こり易くなり、時にはアー
ク放電によって放電装置が破壊することもある。そのた
め、放電ワイヤ12とシールドケース13あるいは感光
体等との間に十分な間隔を空ける必要があり、放電装置
を小型化することが難しい上、放電ワイヤ12とシール
ドケース13との間に高電圧を印加せざるを得ないとい
う問題がある。
【0005】このような問題を解決するため、放電ワイ
ヤを用いずに、固体回路によって放電装置を構成する固
体放電装置が数多く提案されている。例えば、特開昭5
4−53537号公報、特開昭60−169863号公
報、特開昭60−181763号公報、特開昭64−2
075号公報、特開平4−238056号公報等が挙げ
られる。
【0006】図20は、これら従来の固体放電装置の一
般的な構成を示す断面図である。図20に示すように、
この固体放電装置100は、対向電極2の外周を高純度
アルミナ等からなる誘電体1で均一な厚さに覆い、誘電
体1表面の対向電極2と対向する位置にエミッタ電極3
を配置することにより構成される。このような固体放電
装置100を、例えば電子写真方式の複写機の帯電器と
して使用する場合は、固体放電装置100のエミッタ電
極3が、導電性支持体6aと光導電層6bとを備えた感
光体6と対向するように感光体6の近傍に固体放電装置
100を配備し、エミッタ電極3と対向電極2との間に
交流電源4によって交流電圧を印加すると共にエミッタ
電極3と導電性支持体6aとの間に直流電源5によって
直流電圧を印加する。このようにすることにより、エミ
ッタ電極3と対向電極2との間に放電現象が起こり空気
が電離してイオンが発生する。発生したイオンは感光体
6の光導電層6bに引き寄せられ、光導電層6bが帯電
する。
【0007】このような固体放電装置は、前記の放電ワ
イヤ方式の放電装置より信頼性が向上し、ある程度小型
化することも可能であるが、これらの従来の固体放電装
置には、次に説明するように、高い電離効率を得ること
が難しいという問題がある。図21は、従来の固体放電
装置における放電時の電気力線を示す模式図である。
【0008】図21に示すように、対向電極2とエミッ
タ電極3との間に高電圧が印加されると、エミッタ電極
3から誘電体1の中を通って対向電極2に向かう電気力
線7aと、エミッタ電極3から一旦、大気中にしみ出し
てから誘電体1の中に入り誘電体1の中を通って対向電
極2に向かう電気力線7bとの2種類の電気力線が発生
する。この2種類の電気力線のうち、大気中にしみ出し
て空気を電離させる電気力線7bのみが放電領域8を形
成し、この放電領域8において放電が起こり空気が電離
される。一方、電気力線7aは空気の電離に寄与しな
い。ところで、空気の比誘電率は誘電体1の比誘電率よ
り小さいため、大気中にしみ出す電気力線7bは、電離
に寄与しない電気力線7aより極めて少ない。そのた
め、このタイプの固体放電装置の電離効率を上げること
は難しい。
【0009】これらの従来例とは別に、特開平5−94
077号公報及び特開平5−94078号公報には、エ
ミッタ電極と対向電極との間に印加する電圧を低減し電
離効率を向上させるために、エミッタ電極と対向電極と
を微小間隔で対向させた帯電装置が提案されている。し
かしながら、エミッタ電極と対向電極との間隔を小さく
すると、放電が生じ始める時の印加電圧と、全路絶縁破
壊が生じ始める時の印加電圧との差が小さくなり、つま
り、放電に適した印加電圧の範囲が狭くなって全路絶縁
破壊が起き易くなるため、全路絶縁破壊を起こさないよ
うに放電を制御することが極めて困難であり、放電開始
電圧の低減化にも限界があった。また、これら二つの公
報には、絶縁性基板上に形成されたエミッタ電極を絶縁
膜で被覆することによって全路絶縁破壊による電極の破
壊が防止され、長期間に亙り安定した放電を行える旨が
記載されているが、エミッタ電極を絶縁膜で被覆した場
合には、両電極間に介在する絶縁膜により電極間の容量
が増加して放電が生じ難くなるだけでなく、エミッタ電
極の近傍における電界が集中する部位に絶縁膜が存在す
るため、その部位で放電が行われず、つまり、絶縁膜の
