JPH083157B2 - アルミニウムおよびアルミニウム合金の電解着色方法 - Google Patents
アルミニウムおよびアルミニウム合金の電解着色方法Info
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- JPH083157B2 JPH083157B2 JP3021063A JP2106391A JPH083157B2 JP H083157 B2 JPH083157 B2 JP H083157B2 JP 3021063 A JP3021063 A JP 3021063A JP 2106391 A JP2106391 A JP 2106391A JP H083157 B2 JPH083157 B2 JP H083157B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウムもしくは
アルミニウム合金の表面に着色皮膜を生成する表面処理
方法に係わり、さらに詳しくは、つきまわり性および着
色の再現性に優れ、ブルー系,グレー系の色調を工業的
に安定して得ることができる電解着色方法に関するもの
である。
アルミニウム合金の表面に着色皮膜を生成する表面処理
方法に係わり、さらに詳しくは、つきまわり性および着
色の再現性に優れ、ブルー系,グレー系の色調を工業的
に安定して得ることができる電解着色方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムあるいはアルミニウム合金
の電解着色方法において、陽極酸化皮膜を生成したアル
ミニウムあるいはアルミニウム合金に、さらに前記陽極
酸化皮膜化成処理とは異なる浴中で二次的な皮膜化成を
施したのち、金属塩を含む着色浴中で交流電解するいわ
ゆる三次電解着色法は、処理条件の変化によって同一の
電解浴中で、青色,灰青色,ブロンズ系から黒色に至る
までの色調を得ることができ、例えば、特公昭54−1
3860号公報,特開昭53−22834号公報あるい
は特開昭54−85137号公報などに開示されてい
る。
の電解着色方法において、陽極酸化皮膜を生成したアル
ミニウムあるいはアルミニウム合金に、さらに前記陽極
酸化皮膜化成処理とは異なる浴中で二次的な皮膜化成を
施したのち、金属塩を含む着色浴中で交流電解するいわ
ゆる三次電解着色法は、処理条件の変化によって同一の
電解浴中で、青色,灰青色,ブロンズ系から黒色に至る
までの色調を得ることができ、例えば、特公昭54−1
3860号公報,特開昭53−22834号公報あるい
は特開昭54−85137号公報などに開示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記三
次電解着色法は、前述のように多彩な色調が得られると
いう反面、着色色調が秒単位で移り変わるため特定の色
調を安定して得ることが難しく、特にブルー系あるいは
グレー系の色調に着色する場合には、ロット毎の色合わ
せが極めて困難であるという問題点があった。さらに、
発色のつきまわり性が劣ると共に、着色浴の液組成が複
雑であるために液の成分管理が繁雑となり、とりわけ硫
酸第一錫(SnSO4 )を含む着色浴の場合には、錫老
化防止剤の添加が必要であると共に前記硫酸第一錫の添
加量が微量となるために、管理に当たって液の分析を頻
繁に行う必要があるなど多くの問題点を有し、これらの
問題点の解決が製品の歩留向上,コスト低減を図る上で
の課題となっていた。
次電解着色法は、前述のように多彩な色調が得られると
いう反面、着色色調が秒単位で移り変わるため特定の色
調を安定して得ることが難しく、特にブルー系あるいは
グレー系の色調に着色する場合には、ロット毎の色合わ
せが極めて困難であるという問題点があった。さらに、
発色のつきまわり性が劣ると共に、着色浴の液組成が複
雑であるために液の成分管理が繁雑となり、とりわけ硫
酸第一錫(SnSO4 )を含む着色浴の場合には、錫老
化防止剤の添加が必要であると共に前記硫酸第一錫の添
加量が微量となるために、管理に当たって液の分析を頻
繁に行う必要があるなど多くの問題点を有し、これらの
問題点の解決が製品の歩留向上,コスト低減を図る上で
の課題となっていた。
【0004】
【発明の目的】本発明は、上記した従来の課題に着目し
てなされたもので、着色浴の管理および色合わせが容易
であると共に、つきまわり性に優れ、ブルー系,グレー
系の色調を工業的に安定して得ることができる電解着色
方法を提供することを目的としている。
てなされたもので、着色浴の管理および色合わせが容易
であると共に、つきまわり性に優れ、ブルー系,グレー
系の色調を工業的に安定して得ることができる電解着色
方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるアルミニ
ウムおよびアルミニウム合金の電解着色方法は、アルミ
ニウムまたはアルミニウム合金材に陽極酸化皮膜を生成
させる陽極酸化処理工程と、有機酸または無機酸もしく
はこれらの塩を主体とする浴中で電解処理する中間電解
処理工程と、硫酸ニッケルとスルファミン酸を含みpH
を4.5〜5.5の範囲に調整した着色浴中で、負側電
圧の絶対値に対する正側電圧の比が1を超え2以下であ
る電圧波形を有する矩形波交流を用いて電解処理する電
解着色処理工程を経る構成としたものであって、電解着
色方法におけるこのような構成を前述した従来の課題を
解決するための手段としたことを特徴としている。
ウムおよびアルミニウム合金の電解着色方法は、アルミ
ニウムまたはアルミニウム合金材に陽極酸化皮膜を生成
させる陽極酸化処理工程と、有機酸または無機酸もしく
はこれらの塩を主体とする浴中で電解処理する中間電解
処理工程と、硫酸ニッケルとスルファミン酸を含みpH
を4.5〜5.5の範囲に調整した着色浴中で、負側電
圧の絶対値に対する正側電圧の比が1を超え2以下であ
る電圧波形を有する矩形波交流を用いて電解処理する電
解着色処理工程を経る構成としたものであって、電解着
色方法におけるこのような構成を前述した従来の課題を
解決するための手段としたことを特徴としている。
【0006】本発明に係わるアルミニウムおよびアルミ
ニウム合金の電解着色方法においては、まず、アルミニ
ウムあるいはアルミニウム合金素材に脱脂洗浄,エッチ
ング,スマット除去などの前処理が施され、陽極酸化処
理工程においては、常法に従って、硫酸,蓚酸あるいは
これらの混酸浴中で、陽極側に接続して直流電解するこ
とによって、あるいは交流もしくは交直重畳電流を用い
て電解することによって、前記素材に陽極酸化皮膜を生
成させる。
ニウム合金の電解着色方法においては、まず、アルミニ
ウムあるいはアルミニウム合金素材に脱脂洗浄,エッチ
ング,スマット除去などの前処理が施され、陽極酸化処
理工程においては、常法に従って、硫酸,蓚酸あるいは
これらの混酸浴中で、陽極側に接続して直流電解するこ
とによって、あるいは交流もしくは交直重畳電流を用い
て電解することによって、前記素材に陽極酸化皮膜を生
成させる。
【0007】該素材は中間電解処理工程において、前記
陽極酸化処理工程の処理浴とは別個に設けられた浴中で
電解処理され、陽極酸化処理工程で生成された陽極酸化
皮膜に特性変化が与えられる。この電解処理には、交
流,直流もしくは交直重畳電流が用いられ、とくに交流
を用いた場合には、直流の場合に較べて前記陽極酸化皮
膜に加える特性変化を大きくすることができる。また、
この時使用される処理浴の液組成は、−OH基もしくは
−COOH基を含む有機酸,亜燐酸,硫酸アミド,40
v/v%以上の高濃度硫酸,またはこれらの塩のうち1
種または2種以上を主体としたものであって、前記有機
酸の具体例としては、りんご酸,グルコン酸,マレイン
酸,クエン酸,マロン酸,酒石酸,クレゾールスルホン
酸,フェノールスルホン酸,スルホフタル酸,スルホサ
リチル酸,没食子酸,安息香酸,フタル酸,石炭酸など
を用いることができる。
陽極酸化処理工程の処理浴とは別個に設けられた浴中で
電解処理され、陽極酸化処理工程で生成された陽極酸化
皮膜に特性変化が与えられる。この電解処理には、交
流,直流もしくは交直重畳電流が用いられ、とくに交流
を用いた場合には、直流の場合に較べて前記陽極酸化皮
膜に加える特性変化を大きくすることができる。また、
この時使用される処理浴の液組成は、−OH基もしくは
−COOH基を含む有機酸,亜燐酸,硫酸アミド,40
v/v%以上の高濃度硫酸,またはこれらの塩のうち1
種または2種以上を主体としたものであって、前記有機
酸の具体例としては、りんご酸,グルコン酸,マレイン
酸,クエン酸,マロン酸,酒石酸,クレゾールスルホン
酸,フェノールスルホン酸,スルホフタル酸,スルホサ
リチル酸,没食子酸,安息香酸,フタル酸,石炭酸など
を用いることができる。
【0008】中間電解処理工程において陽極酸化皮膜に
特性変化を加えられた前記素材は、次の工程において電
解着色処理が施される。
特性変化を加えられた前記素材は、次の工程において電
解着色処理が施される。
【0009】この電解着色処理工程における着色浴は、
pHを4.5〜5.5の範囲に調整した硫酸ニッケルと
スルファミン酸を含んだものが使用され、これによって
前記素材は鮮やかなブルーあるいは無彩色系のグレーの
色調に着色される。なお、前記pH値は、アンモニア
水,トリエタノールアミン等によって調整することがで
き、pHを上記範囲に限定したのは、pH値が4.5未
満あるいは5.5を超えた場合には目標とするブルー系
あるいはグレー系の着色、すなわちより青味を帯びたブ
ルー,無彩色に近いグレーを安定に得ることができない
ことによる。
pHを4.5〜5.5の範囲に調整した硫酸ニッケルと
スルファミン酸を含んだものが使用され、これによって
前記素材は鮮やかなブルーあるいは無彩色系のグレーの
色調に着色される。なお、前記pH値は、アンモニア