表面で放電を発生させなければならないので、印加電圧
を高めざるを得ないという問題が生じる。
【0010】このように、従来技術によっては、放電開
始電圧の低減化、即ち電離効率の向上と全路絶縁破壊に
よる電極破壊の防止という相反する要求を満たすことが
できない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、先に出願した特願平7−******号明細書にお
いて、エミッタ電極と、このエミッタ電極に対向する対
向電極とから成り、エミッタ電極には、対向電極に対向
する側に電界集中部を形成すると共に、対向電極には、
エミッタ電極に対向する側に絶縁膜を設けることによ
り、電離効率がよく、且つ、電極破壊を起こしにくい固
体放電装置について開示した。
【0012】図1は、このような固体放電装置の一実施
態様の一部断面図である。図1に示すように、固体放電
装置100は、絶縁性の基板104上に形成された尖頭
状の電界集中部103aを有するエミッタ電極103
と、電界集中部103aと所定のエアギャップGを隔て
て対向する対向電極101とを備えている。対向電極1
01の表面は絶縁膜102で覆われており、この絶縁膜
102が大気の全路絶縁破壊の発生を抑制するため、電
極破壊が防止される。
【0013】このように構成された固体放電装置100
の、エミッタ電極103と対向電極101との間に高圧
電源105により高電圧が印加されると、エミッタ電極
103の尖頭状の電界集中部103aの周囲において集
中的に大気の電離が起き、効果的にイオンを発生する。
しかしながら、このような固体放電装置100をどのよ
うにしたら製造することができるかが問題となる。
【0014】本発明は、このような、電離効率がよく、
且つ、電極破壊を起こしにくい固体放電装置を製造する
方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の第1の固体放電装置の製造方法は、基板上に第1
の導電膜を着膜する工程と、第1の導電膜上に第1の絶
縁膜を着膜する工程と、第1の絶縁膜を島状にパターニ
ングする工程と、第1の絶縁膜をマスクとして第1の導
電膜を、第1の絶縁膜の下部の一部がサイドエッチング
されるまでエッチングする工程と、第1の導電膜の表面
に酸化被膜を形成することにより第1の導電膜に未酸化
の尖頭状のエミッタ電極を形成する工程と、エミッタ電
極上及び第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を着膜する工程
と、第2の絶縁膜上に第2の導電膜を着膜する工程と、
第1の絶縁膜を除去することによって第1の絶縁膜の上
に形成された第2の絶縁膜及び第2の導電膜をリフトオ
フする工程と、第1の絶縁膜が除去されて形成された開
口部のエミッタ電極表面の酸化被膜を除去する工程と、
第2の導電膜をエミッタ電極を囲繞する形状にパターニ
ングすることにより対向電極を形成する工程と、対向電
極の表面を絶縁膜で被覆する工程とを有することを特徴
とする。
【0016】ここで、上記第1の導電膜を着膜する工程
が、互いに材料の異なる2層の導電膜を着膜する工程で
あって、上記第1の導電膜をエッチングする工程が、上
記第1の導電膜のうち上層の導電膜をエッチングする工
程であることが好ましい。
【0017】
【作用】本発明の固体放電装置の製造方法は、上記のよ
うに、島状にパターニングされた第1の絶縁膜によって
形成された開口部により、エミッタ電極と対向電極とが
自己整合的に形成されるため、放電特性にとって重要な
電極間エアギャップの精度が極めて高いものとなり、従
って、電離効率のよい固体放電装置が製造される。
【0018】また、上記のように、第1の導電膜のサイ
ドエッチング工程及び第1の導電膜の表面に酸化被膜を
形成する工程とによって尖頭状のエミッタ電極が形成さ
れ、この尖頭の部分に電気力線が集中する電界集中部が
形成され、その結果、電離効率のよい固体放電装置が製
造される。また、上記のように、対向電極の表面が絶縁
被膜で被覆されることにより、両電極間の空気の全路絶
縁破壊が防止されるので、電極破壊を起こしにくい固体