水,トリエタノールアミン等によって調整することがで
き、pHを上記範囲に限定したのは、pH値が4.5未
満あるいは5.5を超えた場合には目標とするブルー系
あるいはグレー系の着色、すなわちより青味を帯びたブ
ルー,無彩色に近いグレーを安定に得ることができない
ことによる。
【0010】前記硫酸ニッケルの濃度としては、30g
/l以上、飽和濃度まで使用可能であるが、一般工業用
に適用できる範囲としては、30〜200g/lの範囲
が望ましい。なお、30g/l未満では発色が不安定と
なる。
/l以上、飽和濃度まで使用可能であるが、一般工業用
に適用できる範囲としては、30〜200g/lの範囲
が望ましい。なお、30g/l未満では発色が不安定と
なる。
【0011】スルファミン酸は、ニッケルの錯イオン形
成剤であり、発色のつきまわり性を改善し、良好な発色
を促す作用を有するものであるが、そのためには5g/
l以上の添加が好ましい。上限値については、飽和濃度
まで使用可能であるが、多く添加するとpH値を低下さ
せ正常な着色が困難になるので50g/l以下が望まし
い。
成剤であり、発色のつきまわり性を改善し、良好な発色
を促す作用を有するものであるが、そのためには5g/
l以上の添加が好ましい。上限値については、飽和濃度
まで使用可能であるが、多く添加するとpH値を低下さ
せ正常な着色が困難になるので50g/l以下が望まし
い。
【0012】また、この電解着色処理に際しての浴温に
ついては、10〜40℃、さらには20〜30℃の範囲
が望ましい。
ついては、10〜40℃、さらには20〜30℃の範囲
が望ましい。
【0013】さらに、当該着色浴には、キレート剤とし
て、酒石酸,クエン酸,スルホサリチル酸,クレゾール
スルホン酸などの有機酸の1種または2種以上を添加す
ることも可能であり、これら有機酸の添加によってブル
ーはより青味を帯び、グレーはより無彩色に近づいた色
調に発色するようになる。なお、キレート剤としてのこ
れら有機酸の添加は、5〜50g/lの範囲内であるこ
とが好ましい。
て、酒石酸,クエン酸,スルホサリチル酸,クレゾール
スルホン酸などの有機酸の1種または2種以上を添加す
ることも可能であり、これら有機酸の添加によってブル
ーはより青味を帯び、グレーはより無彩色に近づいた色
調に発色するようになる。なお、キレート剤としてのこ
れら有機酸の添加は、5〜50g/lの範囲内であるこ
とが好ましい。
【0014】電解着色処理工程における電解処理につい
ては、正側電圧が負側電圧の絶対値よりも高く、正側電
圧が負側電圧の絶対値の2倍以下である電圧波形を有す
る矩形波交流を用いて電解処理することが必要である。
これは、負側電圧の絶対値に対する正側電圧の比、すな
わち図1に示す電圧波形図におけるVp/|Vn|が1
以下の場合には、着色のつきまわり性が劣化すると共
に、着色速度が速くなって色調のコントロールが難しく
なることによる。また、前記比が2を超えた場合には発
色し難くなり、着色むらが生じやすくなることによる。
ては、正側電圧が負側電圧の絶対値よりも高く、正側電
圧が負側電圧の絶対値の2倍以下である電圧波形を有す
る矩形波交流を用いて電解処理することが必要である。
これは、負側電圧の絶対値に対する正側電圧の比、すな
わち図1に示す電圧波形図におけるVp/|Vn|が1
以下の場合には、着色のつきまわり性が劣化すると共
に、着色速度が速くなって色調のコントロールが難しく
なることによる。また、前記比が2を超えた場合には発
色し難くなり、着色むらが生じやすくなることによる。
【0015】さらに、正側電圧Vpについては、5〜5
0V、さらには10〜40Vの範囲が好ましく、また、
負側電圧Vnについては、−5〜−50V、さらには−
10〜−50Vの範囲が望ましい。これは、正側電圧V
pおよび負側電圧Vnの絶対値がそれぞれ5V未満の場
合、あるいは50Vを超えた場合には、つきまわり性が
悪く、浴条件によっては発色しないことがあるために他
ならない。
0V、さらには10〜40Vの範囲が好ましく、また、
負側電圧Vnについては、−5〜−50V、さらには−
10〜−50Vの範囲が望ましい。これは、正側電圧V
pおよび負側電圧Vnの絶対値がそれぞれ5V未満の場
合、あるいは50Vを超えた場合には、つきまわり性が
悪く、浴条件によっては発色しないことがあるために他
ならない。
【0016】また、図1に示す正側電圧出力周期Tp,
負側電圧出力周期Tnおよび接続時間Tsは、製品の面
積,形状,寸法,材質などに応じて、それぞれ前記正側
電圧Vpおよび負側電圧Vnとの関連において適宜選択
されるべきものであるが、一般に、Tp,Tnについて
は5〜100ms、さらに好ましくは10〜50ms、
Tsについては0〜30ms、さらに好ましくは0〜1
0msの範囲がそれぞれ望ましいと言える。さらに、正
側電圧と負側電圧の出力時間比Tp/Tnについては、
通常1であるが前記条件に応じて適宜選択可能である。