放電装置が製造される。
【0019】更に、上記のように、第1の導電膜を、互
いに材料の異なる2層の導電膜として着膜し、第1の導
電膜をエッチングする工程が、上記2層の導電膜のうち
上層の導電膜をエッチングすることとした場合は、第1
の導電膜のエッチング量をより確実に制御することがで
きるので、電離効率のよい固体放電装置が容易に製造さ
れる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
2〜図8は、本発明の固体放電装置の製造方法の第1の
実施例の工程図である。図2に示すように、ガラス、セ
ラミックス等の絶縁性の基板104の上に、スパッタリ
ング法により、Taから成る第1の導電膜110を膜厚
1〜3μmで着膜する。第1の導電膜110としては、
Taの他、W、Ni、Al等の金属を用いることができ
る。
【0021】次に、第1の導電膜110の上に、スパッ
タリング法、CVD(Chemical Vapor
Deposition)法等により、SiO2 、SiN
x 等の第1の絶縁膜111を着膜する。次に、フォトリ
ソグラフィー法により、第1の絶縁膜111を直径3〜
5μm程度の島状にパターニングする。パターニングす
る形状は円形の島状でもよく、角形の島状でもよい。
【0022】次に、図3に示すように、第1の絶縁膜1
11をマスクとして等方的エッチング法により、第1の
導電膜110の一部をエッチングする。このエッチング
は、第1の導電膜110のうちの第1の絶縁膜111の
下部の一部がサイドエッチングされるまで行われる。本
実施例では、第1の導電膜110の第1の絶縁膜111
の下部の一部がサイドエッチングされるまで、即ち第1
の導電膜110の台地状の頂上部分の直径が1〜1.5
μm程度となるまでサイドエッチングを行った。前述の
ように、第1の絶縁膜111は直径3〜5μm程度の島
状にパターニングされているので、第1の導電膜110
の台地状の頂上部分の直径が最初の直径の約1/3程度
となった辺りでエッチングを止める。
【0023】次に、図4に示すように、第1の導電膜1
10を電解液中で陽極酸化して第1の導電膜110表面
に酸化被膜112を形成することにより、第1の導電膜
110を未酸化の尖頭状のエミッタ電極103に形成す
る。本実施例では、酸化被膜112の膜厚が0.5〜
0.8μm程度になるまで陽極酸化を行うことにより、
第1の導電膜110の台地状の頂上部分の面が周囲から
酸化されて、中心部のみが未酸化のまま残り、尖頭状の
電界集中部103aが形成される。
【0024】次に、図5に示すように、スパッタリング
法等により、エミッタ電極103上及び第1の絶縁膜1
11上に、即ち、基板104の全面に第2の絶縁膜11
3を着膜し、更にその上に、第2の導電膜114を着膜
する。ここで、第2の絶縁膜113は、エミッタ電極1
03の電界集中部103aの高さとほぼ同じ高さに着膜
することが望ましい。また、第2の絶縁膜113の材料
は第1の絶縁膜111とは互いに異なる材料である。
【0025】次に、第1の絶縁膜111(図5参照)を
選択的にエッチング除去することにより、第1の絶縁膜
111上の第2の絶縁膜113及び第2の導電膜114
をリフトオフし、図6に示すような、開口部115を形
成する。前述のように第1の絶縁膜111と第2の絶縁
膜113とを互いに異なる材料とすることにより、この
エッチング工程において、第1の絶縁膜111のみを選
択的にエッチングし、酸化被膜112a上の第2の絶縁
膜113の開口部115に面した部分をエッチングしな
いようにする。
【0026】次に、開口部115の底部に現れた酸化被
膜112aをエッチングにより除去し、エミッタ電極1
03の電界集中部103aを露出させる。次に、図7に
示すように、通常のフォトリソグラフィ法により、第2
の導電膜114をエミッタ電極103を囲繞する形状に
パターニングし、対向電極101を形成する。
【0027】最後に、対向電極101を電解液中に浸
し、対向電極101にプラス電極を接続し、電解液をマ
イナス電極に接続して、対向電極101の表面を陽極酸