負側電圧出力周期Tnおよび接続時間Tsは、製品の面
積,形状,寸法,材質などに応じて、それぞれ前記正側
電圧Vpおよび負側電圧Vnとの関連において適宜選択
されるべきものであるが、一般に、Tp,Tnについて
は5〜100ms、さらに好ましくは10〜50ms、
Tsについては0〜30ms、さらに好ましくは0〜1
0msの範囲がそれぞれ望ましいと言える。さらに、正
側電圧と負側電圧の出力時間比Tp/Tnについては、
通常1であるが前記条件に応じて適宜選択可能である。
【0017】本発明に係わるアルミニウムおよびアルミ
ニウム合金の電解着色方法において、前記電解着色処理
工程の電解処理に用いる矩形波交流は、第1図に示した
ように頂部がフラットな完全な矩形波交流である必要は
必ずしもなく、若干のリップルを伴うものであっても良
い。しかしながら、そのリップル幅が大きく、正規の電
圧波形から掛離れた矩形波交流を用いた場合には、ピー
ク時の電圧によって被処理物のコーナー部などに電流集
中が生じ、着色むらの原因となることがあるので、矩形
波交流のリップル幅は小さい方が好ましいことは言うま
でもない。
ニウム合金の電解着色方法において、前記電解着色処理
工程の電解処理に用いる矩形波交流は、第1図に示した
ように頂部がフラットな完全な矩形波交流である必要は
必ずしもなく、若干のリップルを伴うものであっても良
い。しかしながら、そのリップル幅が大きく、正規の電
圧波形から掛離れた矩形波交流を用いた場合には、ピー
ク時の電圧によって被処理物のコーナー部などに電流集
中が生じ、着色むらの原因となることがあるので、矩形
波交流のリップル幅は小さい方が好ましいことは言うま
でもない。
【0018】この意味からは、電解着色処理工程の電解
処理に用いる矩形波交流として、例えば第2図に示す電
解処理装置から供給される、第3図に示すような電圧波
形を有する擬似矩形波交流が望ましく、これによって高
価な完全矩形波交流用電源装置を使用することなく、リ
ップルによる着色むらを防止することができ、製造コス
トの低減が可能になる。
処理に用いる矩形波交流として、例えば第2図に示す電
解処理装置から供給される、第3図に示すような電圧波
形を有する擬似矩形波交流が望ましく、これによって高
価な完全矩形波交流用電源装置を使用することなく、リ
ップルによる着色むらを防止することができ、製造コス
トの低減が可能になる。
【0019】すなわち第2図に示す電解処理装置1は、
処理槽2に満たされた前述の組成を有する着色浴3に浸
漬されたアルミニウムもしくはアルミニウム合金素材4
を正電解する正側サイリスタ整流器5と、前記アルミニ
ウムもしくはアルミニウム合金素材4を負電解する負側
サイリスタ整流器6と、前記正側サイリスタ整流器5の
一次側入力電圧を可変する正側自動誘導電圧調整器7
と、前記負側サイリスタ整流器6の一次側入力電圧を可
変する負側自動誘導電圧調整器8を備えており、前記正
側および負側自動誘導電圧調整器7、8は、正側および
負側のサイリスタ整流器5,6の一次側入力電圧を可変
する可変接点9,10と、前記可変接点9,10を移動
させるサーボモータ11,12と、設定電圧に応じて、
該両サイリスタ整流器5,6に供給する一次側入力電圧
値を演算し、前記サーボモータ11,12へ駆動信号を
出力する制御器13、14をそれぞれ設けたものであっ
て、前記両サイリスタ整流器5,6が前述の周期で交互
に作動することにより矩形波交流を出力するようになっ
ている。 なお、図中記号15は、カーボン,ステンレ
ススチール,あるいはニッケルなどからなる対極であ
る。
処理槽2に満たされた前述の組成を有する着色浴3に浸
漬されたアルミニウムもしくはアルミニウム合金素材4
を正電解する正側サイリスタ整流器5と、前記アルミニ
ウムもしくはアルミニウム合金素材4を負電解する負側
サイリスタ整流器6と、前記正側サイリスタ整流器5の
一次側入力電圧を可変する正側自動誘導電圧調整器7
と、前記負側サイリスタ整流器6の一次側入力電圧を可
変する負側自動誘導電圧調整器8を備えており、前記正
側および負側自動誘導電圧調整器7、8は、正側および
負側のサイリスタ整流器5,6の一次側入力電圧を可変
する可変接点9,10と、前記可変接点9,10を移動
させるサーボモータ11,12と、設定電圧に応じて、
該両サイリスタ整流器5,6に供給する一次側入力電圧
値を演算し、前記サーボモータ11,12へ駆動信号を
出力する制御器13、14をそれぞれ設けたものであっ
て、前記両サイリスタ整流器5,6が前述の周期で交互
に作動することにより矩形波交流を出力するようになっ
ている。 なお、図中記号15は、カーボン,ステンレ
ススチール,あるいはニッケルなどからなる対極であ
る。
【0020】上記構造を有する電解処理装置1において
は、出力電圧を読取り、前記正側および負側自動誘導電
圧調整器7、8の両制御器13,14内で両サイリスタ
整流器5,6に供給すべき一次側入力電圧値を演算し、
両制御器13,14から両サーボモータ11,12へ駆
動信号を送り、該サーボモータ11,12を駆動して、
可動接点9,10を移動させ、両サイリスタ整流器5,
6の一次側入力電圧を変化させことによって、サイリス
タの点弧角を一定にしたままで出力電圧を調整するよう
にしており、出力電圧を変えても、第3図に示したよう
なリップル幅の小さい一定の電圧波形を得ることがで
き、出力電圧によって電圧波形が異なり、とくに低電圧
域においてリップル幅が大きくなって正規の矩形波交流
から掛離れたものになるというサイリスタの点弧角の変
化によって出力電圧の調整を行うタイプの電源装置の欠
点を解消したものと言うことができる。
は、出力電圧を読取り、前記正側および負側自動誘導電
圧調整器7、8の両制御器13,14内で両サイリスタ
整流器5,6に供給すべき一次側入力電圧値を演算し、
両制御器13,14から両サーボモータ11,12へ駆
動信号を送り、該サーボモータ11,12を駆動して、
可動接点9,10を移動させ、両サイリスタ整流器5,
6の一次側入力電圧を変化させことによって、サイリス
タの点弧角を一定にしたままで出力電圧を調整するよう
にしており、出力電圧を変えても、第3図に示したよう
なリップル幅の小さい一定の電圧波形を得ることがで
き、出力電圧によって電圧波形が異なり、とくに低電圧
域においてリップル幅が大きくなって正規の矩形波交流
から掛離れたものになるというサイリスタの点弧角の変
化によって出力電圧の調整を行うタイプの電源装置の欠
点を解消したものと言うことができる。
【0021】
【発明の作用】本発明に係わるアルミニウムおよびアル
ミニウム合金の電解着色方法においては、陽極酸化処理
工程において生成した陽極酸化被膜に、有機酸または無
機酸もしくはこれらの塩を主体とする中間電解処理工程
の浴中で電解処理することによって特性変化を加え、さ
らに電解着色処理工程において、硫酸ニッケルとスルフ
ァミン酸とからなる弱酸性の着色浴中で電解処理するこ
とによって、前記陽極酸化被膜はより鮮やかなブルー
系、モノトーンにより近いグレー系の色調に着色される
ようになる。また、前記電解着色処理工程の電解処理に
は負側電圧の絶対値に対する正側電圧の比が1を超え2
以下である電圧波形を有する矩形波交流が用いられ、こ
れによって、着色速度が抑えられ、発色の再現性と共に
着色のつきまわり性が良いものとなる。さらに、前記着
色浴は比較的単純な組成となっており、管理が容易なも
のとなっている。
ミニウム合金の電解着色方法においては、陽極酸化処理
工程において生成した陽極酸化被膜に、有機酸または無
機酸もしくはこれらの塩を主体とする中間電解処理工程
の浴中で電解処理することによって特性変化を加え、さ
らに電解着色処理工程において、硫酸ニッケルとスルフ
ァミン酸とからなる弱酸性の着色浴中で電解処理するこ
とによって、前記陽極酸化被膜はより鮮やかなブルー
系、モノトーンにより近いグレー系の色調に着色される
ようになる。また、前記電解着色処理工程の電解処理に
は負側電圧の絶対値に対する正側電圧の比が1を超え2
以下である電圧波形を有する矩形波交流が用いられ、こ
れによって、着色速度が抑えられ、発色の再現性と共に
着色のつきまわり性が良いものとなる。さらに、前記着
色浴は比較的単純な組成となっており、管理が容易なも
のとなっている。
【0022】
【実施例】実施例1 アルミニウム合金押出し形材(A6063S−T5)を
10wt%硝酸水溶液中に浸漬して脱脂洗浄した後、5
wt%水酸化ナトリウム水溶液(液温60℃)に7分間
浸漬してエッチング処理を施し、さらに10wt%硝酸
水溶液に浸漬してスマット除去を行った。次に、このア
ルミニウム合金押出し形材を硫酸150g/l水溶液中
にて液温20℃,電流密度100A/m2 の条件で35
分間陽極酸化処理した後、陽極に接続して、亜燐酸13
0g/l水溶液中で液温20℃,電流密度25A/m2
の条件によって2分間の電解処理を行った。
10wt%硝酸水溶液中に浸漬して脱脂洗浄した後、5
wt%水酸化ナトリウム水溶液(液温60℃)に7分間
浸漬してエッチング処理を施し、さらに10wt%硝酸
水溶液に浸漬してスマット除去を行った。次に、このア
ルミニウム合金押出し形材を硫酸150g/l水溶液中
にて液温20℃,電流密度100A/m2 の条件で35
分間陽極酸化処理した後、陽極に接続して、亜燐酸13
0g/l水溶液中で液温20℃,電流密度25A/m2
の条件によって2分間の電解処理を行った。
【0023】次いで、この押出し形材に、硫酸ニッケル
110g/l,スルファミン酸15g/l,pH=4.
8の水溶液中で、図2に示した電解処理装置1を用い
て,正側電圧Vp=39V,負側電圧Vn=−36V,
出力周期Tp=Tn=50ms,接続時間Ts=5ms
の電圧波形を有する擬似矩形波交流によって3分間の電
解着色処理を行ったところ、陽極酸化被膜は鮮やかなブ
ルーに着色された。
110g/l,スルファミン酸15g/l,pH=4.