化し、図8に示すように、酸化生成物である絶縁膜10
2で対向電極101の表面を被覆して固体放電装置10
0が完成する。この絶縁膜被覆工程は、生成される絶縁
膜の膜厚が0.3〜1.0μm程度になるまで行う。そ
のような条件下で陽極酸化を行うことにより、エミッタ
電極103は酸化されず、対向電極101のみが酸化さ
れ、その表面が絶縁膜102で被覆される。
【0028】このようにして製造された固体放電装置1
00は、島状にパターニングされた第1の絶縁膜111
がリフトオフされることによって形成された開口部11
5(図6参照)により、エミッタ電極103と対向電極
101とが自己整合的に形成されたものであるので、放
電特性にとって極めて重要なエミッタ電極103と対向
電極101とのエアギャップGが極めて高精度に形成さ
れる。
【0029】なお、本実施例では、対向電極101を被
覆する絶縁膜102を形成する方法として、陽極酸化法
を用いたが、この絶縁膜102の形成は陽極酸化法のみ
に限定されるものではなく、エミッタ電極103が影響
を受けずに対向電極101の表面にだけ絶縁膜が選択的
に形成できる方法であれば、どのような方法でもよい。
例えば、スパッタリング法、CVD法等の着膜法によっ
て形成した絶縁膜でもよい。
【0030】また、前記の陽極酸化により形成した絶縁
膜102を更に上記のような着膜法により被覆し、対向
電極を2層の絶縁膜で被覆することにより、絶縁膜のピ
ンホールに起因する欠陥を効果的に防止してもよい。次
に、本発明の固体放電装置の製造方法の第2の実施例に
ついて説明する。第2の実施例は、第1の実施例におけ
る、第1の導電膜110の一部をサイドエッチングする
工程を変形した一例である。
【0031】即ち、前記第1の実施例においては、図3
に示すように、第1の導電膜110の、第1の絶縁膜1
11の下部の一部がサイドエッチングされるまでエッチ
ングし、次いでその第1の導電膜の表面に酸化被膜11
2を形成することにより未酸化の尖頭状のエミッタ電極
103を形成している。所望の形状のエミッタ電極10
3を得るためには、エッチングの進行を適切なタイミン
グで中断する必要があるが、このようにサイドエッチン
グ量を制御するという方法は、必ずしも確実性の高い方
法とはいえず、時に、サイドエッチング量が変動し、最
終的に得られるエミッタ電極103の形状にバラツキを
生じることがある。
【0032】そこで、第2の実施例においては、第1の
導電膜を着膜する際に互いに材料の異なる2層の導電膜
を着膜し、第1の導電膜をエッチングする際に上記第1
の導電膜のうち上層の導電膜のみを選択的にエッチング
するようにした。こうすることにより第1の導電膜のサ
イドエッチング量をより確実に制御し、バラツキの少な
いエミッタ電極103を得ることができる。
【0033】図9〜図15は、本発明の固体放電装置の
製造方法の第2の実施例の工程図である。図9に示すよ
うに、ガラス、セラミックス等の絶縁性の基板104の
上に、2層から成る第1の導電膜110のうちの下層の
導電膜110bを先ず着膜し、次いで、上層の導電膜1
10aを着膜する。第1の導電膜110の材料は、第1
の実施例と同様、Ta、W、Ni、Al等の金属を用い
るが、上層の導電膜110aと下層の導電膜110bと
は互いに異なる材料を用いる必要がある。
【0034】次に、下層の導電膜110b及び上層の導
電膜110aの上に、第1の実施例と同様、第1の絶縁
膜111を着膜する。次に、フォトリソグラフィー法に
より、第1の絶縁膜111を直径3〜5μm程度の島状
にパターニングする。次に、図10に示すように、第1
の絶縁膜111をマスクとして、2層より成る第1の導
電膜110のうちの上層の導電膜110aをエッチング
する。このエッチングは、上層の導電膜110aのうち
の第1の絶縁膜111の下面と接する面の一部がサイド
エッチングされるまで行われる。ここで、下層の導電膜
110bのエッチングレートを、上層の導電膜110a
より小さいエッチングレートとしておくことにより、上
層の導電膜110aのエッチング時に下層の導電膜11
0bはエッチングされない。