8の水溶液中で、図2に示した電解処理装置1を用い
て,正側電圧Vp=39V,負側電圧Vn=−36V,
出力周期Tp=Tn=50ms,接続時間Ts=5ms
の電圧波形を有する擬似矩形波交流によって3分間の電
解着色処理を行ったところ、陽極酸化被膜は鮮やかなブ
ルーに着色された。
【0024】この着色された押出し形材を湯洗処理後、
アクリルメラミン樹脂系の電着塗料中で陽極に接続し1
50Vで3分間の通電を行い、艶消しの塗膜7μmを生
成させ、水洗後180℃で30分の焼付け乾燥を行い製
品とした。この結果、押出し形材の材料ロット,形状,
処理面積,寸法などが異なっても、得られる色調は全く
同一であることが確認された。
アクリルメラミン樹脂系の電着塗料中で陽極に接続し1
50Vで3分間の通電を行い、艶消しの塗膜7μmを生
成させ、水洗後180℃で30分の焼付け乾燥を行い製
品とした。この結果、押出し形材の材料ロット,形状,
処理面積,寸法などが異なっても、得られる色調は全く
同一であることが確認された。
【0025】実施例2 アルミニウム板(A1100P)を前記実施例1と同様
に前処理および陽極酸化処理した後、マロン酸100g
/l,クエン酸20g/lの水溶液中で陽極に接続し、
液温30℃,電流密度30A/m2 の条件で4分間電解
処理を行った。
に前処理および陽極酸化処理した後、マロン酸100g
/l,クエン酸20g/lの水溶液中で陽極に接続し、
液温30℃,電流密度30A/m2 の条件で4分間電解
処理を行った。
【0026】次いで、アルミニウム板に、硫酸ニッケル
150g/l,スルファミン酸20g/l,スルホサリ
チル酸10g/l,pH=5.0の水溶液中で、図2に
示した電解処理装置1を用いて,正側電圧Vp=31
V,負側電圧Vn=−24V,出力周期Tp=Tn=3
0ms,接続時間Ts=9msの擬似矩形波交流によっ
て7分間の電解着色処理を施したところ、前記アルミニ
ウム板は均一なグレーに着色された。
150g/l,スルファミン酸20g/l,スルホサリ
チル酸10g/l,pH=5.0の水溶液中で、図2に
示した電解処理装置1を用いて,正側電圧Vp=31
V,負側電圧Vn=−24V,出力周期Tp=Tn=3
0ms,接続時間Ts=9msの擬似矩形波交流によっ
て7分間の電解着色処理を施したところ、前記アルミニ
ウム板は均一なグレーに着色された。
【0027】着色されたアルミニウム板に、酢酸ニッケ
ルを含む水溶液中で100℃,20分間の封孔処理を施
し製品とした。この結果、アルミニウム板の材料ロッ
ト,加工形状,処理面積,寸法などに係わりなく全く同
一の色調が得られることが確認された。
ルを含む水溶液中で100℃,20分間の封孔処理を施
し製品とした。この結果、アルミニウム板の材料ロッ
ト,加工形状,処理面積,寸法などに係わりなく全く同
一の色調が得られることが確認された。
【0028】実施例3 アルミニウム合金押出し形材(A6063S−T5)
に、前記実施例1と同様の前処理および陽極酸化処理を
施した後、亜燐酸150g/l,蓚酸10g/lの水溶
液中で商用交流を用い、液温20℃,電流密度25A/
m2 の条件で3分間の電解処理を実施した。
に、前記実施例1と同様の前処理および陽極酸化処理を
施した後、亜燐酸150g/l,蓚酸10g/lの水溶
液中で商用交流を用い、液温20℃,電流密度25A/
m2 の条件で3分間の電解処理を実施した。
【0029】次いで、該押出し形材を硫酸ニッケル70
g/l,スルファミン酸20g/l,酒石酸7g/l,
pH=4.5の水溶液中で、図2に示した電解処理装置
1を用いて,正側電圧Vp=36V,負側電圧Vn=−
33V,出力周期Tp=Tn=40ms,接続時間Ts
=2msの電圧波形を有する擬似矩形波交流によって6
分間の電解着色処理したところ、押出し形材は均一なブ
ルーに着色された。
g/l,スルファミン酸20g/l,酒石酸7g/l,
pH=4.5の水溶液中で、図2に示した電解処理装置
1を用いて,正側電圧Vp=36V,負側電圧Vn=−
33V,出力周期Tp=Tn=40ms,接続時間Ts
=2msの電圧波形を有する擬似矩形波交流によって6
分間の電解着色処理したところ、押出し形材は均一なブ
ルーに着色された。
【0030】さらに、この着色された押出し形材を湯洗
処理後、ポリウレタン樹脂系の艶消しクリヤ塗料を静電
塗装し、120℃で20分間焼付け乾燥を行い製品とし
た。この結果、前記実施例1,2と同様に、素材の材料
ロット,形状,処理面積,材料長さなどに係わりなく得
られる色調が同一であることが確認された。
処理後、ポリウレタン樹脂系の艶消しクリヤ塗料を静電
塗装し、120℃で20分間焼付け乾燥を行い製品とし
た。この結果、前記実施例1,2と同様に、素材の材料
ロット,形状,処理面積,材料長さなどに係わりなく得
られる色調が同一であることが確認された。
【0031】実施例4 アルミニウム板(A1100P)を前記実施例1と同様
に前処理および陽極酸化処理したのち、燐酸100g/
lの水溶液中で陽極に接続し、液温23℃,電流密度3
0A/m2 の条件で3分間電解処理を行った。 次い
で、前記アルミニウム板に、硫酸ニッケル80g/l,
スルファミン酸15g/l,クエン酸10g/l,pH
=5.0の水溶液中で、図2に示した電解処理装置1を
用いて,正側電圧Vp=31V,負側電圧Vn=−24
V,出力周期Tp=Tn=30ms,接続時間Ts=4
msの擬似矩形波交流によって5分間の電解着色処理を
施したところ、前記アルミニウム板は均一なグレーに着
色された。
に前処理および陽極酸化処理したのち、燐酸100g/
lの水溶液中で陽極に接続し、液温23℃,電流密度3
0A/m2 の条件で3分間電解処理を行った。 次い
で、前記アルミニウム板に、硫酸ニッケル80g/l,
スルファミン酸15g/l,クエン酸10g/l,pH
=5.0の水溶液中で、図2に示した電解処理装置1を
用いて,正側電圧Vp=31V,負側電圧Vn=−24
V,出力周期Tp=Tn=30ms,接続時間Ts=4
msの擬似矩形波交流によって5分間の電解着色処理を
施したところ、前記アルミニウム板は均一なグレーに着
色された。
【0032】着色されたアルミニウム板に、酢酸ニッケ
ルを含む水溶液中で100℃,20分間の封孔処理を施
し製品とした。この結果、前記各実施例と同様に、素材
アルミニウム板の材料ロット,形状,処理面積,寸法な
どに係わりなく全く同一の色調が得られることが確認さ
れた。
ルを含む水溶液中で100℃,20分間の封孔処理を施
し製品とした。この結果、前記各実施例と同様に、素材
アルミニウム板の材料ロット,形状,処理面積,寸法な
どに係わりなく全く同一の色調が得られることが確認さ
れた。
【0033】比較例1 アルミニウム合金押出し形材(A6063S−T5)
に、前記実施例1と同様の前処理,陽極酸化処理,亜燐
酸による中間電解処理を施したのち、硫酸ニッケル11
0g/l,スルファミン酸15g/lを含むpH=2.
9の水溶液中で、図2に示した電解処理装置1を用い
て,正側電圧Vp=39V,負側電圧Vn=−36V,
出力周期Tp=Tn=50ms,接続時間Ts=5ms
の電圧波形を有する擬似矩形波交流によって3分間の電
解着色処理を行った。この結果、押出し形材は、淡いブ
ロンズに着色され、目的とするブルー系の色調の酸化被
膜を得ることはできなかった。
に、前記実施例1と同様の前処理,陽極酸化処理,亜燐
酸による中間電解処理を施したのち、硫酸ニッケル11
0g/l,スルファミン酸15g/lを含むpH=2.
9の水溶液中で、図2に示した電解処理装置1を用い
て,正側電圧Vp=39V,負側電圧Vn=−36V,
出力周期Tp=Tn=50ms,接続時間Ts=5ms
の電圧波形を有する擬似矩形波交流によって3分間の電
解着色処理を行った。この結果、押出し形材は、淡いブ
ロンズに着色され、目的とするブルー系の色調の酸化被
膜を得ることはできなかった。
【0034】比較例2 アルミニウム合金押出し形材(A6063S−T5)
に、前記実施例1と同様の前処理,陽極酸化処理,亜燐
酸による中間電解処理を施した後、硫酸ニッケル110
g/l,スルファミン酸15g/lを含み、アンモニア
水でpHを4.8に調整した水溶液浴中で、図2に示し
た電解処理装置1を用いて,正側電圧Vp=36V,負
側電圧Vn=−39V,出力周期Tp=Tn=50m
s,接続時間Ts=5msの電圧波形を有する擬似矩形
波交流によって3分間の電解着色処理を行った。この結
果、押出し形材の端部については青緑色に、中央部にお
いては灰色に、それぞれ不均一に着色され、目標とする
均一なブルー系の色に発色させることはできなかった。
に、前記実施例1と同様の前処理,陽極酸化処理,亜燐
酸による中間電解処理を施した後、硫酸ニッケル110
g/l,スルファミン酸15g/lを含み、アンモニア
水でpHを4.8に調整した水溶液浴中で、図2に示し
た電解処理装置1を用いて,正側電圧Vp=36V,負
側電圧Vn=−39V,出力周期Tp=Tn=50m
s,接続時間Ts=5msの電圧波形を有する擬似矩形
波交流によって3分間の電解着色処理を行った。この結
果、押出し形材の端部については青緑色に、中央部にお
いては灰色に、それぞれ不均一に着色され、目標とする
均一なブルー系の色に発色させることはできなかった。
【0035】比較例3 アルミニウム合金押出し形材(A6063S−T5)
に、前記実施例1と同様の前処理,陽極酸化処理,亜燐
酸による中間電解処理を施した後、硫酸ニッケル110
g/l,スルファミン酸15g/lを含み、アンモニア
水でpHを4.8に調整した水溶液浴中で、図2に示し
た電解処理装置1を用いて,正側電圧Vp=39V,負
側電圧Vn=−18V,出力周期Tp=Tn=50m
s,接続時間Ts=5msの電圧波形を有する擬似矩形
波交流によって3分間の電解着色処理を行ったところ、
前記形材の端部は黄味を帯びたブロンズに、中央部は緑
味を帯びたブロンズに、それぞれ不均一に着色され、目
的とする均一なブルーには着色されなかった。
に、前記実施例1と同様の前処理,陽極酸化処理,亜燐
酸による中間電解処理を施した後、硫酸ニッケル110
g/l,スルファミン酸15g/lを含み、アンモニア
水でpHを4.8に調整した水溶液浴中で、図2に示し
た電解処理装置1を用いて,正側電圧Vp=39V,負
側電圧Vn=−18V,出力周期Tp=Tn=50m
s,接続時間Ts=5msの電圧波形を有する擬似矩形
波交流によって3分間の電解着色処理を行ったところ、
前記形材の端部は黄味を帯びたブロンズに、中央部は緑
味を帯びたブロンズに、それぞれ不均一に着色され、目
的とする均一なブルーには着色されなかった。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わるア
ルミニウムおよびアルミニウム合金の電解着色方法は、
陽極酸化処理工程において、常法により陽極酸化被膜を
生成させ、中間電解処理工程において、有機酸または無
機酸もしくはこれらの塩を主体とする浴中で電解処理す
ることによって前記陽極酸化被膜の特性に変化を加え、
さらに電解着色処理工程において、硫酸ニッケルとスル
ファミン酸を主体とする中性もしくは弱酸性の着色浴中
で正側電圧が負側電圧の絶対値よりも高く、且つ負側電
圧の絶対値の2倍以下である電圧波形を有する矩形波交
流を用いて電解着色処理する構成としたものであるか
ら、比較的単純な組成を有する着色浴はその成分管理が
容易であると共に、着色のつきまわり性に優れ、被膜欠
陥が発生しにくく、着色の再現性が優れ、従来に較べ
て、より鮮やかなブルー系、モノトーンにより近いグレ
ー系の色調を安定して得ることができるという優れた効
果を発揮するものである。
ルミニウムおよびアルミニウム合金の電解着色方法は、
陽極酸化処理工程において、常法により陽極酸化被膜を
生成させ、中間電解処理工程において、有機酸または無
機酸もしくはこれらの塩を主体とする浴中で電解処理す