【0035】このようにして、下層の導電膜110bを
気にせずに、上層の導電膜110aのサイドエッチング
量を確実に制御することができる。次に、図11に示す
ように、第1の導電膜110の上層の導電膜110aを
陽極酸化することにより、上層の導電膜110aの表面
に酸化被膜112を形成することにより尖頭状の電界集
中部103aを有する未酸化のエミッタ電極103を形
成する。ここで、図11には、下層の導電膜110b上
には酸化被膜112が形成されない例を示したが、下層
の導電膜110bが、ある程度酸化され、下層の導電膜
110b上に酸化被膜が形成されるような条件下で陽極
酸化を行うようにしても差し支えない。
【0036】以下、第1の実施例と同様、図12に示す
ように、エミッタ電極103上及び第1の絶縁膜111
上に、即ち、基板104全面に第2の絶縁膜113を着
膜し、更にその上に、第2の導電膜114を着膜する。
次に、図13に示すように、第1の絶縁膜111をエッ
チング除去することにより、第1の絶縁膜111上の第
2の絶縁膜113及び第2の導電膜114をリフトオフ
する。第1の絶縁膜111と第2の絶縁膜113は別の
材料であるため、この工程において、第1の絶縁膜11
1のみが選択的にエッチングされ、開口部115が形成
される。次に、この開口部115に現れた酸化被膜11
2aをエッチングにより除去し、エミッタ電極103の
電界集中部103aを露出させる。
【0037】次に、図14に示すように、第2の導電膜
114をエミッタ電極103を囲繞する形状にパターニ
ングし、対向電極101を形成する。最後に、図15に
示すように、対向電極101の表面を絶縁膜102で被
覆することにより固体放電装置100が完成する。図1
6は、本実施例により製造され、複写機及びレーザビー
ムプリンタの帯電器として使用される固体放電装置の構
成図である。
【0038】図16に示すように、この帯電器には、幅
数mm、長さ20〜30cmの基板104上に、本実施
例により製造された固体放電装置100を数百〜数千個
配列してある。このように固体放電装置100を多数配
列することにより、帯電むらを起こりにくくすることが
でき、また、これら多数の固体放電装置100のうちに
若干の欠陥部分があっても放電性能、即ち帯電性能が平
均化されるため画質欠陥には至らないという利点が生じ
る。
【0039】図17は、図16の部分拡大図である。図
17に示すように、尖頭状の電界集中部103aを有す
るエミッタ電極103を囲繞した形状に対向電極101
が形成されている。また、隣接する対向電極101どう
しは、帯電器としての給電のために接続部106によっ
て互いに接続され、基板の端に設けられた端子部(図示
せず)まで導かれている。この接続部106は陽極酸化
工程時の接続部としても機能する。
【0040】図18は、本発明の第1の実施例により製
造された固体放電装置を帯電器として使用する場合の模
式断面図である。図18に示すように、この帯電器40
0は、基板104上に形成された、尖頭状の電界集中部
103aを有するエミッタ電極103と、エミッタ電極
103を囲繞する形状に形成された、酸化被膜102で
被覆された対向電極101を備えた固体放電装置100
と、交流電源4と、直流電源5とから構成されている。
【0041】そして、この帯電器400が導電性支持体
6a及び光導電層6bを備えた感光体6の近傍に配設さ
れている。この帯電器400のエミッタ電極103と、
対向電極101との間に周波数1MHz、振幅500〜
1000V、正弦波形の交流電源4を接続することによ
りエミッタ電極103の尖頭状の電界集中部103a近
傍で集中的に放電が起こり、空気が電離してイオンが発
生する。発生したイオンは、直流電源5によりエミッタ
電極103と導電性支持体6aとの間に印加された直流
電圧により感光体6の光導電層6bに引き寄せられ、光
導電層6bが帯電する。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の固体放電
装置の製造方法によれば、電離効率がよく、且つ、電極