ることによって前記陽極酸化被膜の特性に変化を加え、
さらに電解着色処理工程において、硫酸ニッケルとスル
ファミン酸を主体とする中性もしくは弱酸性の着色浴中
で正側電圧が負側電圧の絶対値よりも高く、且つ負側電
圧の絶対値の2倍以下である電圧波形を有する矩形波交
流を用いて電解着色処理する構成としたものであるか
ら、比較的単純な組成を有する着色浴はその成分管理が
容易であると共に、着色のつきまわり性に優れ、被膜欠
陥が発生しにくく、着色の再現性が優れ、従来に較べ
て、より鮮やかなブルー系、モノトーンにより近いグレ
ー系の色調を安定して得ることができるという優れた効
果を発揮するものである。
【図1】本発明に係わるアルミニウムおよびアルミニウ
ム合金の電解着色方法に用いられる矩形波交流の電圧波
形を示す説明図である。
ム合金の電解着色方法に用いられる矩形波交流の電圧波
形を示す説明図である。
【図2】本発明に係わるアルミニウムおよびアルミニウ
ム合金の電解着色方法に適用可能な電解処理装置の一例
を示す概略図である。
ム合金の電解着色方法に適用可能な電解処理装置の一例
を示す概略図である。
【図3】図2に示した電解処理装置から出力される擬似
矩形波交流の電圧波形を示す説明図である。
矩形波交流の電圧波形を示す説明図である。
1 電解処理装置 3 着色浴 5 正側サイリスタ整流器 6 負側サイリスタ整流器 7 正側自動誘導電圧調整機 8 負側自動誘導電圧調整機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 政 誠 一 富山県新湊市奈呉の江13番地の3 富山軽 金属工業株式会社 内 (72)発明者 沢 光 有 富山県新湊市奈呉の江13番地の3 富山軽 金属工業株式会社 内 (56)参考文献 特開 昭59−1696(JP,A) 特開 昭54−31044(JP,A) 実開 昭58−83471(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金材
に陽極酸化皮膜を生成させる陽極酸化処理工程と、有機
酸または無機酸もしくはこれらの塩を主体とする浴中で
電解処理する中間電解処理工程と、硫酸ニッケルとスル
ファミン酸を含みpHを4.5〜5.5の範囲に調整し
た着色浴中で、負側電圧の絶対値に対する正側電圧の比
が1を超え2以下である電圧波形を有する矩形波交流を
用いて電解処理する電解着色処理工程を経ることを特徴
とするアルミニウムおよびアルミニウム合金の電解着色
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3021063A JPH083157B2 (ja) | 1991-02-14 | 1991-02-14 | アルミニウムおよびアルミニウム合金の電解着色方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3021063A JPH083157B2 (ja) | 1991-02-14 | 1991-02-14 | アルミニウムおよびアルミニウム合金の電解着色方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04259400A JPH04259400A (ja) | 1992-09-14 |
JPH083157B2 true JPH083157B2 (ja) | 1996-01-17 |
Family
ID=12044437
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3021063A Expired - Fee Related JPH083157B2 (ja) | 1991-02-14 | 1991-02-14 | アルミニウムおよびアルミニウム合金の電解着色方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH083157B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5431044A (en) * | 1977-08-11 | 1979-03-07 | Nippon Keikinzoku Sougou Kenki | Method of electrolytically coloring aluminum or aluminum alloys |
JPS6058315B2 (ja) * | 1982-06-07 | 1985-12-19 | 株式会社日本アルミ | アルミニウム及びアルミニウム合金の多色電解着色法 |
-
1991
- 1991-02-14 JP JP3021063A patent/JPH083157B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04259400A (ja) | 1992-09-14 |
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