破壊を起こしにくい固体放電装置を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体放電装置の一部断面図である。
【図2】固体放電装置の製造方法の一実施例の工程図で
ある。
【図3】固体放電装置の製造方法の一実施例の工程図で
ある。
【図4】固体放電装置の製造方法の一実施例の工程図で
ある。
【図5】固体放電装置の製造方法の一実施例の工程図で
ある。
【図6】固体放電装置の製造方法の一実施例の工程図で
ある。
【図7】固体放電装置の製造方法の一実施例の工程図で
ある。
【図8】固体放電装置の製造方法の一実施例の工程図で
ある。
【図9】固体放電装置の製造方法の他の実施例の工程図
である。
【図10】固体放電装置の製造方法の他の実施例の工程
図である。
【図11】固体放電装置の製造方法の他の実施例の工程
図である。
【図12】固体放電装置の製造方法の他の実施例の工程
図である。
【図13】固体放電装置の製造方法の他の実施例の工程
図である。
【図14】固体放電装置の製造方法の他の実施例の工程
図である。
【図15】固体放電装置の製造方法の他の実施例の工程
図である。
【図16】本実施例により製造され、複写機及びレーザ
ビームプリンタの帯電器として使用される固体放電装置
の構成図である。
【図17】図16の部分拡大図である。
【図18】本発明の第1の実施例により製造された固体
放電装置を帯電器として使用する場合の模式断面図であ
る。
【図19】従来のコロトロン方式の放電装置の概要図で
ある。
【図20】従来の一般的な固体放電装置の断面図であ
る。
【図21】従来の固体放電装置における放電時の電気力
線を示す模式図である。
【符号の説明】
1 絶縁体 2 誘導電極 3 エミッタ電極 4 交流電源 5 直流電源 6 感光体 6a 導電性支持体 6b 光導電層 10 放電装置 11 絶縁ブロック 12 放電ワイヤ 13 シールドケース 100 固体放電装置 101 対向電極 102 絶縁膜 103 エミッタ電極 103a 電界集中部 104 基板 105 高電圧電源 106 接続部 110 第1の導電膜 110a,110b 導電膜 111 第1の絶縁膜 112 酸化被膜 113 第2の絶縁膜 114 第2の導電膜 115 開口部 400 帯電器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に第1の導電膜を着膜する工程
    と、 該第1の導電膜上に第1の絶縁膜を着膜する工程と、 該第1の絶縁膜を島状にパターニングする工程と、 該第1の絶縁膜をマスクとして前記第1の導電膜を、該
    第1の絶縁膜の下部の一部がサイドエッチングされるま
    でエッチングする工程と、 前記第1の導電膜の表面に酸化被膜を形成することによ
    り該第1の導電膜に未酸化の尖頭状のエミッタ電極を形
    成する工程と、 前記エミッタ電極上及び前記第1の絶縁膜上に第2の絶
    縁膜を着膜する工程と、 該第2の絶縁膜上に第2の導電膜を着膜する工程と、 前記第1の絶縁膜を除去することによって前記第1の絶
    縁膜の上に形成された前記第2の絶縁膜及び前記第2の
    導電膜をリフトオフする工程と、 前記第1の絶縁膜が除去されて形成された開口部の前記
    エミッタ電極表面の酸化被膜を除去する工程と、 前記第2の導電膜を前記エミッタ電極を囲繞する形状に
    パターニングすることにより対向電極を形成する工程
    と、 前記対向電極の表面を絶縁膜で被覆する工程とを有する
    ことを特徴とする固体放電装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の導電膜を着膜する工程が、互
    いに材料の異なる2層の導電膜を着膜する工程であっ
    て、前記第1の導電膜をエッチングする工程が、前記第
    1の導電膜のうち上層の導電膜をエッチングする工程で
    あることを特徴とする請求項1記載の固体放電装置の製
    造方法。
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